• 検索結果がありません。

トロポノイドおよびアズレノイド類の電子状態と反応性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "トロポノイドおよびアズレノイド類の電子状態と反応性"

Copied!
58
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Kyushu University Institutional Repository

トロポノイドおよびアズレノイド類の電子状態と反 応性

栗原, 照夫

https://doi.org/10.11501/3060417

出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

栗 原 照 夫

(4)

トロポノイド及びアズレノイド類の電子状態、と反応性

栗 原 照 夫

(5)

第一章.

第二章.

第一節 第二節 第三節 第三章.

第一節 第二節 第三節 第四章.

第一節 第二節

第三節 第四節 第五章.

第一節 第二節

第三節

緒論

トロポノイド類の電子状態と反応性

トロポノイド類の安定性と共鳴エネルギー トロポン,トロポロン類の分子軌道計算 単環性トロポノイド類の電子状態、と反応性

ーー

転位を伴わない求核置換反応 ベンゼン系化合物への転位反応 アズレノイド類の電子状態と反応性

アズレン類,アルキルアズレン類およびアザアズレン類の 安定性と電子状態

シクロヘプタ[b]フラン・2・オン類の安定性 アルキルアズレン類の酸化反応機構

グアイアズレンとN-プロムコハク酸イミドとの反応

グアイアズレンとN-プロムコハク酸イミドとの異常反応 および種々の官能基を有するアズレン類の合成

グアイアズレンとN-プロムコハク酸イミドとの反応機構

ペ『

ベJ 司I 1i 1A 今ん

司3 AUT 必凡守 司3 43 必A『

53

』斗 ハU 司3577

87

89 96

実験の部 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一…一一- 105 第六章. ベンゾ[b]シクロヘプタ[e][1,4]オキサジン類および関連化合物

の電子状態と反応性

(6)

第一節 第二節

実験の部 第三節

第四節

第五節

第七章 参考文献 謝辞

序 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 131 ベンゾ[b]シクロヘプタ[e][1,4]チアジン類およびそれらの

ジアジン類似体のπ電子構造 一一一一一一一一一一一一一一 134

147 ベンゾ[b]シクロヘプタ[e][l,4]オキサジン類およびNー,

S一類似体の電子状態と反応性 一一一一一一一一一一一一一 153 ベンゾチアジンまたはベンゾオキサジン環が七員環に縮環

した多環状化合物の生成機構 一一一一一一一一一一一一一一 166 ベンゾ[b]シクロヘプタ[e][1,4]オキサジンー6 �10-オン類

のケトーエノール互変異性 一一一一一一一一一一一一一一一 170 結語 一一一一一一一一一一一一一一一一…一一一一一一一一 178

\

180 190

(7)

α, ß,およびγーツヤプリシン, コルヒチンのような天然系トロポロン類の構造解明 がなされて以来,多くのトロポロン及び母体であるトロポン類の合成が行われた。 1)

反応性,芳香族性,共I!�エネルギー,平面性,電子スペクトル,反磁性磁化率,双極子モー メント,X線結晶構造解析,電子線回折解析,赤外スペクトル等の広範囲の研究の結果,

れら共役構造をも誘導体は特異性質を持つ非ベン系芳香族と位置付けられ

現代化学の中で重要新分野と 2)

ツヤプリシン (26a・c),2. 1 8) コルヒチン(41),23)プルプロガリン(45) 2 5・26)等 の種のロポロン核を有する天然物が見いだされて また,ネコンようなア ルキルトロポンも天然物として見い出されている。 れら然由来のロポロンア ルキル置換基に加え一つあるいはそれ以上のヘテロ原子を持つものが多い。

H /l

O

『M1Edr \

oA

= 戸M,,e、、

O

26a OMe

::]

; :

:。: :

45 47 56

また,キノキザロトロポン(47) 2 7)あるいは五環性ジトロポン(5 6) 3 0)の様な縮環ト ロポノイド類が合成されている。

一方,芳香族性理論の発展につれて新しい理論が提出されている。 Dew紅4 )らは一連の 共役炭化水素の原子化熱の計算を行なった結果,環状共役系の原子化熱とそのKekule構 造で示される局在構造の原子化熱の差として共鳴エネルギーを定義し,芳香族性理論を

(8)

提出している。 一方,相原3)はこのDewar型4)の共l!l�エネルギーをグラフ理論を用い

2

て解析的に表現し,新しい芳香族性理論を堤案している。 また最近,Gimarc5)は等電子 炭化水素の電荷密度の大きい位置をより電気陰性度の大きいヘテロ原子で置き換えて出 来る化合物は安定であるとするTopological Charge Stabilization則(TCS rule)を提出し,多 くの化合物の安定性に 適用した。

トロポン,トロポロン骨格を有する天然系化合物が自然界に存在したり,合成されてい るが このような多岐に亘る特異な七只環基本椛迭を持つ化合物の示す化学的性質や物 理化学的性質を理解し,更に将来合成されるであろう未知l化合物の物性を予則すること は非常に困難である。 しかしながら,その解答の一部で も得られればトロポノイド化今了 のみならず構造化学の進歩に 大きな貢献をすることに なる。 そこで相原3)の芳香族性

理論,Gimm5) のTCS則を適用してトロポノイド類の安定性と共鳴エネルギーについ て第二章第一節で議論した。

トロポン誘導-体の室温で のX線紡品f;�:i主解析,31)-60℃におけるトロポンのX線結

!?11;titi解析,32)気祈!のトロポンの電子紋回折3 3)の結果,トロポン環は平面で ,明確な 結合交替がみられる。 またトロポンの双極子モーメントの測定値は4.30D34)である。

これら基本的な物理化学測定データを解釈するならば,双極子モーメントの解析からは 双極性分極構造の寄与を実証するものであるが 35),lH NMRスペクトル14) の結果は,

ト電子系の非局在化はベンゼンにおける程完全ではなく,トロポンは本質的には摂動を 受けたポリエノンとして表されることを示している。

託子化学の面では,Brown 2)は初めてトロポン(1 a)のHuckel分子軌道法伺MO)計算

。@

1 a 1 a'

を行い,トロポンの7E子構造が電荷分離したトロピリウムオキシド構造(1 a・)として表

(9)

されるを示した。

1950年代当時,芳香族炭化水素に対してHMO法による多くの計算がなされているが,

ヘテロ原子を含む系,奇数員環系及び不均一に電荷分布がある系に対しては取扱いが困 難であった。 Dewar 2)はこ れらの欠点に対して改良を加え,トロポロン(4a)の共鳴エネ

ルギー,電子スペクトルの予想吸収位置等を言!併した。 栗田, 久保2)らも4aの HMO 計算の結果より,π 電子分布,白 山原子化エネルギー,求電子及びラジカル程の攻撃位置,

共鳴エネルギ一等を議論している。

トロポロン4a は分子内水素結合によって互変異性体(4a, 4a・)の速い平衡にあると 考えられている。 42)

。。こど;0

4a 4a'

13CNMRでは低温でさえ,溶液q-lで4種類のシグナル を示すのみで,この平衡は非常に 速く ,相互変換のパリヤーは低いと考えられる。 42 a) 且つこの互変異性にはトンネル 効果が寄与していることが気相におけるJet分光法によって示されている。 42 b) X線 結品構造解析43)によるとトロポロン分子は完全に平面で,若干の結合交替がみられる。

トロポロン4aの双極子モーメント は3.71D41)でありトロポンよりも小さい。

このように,物理化学的測定結果および分子軌道計算の結果からトロポン,トロポロン

分子は平面構造を持ちながら,明確な結合交替が認められ,ポリエノンとして表されるこ と を示唆しているが,求核試薬に対する反応性からは芳香族性化合物と考えられる。 こ の一見矛盾した性質を明らかにするこ と は重要である。 また,トロポロン,トロポン類の

双極子モーメントの実測値は分子軌道法による計算値との差が大きい。 この計算値は採 f目する幾何構造に大きく依存する為,さらに精密なMNDO,AMl, ab initio法などで系

(10)

統的に研究する必要がある。 その一環として ,第二章第二節ではいくつかの単環性トロ ポノイド類の分子軌道計算の再検討を試みた。

4

また,2-クロロトロポン(4 e)や2-メトキシトロポン(4 g)のネ柔なj舌'性トロポノイドと 求核試薬との反応、では, 求核種, '(容ÝJよその他の条件により種々の置換反応、やベンゼン系 化合物への転位反応 を示すことが矢IJられている。 2, 4 4 ) 例えば,エタノール中トロポン

\ミ 0・

H

O L

H

O

Y

O

LY

O

(1 a)とヒドラジン水和物との反応で 2位が攻撃された2-アミノトロポン(4 b)が生成し,

酸性下では1位が攻撃されたこ量体のアジンを与える。 またクロロホルム中,トロポチ オン(1 c)と無水ヒドラジンの反応では同じく1位を攻撃したトロポンヒドラゾンが生 成する。 また,2-メトキシトロポン(4 g)とナトリウムメトキシドとの反応では1位と2 位,2-ハロトロポン(4d-f)では2位と7位を求核試薬が攻撃する経路が主である。 これ らの反応は試薬との問の水素結合や錯体形成,脱離の容易さ,並びに立体効果などで支配 されるし2, 7位の競合となることが多い。 2, 4 4 ) また,フッ素原子以外のハロゲンを 置換した活性トロポノイド類はアルカリ試薬がC-l位やC-3位などを攻撃することによ りベンゼン系化合物へ転位することが知られている。 2) 例えば,2-クロロトロポン

(4 e)とアルカリとの反応は安息香酸を与える。 このトロポノイドよりベンゼノイドへ の転位には次の機椛が提出されている。 2,44,50) スキーム1 とスキーム2はXとY

が異なった塩基性の時脱離基としては弱い方が主に抑し出されることを説明すること が困難である。 スキーム3はノルカラジエン中間体(7

3)の平衡を含み,開環しシクロヘ

(11)

キサジエニールアニオン(75,76)のどちらかあるいは両方になりXまたはYを脱離 してベンゼン系化合物を生じる機構である。 ベンゼン系化合物へ転位するKeyStepは初

Scheme 1 ザ。 0"か

+

x Y ウ x

+ B-二ζ土

69 70 7 1

円/』V〈

n nV1,r

MOA -一

S

v' \i( γ。 一一 vo ouか

+

x

+

8-

『司町ーーーーーーーーーーー­

69 70 73 71

Scheme 3 ノ 。ユω OHひ

+

x-

Y ぢ

一ムυ 一一 ザ。

。X

+

y-

74 7 1

+ B -咽Fーーー帽--­

69 70 73 Jco

75 72

期のヒドロキシドイオン付加休(70)の逆旋的電子環化の段階である。 また, ノルカラ ジエン中間体σ3)から直接脱離基を脱離して71,72を与えるか,もしくはアニオン性 のσー錯体(74 ,75)形成を経てベンゼン系化合物へ転位するかである。 第三章ではこ のような求核置換反応ならびにトロポノイドよりベンゼノイドへの転位反応機構を明ら かにする目的でMN以〉法,37),STO-3G法36)を用い単環性トロポノイド類の電子状態、

と反応性を検討した。

アズレン82はナフタレンの異性体に相当する炭化水素であるのにも拘わらず青紫色

(12)

6

を呈することが知られている。 55) このアズレン骨格に窒素原子を一つあるいは二つ 導入することによりアズレンより安定なアザアズレン類 の生成64 ) が期待され,理論的

にも合成的にも興味をもたれて来た。 アザアズレン類の理論計算は昆8 7)の先駆的な計

f、パー r�、 f�ぺN r N'1'、

\____ノ、/

L /

込�/ぬN

.c--“J

、ミ/'可

�ミミ�/

、ミ/が》

民同/

82 91 92 93

N炉、《 uJ、、〆、 ハr�N�

,'" �'\. f\.i' �I、 ぐ I

N

1_ ノ

、� #-f パ~ノ、/ 、�N 、九N

94 95 96 97

算があるがそれ以降,系統的な計算の報告例はなく,今回,著者はアザアズレン類の電子 状態をMNDO法で系統的に計算することには大きな意義があると考えた。

同時に,アズレン,アルキルアズレン,アザアズレン類およびシクロヘプタ[b]フラン -2-オ

ン類の安定性の起因および共鳴エネルギーを相原の芳香族性理論3),Gm紅CのTCS則 5 )を用いて検討した。 これらの結果は第四章第二節,第三節で議論した。

グアイアズレン(90)は空気中に放置すると緑色,紫色,赤色,糧色などの色とりどりの 酸化生成物を与えることは古くから化学者の注目をヲ|いていたが,その生成物の構造は 殆ど解明されていなかった。 ここ数年,野副とその共同研究者56)らはグアイアズレン 90の他に母体アズレン82およびアルキルアズレン類その他各種アズレン類の自動酸 化 を各種条件下で研究し,非常に多数の興味ある化合物を単離し,その生成経路について も考察を行った。 90の自動酸化生成物を構造から分類すると,側鎖酸化生成物,核の酸 化によるアズレンキノン 核の転移によるナフトキノン,インデノン類,環の開裂による

単環性ベンゼノイド,カップリング生成物 , 3-フォルミルグアイアズレン,3,3'-メチレ ンピスグアイアズレン 置換基を有するグアイアズレンを含む二量体および三量体等で ある。

(13)

1 O. 1 9 1 仁HO r--、づヘ ァ、戸、 /戸、づ\

、�� 、� 、。人グ

ーーく CHO ーイ ‘ 一""' \

Gu)

一方,アズレンキノンに関する研究は,Hafner,57)野副5 8)らの初期の研究に続いて,

日本では,守田5 9)らの1,2-キノン,2,6-キノンの二量体,1,7-および1,テキノンのメト

。会

o

Q3 0今

o

=()j 0今

118 119 R

(14)

8

キシカルボニル誘導体の合成が報告されている。 これに対して,S∞tt6 0) らは,あらゆる 可能性のあるアズレンキノン類の理論計算を行い物性や化学性を予言したばかりでなく,

半導体やガンその他の化学治療薬としても有望であろうと述べ,そしてし7- と1,5-キノ ンを安定な結晶として合成し,不安定な1 , 4-, 1, 6-キノンはDiels - Alder型の付加物とし てm離した。 第lι17戸第四節ではアルキルアズレン類の般化反応機構,特に酸化的二量化

反応,核の酸化によるアズレンキノンの生成彼椛について検討-した。

一方,Scheller65)と共同研究者は深海性八方サンゴの青いポリープから,野副らのアズ レン類の自動酸化生成物と同一化合物の他, 3-クロロー(143 b), 3-ブロモグアイアズレン (143c),ラクタルアズレン(153 a) のような興味あるアズレン類を単離した。彼らはハ

ロアズレン143 b, Cおよび152aは非常に不安定であり,特に,側室1�ブロム化合物

143b 143c 153a

152aは,最も求電子置換反応、に活性な位置であるC-3位にハロゲンを有しないことに 注目した。 それらの事実は著者にグアイアズレン90とN-ブロモコハク酸イミド(NBS,

154a)との反応の研究を促す契機となった。 これらハロゲン化アズレンの生合成には アズレン骨格形成前にハロゲン化されたものもあると予想されるが,グアイアズレンの 臭素化の研究はこれらの生合成の機構に光をあてることになる。 第五章ではグアイアズ レンとNBSとの反応および種々の官能基を有するアズレン類の合成とブロム化の反応 機構に関して有益な情報を作る目的でこれら化合物の電子状態をMN∞法3 7)で検討し た。

最近,野副,新藤9 8・1 0 0) らは,2-クロロトロポンあるいは2-メトキシトロポン(4 e,

g)と0・アミノフェノール(51b),o-アミノベンゼンチオール(51 c),あるいは0・フェニ

(15)

レンジアミン類(177)との反応によりシクロヘプタ[b]キノキサリン類とそれらのひお よびs-類似体(17 8, 1 8 2, 1 8 6)が得られることを報告した。 この中,ベンゾトロパジ ン(178 a)は約35年前,野副96)らにより合成が報告された化合物である。

α: α:HR C工:削e

4 X 51 R X

177c X=NHMe

a OH a H NH2

d X=NH2

e Cl b H SH

g OMc C H αt

11

九1e

。〆:。

. .

。,po 。:。

178a X=NH 182b X=NMe 186a X=NMe

b X=NMc c 又::() b又:()

d X二S c X戸S

C 支:()

e X=S, 10-0Me d X=S, 10-0Me d x=s

その後,福永97)は別法により合成した6H-シクロヘプタ[b][1,4]キノキサリン (1 81 a)を酸性にすると,反Huckel則に属する周辺16π電子系の安定なカチオン

@::t

179

RONI

R"'"

-NH2

177a R=H b R=Me

α:。

178 c X:::O d X=S

H R

R

180a R=H b R=九1e

α:。

182c x=o d X=S

。::。:

H H 181a R=H

b R=Me

(16)

(1 82 a)を与えると報告した。 しかし,178c, dから酸性下に誘導した182c,dが赤色 カチオンであるのにを与えるのに182a は500-800 nmに特有な吸収極大を示す暗緑色 のカチオンであった こと等により,これらの16π電子初造が1,11, IIIのうち,どの寄与

:。 :NX3

R

I 11 111

が主であるか興味が大きい。 第六章第三節ではこれらのπ電子状態、をNMRスペクトル,

電子スペクトル,理論計算より検討した。

また,野副,新藤9 8・1 0 0)らは178, 1 82, 1 86と アルカリ及び過酸化水素との反応を 行い,x原子( x=o,N, S)の速いにより反応性が異なると言う興味ある結果を報告した。

例えば,ベンゾオキサジン178c はアルカリによりC-5a位の攻撃を受け環を開いて2 (ひアニリノ)トロポン体(191)を与え,酸で容易に原物質に戻る。

。、:lêJ

ow

O��訟でα:lg→α:H

d JW体 ハU じV Nha・

るミ

…一一一)[

妨げ

“ お AOγM・

陥 dh

、ノ ゅ に I4

l

u c

ベ ネ 々

バL~-u u 人 ι 川 徐 、|/

行 立

引 日 い f、 口制

J 1

4

りN

て 一

は 結

~ーな炉閉を え と

一閃体る )

一ゆ

旧町

ω 一

院 刷

固まン

定 一 べ j 1

l 二

安 淋〈O〉! ω 山υ 可又τ vtt人 1H n0 ・ F

リ 誘 ο弘、NRw

a 1 行りン γLF1J

体ついんポ、

J

J聞いHンル

〆込

J

4

アナ

UW

8

受 … ン

チ ω

=

ゾ を

河川

て ン日以一裏 f い

ー一

》 同 行

=

c レ

一ン P 1J Y 九

6 l

d

\、λ/

8 チ j

げ 環 ρ K21メ んj

e

りQh4

N

・M

N、 〆 ' 守、 a

ン斗

Wiy

MJア

ペ 1V戸 、

= 可

,刀 J

' 撃

rh J 位

方 攻

〈 方 ?

一 の

一 C

nu 唱EA

(17)

旬。:。

� Mc gl

。:。「 "

I lO u

D :

186a

Schcmc 1. Mc h1

co比

HH ET 日必b

σ20

OHco:。

Me

195 (6.5%)

(194)あるいはフェナジン休(195)を与える。 従って, アルカリとの反応ではベンゾオ キサジンイ本はC-5a 1屯ベンゾチアジンはC-I0a七人ベンゾジアジンイ本はC-5a 1立あるいは C-7位が活性である。 第六市第三節ではこの様なX原子の違いによる反応性の差異を明 らかにする目的で178, 182および186の電子状態と反応性をMNDO法により検討し

fこ。

r-ヘザo

51

b

'Lf人

OMc

T2-

Br

問 3J10 0助

210

a

j字み9 0

C-7 4昏一一一

-ll ßr

213

字w o

肋。

寄=注E

211

ー咽降一一一

b2

@吋 の:p 。:。

。 208

ー--Jー-

.tH

212

(18)

12

また,野副らは14H-ジベンゾL1,2-e:l', 2'-e']シクロヘプタ[1, 2-b:4, 3-b']ジ[1,4]オキサ ジン(208)とそのs-類似体(209)の合成を報告した。 このような大きな系の反応機構 を検討する際,MN∞法のようなこド経験的分子軌道法でさえも大変な困難を伴う。 第六 章第四節ではスキームに示した反応経路の妥当性を検討する目的で, GimarcのTCS則5) による考察を行なった。 その結果, j足明された反応機十;/].が矛盾なくTCS則により説明で

きることが解かった。 TCS則を多環系の非ベンゼン系芳子千族化合物の反応機構の識別に 適川した初めての例である。

また, mr-刑,新林11 0)らはブロムベンゾlb]シクロヘプタ[e][l,4]オキサジン類を酢酸中,

加水分解すると対応する5粧のベンゾオキサジノトロポン類が生成することを報告し

4

H

236-240 236a・240a

た。 この5胞にはtititt上ケトーエノール互変異性が考えられる。 第六章第五節ではケ

ト引とそのエノール型の共IH::';エネルギー,環電流効果を相原3 )のグラフ理論を用いた芳

呑族性理論によって議論した。 また MIN以)/3法3 7)による生成熱の計算によりケト型 とエノJレ型の安定性を比較した。

本論文はトロポノイドおよびアズレノイド類の電子状態と反応性について論じた。研 究に川いた計鉾方法の概時を記す。

1) ネ11原教授(静岡大学四学部)の解析的う!?呑族性理論

Resonance Energy : 正イIÜが芳子子族性を示し, l1は反芳呑族性を表わす。

Circuit Resonance Energy: 7r 環状系に対し本来分割で きない共鳴エ ネルギーを各独 立なπ環状系に分割し芳香族性あるいは安定性の起因を

(19)

議論するのに最適な方法である。

ßond-Current : f! 11むが反磁性環屯流効果を表わし,正イ自が常磁性環電流効果を示し ている。

2) GimarcのTopological Charge Stabilization �llj (TCS rule)

1983年, Gimarcは等電子炭化水素の7E初宿)支の大きい位置をより電気陰性度の大き いヘテロ原子でinき換えて山来る化合物は安定であるとするTopological Charge

S tabilization σCS則)を提tl',した。このTCS則もHMO法のfm潔さと一義性において優れ ている。キIIJJ�の翌日論およびGimarcのTCS WJの言1・ttはI-LMO分子軌道法で行なった。

3) CNDO / S-Cl 1去(1affe) m子選移エネルギーの言I-trに比較的良好な結果を与える0

4) MNDO,AMl法(M. J. S. Dewar) 全仙沼子を考慮,分子の基底状態に関する物理 主全般の再現性はCNDO/2 法よりよく,分子の平衡椛迭に関する情報は,非経験的MO 法と府をならべるが,反応Ijlll日体,反応、の遷移状態,水素結合系などの椛造やエネルギー の言I-Z1系山果はあまり信頼できない。(藤本,山辺,稲坦若,有機反応、と軌道概念, 化学同人,

1986, p.74)しかし,この論文で取り扱ったトロポノイド,アズレノイド類は系としては

大きく非経験的分子軌道法では物則的経済的困難が十ドうため,敢えてMNDO, MINDO /3,

AMl法をJlJ いて計�/rしたO また,QCPEのMOPACプログラムを若干改良した。

5) STO-3G法 非経験的分子軌道法のなかで最小基底の分子軌道法であるo QCPE GAUSSIAN-80を若干の改良を加えて使用した。 トロポンの基準振動計算はFACOM 360でC PU はがJ 30 時11日を必要とした。

言I-itはすべて城西大学情報科学研究センターのFACOM 360電子計算機を使用した。

(20)

第二章. トロポノイド類の電子状fEと反応、性 14 第一節 序

トロポン とその誘導体の化学は天然物化学として開始された。 1 )多くのトロポロン,

トロポン類の合成と共に,その特異な七貝m打'J:i1tを有するπ電子系のため,ベンゼン系芳 芥族化令物との対応から反応性及び物理化学的な研究が行なわれており,非ベンゼン系 芳香族の化学として新分野が確立している。2) 一方,柏原3)は芳香族性の尺度として知 られているDewar型4)の共鳴エネルギーをグラフ理論を用いて解析的に表現し新しい芳 三氏族性理論を提出している。 相原の理論から定義される共鳴エネルギーはHMO法の特 性多項式をグラフ理論で表し,その特性多項式中のπ環状系に由来する項を除いた参照 多項式とのエネルギー差を共IHミエネルギーと定義した。従って,共役化合物の芳香族性 はπ電子系内の環状相互作用に山来している。 この相l原の解析的芳香族性理論はまった く任意性のない一義的な共f!�エネルギーを与え,HM O法の持つ簡潔さが保たれている。

更に,ヘテロ原子を含む系に対しても取り扱うことが可能であり,現在最も優れた芳香族 性理論である。 また1983年Gimarc 5)は等電子炭化水素の電荷密度の大きい位置をより

電気陰性度6)の大きいヘテロ原子で置き換えて出来る化合物は安定であるとするTCS 則 を提出した。 このTCS則もHMO法の簡潔さと一義性において優れている。 第二節

ではトロポン トロポロン類の安定性の起因および芳香族性について相原,Gimarcの理論 から考察した。 その結果,特異な七員環構造を持つトロポン類の基本骨格は正の共鳴エ ネルギーを有する芳香族性化合物であり,TCS則に従うことが明らかになった。 また,

多くの天然系トロポロン類もTCS則を満足しており,これらの化合物の安定性の起因の ーっと考えることが山来る。 第三節ではトロポン ,トロポロン類のMNDO,STO-3G分子 軌道法による計鉾結果を示した。

(21)

第二節 トロポノイド類の安定性および共鳴エネルギー.

トロポン,トロポロン骨格を有する天然系化合物が自然界に存在し,合成可能と言う だけでは安定であるとことの保証にはならないo Huckel則に従えば,任意の環状系にお いて (4 n+2)貝環は系を安定化し,4 n貝環は不安定化し,また奇数貝環においては 4 n+2

例のπ電子が環をつくるように分極すると言うことが山来る。従って ,トロポン,トロポ ロン類のこの特異な七貝環基本椛造を持つ化合物の6π電子系が反応性 ,安定性に関与

すると考えられる。 そこでこの節では相原, Gimarcの理論を用いてトロポノイド類の安 定性の起因と共qf!;エネルギーについて検討した。

2.2. 1. 単環性トロポノイド類の安定性と共q鳥エネルギー

GimarcS)の理論および相原3)の共鳴エネルギー(Resonance energy, RE),近似共鳴エネ

ルギー(A pproximate resonan∞energy, ARE)および環電流(Ring current)の計算はHMO法8) で行っ た。 計算に用い たE品10のパラメーターをTable 1にしめす。

Table 1. Heteroatom Parameter h自=0.5 kα = 1.0 ・)

h日=1.5 kC_N = 0.8 a)

hÑ = 2.0

hó=2.0 kc心 = 0.8的 hö = 1.0 Kω= 1.0 a)

hò = 2.5

hs = 1.0 kc-s = 0.68 b) h�'= 0.9 kr_� = 1.2。

a reference 8. b reference 9.

c reference 10.

計算した単環性トロポノイド類の共鳴エネルギーおよびBond-current 3)をTable 2に示 す。 トロポン(1 a),トロポンイミン(1 b),チオトロポン(1 c)は既に合成されている。 2) これらに対応する等電子炭化水素(Uniforrn reference frame, URF)はヘプタフルベン2)

* この節の一部はBull. Chem. Soc. Jpn., 63, 253 (1990)に既報である。

(22)

16

(2)である。 2の共qC}エネルギーは0.009 ß 3)と小さく,芳香族性は希薄と予想される。

X 1.313

0.953 1.166 0.984

la x=o b X=NII

c x=s

2 3

化合物2はポリオレフイン性を不すことが)切符される化合物であり不安定で低温でさ えもポリマー化してしまう。 1 1)化介物2のn1{i;Î密度の大きい位置は8位である。

Table 2. Resonance Energies and Bond-Currents of Monocyclic Troponoids Neulral speCles Cationic SpeCles

RE Bond-Current RE Bond-Cu汀ent 1a 0.1776 0.6723 0.2240 0.8207

b 0.1254 0.5060 0.2097 0.7738

c 0.1518 0.5873 0.2025 0.7518

4a 0.1781 0.6729 0.2228 0.8164 b 0.1748 0.6568 0.2094 0.7719

c 0.1703 0.6411 0.2024 0.7504

5a 0.1305 0.7248 0.2058 1.0597

b 0.1292 0.7152 0.2009 1.0364

c 0.1258 0.6972 0.1951 1.0103

6a 0.1540 0.8277 0.1996 1.0325 b 0.1517 0.6830 0.1951 1.0103

c 0.1479 0.7952 0.1895 0.9845 RE:Resonance Energy- (in ß unit). Bond-current (in 10 unit)

(23)

この8 位をより電気陰性皮の大きな ヘテロ原子 に置き換えると,1a-cが出来る。 この なかでも電気陰性皮6)の大きい酸素原子が置換した1aが安定と予想され,事実1aの 共I!鳥エネルギーは最も大きい。 Table2 に示したように1a-cは正の共鳴エネルギーを 持ち,芳香族性がWJ待される。 1bはむしろ不安定で溶液中のみで存在しうる化合物で あるが,溶媒を除去するとポリマー化してしまう。 トロポンインモニウム塩は空気中,中 性あるいは酸性水溶液中では安定であるが, アルカリ水溶液中では急速に加水される。

1 2) チオトロポン1cも溶液",で不安定であり,波硫酸中,メルカプトトロピリウムイオ ンとして存在している。 nlJ口1 3)らは1c のlHNMRスペクトルを測定o = 8 .02,

7.04, 6.80ppmに吸収を示し,C- 2およびC-7に帰属される0= 8 .02 ppmはC=sの大き い磁気異方性効果によるとした。 トロポンイミン1bのC-2,C-7はδ= 6.3 ppmで トロ ポン1aのそれ らよりも0.6ppm高磁場にシフトしている。 1 4) Table 2 に示した

Bond-Currentも1bが小さく このシフトを支持している。

1のカチオン類は共鳴エネルギーが大きくなり, より芳香族性が高くなる。 また,反磁 性環電流効果も中性化合物に比べ大きく,1bの塩の環水素が δ= 7.71 ppmと1aに比較 して低磁場へシフトしている観測事実と一致している。

次に 1-メチレンヘプタフルベンアニオン(3 )のURFを考えると,二つのエキソメチレ ン炭素原子の電荷密度が最も大きく, この二つの炭素原子 の一つを酸素原子に他を等電 子的な水酸基アミノ基,スルフヒドリル基で置き換えることにより4a-cを安定に設計 することが出来る。 2)また,トロポン1aが安定であるとして,2-メチレントロポンアニ オン(7 )を考えると,fd:荷密度の最も大きな位置は エキソメチレン炭素原子になり, こ

の炭素原子を等電子的な水酸基で置き換えても,やはりトロポン4aができる。従って,

4aが安定な のは,対応する等電子炭化水素イオン の電荷密度の大きい位置がより電気 陰性皮の大きな酸素原子に置き換わった為であると言える。4の共鳴エネルギーはいず

(24)

18

れも正であり 1よりも大きな値を示す。 これらもカチオン類において共鳴エネルギー がより大きくなり, また反磁性環電流効果も大きくなっている。

4a X=OH b X=NII2

c X=SII

5a X=OIl b X=NII2

c X=SII

o NH

1.070 0.966

7

1.110 0.972

8

1. 287

】.153

0.90

6a X=OH b X=NII2

c X=SH

S

1.107 0.970

9

1.285

次にトロポンイミン1bが安定であるとして,2-メチレントロポンイミンアニオン(8)を 考えると,電荷密度の段も大きい位置はエキソメチレン炭素原子になり,等電子的な水酸 基アミノ基,スルフヒドリル基で置き換えることにより5a-cが出来る。 また,チオト ロポン1cが安定であるとして,2-メチレンチオトロポンアニオン(9)を考えると,電荷 密度の大きな位置はやはりエキソメチレンであり,この炭素原子を等電子的な水酸基,ア ミノ基,スルフヒドリル基で置き換えることにより6a・cを安定な化合物として設計す ることが出来る。 2 )

このようにトロポノイド類の安定性は対応する等電子炭化水素の電荷密度の大きな位

置をより電気陰性皮の大きなヘテロ原子で置き換えた結果であると言える。 また,計算 したトロポノイド類の共I!&エネルギーは0.12-0.17 ßの範囲にあり,芳香族性を示してい る。 また対応するカチオンの共鳴エネルギーは0.18-0.22 ßの範囲にあり,トロピリウム カチオンの0.2254 ßに近い他を示す典型的な芳香族化合物とみなせる。 また,環電流効 来も反磁性を示し,カチオンにおいては吏に大きくなっており,1HNMRスペクトルの低 磁場へのシフトを説明することが山来る。

(25)

2. 2. 2 ベンゾトロポン類の安定性 と共鳴エネルギー

次に,ベンゼン環が縮環した ベンゾトロポン,ジベンゾトロポン,トリベンゾトロポ ン 類の安定性を検討した。 トロポン類と異なり,ベンゼン環が縮環したベンゾトロポン 類はトロポン自身の反応性と異なることが知られている。 2) トロポン性の一つの尺度と

して,Table 3にベンゾトロポン類 のCircuit resonance energy 3)に対する七員環部分(rJか らの寄与を示した。

Table 3. Resonance Energies, Cricuit Resonance Energies,

and Bond Currents of Benzotropones

RE REPE !2 Bond Currents 10 0.3132 0.0261 0.0576 0.8606 11 0.2840 0.0237 0.0721 1.1045

1 2 0.3087 0.0257 0.0577 0.9632

1 6 0.4136 0.0258 0.0293 1.0296

1 7 0.4253 0.0266 0.0299 1.0837

1 8 0.4768 0.0298 0.0217 0.7124 1 9 0.4852 0.0303 0.0207 0.6823 24 0.6817 0.0341 0.0075 0.5007

RE: Resonance energy (in ß unit). REPE: Resonance energy perπ-electron.

Bond cuπen岱(in benzene, 10, unit). ho = 0.22, kc=o = 0.99 9)

ベンゾトロポン類のCircuit resonance energyの相対的な値はベンゼン環の数が増加する と共に減少している。 即ち,ベンゼン環が給環するとトロポンの特性は減少し,11を除 いてトロポン環部のCircuit陀sonan∞energy(r2 )はトロポンの0.071 ßより小さくなり,

24は段も小さくトロポン性は希薄である。

二種のベンゾトロポン(1 0-1 2)が知られているが,10と1 2は単離されているが,11 はまだ得られていない。 1 5) 1 0・12に対応するURF(1 3-1 5)の電荷密度の大きな位置

(26)

16

1目。

CI."。

CI.'" CI.,.,

13 10

24

11

CI."。

。‘'"

14

17

t‘61

2 1

。。。

12

l.J・・

15

ρ

18

1.101

。9"

22

1.."

。.".

1.1"

19

1.0t9

。.,.,

CI.,,, CI.",

20

(27)

はエキソ炭素原子となり,この位置をより電気陰性皮の大きい酸素原子に置き換えるこ とにより,1 0・12ができる。 ジベンゾトロポン類 1 6・1 9が知られているが ,このうち,

1 8と1 9が単離されている。 16) 1 6と1 7が単離されていないのはベンゼン環がオル トキノイド構造になっているためと考えられる。 対応するURF(20-23)のすべての エ

キソメチレン炭素原子は環炭素に比較して電荷密度が大きく, 対応する位置を酸素原子 で泣き換えることによりジベンゾトロポン類を設計することができる。

トリベンゾトロポン24が合成されており,17) 対応するURF(25)の電荷密度の大き い位置も エキソメチレン炭素である。

2.2.3. 天然系トロポノイド類の安定性

αーツヤプリシン(26a), ß-ツヤプリシン(26b),γーツヤプリシン(26C),4- イソペニ ルトロポロン(ß- ドラプリン,27), ß- ツヤプリシノール (28),4- アセチルトロポロン (29)のような多種の置換トロポロン類がヒノキ科に属する木の精油中あるいは心材中

冒 E

〆 h 冒Er-- O 戸川1,,、、 O人 = 『Uν‘‘.,F \

26a

o 0 0

Jl

�OH HO、Jl /OH

Jl

�OH

11 \\ 11 \\ 1/ \\

、ー・園田. , 、ーー-, 、ーー・・,

bー ト- )=0

q I M�

27 28 29

に見いだされている。 18)天然由来のトロポロン類はアル キル置換基に加え一つあるい はそれ以上のヘテロ原子を持つものが多い。 イソプロピル基が共役系に関与しないとす ると ,ツヤプリシン26a・cにヌナ応するURFは3と同じである。 27,28に文すするURF はそれぞれ 30と31である。酸素原子は対応するURFの電荷密度の大きな位置に置か

(28)

れているo 4-アセチルトロポロン29のURFは30 と同じである。29に文すするURF

1.276

1.246 1.278

1.494

1.122

3 0 0.995 31 1.497

は8 位と 9 位の電荷密度が大きい。 二つの酸素原子は対応する位置に導入されている。

しかしながら,アセチル酸素の位置は電荷密度が小さくTCS則に合わない。 それ故,メ チル基がアセチル基のπ系に共役していると考えると,対応するURFは32(14π電子 系)である。 電荷密度は 8,9, 11と 12位が大きく,この位置をより電気陰性度の大きい 酸素原子,等電子的なメチル基で置き換えることにより29が安定に存在できる。

数粧のアオカピの代謝生産物として,スピタトニン酸(33),スピチタチン酸(34),プ ベルロニン酸(35),およびプベルリン般(36)類がトロポロン核を持つ天然物として知

o O OH

FM9・

0

33 34 35 36

1.390 1. 397 1.220

1.362

1.'・4 1.39 J

J'

I.SB

1.' J 1 J .'99 1.410

37 38 39 40

られている。 1 9ー22)33・36 に対応する等電子炭化水素は37-40である。37-40の URFの電荷密度の大きい位置にケトン酸素原子あるいはアルコール(またはエーテル)

22

(29)

酸素原子を置き換えると天然物になる。

コルヒチン(41) 23)は4個のメトキシル基を持ちπ,電子系に共役している。 41に対

応するURF(4 2)を考えると,FE荷密度は14-18位が大きく, それ故, メトキシル基およ びケトン酸素原子が対応するURFrl'の7l11�rr密度の大きい位置にあり, コルヒチンが安定 に存在する。

1.6S7

1.235

1.316

OMe

4 1 42

チオピストロポロン(43)はある砲のバクテリヤから単離されている。 24 ) 赤色物質で あるプルプロガリン(45)25,26)もまた天然物中に存在し,ベンゾトロポロン誘導体であ る。 43および45のURFはそれぞれ44,46である。 URFの電荷密度の大きい位

只s刃

1.013

1.196

43

HO 、

〕二 ノ O 久i J

H I ノ q lι

) OH

45

1.135

/ケ

1.411

1.618

2 瓜今A .JI.IOO

�JJ

44

1.295

内角内 \.._V.77 I /13

46

間-すべてに対応する天然物'11のヘテロ原子が置き換わっている。

このように, 天然山来のトロポン類において,自然はそのURF中の電荷密度の大きい 位置に酸素原子あるいはf�é�11原子を置いている。 lrL環性トロポノイド類と同じようにト

(30)

ロポロン核を有する天然物の安定性もまたGimarcのTCS則に従っている。 原理的には,

TCS則に従わない分子は無限に考えられるが,トロポロン類 はエネルギー的に安定な化 合物であり,合成的にも符やすい分子詐に属すると言える。

2. 2. 4 紡環トロポノ イド類の安定性と反応性

野副とその共同研究者2 7)らのキノキザロトロポン(47)の初期の研究に次いで,伊東 とその共同研究者2 8)は,パラおよびオルトトロポキノン(49,50)とオルトフェニレン ジアミン(51a)との反応により47とその異性体48 を合成した。 二つのキノン49

。な:

or

ó: +@N;一 0 0 00 。

49 50 51a 47 48

と50 に対応するURFを58と59 に示す。 それらのキノンにおいて三つケトン酸素原 子は対応するURFの屯何密度の大きい位置に対応している。 二つのキノキザロトロポ

1.127

1.019

1.225

1.000 0.999

0.990

0.975 1.003 1.002

1.019

58 59 60 62

ン47 と48に対応するURFのf討す符皮より, それぞれの異性体におけるヘテロ原子は 対応するURF(61および62)rll,最も電荷密度の大きい位置を占めていることが明ら かである。 浅尾2 9)は2.5-ジアミノトロポンイミン(53)とテニトロソトロポン(54) から三環性ジトロポン52 を合成した。

0.97・ 1.00' 1四II

1.ll7

0.999

61

HG::+JJGoli--0:ゆ剛ムoG::。。

24

(31)

二つの出発物質53と54,中間体55,および生成物 52に対するURFを,それぞれ

1.573

20

1.118 0.985

1.140 1.129 1.1S2

63 64 65

1.010 0.978

1φ159

66

63-66に示す。63・66のURFの電荷密度の大きい位置にヘテロ原子が置き換わること により ,それぞれに対応する化合物を設計することが出来る。

最近,竹下らは30)五環性ジトロポン56と四環性トロポン57の合成を報告した。

。〈xo:心。

56

67

1.009 0.980

1.105

odb〉

0.980

57

1.007 1.005

68

1.001

1.000

対応するURFの電荷密度の大きい位置により電気陰性皮の大きなヘテロ原子が置き換 わっている。

ヘテロ環が縮環したトロポノイド類47,52,56 および57の共鳴エネルギーをTable 4に示す。これらの化合物は正の共I!�エネルギーを有する芳香族化合物と見倣すことが 出来る。

また, 2, 5・ジアミノトロポンイミン53と5・ニトロソトロポン54より中間体55を

経て52の生成につ いてTCS則を適用した が,この反応機構はTCS則による予測に合致

(32)

し,反応機構を検討する際, TCS則の適用が有用で且つ信頼性ある結果を与えている。

Table 4. Resonance Energies of 4 7, 5 2, 5 6, and 5 7

RE REPE 47 0.3919 0.0245

52 0.1075 0.0054

56 0.4213 0.0050

57 0.3557 0.0162 RE: Resonance energy (in ß unit).

REPE: Resonance energy perπ-electron.

26

(33)

第三節 トロポン,トロポロン類の分子軌道計算

トロポン誘導体および母体トロポンのX線結品構造解析,3l,32) トロポンの気相の

電子線解析,33) および他の物理化学的測定結果はトロポン,トロポロンは明確 な 結合交 替が認められる平田分子である。 トロポン,トロポロンのこのような 物理化学的性質を 明らかにする目的で多くの分子軌道計算が行なわれている。 しかし ながら,計算に用い たトロポン,トロポロンの幾何椛迭は正七角形を仮定するか, あるいはオレフイン類の標

準原子問距離を用いて計-t):を行なっている報告が多い。 そこで著者はトロポン,トロポ ロンおよび数粧のlìi環性トロポノイド類をSTO-3G, 36) MNDO, AMl法37)に より椛造 成適化を行ない, tl5Jま状態の幾何梢造および電子状態について再検討を行なった。

2. 3. 1. 単環性トロポノイド類の分子軌道計算

単環性トロポノイドの中,数程の化合物を除いては X線結晶構造解析が行なわれて おらず,幾何構造が明確でない為STO-3G,MNDO, AMl法で構造最適化を行なった。 ト ロポン(1 a)の-600CにおけるX線結品構造解析の結果はIおよびHの構造が報告され ている。 32)また気相の電子紋解析の結果はIII およびWとVの構造が報告されてい る。 33 ) 著者が今回言1・nーした1 a, 1 cのSTO-3G,加問00法の結果も併せて示す。

o h

1.340

1.341 1.327 1.342

) 今ム司、J'且 ) 今4令3E且官且 ) 勾J今JE且曹aEa曹・A y33) Iy33)

1.32 1.35

S S

1.356 1.340

STO・3G MN∞ X-ray STO-3G 恥町四コ

(34)

2 8 実験的に得られる双極子モーメントは基底状態の分子の電荷分離を最も直接的に測定で きる量の一つである。 種々の分子軌道法によるトロポン1 a の双極子モーメントの計鉾 イ直を示す。

Table 5. Calculated Dipole Moments of Tropone (1 a)

Dipole Moment (0) Calculation恥lethod Ref

3.96 π-SCF 39

5.6 π-SCF 40

4.68 π-SCF 40

3. 88 CNDO/2 35

3.58 M NDO Presen t W ork

4.01 A恥11 Present Work

4.30 (Obs.) 34

1 aの双極子モーメン トの実rJ!l日IÜは4.30Dであり,チオトロポン 1cが3.80 Dであるが,

MN∞法 による計n値は 1 a, 1 b, 1 cが各々3.58,2.4 6,3. 74 Dである。 しか し,点筒tlf に由来する双極子モーメントは,各々2.99,1. 66,1.96 Dと計算され,1 bおよび1cは1 a に比較して 極性構造の寄与は小さ いことを示唆している。 MN以)法 は核問の反発が過大 に評価されるため,AM1法で、構造最適化を行なった。 トロポン1 aのAM1法による 双

極子モーメントは4.02 D (Cs), 4.03 D (C2v)と 計算され実測値に近い値となる。 AM1法で は MN∞法に比較しC=ü距献が僅かに長くなり,C-C,C=C結合距離は標準原子間距離 に近くなる。 従って, AMlレベルの計鉾では,1 aはポリエノンとして表されることを示

している。 また1 aの段通構造は明確な結合交替が認められる平面分子である。

段近,PlJ口1 3)らによるチオトロポン1cの-400CでのX線結品構造解析では,C=S結 合距離が1. 67 6Aと長く七貝環には1 aと同程度の結合交替がみられている。 また,1H NMRスペクトルより溶液中では 1cは1 a より結合交替がより大きくなり,1cの極

(35)

性構造の寄与が1 aよりも小さいとしている。1cのSTO-3G,恥D妊治法による最適椛造 はC=S結合距離がそれぞれl.58 A, 1.57 A でありX線の結果より短い。 計算に用いた MNDO,AM1法はDewar により提案され Stewart 37)により改良されて来た半経験的分 子軌道法であり結合エネルギーの計算に対して信頼性が高く,分子の構造パラメータ,ポ

テンシャル一山線の言,.鉾が可能であるので反応機構を研究で き, ab initio法に比較して計 算時間が短く,より経済的計鉾方法の一つである。 AM1法はMN以〉法で過大に評価さ れた核問反発積分を再評価した方法である。

トロポン1 aの極性を表す事実として,IRスペクトルのc=Oイl↑!紡振動38)(1550 cm・1)

Table 6. Nonnal Coordinate Analysis of 1 a by the means of MNDO, AM1, and STO-3G Molecular Orbital Meth ods. ( cm・1)

加lNDO AM1 Assigments STO-3G Assigments

3373.82 3139.90 νC-H 3771.4 νC-H

3370.51 3128.90 3749.0

3365.19 3126.18 3742.6

3359.46 3122.74 3728.7

3356.00 3112.51 3727.6

3351.09 3111.32 3716.2

2054.85 1979.20 νC=o 2062.3 νC=C

1831.32 1902.01 νC=C 2032.3 νC=C

1811.27 1857.56 νC=C 1984.4 νC=o

1788.21 1832.69 νC=C 1929.2 νC=C

があるが,この振動領域は他の振動と複雑に重なっており,これからは重要な情報は得ら れない。 著者が MNDO,AM1, STO-3G法により計算した赤外基準振動解析結果の中,高

波数側の10個の基準娠動 を Table 6に不す。分子軌道法による基準振動の計算結果は実 測の波数よりも200から 300 cm.1大きく算出されることが知られている。

(36)

30

AM1.MNDO法とも6つの高波数側の振動はC-Hイq1締振動と帰属され,次の2つの振動 がνC=O,νC=Cと帰属され,実測のνC=üがνC=Cよりも低波数であることと矛盾 する。 しかし,STO-3G計算では,これらの帰属と異なり6個のC-H仲縮振動,2個の C=C振動の次にC=üイ"1紛振動と帰属され,実測のカルボニル振動がC=C振動より低波

数であることを裏付-けている。 この結果は分子軌道法による基準振動解析には少なくと もSTO-3G法レベル以上の精密な計nが必要で、あることを示している。

トロポロン4aは分子内水素結合による高速互変異性体として知られている。 4 2)

4a 4a'

13CNMRスペクトルは低氾でさえ4程類のシグナルを示すのみで,この平衡は非常に速 く,相互変換のバリヤーは低いと考えられる。 � 2) X級料品梢造解析4 3)によると4a は 完全に平田分子で,才円二のがi合交杯がみ られる。 手存者がSTO-3G法により計算した4a の最適化構造を示す。

1.341

X-ray 43)

1.311

STO-3G

水政基の水素原子は二つの酸素原子からほぼ等しい距離にある。 また,二つのC=O結合 距離も 1.28,1.29 Aである。 トロポロン4aのこの高速互変異性体の構造を検討する為,

4aと4a' H日のSaddlepointを MNDO,AMl法で検討した。 MN以コ法によるSaddlepoint の構造(4a ")は2618.4 iの虚の基準振動を有し,C-C問が1.400 A,二つのC=O間は

(37)

1.443

1.360

4a

/ H

1.4H

4a'

o - - - t-t 1.254

1

J; 1

15

J

1.400

4a"

1.291-1.294 A,またOl-H,02-H問は1.291 A, 1.254 Aになっている。 4a"の双極子モー メントの計算他は3.42Dであり,4 aの双極子モーメントの測定値の3.71D41)とほぼ

一致する。 活性化エネルギー は43.387 kcal / mol, k1は0.18x10・38/ secと算出されたo AMl法では, Saddle pointの椛迭は2185.2 iの虚の基準振動を示し,活性化エネルギー

1.420

1. 35‘

4 a

/ H

】.425

4a'

1.381

4a"

は26.987 kcal / mol, k1は0.289x 10・27/ secと計算される。 二つの計算結果は,この構造問 の平衡が非常に速く時間平均として平衡構造が出現することを示唆している。

2-メルカプトトロポン(4c)と2-ヒドロキシトロポンチオン(6 a)の構造はスペクトル

H S

H

むちー 。。

。NEL

。。

4c 6a 4b 5a

S

NH

H

。町一 åS

6b 5c

的には,4cよりも6a としての寄与が大きいと考えられているが,MNDO法による4c

(38)

32

と 6 aの全エネルギーは-1529.1153 eVと -1528.89130 eVであり ,4cの方が6aよりも 5.16 kcal / mol安定と言う結果を示している。 共q鳥エネルギーも4cが0.1703 ß , 6 aが

0.1527 ßと4cの方が安定であると言う結論が得られ , スペクトル的な結果と矛盾した結 論である。 また,4b と 5aの互変異性系においても,生成熱は4 bの方が4.32 kcal / mol 大きい。 また,6 bは 5 cとの互変異性が考えられるが,生成熱は5c の方が1.25 kcal /

mol大きいがその差は小さいと言う結果になった。

(39)

第一節 序

活性トロポノイドと求核試薬との反応、は安息香酸誘導体へ転位する反応、,または置換

基の付いている位置での置換反応,置換基の付いていない場所で起こる置換反応がある。

それらの競争反応の可能な反応機構を下に示す。

/' GL

\cj\

む1手土むL

6L ト path

2

o 0

N u?L γ�- Il� Nu、人....L γ'\ �ご�

__

NU0、 11 \\

\J'

、_:/

ba oa s se e '\

・4

〆、d p ath

3

、,令'N

ρ、m のもLH r、Qd

L=Leaving Group; Nu・=Nucleophlle

ベンゼノイドへの転位の例として,2・ハロ体はアルカリ加水分解により安息香酸誘導体 を与える。 また,2,7-ジ、ハロ体は室温で0-ハロゲン化安息香酸と伴に3-ハロゲン化サリ

チルアルデヒドを与える。 このアルデヒドの生成はC-3 位の攻撃による。 活性トロポノ イドとアルカリ以外の求核試薬との反応は2-メトキシ体では主として2 位,2-ハロ体で は7 位,2-トシルオキシ体では両者が競争-的に起こる場合が多いと報告されている。

この章では,この様な求核置換反応の機構ならびにトロポノイドからベンゼノイドへの 車珂立機構を明らかにする目的で,単環性トロポノイド類の電子状態と反応性を検討した。

OHHHO

1 a

X=û

b

C X=S X=NH

2a

Y=ûH

b

Y=NH2

C

Y=SH e Y=CI f Y=Br

g

Y=OMe

(40)

第二節 転位を↑、I�わな い求核泣換反応

活性トロポノイドと求核試薬との反応は, 反応条件により様々な置換反応、やベンゼン 系化合物への転位反応を示すことが女11られている。 2) 例えば,トロポン1a はエタノ

ール(誘電定数ε=24.3 , 250C)または,アルカリ性エタノール中,ヒドロキシルアミンと の反応でトロポンオキシムと2-アミノトロポン(4b )の混合物を与る。 また,液体ア ン モニヤ(ε=16.9, 250C) '-IJ,ヒドロキシルアミンとの反応は選択的に4bを与える。従 って トロポン1aはC-2イ立あるいはC-1 位:カ汁舌'性である。

Nl-I2NH2

』 。N\ む

1 a 4b

一方,トロポンチオン1cはクロロホルム(ε=4.8,20oC)中,室温で無水ヒドラジンとの 反応、でトロポンヒドラゾンを与え ,ヒドロキシルアミンとの反応、ではトロポンオキシム を与える。 この結果は1a と異なりチオカルボニル炭素だけに試薬が攻撃すると考えら

れる。

sO

。 or 。

NH2NH2

or NH20H lc

また, 2-メトキシトロポン(4g)とナトリウムメトキシドとの反応では1位と2位,2-ハ ロトロポン(4d-f)では2位と7位と考えられている。 また,2-クロロ・5-イソプロピルト ロポンとナトリウムメトキシドとの反応では2-メトキシ-5-イソプロピルトロポンが生 成することより, 2位が活性と考えられる。

この節では,これら置換反応の付力II日見離機構を切らかにする目的で ,1a・c,4a-gの電 子状態をMN∞法3 7)あるいはSTO-3G法3 6) で検討した。

4b-e,4gのSTO-3G法による最適椛迭を示す 。 4fはSTO-3Gで未収束のためMN以) 34

参照

関連したドキュメント

テ護見シタト調ヒ,叉一方動物ラ麟餓ノ秋態二置ク事ニョリテ,陽性反確テ陰性二鱒ゼ

NPAH は,化学試薬による方法,電気化学反応,ある

川,米光らは,β-ケトスルホキシド1aがPummerer反

 アクリフラビン法は広義の血宿膠質反応に属し,次

(第3図:B)でも略ヒ同様の位置を示すが,ヒの

二一1D・両眼とも前房の深さ正常,瞳孔反応正常,乳

まず,PREG 及び PROG の重水素標識体をアルカリ条 件下での交換反応により合成し,それぞれを IS として Fig.. 7) .コント

話者の発表態度 がプレゼンテー ションの内容を 説得的にしてお り、聴衆の反応 を見ながら自信 をもって伝えて