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マ ウスの腎 ア ミロイ ド症 の電子 顕微鏡的研究

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(1)

マ ウスの腎 ア ミロイ ド症 の電子 顕微鏡的研究

金沢大学 医学部病理学第‑ 講座 (主任 :梶川欽一郎教授 )

(昭和

4 9

1 2

2 8

日受付 )

本論文 の要 旨 は

1 9 7 3

年第

6 2

回 日本病理学会総会 にお いて発表 した .

ア ミロイ ドの病理 発生 につ いて は これ まで多数 の研 究 が行 われ .様 々な見解 が発表 されて い る

( Cohe n

l),

Fr a nkl i n & Zuc ke r ・ Fr a nkl i n

2) の 絵 貌 参 照 ).

その主 な説 の一 つ は.ア ミロイ ド症 は免疫機構 の異常 に基因す るとい う見解 で .血行性 に運 ばれ た異常 な血 祭 タンパ ク,又 は.抗原 一抗体複 合物 が諸臓 器 に沈着 す ることによ って発生 す るとなす もので あ る3)〜5).他 の 説 は局所 の間葉細胞 か ら直接 ア ミロイ ドが産生 され る とい うものであ る. しか し.ア ミロイ ド産生細 胞 につ いて は意 見が分 れ る.最 も有 力視 されて い るの は網 内 系細胞6)1りであ るが ,その他 ,線維 芽細胞12)‑15),周細 16),プ ラズマ細胞17)18)な ど もア ミロイ ド産 生 細 胞 と

してあげ られてい る.

この よ うな論争 の原因 の一 つ は ,ア ミロイ ド沈着 の 初期像 を形態学的 に同定 す ることが困難 で あ る た め , 比較的進行 した時期 の所見 に基 いた議論 が多 い こ とに よ る もの と患 われ る.この問題 を解 明す るため に は ア ミロイ ド沈着 がお こりゃす く. しか も.問質 が比較 的 単純 な臓器 につ いて経時的 な観察 を行 う必要 が あ る .

この意 味 において著者 は腎問質 の ア ミロイ ド症 を選 ん だ .

尿細管周囲 の ア ミロイ ド沈着 に関 して は

Shi r a ha ・

ma ら16)の健 れた研究 が あ る.彼 らは ア ミロイ ド沈 着 は毛細血管周囲か ら尿細管周囲 に向 って広 ることに注 目 し,毛細血管周細胞 が ア ミロイ ドを産生 す る可能畦 を示唆 してい る.一方 ,同様 な研究 で .

Shi bol e t

12)

J a o

15)は腎間質 の線維 芽細 胞 に よ っ て ア ミ ロイ ドが産生 され る もの と推定 して い る.

本研究 はカゼイ ン注射 によ る腎 間質 にお け るア ミロ イ ドの沈着過程 を電顕的 に追求 した もので あ るが ,特 に ア ミロイ ド沈着前 及 び ア ミロイ ド沈着 の初期 にみ ら れ る変化 の観察 に重点 をおいた .

実験材料及 び実験方法

実験動物 と して雄性

C3 H

系 マ ウス (体重約

2 0 g)

を 用 いた .

0. 2 5 % Na OH

に溶解 した

5%

カ ゼ イ ン溶 液

0. 5 c c

1

週間 に

5‑6

回皮下注射 した .

3

週 後 か ら

1‑2

過 ごとに屠殺 し

,1 8

過 まで観察 した . 摘 出 した腎 は一 部光顕的観察 のためパ ラフ ィン切片 を作成 し,

HE.Va n Gi e s on,a z a n,PAS,c ongo r e d

染色及 び

t ol ui di n bl ue( pH2. 5 )

に よ る メ タ

クロマ ジー反応 を行 った .又 ,

c ongo r e d,t hi of l ・ a vi nT

染色 を行 い蛍光顕微鏡 を用 いて観察 した .

電顕試料 の作 製 には組織 を

2. 5 % g l ut a r a l de hyde ( 0. 2 M c a c odyl a t e

緩衝液で

pH7. 4 )

4o C

1

時 間 固定 し,さ らに

2%

オス ミウム

敢 ( 0. 2 M c a c odyl a t e

緩 衡液で

PH 7. 4 )

1

時 間半後 固定 し, エチル ア ル コール系列脱水 .ェボ ン

8 1 2

で包埋 した .一 部 の 材 料 は Luftの方法 を一部改変 した松 田の方 法19)に従

って ルテニ ウム レッ ド染色 を行 った .

間質 の水 腫 を確認 す るために . フェ リチ ン

( Si gma

製 )

0. 5 c c

を尾静脈 よ り注射 し .

1

時 間 後 に殺 し , 電顛試料 を作 成 した .

試料 は

L KB

ul t r ot ome

で .ガ ラ ス ナ イ フ を 用 いて超薄切片 を作成 し,酢敢 ウラニール .硝敵船 の重 染色 をお こな った .切片 は日立

HU‑ 1

1型

,HU‑ll Ds

,HU‑ 1 2

型 で直接倍率

1, 9 0 0 ‑3 5. 0 0 0

倍 で撮影 した .

Ⅰ.対照群

正常動物 の腎間質 の故細構造 につ いて は従 来 の報告 20‑25)とはぼ同様 であ るので ,簡単 な記載 に止 め る.育 間質 は尿細管 と血管 とに囲 まれた狭 い空 間 を 占め .細 胞 や線維 に乏 しい疎性結合組織 か ら成 る.尿細管 基底

An e l e ct r on mi cr os copi c s t udy of r e nalamyl oi dos i s of mi c e.Hi denor iMur &k&m i ,

De par t me nt of Pa t hol ogy (I)( Di r e ct or . :Pr of .K.Kaj i ka wa ) .Sc hoolof Me di ci ne ,

Kana z a wa Uni ver s i t y.

(2)

マ ウスの腎 ア ミロイ ド症 の電子覇微鏡的研究

面 はほぼ平滑で .連続性 の基底膜 で包 まれ る

O ‑ . l a mi ・ na l uc i da

は狭 く (幅約

2 5 0 A). l a mi na de ns a

幅 は

9 0 0 ‑2, 0 0 0 A

と変動があ る.

He nl e

係 蹄 や 遠 位 尿細管 では基底膜が処 々肥厚 し,多層化 を示す ことが あ る.尿細管周囲の毛細血管 は有窓性 の内皮細胞 で被 われ .基底膜 で包 まれ る.

l a mi na l uc i da

の幅 は

400

0 0

‑9 0 0 A

であ るが ,

l a mi na de ns a

の幅 は約

6 00 A

ほぼ一定であ る.尿細管相互又 は尿細管 と毛細血管 と が近接 した部位で は.それぞれの基底膜 が融合 してい る.

問質 にはいわゆる間質細胞

( i nt er s t i t i a lc e l l )

散在す る.最 も普遍的 な細胞 は細長 い突起 を延 ば した 細胞で ,従来 ,線維 (芽)細胞様細胞 .又 は第

1

型間 質細胞 と呼ばれている細胞 に相 当す る20)〜25).細胞小器 管 の発育 は乏 しく,時 々拡大 した粗面小胞体 と脂肪滴 がみ られ ることが特徴的であ る.その はか糸粒体 .小 胞 , ゴル ジ装置 などが同定 され る.細胞突起 には細胞 質 フィラメ ン トが多 い..細胞突起 は尿細管又 は毛細血 管 の基底膜 に沿 って延 びている.その ほか第 Ⅱ型 の間 質細胞20)21)とよばれている リポゾームの多 い円形 細 胞 が まれにみ とめ られ る.

細胞間は低電子密度 の無定形物質で満 た さ れ るが . 髄質内帯で は微粒子 とフィラメ ン トか ら成 る網状 の礎 質 がみ とめ られ る.このよ うな構造物 は

hya l ur onat e

pr ot e ogl yc a n

か ら成 ることが知 られて い る26). 問質の線維成分 は乏 しく, 少数 の コラゲ ン線維 (直

径約

3 0 0 A)

が散在性 にみ とめ られ るにす ぎ な い . 基 底膜周辺又 は間質細胞 の表 面 に少 数 の

mi cr of i br i l

がみ とめ られ る.

Ⅱ.

実験群

ア ミロイ ド沈着 の程度 はカゼイ ン注射 の期 間 にはぼ 比例 して増加 し,注射後

1 3

過で はほとん ど全例 に腎 ア ミロイ ド症 をみ とめ ることがで きた .ア ミロイ ド沈着 の強 さは動物 によって様々であ り,又同一動物 で も部 位 によ ってかな り著 しい差異 がみ られ るので ,多数 の 材料 の観察結果を整理 す ることによ って .ア ミロイ ド 沈着 の過程 を推定す ることがで きる.本論文 で はア ミ ロイ ド沈着 が まだ起 っていない時期 を ア ミロイ ド前期

(カゼイン注射後

8‑1

1過 ) と称 し,ア ミロイ ド沈着 期 と区別 して記載す る.

1

.ア ミロイ ド前期

ア ミロイ ド前期 にみ られ る主 な変 化 は , 問 質 の 水 磨 ,基底膜 の肥厚及 び細胞反応 であ る.対照群 に比 べ て間質 は著 しく拡大 し,低電子密度 の架状物質 で満 た され る (写真

1

).この物質 は血管 内の血焚 成 分 と同 線 にルテニ ウム レッ ド陽性 の微粒子状物質 の集合 か ら

1 7 3

成 り.静脈注射 された フェ リチ ンが びまん性 に沈着 す るので ,血兼 タンパ クを含んでい ることは明 らかであ る (写真

2) .

光顧的 には拡大 した間質 はエオ ジンに淡染す る等質 性物質で 占め られ .

a z a n

染色で淡青色 .

Va n Gi e ・ s on

染色で黄色 .

PAS

娘色で淡紅色 に染色 され る . メ タクロマ ジー陰性 で

c ongo r e d

に親和性 を示 さ ず ,又 ,

t hi of l a vi n T

c ongo r e d

処 理 に よ って もア ミロイ ドと同定 され る蛍光物質 は証明 されな

い.

間質 の水腫の減退 とともに尿細管基底膜 と血管基底 膜 の肥厚 が注 目され る.尿細管基底膜 の肥厚 が特 に顕 著で ,びまん性 ,又 は層板状 の肥厚 を示 し,その厚 さ は約

1. 2

〟に も遠す る

. l a mi na l uc i da

の幅 もしば し ば拡大す る.又 ,増加 した基底膜 が屈 曲 し尿細管基底 膜面 に結節状 の肥厚 としてみ られ ることが まれで ない (写真

3

).さ らに基底膜 は本来 の構造 を失 い , 層 状 ない し塊状 の基底膜様物質 ,低電子密度 の無定形物質 及 び多数 の細胞質崩壊物 を含む構造物 に変 り,その外 側 が薄 い連続性 の基底膜様物質 で包 まれ るよ うにな る

(写真

4).

尿細管上皮細胞 には遊離 リポゾームの増加 ,粗面小 胞体 の拡大 ,ライソゾーム様封入体 の増加 がみ とめ ら れ る.細胞基底部で は細胞質 の電子密度 が増加 し,塞 底面 に沿 って細胞質 内

mi cr of i l a me nt

の 集 積 が み とめ られ る.細胞基底面 には細胞膜 の不規則 な陥入や 突 出がお こり,増加 した基底膜 の中 に多数 の小胞 と小 額粒がみ とめ られ る (写真

3) .

肥厚 した基底膜 には光顕的 に

PAS

陰性物質 の増加 が 証明 され るが .

c ongo r e d

染色及 び蛍 光 顛 徽 鏡 的 に ア ミロイ ドと同定 され る物質 は証明 されない .

毛細血管 や細静脈 の基底膜 に も肥厚 や層状化 がみ ら れ るが ,その程度 は尿細管基底膜 の変化 に比 べて一般 に軽度 であ る.内皮細胞 は腫大 し粗 面 小 胞 体 と リポ ゾームの増加 がみ られ る.細胞基底膜 は凹凸 を 示 し , ここで も肥厚 した基底膜内 に小胞がみ とめ られ る.

細動脈で は内皮細胞基底膜 の肥厚 はほ とん どみ られ ないが ,中膜平滑筋細胞 の基底膜 は限局性 の肥厚 を示 す ことがあ る.

ア ミロイ ド前期 における細胞反応 は大食細胞 と線維 芽細胞様 の間質細胞 の増殖 であ る.無処産動物 にお い て小器管 の乏 しい細長 い細胞 と してみ られた間質細胞 は,ア ミロイ ド前期で は細胞質が広 くな り粗面小胞体 と リポゾームの増加 が 目立 ち線維芽細胞様 の形態 を示 す (写真 1

,3,4.) .

粗面小胞休 は しば しば 嚢 状 の拡大 を示す .核周辺 に層板 と小胞か ら成 る ゴル ジ装

(3)

正が存在す る.少数 の脂肪滴 や

de ns e body

が み とめ られ ることがあ る.この細胞 は しば しば肥厚 した 基底膜 に沿 って細長 い細胞突起 を延 ば して い る (写真

3)

.注 目すべ きことは細胞周辺 には,時 々濃 厚 な 無 定形物質 .

mi cr of i br i

l及 び コラゲ ン線 維 が み と め

られ ることであ る (写真

5) .・

ア ミロイ ド前期 に増殖 す る他 の細胞 は大食細 胞 で あ る.定型的 な大食細胞 は偽足 を もった淡 明 な広 い細胞 質 に多数 の滑面小 胞体 と様 々な大 きさの ライ ソゾーム がみ られ る ことによ って容易 に同零 され る (写 真

1.

6)

. ライ ソゾームの内 にはまれ に線維状物 質 が 含 ま れ る.粗面小胞体 は少 な く細管状 の断面 を示 す .梅 く まれ に核分裂像 に遭遇 した .これ らの細胞 は しば しば 巣状 に増殖 し,線維芽細胞様細胞 とと もに細 胞 は互 い に密着 して存在 す る. この よ うな場合 .比較 的未 分化 な細胞 で は リポ ゾームが豊富 で特徴的 な小 器管 の発育 が乏 しいため ,細胞 の同定 が困難 な ことが あ る . 又 , か な り発育 した粗面小胞体 と ライソゾー ムを有 し,大 食細胞 と線維 芽細胞様細胞 との中間型 の構造 を示 す細 胞 もあ る.血管周囲 には大 食細胞 の ほか ,プ ラズマ細 胞 ,及 び少数 の リンパ球 と好 中球 がみ とめ られ る こと が あ る.

2

.ア ミロイ ド沈着期

ア ミロイ ド沈着 は ア ミロイ ド細線維 の出現 によ って 同定 され る.ア ミロイ ド細線維 は周知 の よ うに直径約

(

8 0 A

の剛直性線維 と してみ とめ られ る.少量 の場 合 は 不規則 に配列 す るが多量 に沈 着 した場合 は互 いに平行 に走 る線維束 を形成 す る.細線維 はル テニ ウム レ ッ ド に親和性 を示 すが ,横 断面 で は騒性物質 は細線維 の表 面 にのみ存在 す ることが示 され る (写真

1 6 ) .

写真7は比較 的初期 の ア ミロイ ド沈 着 を 概 観 す る た め ,電顕写真 を トレー ス した図 であ る. この図で明 ら か なよ うに ,ア ミロイ ド沈着 は尿細管 や毛細 血管 の肥 厚 した基底膜 の外側 .特 に線維 芽細胞様細 胞 が近接 し た部位 に最 も多 くみ られ る.間質 にお け るア ミロイ ド 沈着 は一般 に少 ないが ,線維 芽細胞様細 胞 の表面 に散 在性 にみ とめ られ る.

ア ミロイ ド沈着 の初期 に .間質 に増殖 した線維 芽細 胞様細胞 の表面 に処 々少量 の ア ミロイ ド細線 維 の出現 が み られ る (写真

8)

.沈着初期 の ア ミロイ ド細 線 維

mi cr of i br i

l と類 似 して い る が .

mi cr of i br i l

は しば しば ,既述 の よ うに漉 厚 な無定形物 質及 び コラ ゲ ン線維 と共存 す ることによ って区別 され る.線維 芽 細 胞様細胞 は ア ミロイ ド前期 とはぼ同様 の形態 を示 す が脂肪滴 は減少 す る.

肥厚 した尿細管基底膜 には しば しば著明 な ア ミロイ

ド沈着 がみ られ る.基底膜 にお け るア ミロイ ド沈着 は ぴまん性 にお こるので はな く,同一尿 細管 の基底膜 に おいて も部位 によ って差異 がみ られ線維 芽細胞様細胞 が外側 に存在 す る都 で は特 に多 い (写真

9.1 0).

又 . 一 般 に ア ミロイ ド沈着 は基底膜外側部 に多 く上皮細胞 側 に向 って減す る傾 向が あ る・(写真

1 0 ) .

基底膜 にお け るア ミロイ ド沈 着 は

l a mi na de ns a

に相 当す る漉厚 な物質 の中 には比較 的少 ない .そのた め ,沈着 した ア ミロイ ド細線維 の中 に基底膜様物 質 が 層状 に残存 す る場合 が まれで はない . ア ミロイ ド沈着 の進行 とと もに .上皮細胞基底面 か らア ミロイ ド線維 束 が陥入 し (写真

1 4 )

.遂 に基底膜 は完全 に ア ミ ロ イ

ドで置換 され る.

ア ミロイ ド沈着期 には大食細胞 の増殖 は引 き続 き進 行 してい る.大食細胞 は しば しば互 に接着 して巣状 の 増殖 を示 すが .細胞間 に ア ミロイ ド細線 維 の沈着 はな く,その間 に介 在す る線維 芽細胞様細 胞 の周辺 にのみ ア ミロイ ド沈着 の初期像 がみ られ る (写 真

11)

. 又 . 大食細胞 が基底膜 に近接 す る場合 に も.細 胞 と基底膜 の間 には ア ミロイ ド細線維 の沈着 はみ とめ られ な い . ア ミロイ ド沈着 の増 加 と と も に 大 食 細 胞 の

de ns e body

r e s i dua lbody

が増加 し,時 々 ア ミロ イ

ド様 の細線維 を含 む封入体 がみ とめ られ る (写真

1 2 ) .

まれ に .細胞基質 内に も同様 の細線維 が散在性 にみ ら れ る ことが あ る.

ア ミロイ ド沈着 の進行 とと もに細胞 間 は緒走 す るア ミロイ ド細線維 によ って 占め られ 細 胞 成 分 は減 少 す る.線維 芽細胞様細胞 の一 部 は褒状 に拡大 した粗面小 胞体 で満 た され た細胞 と して残存 す るが .大部分 は萎 縮状 の細胞 の断片 と してみ とめ られ る (写真

1 3 ) .

本研究 で は細胞裏面 にお け るア ミロイ ド細線維束 の 疎 い陥入 は観察 の全期間 を通 じて一般 に少 いが .ア ミ

ロイ ド沈着 の多量 な場合 に線維 芽細胞株細 胞 ,大食細 胞 の表面及 び内皮細胞 .尿細管上皮細 胞 の基底面 にお いて時 々観察 された (写真

1 4 ,1 5 ) .

ア ミロイ ド細線維 の間 に

hya l ur ona t e

pr ot e ・ ogl yc a n

を表 わす網状 フ ィラメ ン トや コ ラ ゲ ン線 維 がみ とめ られ る (写真

1 6 ) .

コラゲ ン線維 は多 くの 場 令 ,集積 した ア ミロイ ド細線維 の 中 に 散 在 して い る が ,時 々 コラゲ ン線維束 が線維 芽細胞様細 胞 に餌 まれ て限局性 にみ られ る ことがあ る (写真

1 7 ) .

毛細血管基底膜 にお け るア ミロイ ド沈着 も尿細管 基 底膜 におけ るとはぼ同様 であ るが ,その程度 は一般 に 軽度 であ る,ここで は間質細 胞及 び局細 胞 と基底膜 と の間 に ア ミロイ ド細線維 の出現 がみ られ ,基底膜 は次 第 に ア ミロイ ド細線維 によ って置換 され る.

(4)

マ ウスの腎ア ミロイ ド症 の電子顕微鏡的研究

細静脈 においてはア ミロイ ド沈着 は中膜平滑筋細胞 の間に最 も強 くみ られ,一方では内皮細胞基底膜 に沿 って内膜の中へ ,他方では外膜細胞 と平滑筋細胞 との 間へ広が る.外膜細胞が間質 に面す る側 にはア ミロイ

ド細線維の沈着 は少 い (写真

1 8 ) .

小動脈 においては中膿平滑筋細胞 の周囲に巣状 の ア ミロイ ド沈着がみ られ る.ア ミロイ ド沈着 は内弾力板 で明瞭 に境 され内膜 におけるア ミロイ ド沈着 はほとん どみ とめ られない (写真

1 9 ).

外膜細胞 の外 側 に も ア ミロイ ド細線維の沈着がみ とめ られ るが .その程度 は 申膜 におけるものより一般 に軽度であ る.

1.ア ミロイ ド前期 における変化

ア ミロイ ド前期 にみ られ る主要 な変化 は,間質 の水 腫 と,塞底膜 .特 に尿細管基底膜の肥厚 ,及 び間質細 胞の増殖である.基底膜 は結節状 に肥厚 し,多層化 が 伴われ,上皮細胞基底面 には細胞突起 とその離断 がみ られる.このよ うな所見 は.基底膜 の肥厚が単 に血発 の浸入 による膨潤 に基 くものではな く,基底膜 の崩壊 と新生が くり返 された結果であることを示唆 している

27)28).正常動物 において も間質細胞 は尿細管 基 底 膜 の 形成や維持 にあづか っているものと考 え られ て お り

29),又 ,梶川 30)は一般 に基底膜が新生 され る場合 に線 維芽細胞様 の間葉細胞が接近 し,基底膜形成 に参加す

ることを報告 している. したが って本研究 に お い て , 尿細管基底膜 に沿 って線維芽細胞様 の間質細胞 の増殖 がみとめ られたことは基底膜の新生 がお こってい るこ とを示唆す る一つの証拠であると考 え られ る.

一方 ,ア ミロイ ド前期の間質細胞 には粗面小胞体 の 増加がみ られ.細胞表面 には濃厚 な無定形物質 ととも に,

mi c r of i br i

lと少数の コラゲ ン線維 が み とめ ら れた.同様 な所見 は,新生仔 ラッ トの 腎 間 質 細 胞29)

や .創傷肉芽組織 の線維芽細胞 において観察 されてお り27).コラサ ン線維 の新生 を表わ しているもの と解 釈 される.ア ミロイ ド細線維 の間に も正常動物 に比べて はるかに多量の コラゲ ン線維の沈着がみ とめ られ るの で,コラゲ ン線維の形成 はア ミロイ ド沈着期 に もひき 続 いてお こっているもの と考え られ る.又 .ア ミロイ ド細 線 維 の 間 に

hya l ur ona t e

pr ot e ogl yc a n

を表わす網状 フィラメ ン トが増加す ることは,水腫の 消退 とともに,礎質 もまた新生 され ることを示 してい る.

大食細胞 はア ミロイ ド前期か ら出現 し,滑面小胞体 や,ライソゾーム様小体が多 いが .細胞質内にはア ミ

ロイ ドは見 出されない.大食細胞 の増殖 はお そ ら く .

1 7 5

水腫によって傷害 された細胞間マ トリックスの処理 に 関係す るものであろう.

間質細胞 は生理的に腎の細胞間物質 の形成 や基底膜 の形成 .維持 にあづか るもの と考え られてい る29).ァ ミロイ ド前期 には間質 における水腫によ って傷害 され た細胞間マ トリックス.の修復機転 と して .間質細胞が 賦活 され基底膜 .コラゲ ン線維及 び礎質 の形成 が促進

され るもの と解釈 され る.

間質 に増殖 した細胞の中には.線維芽細胞様細胞 と 大食細胞 との中間の構造 を備 え る細 胞 が み られ た .

Rome n

24)は間質細胞 は線維芽細胞 と組織球 との

2

方向に分化 しうる能力があ るもの と想定 している. し か し.形態学的所見だけか ら,細胞の分化 の方 向を決 定す ることは困難である.

2

.基底膜 におけるア ミロイ ド沈着

基底膜 ,特 に尿細管基底膜 にア ミロイ ドが早期 にか つ多量 に沈着す ることは注 目すべ き所 見 の一 つ で あ る.同様 な所見 は他 の研究者 によって も報告 されてい 15)31)‑34).ァ ミロイ ドが基底膜 に沈著 しやすい理 由 に つ いてはい くつか可能性が考え られ る.第

1

の可能性 は上皮細胞又 は内皮細胞か らの ア ミロ イ ド産 生 で あ る. しか し,ア ミロイ ドの沈着 は肥厚 した基底膜 にぴ まん性 にお こるのではな く.一区域 を中心 に周囲 に向 って広が ること,又 ,その区域での沈着 は基底膜外縁 に強 く.上皮細胞側 に向 って減少す る傾向がみ られ る こと.さらに間質 にア ミロイ ドが沈着 して も基底膜 に は沈着 していない場合があることか ら,基底膜 の ア ミ ロイ ドは上皮細胞や内皮細胞か ら供給 され るので はな く,間質側か らの浸潤 によるもの と考 え られ る.

2

の可能性 として基底膜 に吸著 された血兼 由来の ア ミロイ ド前駆物質か ら細線維が形成 され ることが考 え られ る.全身性 ア ミロイ ド症が血行性 に運ばれた ア ミロイ ド前駆物質 又 は

s ubc e l l ul a r f a c t or

に よ っ て誘発 されるとい う見解 は,様 々な実験的根拠 に基づ いて多 くの研究者 によって主張 されているところであ る1)5)35ト37).現在 ,この可能性 を完全 に否定す る根拠 は 乏 しいが .静脈注射 された フェ リチ ンが尿細管基底膜 に特 に多 く沈着す るとい う所見がな い こ とか ら. ち

し,血祭中にア ミロイ ド前駆物質が含 まれてい ると し て も.それが基底膜 に選択的 に吸着 され るために基底 膜 にア ミロイ ド沈着がお こるとは考 え難 い.

3

の可能性 は線維芽細胞様 の間質細胞か らの ア ミ ロイ ドの供給である.線維芽細胞株細胞 の ア ミロイ ド の産生能 については後 に再 び述べ るが ,この見解 は基 底膜 に沿 って増殖す る間質細胞 と基底膜 との間にア ミ

ロイ ドが早期 に沈着 し,基底膜外縁か ら内側 に向 って

(5)

広 が る事実 をよ く説明す ることがで きる.

3.

間糞細胞 とア ミロイ ド産生

ア ミロイ ド前期及 び沈着期 の初 めにわ た って ,最 も 目立 っ細 胞反応 は線維 芽細胞様 の間質細 胞 と大食細 胞 であ るか ら.これ らの細胞 とア ミロイ ド産生 との関係 が問題 にな る.

1)大食細胞 とア ミロイ ド

現在 .一般 に網内系細胞 が ア ミロイ ド産生 と密接 な 関係 があ ることが多 くの研究者 によ って主 張 されて い る6)〜11).その根拠 の一 つ は ア ミロイ ド伸 の網 内系 細 胞

3 H

‑ロイ シン川)又 は

3 H

‑トリプ トフ ァン11)の取 りこみ が み られ るとい うラ ジオオー トグラ フ ィー の 所 見 で ある・他 は形態学的証拠 で ,網 内系細 胞 の裏面 に しば し ば ア ミロイ ド細線維 が深 く陥入 して い ることl)9).及 び 細胞質 に増加 した ライソゾーム,又 は細 胞基質 内 に ア ミロイ ド細線維 がみ とめ られ る ことで あ る7)9).前者 の 所見 は ア ミロイ ド細線維 が細胞 か ら分泌 され る像 と解 釈 され .後者 は ア ミロイ ドの細胞 内形成 を表 わ して い る もの と推定 されて い る7)9). しか し.松 田19)は こ れ らの所見 はア ミロイ ドの分泌 や合成 で はな く,逆 に ア ミロイ ドの貧食 を表 わ して い る もの と解 釈 した . 最 近 ,

Gl e nne r

及 びその協 同研究者 は ア ミロイ ド細 線 維 のあ る ものは,免疫 グロブ リンL鎖 か ら誘導 さ れ る ことを証明 し4).この成鰍 こ基 いて血安 中 に 含 ま̲れ る 免疫 グロブ リンが局所 の大食細胞 に取 り込 まれ . ライ ソゾーム酵素 によ って分解 され ,ア ミロイ ドタ ンパ ク が形成 され るとい う仮説 を提 唱 した . この仮説 に関係 して ,細川38).内野9)は網 内系細胞 で生理 的 に 合 成 さ れ るア ミロイ ドタンパ クが ライ ソゾーム酵素 で処理 し きれな くな った結果 ,細胞 内で凝集 して細線維 を形成 す る もの と推定 してい る.又 .

Shi r a ha ma

39)は 大食細胞か ら分泌 され た ライ ソゾーム酵素 によ って細 胞外 の ア ミロイ ド前駆物質 が分解 され .その結 果 ア ミ

ロイ ド細線維 が形成 され る可能性 を示 唆 して い る.

著者 の観察 で は大食細胞 は ア ミロイ ド前 期 か ら増殖 をつづ け るが ,大食細胞 は一般 に ア ミロイ ド沈着 の多 い尿細管 や血管周囲か ら触 れた部位 に巣状 に 増 殖 し , 細胞 間 には ア ミロイ ド細線維 の出 現 は み と め られ な か った 。

本研究 で は細胞表面 にお け るア ミロイ ド細線維 束 の 陥入 は全般 に少 なか った . これ は観察時期 が ア ミロイ ド沈着 の比較的初期 に限 られたためか も しれ ない .高 度 にお こった部位 で は,大食細 胞 ばか りで な く.線維 芽細胞様細胞 .内皮細胞又 は尿細管上皮細 胞 の表面 に も時 々 ア ミロイ ド細線維束 の陥入 が み られ た . これ ら の事実 は細胞表面 におけ るア ミロイ ド細線維 の陥 入 は

ア ミロイ ドの分泌 で はな く.細胞外 に沈着 した細線維 によ る二次的変化 であ ることを示唆 して い る.

ア ミロイ ド沈着 に伴 って大食細胞 の ライ ソゾー ムが 増加 し,空胞 . ライ ソゾーム,又 は細 胞基質 の中 に ア ミロイ ド様 の細線維 が見 出 され る.この像 に対 して は 様 々な解釈 が可能 であ ろ う. しか し.これ らの所 見 は 細胞外 に ア ミロイ ド沈着 がかな り進行 した場合 に多 く 見 出 され ,又 ,空胞 や ライ ソゾームに含 まれ る細線 維 が細胞外 に放 出 され る像 を捉え る こ と が で き な い の で ,細胞 内線維 が細胞外線維 の前段 階 を表 わ して い る 可能性 は少 ないよ うに患 われ る.一方 ,ア ミロイ ドが 大食細胞 によ って貧食 され ることは

i n vi t r o

の 実 験成績 か ら明 らかで あ り10)〜42)

. i n vi vo

にお いて も 沈着 した ア ミロイ ドは網 内系細胞 によ って異物 と して 処理 され ることが報告 されてい る38)43). これ らの デ ー タを総合 す ると,大 食細胞 内の細線維 は ア ミロイ ド産 生 で はな く,む しろ ア ミロイ ドの貧食 を表 わ して い る

もの と解釈 され る.

2 )

線維 芽細胞様 間質細胞

既述 の よ うに腎間質細胞 はア ミロイ ド前期か ら増 殖 を開始 し,粗面小 胞体 に富 む線維 芽細胞様細胞 に変形 す る.

Shi bol e t

12)及 び

J a o

15)は 腎 ア ミロ イ ド症 の研究 にお いて .ア ミロイ ドは線維 芽細胞 によ っ て産生 され ると述べ てい るが .その細胞 は本研 究 にお け る線維 芽細胞様 の間質細胞 と同一細胞 で あ ると患 わ れ る.著者 も,次 の理 由 によ って ,この線維 芽細 胞様 の 間質細胞 が ア ミロイ ド産生能 を もって い る もの と考 え る.第 1は,ア ミロイ ド沈着 の ほとん どみ られ ない間 質 において ,線維 芽細胞様細胞 の周辺 にのみ ,ア ミロ イ ドと思 われ る細線維 の集穂 がみ られ る ことで あ る . この細線維 と

mi c r of i br i

lとの鑑別 は必 ず しも容 易 で はないが ,

mi c r of i br i

lが ほとん ど常 に様 々 な 量 の濃厚 な無定形物質 とコラゲ ン線維 を伴 ってい るの に 対 して (写真

5)

,この細線維 はよ り剛直性 で , 無 定 形物質 や コラゲ ン線維 を伴 わない点 で区別 され る (写

8)

, したが って ,線維 芽細胞様細 胞 の周 囲 に み ら れ る細線維 の限局性 の集在 は ア ミロイ ド沈着 の初期像 を表 わ して い る もの と判断 され る.細胞 内 にア ミロイ ド細線維 が見 出 され ないので ,おそ らく, コラゲ ンと 同様 に .細胞 内で合成 された可溶性 ア ミロイ ド前駆物 質 が細胞外 に分泌 され .そ こで細線維 の形成 が お こる もの と推定 され る

. i n vi t r o

の実験 で も可溶 性 ア ミ ロイ ドが細線維 に凝集 す ることが報告 されてい る38)41) 2は,線維芽細胞 は尿細管基 底 膜 に 沿 って 増 殖 し.細胞 と基底膜 との間 に ア ミロイ ドが早期 に沈着 す ることであ る. この所見 は線維 芽細胞様細胞 によ って

(6)

マ ウスの腎 ア ミロイ ド症 の電子 顕微鏡 的研究

ア ミロイ ドが産生 され ることを強 く示 唆 して い る.塞 底膜 はおそ らく,細胞 か ら分泌 された ア ミロイ ド前鉱 物 質 を固着 させ るの に役立 ってい るので あ ろ う.ア ミ

ロイ ド細線維 は血焚 タンパ クやその他 の 巨大分子 を吸 着 す る能力 があ るので15).一 旦 ア ミロイ ドが基底 膜 に 沈着 す ると細胞か ら分泌 され た ア ミロイ ド前鉱物 質 は ます ますそ こに吸着 されやす くな り,既 述 の よ うな基 底膜 の ア ミロイ ドの著明 な沈着 が発現 す る もの と推定 され る.

4

.血管壁 にお けるア ミロイ ド沈着

He l l e r

16)はア ミロイ ド沈着 を レチ ク リ ン周 囲 型 と コラゲ ン周囲型 とに分 け ,血管壁 にお いて は前者 の 型 で は内膜 か ら,後者 の型 で は外膜か ら沈着 が始 ま る と述 べてい る.著者 の観察 で は細静脈 で は中膜 に最 も 強 い ア ミロイ ドの沈着 がみ られ ,内膜及 び外膜 に向 っ て広が るの に対 し,細動脈で は中膜 か ら外膜 へ の沈着 が著明で ,内膜 の沈着 はほとん ど み と め られ な か っ た .外膜 に は線維芽細胞様 の細胞 が存 在 す るので ,こ の細胞 によ るア ミロイ ド産生 が可能 で あ ろ う . しか

1

1 7 7

し.小血管 にお ける顕著 な ア ミロイ ド沈着 は一 般 に中 膜平滑筋細胞 の周囲 に限局性 にみ と め られ る こ と か ら,平滑筋細胞 か らア ミロイ ドが産生 され る可能性 が 示 唆 され る.中膜平滑筋細 胞 は線維 芽細胞様細 胞 や周 細胞 と機能的 に近縁 な細胞 であ る ことが推定 され るの で47),ア ミロイ ドタンパ クの合成能 を潜 在 的 に保 有 し て い ることはあ りうることと患 われ る.

5.

腎間質 の ア ミロイ ド沈着 の機序

以上 の所見 と考察 を まとめ ると,腎間質 にお け る ア ミロイ ド症 は次 のよ うな過程 で発生 す る もの と考 え ら れ る (1図).す なわ ち, カゼイ ン注 射 に よ っ て , まず間質 の水 腫がお こり.細胞 間 マ トリックスが傷害 され る. この修復機転 と して ,間質細胞 が増殖 し.塞 底膜 , コラゲ ン線維及 び礎質 の新生 が誘発 され る. こ の変化 が持続 す ると線維 芽細胞様 に変形 した間質細 胞 は ,ア ミロイ ドを産生 す るよ うに な る も の と患 わ れ る.大食細胞 は初期 には水 腫 によ って傷害 され た細 胞 間物質 の処理 にあづか り,ア ミロイ ドが沈着 し始 め 早 と,その貧食 を行 うもの と思 われ る. この よ うに考 え

リック ス の傷 害

(7)

ると,ア ミロイ ドの発生過程 の間 に伴 われ る基底膜 の 肥厚 ,基底膜 への ア ミロイ ド沈着 , コラゲ ン線維 の増 加 な どの変化 を一元的 に説 明す ることがで きる.

しか し.初期 に細胞 間 マ トリックスの産生 を行 って いた線維芽細胞様 の間質細胞 が .後 にな ると何故 ア ミ ロイ ドタンパ クを形成す るよ うに な る か は 不 明 で あ る.血祭 由来 の何 らかの因子 が細 胞 の代謝 に直接影響 を与 え るのか もしれない .又 ,細胞 か ら分泌 され た ア

ミロイ ド前駁物質 を細線維 に転換 させ るに必 要 な因子 が水腫液 に含 まれてい るの か も しれ な い . さ ら に .

Kl e i n

らd)と

Ga t he r oc ol e

49)の成練 か ら示 唆 さ れ る

よ うに,可溶性 ア ミロイ ドが生理 的 に も産生 されて い る もの とすれば ,その分解静索 の活性 が抑制 され る結 果か もしれない . これ らの諸 問題 は今後 に残 された課 題 で あ る.

ア ミロイ ド沈着 の病理 発生 を解 明す る目的 で , カゼ イ ン注射 によるマ ウス腎間質 にお け るア ミロイ ド症 の 発生過程 を電顕的 に観察 した . ア ミロイ ド沈着 に先立 って ,腎間質 には水 腫がお こり.線維 芽細 胞様細 胞 と 大食細胞 の増殖 がみ とめ られた .水 腫の減 退 とと もに 尿細管及 び毛細 血管 の基底膜 の肥厚 , コラゲ ン線維 の 新生 がみ とめ られた . これ らの現 象 は水 腫 によ って傷 害 された細胞間 マ トリックスの修復 を意 味 す る もの と 考 え られ る.

ア ミロイ ド沈着 の初期 には ア ミロイ ド細線維 は間質 に増殖 した線維 芽細胞様細胞 の表面 ,肥厚 した尿細管 基底膜 ,毛細 血管周囲 ,及 び小 血管壁 .と くに中膜 に み とめ られた .ア ミロイ ド細線維 の出現 の時期 とその 位 置関係 か ら.線維芽細胞株細 胞 か らア ミロイ ドが産 生 され る可能性 が大 き く.細胞 か ら分泌 された ア ミロ イ ド前駆物質 が尿細管 や毛細血管 の肥厚 した基底膜 に 沈着 す る もの と解釈 され る.大 食細胞 の空 胞及 び ライ ソゾーム内 に もア ミロイ ド細線維 がみ とめ られ た が , 大 食細胞 は ア ミロイ ド細線維 の貧食 にあづ か る もの と 考え られ る.

謝辞 : 御指導を暢わ りました梶川欽一郎教授 に心 か ら 感謝の意を表 します.また,研究遂行 に醸 し御肋言 .初 協力を頂 きました教室旦各位 と電子顕牡親書技術且の方 に厚 く御礼申 し上げます . (本研究の‑軌 ま文部省科学 研究費 .課題番号

7 3 7 0

11の補助を受 けた).

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(8)

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写真

1.

ア ミロイ ド前期 .間質 の水腫

(E)

, 線 維 芽 細胞様細胞 (F)と大食細胞 (M)の増殖 がみ られ る.

Ep

:尿細管上皮 .

B

:基底膜 .

×9, 7 0 0.

写真

2

.ァ ミロイ ド前期 .フェ リチ ン静注後

1

時 間 . 水腫状 の間質 (E)と基底膜 (B) にぴま ん 性 に フ ェ

リチ ンがみ られ る.

Ep

:尿細管上皮 .

x5 0. 0 0 0.

写真

3.

ァ ミロイ ド前期 .結節状 ない し層状 に肥厚 し た基底膜

(B).増殖 した線維芽細胞様細胞 (F)

は基 底膜 に接近す る.

Ep

:尿細管上皮 .

×1 0. 8 0 0.

写真

4.

ア ミロイ ド前期 .尿細管上皮

( Ep)

の 基 底 部 は層状 の基底膜様物質 (B) と小胞 ,小煩粒状の細胞 質崩壊物

( Cd)

を含む構造物 で包 まれ る.F:線 維 芽細胞様細胞 .

×

1

1, 4 0 0.

写真

5.

ア ミロイ ド前期 .線維芽細胞様 細 胞

( F)

近 くにみ られ る

mi c r o f i br i l( m)

を含 む 濃 厚 な 無 定形物質

( A)の集積 .その周囲 に細 い コラゲ ン線 維

( Co)

が散在す る.

×1 8, 5 0 0.

写真

6.

ア ミロイ ド前期 .大食細胞 (M ) の 巣 状 増 殖 .

B

:塞底膜

,Ep

:尿細管上皮

,C

:毛 細 血 管 .

×8. 1 0 0.

写真

7

.ア ミロイ ド沈着初期 の電子顕微鏡写真 トレー ス図 .ァ ミロイ ド (黒色 ) は尿細管

( Ep)

や 毛 細 血

( C)の基底膜 (

点) に沈着 .と くに外側 の 線 維 芽 細胞様細胞 (F)に接 して沈着が著明であ る.

Co

:コ

ラゲ ン線維 .

写真

8.

間質 に増殖 した線維芽細胞様細胞

( F)

の 表 面 にお けるア ミロイ ド細線維

( Af

)の出現 .

Ep

:尿 細管上皮

,B

:塞底膜 .

C

:毛細血管 .

×5 0. 0 0 0.

写真

9

.尿細管上皮

( EP)

の基底面 と そ れ に接 近 す る線維芽細胞様細胞

( F)の間に沈着 した ア ミ ロ イ ド

細線維

( Af ) .

その中 に基底膜様物質

( B)

が 残 存 .

×1 6, 8 0 0.

写真

1 0.

ア ミロイ ド細線維

( Af

) は線 維 芽 細 胞 様 細 胞 (F)か ら尿細管上皮

( EP)

の 多 層 化 した 基 底 膜 (B)の外側 にか けて多 くみ られ .内側 に向 って 減 少 す る.

×1 9, 5 0 0.

写真11.巣状増殖 を示す大食細胞 (M). ァ ミロ イ ド 細線維

( Af

) は線維芽細胞様細胞

( F)

の突起 に囲 ま れてみ られ る.

×9, 4 0 0

(9)

写真12.ア ミロイ ド沈着期 における大 食 細 胞 (M).

細胞外 には多量 の ア ミロイ ド細線維 (Af)がみ られ . 大食細胞の胞体 内にア ミロイ ド様 の細線維 を含 む封 入 体 ()がみ とめ られ る.

×1 2. 5 0 0.

写真

1 3.

進行 したア ミロイ ド沈着期 .線維 芽細胞様細

( F)

と多数 の萎縮状 の細胞断片 がみ られ る.

Ep :

尿細管上皮

,B

:塞底膜

,C

:毛細 血管 .

Af

:アミ ロイ ド細線維 .

×5. 7 0 0.

写真

1 4.

尿細管上皮 (

Ep)基底執 こ沈 着 した ア ミロ

イ ド細線維 (Af).ルテニ ウム レッ ド染色 ,ア ミロ イ ド細線維 は上皮細胞基底面か ら深 く陥入す る.塞底膜 は消失

. ×2 0, 8 0 0.

写真

1 5.

線維芽細胞様細胞

( F)

にみ られ るア ミロ イ ド細線維 の陥入 (矢 印).

×1 5. 0 0 0.

写真

1 6.

間質 に沈着 した ア ミロイ ド.ルテニ ウム レッ

ド染色 .ァ ミロイ ド細線維

( A

f) はル テ ニ ウム レ ッ ドに親和性 を示すが .細線維 の境断面で は陽性物質 は 線維 の表面 に存在す ることが示 され る.(挿入 図 . 矢

×1 0 0. 0 0 0 ) .

ァ ミロイ ド細線維 間 に網状 の フィラ

メ ン ト (f)がみ とめ られ る

. ×3 6, 0 0 0.

写真

1 7.

線維芽細胞様細胞

( F)

周辺 に増加 した コ ラ ゲ ン線維

( Co )

とア ミロイ ド細線維 (Af).

×2 4, 0 0 0.

写真

1 8.

細静脈 におけるア ミロイ ド沈 着 . 内 皮 細 胞 (En)の肥厚 した基底膜 (B)の内 ,及 び平滑筋細胞

( S)の周細 にア ミロイ ド細線維 ( A

f)の沈着がみ ら れ る.

Ad:

外膜細胞 .

×1 5. 6 0 0.

写真

1 9.

細動脈 にお けるア ミロイ ド沈着 .申膜平滑筋 細胞

( S)

の聞及 び平滑筋細胞 と外膜細胞

( Ad)

と の 間にア ミロイ ド細線維 (Af)が沈着 . En :内 皮 細

,El

:内弾 力板 .

rx9, 7 0 0.

Abstract

Thepa t hoge ne s i sofa myl oi dos i swa ss t udi e de l e c t r onmi cr os c opi c a l l yi nt he r e na l i nt er s t i t i um of c a s e i n‑ i nj e c t e d mi c e .The not i c e a bl e nndi ngs pr i or t o a myl oi d de pos i t i onwe r e i nt er s t i t i ale de ma ,a c c ompa ni e d by t hi c ke ni ng oft he t ubul a r a nd va s c ul ar ba s a ll a mi na ,a nd by pr ol i f er a t i on of i nt er s t i t i alc e l l s a nd ma cr opha ge s . Wi t h r e duc e d e de ma,c ol l a ge n f or ma t i on wa s obs er ve d ar ound t he i nt e r s t i t i a lc e l l s wi hc h t r a ns f or me d t o f ibr obl a s t ‑ l i ke c el l s .

The i ni t i alde pos i tofa myl oi d 負br i l s wa s f ound al s o i n c l os e c ont a c twi t h t he f ibr obl a s t ‑ l i ke c el l s .The t ubul ar ba s all a mi na wa s i nt e ns i ve l y i n凸I t r a t e d by a myl oi d 丘br i l s ,pa r t i c ul ar l y f r om t he por t i on f a c i ng t he abr obl a s t ‑ l i kec e l l s l yi ng c l os et ot heba s a ll a mi na .Onl ywhe na myl oi dde pos i t i onwa sa dva nc e d,ma cr opha ge s c ont a i ne d s ma l la mount s ofa myl oi d nbr i l s i n t he i nt r a c yt opl a s mi c va c ul ol e s or l ys os oma lbodi e s .The s eobs er va t i onss uppor tt hevi e w t ha ti ni t i a le de ma s t i mul a t e s t he i nt er s t i t i alc e l l s t o pr oduc e e xt r a c e l l ul ar ma t r i c e s a nd s ubs e que nt l y a myl i oi d f

ibr i l s .

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マウスの腎ア ミロイ ド症 の電子顕微鏡 的研究

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