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この実践の分析 よ り明 らかになった成果は次の よ うにま とめることができる。

(1) 

「つなぎの1段階」において転移 させ たい能力及 び知識・ 技能 に焦点化 した指導 が 行 うことがで きた。

今 回は、「読 みの段階」 において 「順序 をた どる力」 を働 かせ て読む こ とを意図的 に設定 した。 そのため、「つ なぎの段階」で転移 させたい文章構成 に関す る工夫 に焦点化 した学習 を させ ることがで きた。 この点に関 しては、「習得 と活用 を関連づけた指導」 において も生 か され るべ き点である と考 え られ る。

一方、課題 については次の点が挙 げ られ る。

(1) 

「つなぎの段階」に時間を とりす ぎた。

(2)習

得 した 「文章構成」 に型 はめ させ るよ うな指導 にな り、応用 可能 な転移 にはい た らなか った。

まず 、(1)「つ なぎの段階」に時間 を とりす ぎた とい う課題 についてである。 これ は、児 童 の意欲 を損 な うことと同時 に授業 としての実現性 についての課題 で もある。 限 られ た授 業時数 の中で、「つ な ぎの段階」 を有効 に機 能 させ るた めには、 よ り効率の よい指導過程 を 設 定す る必要 が ある と考 え られ る。

また、② 「習得 した 「文章構成」 に型 はめ させ るよ うな指導 にな り、応用可能 な転移 に はいた らなか った とい う課題 についてであ る。児童の ワー クシー トの分析 か らも、「筆者 の 文章構成 の工夫」 を読み とる こ とが出来 ていた し、それ を転移 させ て作文 を書 くこ とも出 来 ていた。 しか し、 これ も結局は筆者 の文章構成 に型 はめ して書いてい る ともいえる。応 用 可能 な転移 をね らつた実践 で あつた に もかかわ らず 、実際 にはそれ がかなわなか つた理 由は、能力 の転移 にだ け こだわ り、知識 の質 を考慮 で きてい なか った こ とにあ る と推 察 さ

れ た。

したがつて、次章では知識 の質 とい う観 点か ら「応用可能 な形 での転移」の可能性 を考 察す る とともに、「つ なぎの段階」 を機 能 させ る要素 を明 らかに した。

34

4章

説明的文章における「習得 と活用を関連づけた指導

Jの

モデルロ

第1節

 

知識の質

第1章で 「習得 と活用 を関連づけた指導」の在 り方の整理 した際、「知識・技能を『 自覚 的(意識的)に』活用できるような学習活動が必要である」 と述べた。 しか し、平成

24年

度 に実施 した実践においては、児童は筆者の文章構成 を使 つて作文を書いたが、 自覚的に文 章構成を考えていたかは疑間である。

したがつて、本章では児童が習得 した知識・技能を自覚 して活用す るために、知識の質 について問いなお した。

西岡加名恵

0019は

『 知の深 さ』 と評価方法の対応関係」を表6のよ うに示 した51。 こ の表

6に

あるよ うに、理論が基づいているよ うな、明白で受容 された事実(宣言的知識 は転 移 しないもの として示 された。

表 6  『知の深さ』と評価方法の対応関係

"

1

・ ●目的スキル●●‐ ●

 事実的知薔 :理綸が基づいているような、明白で受寄 された事実 〈 言的知織).転移 しなし、

 憫馴的 スキル :単 純で憫別的な手続 き的知識.反復練習などで身につ .限られた範囲 で し力彙 移 しなし、

2

●倉・ プロセス

C二

つ凛上●● D書 ■饉・■臓する

 概念 :単 語や短い語旬で達べ られた抽象的な知釣構成長念 (宣言釣知 ). トビッタやt朦を超えて、転移可れ

 プロセス :意 日された結果を達成するためのスキルの組み合わせ。学

日 の 中 で (時l■学 ロ ケ 越 え て 〕 色 L

tについて●■椰 と

● ― して用 いつつ、

日日に凛 り■む

  原理や一般化:概念・ プロセス・ 事実・ スキルなどの議要素を構造釣

に関連づけ、籠理したもの.完全な文の形で記達される.

 方略的悪考:推綸したり、計画や子曖の系男を開発したりする際に行

われる思考

4

●魔な

については ● ・富 =… 書用い

つ ― して s― むプロジェタ瞳 り●●

′1フ オー マ ンス

摯■テス ト 奥捜テス ト

稿者が平成

24年

度に実施 した実践での知識 をこの表に照合 してみると、西岡の示す 「知 の深 さ」の レベル1の段階で留まって しまっていると考えられた。その教材でのみ使われ た 「文章構成」 とい う個別具体的な知識のみを使 つているため、応用可能な形での転移が 起 こらなかったのである。つま り、個別具体的な知識一つだけを習得 させても、応用可能 な形での転移は見込まれない とい うことである。

したがつて、西岡の示す 「知の深 さ」の レベル2の段階へ格上げす るためには、概念の 51西 岡加名恵「『知の構造』と評価方法」httpγ

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mext.80jprb̲menu/8hingirchnOrch的

o12rshiryO/attach/1335585.htm0014.1.30取 得)

形成が必要 となる。

2節  

「習得 と活用を関連づけた指導」における「習得の段階

Jの

条件

本節では、説明的文章において 「概念」 を形成す るとはど うい うことかを考察す るとと もに、「活用の段階」の指導の在 り方を示 した。

丸野俊一(1970は、概念の働 きについて次のように述べた52。

人が具体的経験 を1つ 1つそのまま受 けとるとすれば、次々に出会 う経験や事例は細 か くみ ると1つとしてまつた く同 じものではないので、断片的な経験がただ蓄積 され るだけで、相互に結びついた役立つ知識 にはな らない。しか し、人は概念によつて個々 別 々のものを同類 にまとめ、い くつかのクラスを形成 し、それぞれのクラスに対 して 一定の処理 をす るよ うになる。そのよ うに個々の経験や認識は概念 によつて体制化 さ れ、ひ とつのま とまつた形で保持 され、新 しい課題 に出会 うと、これが取 り出 され利 用 され る。

  │

九野の指摘 を換言す ると、個別的知識 はば らば らな状態で学習者の中に蓄積 されている 限 り、応用可能な形では転移せず、個々の知識 を 「概念」によつて構造的に蓄積す ること では じめて活用できるようになるとい うことである。イメニジとしては、個別的知識 を「概 念」 とい う箱に入れ、知識のま とま りとして蓄積 しておけば、取 り出 して利用できるとい

うことである。

しか し、丸野が述べたように 「別 々の ものを同類にま とめ」 るためには、個別的知識が 同質のものである必要がある。

したがつて、 これ を説明的文章の学習にあてはめると、一つの教材 に同質の個別的知識 が存在す る必要性が指摘できる。説明的文章における個別的知識の例は表

7に

示 した通 り である。

説 明的文章 における僣 別的知識 の傷 説 明文 を助 け るための構成要素

一教材 につ き一つ しか個別的知識 が存在 し ない場合

一教材 につ き同質の個別的知識 が複数存 在す る場合

・ 題名

・ 文章構成

 

な ど ・ 接続詞・ 非連続型テキス ト

 

な ど

このよ うに、一教材 に同質の個別的知識が複数存在す る場合は、相互の共通性 を見出す ことで一つの概念 として個別的知識 をまとめることが可能であると推察 された。

52丸 野俊一「言語と概念」山内光哉編著『学習と教授の心理学

 

第2版』九州大学出版会、1978、

p.122

したがつて、説明的文章における 「習得 と活用を関連づけた指導」の 「習得の段階」で は、一教材 に同質の個別的知識 を知識のま とま りとして構造化 し、関連づけて蓄積 させ る

ことの必要性が指摘できる。

3節  

『習得 と活用を開違づけた指導」における「つなぎの段階」の条件

しか し、「知識のま とま り」の枠の中に個別的知識が蓄積 されたとしても、いつ・ どこで 。 どの知識 を取 り出 して使 えばよいかを知 っていなければ応用可能な形での転移 は起 こらな い。例えるな らば、道具箱(「知識のまとま り」 とい う箱)からどの道具(個別的知識 をいつ 使 えばよいのか とい うことも同時に知ってお く必要があるとい うことである。

鶴 田清司

0010は

、知識 0技能が活用 させ る際の 「学習の転移」を促す条件 として次の 6 つを挙げた53。

 

学習の内容や手順を記憶す るのではなく、よく考えて深 く理解す ること(「対比事 例」を取 り入れ る)

 

学習時間をかけることによって、知識の体制化・構造化す ること(知識のま とま り をつ くること)

 

学習者に理解の程度や知識の利用法についてフィー ドバ ックす ること

 

学習意欲 を高めて知識の社会的有用性 を知 らせ ること

 

文脈 を超 えた転移のために、複数文脈や類似文脈を利用す ること(よ リー般的な文 脈で活用の場面を適切 に設 けること)

 

学習者のメタ認知能力(自己をモニタ リング した リコン トロール した りす る能力)

を高めること

また、鶴 田はさらに続 けて 「方略についての手続き的知識」(方略をどう使 う力うとい うこ とを意識化・ 自覚化 させ ることの必要性についても言及 した5亀 これ らの指摘か らは、どの 場面で知識 を使 えばよいか とい うことをメタ認知 してお く必要があるとい うことが分かる。

したがつて、説明的文章における 「習得 と活用を関連づけた指導」の 「つなぎの段階」

は、平成

24年

度に実施 した実践 より明 らか となつた 「転移 させたい能力及び知識・技能に 焦点化す ること」に加 え、「習得 した知識・技能を使 う場面をメタ認知 させ ること」を要素

としたモデル図を仮設す ることとした。

53鶴 田清司『対話・批評・活用の力を育てる国語の授業一

PISA型

読解力を超えて一』明治図書、

2010、 p.147 54上掲 書 、p.148

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