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長 崎 県 の 方 言 分 布 相

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Academic year: 2021

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(1)

長崎県の方言分布相 

︱身体部分・ 人物名称︱

西

島 宏

    ま え が き

 長崎県の方言のうち︑以下の語についてその分布相を調査したも

のである︒

身体に関するものとして︑頭・額・顔・禿頭・頬・眉毛・唇・唾

・顎・旋毛・あばた・指・みずおち・かかと︑人に関係した語とし

て︑長男・末子・金持・乞食・神官・産婆を取り上げた︒

 なお地名の表記は詳細を期するため︑町村合併前の旧町村名に拠

った︒  一︑頭・額ほか

 長崎県下で﹁頭の方言としてカップ・カッポ系のことばがある︒

注︵1︶

 例えば壱岐郡の鯨伏・渡良・箱崎にカッポ︑平戸市にカップ︑北

松浦郡小値賀にカッパ︑大村市福重でカンポ︑南高来郡守山・多比

良・大三束・三会にカッ︒フ︑五島魚目・青黛・有川・奈良尾でカッ

ポといっている︒

 さらに﹁膝頭﹂を︑佐世保市大野でピザカッポ︑佐世保市崎針尾

でピザンカッポ︵ピザのカップの意︶︑大村市池田・岩松でピザン

コッポ︑諌早市でピザコッポ︑ ﹁山の頂﹂を南高来郡守山でヤマン

カップ︵ヤマのカッ︒フの意︶といっていることからみても︑一般に

1身体部分・人倫名称︵申島︶ ﹁頭﹂の意昧でカップ︑カンポ︑カッパということばが県下全域に 拡がっていることがわかる︒  カップは古語﹁かぶ﹂と同系のことばであろう︒この﹁かぶ﹂は 古事記中巻応神七一の﹁中ツ土ヲ加夫︵かぶ︶突ク云々﹂︑日本書 紀神代紀下一七﹁頭槌ノ剣︑此ヲ箇歩豆智︵かぶつち︶ト云フ﹂と 見えるほか︑かぶき・かぶく・かぶると同系の語で︑方言としても

﹁ピザカブ︵膝頭︶﹂が﹁物類称呼﹂ほかの方言書に見えている︒

 ﹁頭﹂の方言としては︑ツムル・ツブル系のオツモリが壱岐郡石

田に︑オツムが諌早市︑ツベが南高来郡山田にあり︑カシラ系で壱

岐郡勝本で﹁頭痛がする﹂ことをタカガシラモツというのや︑五島

富江で﹁頭﹂をカシラと呼んでいる︒

 対馬のビンタ︑カバチは︑他の地方では見られない︒北高来郡湯

江で﹁大頭﹂をカブラという︒また﹁頭﹂の卑称として佐世保市と

北高来郡小長井でズクニューを使っている︒注︵2︶

 壱岐郡鯨伏で﹁頭﹂をガンツ︑五島崎山で同じくカラタマとい

㍗つ︒

 五島奈良尾ではカシラといえば﹁頭髪﹂のこと︑五島三井楽でカ

ソ︒フといえば﹁顎﹂のことである︒

 ﹁額﹂は県下一般にはヒタイが多い︒南高来郡南有馬と西彼杵郡

三重でデポチン︑大村市︑北高来郡江ノ浦でムコズラ︑南高来画塾

(2)

長崎大学教育学部人文科学研究報告 第二一二号

有家でサイコンといっている︒

 五島奈良尾では︑ ﹁頭の前が出っぱっている﹂のをマエザイコ

ン︑﹁頭の後が出っぱっている﹂のをウシロザイコンといっている︒

 ﹁顔﹂は県下各地でツラというが︑現在はツラを卑称として︑カ

オと区別することが多くなっている︒

 ﹁禿頭﹂は︑対馬の峰でトーハゲ︑平戸市中野でコッパゲ︑西彼

杵郡瀬川でガンバゲ︑同長与でビンチャ︑長崎市矢上でハゲカッパ

というが︑いずれも多少軽べつの意味をこめた呼び方である︒矢上

のハゲ︐カッパのカッパは前述の﹁頭﹂の意味のカッパと関係がある

と思われる︒

 ﹁頬﹂の方言としては︑対馬にホータン︑平戸市ホーベタ︑西彼

杵郡面高フータンツ︑同じく神ノ浦フータン︑同長与ブート︑同三

重フータンプラ︑大村市ブート︑南高来郡でブータン・フゲタン・

ビンタ︑五島の有川・岐宿二二井楽でビンタンがあるほか︑西彼杵

郡の一部にビンタヅラがある︒いちおうホータン・ブータン糸とビ

ンタン系に分けられる︒それぞれ﹁頬︵ほお︶﹂ ﹁髪︵ビン︶﹂を語

源とするものと推測される︒

 前述の対馬で﹁頭﹂のことをビンタというのは適当でないように 思われるが︑鹿児島・大分でも﹁頭﹂のことをビンタといってお り︑﹁頭髪﹂をビンタンゲという︒

 ﹁眉毛﹂は県下一般にミャーゲが使われているが︑南高来郡にメ

ーゲ︑対馬豆殴にマヒゲがある︒

 ﹁鼻﹂の方言はないが︑ ﹁鼻の穴﹂をさすハナンス﹁︵ハナのス︶

はよく使われる︒このスは﹁穴﹂の意味で︑耳の穴を﹁ミミンス︑

肛門をジゴンスなどといっている︒注︵3︶

 ﹁唇﹂は県下全般にツバであるが最近では﹁唾液﹂を﹁つば﹂と いうのが一般化したため混同を恐れてか使う機会が少なくなってき 一〇

ている︒しかし︑夏季に長時間水に浸ったあと﹁ツバンイロンアオ

ーナットル︵唇の色が青くなっている︶﹂といった言い方のなかに

残っている︒

 ﹁唾液﹂は全県ツヅが多いが︑南高来郡湯江でツシ︑南高来郡に

ツバキがある︒注︵4︶

 ﹁顎﹂の方言では︑五島三井楽のカッ︒フがあるが︑これは県下で

カッ︒フを﹁頭﹂の意味で使う地方が多いのにくらべて異色がある︒

 ﹁旋毛︵つむじ︶﹂は︑長崎市︑西彼杵郡︑大村市︑諌早市︑南 高来郡︑北松浦郡など県下で広くキョーマキ・チョーマキ・キョー

マクといっている︒

 ほかに長崎市矢上のチョロマキ︑諌早市の一部と西彼杵郡江島に

チョンマゲ︑壱岐にチリマキ︑対馬にギリギリ︑五島にギッギッの

言い方があるが︑いずれもマキ・マクなど﹁巻く﹂状態に関係づけ

た表現が多い︒

 対馬の一部で﹁旋毛﹂をツジというのは︑西日本に多い例だが︑

文献に現れるのは﹁節用集﹂あたりが始まりといわれるが︑ ﹁和名

抄﹂に﹁旋毛﹂を﹁都無之﹂といい︑いっぽう﹁十字﹂も﹁都兄

之﹂といって︑ ﹁旋毛﹂と﹁十字﹂を同一に表現していることと併

せて考えると︑ツジに﹁旋毛﹂の意味と同時に﹁辻﹂ ﹁十字路﹂の

意味をもたせたものと思われる︒

 とくに長崎県の壱岐で﹁山頂﹂をツジといい︑壱岐郡志原の岳ノ

辻︑同勝本に神道ノ辻の地名がある︒

 長崎県下で一般に用いているキョーマキは﹁頭のつむじ﹂の意味

であるが︑熊本ではキョーマキというと﹁指紋﹂の意味で使ってい

る︒  ﹁つむじ﹂と関連があると思われる﹁つむじ風﹂は西彼杵郡︑東

彼杵郡︑長崎市︑諌早市︑大村市など広くタツマキが用いられてい

(3)

るが︑長崎市にツジマキ︑西彼杵郡喜々津にツヅマキ︑大村市にツ ヅマキ︑諌早市にツヅマキと﹁つじ巻き﹂の言い方があるほか︑西

彼杵郡松島・同時津のミャーカゼ︵松島ではほかにミャーギリの言

い方もある︶︑南高来郡深江のマイギリ︑長崎市矢上のスマキなど

﹁舞う﹂ ﹁巻く﹂に関連のたいい方がみられる︒注︵5︶

 ﹁あばた﹂は︑長崎県下では大きくセンキュー系の対馬・西彼杵

郡・諌早市・北高来郡・長崎市・南高来郡・島原市などと︑ジャン

コ系の壱岐郡・平戸市・北松浦郡・佐世保市・五島︑モガ系の東彼

杵郡に分けることができる︒注︵6︶

 ほかに南高来郡北部・西彼杵郡瀬川・長崎市式見にオモクサ︑北

松浦郡江迎にチョンボ︑対馬久田にジャギがある︒

 このうちオモクサは愛媛県で﹁そばかす﹂の意味で用いられてお り︑ジャギは鳥取・島根・岡山・広島・山口など中国地方に多い言

い方である︒

 ジヤンコも最近では用いられることが少なくなり︑特は若い世代

には種痘の普及によってあばたを実見する機会もないことから︑

ジヤンコという乙とばを知らない層がふえてきた︒ただ平戸市では

﹁よくつけていない凸凹の多いもち﹂をジヤンコモチというのに︑

わずかに残存している有様である︒

二︑指 .﹁指﹂は一般にはユビであるが︑南高来郡にユブのいい方ある︒

指輪のことをユブガネ︵指輪︶という︒

 ﹁親指﹂を西彼杵郡雪浦でウーユビ︵大指︶︑五島でオヤユッと

いう︒ ﹁人さし指﹂は長崎市三重でテッポーイビ︑同量見でテッポ

ーといっている︒ ﹁中指﹂︑は平戸市中野︑対馬などでタ沓座カユ

ビ︑南高来郡北部でナ島隠ロという︒ ﹁くすり指﹂は︑長崎市︑西

一身体部分・人倫名称︵中島︶一 彼杵郡︑北松浦郡︑南高来郡︑対馬と広くべニサシといっている︒

三︑みずおち・かかと

 ﹁みずおち﹂は︑現在も﹁みずおち﹂ ﹁みぞおち﹂の二つの語が

併用されているようだが︑長崎県下の方言もミズオチ︵県一般︶と

ミゾオチ︵西彼杵郡・南高来郡・五島︶に大きく分かれている︒

 さらに対馬佐須奈・西彼杵郡面高・長崎市来見にミズオトシ︑西

彼杵郡・東彼杵郡・南高来郡北部にミゾオトシがある︒

 以上の語はいずれも﹁水落し﹂に由来することばであろうと思わ

れる︒  このほか︑平戸にムナオチ︑五島の福江・三井楽にキモサッ︑五

島玉ノ浦にホトッサマ︵仏様︶がある︒

 ﹁かかと﹂の方言としては︑県下一般にはアドが使われている︒

西彼杵郡・北高来郡・南高来郡・五島などがそれである︒さらに西

彼杵郡の一部と諌早でカカド︑北松浦郡・東彼杵郡にカガトがあ

る︒対馬・壱岐はともにキビシヤである︒

四︑長男・末子

 ﹁長男﹂の方言としては︑県下︼般にはソーリョーが多い︒また

次男以下と対置して言うときカシラという︒注︵了︶

 県下ではこのほかヨトリ︵壱岐郡︶アトトイ︵西彼杵郡江島︶イ

エツギ︵平戸市志々伎︶オヤカタ︵南高来郡南有馬︶がある︒

 ﹁末子﹂は︑大村・諌早・西彼杵郡にシリゴ︑壱岐郡・北松浦郡

・南高来郡・五島にスソゴがある︒

 ほかに壱岐の一部にオトゴ︑西彼杵郡瀬川にオトンボ︑南高来郡

多比良にオトジロなどのオトゴ系がある︒

 シリー系としては︑平戸志々伎・西彼杵郊野母のシリフタギ︑同

(4)

   長崎大学教育学部人文科学研究報告 Dく対馬のシッバレーがある︒ 第二一二号

 五︑金持・乞食

 ﹁金持﹂の方言として一般にはブゲンシヤが多い︒これは江戸時

代に上方で銀五百貫目以上の財産家を分限者といったことに由来す

ることばであろう︒

 北松浦郡江迎でブゲンシヤというほか︑各地にグベンシヤのいい

方がある︒

 県下では﹁好え衆︵ええしゅう︶﹂ ﹁よかしゅう﹂や﹁大尽︵だ

いじん︶﹂という言いかたは見当らない︒

 これに代って︑南高来郡の山田・多比良・島原・北有馬・ロノ津

の各地にギンシがある︒これは﹁銀主﹂の意で︑銀本位の上方の系

統のことばが︑江戸の﹁金主﹂︑例えば芝居などで費用を出す資産

家をいったものに対する表現である︒注︵8︶  西彼杵郡高島にもギンシがあるが︑これは高島に島原地方からの

移住者が多いことによるものであろう︒

 ﹁乞食﹂の方言としては︑北から順に︑対馬にインタ︑対馬の琴

でモノモライ︑壱岐にハッチー︑平戸・佐世保・大村でゼンモン︑

長崎でゴンゾ・バンゾ︑西彼杵郡松島と樺島でコジキ︑南高来郡の

千々石・土黒・布津・有家・北有馬・ロノ津・加津佐がカンジン︑

五島の有川でコジッ︑五島岐宿でハッチボヒといっている︒

 このうち︑ハッチー︑ハッチボヒは﹁鉢叩き﹂ ﹁鉢坊主﹂に由来

することばであろう︒江戸時代の空也念仏の鉢叩き僧である︒

 六︑神 官

 長崎県下ではカンヌシ系︑シンカン系のいい方も多い︒

島奈良尾でカンヌシサンという︒ 例えば五        =一  しかし一般にはジャーサン・ジャードンの呼び方が多く︑平戸・ 島原でデァーサン︑島原・五島でジャードン︑北高来郡でジャーサ ンといっている︒  また壱岐ではダイクジ・デークジが使われている︒いずれも﹁大 宮司﹂に由来すると思われる︒また他地方のデードン・ジャードン もデーグージの誼つた形かと推察される︒  壱岐にあるホサドンは︑時に神官と混同されるが︑普通には祈濤 師・占い師を指していう︒  南高来郡千々石のヤンボシサンは﹁山法師﹂であろうか︒これま た一般神でなく︑祈濤師の類を称していうことばである︒  対馬の豆殴および膚身にシャショーサンがある︒注︵9︶  七︑産婆  ﹁産婆﹂を指す方言としては︑長崎県ではコゼンバ系のいい方が 多い︒注︵−o︶  大村市・西彼杵郡・五島のコゼンバサン︑南高来郡でコゼバー サ︑北高来郡飯盛でコゼンボ︑西彼杵郡伊王島でコジババはいずれ も同系の語であろう︒  壱岐郡勝本のコズエーウバ︑五島三井楽のコーゾエバンバも同様 である︒  コズエババあるいはそれに近い言い方は︑九州に広く用いられて おり︑佐賀でコゼンボウ︑鹿児島にコゼンボー︑久留米・熊本・宮 崎県高千穂・鹿児島にコズイババ︑博多でコズリババ︑福岡県三潴 郡でコージババ︑熊本県天草でカズイバサマといっている︒  コズエに対して︑民俗学者柳田国男氏の﹁子据え﹂説︑つまり新. 生児を手に取り据えて︑生存の承認を行うこと︑したがってその役

目をする女性をコズエババという説がある︒スエルに仲問に加え

(5)

る︑この世の人にする意味を含む例として︑埼玉県北葛飾郡幸手町

で﹁おれが子供をスエテくらっせ︵俺の子供を遊び仲間に入れて下

さい︶﹂を挙げている一書もある︒ ︵総合日本民俗語彙第二巻︶

 県下では︑このほか西彼杵郡大瀬戸︑同野母︑長崎市書見にトリ

アゲンバ︑壱岐渡良にコトリババの言い方がある︒

注︵1︸長崎大学教育学部人文科学研究報告書十八号所収︑ ﹁長崎県の方言分

  布相について﹂のうち︑三︑頭参照︒なお︑﹁かぶし﹂については散木集

  三に﹁おぼっかな誰が袖の子に引きかさねほふしごの稲かぶし初めけ

  む﹂︑鴨長明の﹁四季物語﹂十一月条に﹁鳥帽子打ち傾きたるかぶし

  姿﹂の語がある︒

   カップの類似形としては秋田県仙北郡にコッペのあることが︑東条操

  編﹁全国方言辞典﹂にみえる︒

注︵2︶ズクニュー増補偲言書覧に﹁つく入︒法体の者を罵る言辞也︑青津と

  も云︵中略︶つくにふ︒土佐加賀にてはあたまのことを云︑伊勢にては

  坊主のことなり﹂とある︒

注︵5︶耳のス・鼻のスについては︑柳田国男﹁方言覚書﹂参照︒ジゴンスの

  ジゴは﹁内臓﹂の意で︑ ﹁オンガメ︵かまきり︶ノジゴダシテ︵内臓を

  出して︶死ンドル﹂など言う︒類似の表現としては︑長崎県五島で﹁肛

  門﹂をツベンス︑徳島県美馬郡・愛媛県周桑郡のツベノスというのも︑

  ツビ︵陰部︶にある穴の意であろう︒

注︹4︶﹁唇﹂の方言ツバ︑クチツバと﹁唾液﹂の方言ツバ︑ツバキ︑ツヅの

  関係については︑日本言語図第三集︑一一六図・一一八図解説参照︒

   また柳田国男﹁方言覚書﹂参照︒長崎県下の﹁唾﹂方言については︑

  本山桂川﹁長崎県西彼杵郡・東彼杵両郡方言分布調査﹂参照︒

注︹5︶﹁つむじ風﹂の方言については︑本山桂川の前掲書に西彼杵郡・東彼

  杵郡の方言が町村ごとに出ている︒

注︵6︶ジャンコの分布について︑東条操編﹁全国方言辞典﹂によれば︑茨城

   t身体部分・人倫名称︵中島︶−t   県新治郡・千葉県君津郡・静岡県田方郡・山梨県中巨摩郡・長野県下伊   那郡・出雲・広島・香川県小豆島・大分・福岡・佐賀県唐津・熊本県南   関を挙げている︒    なお︑九州内の分布については︑九州方言学会﹁九州方言基礎的研   究﹂参照︒ 注︵7︶﹁長男︵嫡子︶﹂と﹁末子﹂の方言のうち︑東彼杵・西彼杵両郡につ   いては︑本山桂川氏の前掲書に詳しい︒なお︑ ﹁末子﹂をオトゴという   ことは︑平家物語に﹁修理大夫経盛のおとご︑大夫敦盛とて云々﹂︑さ   らに古くは落窪物語にも見える︒ 注︵8︶ ﹁金主﹂資本または費用を出す人を江戸で金主といったことは︑古川   柳に︑ ﹁芝居の金主度々すれば左り前﹂ ﹁見物が泣くと金主は笑ひ顔﹂   とあるによってもわかる︒ 注︵9︶九州の﹁神官﹂の方言の分布については︑九州方言学会﹁九州方言の   基礎的研究﹂所収の語辞分布地図参照︒ 注︵10︶長崎県西彼杵郡︒東彼杵郡の﹁産婆﹂方言の分布については︑本山桂   川氏の前掲書に詳しい︒

︸三

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