口 腔 剥 離 細 胞 に お け る 性 染 色 質 の 研 究
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(2) 1128. 中. 谷. 昌. 慶. 廻 転 して,載 せ ガ ラス測微 計 お よ び接 眼 測微 計 を 平. 1.女. 行 にな し,載 せ ガ ラス測 微 計 の1目 盛 が,接 眼測 微. 30例,年 令1才6月. 性(表1). 計 の 丁 度10目 盛 に一 致 す る こ とを確 認 した 後,載 せ. 表1.女. 〜55才.. 性 の部 位 別 に よ るSC発. 現率 とそ の形態. ガ ラス測 微 計 を 除去 した. な お載 せ ガ ラス お よび 接 眼測 微 計 は オ リンパ ス製 で,載 せ ガ ラ ス測微 計 は1mmを100等. 分せ る もの. で あ る. 顕 微 鏡 は 日本光 学STR型. を使 用 した.. 実験成績 註. 作製 標 本 にみ られ る細 胞 は 扁 平上 皮 細 胞 で,細 胞 形 質 の染 色 され た もの や,或 は裸核 の状 態 の ものな ど認 め られ,核 は 全 体 的 に赤 紫 色 に染 色 され て い た. 核膜 は やや 濃 染 され,染 色 質 は赤 紫 色 の 微 細 顆粒 と して核 内 に比 較 的 密 に 存在 し,時 に は網 状 を 呈 した. 核 小 体 は殆 ん ど全 て の核 にお い て 目立 た ず,染 色 質 顆 粒 とは 区別 不 能 で あ つ た. そ の 他,淡 赤 色 に 染 つ た赤 血 球 や,暗 紫 色 に濃 染 した 口腔 内 雑 菌 の認 め られ る標本 も散見 され た. SGは I型(三. 核 膜 の 内面 に 附着 して存 在 し,そ の 形態 は 角型),. II型(平. 型), IV型(不 定 型)の4型. 坦 凸 起 型), III型(扁 平 に分 類 し 得 た.図1は. これ らを模 型 的 に示 した もの で あ る. 各型 いず れ も突 出面 は核 内方 に 向 つ て い た.. 不偏 分 散 を除 き,数 値 は%を 示 す,. (1)頬. 粘膜. 標 本 に み られ た 核 を そ の 最 大 径 に よ り 大(14μ 上),中(13〜9μ),小(8μ る と,多. 以 下)の3型. くは 中 型 で あ り,又. 以. に大別 す. 核 形 は 楕 円形が 大多数. を 占 め た. SC発. 現 率 は12〜38%,平. 形 態 はI型 III型13.9%, SCの. 均23.5%で. が 最 も 多 く63.5%,つ. あ っ た.. IV型0.5%の. い でII型22.1%,. 順 で み ら れ た.. 大 き さ は 平 均1.4×0.9μ(2.1×0.3μ)を. 示. し た. な おSCの ()内. 大 き さ は 最 大,最. 小 径 を 以 て 表 わ し,. は 最 大 お よ び 最 小 値 を 示 す.. (2)歯. 肉. 頬 粘膜 に お け る と同様 に 中型 の 楕 円核 が 最 も多 く. 図1. I型. SCの. 形 態(模 式 図). 認 め ら れ た. SC発. 現 率 は12〜34%,平. はI型. が 最 も 多 く75.6%,つ. 10.8%,. IV型2.4%等. 均22.0%で. あ り,形 態. い でII型11.2%,. III型. が み ら れ た.. 大 き さ は 平 均1.4×1.0μ(2.0×0.5μ)で. あ つ た.. (3)舌. II型. 中 型 の 楕 円 核 が 最 も 多 く標 本 に み られ た. SC発. 現 率 は13〜36%,平. I型(78%), れ た が,. 均21.6%で. II型(11%),. III型(11%)は. な お 各 部 位 に お け るSC発. お け る棄 却 限 界 を 求 め て み た. 式. IV型 x:大. き さはNの 試 料 の標 本 平 均. μ2:不 偏 分 散 N:例. 数. F0: F表 よ りF129(0.05). あ つ た.. 現 率 は正 規 確率 紙 にお. い て そ れ ぞ れ 略 々直 線 を な し た の で,信. 公. みら. IV型 は 存 在 しな か つ た.. 大 き さ は 平 均1.5×1.0μ(2.2×0.5μ)で III型. あ つ た.. 頼 度95%に.
(3) 口腔剥離細胞におけ る性染 色質の研究. 1129. 上 記 の 公 式 を 用 い て 次 の 如 き 数 値 を 得 た.. に位 置 し,そ の染 色濃 度,位 置,形 態 よ り常 染 色質. 頬粘 膜. 10.04≦x0≦36.96. とは容 易 に 鑑 別 出来 た.. 歯. 10.30≦x0≦33.70. 肉. 舌. SCの 算 定 法 は前 掲 と同様 で あ る.. 9.70≦x0≦33.50. 2.男. 発 現 率 は女 性 で13〜30%,平 〜2% ,平 均0.5%で. 性(表2). 30例,年. 令3〜69才.. 表2.男. 性 の 部 位 別 に よ るSC発. 均20.7%,男. 性 で0. あ つ た.. SCの 形 態 はI型 が 最 も 多 く,つ い でII型, 現 率 とそ の形 態. で あ り,そ の各 頻 度 はCresyl. III型. echt violet染 色 の場. 合 と殆 ん ど変 りはな か つ た. な お この 染 色法 で は核 小 体 が染 色 され ぬ ため,核 内 に遊 離 の状 態 で存 在 す るSCを. 染 色濃 度,大 き さ,. 形 態等 を 指 標 と して入 念 に調 査 したが,そ れ とお ぼ しき顆 粒 は核 内 に認 め られ なか つ た. 註 形態 に おけ る数値 は30例 中のSCの SC発 現 率 は頬 粘膜,歯. 肉 お よ び舌 共 に女 性 に比. 較 して非 常 に低 率 を示 し, 0〜2%で 形 態 はI型,. 個数 を示 す.. あ っ た.. く認め られ な か つ た.. 実験材料. 医学 部 口腔 外 科 教 室 に於 て,外 来 お よ び入 院 患者 と して取 扱 つ た腫 瘍 患者 の うち70例(良 性 腫 瘍35例,. 大 きさ は頬 粘膜 で平 均1.3×0.7μ(1.8×0.4μ), 歯 肉で平 均1.4×0.8μ(1.6×0.5μ),舌. で平 均1.4. ×0.8μ(2.0×0.4μ)で あ り,各 部 位 に よ る 大 き さ の差異 は認 め られ ない.. 悪性 腫 瘍35例)に. つい てSCを. 性 別 は 男性39例,女. 検索 した.. 性31例,年. 令 は9〜76才 で あ. る. 実験方法. 色. SCの 成 分 がDNAよ. 腔 領域 の 腫 瘍. 昭 和36年10月 よ り昭 和38年10月 ま で に,岡 山大 学. II型, IV型 が み られ たが, III型は全. 3. Fenlgen染. II口. 口腔 内 に 患者 の 病 巣 が直 視 可能 な る場 合 は,そ の りな る と い われ て い る事 実. 病 巣 表 面 よ り壊 死 組織 等 を 綿 球 にて 除 去清 掃 後,鋭. を確 認す るた め 本 染色 を実 施 した.す なわ ち正常 口. 匙 にて 擦 過 し,又 直 視 不可 能 な る場 合 は,外 科 的手. 腔粘膜を有 す る20例(男 性10例,女. 術 に よ り摘 出 された 腫 瘍組 織 よ り鋭 匙 にて擦 過 し,. 性10例,年. 令8. 〜46才)に つ い て ,そ の頬 粘 膜 を鋭 匙 にて 軽 く擦過. 清拭 せ る載 物 ガ ラス上 に可 及 的 に薄 く均 等 に塗 抹 し. して材料 を採 取.塗 抹 標 本 を作 製.. た.塗 抹 後 乾燥 せ しめ るこ とな く直 ちに95%Ethyl alcohol・ether等 量 混 合 液 に て2〜24時 間 固定 した. その固定 お よび 染 色 法 は以 下 の 如 くであ る.. 後,前 掲 のCresyl. 1)火 焔 固定 2)加 水分 解(1規. 定HCI溶. 液 に て50℃,. 10分. 構 造 の不 明 瞭 な る核 は 対象 よ り除 外 した.. 間) 3) Schiff試 薬. 1時 間30分. 4)亜 硫 酸 で洗 滌. 10分 間宛. SCの 鏡 検 法,判 定 規 準,百 分 率算 定 法,大 5回. 5)蒸 溜 水 で 洗滌. 実 験 成績. 男 性17例,女. 7) Xylene 封入. 標 本 にみ られ る核 は薄 赤 紫 色 に染 色 され,染 色 質 は微 細顆 粒 と して核 内 に比 較 的 緻密 に存 在 し,核 小 体 およ び細 胞 形 質 は認 め られ な かつ た.核 小 体 の位 置 した と思 われ る部 は小 円 形 の 無染 色 領 域 と して核 内に 認 め られ る場 合 もあつ た. SCは 暗 紫 色乃 至 赤 紫 色 に 染 色 され,核 膜 の 内面. きさ. の 測 定 法等 は正常 口腔 粘膜 にお け る もの に準 じた.. 1.良 性腫 瘍(表3,. 6)脱 水. 8) Balsamで. echt violet染 色 を施 行 した.. 核 濃 縮 や 核膜 極 端 に肥 厚 せ るもの,濃 染 して核 内. 4). 性18例 で,年 令 は5〜65才 で あ る.. 歯 根 嚢 胞(男 性8例,女. 性7例). 多 くの 場 合細 胞 形質 は み られず 裸 核の 状 態 で,核 は赤 紫 色 に 染 色 され,核 膜 お よ び核 内構 造 は 明瞭 で あ る. 核 小体 は一 般的 に認 め られ な いが,時 に は著 明 な る核 小 体 が 存 在す る症例 もあ つ た. 標 本 に は大 き さ 中型 の楕 円核 が最 も多 くみ られ た.
(4) 1130. 中. 表3.女. 註. A:同. 一 核 にSC. 表4,. 5,. 6も. 谷. 昌. 性 の 良 性 腫瘍 に お け るSCの. 2個 存 在 す る 核 を 含 む.. B:同. 慶. 発 現 率,形 態,大 き さ. 一 核 にSC. 2〜4個. 存 在 す る核 を 含 む.. こ れ に 準 ず.. 表4.男. 性 の 良 性 腫 瘍 に お け るSCの. 発 現 率,形. 態,大. きさ.
(5) 口腔剥離細胞における性染色質 の研究 が,そ の他 円 形,長 径 大 な る楕 円核 も存 在 した. 極 く一 部 の 核 にSC類. 大 半 を 占め た.大 き さは平 均1.6×1.2μ(2.0×0.8. 似 の 染 色 質 塊 が 核膜 の 内面. に2〜3個 附着 して いた が,形 態 お よび 大 き さの点 よ りSCと. 区別 し得 た.し か しな が ら症 例2(女. において1個 の核 に2個 のSCを 女 性 ではSC発. 性). 明 か に 認 め た.. 現 率 は13〜30%平. 均21.1%を. 1131. μ)で あつ た. 粘 液 嚢 胞,皮 様 嚢腫,骨 芽 細 胞腫,良 性 単純 嚢 胞, 線維 腫,乳 頭 上 皮腫(各1例) 女 性 に発 生 した骨 芽 細胞 腫,良 性 単 純 嚢胞,線 維. 示. した.. 腫,乳 頭 上 皮腫 のSC発. 形 態 はI型 が最 も多 く認 め ら れ,大 1.5×1.0μ(2.5×0.5μ)で. き さ は平 均. あつ た.. 男性 では発 現 率 は0〜6%,平. 現率 が 非 常 に. 低 率 で あつ た. SCの 形 態はI型 が 最 も多 く認 め られ た.. 均2.1%を. 示し. た.. 大 き さは 平均1.3×1.0μ(2.0×0.3μ)で. あ つ た.. 男性 に発 生 し た 粘 液嚢 胞,皮 様 嚢腫 の 症 例 では. 大 きさに 関 して は 女性 と殆 ん ど差 異 は認 め られ な い.. SC発. 現率 は0,. 2%を. それ ぞ れ示 した.. な お粘 液 嚢胞,乳 頭 上 皮腫 の症 例 に おい て,同 一. 濾 胞性 歯 嚢胞(男 性4例,女. の核 にSCが2個. 性3例). 標本 にみ られ る細胞 は,殆 ん ど全て 裸 核 の 状 態 で あ り,核 形 お よび 大 き さ は正 常 口 腔粘 膜 の 扁 平上 皮 と殆ん ど差 異 は み られ ない.た だ し時 に は長径 大 な る大型 の楕 円 核 が認 め られ た. 女性 で は発 現率 は6,. 性では2〜3%,平. 17, 20%で,形. 均2.3%で. 態 はI型 が. 2. 悪 性腫 瘍(表5, 男 性22例,女. 内訳 は 癌腫26例,肉. そ れ ぞ れ示 し,男 女 によ. 型 ま たは 異常(atypical or abnormal) 細胞 の 欠 如.. Class II.異 型 細胞 所 見 あ る も,悪 性 の 徴 な し.. 決定 的 で は ない. Class IV.細 胞所 見 に 悪 性の 疑 い 強 し.. 々なる核 形 が認 め られ た.核 の大 小 不 同 はみ られ た. Class V.細. が,核 膜 の 著 明 な る肥 厚 等 は な かつ た.. 癌腫(男 性19例,女. 殆ん ど全 ての 場 合 裸 核 の状 態 で あつ た.核 小 体 は に2個 み られ た.女 性 で はSC発. 現. 示 し,形 態 はI型,. II. 型 が多かつ た.. 胞 所見 決 定 的 に悪 性. 性7例). 組 織 型 は 扁心 上 皮癌25例,腺. 癌1例 で あ る.. 標 本 にみ られ る細胞 の 大半 は裸 核 で,し か も核 の 大 小 不 同,核 形 態 の異 常即 ち不 規則 な 外形 を した もの が著 明 に認 め られ,時 に は分 葉乃 至 分芽 状 の も. 大 き さは平 均1.3×0.9μ(2.0×0.5μ)で 男性 で は発 現率 は1,. 3%を. あ つ た.. そ れ ぞれ 示 した.. 大 き さが3.0×1.1μ な る大 きな もの も稀 に は認 め られ る こと もあつ た が,平 均 は1.6×1.0μ. を示 し. の も あつ た.核 膜 が 極端 に肥 厚 した ため に核 質 との 境界 不 明 瞭の 如 き細胞 は 余 り認 め られ ず,又 出現 し て もか か る核 で はSCの. 良 性唾 液 腺 混合 腫 瘍(男,女. 判定 困難 な るため対 象 よ り. 除 外 した. 女性 で はSC発. た.. 現率 は18〜40%,平. 核 型 は楕 円乃 至 円 形 で あ つ た.核 の 大 小不 同 はみ ら れな かつ た.核 小 体 は通 常 認 め られ な い が,時 に は 存 在 す る核 もみ られ た.. あ. 型 もみ られ た. 大 きさ は平均1.3×1.0μ(2.2×0.4μ)で 男性 に おい て はSC発. 現 率 は1〜7%,平. あつ た. 均3.1. %で あ り,形 態 はI型 が最 も多 くみ られ, II型, III 示 し. 型, IV型 も時 々認 め られ た.. SCの 形 態 はIV型 が 全 く認 め られず, I型, II型 が. 平 均1.5×1.0μ(3.0×0.4μ)で. 現 率 は19%,男. 均27.9%で. り,形 態 はI型 が大 半 を 占め た が, III型, II型, IV. 性 各1例). 標 本 にみ られ る細 胞 は 多 くの場 合 大 き さが 中型 で,. 女 性 ではSC発. 類65). に従 い,次 の5級 に分 けた.. 性3例). 類円,類 楕 円,円 形,楕 円,長 径 大 な る楕 円 等 種. 均32.7%を. 性 黒 色腫,悪 性. Class III.悪 性 が 疑 われ る細 胞 所見 では あ るが,. エナ メル上 皮 腫(男 性2例,女. 率 は25〜41%,平. 腫6例,悪. な お 細胞 診 の 判 定 基準 はPapanicolaou分. 性で. る大 き さの 差異 はみ られ な い.. 時には1個,稀. 6). 性13例 合 計35例.年 令 は12〜76才.. Class I.異. あつ た.. 大 き さは女性 で1.3×0.9μ(2.0×0.3μ),男 1.4×0.9μ(1.6×0.8μ)を. 認 め られ る核 が各1個 存 在 した.. Hurtle細 胞 腺 腫,悪 性血 管 内皮腫 各1例 で あ る.. 最 も多 く,つ い でIII型, II型, IV型 が み られ た.男. 1〜2個. 現率 はそ れ ぞれ15, 31, 4,. 32%を 示 した.線 維腫 の症例 はSC発. 性 で は0%を. た.. 19例 中17例 に お いてSCの. 大 き さを測 定 したが, つ た..
(6) 1132. 中. 谷. 昌. 慶. 表5.女. 性 の 悪 性 腫瘍 にお け るSCの. 発 現 率,形 態,大 き さ. 表6.男. 性 の 悪性 腫 瘍 に おけ るSCの. 発 現率,形 態,大 き さ.
(7) 口腔剥離細胞における性染色質 の研究 な お症 例1(男 性),症 例5, いて 同一 の核 にSC. 6(各. 々女 性)に お. 2個 存 在 す る核 が 稀 で は あ るが. 存在 した.. 1133. 悪 性 血 管 内皮 腫(男 性1例) 大 多 数 の核 は 裸 核 の状 態 と して み られ,細 胞 形質 の 認 め られ る細胞 では,細 胞 形質 は狭少 で,そ の辺. 肉腫(男 性2例,女. 性4例). 縁 は 不明 瞭 な もの が 多 かつ た.. 組織 型 は 円形 細胞 肉腫2例,紡. 錘 細 胞 肉腫1例,. 核 は円 形 乃 至類 楕 円形 で,核 膜 の肥 厚 せ る もの は. 線維 肉腫3例 で あ る.. 少 く,染 色質 は顆 粒 状及 至 網状 に配 列 し,そ の染 色. 標本 に み られ る細 胞 の 多 くは裸 核 の 状 態 で核 形 は. 性 は 多少 不 均等 で あ つた.核 小 体 は肥 大 著 明 で,数. 類円形,類 楕 円 形,紡 錘 形 等 種 々な る形 態 が 認 め ら. は通 常1個 で あ るが時 に は2〜3個. れた.. つ た.. 核 の大 小 不 同,異 型 性 は癌 腫 に比 較 して やや 少 く,. SCは. 存 在 す る核 もあ. み られ な い.. 核 内構造 は一般 的 に癌 腫 よ り明瞭 で あつた. 女 性 ではSC発. 現 率 は18〜37%,平. III性 分 化 異 常お よび性 器 異 常. 均25%で,そ. の形 態 はI型 が 最 も多 く,つ い でIII型, II型, IV型 の順 でみ られ た.. 外 陰 部の 形 態 そ の他 か ら男,女 性 の 決定 困 難 な る 場 合,臨 床 的 に正 し く性 を 決 め るこ とは常 に 容易 と. SCの 大 き さは平 均1.4×1.0μ(3.0×0.4μ)で. あ. つた.. は い え ない.従 来 この様 な 場 合 に は試験 開 腹 術 に よ る内部 性 器 の状 態,あ るい は性 腺 の 組織 学 的検 査 に. 男性 で はSC発. 現率 は1,. 6%,平. 均3.5%で,. その形 態 はI型 が 大 半 を 占め た が, II型, IV型 が み. よ つて 生 来 の性 別(genetic. sex)の 判 定 が行 われ て. いた. と こ ろが前 掲 の 如 くBarr達. られ るこ と もあつ た.. が,体 細 胞 に おけ る. 大 きさは平 均1.5×1.1μ(1.8×0.8μ)を. 示 した.. SCの. なお症 例10(女 性)で は同 一 の 核 にSC. 2〜4個. め て簡 単 な検 査法 と して性 分 化異 常 等 の性 別判 定 に 利用 され て きて い る.. 存 在す る核 が稀 に み と め られ た.. 私 も少 数例 で はあ るが,性 分 化 異常 およ び性 器 異. 悪性 黒 色腫(女 性1例) 432の 唇,頬 側 よ り口蓋 に ま た がつ て 歯 肉 に分 葉. 常 の 患者 の 口腔 頬 粘 膜上 皮 細 胞 よ りSC検. 索 に よる. 性 決 定 を行 い,以 下 の成 績 を 得 た.. 状 に生 じた鳩 卵 大 の腫 瘍 で あ る. 核形態 は円形,類. 検 索 に よ り,性 別 判定 法 を発表 し て以 来,極. 円形,紡 錘形,お た ま じや くし. 形等がみ られ,核 の 大 小 不 同 は著 し く,核 小 体 は 形 不規則 で,そ の異 常 肥 大 せ る もの もあ つ た. 細胞形 質 が認 め られ る細胞 で は,多 くの場 合 細胞 形質内に黒 色 の 色 素 沈着 が み られ た.核 内に 多 量 の 黒 色の色素 沈 着 が存 在 す る 核 は, SCの 鑑 別 不能 な るため対象 よ り除 外 した.. 実 験 材料 岡 山大 学 医学 部 泌尿 器科,産 婦 人 科 お よび小 児 科 教 室 を訪 れ た外 来 お よ び入 院 患者 で,外 陰 部 その 他 よ り臨 床 的 に性 決定 困 難 な る14例 につ いてSCを. 検. 索 した. 実験方法 患 者 の頬 粘 膜 を鋭 匙 に て軽 く擦 過 して標 本 を採 取. SC発 現率 は24%を 示 し,形 態 はI型 が 多 く,つ. し,清 拭せ る載 物 ガ ラス に可 及 的 に薄 く均 等 に塗 抹. いでIII型, II型の 順 に み られた が, IV型 は存 在 しな. した.固 定 お よ び 染 色 法,鏡 検法, SC算 定法 等 は. かつた.. 全 て正 常 口腔 粘 膜 に お け るSCの. 大 きさは平 均1.2×0.9μ(2.0×0.5μ)で 悪 性Hurtle細. あつ た.. 胞 腺腫(女 性1例). 正 常 口腔 粘膜 に おけ るSCの. 核 の大小 不 同 は 認 め られ た が,異 型 性 は軽 度 で あ. 研究 に準 じた.. 実験 成 績(表7) 私 の研 究成 績 よ り得. た 棄却 限 界 の数 値 と,他 の 研究 者 の報 告(表8参 照). つ た.核 小 体 が 全 くみ とめ られ ぬ もの や 或 は1〜3. と よ りSC. 個存 在 す る核 な どが 標 本 内 に 混在 した.. の 場 合 を男 性,そ の中 間 を判定 困難 と一 応 定 め た.. SC発 現 率 は30%を 示 し,そ の形 態 はII型 が 最 も 多 く,つ い でIV型, なお 同一 の 核 にSC. I型,. III型が み られ た.. 2個 存在 す る もの が3個 み ら. れ た. 大 き さは 平均1.3×1.0μ(2.0×0.7μ)で. 10%以 上 出現 した場 合 を女 性, 5%以. 症 例 は いづ れ も典 型 的 な もの で あつ た.但 し症 例 14は 臨床 的 にTurner症. 候 群 の疑 が あつ た が,諸 種. の検 査の 結 果幼 時 に 罹患 せ る結 核 に よ る発 育不 全 と 決 定 され た もの で あ り, SC発. あつ た.. 下. 女 性型 で あつ た.. 現率 は11%を. 示 し,.
(8) 1134. 中. 表7.性. 谷. 現. 例6)は. そ れ ぞれSC発. の 休 止 核 に お い て も確 認 さ れ る と,胎. 性 予 知,性. 化 異 常 な ど 主 と し て 臨 床 的 検 査 法 と し てSCの. 率 は15, 25%で い ず れ も女 性 型 を示 した. 例3,. 慶. 分 化 異常 お よび 性 器 異常 患 者 にお け るSC. 2例 の 女 性仮 性 半 陰 陽(症 例1, 2)で はSC発. 停 留 睾 丸3例(症. 昌. 現 率1, 2, 3, 0%を 示 しい. 文 献 的 に これ ら の 研 究 法 を 回 顧 す る と以 下 の ご と くに わ け ら れ る.. 1例 の 仮 性klinefelter症 侯 群(症 例7)は,. 45. 才 の 男性 で妻 子 あ るが,数 カ月前 よ り性格 女 性 化 し,. 皮 膚 組 織法 Moore,. Graham. &. Barr(1953)54)が. 又女 性 化乳 房 とな る.現 在 無 精子 症 で,右 側睾 丸 は 萎縮 性 で あ る.. 的 に 価 植 が あ る と 発 表 し た の に 始 り,つ. 現 率 は4%で. 発現 率 は5, 13, 4%で2例. 10)で. はSC. は 男性 型 を, 1例 は 女性. 型 を示 した. SC男 性 型 を 示 した もの で は 性 染 色体 はXO型,女. 性 型 を示 した も の で はXX/XO/XY. 16%で 前 者 は男 性 型 を 示 し,そ. はSC発. 現率 は2,. の 性 染色 体 はX. ジ ル),. et. (1955.独),. H. al.. 1例 の局 部 的 児 態症(症 例13)で はSC発. (Moore49)に. 現率は. な お 上記 の性 染 色 体 は本 学 医学 部小 児 科 教室 に お. Ehrengut. ル ト ガ ル),. ル ゼ ン チ ン)等. 野74),足. (1955.仏),. ラ ン ダ),. Tavares(1955.ポ. よ る),そ. M.. ラ. に よ り確 認 さ れ. の 後 多 数 の 追 試 者 が あ り,本. 利5)等. 屋 ・岡78),金. 井32),. の 報 告 が み ら れ る.. これ らの 方法 は組 織 片 を得 るた め に小 手術 が必 要 者 に 苦 痛 を 与 え る事 を 避 け 得 な い.. 血 液塗 抹 法 Davidson. い て 決 定 され た もの で あ る.. et al. (1954.ブ. Hinglais,. (1955.オ. 邦 に お い て も 落 合 ・金 井59),土. で,患. 15%で 女 性 型 を示 した.. &. づ い て この. Lennox(1954.英),. Decourt. Hinglais,. Carpentier. 児 玉36),高. で あ つ た.後 者 は 女性 型 を 示 した.. &. Marberger(1954.米),. Stevenson(1955.ア. 型 で あ つ た. 2例 の 児 態症(症 例11, 12)で. 陰 陽症 状 の 鑑別 診 断 に臨床. 信 頼 性 は 直 ち にHunter. 男 性 型 を 示 した. 侯 群(症 例8, 9,. 索 を 行 い,半. 人 体 皮膚組. 織 にSC検. 3例 のTurner症. 研究. は 発 達 し て き た.. 4, 5),尿 道下 裂1例(症. ず れ も男性 型 で あつ た.. SC発. 分. &. Smith. 1954)15)が,中. 性 多 核 白血 球. に 性 に よ り差 異 が あ る こ と を 発 見 し た こ と に よ り,. 総 I研. 括. 考. 按. 有の所謂. 究 方法. Barr & Bertram8)に 現 され たSCが,. こ の 研 究 は 始 ま つ た.即. よ り1949年 猫 の 神 経核 に発. Mooreそ. の他 に よ り人 間 の 体細 胞. ち中性 多核 白血 球 に女性 特. 「太 鼓 撥 」(Drumstik)が38個. に1個. の割. 性 に は 全 く認 め られ ず,従. つて. 性 差 異 が 中 性 多 核 白 血 球 に 可 能 で あ る と し,こ. れは. で 認 め ら れ る が,男.
(9) 口 腔 剥離 細 胞 にお け る性 染 色質 の研 究 Barr等. の 指 摘 したSCと. 同 一 の もの で あ ろ う と推. 1135. 的 に この 検 査法 が広 く用 い られ て い る.. 定 し た. そ の 後Brigg &. &. Kuppermann(1956),. Strietzel(1956),. Sun. u. Oehme(1956),. &. Rakoff(1956),. Tenczar. Wiedermann,. &. Romatowski. に よ り追 試 さ れ(熊 稲 野 他25),児. u.. SCの. 田 他26),熊. 邦 に於 て も. 切 他38)等. 研究 の た め従 来使 用 され た 口腔 粘膜 は 頬 粘. 膜 で あ り,そ の 他 の部 位 でのSCの. Tolksdorf(1956)等 よ る),本. 常 口腔 粘摸. 1.発 現率. Peiper. Streitmatter(1956),. 切 他38)に. 玉36),岩. II正. Harnack. した 範 囲 で はMarwah. 研究 は私 の渉 猟. & Weinmann44)の. 歯 肉組 織. の 研究 があ るのみ で,部 位別 に よ る詳細 な 報告 は み. の 報告. あ た らない.. が 認 め られ る. し か しな が ら 中 性 多 核 白 血 球 に はDrumstik類. 以 上 の 点 よ り して 私 は 部 位 に よ るSCの. 似. 出現頻. の 種 々 な る小 附 属 物 が 存 在 す る 故 に 標 本 の 解 釈 に 熟. 度 につ いて検 索 した が,女 性 の 頬 粘膜 で は23.5±. 練 と,且. 6.50%,歯. つ 検 査 に 時 間 を 要 す る 欠 点 が あ る38).. つ た. 5%の. 剥離 細胞 塗 抹 法 Moore. &. Barr(1955)52)は. Papanicolaou固. 鏡 検 し,表. echt violet液. %(平. 均約0.3%以. 現率 は0〜2. 下)で あ り,女 性 と は 明瞭 な差. 異 が 認 め られ た. Boccabella. &. Nelson(1955)42)は. Cresyl echt violet染 色 法 を 使 用 した 他 の研 究者. 口 抹. の頬 粘膜 塗抹 標 本 よ りのSC発. 法 の 有 用 性 を 述 べ て い る.又James(1956)28)は. 羊. 表8で あ る.. 水 中 の 脱 落 細 胞 よ り, Carpentier(1955)11)は. 腟 お. 腔 粘 膜 の 塗 抹 標 本 に,. Feulgen染. 色 を 使 用 し,塗. 上 述 の 如 く塗 抹 法 は1955年. に 始 ま り,つ. 中館 他56)は この点 に関 して,染 色等 の 技 術 的 な 問題, SCの 判 定 基 準 の 問題等 に起 因す るの で は な. 藤(1956)4)は. 館 他(1956)56)は. の塗 抹 成 績 を,児. い か と述 べ て い る.. 口腔 粘膜 剥 離 細. 胞 お よ び 羊 水 中 の 細 胞 に つ い て の 検 査 成 績 を,鈴 他(1956)71),安. 2.位 置. 木. SCの. 羊 水 中 の 細胞 につ い. 生 体 お よ び死 体 の 口腔 粘膜. 玉(1958)36)は. 口腔 お よ び尿 道 粘. 体 に隣 接 せ るもの, 4)極 め て 稀 な が ら2個 存 在す る もの等 に分題 で き ると いわ れ, Klinger34),足利5),. れ ら剥 離 粘 膜 細 胞 は 材 料 の 採 取,. 標 本 の 作 製 容 易 で,鏡. 検 に 好 都 合 で あ る た め,臨 表8.. は 平 均値. 核 内位 置 につ い て は, 1)核 膜 に 附着せ る も. の, 2)核 内 に遊 離 の状 態 で 存在 せ るもの, 3)核 小. 膜 塗 抹 成 績 を 報 告 して い る. い づ れ に せ よ,こ. 現 率 に関 して. は 報告 者 に よ りかな りの差 異 が認 め られ る.. い で その. 他 の 研 究 者2) 20)の 報 告 が み ら れ る. 本邦 に 於 て は 庄 子 他(1956)72)が. 現 率 を示 した もの が. 以上 に み られ るご と く女性 のSC発. よ び 尿 道 粘 膜 よ りの 塗 抹 成 績 を 報 告 し て い る.. 註 ()内. あ. 現率 に は有意 差 は 認 め られ な かつ た.. 男 性 で は部 位 如何 に拘 ら ず, SC発. 皮 切片 組 織 に代 え得 る. こ と を 認 め た.. て,中. で21.6±5.75%で. 危 険率 でt検 定 を行 つ た と ころ,各 部. 位 に よ るSC発. 頬 粘膜 の 塗 抹 標本 を. 定 液 で 処 理 し, Cresyl. で 染 色 し てSCを. Marberger,. 肉 で22.0±5.65%,舌. Cresyl. echt. 床. 沢野69)等 はmodified. thionin染 色, Feulgen染 色. と ライ ト緑の 重 染 色を 施 した 組 織 標本 で それ ぞ れ そ violet染. 色 に よ るSC発. 現 率.
(10) 1136. 中. 谷. の成 績 を報 告 し,そ の うちで も核 膜 に 附 着せ る もの が大 半 を 占め た と述 べ て い る. 私 の標 本 で は核 小 体 が 識 別 され る こと は殆 ん どな 確認 で きず ,. 核 内 を注 意 深 く観 察 した が遊 離 型 と思 わ れ る もの も 色 を 施行 した標 本 に お. いて も遊 離 型 は認 め られ ぬ ため,核 SCが. 膜 に 附着 せ る. 本 研 究 で は対 象 とな つ た.. 私 の症 例 で は 女性 の 頬 粘膜 で 平 均1.4×0.9μ,歯. 物 体測 定 に伴 う誤 差 を考 慮 す れ ば,部 位 に よ る大 き さの差 異 はな い もの と思 う. 男性 に認 め られ た もの も大 き さに 関 して は女性 と 差 異 は殆 ん どな く,女 性 にみ られ たSCの. 形 態 に つい て文 献 にみ ら れ る 呼 称 を列 記 す. れ ば,平 坦 凸起(Planoconvex),扁. 平 ,円 盤 状,べ. ル 状,円 形,円 錘 形 ,半 球 状,卵 円形,亜 鈴 状,三 角 形,尖 角 状, V字 型,ピ. ラ ミッ ド形等 あ り,同 一 形 が報 告 者 に よ り別 名 で 呼 ばれ て い る事 が 推 測 され. 私 は便 宜 上4型 即 ちI型(三. 角 型), II型(平. 坦. 凸起 型), III型(扁平 型), IV型(不 定 型)に 分 類 した . Moore & Barr50)は 人 間 の各 種 の組 織 に つ い てSC を検 索 した 結果, Planoconvex. typeが 多 か つ た と. 口腔 粘 膜 のSCは,大. き さが人 間 の よ り幾 分大 きい こ とをみ とめ,こ れは X染 色 体 が この動 物 で は最 大 で あ る とい う事実 によ る と想 像 して い る. 5.成 分 SCがDNAを. 含 む もの で あ る こ と は,. 染 色 法 を使 用 したMoore. る.. 大 き さよ. り非 常 に小 さい とい う様 な所 見 は な かつ た. Klinger49)は 雌Gorillaの. 3.形 態 SCの. 慶. 肉で1.4×1.0μ,舌 で1.5×1.0μ で あつ た が,微 小. か つ たの で,核 小 体 に 隣 接 せ るSCは. 存 在 しな か つ た. Feulgen染. 昌. &. Barr50), Marberger et. al.,42)Klinger34)そ の 他 の研 究 者 に よ り 証 明 され, 私 も同様 な 事実 を確 認 した. James30)は 猫 の 副 腎 皮質,猫 をDNAaseで. お よ び兎 の 腸間膜. 処 理 し た 後, Methylgreen‑gyronin. 記 述 し. Klinger34)は 羊 膜 上 皮 お よ び結 合織 の 核 に. 染 色 を施 してSCにRNAも. お い て,安 藤3)は 羊 水 中の 脱 落細 胞 核 で 同様 の 事実. し,又 その 量に 変 化 が あ る と記 載 して い る.. 又Marberger. 含 まれ る こ と を指 摘. 私 は 浜崎21)の 石 炭 酸 フ クシ ン沃 度 法(そ. を 報告 して い る. et al.42),庄子 他72)等 は 口 腔 粘 膜. 塗 抹 標本 でPlanoconvex. typeが 多 く認 め ら れ た と. 私 の成 績 で は部 位 如 何 に拘 らずI型 が 最 も多 く認. の うち. 核 染色 はCresyl echt violet使 用)に よ り15例 の女 性 口腔 頬 膜 塗抹 標 本 の染 色 を行 つ た と こ ろ, SCの 発 現 率 は1〜4%(平. 報 告 して い る.. Feulgen. 均3.6%)を. 示 し,ま た その. 形 態 もや や不 明 瞭 な る もの が多 か つ た の で, SCが. め られ過 半 数 を 占 め,つ い でII型, III型, IV型 の順. Feulgen染 色 陽 性 で あ る こと を考 え併 せ れ ば,低 分. に 減少 した.. 子 のDNAよ. 個 々の 症 例 に おい て も殆 ん ど全 て にI型 が最 も多. り も高 分 子 のDNAをSCは. 多 く含. むの で は な いか と思 うが,こ の こ とは これ の み では 断定 で きぬ.. く認 め られ た. な おJames29)はSCは2個. の 竿状 の もの が,種 々. な る形 に結 合 した もの と して,し ば しば認 め られ, 原 則 と して その 両 端が 融 合 し, V字 形 成 す る.こ の 事 はKlinger35)が. 形, U字. 形を. 記 載 す るSCの. 6.由 来 SCの 由来 に 関 して は, Moors & Barr(1955)51)は 女 性体 細 胞 の2個 のX染 色体 の異 染色 質 部分(hetero chromatin)が. 互 に融 合 し,こ れ は 休止 核 で は 緻密. bipartite characteristicに 相 当す る も の と考 え られ. な濃染 状 態 で留 つ て い ると仮定 し, Y染 色 体 は大 き. る.し か し人 間 の 口腔 粘 膜 で はSCの2個. に分 れ た. さが小 さい故, XY染. もの は殆 ん ど認 め られ ぬ と もJames29)は. 報告 して. うる大 き さの染 色質 塊 を形成 しな い と した.. い る.私 の症 例 で もこの 様 な2個. に 分 れ たSCは. Klinger(1957)34)は. 色 体 を有 す る男 性 核 では 認め. 胎 児 およ び 胚体 外膜 等 に お. 見 あ た らず,全 例 中僅 か に1個 それ に類 似 の形 態 が. け るSCの. 認 め られ た に す ぎ なか つ た.. な もの に影 響 され る もの では な く,遺 伝 的に 決定 さ. 4.大. きさ. 口腔 粘 膜 のSCの. &. Barr52)は. ホ ル モ ン等 の 如 き環 境 的. れ る もの で あ り,上 述 のMoore 大 き さに 関 して は,単. に約1μ. と記 載せ る報告 が 多 い. Moore. 研 究 で, SCは. 頬 粘 膜 に お い て 平 均1.2×0.7. μ で あ つ た と 記 載 し て い る.. & Barr51)と 同 じ. く女性 の2個 のX染 色体 の異 染色 質 部分 の融合 に よ り生ず る もの と想 像 した. この仮 説 はSCのbipartite. characteristicの観 察. 等 に よ り支 持 され,一 般 に承 認 され て き た..
(11) 口腔 剥 離細 胞 にお け る性 染 色質 の研 究. 然 るに最 近 の 染色 体 研 究 の 進歩 と共 に,新. しい 説. が 出現 した.. の 染色 体 はXO型 縮 し, SCと. 図2 Sex. す な わ ちKosin. 1137. Chromatin. & Ishizaki(1959)37)が 家 鶏 の 雌. Sex. Chromosome. Pattern. Complex. で あ るの に, X染 色 体 が 異 常 凝. して み られ るこ とを 観 察 した.. Ohno et al. (1959)62)は 鼠 肝 細胞 の 研究 で,雌 で は2個 のX染 色体 の う ち1個 のみ が 異 常凝 縮 を した が,雄 で はX, Yい. ず れ の染 色 体 も 異 常 凝 縮 を しな. い事 を観 察 し,又X染. 色体 は異 常 凝 縮 の際 例 外 な し. に折 り曲げ られ た よ うな形 を呈 す るの で,こ の 事 は 前掲 のSCのbipartite でSCが2個. characteristic即 ち 休止 核. の外 観 を示 す 事 に対 す る説 明 も可能 で. あ る と した. 又Ohno. & Hauschka(1960)61)も. 鼠 乳 腺 癌 の研. 究で, 2個 の性 染 色 体 の うち1個 が 異常 凝 縮 を示 す こ とを確 認 して い る. Grumbach XO型. et al. (1960)17),森 島(1960)55)は. 性 染 色 体 を有 す るGonadal. 者 がSC陽. dysgenesisの. 患. 性 で あ る こ とを 発見 した.. これ ら上 記 の 如 き観 察 に よ りSCは2個. のX染 色. 体 よ りも1個 のX染 色 体 よ り派 生 す るもの で あ る と い う説 が有 力 とな つ て きて お り, Ohno(1963)60)に よれ ばSCは. 全 長 に そ つて 濃 染 され た1個 のX染 色. 体 だ と述 べて い る. 私 は本 研 究 に於 て 男 性 に認 め られ たSCの. 大 きさ. が女性 の そ れ の半 分 に 近 い様 な所 見 は な く,大 き さ の差異 を殆 ん ど認 め 得 な かつ たの で, SCは1個 X染 色 体 に 由来 す ると い う説 に賛 意 を表 す る. ともあ れSCが1個. の. のX染 色 体 に 由 来す る もの か,. 或は2個 のX染 色 体 に 由来 す る もの か はな お議 論 の 余 地が あ る と思 え るが, X染 色 体 に関 係 の あ る こ と は確 実 の よ うで あ る. なお 由来 とは少 し問題 が 異 な るが, SCが 男 性 よ り の核 に稀 で は あ るが 認 め られ た り,女 性 よ り採取 せ る細胞 核 に認 め られ るもの と,認 め られ ぬ ものが あ. III腫. 瘍. 1.良 性 腫 瘍 女 性 に発 生 した18例 中2例 を 除 く と, SC発. る理 由 を, Klinger34)は 異常 分 裂 の結 果 で あ ろ うと. は平 均23.8%(13〜41%)で. 推測 し, James29)は 核 の 変性 等 に起 因 を求 め て い る.. SC発 現率 が4,. またBarr. 身 状 態全 く異常 認 め られ ぬ正 常女 性 で あつ た.. & Carr10)は 不 明 な 生物 学 的 因 子 が 影響. を与 えて い ると して い る. いず れ に しろ今 後 の 研究 に よ り解 明 され る問 題 と 思 う.. 示 した2症 例 は いず れ も 全. 男性 では平 均1.9%(0〜6%)で. あ り,上 述 の. 低 い発 現 率 を示 した女 性 を除 外 す れ ば核 に よ る性 差 異 が 明か で あ る.. 7. X染 色 体 との関 係 通 常SCの. 6%を. 現率. 女性 型 の 核形 を示 した.. 最 大 数 はX染 色体 の全 数 よ り1個 少 い. とい われ,こ れ を模 型 的 に表 わ した ものが 図2で あ る. (Barr & Carr10)の 図 よ り引用). Tokuoka.. Takeda77)は 良 性 腫 瘍 のSC検. て 男 性 で0%,女. 性 で46%(20〜56%)認. 索におい め,核 に. よ る性差 異 の あ るこ とを述 べ て い る. Sohval & Gaines70)は 男 性 よ り の腫 瘍 は全 て男 性.
(12) 1138. 中. 谷. 昌. 慶. 型 を示 したが,女 性 よ りの もので は 女性 型 を 示 した. もそ の う ちに は常 染 色質 との 鑑別 を完 全 に行 い え な. もの は約26%の. い もの も含 む と記 載 して い る.. み で あつ た と報 告 して い るが,標 本. に 染 色技 術等 の や や欠 陥が 存 在 した こ と も記 載 して い る.. 正常 お よび 腫瘍 組 織 の組 織 培養 でSCを Miles46)もSCは. Moore & Barr51)は 良 性 腫 瘍 お よび そ れ と 類 似 病 変 につ い てSCを. 検 索 し,そ の発 現率 お よび 大 き さ. 検索 した. 多 くの場 合 核膜 内面 に 附着 して い. た こ とを認 め て い る. 私 は 良性 およ び悪 性 腫 瘍標 本 で 核 内を 入念 に観 察. 共 に発 生 母地 の 正常 細 胞 と差 異 は な い とい う事実 を. した が,核 内遊 離型 のSCと. 報告 して い るが,私 の 症例 に おい て も大 き さは女 性. 質 塊 とを 明確 に区 別 で きな か つ たの で,核 膜 に附 着. で1.3×1.0μ,男 性 で1.4×1.0μ な る成 績 を 得 た の. せ る もの の みを対 象 と した.そ の た め に あ るいは真. で,大 き さ に関 して は男,女 お よび 発 生母 地 の 細胞. のSC発. との 差 異 は認 め られ な い.. が,上 記 報告 者 の観 察 を 考 慮 すれ ば 核膜 に附 着せ る. 位 置お よ び形 態 に 就 い て 上記 のMoore はSCは. & Barr51). 核膜 の 内 側 に 附着 し,形 態 は 常 にPlano. convex typeで. 核 小 体 あ るい は常 染色. 現率 を表 わ して い る とは云 い難 い点 もあ る. ものが 最 も信 頼 性 が 高い もの と思 う. 金 井32)は 女性 に発 生 した 悪 性腫 瘍 でSCを. あつ た と報告 して い る.私 の症 例 で. 44.03%,良. 性 腫 瘍 で平 均49.13%認. 平均. めて お り,後 者. も常 に核膜 の 内面 にみ られ たが,形 態 は三 角 型が 最. が 前者 に比 し幾 分 高率 で あつ た と述 べ て い るが,私. も多 くみ られ, Planoconvex typeは. の 症例 で は 前 記の 如 く悪 性 腫 瘍 にSCは. 他 の腫瘍 に 比. して エ ナ メル 上皮 腫 にや や 目立 つ 程 度 で あつ た. な おSCの. 核 内位 置を核 膜 附着 型,核 内遊 離型,. れ ず,女 性 に 発生 した良 性 およ び悪 性 腫 瘍 でSC発. 核 小 体 隣接 型 の3種 に分 類 して い る 研究 者45)も あ. 現 率 そ れ ぞれ20〜40%,. るが,こ の事 に つ いて は 次 の 悪性 腫 瘍 の項 に 記す.. Hienz22)も 同 様 な見 解 を とつ て い る.. 2.悪 性 腫 瘍 SCの. や や 高率 を. み た.し か しなが ら この事 は本質 的 な相 違 とは思 わ. 17〜31%な. る 成 績 を 得た. Tavares75), Moore & Barr53), Kimel33)は 一般 的. 判定 規 準 は良 性 腫瘍 にお け る と同 様 に 正 常. に よ く分 化 した腫 瘍 で はSC発. 現率 は高 く,未 分 化. 細 胞 に 準 じたが,染 色質 量 の 増大,核 小 体 の 数 の 異. の腫 瘍 で は低 い と述 べ て い るが,私 の症例 で も癌 腫. 常,核 膜 の肥 厚等 出現 し,正 常細 胞 お よ び良 性腫 瘍. 以 外 の女 性 悪 性腫 瘍 で幾 分 か か る傾 向が み られ た.. 細 胞 の場 合 よ り も判 定 は 困 難 で あつ た.特 に核膜 に 附 着 してSCよ. りやや 大 き く,輪 廓 の不 規 則 な染 色. 私 の症 例 では癌 腫 は1例 の腺 癌 を除 くと全 例 扁平 上 皮 癌 で あつ た の で, Brodersの. 悪性 度 とSCと. 質 塊 が 認 め られ る場 合 は 判定 の困 難 さを増 加 させ た. 関係 に つ いて 調 査 した が,表9に. み られ る様 に余 り. が,形 態 の 点 等 を考 慮 して か よ う な 染 色質 塊 はSC. 関 係 は認 め られ な かつ た.. と して は認 めな か つ た. SC発 現率 は女 性 で 平 均26.8%(18〜40%),男 で 平 均2.9%(0〜6%)で. 性. 表9.扁. 平 上 皮癌 のBrodersの. 分 類 とSC発. の. 現率. 明 か に性別 に よ る 核 の. 形 態学 的差 異 が認 め られ,又 男女 共 正常 細 胞 に おけ るよ りその 発 現率 は幾 分 上 昇 をみ た. Tavares75)は 皮膚 癌,肝 臓 癌,胃 癌,腎 臓 癌 そ の 他 の 各組 織 の 癌腫 につ い てSCを 検索 し,女 性 で27 〜79%,男 性 で1〜17%認 め,又 癌 腫 の 発 生 部位 に よ つ て影 響 を み な かつ た と述 べて い る.ま たMoore & Barr53)は 女 性 に 発生 した 悪性 腫 瘍 でSCを2〜84 %認 め たが,そ の約1/3は 女 性 の 正 常組 織 や 良性 腫 瘍 よ りのSC発. 現 率 よ り低下 をみ た と記 載 して い る.. Meyers45)は 上 皮性 の良 性 お よ び 悪 性 腫 瘍 に つ い てSCを. 検索 し,腫 瘍細 胞 核 の性 は発 生母 地 細胞 核. の性 と一 致 を み, SCの 核 内位 置 につ い て は,核 内. Kimei33)は. 核 の 異 型 性 の 強 い も の 程SCの. 率 は 低 下 した こ と を 認 め,ま tumorはnon‑esterogen. dependent. tumorよ. 発現. dependent りSC発. 現 率 は 高 か つ た と記 述 し て い る. Tavares76)はSCの. に遊 離 せ る もの,核 小 体 に 隣接 せ る もの,核 膜 に附. の で は な く,異. 着せ る もの の3種 に分 類 し,前2者. ろ う と想 像 して い る.. は僅 か で,し か. たesterogen. 喪 失 は 細 胞 の 未 熟 か ら生 ず る. 常 に 分 化 せ る細 胞 よ り生 ず るの で あ.
(13) 口腔剥離細胞における性染色質の研究 第一 次性 徴. 太 田63)64)は 癌細 胞 の異 型性 お よ び 多 型性 は悪 性. 1)内 性 器 の性. 度 の基準 と して一 応 実 用 化 して い るが,矛 盾 す る こ と も多 い と記 して い るの で, Kimelの. 2)外 性 器 の性. 報告 のSC低. 第 二 次性 徴. 下 を直 ちに悪 性 度 と結 び つ け るこ とは 注 意 を要 す る. SCの 形 態 は正 常 お よ び良 性 腫 瘍細 胞 に お け る と 同 様に三 角型 が 最 も普通 に み られ た. SCの 大 き さは平 均1.3×1.0μ. で,正 常 お よび 良. り順 に次 の 項 日 の性 を支 配 し て 性 分 化 をす. 性 腺 の性 が決 定 され,そ の 性 腺 の支 配 の下 に 内外 性 器 の 分 化が す す め られ る.こ の どの 段 階 に お いて も 異 常 が お こ り得,そ. して そ れ が お こ る と,そ の下 の. 段 階 で 性 分 化 過 程 が 乱 れ, Intersex(性 分 化異 常). 0.8μ であ つ た と報告 して い る. 悪性 屋 瘍 の細 胞 核の 大 き さに はか な りの変 化 が あ 以上),中(13〜9μ),. 小(8μ 以 下)に 大別 し,各 々30個 につ い て そ のSC の大 きさを 比較 したと こ ろ,大 で は平均1.6×1.1μ, 中 では1.4×1.0μ,小. 1.よ. す め る.す なわ ちまず 受 精 卵 の 性染 色 体 構 成に よ り. 性腫 瘍 細 胞 と の 間 に 差 異 は な く, Moore & Barr 53)も 同 様 の事 実 を認 め ,そ の大 き さ は 平 均1.3×. る ので,核 を大(最 大 径14μ. 1139. で は1.2×0.9μ. 得 たの で,核 の大 な る もの 程SCは. な る結果 を. 大 き い様 であ. る.. とか半 陰 陽 と呼 ば れ るもの が 生 れ るの で あ る39)40). 性 分 化異 常 や性 器 異 常 の 患者 に遭 遇 した場 合,以 前 は個 体 の性 腺 が睾 丸 で あ る か卵 巣 で あ るかが 唯 一 の 決 め手 と され て い たが, SCの. 発見およ び その後. の 研究 で この検 査 法 が 性別 の決 定 に 有 用且 つ 実 際 的 な方 法 と して 証 明 され た. 私 も女性 仮 性 半 陰 陽,児 態 症,停 留 睾丸,尿 道 下 裂 等 の 性分 化 異 常 や性 器 異常 の患 者 にSCの. 核 には通 常SC. 1個 出現 した が,良 性 お よ び 悪. 性 腫 瘍で は,稀 で は あ るが1個 の核 にSCが2〜4 個 出現 した ものが み られ た.. 検索を. 行 い,児 態症 の1例 を除 き全 例 で その 本 来 の 性 と一 致 をみ た. SC男 性 型 を示 した 児 態症 の患 者 は 染 色 体分 析 に. 人類 の 染 色体 数 は46で, 22対 の 常染 色 体 と2個 の 性 染 色 体(男 性 で はXY,女. 性 で はXX)よ. り構成. よ れ ば,性 染 色 体 構成 はXAで. あつ た.. Jacobs et al.27)は原 発 性 無 月 経 を主 症 状 とす る女. され るが,腫 瘍 細胞 では 染色 体 数 お よび 形 が正 常 よ. 性 で, XA型. り異 な る もの が 出現 す る とい われ て い る6).こ の た. 正 常 よ り小 さかつ た と述 べて い るが,私 の 症 例 で は. め腫瘍 細 胞 の性 染 色 体 の 決定 は 困 難 とな る.. SCが2個. 粟野 等6)は 人 癌 の染 色 体 研 究 で, X染 色体 に 相 当 す ると思 わ れ る もの は多 くの場 合 にみ られな か つ た. 私 は多 くの研 究 者 と同 様 に女 性 よ りの癌 細 胞 にSC を認 めた が,も し腫 瘍 のX染 色 体 が正 常 細 胞 に お け る と同 様 に異 常 凝縮 を示 しSGと. して休 止 核 に認 め. られ る と仮 定 す るな らば,癌 細 胞 にX染 色 体 が存 在 ゆ. す る もの と推 則 され る.こ の問 題 は染 色体 の 研究 の 進 歩 によ り今 後 解 明 され る もの と考 え る. なお 本文 中腫 瘍細 胞 のSCに. 関 す る他 の 研究 者達. の成 績 は組 織 標 本 にお け る もの で あ る.. 出現 した うち, 1個 は正 常 で,他. は 大 き さが正 常 の 約1/2で 3例 のTurner症. の1欄. あつ た.. 候群 で は2例 は男 性 型 を,. 後者 がXX/XO/XYの Turner症. 1例. XX,. XO/XXX等. たXO型. 性. と云 われ て い る もの を. 細 かに分 類 す ると以 下 の如 くで あ る. 1.染 色 体 の 性(chromosomal 2.性 腺 の 性(gonadal. sex). 3.身 体 の 性(somatic. sex). sex). モザ イ ク型 であ つ た.. 候 群 で は そ の 性 染 色体 はXO,. XO/. が 存 在 す る と云 わ れ41)47)58),ま. で あつ て もSC陰. 性 型40)と 陽 性 型56)が. 存 在す る と云 われ て い る. この 他 種 々の 染 色 体 異 常が 染 色 体研 究 の 進 歩 と共 に発 見 されて きて い るの で41),性 分 化 異常 等 の 患 者 に遭 遇 した場 合に はSCの. 検 索 と共 に染 色 体 の 分析. が実 施 され る こ とが 望 ま しい.. 分 化 異 常お よび 性 器 異常. 人 間 に於 て,一 般 に. 大 きさが. は女 性 型 を示 し,そ の性 染色 体 構 成 は前 者 がXO型,. と報告 して い る.. 1V性. の 個体 を 発見 し,そ のSCは. 結 I性. 論. 別 の 明か な 正常 男,女 性(各30例)の. 粘膜 剥離 細胞 にCresyl. 口腔. echt violet染 色 を施 しSC. を検 索 した. 1. SC発 現 率 は 頬 粘膜 では 女 性例 で23.5±6 .50%, 男性 例 で0.27±0.25%,歯. 肉で は女 性 例 で22 .0±.
(14) 1140. 中. 5.65%,男. 性 例 で0.13±0.12%,舌. 21.6±5.75%,男. 谷. で は 女 性例 で. 性 例 で0.2±0.23%を. 癌 腫 で はBrodersの. 3. SCの 形 態 はI型,. 現率 との 関係. III性 染 色 体 異 常 を伴 わ ぬ性 分 化 異 常 お よび性 墨. 性 染色 体XA型. II型, III型, IV型 の4型 に. 通 にみ られ た.男 性 に み られ たSCで 4. SCはFeulgen染. した.. で あ つ た.. 分類 し得,女 性 で は部 位 如 何 を問 わずI型 が 最 も普. Turner症 /XY型. もI型 が 多 い.. 色 陽性 で あ るの でDNAを. の児 態 症 お よ びXO型. 候 群 で はSC発 のTurner症. を有する. 現率 は男性 型 を, XX/XO. 候 群 で は女 性 型 を示 した.. それ ゆ え 性分 化 異 常や 性 器 異 常 の患者 の性 別判 定 に は, SC検 査 法 と共 に染 色 体 分析 が 行 わ れ る こ と. 含 有 す る.. が 望 ま しい.. 性腫 瘍35例,悪 性 腫 瘍35例 の夫 々の腫 瘍 細. 胞 につ い て上 述 の 染 色 法 にてSCを. 検 索 した.. 稿 を終 るに 臨み,御 懇篤 な る御 指 導 と御 校閲 を賜. 1.女 性 に発 生 した 線維 腫 と 濾 胞 性 歯嚢 胞 にお い て4, 6%と い う低 いSC発 除 け ば,女 性 のSC発. 現 率 を 示 した2症. 例を. 現 率 に 関 して は 良性腫 瘍,悪. つ た 恩 師渡 辺 教授 お よび病 理 組織 所見 に つ い て御教 示 を い ただ い た本 学 病 理学 教 室小 川 教 授 に深 甚 な る 謝 意 を捧 げ ます.. 性 腫 瘍 な らび に そ の発 生 母地 の細 胞 間 には 殆 ん ど差 異 は な い.. また 性 器 異 常等 の 患者 に つ い て御 助 言 を いただ い た本 学 泌尿 器 科 藤 田,難 波,産 婦 人 科 本森,小 児 科. 2.男 性 で はSC発 %(0〜6%),悪. 現 率 は良 性 腫 瘍 に於 て 平均1.9 性 腫 瘍 で平 均2.9%(0〜6%). で あ り,正 常 細 胞 に於 け るよ りSC出. 飛梅 各 先生,推 計学 検討 に つ い て多 大 な御 助 言を い ただ い た本 学 衛 生学 教 室 青 山先 生,顕 微 鏡 写真 撮 影. 現 頻 度 は幾 分. 高 い.. につ い て御助 言 を 下 さつ た 日本光 学 広 島代 理 店猪原 商会 に 衷心 よ り感 謝 し,併 せ て 口腔 外科 教 室 員各位. 3.同 一 の核 にSC. 2個 以 上 存 在 す る核 が 稀 では. の御 協 力 に対 し謝意 を表 します.. あ るが 認 め られ た. 4. SCの. な お 本研 究 の 一部 は 渡辺 教 授 に 対す る文部 省 科学. 大 き さおよ び形 態 につ いて は正常 細 胞 と. 試 験 研 究費 に よつ て な され た もの で あ る.. の 相違 は 認 め られ な い.. (本 論文 の 一 部は 昭 和36年11月19日 第9回 日本 口. な お大 型 の 腫 瘍 細胞 程 そ のSCは. や や大 きい.. 腔 科 学会 中国 ・四 国 地 方部 会,及 び昭 和37年4月28. 5.肉 腫 にお い て は,腫 瘍 の分 化 の 程度 が 高 くな る程SC発. 現率 は高 くな ると い う傾 向 が幾 分 み られ. 日第16回 日本 口腔 科 学 会総 会 に お い て 口 演 発 表 し た.). 文. 献. 1) 安 達 正 純:人 胎 児 の 各組 織 生 体組 織 標 本及 び各. 生 学 的 研 究,広. 及 び そ の変 化 につ い て,日 不 妊誌, 3: 82,昭33.. 2) Albrecht,. D.:. Verglejch der Cytologischen. Geschlechts-bestimmurg aus Mundschleimhaut abstrich and Blutausstrich,. Deut. Zahnarzt.. 水 中 上 皮 細 胞 を 以 て す る 胎 性 予 知,. 産 科 と 婦 人 科, 4). 同. 5). 足 利 正 典:人. : 272,. 上:細. 23:. 408,昭31.. 胞 核 性 別 に つ い て,慶. 10:. 6). 粟 野 亥 佐 武,津 日 本 臨 床,. 田 福 視:腫. 瘍 の 臨 床 と 染 色 体,. 19: 2315,昭36.. 7) Barr, M. L.: Morphology of Epidermal Nuclei in Hermaphrodites,. Anat.. Rec., 118: 280,. 1954.. Zeitschr., 23: 1629, 1959. 安 藤 画 一:羊. 医 解 剖 学 第 一 講 座 業 績 集,. 85,昭35.. 温 度 別屍 体 組 織 標 本 に於 け る性 染 色質 の分 布,. 3). 悪性 度 とSC発. は認 め られ ない.. 異 常 患者 で は, SC検 索 に よ り 本来 の 性 と適 合一 致. 大 きさ は,性 別 お よび 部位 別 と関 係 は認. め られ ず,平 均 約1.4×1.0μ. II良. た.. 現 率 の部位 別 によ る有意 の. 差 は 認 め られ な い. 2. SCの. 慶. 示 し,各 部. 位 共 に 男,女 によ る核 の性 差 異 を 明 かに 認 め た. ま た 男,女 共 にSC発. 昌. 応 医 学,. 33. 8) Barr, M. L. and Bertram, E. G.: A Morpholo gical Distinction between Neurones of the Male and Female, and the Behaviour of the Nucle olar Satellite during Accelerated Nucleoprotein. 昭31. 皮膚 細 胞 核 に おけ る性 染 色質 の 発. Synthesis, Nature,. 163: 676, 1949..
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(16) 1142. 39). 中. 熊 本 悦 明:. Intersexに. つ い て,最. 谷. 近 医 学,. 16:. 3192,昭36, 40). 同. 上:性. 分 化 異 常(Intersex)と 19:. 牧 野 佐 二 郎:入 床,. 19:. 性 染 色 体,. 類 の 染 色 体 研 究 の 今 昔,日. 本臨. 1,昭36.. 57). Chromosomal Sex Detection, Proc.. Soc.. 58). Exper. Biol. & Med., 89: 488, 1955. 43) Marberger, E. and Nelson, W. O.: Sexual Differences in Nuclei of Human Skin, J. Clin.. 59). Chromatin. Nonteratomatous. in Normal Tumours,. J.. Path. Bact., 78: 29, 1959. 46) Miles, C. P.: Sex Chromatin in Cultured Nor mal and Cancerous Human Tissues, Cancer, 12: 299, 1959. 47) Miller, O. J.: Sex Chromatin, Sex Differentia tion and Sex Chromosome Aberration in Man, Acta Cytol., 7:. 48) Moore, K. L.: The Sex Chromatin in Cells of Anat.. 染 色 質 鑑 別(Guard)の 1,昭36.. 13:. 新 島 端 夫,熊. 本 悦 明:. 7:. 6: 1, 1962. 50) Moore, K. L. and Barr, M. L.: Nuclear Morp hology, according to Sex, in Human Tissues, Acta Anat., 21: 197, 1954.. 64). 落 合 京 一 郎,金. 井 三 郎:「Sex. 47:. Cancer, 11: 384,. 検 索). の 形 態 学 的 診 断,癌. 医 学 書 院,東. 京,大. 同. の 臨 床 病 理,日. 上:癌. 研 究 の 進 歩,. 阪,昭31. 医 誌,. 41:. 828,. G.N.:. Atlas of. Exfoliative. P. E.. et al.:. Chromosomal Sex in. Turner's Syndrome with Coarctation of the Aorta, Lancet, 2: 120, 1954. 67) Rodermund, O. E.: Uber das,, Geschlechtschro matin" in Geschwulsten, Z. Krebsforsch. 61: 259, 1956. 佐 藤 英 五,片. 山. 健:口. 腔 粘膜 塗 抹標 本 の生 ク. ロ マ チ ン に よ る 性 別 判 定 の 追 試 成 績.逓 9:. 信 医 学,. 172,昭32.. 沢 野 十 藏,池. 田. 章:胎. に お け る 性 染 色 質,解. 70) Sohval,. A. R.. 生 期器 官 の上 皮細 胞 核 剖 誌,. 36:. and Gaines,. 345,昭36.. J. A.:. Sexual. Differences in Nuclear Morphology of Tumours,. 54) Moore, K. L. et al.: The Detection of Chromo somal Sex in Hermaphrodites from a Skin Biopsy, Surg. Gynec. & Obstet.,. Chromatinの. 研. 758,昭31.. 太 田 邦 夫:癌. 66) Polani,. 69). in Human Mali. Chromatinの. Cytology, 1954, The Commonwealth Fund by Harvard Univ. Press.. 52) Idem.: Smears from the Oral Mucosa in the Detection of Chromosomal Sex, Lancet, ii:. J.. 染 色 体 異常 を 中心. 431,昭36.. 昭34.. 68). 57, 1955.. 候 群 と. 18: 415, 1959. 63). 51) Idem.: The Sex Chromatin in Benign Tumours and Related Conditions in Man, Brit. J. Cancer, 9: 246, 1955.. 改 良,逓. Klinefelter症. 候 群 に つ い て‑性. 科,. 65) Papanicolaou,. Brit.. 14,昭31.. 62) Ohno, S. et al.: Formation of the Sex Chro matin by a Single X-Chromosomein Liver Cells of Rattus Norvegicus,Exper. CellRes.,. Varietion in the Animal Kingdom, Acta Cytol.,. Tissues,. 1702:. 61) Ohno, S. and Hauschka, T. S.: Allocycly of the X-Chromosomein Tumors and Normal Tissues, CancerRes., 20: 541, 1960.. Rec., 121:. 409, 1955.. gnant 1957.. 医 新 報,. 60) Ohno, S.: The Origin of the Sex Chromatin Body, Acta Cytol., 7: 146, 1963.. 49) Idem.: The Sex Chromatin Its Discovery and. 53) Idem.: The Sex Chromatin. 2005,昭35.. 中 川 完 二:性. 日泌 誌,. 148, 1963.. Human Benign Tumours,. 64:. 腔 粘 膜 上 皮 細 胞 に よ る死 体 の 性. 究 」(人 胎 児 に お け るSex. Difference in the Epidermal Cells of the Human Gingiva, J. Periodont., 26: 11, 1955. and. 小 児 誌,. 信 医 学,. に‑内. 44) Marwah, A. S. and Weinmann, J. P.: A Sex. Tissues. 天 性性 器 異 常 に 於 け る染 色体 に関. 中 館 久 平 他:口. Turner疲. Endocrinol., 14: 768, 1955.. 45) Meyers, L. M.: Sex. 昭:先. 別 判 定,日. 42) Marberger, E. et al.: Oral Smear as a Method of. 森島. す る研 究,日 56). 2251,昭36,. 慶. 1953. 55). 日 本 臨 床, 41). 昌. 96:. 641,. Inflammations,. Hyperplasia,. and Squamous. Metaplasia, Cancer, 8: 896, 1955. 71) 鈴 木 雅 州 他:子 宮 内 胎児 の 新 性別 判 定法,日 医.
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(18) 1144. Study. on. the. Sex. Chromatin. in. Oral. Exfoliated. Cells. By. Masayoshi From. the. Nakatani,. Department. of. Medical. So was. many. studies. discovered. described. as. about. the. the. author. Thus normal. persons. malignant stained. located. results. obtained 1). of. smears, in. males. forms,. and. the. inner. as. follows;. lingual. the. sex. was. such. Japan.. been and. exfoliated. Barr's. cresyl. surface. the. benign and. the. University. so. far. in. 1949,. in. oral. neoplasms.. sex. chromatin. tumors. 14. echt. of. of. of 35. females). made Bertram. cells. investgation. 13. S.. Okayama,. Barr. females),. was. and. as. made. on. epithelia. of. chromatin. in. per. ranging. (17. sexual. various but. in. and of. has. 18. All. smear sex. it been. smears. and. a. since. little. oral. males. technigue, membrane. fields. very. anomalies.. violet. nuclear. of. triangular,. 0. sex. the the. sex. in to. in. 60. females),. 35. specimens. chromatin. was. nuclei.. The. interphase. per. on. flat. in. and. smear. average. specimens. taken. 23.5•}6.50. 21.6•}5.76 smears. showed. planoconvex,. an. and. cent. chromatin. in. from. individual.. was. gingival. 2. chromatin. same. females. cent. from. examinations. commonly. per. taken. that. from. they. others,. were. of. cent each. per in. in. while. area.. noticed. which. cent. lingual,. in. triangular. a. variety. form. was. of most. seen.. The. average. 2). size. TUMOR. There tissue,. was. sex A. almost two. 3). cases. the. of. with. fore,. it. its will. mentioned. in. these. AND of. epithelial. be. were. cells. desirable patients.. 4. chromatin. i.e.. and. 6. chromatin. was. about. 1.4•~1.0ƒÊ.. per. incidences. fibroma. and. of follicular. tumor. and. cyst,. its. in. host. females,. cent.. incidence. and. Broders'. classification. could. not. be. cells. SEXUAL. ANOMALIES. investigations. sex. sex. neoplasam,. sex. syndrome. genetic. between. benign. carcinoma. Turner's. agree. difference of. incidences. result. infantilism,. chromatin. between. INTERSEX. As. no. chromatin. in. sex. cases. relationship. noticed. of. CASES. except. whose. above. and. 22.0•}5.65. Minute. 30. D. Okayama. CASES. Incidence. that. and. examination. gingival. buccal. in. D.. Surgery,. have by. this. males. were. Microscopic buccal,. chromatin. chromatin. Moore. along. School,. satellite. males (22. NORMAL. sex. started. with. always. the. nucleolar sex. (30. tumors. were. on a. Oral. of and. in to. the make. sex. chromatin. hypospadias,. patients analysis. in. the. associated of. sex. sex with. chromosome. cases. of. chromatin sex. pseudohermaphrotidism, pattern. chromosome in. determining. did. not. aberrations, the. always there. sex. in. the.
(19) 口腔 剥 離 細 胞 にお け る性 染 色質 の研 究 中. 谷. 論. 文. 附. 図. 1145.
(20) 1146. 中. 中. 谷. 谷. 論. 昌. 文. 慶. 附. 図.
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