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説 明的文章 にお ける
「習得 と活用 を関連づ けた」指導の在 り方
教 育 実 践 高度化 専 攻
小学校教員養成特別 コース
Pl1052D /Jヽ
り
‖
洋子
説明的文章における「口得 と活用を関連づけた」指導の在 り方 目次 序章 研究の 目的と方法・・・・・ ●●●●●●●●0● ・ B・
B00・
0・ ・・・・ 1 第1節
研究の目的・・ 0・ ・000・
・ ●●●●●●0● 0● ・ 0・00。
・・01
第2節
研究の対象 と方法 0・ ・・00・
・ ◆・・ 。・・・ ●0● ●●・・・・・02
第1章
『習得 と活用を開違づけた指導Jに
ついての検討・ 0・ 0・ ●●●●●口●●4
第1節
「習得」 と「活用」の定義00。
・・ 0●00● 00・
。00・
・ 。・ ●04
第2節
国語科における「習得 と活用を関連づけた指導」の在 り方・・・・ 。・・・5
第3節
説明的文章における「習得 と活用を関連づけた指導」で育成すべき能力・・7
第1項
平成20年
版国語科学習指導要領の観点か ら・・00・ 00・
・・・・ 。7
第2項
説明的文章の特性の観点か ら 。・・・ 。・・・・ 0・ ・00・
?・0008
第3項
論理的思考力の内実・・ 0。・・0000。
・・・・・000・
0● ●09
第2章
説明的文章における「読み書 き関連指導Jの
先行研究 と実践・・・・ 。・・12
第1節
「読み書き関連指導」の類型・・・ 0・000・
・・・・ 0。・ 0・ ・・12
第2節
「つなぎの段階」を設定 した説明的文章における「読み書き関連指導」・・16
第3節
説明的文章における「読み書き関連指導」の先行実践・・・・・ ●●0017
第1項
実践の概要・・00・
・ ・・・ 。●0000・
・・・・・00・
・・・17
第2項
先行実践の分析・・・・・・000。
・・・e.o o o o●
・・・ 。・19
第3項
成果 と課題 。・ 。・・・・・・00000●
●0● ●●・・・・・・・21
第4節
「つなぎの段階」を設定 した 「読み書き関連指導」のモデル図0・ ・・・22
第3章
説明的文章における「読み書 き関連指導Jの
実践(平成24年
度実施)・・・25
第1節
実践の概要・・・・・ ●●00●
・・・00000・
00。
・・・・・・25
第2節
実践の分析・・・・・ 。・・・・ ●000●
・・・・・・・・・・ 。・030
第3節
成果 と課題 。・・・ O o● o o● ●●●0● ・・・・・・・・・・00033
第4章
説明的文章における「習得 と活用を関連づけた指導Jの
モデル日・・・・・35
第1節
知識の質・・・ 0・・・・ 0。・・・・・・・・・・・ 。・・・000035
第2節
「習得 と活用を関連づけた指導」における 「習得の段階」の条件・・0036
第3節
「習得 と活用を関連づけた指導」における「つなぎの段階」の条件・・037
第4節
説明的文章における 「習得 と活用を関連づけた指導」のモデル図の提案・38
第5章
授業開発 と実践分析(平成25年
度実施)・ 0日 ●●●●●●コ●●●・・・39
第1節
授業計画の作成 と概要・・・ 0・・・・・・・・・・ 0・・ 合・・・ 。・39
第2節
実践分析の結果 と考察・00・
`● ●●●o・00。 00・
・・・・・045
終章 成果 と課題00・
・ 0■ ●●●●●●●●●●口●●●・・・・・・・ 口・・53
第1節
研究の成果・ 0・ 。・・000・
・・・・・・ ◆・・・ 0・000053
第2節
今後の課題・・・・・ ●●●●●・・000●
0000・
0。 ・・・53
序章 研究の 目的と方法 第
1節
研究の目的 これまでの説明的文章の学習では:内
容 を正 しく理解す ることを目的 とした学習が広 く 行われてきた。長崎伸仁0000は
理解 を目的 とした活動の問題 について言及 した上で、「要 点や要旨・ 要約 を書かせ ることも、文章構成図を書かせ ることも全て、学習の 目的は理解 にあつた。1」 と述べてお り、習得の段階で留まつて しまつている授業の在 り方 を課題 とし て指摘 した。また、吉り│1芳貝1001"は
論理的に表現す る力を育てることにつながる読みの授 業づ くりの必要性 を述べるとともに、「従来の説明的文章の授業が、あま りにこ うした教材 文の中に閉ざされ、読み手は筆者 に従属 させ られつばな しの、画一的で表面的な学習パ タ ーンに陥つていた。2」 とし、これまでの説明的文章の指導の課題に言及 した。 換言すると、 説明的文章の学習が内容を正 しく理解す る力をつけるための内容理解の段階で留まつて し まってお り、習得 したものを活用す る段階に昇華 されていないことが最 も大きな課題であ るといえるだろ う。 実際の教育現場での説明的文章の授業実践を見ると、読解 によつて習得 した知識・ 技能 を活用す る場面が設定 されていない場合や、活用場面が設定 された場合でも、何 をどのよ うに活用 させ るか とい うことが意図 されない状況が見受けられ る。佐藤佐敏0008)は
、認知 心理学の視点か ら授業における曖味かつ偶発的な転移の問題点を指摘 した3。 したがって、 説明的文章の学習における構造的0計画的な習得 と活用の在 り方の必要性が指摘できる。 また、習得 と活用に関 しては、学校教育法において「基礎的な知識及び技能を習得 させ、 これ らを活用 して課題 を解決す るために必要な思考力・判断力・ 表現力その他の能力 をは ぐくみ、主体的に学習に取 り組む態度を養 うことに、特に意 を用いなければな らない」 と 規定 されている。 これは、平成15年
のPISA調
査において、記述式の問題に課題があると いわれたが大きく影響 している。 しか し、いまだにPISA調
査における「統合・解釈J「熟 考・評価」を苦手 とす る状況があるち これは、規定にある 「基礎的な知識及び技能を習得 させ、これ らを活用 して課題 を解決す るために必要な思考力・判断力・ 表現力その他 の能 力をはぐくむ」 とい うことに課題があるとい うことを示 しているといえる。 一方、これまで述べてきたような習得 と活用 とい う概念に類似 したものに、「読み書き関 連指導」がある。吉田裕久000つ
は、「昭和五二年度版学習指導要領は、指導内容をそれま 1長崎伸仁編著『表現力を鍛える説明文の授業』明治図書、2∞8年
、p.172吉
川芳則「論理的表現に培 う読みの学習内容 と表現活動の吟味」長崎伸仁・吉川芳則・石丸憲 一編『読解 と表現をつなぐ文学・説明文の授業』学事出版、2012年、p。903佐
藤佐敏 「思考スキルが転移する条件 :文学作品を解釈する思考スキルの成果 と限界」全国 大学国語教育学会『全国大学国語教育学会発表要旨剣 2008年、p.2074「
言語活動の充実に関する指導事例集」文部科学省ht●ソ′Wmmext.gojp′
電menu/8hOtOu rnew・cJgengo/1300857.htm 0013.12.9取締での『
A聞
くこと、話す こと』『B読
むこと』『C書
くこと』 とい う言語活動か ら『A表
現』 『B理
解』 とい う言語能力による領域の分 け方に改め、両者 の関連 を密接にす ることをね らっていた」 と述べ、昭和50年
代か ら現在までの時期 を読み書き関連指導の 「充実期」で あると指摘 した5。 この時期の先行研究においても、理解 したことを表現の段階へ転移 させ ることへの言及がな されてきた。したがつて、「読み書き関連指導」の学習の転移の概念が、 説明的文章の学習における習得 と活用の在 り方 を考察す る上での手がか りになると考 えら れ る。 よつて、本研究においては「読み書き関連指導」を手がか りに、説明的文章における「習 得 と活用 を関連づけた指導」の在 り方について検討 した。 第2節
研究の方法 本研究では、理論 と実践を往還す ることで 「習得 と活用 を関連づけた指導」の在 り方を 明 らかにする方法をとつた。研究の方法は、文献研究(第1章
・第2章
・第4章
)と研究に基 づ く授業計画作成 と実践僻哺 章・第5章
)である。 第1章
では、説明的文章における 「習得 と活用を関連づけた指導」の在 り方 を明 らかに す ることを目的 として先行研究を整理 した。まず、「習得」 と「活用」の定義を整理 し、国 語科の 「習得 と活用 を関連づけた指導」の在 り方 として必要 とされ る条件 を抽出 した。 さ らに、対象を説明的文章に焦点化 し、育成すべき能力にういて整理 した。 第2章
では、「読み書き関連指導」の 「学習の転移」に着 日し、「習得 と活用 を関連づけ た指導」に援用できる要素を抽出す ることを試みた。まず、「読み書き関連指導」の類型に ついて分析す るとともに、儀間朝善の提案す る読み と作文の間に 「つなぎの段階」を設定 す る指導過程 に着 日し、先行実践について検討 した。そ して、 これ らの先行研究・ 実践の 分析により説明的文章における 「つなぎの段階」を設定 した 「読み書き関連指導」のモデ ル図を提案 した。 第3章
では、第2章
において提案 した 「読み書き関連指導」のモデル図をもとに小学校 第4学
年を対象に実践 を行い、成果 と課題 を抽出 した。 この実践は、「つなぎの段階」が応 用可能な形での転移 を実現す るために有効であるかを明 らかにす るとともに、成果 と課題 を抽出することを目的 として行つた。 第4章
では、「つなぎの段階」の課題 として挙げられた課題 を、知識の質の観点か ら考察 し、説明的文章における「習得 と活用を関連づけた指導」のモデル図を提案 した。 第5章
では、提案 した 「習得 と活用を関連づけた指導」のモデル図をもとに小学校第5
学年を対象に実践 を行い、成果 と課題 を抽出 した。 この実践は、「つなぎの段階」が機能す るための要素が適切であるかを明 らかにす るとともに、 このモデル図の成果 と課題 を明 ら6吉
田裕 久 「読 み 書 き関連 指 導 の回想 と課題 」『 教 育科 学 国語 教 育』 No.684、 明治 図書 、2∞7、 P。22かにす ることを目的 として行 つた。
終章では、本研究における成果 と課題について述べた。
以上の方法か ら研究を進めていき、説明的文章における「習得 と活用を関連づけた指導」 の在 り方の考察を行 つた。
第
1章
「習得 と活用を目違づけた指導Jに
ついての検討 第1節
『詈得Jと
『活用Jの
定義 まず、「習得 と活用を関連づけた指導」の在 り方を考察するにあたつて、習得 と活用の定 義を整理する。 習得 と活用については、社会科教育の研究者である岩 田一彦 (2010)が 以下のよ うに意味 づけを行つた6。 ア 習得 とは何か 。基礎的、基本的な知識、技能を身につけさせること。 ・「知識」を詰 め込むのではな く、「知識」の意味内容を豊かに 「習得」す ることであ る。(中略)応用できる、転移す る、説明力の広い「知識」の意味内容 を豊かに「習得」 することである。 イ 活用 とは何か 。習得 した知識、技能をより現実的な、あるいは複雑な事態において使 うこと。「理解」 がない と使い こなせない。 ・「理解」の確認 は、 自分の 「理解」を言葉によつて、文章で表現 させ る。 このこと で、「習得」 と「活用」が統一的に評価 され る。 ・授業過程では、次のよ うな学習活動が考えられ る。 知識 を利用す る。知識 を活かす。知識 をあてはめる。知識 を比べて考 える。知識 を まとめて表現す る。 また、梶 田叡-0009pは
、「活用」の具体的な在 り方を明 らかにする必要があると述べた。 それは次の通 りである7.(便
宜上a∼cと 記号を付 した。引用者注。) どのよ うなタイプの (活用〉の力かa.知
識 として獲得 し、言い換 えて説明できるところまで理解 したものを、単に応用で きるようになればいいのか←例えば単純な応用問題が解ければいいの力う b。 自分な りの表現形態に仕上げな くてはな らないのか←その知識・理解に基づ くレポ ー トや作品等の作成ができるところまで考えるの力う 6岩田一彦「『 活用』についての理論構成」『 活用型学習の指導方法及び評価方法の研究』兵庫教育大学・ ∽ ベネッセコーポ レーション、2010、 p.67梶
田叡一 「〈活用)の
力 とは何 か」『 教育 フォー ラム43
〈活用)の
力 とは何 か』金子書房 、 2CX19、 p.11c。 その知識・ 理解 を基に新たな分析な り総合な りができなくてはな らないのか、それ ともその知識 0理解を用いて善悪な り可否な り得失な りの判断←評価)をできな くて はな らないのか これをみると、
aか
らcになるにしたがつて高次の応用になつていることが分かる。そこ で、bや
cの段階を目指すにあたつては、習得 した知識 をそのまま活用す るだけのaの
段階 を脱却す る必要があると考えられ る。 習得 と活用 について述べる両氏の共通点は、次の通 りである。習得 とは、基礎的、基本 的な知識・ 技能 を身 につけることであ り、活用 とは、習得 した知識・ 技能を応用 して他の 場面で用いることを指摘 している点である。 森敏昭0010も
、活用の在 り方 としてウェル トハイマーの実験を示 しなが ら、「丸暗記型」 の即物的な知識・ 技能の転移ではな く、応用可能な知識・ 技能の転移が必要であると述べ た8。 また、国語科での習得・ 活用指導の在 り方について、鶴 田清司(2010は 「知識や技術 が活用 され るとい うことは、『 学習の転移』 とい うことに他な らない。」 と指摘 した%つ
ま り、習得 した知識、技能をそのまま活用す るのではな く、応用可能な形で活用 させ ること が望ま しい とい うことである。 よつて、稿者は本稿 における習得・ 活用の定義を以下のよ うに設定す る。 習得…応用可能な形で 「学習の転移」が起 こるよ うに基礎的・基本的な知識・ 技能 を身 につけること。 活用…習得の段階 とは別の文脈において、習得 した基礎的・ 基本的な知識・ 技能を使 う こと。 第2飾
目願科における「習得 と活用 を出違づけた指導Jの
在 り方 第1節
で習得 と活用の定義 を行つたが、本節では国語科における習得 と活用 を関連づけ た指導の在 り方について考察 したい。 国語科教育の研究者である花 田修一 (2010)は 「習得」「活用」「探究」を以下のよ うに定 義づけた。図1は、花 田による習得・活用・ 探究の定義(仮定)で ある。花田は、「習得型の 学力」を 「基礎的な知識や基本的な技能を身につけさせ るための学習」、「活用型の学力」 を 「習得型学力で身につけた基礎的な知識や基本的な技能 を学習や生活 などで生か しては た らかせ る力J、 「探究型の学力」を「学習型・活用型の学力を総合的な学習の時間や生活 な どにおいて発展 させ、応用 させ る力」 とした。また、「習得型→活用型→探究型」 とい う8森
敏昭「知識活用力の育成」森敏昭、青木多寿子、淵上克義編著『 よくわかる学校教育心理学』 ミネル ヴァ書房、2010、 p.229鶴
田清司『 対話・批評・活用の力を育てる国語の授業一PISA型
読解力を超 えて一』明治図書、 2010、 p.147連 動 す る もの だ けで は な く、必要 に応 じて フィー ド バ ック
(S)も
生 まれ 、国 語力 を「反復・ 螺旋 」の原 理 で身 につ け させ る こ と の必要性 を示 した10。 花 田の定義 の特徴 は、習 得・活用・探究 のそれ ぞれ を 「習得型学力」「活用型 学力」「探究型学力」 と設 定 してい る点 である。 特 に重要 なの は、「活用 型学力」であ り、森 山卓郎0000も
この活用型学力をつける国語科の学習は、「『 学校での学 習のための学習』ではなく、『 社会に出て役立ち続ける言葉の力をつける学習』でなければ な らない」 と述べたn。 加 えて、習得・活用 と学力に関す る記述は、「平成20年
版小学校学習指導要領Jの
「第 一章 総則」においても次のよ うに示 されている12. 確かな学力を育成す るためには,基
礎的・ 基本的な知識・ 技能 を確実に習得 させ るこ と、これ らを活用 して課題 を解決す るために必要な思考力,判
断力,表
現力その他の 能力をはぐくむ ことの双方が重要であ り,こ
れ らのバ ランスを重視する必要がある。 この趣 旨か らは、基礎的 ◆基本的な知識・ 技能 と、それ らを活用するための能力の双方 を育むことの必要性が窺 える。 さらに、基礎的0基本的な知識・ 技能の習得、活用 を図る 学習活動を充実す るために、国語科の授業時数 も平成20年
版 の学習指導要領改訂か ら増加 した経緯 もある。 すなわち、国語科で学力を保障す るためにも、知識・ 技能 と能力の双方 を習得 し、活用 す ることを考慮 した学習活動を検討 していかなければならない とい うことである。 このよ うに、国語科の学力 と知識・ 技能、能力に関す る言及がある一方、習得か ら活用 へ転移する際の、学習者の意識の問題についても考察 されてきた。 吉川芳則Q010は
、国語科における習得 と活用の在 り方の中で 「『 基礎的・基本的な知識 及び技能』を、それ らについて習得 した言語状況(談話、文章表現、読解・読書場面)内、も しくは習得 した言語状況 とは異なる言語状況において、様々な表現形式によつて 自党的に 10花田修一 「実践的言語活用力を育てよ う」 『 現代教育科学』No.644、 明治図書、2010、 pp.59・60 ■ 森山卓郎 「『 活用型』学力をどう育てるか 国語の活用型学力を育てる二つのポイン ト」『教 育科学国語教育』No.692、 2008、 p.17 12文 部科学省『 小学校学習指導要領解説総則編』東洋館出版、2008、 p.3 総合的な学習の 時間や生活で発 展 。応用するカ 習得型学力を学 習や生活で生か すカ に 反復・螺旋(言語力)
↑
↑
(情意的学力・ 想像力・ 思考力・ 表現力・判断力等) 回1
習 得・ 活 用・ 探 究の 定 義(仮定)(花
田修- 2010
使用 し、 自己の考えを形成、表現す ること」 と述べた13。 同様 に、樺山敏郎
0000は
、「子 どもたちの探究を促進す る中で知識 を一つ一つ習得 させ、積み上げて活用 させ るとともに、 活用を図る中で知識の必要性 を自覚的に とらえさせ、生きた知識 として安定 させ る学習指 導の充実を図ることが望ま しい」 と指摘 した14 両氏の指摘 に共通する点は、「知識・ 技能 を学習者が 自覚的に使用す る必要性」である。 すなわち、国語科においては、習得 によつて基礎的・ 基本的な知識・技能を蓄積 させ ると ともに、それ らを自覚的に捉 えさせ、 自覚的に使用 させ るよ うな学力を保障 してお くこと が大切であるとい うことである。 したがつて、国語科 における 「習得 と活用を関連づけた指導」の在 り方を次のよ うに整 理 した。 ① 知識・ 技能 と、それ らを活用す るための能力の双方を習得 させ る必要がある。 ② 知識 0技能 を 「自覚的(意識的)に」活用できるような学習活動が必要である。 ③ ① と② を保証す るためには、応用可能な形で転移す る知識・技能を習得 させ る学習 指導の設定が必要である。 第3節
説明的文章における「習得 と活用を鵬連づけた指導』で育成すべき能力 第1項
平成20年
版国語科学習指導要領の観点か ら 平成20年
版の国語科学習指導要領 においては、学習の 目標 と内容が示 されている。表 1 は、「C
読む こと」の領域の中で、説明的文章の指導事項について述べ られている点をま とめたものである15。 13中 冽正尭・吉川芳則「(I)国
語教育チーム 研究成果報告」『 活用型学習の指導方法及び評価 方法の研究報告書』兵庫教育大学・妹)ベネ ッセコーポレーション、2010、 p.21 14樺 山敏郎「『 習得・ 活用・探究』サイクル 学力の重要な三要素『 習得・活用・探究』」『 授業 研究21』 No.630、 明治図書、2009、 p.60 15文 部科学省『小学校学習指導要領解説総則編』httpソ′wwmext.gojp′
∞mponenJa_menure
ducation/micro_det函Ⅳ_」38Filesrateldme′2010/1228r1231931_02.pど、2008p.260014.1.29 取締 表1
平成20年
版国語科学目指導要領『0
腕むことJ(抜
粋) 第1・2学
年 第3・4学
年 第5・6学
年 説 明 的 な 文 章 解 の 釈 に 関 す る 指 導 事 時 間的な順序や事柄 の順序 な どをかんが えなが ら内容 の大体 を読む こ と。 目的 に応 じて,中
心 とな る 語 や 文 を と らえて段 落相 互 の 関係 や事 実 と意 見 との関 係 を考 え,文
章 を読む こ と。 目的 に応 じて,文
章 の内容 を的確 に押 さえて要 旨を と らえた り,事
実 と感 想,意
見 な どとの管 見 を押 さえ, 自分 の意 見 を明確 に しなが ら読 んだ りす るこ と。 これ らの能力は、説明的文章指導で育成すべき能力であるが、森 田信義σ000)は、「『 正確、的確 な読み』を実現す る能力群」であると指摘 した上で、正確な読みの能力以外の能力の 育成の可能性 について言及 した16。 換言すると、正確な読みの能力を保障 した上で、それ以 外の能力の育成が必要であるとい うことである。 繰 り返 しになるが、学習指導要領 では 「基礎的・基本的な知識・ 技能 を確実に習得 させ ることと、これ らを活用 して課題 を解決す るために必要な思考力・判断力・ 表現力等の育 成のバ ランスを重視す ること」が改訂の方針 として挙げられた。 したがつて、 この 「思考力・判断力・ 表現力」が習得 と活用を関連づけた指導において 育成すべき能力であると考えられ る。そ こで、本節では説明的丈章における習得 と活用を 関連づけた指導で育成すべき 「思考力・判断力・表現力」の具体を明 らかにす る。 第
2項
説明的文章の特性の観点か ら 次に、説明的文章の文種の観点か ら考察をすすめる。説明的文章の文種について森 田は、 次のように分類 した17. ア 対象である事象に近い位置か ら、事象に即 して認識 され、表現 されたもの ……記録文な ど イ 事象に即 しなが ら、事象の本質を解明 し、論理的記述によつて、相手に伝達 し、 理解 させ よ うとするもの……説明、解説な ど ウ 筆者の構成的な考え、意見を論理的に構築 して、読み手を説得するための文章 ……論説、評論文など また、永野賢 ら(1978)は、説明的文章は 「典型的な説明文・解説文のみならず、論説・報 道・記録など、文学以外のものをすべて包含する。(中略)文章構造上、論理性 を生命 とす る ものであるため、順序・筋道 :叙述な どの的確な読解が要求 され る18」 と示 した。すなわち、 説明的文章 とは順序や筋道 といった論理性 に則 つた文章であるといえる。 このよ うな説明 的文章の特性の解釈か ら考えると、論理性 を欠いた文章は説明的文章ではない とい うこと が一般化 されているといえると同時に、説明的文章は 「論理」に関連 した学習に適 してい ることがわかる。 したがつて、説明的文章の指導においては 「論理的思考力・ 判断力・表現力」 といつた 能力の育成が必要であると考えられ る。 16森 田信義 「説明的文章教育の研究」森田信義、山元隆春、山元悦子、千々岩弘一『 新・ 国語 科教育学の基礎』漢水社、2000、 pp.114‐117 ここでの森 田の指摘は、平成 10年度版の国語科学習指導要領の説明的文章に関す る指導事項 に対 してだつたが、平成20年度版の説明的文章の指導事項の内容 も平成 10年度版 と同様であ るため、森 田の指摘 を援用 した。 17上 掲書、p.120 18永 野賢、市川孝『 学習指導要領/言
語事項用語辞典』教育出版、1979、 p.73佐藤洋‐(2010)も、習得 と活用 を関連づけた指導に関連 して、論理的判断力にも言及 しな が ら「論理的思考力・ 表現力」の性格 を次の
3点
に整理 した19。 1、 「論理的思考力・表現力」は様々な現象や事実、人間関係・情報(資料、読書活動) などを「正確 に理解・判断す る学力」の基礎や方法論 とみることができる。いわば、 正確な情報理解のための 「思考 と表現の型」である。(中略) 2、 また 「論理的思考力・ 表現力」は相手や 目的・ 場面、条件(時間:分量な ど)に応 じ た効果的な内容構成、発信術の型である(中略) 3、 「論理的思考力・ 表現力」は情報理解や表現技術の型であるばか りでなく、自分の 思考や判断力 をより明確化 し、内面を豊かに鍛 える方向に向かわせ ることが重要 佐藤による「相手や 目的・場面、条件(時間・分量な ど)に応 じた効果的な内容構成、発信 術」 とい う指摘は、習得 した知識・ 技能 を他の場面や文脈へ転移 させて使 うとい う「習得 と活用を関連づけた指導」の在 り方にも有効であると言い換 えることもできる。 つま り、現在の国語科の指導において論理的思考力・ 判断力・表現力の育成が求められ ているとい うことを意味 しているのである。 一方、論理的思考力・ 判断力・表現力の中でも、論理的思考力の育成には課題 があると いえる。荒木茂(1974)は「子供の意見文、論説文を読む と、その場での思いつきの資料 しか 持 ち出 していない とい う欠点が多 くみ られ る。 これは、単なる随想的な生活感想文に しか すぎない」と述べてお り、論理的な思考力の重要性 を指摘 した"。 この 「その場での思いつ き」 とは主観的で恣意的な思考のことである。つま り、恣意的・ 主観的な思考に留まつた 学習では論理的な思考に結びつかない とい うことがいえる。 さらに、幸坂健太郎o012)は 、論理の型を直接教示するという方法が多く採られてきたという現状を批判した
2、これは、
応用可能な形での習得と活用を関連づけた指導においても、十分に論理的思考力が育成さ
れていないことを示唆していると考えられる。
したがつて、本稿では、説明的文章における 「習得 と活用関連づけた指導」で育成す る 能力を 「論理的思考力」に限定 し、考察を進めることとす る。 第3項
綸理的思考力の内案 本項では、習得 と活用 を関連 させた指導 において育成す る論理的思考力の内容 を具体的 に検討す る。 19佐 藤洋一「論理的思考力・表現力の鍛え方 論理性 と国語科授業、何がどう問題なのか」『 教 育科学国語教育』No。 721、 明治図書2010、 pp.113‐114 20荒木茂『論理的思考力を高める表現指導』一光社,1974年
,p.160 21幸坂健太郎「思考過程に着日した論理的思考力の育成 :月ヽ学生への認知カウンセ リングを通 して(自由研究発表)」『 全国大学国語教育学会発表要旨集』No。 122、 全国大学国語教育学会、 2012、 p.269吉川芳則
(2000は
、「論理的思考力 を育てる説明的文章の授業は、論理的思考力の中核 と なる関係づける力(事象 と事象、論理 と論理などをつな ぐ力)の育成をめざして開発 していき たい」 と述べた22.吉り││は、説明的文章において育成すべき論理的思考力の内実を「関係づ ける力」 としたが、「習得 と活用を関連づけた指導」においても同様のことがいえる。 若木常佳(2010は
「『 関連付ける』 ことこそは、いわゆる『 情報活用力』や『 論理的な思 考力』の具体 ともなる」 とし、『 知識や情報を関係付 ける』ためには、関係についての知識 と知識を活用 した体験的学習が必要である」 と述べた2,。 同様 に、勝見健史0000は
「思考 力を鍛える読解の授業には、読み取つたことを解釈 し別の高次な言葉 として意味づけ価値 づける活動が不可欠である」 と述べ、活用型の授業において関係づけて思考 させ ることの 必要性 を指摘 した礼 すなわち、「習得 と活用を関連づけた指導」において育成 されるべき論理的思考の中心 と なるものは 「関係づける」力にあると言い換 えることができる。 櫻本明美 (1995)は 、論理的思考力のなかで も「関係づける力」に重点をおいて授業 を考 えることの有効性 にういて述べ、その項 目を具体化 した25。 表2は
櫻本がそれ らの概念を定 義づけたものを稿者が一覧に したものである26。 表2
根本明羮(1995)に よる「目係づける力」各項 目の概念 関 係 づ け る 力① 比較
Aと
B、 二つ の物事 を、 ○違 いに 目をつ けて ○同 じところに 目をつ けて ○似 た よ うな ところに 目をつ けて 比べてみ るこ とをい う。② 順序
○物事 の手順 ○時間の順序 ○位置関係 の順序 ○因果 関係 の順序 ○関心の強 さや重要 さの順序 な どをい う。③ 類別
比較に基づ く物事の多様な見方の中か ら目的に合 うものを選び、それ を観点に してい くつかの事象・ 現象 を他 と区別 した りまとめた りす る ことをい う。④ 理由づけ
(因果 関係) ○物事の結果を引き起 こした主な原因 ○物事の判断 をくだ した主な 理由 ○連鎖や循環をなす因果関係 な どをい う。⑤ 定義づけ
物事の概念 を名付 けた り、物事を簡略に表現 した りするために使われ ることばについて、その意味内容をはつき りと定めることをい う。⑥ 推理
知 ってい るこ とを基準 に して、知 らない こ とや分 か らない こ とにつ い ての事実 を、筋道 立てて推 し測 ることをい う。 22吉川芳則「抽象と具体を結ぶことを窓口に」『教育科学国語教育』NO.599、 p.88 23若木 常佳 「「関係 付 け る」力 を鍛錬 す る教 室 を !」『 実 践 国語研 究』No.298、 p.13 24勝 見健史「言葉を通して思考力を鍛える」『教育フォーラム43
〈活用〉 子 書 房 、2009年
pp.26‐36 26櫻本明美『 説明的表現の授業 考えて書く力を育てる』明治図書、1995、 26上掲書、pp.25・32 明治図書 、2000、 明治図書 、2010、 の力とは何か』金 pp.18‐24櫻本明美
(2000の
「記述力に培 う『 関係づける力』の習得 と活用」においてもこの6項
目は示 されてお り、 さらに次のように述べた27 説明的な表現指導における論理的思考は、収集 した資料 を活かす際に、具体か ら抽象 化へ(あるいは抽象か ら具体化へ)の過程 をた どるなかで、物事の 「関係づけ」に働 く ものである。そ して、先に述べたよ うな思考のさまざまな契機 をとらえ、考 えて書 く 活動につなげようとすれば、「関係づける力」の習得 とその活性化を図る指導が不可欠 である。 したがつて、本稿では櫻本の示す 「関係づける力」の6項
目を参考に しなが ら研究をす すめることとした。 本章では、「習得 と活用を関連づけた指導」の在 り方 として応用可能な形での転移の必要 性が明 らか となつた。 次章では、 この課題 を改善す るために、過去に 「学習の転移」 として注 目された 「読み 書き関連指導」に着 目し、「習得 と活用を関連づけた指導」における転移 に援用できる方法 はないかを検討 した。 27櫻本明美「『 関係づける力』の習得と活用」『実践国語研究』No.295、 明治図書、2009、 pp.13‐14第
2章
説明的文章における「読み書き関連指導」の先行研究 と実践 第1節
「読み書き関連指導」の類型 第1章
で述べたように、「習得 と活用を関連づけた指導」においては、知識・ 技能を自覚 的に活用できるような学習活動が必要である。井上幸信(2007)は
、「活用」す ることを見 据えた「PISA型
読解力」について触れ、「読み書き関連指導」の重要性 を指摘 した"。 この ことか らも、「習得 と活用を関連づけた指導」の考え方には、「読み書き関連指導」を援用 できると考えられ る。 したがつて、本章においては 「読み書き関連指導」に着想 を得て、「習得 と活用を関連づ けた指導」の在 り方を考察 した。 読み書き関連指導の研究が盛んに行われは じめたのは、昭和52年
版の学習指導要領にお いて領域が「表現」「理解」に変更 された前後からである。吉田裕久(198Dは、「表現 。理解」 関連指導の史的推移 を読み書き関連指導を中心に5つ
の時期に分けて、以下のように示 し た礼 鯨 文マヤ) 第I期 :着 眼期鯛 治10年
代後期) 一国語教授法の一環 として一 第 Ⅱ期 展開期(明治20年
代∼明治末期) 一作文教授法の一環 として一 第Ⅲ期 反省期(大正初期∼昭和10年
代) 一 自作文重視の中で一 第Ⅳ期 再興期(昭和20年
代∼昭和40年
代) 一単元的展開の中で一 第V期
充実期(昭和50年
∼) ―独立 した一領域 として一 なお,第
4期
は,さ
らに Ⅳ-1
復興期(昭和20年
代∼昭和30年
代) 一同号的言語活動の中で一 Ⅳ-2推
進期(昭和40年
代) 一読解の拡充・深化の一方法 として一 28井 上幸信「「読み書き関連 “単元"」 と観点の共有が「PISA型
読解力」を育てるH」『 基 幹学力の授業 国語&算
数』明治図書、2007、 p.30 29吉 田裕久「『表現・理解』関連指導の史的推移一読み書き関連指導を中心に一」『愛媛大学教 育学部紀要 (教育科学)』 1985、 p.84また、吉田裕久(1990は第
V期
の充実期に着 目し、「『 関連指導』の歴史において、とりわ け重要な意義を持つ時期であつた」と指摘 した乳 その根拠 として吉田裕久000つ
は、昭和52年
の国語科学習指導要領の指導内容が 「A表
現」 と「B理
解」 とい う言語能力による領 域 に改訂 されたため、教育現場では表現理解関連指導ブームがおきたことを挙げている31。 この「表現理解関連指導ブーム」は、昭和52年
小学校学習指導要領国語科の 「第3
指導 計画の作成 と各学年にわたる内容の取扱い」において示 された以下の事項が関連 している と考えられ る乳 各学年の内容 のA及
びBに
ついては,適
切な話題や題材 を選定 し,A及
びBに
示す事 項が関連的に指導 されるよ うに考慮す るとともに,表
現力 と理解力 とが偏 りな く養わ れ るよ うにす ること つま り、表現 と理解 を関連 させる際、「表現」を 「書 くこと」、「理解」を 「読む こと」 と し理論的にも実践的にも着 目されたのが 「読み書き関連指導」であつた と考えられ る。 よつて、本研究においては、昭和52年
の学習指導要領の改訂前後の読み書き関連指導に ついて取 り上げることとした。 飛 田多喜雄(198のは、関連指導の関連の観点を5つ
に類型化 した33。 それは以下の通 りで ある。a
題材的関連b
活動的関連c
「表現」 と「理解」 との言語的関連d
表現内・ 理解内の作用的関連e
表現能力 と理解能力の関連aは
、言語活動 を呼び起 こし展開 され る動因 となる話題・題材 についての関連であ り、bは
、話題・題材を中心に展開す る言語活動 (言語経験)に
かかわる関連である。cは
、表現指導 と理解指導のそれぞれ と言語事項の関連であ り、dは
、同 じ表現作用 としての話 し方 と作文、同 じ理解作用 としての間き方 と読解、言わば音声言語 と文字 言語の関連である。eは
、新領域構成 に基づ く表現指導 と理解指導の能力的関連で、 ∞ 吉田裕久「昭和50年
頷0関
連指導の実践研究広まる」『教育科学国語教育』No.510明治 図 書 、 1995、 p.162 31吉田裕久「読み書き関連指導の回想と課題」『教育科学国語教育』No.684、 明治図書、2007、 p.22 32『昭和52年小学校学習指導要領国語科編』htt"特w‐
mengojp/guideline/s52eた hap2‐ 1.htm0013.12.30取
勧 33飛 田多喜雄『国語科教育方法論体系3
表現教育の理論』明治図書、1984、 p.227学習指導要領 に示 された前記の 「
A及
びBに
示す事項が関連的に」に相 当す るもので ある。 飛田多喜雄の示す類型の うち、能力を意図 しているものは 「e
表現能力 と理解能力の関 連」である。 また、読み書き関連指導の類型化は、愛媛国語研究会(1980によつても行われた乳 それ が以下のような分類である。A類
型 読解過程に書 く活動 を関連 させ る指導B類
型 読解 した結果を作文活動に転移 させ る指導C類
型 作文活動の中に読みを導入 させ る指導 これ らの分類 も、吉田の提示す る読み書き関連指導の充実期に提案 された分類である。 一方、儀間朝善(198Dも、愛媛国語研究会 と類似 した分類 を行 つた “。 議罐読みの学習の中に書 く活動を組み入れた指導 ② 作文過程の中に読みの学習を組み入れた指導 ③ 読みの学習で得た能力 を作文学習に生か してい く指導 愛媛国語研究会の提示す るA類
型が①、B類
型が③、C類
型が②に対応す ると考えられ る。 しか し、儀間はさらにこの3つ
の分類 を「活動の関連」 と「能力の関連」分けた。そ れを示 したものが表3で
ある。 表3
●H朝
善(1985)に よる読み書き調達指導の類型化 読み書き関連指導の分類 活動の関連① 読みの学習の中に書く活動を組み入れた指導
② 文過程の中に読みの学習を組み入れた指導
能力 の関連③ 読みの学習で得た能力を作文学習に生かしていく指導
そ して、儀間朝善は、活動の関連について次のように批判 した現 ①や②の方のように、読みの学習の中に書 く活動を組み入れた り、作文過程に読みの 学習を組み入れた りするのも、ひ とつの関連を考えた指導であるが、それは、表現 と 34愛媛 国語研 究会 「読解過程 に書 く活動 を関連 させ る指導」『 国語科関連的指導法』第1巻、明 治図書、 1980、 p.25 35儀間朝善・他『 読む力を作文につなぐ説明文指導』明治図書、1985、 p.1 “上掲書、pp.1‐2理解 のそれ ぞれ の能力 をつ けるための手段 として位 置づ けた学習活動 であつて、意図 的 に能力 の関連 を図つた ものではない。 儀 間 は、「活動 の関連 」 は能力 の関連 には有用 ではない こ とを指摘 してい るが、その点 に ついて具体的 に考察す る必要があ りそ うで ある。そ こで、まず は両者 の類型 を鑑み、読み 書 き関連 の類型 を以 下の よ うに再定義 した。 活動の関連…
A類
型 読解過程に書 く活動を関連 させた指導 …B類
型 作文過程に読む活動 を関連 させた指導 能力の関連…C類
型 読解の結果蜘 識・技能、能力)を作文活動に転移 させた指導 それぞれの類型の概念 と課題は次の通 りである。 第一に、「1
活動の関連」の 「A類
型 読解過程に書 く活動を関連 させた指導」につい てである。 これは、読解過程 に書 く活動 を関連 させ ることで、理解 を深化 させ ようとした ものである。長崎伸仁0010は
、「これまでの『 読むこと』の学習の実態は、理解 を目的 と した表現活動儲 し合い)が主流であつた。『 読み書き関連』でい う『 読む こと』の学習での 『 書 く』作業 も、いわば、理解す ることを 目的 とした表現活動が主であつた。文学教材で の初発の感想や主題 を書かせ ることも、説明文教材で要点や要 旨・要約を書かせ ることも、 学習の 目的は、理解 にあつた87」 と述べた。長崎の指摘 している点は、この「読解過程に書 く活動を関連 させ ることで、理解 を深化 させ よ うとした」A類
型 に対 してであると考えら れ る。また、杉本典子0010も
、説明的文章の読み書き関連における内容偏重の問題点につ いて、「内容 にひかれなが ら読み、内容への興味関心をきつかけとして調べて書 く内容主義 に偏重 した指導 とな り、学習者の興味関心は高いが、言葉の教育 としての国語教育 として は、何を学習 したかが残 らないものにな りがちであつた38」 として批判 している。これ らの 指摘か らは、A類
型が内容理解主義の関連であることを指 しているといえる。 第二に、「1
活動の関連」の 「B類
型 作文過程 に読む活動 を関連 させた指導」につい てである。 これは、作文過程 に読解活動を導入す ることで、作文の効果 を期待 したもので ある。 しか し、管見の限 りでは、B類
型の実践がほ とん どされていない39。 このことか ら、C類
型は実践にはなかなか活かせ るものではなかつた と考えられ る。 第二に、「2
能力の関連」の 「C類
型 読解の結果供端卜 技能、能力)を作文活動に転 移 させた指導」についてである。これは、読解 した結果を作文へ転移 させ ることで、読解・ 作文の両面の効果 を期待す るものである。杉本は、「1970年
代、説明的文章の読み書き関連 37長 崎伸仁『新国語科の具体と展望』メディアエ房テラス、2010、 p.28 “杉本典子「説明的文章の学習指導における読み書き関連に関する一考察」『 国語国文 研究と 教育』No.48、 熊本大学教育学部国文学会、2010年、p.79391978年
∼1988年までの『 実践国語研究』の中から、読み書き関連指導に関する実践と認めら れたものの うち、B類
型の実践は1例のみであつた。指導が盛んに行われた。 こうした関連指導は、形式偏重の読み書き関連か、内容偏重の読 み書き関連であつた。前者は、段落の要点や段落相互の関係、要 旨を提 える読みか ら産出 された文章構成や論理の型にあてはめて書 く形式主義の指導であ り、そ こには読み手の実 感 としての論理形成は行われてお らず、生きて働 く読み書き関連指導にはな り得なかった」 と批判 した亀 ここでも述べ られている通 り、読み書き関連は、読み取つたもの、つま り習 得 したものをそのままスライ ドさせ、型はめさせ るよ うな形式主義であることが分かる。 第
2節
『つなぎの段臓」を設定 した説明的文章における「腕み書 き関連指導J 「C類
型 読解の結果erl識・ 技能、能力)を作文活動に転移 させた指導Jの
よ うに、能力 の転移 をね らい とした類型であつても、型はめさせ るよ うな指導になつて しま うことが課 題 として挙げ られた。 しか し、儀間はこの よ うな課題 に対 して 「読み」 と「作文」 とを関 連づける提案 を行つた。概要は以下の通 りである。 口2
説 明的文章の読み書 き闘違指導の基本的指導過程(儀間朝善 1985)‖ この指導過程 は、「読み段階 舞 つ なぎの段階=
作文 の段階」 を位 置づ けた もので あ る。 また、各段階 は厳密 に一線 を引かず 、読みの段階で も書 くこ とを意識 させ た り、作 文 の段階 で も読 み の段階へ立 ち返 らせ るな どの往還 関係 を示 した。 さらに、読 み と作文 の 独 自の能力 をつ け るこ とと共通能力俵 現 にかかわ る能力)を強化す ることの双方 と、読みか ら作文への 自然なつなが りを保たせ ることが期待できる とされた42。 40前掲書27、 p.7941儀
間朝善・ 他『 読む力 を作文 につな ぐ説明文指導』明治図書、1985、 pp.17・18 図2は
儀 間 に よつて示 され た図 を簡略化 し、稿者 が作成 した。 42上掲書、pp.16‐26 読みの段階⑤ ④ ③ ② ①
→ -→ -事 柄 を 位 置 づ け る 内 容 を 構 成 す る 内 容 を 記 述 す る す い 考 す る 学 習 の 成 果 を 評 価 す る 課 題 を 選 定 ・ 限 定 す る 表 現 技 法 を ま と め る 表 現 の 仕 方 を 練 習 す る 課 題 の 設 定 を す る 概 略 を と ら え る く わ し く 読 み と る 読 み 取 つ た こ と を ま と め る 読 み 取 っ た こ と に つ い て 感 想 ・ 意 見 を も つ つなぎの段階③ ② ①
作文 の段 階⑤ ④ ③ ② ①
稿者は、論理的思考力の育成 を目指 した指導過程であることと、「つなぎの段階」を設定 した読み書き関連指導であるとい う
2点
に着 目した。儀間は、説明的文章の読みの指導に おいては、「論理的思考力を養 うことを第一義 としたい」 と述べヾ読みの段階の指導の在 り 方を示 した。 さらに、「つなぎの段階」を設定することによ り「読みの教材 を作文の立場か らも う一度見直 させ、表現にかかわる事柄 を整理 させた り、その表現技法を駆使 して表現 の練習をさせた りす ることで、無理な く自然な形で能力の転移が図れる」 と述べた。 したがつて、この 「つなぎの段階」を設定 した読み書き関連指導に着日 し、「習得 と活用 を関連づけた指導」における転移に援用できる方法はないかを検討することとした。 次節では、具体的に先行実践 を分析 し、その成果 と課題 を明 らかに した。 第3節
説明的文章における「読み書き関連指導Jの
先行実践 第1項
実践の概要 今回取 り上げた先行実践は、能力の転移 を意図 している「C類
型 読解 の結果(知識・技 能、能力)を作文活動に転移 させた指導」の中でも、儀間によつて示 された「つなぎの段階」 を設定 したものである。 先行実践は、儀間朝善・他『 読む力 を作文につな ぐ説明文指導』に収録 されていた実践 の中か ら内間美智子によつて行われたものを選択 した43。 「っなぎの段階」の児童の作品や 考察が他の実践 よ りも充実 していると認 め られたためである。先行実践の概要 と分析方法 は以下の通 りである。(1)単
元 要 旨を明確に して(2)教
材 大陸は動いている(光村05年
)(3)目
標 ① 書 き手の課題 を見つけ、事柄をお さえた り、事柄 と事柄 とのつなが りを考えた り して要 旨を読み取 り、読み取つたことに対 して感想や意見を持つことができる。 ② 考えの中心がはつき りするよ うに、事柄 ごとのまとま りやつなが りを考えて、読 み手によくわかるよ うに文章を書 くことができる。 ③ 筋道 を立てて物事を考えることによつて、物事を正 しく見た り考えた りす る力を つける。(4)学
習過程 本実践の学習過程は、表4に示 した通 りである。なお、「読みの段階」「つなぎの段階」「作 文の段階」は授業者の実践内容 を分析 し、稿者が設定 した。 また、学習過程で関連 させ る指導内容は次のように設定 された44. 43内間美智子「高学年・要旨を明確にして一表現技法との関連を考えた指導」儀間朝善・他『読 む力を作文につなぐ説明文指導』明治図書、1985、 pp.65‐77 44上掲書、pp/65‐66
[読み
] [作
文] (1)書き手の課題 を見つ けるこ と ― 書 きたい こ と(課題)を決 めるこ と。 (2)課題 について適切 な事柄 を読み取 る こと一)課
題 について適切 な事柄 を相互 の関 係 も考 えて位置づ けること。 (3)文、文章構成 の工夫 を読み とるこ と ― 文、文章構成 を工夫 して分 か りよ く 書 くこ と。 (4)要旨を確 実 に とらえる こと ― 要 旨が明確 になるよ うに書 くこ と。(5)分
析の視点 先行実践の分析にあた り、以下の2つ
の視点を設定 した。 ① 「つなぎの段階」が学習(能力)の転移に効果がある力、 ② 論理的思考力(関係づける力)の育成が意図されていたか。 視点① 「『 つなぎの段階』が学習(能力)の転移に効果があるか」は、転移の質を明らかに するため設定 した。儀間の提案 したように、「つなぎの段階」が 「無理なく自然な形で能力 表4 r大
睦は動いている」学習過程(全12時 間) 段 階読 時 内 容 み 1 教材文 「大陸は動いている」 を読み、書き手の考えを とらえ、読み進 めてい く ための学習課題 を設定す る。 は どの よ うに して動いてい るのだろ うか。 │このことを正しく分からてもらうために、書き手はどのように表現をくふうしているのだろうか。
│ 2 この課題 について どのよ うな事柄 をどのような順序で書いているか、文章全体 の展開を大まかにつかむ。 3 課題 とのかかわ りで、事柄 ご とのま とま りや事柄 と事柄 とのつ なが りが どの よ うに書 き表 され てい るか、 くわ しく読む。 4 書き手の思考の流れについて見直 し、要点をふまえ、要旨をま とめる。 ここで まとめた書き手の思考の流れは、作文へ移行す るまで度々提示す るものである。 つ な ぎ 5 「大陸は動いている」の学習で読み取つたことをまとめる。 6 表現の立場か ら「大陸は動いている」を見直 し、 自分の作文に生かす ことを考 える。 , ′ 各 自書 きたい ことを決 め、必要 な事柄 を位 置づ ける。(内容構成) 一 メモ(1)の用紙 8 書 く順序 を決 め、 メモ(1)をも とに して文・ 文章構成 を考 えて書 く。 9 「大陸 は動いてい る」 と比べて、 自分 の作文の文章構成 を調べ る。 作 文 10 メモをもとに記述する。 書いた作文を練 り直 し、わか りやすい作文にす る。 12 で きた作丈 を発表 し、感想 を述べ合い、 これ までに使 つたメモや資料 をま とめ て単元文章 を作 る。の転移が図れ る」機能が働いていた として も、それが本来求められている「応用可能な形 での転移」であるかを検討す る必要があるためである。 視点② 「論理的思考力(関係づける力)の 育成が意図 されていたか」は、説明的文章にお ける「習得 と活用 を関連づけた」指導においても論理的思考力の育成、 とりわけ 「関連づ ける力」の必要性が明 らかになったため、その要件 を満た したものかを検討す る必要があ るため設定 した。
(6)分
析の方法 と手段 まず、視点① 「『 つなぎの段階』が学習(能力)の転移に効果があるか」の分析方法について述べる。ここでは、「
?な
ぎの段階」を設定
: す ることで学習の転移が効果的 に働 く条件 を 抽出 し、転移の質にどのように機能 しているか を分析 した。 次に、視点②「論理的思考力の育成が意図 さ れていたか」の分析方法について述べる。この 場合、読みの段階で どのよ うな論理的思考力、 とりわけ「関係づける力」が育成 されていたの かを櫻本の挙げた「関係づける力」各項 目(p.10 の表2参
照)と 照合す ることで分析をすすめた。 第2項
先行実践の分析 第一 に、「つな ぎの段 階」が学 習(能力)の 転 移 に効果 が あるかについて分析 した。授業者 は 「つなぎの段階」において、「(1)読
み とつた こ とをま とめる段階」「(2)読
みの教材 を書 く 立場で見直 し、各 自の作文の構想 を見通す段階」 「(3)読
み の教材 で文章の展 開の仕 方 を再度 見直 し、各 自の作文 の文 、文章構成 の メモ を書 く段階」を設定 した。これ は儀間が 「読みの教 材 を作文 の立場 か らも う一度見直 させ 、表現 に 関わ る事柄 を整理 させ た り、その表現技法 を駆 使 して表現の練習 を させ た りす るこ とで、無理 な く自然 な形での能力 の転移が図れ る」ことを 意図 して「つ なぎの段階」を設 定 した考 え方 を 反 映 させ た もの と考 え られ る45。 この実践の「つ 日3
先行実践における児童の作文メモ 45儀 間朝善・他『読む力を作文につなぐ説明文指導』明治図書、1985、 pp.16‐17 擁 む 力 を 作 文 に つ な ぐ授 業 の 展 開 1 書 き 出 し 3 2 5 ま と め 書 く 順 じ ょ 文 題 ご ふ く 屋 さ ん で 組 み ひ も 作 り の こ う 習 会 を 見 た 。 組 み ひ も が 機 械 で 作 る も の で は な く 、 人 が 、 一 本 一 本 作 る も の だ と い う こ と を 知 っ て び っ く り し た 。 組 み ひ も と い う の は 、 和 ふ く の お び じ め に し た り 、 洋 ふ く の ベ ル ト に し た り し て 使 う も の で あ る 。 で は 、 組 み ひ も は ど の よ う に し て 作 る の で あ ろ う か 。 o ま ず 、 作 り た い も よ う に 合 う ひ も の 色 と 本 数 を き め る 。 私 の 場 合 は 赤 と ク リ ー ム 色 を 四 本 ず つ に す る 。 o 次 に 、 ひ も を 一 本 一 本 つ め で き れ い に の ば し 、 こ れ ら の 先 の ほ う に 小 さ な お も り を つ け る 。 o 次 に 、 八 本 の ひ も を た ば に し て 根 も と の ほ う に お も り を つ け 、 丸 台 の ま ん 中 に 置 き 、 動 か な い よ う に す る 。 ︵図 を 入 れ る ︶ o い よ い よ 、 あ ん で い く 。 作 り た い も よ う に よ っ て ち が う が 、 ひ も を 前 や 後 ろ に 動 か し て 、 丸 台 の ふ ち に か け る よ う に し て あ ん で い く 。 ︵図 を 入 れ る ﹀ o 最 後 に 両 は し の ふ さ を 作 る 。 ︿図 を 入 れ る ︶ こ う し て 組 み ひ も は で き 上 が る の だ が 、 少 し ず つ し か で き な い の で 、 と て も つ か れ て 、 つ ら か っ た 。 と ち ゅ う で や め よ う か と 思 っ た 。 一 日 に 五 時 間 や っ て 、 一 週 間 で や っ と で き 上 が っ た 。 組 み ひ も は 、 か ん た ん に 作 れ る も の で は な い 。 お 店 に 出 る ま で に は 作 る 人 の 苦 労 が あ る の だ 。 事 柄 と 事 柄 の つ な が り を 考 え て │ 組 み ひ も が で き る ま でなぎの段階」で1ま、児童が読みの段階で読み取つた ことをま とめ、 さらに作文を書 くため に教材の文章構成に限定 して学習 させている点が特徴である。 図
3は
、この先行実践で児童が教材文 「大陸は動いている」の文章構成 をもとに書いた 作文メモである。 さらにこれをもとに して書かれた作文が図4で
ある。 授 業者 自身 は、内容 についての感想 をま とめるだ けでな く、書 き手 の立場 か ら表現 の工 夫 につい てま とめ させ るこ とを意 図的 に設 定 した としてお り、その効果 として 「書 き手 の 思考 の流れ をお さえる こ と、事柄 と事柄 との関係 をは つき りさせ るこ との力 が生 か され て 組 み ひ も を 作 る 苫 労 み や げ 品 店 に 並 べ ら れ て い る 組 み ひ も は 、 か ん た ん に 作 ら れ る も の な の だ ろ う か 。 0 私 は 、 良 体 み の あ る 日 、 ご 服 曜 さ ん で 組 み ひ も の 講 習 会 を 見 た 。 あ の 色 ど り の 集 し い 組 み ひ も か 人 の 手 で 一 つ ず つ 作 ら れ て い く で は な い か 。 こ れ ま で 、 機 械 で か ん た ん に 作 ら れ て い る と 思 っ て い た の で び っ く り し て し ま っ た . 力 0 組 み ひ も と は 、 何 本 か の 糸 を い ろ い ろ に 組 ん で 作 る 色 ど り の 美 し い も の で あ る . こ れ は 、 和 腰 の 帯 じ め に し た り 、 洋 服 の ベ ル ト に し た り . ヘ ア ︰ バ ン ド に し た り し て 使 う も の て あ る ゥ ︲ 3 ︲ 0 私 は 、 彙 体 み の 間 に 、 組 み ひ も 作 り に ち ょ う 戦 し て み る こ と に し た 。 帯 じ め を 作 る こ と に し て 、 さ っ そ く 準 備 に と り か か っ た 。 0 ま す 、 作 り た い も よ う に 合 う ひ も の 色 と 本 政 を き め た 。 一 本 の 長 さ は 一 メ ︰ ト ル 五 十 セ ン チ ぐ ら い で あ る 。 二 色 の 八 ツ 組 み に し た い の で 、 赤 と ク リ ー ム 色 そ れ ぞ れ 四 本 ず つ 用 意 し た 。 0 次 に 、 ひ も を 一 本 一 本 か み の 毛 を と く よ う に の ば し 、 そ の 先 の は う に 消 し ゴ ム ぐ ら い の お も り を ま き つ け て お く 。 い 次 に 、 八 本 を た ば に し て 、 先 の 方 か ら 五 セ ン チ ぐ ら い の と こ ろ を 糸 で キ ■ ッ と く く り 、 お も り を つ け る 。 そ し て 、 こ こ を 根 も と に し て 丸 台 の 中 央 に 置 き 、 動 か な い よ う に す る 。 ︵ 図 1 ︶ 0 い よ い よ あ ん で い く 。 作 り た い も よ う に よ っ て あ み 方 か 少 し ら か う か 、 私 の 場 合 は 赤 と ク リ ︰ ム 色 を つ い に し て と り 、 左 右 、 手 前 、 む こ う が わ と 円 方 に 動 か t て 九 台 の ふ ら に ひ っ か け る よ う に し て あ み こ ん て い く 。 ︵ 図 2 ︶ ´0 最 後 に 、 両 は し の ふ さ を 作 る ぃ ︵図 3 ︶ 晩 0 こ う し て 、 組 み ひ も が で き 11 か っ た の た が 、 一 時 間 て 一 セ ン チ ぐ ら い し か あ め す 、 ■ 時 間 ぐ ら い あ ん で い た ら と て も つ か れ て や め た く な っ た 。 し か し 、 で き 上 か っ た と こ ろ を 見 る と と て も き れ い な の て う ● し く な っ た 。 姉 も 、 ﹁ 色 の 組 み 合 わ せ か き れ い わ ¨ か ん ば っ て ね ず と 言 っ て く れ た し 、 や っ ば り や っ て み よ う と 、 几 気 を 出 し て あ み つ づ け た 。 だ ん だ ん な れ て き て う ま く な り 、 一 時 闘 て ´ ニ セ ン チ ぐ ら い て き る よ う に な っ た 。 一 日 に 五 時 間 ぐ ら い や っ て 、 一 週 間 で つ い に 一 メ ー ト ル 三 十 セ ン チ の 組 み ひ も を 作 る こ と が で き た 。 と ら ● う で ﹁ い や た な あ 。 ゃ め よ う か な あ , 。 と 何 度 も 思 っ た 。 指 先 も か さ か さ に な り 、 ま め か で き そ う だ 。 頭 も フ ラ フ ラ だ っ た 。 こ う し て ま い っ て し ま う の も あ た り ま え だ 。 五 時 間 Ы 剰 引 引 副 J 剰 引 刊 引 引 引 劇 ぶ み 層 力、︲引 。 で も 、 で き 上 か っ た も の を 見 る と 、 か ん ば っ て 作 っ て よ か っ た と 思 っ た 。 も っ と べ つ の も の に も チ ャ レ ン ジ し て み た く な っ た く ら い だ 。 日 ⑪ 組 み ひ も は 、 機 械 て た や す く 作 ら れ て い る と 思 っ て い る 人 も 多 い か 、 そ う で は な く 、 人 か 一 本 一 本 心 を こ め て 作 っ て い る も の で 、 人 へ ん な 苦 労 を し て で き る も の な の で あ る 。 (:涎3》 (図2) (図 :) 日4
先行奥餞における児童の作文 20いる」が分析 した“。 したがつて、「つなぎの段階」に学習 させたい表現技法に焦点化 し、再構成 させ ることが 「学習の転移」を効果的に促す条件であるといえる。 第二に、論理的思考力(関係づける力)の 育成が意図 されていたか とい うことについて分 析 した。表
4の
学習過程の中の 「読みの段階」では、「事柄の順序」に着 日し、学習がすす め られていることが分かる。 また、図3の
児童の作文メモの中でも書 く順序 として 「事柄 と事柄のつなが りを考えて」とされていることからも、「つなぎの段階」でも「事柄の順序」 を意識 した活動が行われていることが指摘できる。授業者 も、「作文の段階」で 「『 大陸は 動いている』で学習 した書き手の思考の流れ をお さえること、事柄 と事柄 との関係 をはつ き りさせ ることの力が生か されている」 と分析 した4L したがつて、この先行実践では櫻本の挙げる 「順序 をた どる力Jを
働かせて学習 を進 め ていると結論付 けた。 第3項
成果 と課題 先行実践の分析 より明 らかになつた成果は次のよ うにまとめることができる。(1)読
み と作文に共通す る能力を抽出す ることにより、転移 させたい能力 を限定す る ことができる。0)つ
なぎの段階で転移 させたい能力や知識・技能に焦点化 して学習 させ ることが効 果的な転移の条件 となる。 具体的には、①読む段階で習得 した能力や知識・技能について振 り返 る(内容だけ ではな く、書きぶ りも含める) ②それ らの能力や知識・ 技能の うち、作文に活かせ るものだけを抽 出 し再構成す る(9
読みの段階では、「関係づける力」の育成が確認 された。 (先行実践においては、主に 「順序」をた どる力が育成 されていた。) 一方、課題については次の点が挙げられ る。(1)説
明的文章か ら読み取つた表現技法を確実に使 えるよ うにはなつているが、応用 可能な形の転移 とい うには不十分である。(同 じよ うな文脈で しか使 えない。) この点に関 して、伊藤勝彦C2007)は 、これまでの論理的思考力を育成す るための指導 とし て説明的文章をもとに した読み書き関連指導について以下のよ うに批判 した亀 466間朝善・他『 読む力を作文につな ぐ説明文指導』明治図書、1985、 p。74 47儀間朝善 。他『 読む力を作文につなぐ説明文指導』明治図書、1985、 p.74 48伊藤勝彦 「筆者の意図を読み、考えを意図して書く」『 月刊国語教育研究』No.422、 日本国 語教育学会、2∞7、 p.17 21・ 説 明的な文章 を唯一絶対 の もの と して肯定的 に受 け止 めて もよいのか。 む しろ、批 判 的 に検討す る必要があるのではないか。 ・ 与 え られ た論理展開 を十分検討せず に、それ を用いて 自分の考 えを書 くだけでは思 考力や表現力 は育たないのではないか。 つ ま り、鵜呑みに して しま うこと(肯定的 に読む こ と)では、思考力は十分 に育成 されない とい うこ とであ る。 そ こで、伊藤 は 「筆者 の意 図 を読み 、 自分 の考 えを意 図 して書 く」 こ とを提案 し、次の よ うに述べた。伊藤 は、まず説明的文章 を読む際は、「なぜ 、そ う書いて あるのか」 を考 える軸 に、関係把握(主張 と結論 の関係 、原 因 と結果 の関係 、主張 と理 由の 関係 、全体 と部分 の関係 、内包 関係)を、思考操作 の類型(比較 。対照、分析 と総合 、類別・ 整理 、順序づ け)を用 いて読み解 くこ とが大切 である と述べ た。 関係把握 とは、関連 づ けて 読む ときの 「対象」、思考操作 は 「関係 づ ける力」 を示 してい る と考 え られ る。 また、書 く場合 においては、「なぜ、そ う書 くのか」 を軸 に、関係把握・思考操作の視点 に基づ き考 えなが ら表現す ることにな ると述べた49。 この方法は、応用可能な形での転移 に有効である と考 え らえる。したがつて、次節 では、 これ まで検討 して きた 「つなぎの段階」 を設定 した読み書 き関連指導 と伊藤 の理論 を参考 に し、モデル図の提案 を行 つた。 第