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(1)

ビニル,アリルスルホンの立体選択的合成と"Syn効 果"

著者 猪股 勝彦

著者別表示 Inomata Katsuhiko

雑誌名 有機合成化学協会誌

巻 50

号 4

ページ 326‑337

発行年 1992‑04‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/3713

(2)

総合論文

ビニルアリルスルホンの立体選択的合成と"S`〃効果,,

猪股勝彦*

Regio-andStereoselectiveSynthesisofVinylandAllylSulfOnes-Toward

theElucidationoftheOriginof“Sリルeffect”

KatsuhikolNoM八T八*

Regio-andstereoselectivesvnthesisof(E)-and(2)-vinylsulfones・which、]adeitfeasibletomvestigate thesLereochemisLrvoftheconverslonolvinvIsul[onestothecorrespondingallylsulfonesunderbasiccon‐

ditions,wasaccomplishGdI,i[Tiodosu[fonization()I1-alkenesorl-alkynes,ItwLlsfoundLI1at(E)-vinylsul fonespreferentiallyafforded(Z)-allylslll[onesaskinetically-controlledproducts、.while(Z)-and Q-substitutedvinylsulfonesgave(E)-ally[sulfonGs・SuchsLereochenlicalrelationshipwasrationalizedby

"SZノルeffect。”anditsrelativedegreeforvarloussul)stiLuentswasdeterminedbyobservaLiono[E/ZratiosoI theallylsulfonesresulLedfrolnthecorl-esponding7-nlono-anddisLIbstitutedvinylsulIones・X-raycrystal‐

lographywasperformedforsomevinvlsulfonesandtllerelaLedconlpoundstorevealtheoriginof

``sZノルeffect.”Ontheotherhand、theconvenientnewmethodsforthepreparationofallylsulfonesanddesul- fonvlationoftheiralkylatedderivativesweresuccGss〔uⅡyemployedIorlhesvnthesesofsqualene,

(±)‐recifeiolide,coenzymeQ1o,(±)-lavanduloLandisolavandulol,

KeywordsfStereoselectivesvntllesis;Vinvlsulfones;AIIylsulIonesilodosulfonization;Tosylmercuration;

Pd-catalyzedreactIons;SZノルeIfecLiConversionofvinvlsulfonestoallylsul[Ones;X-raycrys‐

tallography.

できるだけでなく2.1,後述するように温和な塩基性条件 下でアリルスルホンへ巽性化させることもできる31。

一力,アリルスルホンも同様にスルホニル基の強い電 子吸リ|性のために容易にα位にモノアニオン’'1あるいは ジアニオン51を生成する。これらのアニオンはスルホニ ル:ljL以外の多くの活性化基の場合と異なり,一般に7 位へ蛎位することなくハロアルカンやカルポニル化合物 などと特異的にα位でⅨ応する4-(;'。また,アリルスル ホンのスルホニル基はこのように活性化基として作用す るばかりでなく,脱離膿にもなり得ることからGI,これ ら一連の反応を組み合せれば望みの炭素'|汁格を比鮫的容 易に樅簗することができる。

独々は以前,図1に示したように任意の位置に世換基 をTl-するフラン化イT物の一般合成法を開発した71。即ち,

極々の経路で調製される1のような7-ヒドロキシーβ‐

トシルアセタール骨格を右する化介物を酸触媒の作在下 加熱すると対応するフラン化合物(3)が高収率で得られ ることを兇いⅡIした。この合成スキームを天然に見い山 Lはじめに

ビニルおよびアリルスルホンは,対応するスルフィド 類と異なり不快な息気を持たず,一般に安定な取扱い易 い化合物で結晶化するものも多く,他の電子吸引基とは 異なるスルホニル基に特有な性質を右することから,右 用な合成中間体として広く用いられているL21o即ち,

電子不足型のオレフィンであるビニルスルホンは,

Michaelアクセプターやジエノフィルとして作用し,対 応する付加生成物を与える2:叩だけでなく,遷移金属触媒 存在下,有機金属化合物を反応させることにより,スル ホニル基をアルキル基などに置換することもできる21M。

さらに,スルホニル基の強い誘起効果のためにα位の ピニルプロトンは酸性を有し,比絞的容易に脱プロトン

*金沢大学理学部化学科(〒920余沢市丸ノ|ブリ1-1)

*DePartmentofChemistry,FacultyolScienceⅢI〈anaza- waUniversity(l-lMarunouchLKanazawa、Ishikawa 920、Japan)

326

(3)

ビニル、アリルスルホンの立体選択的合成と"SZ/〃効果,,

(37) 327

鬮M1、,j耐」L~い…1WL~'了リL~い”

驚迩iiiiWiL蕊向溌 7OAcinTHF/MeoH5TS6

…脇.小職|寺mfigfj鯛。,蝋離議鯛

Fig.2

Fig.1

らの研究により広く知られている9)。そこで,この反応 される代表的なフラン化合物の合成に応用したところ,の求核剤としてスルフィネートを用いれば,対応するア 従来,合成が困難とされていた3-置換フラン化合物をリルスルホンが得られるものと考え,図2に示したよう はじめ,いずれの場合も好収率で目的物を得ることがでにまず,ゲラニルアセテート[(E)-4]やネリルアセテー きた?)。この反応は,まず,分子内アセタール交換と引卜[(Z)-4Lリナリルアセテート(7)について,それぞ き続くエチレングリコールの脱離によりアリルスルホンれパラジウム触媒(5,01%)存在下,p~トルエンスルフイ 中間体(2)を与えるが,アリル位に位置するスルホニルネートを反応させたところ興味深い結果が得られた10)・

基(ここではp-トルエンスルホニル基=トシル基’Ts)即ち,これらの反応を比較的初期段階で停止させると三 が上述したように脱離基として作用するために,最終的級のリナリルスルホン(5)が主生成物として得られる に対応するフラン化合物(3)を与えたものと考えられが,反応時間を長くするとこの5は完全に消失し,代わ る。これらの研究を通じて,スルホン化合物の合成素材りに一級のゲラニルスルホン[(E)~6]が優先して得られ としての潜在力に興味を抱き’これまで,ビニルおよびる。これらの実験事実は’5が速度論的生成物であり,

アリルスルホンの位置および立体選択的合成法の開発と[(E)-6]が熱力学的生成物であることを示している。

それらの反応性について種々検討し,いくつかの興味深従って,汀_アリル錯体(9,9')は実際には図3に示すよ い結果を得たので,以下にこれらの概要を述べる。

雁蘇TilHnflJ:ii羅雛灘,鴬ニヒー鬮禰~it~輔

L2 L3

i'…’。

述べる。

ユバ……いるアリルスル…Ⅷ蕾憲一狢鴎蘇一if鴎愈“

アリルスルホンは通常,対応するアリルスルフイドの8’合成と反応 L2 L3 酸化もしくは,ハロゲン化アリルとスルフィン酸のアル

カリ塩〈以後スルフイネートという)との反応により調製 Fig.3

される8)。しかし,スルフィド類は不快臭を有し,ハロ

ゲン化アリルは比較的不安定で長期保存が困難である場うな平衡混合物として存在しており,速度論的には’よ 合が多い。そこでまず,より安定で入手容易なアリルアリ安定な三級カルポカチオン(8,8')を経て反応が進行 セテートからアリルスルホンを調製することを検討ししたものと考えられるIC)○このことは図4に示したよう

た。 に三級スルホン(,,)や二級スルホン(11,R3=H)が,パ

アリルアセテートはO価のパラジウム触媒と反応してラジウム触媒の作用により,熱力学的により安定な-級 中間に活性な汀_アリル錯体を形成し,これが種々の求スルホン(12)へ1,3-転位されることを示しているが,

核剤と反応して対応する置換生成物を与えることが,辻実際,極々のアリルスルホンについてこれらの転位反応

(4)

(38)

有機合成化学第50巻第4号(1992)

328

庵、人rR。

R1 R3

倉i::うぐ閣

R1

了:芸了郁T… ̄篝nm

O17,89% MeMe

18,86%

;鵲鰯非、~Mf…鱸職。

P。(ppM4meMe

l9,78% 20コ94%

-檮禧醗擶'鱒一

・21,95% 22,72%

P。(PPhJ4(5mol%)

inTHFyMeOH(3川)

12,78-100%

11

Fig.4

を試みたところ,いずれの場合も極めて温和な条件下,

高収率で転位生成物(12)が得られたⅢ)。

代表的なアリルスルホンの合成例について表1に示し たが,いずれの場合にも,アリルアセテートから対応す るアリルスルホンが極めて容易に高収率で得られること が明らかとなった]O)。そこで次に,このようにして得ら

鞍鴇鶚:tiHlFlirmか灘

Tab'e1Preparationofallylsulfones・

R3 R3

鬮17(ずiズヅ.w鵬:竺_廓筑同.

Fig.6

:i::車・鯏竺!::ロ鵜赫:i::騨馴。

OHOH OCH20CH3

25,quant, 26,73%

;::両r"r;W坐壜rw・剛・I

EmyAUyl…にPIlHl11ヨ)イ錦;鵠PmduotYiold/鍋

LL,30sccPhヘンヘンTs88 25,quant,

…'~Yヘヘ,,…ィ葱.問』

nL,lhグー/Ts98Ts DMg

度(:憩辨童:;wしYi鬮鵲÷“

lPh、ニヘーOAc

ZPh~グヘr~/~

OAc

3〆~/OAC

4人。Ao

5人へ。AC

55155 ■■

29

LiHBEt3Ar

PdCl2tlPpp)

:i::〕O〔(ツミ

30,89%

H-- りHCI

iDAg20

れたスルホンのα-置換誘導体を調製し,スルホニル基 の脱離条件を種々検討したところ,パラジウム触媒の存 在下還元剤を作用させれば,二重結合の位置および立体 を保持しながら高選択的に還元脱MEできることが分かっ た12)。これら一連の反応を,Squalene(16)'3)や(±)-Re‐

cifeiolide(24)Iい,CoenzymeQI。(32)'5)の合成に応用した 例を,それぞれ,図5,6,7に示した。さらに,この脱

31,86%

繩;!::縦

U刊行unj-u

■■

32,CocnzymeQ,094%

Fig.7

スルホニル化反応の還元剤や,パラジウム触媒の種類,

添加剤の効果などを種々検討したところ,ホモアリルァ ルコールの骨格を有するアリルスルホンの場合には,表 2の方法Ⅱに示したように,二重結合を転位させながら スルホニル基を脱離できることもわかった'6)。即ち,図 8の33のように嵩高いモノヒドリド型還元剤を用いた 場合には,分子間で反応が進行するためにより立体障害 の小さい炭素原子aを攻撃してアリルアルコールが,一 方,34のように分子内で還元反応が進行する場合には,

七員環遷移状態より五員環遷移状態が優先するために炭

TsNa・4H20

Pd(PPM4

人へノーJ~、店

14,70%区-fblm,13%)

人へ人へ人へ。Ac

l3_

DBuLl

iOc1~へ「へヘトヘ「

15,89%

LIHBEt3(2equiv.)

PdCI2(dppp)(5mol%)

OoC,THF

16,SqualcneP4%(E/Z=97/3)

Fig.5

(5)

ビニル,アリルスルホンの立体選択的合成と“sz/〃効果,,

Table2DesulfonylationofallylsulfonescatalyzedbyPd.

39) 329

R1-、ノーrR2Moth.。'or'LR1へ/、rR2。Rガヘン、rR2

Ts OH AOH BoH

E/Zof mainproduct Ratio

A2B Yieldof

A+B/%

conditions Method

R2 R]

91/9 97:3

-15℃,4.5h quant.

PhCH2CH2

CHO 20℃,3mm 2:98 98/2

quant.

90/10

96 97:8

-18.C'4h CH3(CH2)7

CH3 20℃,20mm 98 8:92 98/2

89/11 93:7

-4.02.5h quant.

CH3

PhCH2 7:93 96/4

20.03min quant.

86/14 99:1

-5゜O3h 83

CH3(CH2)7

PhCH2 20.03min 副2 1:99 98/2

76/24 84:16

OoQ4h 98

(CHJ2CH

PhCH2 20℃,15mm 78 2298 96/4

89/11 99:]

-45°C,18h quant.

PhCH2CH2

PhCH2 20℃,3mm 94 4:96 96/4

>99/-

-20.O7h 87 97:3

PhCH2CH2

(CH3LCH 20℃,45mm 99 7:93 98/2

Methodl:PdCl2(PPh3)2(5mol%)LiBH4(5equiv.)inTHF・

MethodⅡ:PdCl2(dppb)(5mol%),Ph3SiH(O2equiv.),LiHBEt3(3equiv.)inTHF

人禧::;と=ノr篝L;鶚塑wLL

35,95% TS 36】93%

。`cMPP…H,ノヘヘンし

f》Y

HomoalIylalcohol AiIyIalcohol

/耐…67面11~ ̄

、旨へ 肌凰

PdCI2(。PPb)

Ph3SiH,LiHBEt3

THF,20゜CD3min

38:IsolawmMol quant(37738=2/98)

Fig.8

Fig.9

素原子bで反応して,ホモアリルアルコールが得られる ものと考えられる。これらの反応を(±)~Lavandulol(37)

およびIsolavandulol(38)の合成に応用したところ同一の 中間体(36)からそれぞれの目的物を合成し分けることが できた(図9)16)。

上述したように,アリルスルホンは取り扱い易い有用 な合成素材であることが我々の行った僅かな実験例から も明らかとなったが,他に,スルホニル基の置換反応と して,パラジウム触媒を用いた活性メチレン化合物との

反応'7)や有機金属試薬による反応'8),Lewis酸を用いる Friedel-Crafts型の反応'9)なども報告されている。

一方,0,ConnoI-とLynessはビニルスルホンが塩基の 作用により,容易にアリルスルホンへ異性化されること を報告している(図10)3)。この反応はβ,γ-不飽和異性 体の方がα,β-不飽和異性体よりも熱力学的に安定であ ることを示している。通常の共役系と異なるこの特異な 性質は.スルホキシドについて最初に見い出されたが331,

(6)

有機合成化学第50巻第4号(1992) (40)

330

るものと考えられる。

つぎにさらに簡便な合成法の開発を目的として図11-

(式2)に示したようにオレフィンのヨードスルホン化と 引続くヨウ化水素の脱離によるビニルスルホンの合成に ついて検討した23)。結果的に最初のヨードスルホン化反 応は,単離したヨウイヒトシル2イ)をオレフィンと反応させ るよりは,単純に等量のヨウ素と1.5等量のp-トルエ ンスルフィネートをメタノール中あるいは酢酸エチルー 水の二層系で反応させた方が,簡便な上に良好な結果を 与えることを見い出した翼b)。しかし,付加物(39)に塩 基を作用させて得られるビニルスルホンは,一般にE 体およびZ体の混合物であった。そこで,39にピロリ ジンを反応きせてβ-ピロリジニルスルホン(40)とした 後,酸化処理したところ,Cope脱離が容易に進行し,

目的の(E)-ビニルスルホン[(E)-41]が極めて高収率で 得られることが分かった(図12)25)。

CH割(CH2hCH2CH-CHSO2CHヨ,鰯|:Ⅱ

->

<1%r・L

CH3(CH2hCH=CHCH2SO2CH3

>99%

Fig.1O

これらは硫黄原子の。軌道が基底状態でα,β-不飽和結 合の安定化(。-元共役)にほとんど寄与していないばかり でなく,スルホニル基ならびにスルフィニル基の誘起効 果20)によって,隣接二重結合が不安定化されるためと考

えられている3】。

ところで上の事実は,合成的観点から言えば,ピニル スルホンの合成法の開発は,アリルスルホンの合成法に 直結することを意味する。しかし,我々がスルホン類の 研究を始めた時点では,この異性化反応の立体化学につ いて全く知られていなかったので,次にこの異性化反応 の立体化学を明らかにすることを目的とし,出発物質と なるビニルスルホンの位置および立体選択的合成につい て検討した。

3.ビニルスルホンの位置および立体選択的合成 これまでに(E)‐および(z)-ビニルスルホンを合成し 分ける一般的かつ簡便な方法はオレフィンのセレノスル ホン化を経る(E)-ビニルスルホンの合成21)以外に知ら れていなかった。そこでまず,アルキルスルホンのα 位をフェニルセレノ化し,酸化後,Cope型脱離させる ことにより二重結合を導入することを試みたところ,シ アノアルカンの場合と異なり22)対応する(E)-ビニルス ルホンが選択的に得られることが分かった[図11-(式 1)]23b)。これらのシァノアルカンとスルホニルァルカン の間の選択性の相違はスルホニル基の立体的嵩高きによ

舸“'鯛Ll

-R〆~/Ts

41,73-100%(onlyE)

R/、TsNa、4H2qI2

にLD2h

m-CPBA/Na2CO3 inCH2Cl2,r・L

overnight

鼠--

42に)-41

Rへ}Ts

(Z)-41

43

Fig.12

上述したオレフィンのヨードスルホン化反応における ヨウ素の代わりに,図13-(式')に示したように塩化水 銀を用いると,スルホニル水銀化反応が進行し付加物 (44)を与えるが,これをDBUで処理すると金属水銀が 脱雛して,ヨードスルホン化反応の場合とは逆方向にス ルホニル基が導入されたビニルスルホン(45)が得られ た23)。両者の付加様式の相違は,ヨードスルホン化反応 が親電子性の高いスルホニルラジカル26)のオレフィンヘ の付加から始まるのに対してスルホニル水銀化は水銀イ オンの親冠子的付加から始まるためと考えられる。この ようにして得られた2-トシルー1-アルケン(45)をルトシ ルー2-アルケン(46)へ異性化[図13-(式2)]することも可 能であることが分かった23.27)。

さて,(E)_ビニルスルホン(41)は,図12の方法に従っ て高収率かつ高選択的に合成できるようになったが,Z 体については当初,E1Z両異性体の混合物から分離す

風…;毒諒|鳳域l學慧警

鳳へwJ:W撰瀝IRLT蕾|惹詩

r上,15min-24h39「.t・'15min-:

い」、了應M鱈::

qUanL80%83%(E/Z=76/24)

卜〃とIb-Lw、

76%91%quanL(only句 Fig.11

R/、〆TS(1)

96-95%

同L了譽|下蒜同ヘノ臆(2)

39『.t・’15min-24h(E/Z)

C斑(CH2h,94%(78/22)

CH3(CH2)3,90%(78匹)

人ンLTo:鷲靹鰯(鵬

83%(E/Z=76/24)

(7)

ビニル,アリルスルホンの立体選択的合成と“SZ/汎効果,, 331

(41)

iJi.]

44

竺澤Rヘ〆呈(1)

Ts 45,61~83%

4.ビニルスルホンのアリルスルホンへの 異性化反応と"s”効果,,

OConnorらの報告に基づいて,まず,t-BuOKを塩 基として用いて(E)_ピニルスルホンのt-BuOH中での 異性化反応を試みたところ,反応の初期段階では僅かな がら(z)-アリルスルホンが優先して生成することが分 かった(表3-Entryl-3)。そこで,次にアミン強塩基の DBUを用いて種々の溶媒中で同様な異,性化反応を試み たところ(Entry4-10),極性溶媒中では比較的容易に進 行することが分かった(Entry4,5)。特に,温和な条件 下における反応の初期段階ではz体のアリルスルホン がかなり高い選択性で得られた(例えばEntryll)。一方,

長時間の反応や,比較的高温での反応では,E体が優 先して得られることから(Entry3,13),(E)-ピニルス ルホンの塩基性条件下における異性化反応において に)‐アリルスルホンは速度論的生成物であり,(E)-ア リルスルホンは熱力学的生成物であることが明らかと なった23b)。

さらに(z)-ビニルスルホン23u25)やα-置換ビニルスル ホン23b)の異性化反応では,図15に示したように,五体 の場合とは異なり反応の初期段階から(E)-アリルスル ホンが優先して得られた。これらのビニルスルホンにお いては,図16に示したようにスルホニル基やα位の置 RヘーーTsNa04H20-=

HgCl2

蠣二銅'・型十力・トlRへ汁鳳-丁。

46,-95%

(2)

Fig.13

ることを試みた。しかし,結果的にこれは大変困難であ ることが分かった。そこで,図'4に示したように'一ア ルキン(47)のヨードスルホン化反応28)で得られる付加物 (48)を接触還元したところ,対応する(z)~ピニルスル ホン(49)が高収率.高選択的に得られることが分かっ た25)。

きて,以上のように昼z両異性体を立体選択的に合 成し分けることができたので,次にこれらのビニルスル ホンをアリルスルホンへ変換することを検討した。

周へ..|:iWi;;;;雨FR、

TsinM⑧OH,「.t・'2,5h TsNa゜4H20/I2

inAcOEVH20 r.t・'1.

49,96~98%

48】75-95%

Fig.14

47

Table3Conversionofvinylsulfonetoallylsulfone.

CH3(CHJ7ヘ/、〆Ts固…(2.q型LCH3(CH2)7ヘンペノTs

VA

Productsratio V:A(E/Z)

5:95(41/59)

3:97(63/37)

<1:>99(86/14)

3:97(30/70)

5:95(27/73)

29:71(18/82)

36:64(22/78)

54:46(21/79)

68:32(10/90)

94:6(20/80)

77:23(3/97)

4:96(22/78)

2:98(78/22)

CoT1rlitions Base

Entry

t-BuOK

ノノ ノノ

t-BuOH,30℃,

ノノ

/ノ

0.5h 2h l5h

l23l456789mlumⅢ

DBU

ノノ ノノ

CH3CN,r、t・’12h DMF,r,L,12h IrHF,r、t・’12h CH2Cl2’nt.,l2h dioxane,r上.,12h benzene,r、t、,12h CHCl3,r、t・’1211 CH3CN,-20°C,48h CH3CN,0℃,30h CH3CN,reflux,L5h

〃〃〃

(8)

有機合成化学第50巻第4号(1992) (42)

332

(Pseudoaromatization,55)による安定化を示したが2gal,

このことは換言すれば,遷移状態54のHAの方が,56 のHBより酸性度が大きいことを意味する。我々は,こ れらのコンホメーション変化に依存した酸性度を

"ConformationalAcidity"と呼ぶことを提案した幻.30)。

"8"7t効果"の原因としては他に,図18に示したように ひ(あるいは、)-ワ*相互作用(58)29b),分子内双極子_双 極子相互作用(59)29c),分子内水素結合(60)や,エステ ルなどの場合には非共有電子対間の静電的反発(61)29(1)

が,また,金属が反応に関与している場合にはキレーショ ンなどが考えられる。そこで本反応で見い出きれた"szm

DBu(2equiv.)

lnCH3CN,25°C 12h

RヘーーJs

E-form Zform

R/、ノ、Ts

R1 E-orZ-form

Rへ=、JS (1)

>95%(E/Z=Ca、30/70)

>94%⑯/Z=Ca、95/,

FF

R/、/kT召(2)

78~91%(OnlyE)

tBuOI((2cquiv.)

int-BUOHD30oC 24h

Fig.15

…)

梼巌一'-.-F)戸。

52,(E)-a-Substitutcd(Z)一form VinylSulfbne

RjijL〒<:デー澪鳳ヘンY、 b…〕I

53

に)-form

Fig.16

base)

50,(2)-VinylSulfbnc

ijf識

b、急ip

JiF<:

蝋IF:瀞'r瀞

`N:菱Ti扇fMf宝評鵠 螺へ觜。

換基と、位の水素原子の立体反発のために,(Z)-アリ ルスルホンを与える遷移状態(50や52)が困難であるた め,遷移状態51や53を経て反応が進行したものと考え られる。

さて,(E)‐ビニルスルホンからはなぜ立体的に不利 と考えられる(Z)-アリルスルホンが速度論的に優先し て得られるのであろうか?この理由として,いわゆる

"sg7z効果''29)が考えられる。即ち,Z体を与える遷移 状態(54)が,立体的に不利であるにもかかわらずE体 を与える遷移状態(56)よりも安定化される効果が存在す ると考える。図17では,メチル基(R=H)もしくはメチ レン基の超共役を考慮した6元電子系の擬似芳香化

61 62

Fig.18

効果,'の本質を明らかにする目的で,γ位に種々の置換 基を有するビニルスルホンを調製し,DBUによるアリ ルスルホンへの異性化反応を検討したところ,表4に示 したようにメチレン基(Entry2)よりはメチル基(Entry l)の方が,また,エトキシ基(Entry3)やフェノキシ基 (Entry4),クロロ基(EntrylO)はさらに効果的であるこ とが分かった30)。一方,オーブチル基(Entry7)やフェニ ル基(Entry8)は(E)-アリルスルホンのみを与えたが,

これは立体障害のために54のような8Z/〃型の遷移状態 をとれないためと考えられる。このようにγ置換基の 種類により“897,効果,,の程度が大きく異なることが明 らかとなった。しかし,これらの結果だけでは,γ置換 基に対する“82/7Z効果"の相対的程度を正確に決定する ことができなかったので,さらに7-二置換ピニルスル ホンを調製して同様にアリルスルホンへの異性化反応を 試みたところ(図19),表5のような結果が得られた。

これらの実験結果並びに詳細な経時変化の比較30b)から,

結局,γ置換基の"SZ/九効果"は図20の順番で減少する

一”一 群一〒》邪一一粁 蝋“紙 廠一一那.癖一一諏 嚇瀞鍬吟

(E)form

56 57

Fig.17

(9)

ビニル、アリルスルホンの立体選択的合成と"Sz/〃効果” 333

43)

表6に示したように反応の初期段階で特に高いZ選択 性が見られたa0u3I)。これらの結果は,基質のビニルスル ホン自体がsg7z型のコンホメーションを有している可 能性が考えられたので,69についてX線結晶構造解析 を行ったところ,図21の69bに示したように予想通り sz/冗型のコンホメーシヨンが確認された30u31)。この構 造を見ると超共役を考慮した6元電子系の擬似芳香化 ことが明らかとなった30)。

上述したように3-フェノキシー(69)および3-エトキシ ビニルスルホン(70)の"sg7L効果"は極めて大きいこと が確認されたが,それらの反応の経時変化を観察すると,

Table4Conversionof7-substitutedvinylsulfonesto thecorrespondingallylsulfones,

Base(2equivJ

Y~〆、/Ts->YヘンN/TsinCH3CN9r・L

VA

噸端1糾蛎 好一僻》一岼 聯》占騨{ 翻一一獅溌好一一呼》 いY艫いx鋼

Time

(h) Yield (%) (E/Z)

Entry Base CH3

C2H5 0qH5 0qH5 OCOCH3 CH(CH3L C(CHj3 C6H5 SCH3 Cl Br OC2H5

ttt EEE NNN UUUUUUUUU、唖唖BBBBBBBBBPPP DDDDDDDDDトト・庁

(15/85)

(24/76)

(4/96)

(3/97)

123456789mu⑫ 322237811446 14 229

96 89 quanL quanh decom- posed 92 98 quanL quant’

90 67 16

Fig.19 (57/43)

(allE)

(allE)

(76/24)

(4/96)

(21/79)

(allZ)

Ro-(R=cH3,qHs)三Aro-(Ar=p-cH30cbH4,p-cH3c6H4,c6Hテ,

p-NOzC6HJ三AcO-〉CI-≧Br->CH3〉CH3S-z-CH2-(cycnc

andacyclic)>(CH3)2CH->>(CH3)3C-,C6H『

Fig.20

Table5Conversionof7-disubstitutedvinylsulfonesto thecorrespondingallylsulIones.

Y〃丁。,!;鱗,:WIo箒VLT。

Entry XY Base Time/h Yield/% (E/Z)

CH3C2H51DBU

681(71/29)

OCH3CH3

ノノ 12 811(22/78)

OCH3 C2H5 ノノ 30 751(10/90)

-OCH2CH2CH2-

24 881(16/84)

OAcCH3

521(29/71)

OAcC2H5

24 601(20/80)

Cl CHqlZ-Pr2NEtllOO

931(12/88)

Cl C2H5

100 861(8/92)

Br CH3

120 771(13/87)

BT C2H5

10 96 591(9/91)

SCH3CH31DBU

11 quanLl(66/34)

SCH3C2H5

12 quant.’(49/51)

OCH3CH31d-Pr2NEtl72

13 noreaction

OCH3C2H5

14 48 noreaction

(10)

有機合成化学第50巻第4号(1992)

334 (44

(55b)による8972型のコンホメーションの安定化ばか りでなく,スルホニル基のα位のやや酸性のビニルプ ロトンと酸素原子上のsp2-軌道の非共有電子対間の水 素結合(60)が"sZ/、効果"の原因である可能性も考えら れた。そこで,関連化合物(71a)についても同様にX線 結晶構造解析を行ったところ,再びsg7z型のコンホメー ションが確認された(図21-71b)。この場合には,図に 見られるようにスルホニル基のα位のビニルプロトン とsp3酸素原子の非共有電子対との間の水素結合(60)は 可能であるが,sp2酸素の場合と異なり6兀電子系の擬 似芳香化(55b)による安定化は不可能である。従って,

3-フェノキシー(69)および3-エトキシビニルスルホン (70)並びに非共有電子対を有するγ置換基の顕著な

"SZ/72効果"は分子内水素結合(60)によるものと考える のが合理的であり,メチルチオ基の"82/〃効果"が比較 的小さい事実(図20参照)も理解できる。さらに,図22 の(式1)のように極めて高い(Z)-選択性を示した2-エ チル-1‐トシルー1-ブテン(72)や結晶化部位として2-ナ Table6Timecourseofconversionofγ_phenoxy-,and

7-ethoxyvinylsulfonestothecorresPonding allylsulfones・

ロ。ヘン、TolF:;J:鱒:←RC/=L1.

VA

E/Z lsolated total

yieldofA

(%)

Productsratio

TiTnp ratio

(E)-V (E)-A (Z)-A ofA

0mm 100

30丁、in Ni 97 3/971quant.

69,Ph 2h 97 3/97

l2h 0 月炉 96 4/96

96h 8- 92 8/92 0mm 100 301Tlln 27 71 3/97

lh 4/96

70,Et

2h ■⑰ 95 5/95 3h H1 95 5/95 97 72h H1 泣皿■P 4/96

~‐

72

㈱>坐i鑿Li

HH 75(syn-fbエュ17%)

…(Ⅱ

DBU(20quiv.)

inCH3CN,25.Cj20h

0年:D・卿,f器:;Q・幟。

73,quanL(E/Z=8/92)

=Ⅱ>=i>二M2)

△H=053(±0.42)kcWmolHH 76(skcw-fblm,83%)

BTT胃 71a

Fig.22

フチルスルホニル基を導入した末端オレフイン化合物 (74a)のX線結晶構造解析を行ったところ,いずれの場 合も8972型のコンホメーションが確認された(図21)。

前者は分子内水素結合の可能性が考えられない中性基質 の例として注目に値するが,これは55aのような擬似 芳香化による安定化の結果とも考えられる。後者の結果 はパッキングによる影響が大きいものと思われるが,ル ブテンの安定なコンホメーションはSg7z型(75)である との報告32劇)や,電子線回折,分子力場計算,MOCEDな どの結果ではskew型(76)の方が安定で,そのポピュ レーションは83%である(図22-(式2))32b)と報告され るなど議論が分かれているだけに興味深い結果である。

現在,“s”効果',の本質を更に解明するために,55と 等電子椛造を有するビニルスルホン誘導体(55c)のX線 結晶構造解析とそれらの溶液中におけるコンホメーショ

ンなどについて検討している。新たな知見が得られ次第,

s9b 7fb

『~~s~○○

02

好迩僅繍,

72a 74a

72b 74b

Fig.21

(11)

ビニル、アリルスルホンの立体選択的合成と"SZ/7z効果,, 335

(45

改めて報告したい。 R-(=/TO

p:rJきぃ卜帳ヅiw…

R=戸店

廓:HNrE/藺型。ヴ,-.〒

}鐵/原判r-

RJL/丁.R_>=/,sR83 87CH3S

Fig24 5。(E)-および(Z)-アリルスルホンの

立体選択的合成

上述したビニルスルホンからアリルスルホンへの異性 化反応において,(Z)-およびα-置換ビニルスルホンは それぞれ(E)-アリルスルホンを選択的に与えることが 明らかとなった(図15)。特に後者の場合には,出発の ビニルスルホンの立体化学には無関係にE体のみを選 択的に与えることから,この事実を図23-(式1)に示し たような(E)-アリルスルホン(79)の選択的合成法へ積 極的に応用したところ,高収率で目的物を得ることがで

きた33)。

R->=F

IH

80

周Jヒザ鐙間2.夢lWiB鑓cc,;鳳憾…

77 78 以上,ビニル,アリルスルホンの位置および立体選択6.おわりに 的合成法の開発と,ビニルスルホンのアリルスルホンへ の異性化反応で見い出・された"s”効果"の本質解明の ために行ったいくつかの実験的研究の概要を述べた。

このように立体選択的に合成されたビニル,アリルス ルホンは,はじめに述べたようにスルホン化合物に特徴 的な興味ある反応`性を有することから,有用な合成素材 としてさらに広く用いられることが期待される。また,

いわゆる立体障害の概念に反する"Sy7z効果"は,不飽 和結合を有する有機分子に備わっている固有な性質とも 考えられ,カルポニル化合物の安定なコンホメーショ ン35)とも関連して大変興味深い。このような考え方は,

新しい立体選択的反応の開発や実験結果の考察に有用な ものと思われる。

上述した研究結果は,小竹宏志名誉教授のご指導の下 で,木下英樹博士ならびに職員・学生諸君の協力を得て なされたものであり,著者は単にこれらの方々の努力の 結果をまとめたにすぎない。紙面をお借りして改めて感 謝申し上げる次第です。また,X線結晶構造解析につい ては,本学教養部の千田斉教授の御指導と,薬学部津 田喜典教授の御好意ならびに同研究室の木内文之博士,

細井深造博士の御援助により初めて可能となった。これ らの方々に深く感謝申し上げます。

(平成3年12月20日受理)

_且聖_>R、〆、rTs

lncH3cNCO2CH2CCl3 78,65-95%

i)Zn/AcOH ->

ii)△,-CO2 R、ジヘノTs(1)

79,79~94%

潟::::器鳳~>=<『。,凧:i::雨m-To

R-

…’0蛤:洲劉。、,…儲 L「『。(2)

HH 8289-97%

Fig.23

H2/Pd・BaSO4Fmo1%)

InMeOH'25゜C 0.5~2h

一方,(Z)-アリルスルホン(82)は図23-(式2)に示し たスキームに従って立体選択的に合成された。即ち,1‐

アルキンをヨードスルホン化して得られる付加物(80)を トリエチルアミンで処理したところプロパルギルスルホ ン誘導体(81)が高収率で得られた。これを接触還元する ことにより容易に(Z)-アリルスルホン(82)へ誘導する ことができた33)。

(E)-2-ヨード-1-トシルー1-アルケン(80)はこのよう にプロパルギルスルホン(81)や(Z)-アリルスルホン (82),前述の(Z)-ビニルスルホン(49)合成の有用な前 駆体となり得るばかりでなく,図24に示したように,

1-トシルー1-アルキン(83)や種々のβ-置換ビニルスルホ ン(84-86),β-ケトスルホン(87)などの合成のための有 用な前駆体となり得ることがわかったコイ)。

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12)H、Kotake,T・Yamamoto,H、Kinoshita,Cノw)L LCは.,1982,1331.他にスズヒドリドを用いるラ ジカル的脱スルホニル化反応も知られている。Y、

(13)

ビニル,アリルスルホンの立体選択的合成と“Sz/〃効果”

47) 337

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30a)K・Inomata,T・Hirata,H・Suhara1H.I(inoshita,

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31)I<、Inomata、T・Hil-ataY・Sasada、T・Asada,H、

参照

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