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延髄内電気刺戟によう胃並びに小腸の反応 附嘔吐中枢について

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延髄内電気刺戟によう胃並びに小腸の反応 附嘔吐中枢について

金沢大学医学部第一外科教室(主任 久留勝教授)

杉 原 外 於 夫

   8・ご・・8駕96乃αγα  (昭和29年5月12日 受付)

1.緒  古くLangley 29)は内臓えの遠心性刺{経支配

に交感並びに副交感の両系が存し互に拮抗的に 働くことを明らかにした.その後かかる内臓の 祠1経性二重支配の概念を知覚領域にも拡張しよ うと試みた学者はあったが,確実に 両者の解剖 学的分離に成功しπ者はなかった.

 1952年久留教授25)26)は先ず骨盤臓器につV・

て知覚性の二重支配の成立するととを実証さ れ,次いで石田16)と共に胸腹部臓器についても 同檬の二重支配の成立することを明らかにされ た.とれらの解剖学的事実と関聯し,山本51)並 びに武藤42)は夫々猫及び蛙について,その延髄

内血管蓮動中枢の位置を確定し,叉深谷11、は犬 を用いて延髄内にも亦骨盤内臓に対する自律紳 経中枢の存することを明らかにし得た.〜これら の諸中枢の位置は互に密接し,而も二:重支配に 関聯する求心性経路の絡末部位に近接して存在 することが明らかとなったので,ヒれらと腹部 臓器に対する自律紳経中枢との位置的関聯を知

るため,深谷の行ったと同様の操作で延髄を盲 目的に刺戟しつつ,胃腸の蓮動に現われる反応 を追跡し,〜二の両臓器に対する延髄内申枢の位 置を探索した.

II.研 究 方 法  実験動物としては,予め18時間以上紹食せしめた成

熟猫を使用した.猫の四肢を緊縛し実験台上に背位に 固定する.…欠いでエーテル麻醇の下に気管カニューレ を挿入し,両側総:理動脈を露出し,迷走神経及び渇感 蒜経を損傷せざるよ弓これより剥離した後,総頸動腋 を結紮する。次いで動物の固定を腹位に転じ,前頭部 より頸部に至る充分なる正中皮膚切開を加え,右側頭 筋を剥離し,側頭骨を開き,硬膜を切離後面を小脳天 幕に沿いて挿入し,四丘体の上丘及び下丘の略ζ申央 で脳幹を横断,それより吻側の頭蓋内容を全部取出 す.次いで後頭骨の一部を除去し,延髄を障碍せざる よう細心の注意を払いつつ,小脳を剥離別出し,第四 脳室底を露出する.

 胃及び小腸蓮動の観察はゴム球法によった.即ち室

腸上部に径1cm,長さ5cmのゴム球を腹:壁を通して 挿入し,叉胃内には内容約70ccのゴム球を経口的に 挿入し,これらをゴム管を以てMareyの描記盃に蓮 結し,夫々の内圧の変死を煤紙上に記録した.上述の 方法の外,4例に於てはクラーレ(1%溶液,2・0〜

2・5cc/k9)の翻脈内注射後,入工呼吸の下に実験を進 め,呼吸運動による身体の動揺による反応の変化を極 力除外することに努め,効果の正確な判定に資した 以上の準備操作の完了した後,約2時聞を経て,去脳 によるショック状態の恢復を待ち,刺戟実験を開姶し

た.

 刺戟には直径0・081nmの二極電極を用い,刺戟効果を 限局させるためこれを陰極側とし,非刺戟電極は切開 創の筋肉申に埋浸固定した.刺戟としてはThyratron

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制御の下に,電気容量0・1μ:Fの蓄電器放電門流を用 い,波高電圧0・7V,毎秒60回の頻度を条件とした.

先ず電極を盲目的に延髄内の種汝の部に刺入して上記 条件の下に刺戟を行い,反応の有無に関せず曲線を描 記したる後,直ちに電極の位置を変ずることなく,刺 戟電極を陽極側に変更し,0・2mAの直流を3秒聞通

電する.この如くすると刺戟部位はWeigert髄鞘染 色標本上で確実に追跡出来る微細な壊死集或いは二歩 として記録せられる.なお電極刺入部は延髄表面上に 墨を以て記録し置き3蓮続切片による刺戟部位の追跡 を容易ならしめた.

III.実験成績

 先ず上記の如き延髄の電気刺戟により,胃腸 蓮動に反応の現われる場合の時闇的関係を見る に,多くは刺戟直後か或いは5〜6秒後に変化 が現われるのを知る.小腸の場合は刺戟開始に 先だつて,その固有蓮動の曲線を記録し得る場 合が多V・が,胃に於ては軍に呼吸蓮動による変 化のみを描き,胃の運動に基因する固有の曲線 を描かなV・場合もある.約20秒聞刺戟して変化 の現われない場合は,反応なきものとして判定

した.

 延髄:の電気刺戟後観察される胃及び小腸の反 応には,次の如きものを区別するヒとが出来

る.

 1.促進作用

  イ)刺戟に応じて消化管内圧の上昇と共    に,既に存した蠕動の強化される場合.

  ロ)刺戟により全く灘止していた消化管に    蠕動の発来する場合.

 2.抑制作用

  刺戟により存在してV・た理化管押湯曲線が   抑制され,刺戟の平明と共に再び刺戟前の   運動に復帰する場合.

 3.刺戟と同時に促進作用を現わし,刺戟絡   了後より抑制作用の現われる場合.及びそ   の反対に,

 4,刺戟と同時に抑制作用が現われ,刺戟絡   了後促進作用の現われる場合.

 31例の実験に煽て得られた反応を,上記の分 類に従って記入すると附図の如くになる.(第

2図及び第3図)

 一般に延髄の刺戟により胃及び小腸の反応は 興行して現われるが,時として各々軍独に現わ

れるヒともある.しかし乍ら1回の刺戟に対 し,胃には促進作用,小腸には抑制作用という ように.全く相反する反応が現われた:場合はな

かつ1た.

 さて刺戟に対し促進反応を呈した部位は,顔 面紳経核下端附近より,係蹄交叉部附近に至る 延髄の範囲で,それより吻側の脳幹の刺戟で反 応を認めた例は一例もなく,門門蹄交叉部より 錐体交叉部附近までの範囲では,時に中心友白 質附近の刺戟に際し,軽度の反応を記録し得た 場合があ尋が,著明なものは得られなかった.

著明な促進反応を以て応ずる場所は,友白翼上 端部附近から閂の直下に至る範囲の孤束周辺の 友白質,及びその腹側或V・は腹外側の網檬織内

に特に密集して存在するととを知った.これら の点は四白翼上端より吻側の高さ(第3図A)

では,前庭紳経内側核と外側核の略ζ中置附近 に密集するのを認め,孤束の現われ始める高さ

(第3図:B)でも略ヒ同様の位置を示すが,ヒの 附近より尾側では漸次孤束に直接した友白質及 び網様織中の上記位置に密集して来る傾向を示 す.迷走神経根の刺戟で丁子の反応を記録し得 た場合もある.第8棘経根の進入部と筆尖との 中間の高さ(第3図C)では,特に強く孤束周 辺に密集するが,その外なお孤束の腹内側に隣 接する網様織内にも散在して認められる.一般 に尾側に向うに従い,促進反応を以て応ずる点 は漸次内方に移動する傾向を示すのは孤束自体 が内方に移動する事実と密接な関係に立つこと はV・うまでもない,菱歌窩より猫延髄を見,そ の面に反応点を投影する場合,孤束の走行に干 解して,その外方に位置する一本の柱を形成す

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延髄内電気刺戟による胃並びに小腸の反応 331

るのを知る.(第2図)

 刺戟に対し著明な抑制反応を以て応ずる部位 の分布は,促進反応を以て応ずる部位の分布よ

り脳幹の軸に対してその範囲断徐狭く,顔面 納経核の高さ及び係蹄交叉:部附近では僅少に認 められるに過ぎない.叉孤束に対する位置的関 係も異なり,後者が孤束に近接して存するに反

し,前者は延髄の深V・網様織内に大部分存在 し,且つ密集する傾向が梢ミ少ない.しかし乍 ら一般的にいって,孤束の現われ始める高さか ら浩:失するまでの範囲に多く,而も孤束の腹側 及び腹外側の網檬織内に比較的多く存在する.

特に友白翼の中央部より尾側では,三叉紳経脊 髄根核の内方に存する白色網様織にかなりのひ ろがりを以て分布する傾向を示す.少数のもの はその外孤束周辺の促進反応点の密集部の申に

混じて:存在する.

 促進後抑制反応を,或いは反対に抑制後促進 反応を呈した点はその数も少なく,且つ特有の 分布を示さす,上述の両反応点の中に混在する ととから,恐らくは刺戟の強さで,両反応を引 きつづいて現わしたものと解さるべく,更に嚴 密な実験条件の下では,両反応は区別して現わ るべきものではないかと考えられる.

 上記部位以外の場所,特に8urdach氏核,

Goll氏核,オリーブ核,三叉二才経脊髄根並びに

同平等既知め友白質或いは繊維束の刺戟では,

例外的に軽度の反応の得られたヒともあるが,

一般的には反応を認め得なかったといってよ

v・.

 以上の外,同一の電気刺戟に対し,定型的な 嘔吐反応を以て応じた個所が8個見られ1た.か かる点はその数が少なく,その分布範囲にりい て詳細な点を記載することが出来ないが,孤束 の存在する範囲で,その周辺の友白質並びにそ れに隣i接する網様織内に存在することは確実で ある.延髄内のその他の如何なる部位の刺戟に よっても,嘔吐を来たしたことはなかった.い うまでもなく嘔吐反応は電気刺戟により惹起さ れた弧制的の咳漱反射等とは嚴密に区別されな ければならない.上述の記載からヒの種嘔吐反 応を以て応じた場所が,促進反応を呈した:部位 の中に包含されるらしいととは推定されるが,

如何なる持合に軍純な促進反応に止り,如何な る場合に定型的な嘔吐反応にまで発展するかの 問題は,現在の所不明である.

 以上の結果を総括するに,一般に刺戟が延髄 の孤束を含む次白質及びその近傍の網檬織内に 及んだ時は促進反応を呈し,更に深く三叉爆撃 脊髄野望内側の白色網様織内に及んだ時に抑制 反応を呈するものといえる.

Iv.胃並びに小腸運動中枢に関する丈献の回顧  胃及び小腸等の浩化管は,一方その筋暦に自

律機構を有し,夫々に固有の緊張及び蓮動を保 持するものであるが,他方ヌ迷走紳経及び内臓 紳経を介して,高位の中枢より紳経支配を受け ていることは周知の如くである.胃及び小腸時 下に関する高位の中枢として,実験的研究から 現往象でに指摘せられているものは,大脳皮 質親子下部,小脳,延髄及び脊髄の5ヵ所で

ある.

 1889年Openchowski 36)が家兎,犬及び猫を 用い,鐸学的実験から主として四丘体に胃の

すべての部分の二二申枢が春在するが,その外 脊髄(第5胸髄までの上部脊髄)にも噴門並び に胃体部の抑制申枢が存在することを指摘し,

叉大脳皮質及び聞脳も夫々噴門及び幽門の響動 に関係するととを報告して以来,下部脳幹に溝 化管蓮動申枢を求める学者が少なくないが,特 に1905年Kosaka u.』Yagita 22)は犬及び家兎の 迷走紳経胃枝切断後の逆行性変化の追求から,

その起始細胞を迷走示申経背側核に求めて以来,

一般に胃並びに小腸運動の延髄内中枢は,迷走 棘経背側核にありと考えられるに到つπ.

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332

 さてTrendelenburg&Fleischhauser 44)(1913)

は家兎で糖穿刺の研究中,第四脳室底の刺戟は 腸管i運動を抑制せす,却って:充進せしめるヒと が多いのを知つ1た.Miller 33)(1916)は箪極電極 を使用し,犬の延髄を電気的に刺戟して胃腸運 動反応を追求し,噴門に対する抑制中枢及び胃 並びに小腸に対する蓮動中枢を,三白翼下の迷 走紳経背側核にありとなした.同年Mi】!er&

Sherrington 34)は猫の大脳並びに小脳を除去し た後,第四脳室底を露出し,その:Fovea inferior に径のかなり太い電極を当て,弱電流で刺戟し て,定型的な嚥下運動の発生を記録し得たが,

ヒの場所は孤束が第四脳室底に最も近接する所 であるので,ヒの結果が如何なる組織の刺戟と 解釈すべきかの問題は保留した.Laughton 30)

(1929)はエーテル麻醇下で第3頸髄の高さで脊 髄:を劫凹した猫に於て,輩極電極を第四脳室 底に穿刺して刺戟実験を行い,迷走紳経背側核 の吻側牟を刺戟する時は一・般に胃の二二を来す が,若しその場合胃がhypeftonicの三態にあ れば,却って緊張の低下を来すと結論した.彼 は迷走紳経背側核の吻側牛の近傍,或いは同高 尾二野の刺戟を以てしては,何らの反応を記録 し得なかったとV・う.Issekutz 17)(1934)は1家兎 及び猫の延髄を電気的に刺戟する時は,小腸の 蠕動及び緊張の減少を来すが,この時延髄下端 で脊髄を切断するか,叉は腹腔二野節にニコチ ンを塗布する時は,是の如き交感紳経的作用 は現われす,却って小腸の蠕動及び緊張の二進 を来すと読き,而も後者は迷走丁丁の切断によ り現われなくなると述べている.Chen, Lim,

Wang&Yi g)(1936)は迷走写経を切断せる犬 で,Ranso11&Billingsley 37)の血圧上昇点を刺 戟し,血圧の上昇と共に各種臓器について交感 四竹的作用の発現を認め得たが,この際同時に 小腸には著明な内圧の低下と運動の抑制とを確 認し得たという.二等はその後図に研究を進

め,この種:の交感門経的作用は,覗床下部の有 無に干せす証明し得られ,而も中枢刺戟の際に 得られるものも,坐骨棘経切断端中枢剣の刺戟

の際に得られるものと同一であり,何れの場合 も第2頸髄で脊髄を横断した場合に障碍せられ る点より,交感紳経反射申枢は延髄に存在する ものと結論し,而もこれは血圧上昇点に一致す るものであると蓮;べた.しかし乍らその後の論 文で,反応を現わす部位は血圧上昇点のみに限 局するものでなく,その近傍にかなりの拡がり を持つものであることを証明した.

 本邦に当ても延髄と浩化管との関係を直接に 見ようと試みた者に亥の諸氏がある.先ず高橋 41)は家兎の第四脳室底を針で刺しつつ,溝化管 の反応を検索し,筆尖より吻側で迷走紳経背側 核の申央部までの背側核,Roller氏核及び背側 核の吻側端より尾側方に存する三角三等の機械 的刺戟は,胃の牧縮二二を引き起すことを報 じ,次いで楠等27)も家兎の後頭下穿刺で明らか に胃三二の発生するのを見たが,荒川1)は上記 実験を追試して,との反応は背側核の存する乱 丁翼を穿刺する場合起るととを確め,この附近 に延髄の胃蓮動中枢を求めた.長田35)は家兎及 び猫を使用して,延髄に電気刺戟を加え,一般 に小腸に対する抑制作用を認め得たが,稀には 最初から小腸に一過性の興奮を来すこともあり

と述べた.脊髄及び迷走祠1経切断の結果に関し ては:,彼はIssekutzと同様の結論に到達して

V・る。

 以上諸家の生理学的実験成績よりしても,延 髄の申に浩化管運動に対する中枢の存在すると

とは確実である.

 勿論延髄より高位の中枢示申経申に浩化管の蓮:

動中枢を求めた研究は極めて多い.大脳と胃

及び小腸との関係を求めた者には:,Watts 49),

Sheehan 39),{King 19), :Bailey&Bremer 3),

Mettler, Mettler&Culler 32),:Babkln&Kite 2)

等多数あり,その結果は区々で,未だ一致.した 結論に到達しないが,S字歌廻転並びに前乱丁 領が二化管蓮動に関係を有する点では異論が少 なV・.これら領域の刺戟により,促進的作用を 見るヒともあるが,一般には抑制的作用を呈す るととが多く,叉これらの部の切除叉は去脳に

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廷鷺内電気刺戟による曽並びに小腸の反応 333

よつて,消化管運動は梢ミ充進ずるか,或V・は 略ζ正常の歌態に止るととまり,これら部位は 下位の中枢に対し寧ろ抑制的影響を与えるもの と考える人が多い.Carlson 9)(1911)国は夙に精 子的刺戟が室腹時の二二動に対し抑制的に働く

ことを指摘している.

 覗床下部について:も多数学者の研究があり,

特にこの部の刺戟が諸種器官に及ぼす交感紳経 的作用と共に,胃腸管に対する影響が論ぜられ た.ヒの問題に関してはWatts&:Fulton 50),

:Beattie& Sheehan 4), Crouch&EUiott lo),

Ranson,:Kabat&Magoun 38),黒津23),原13),

篠i崎40、,準由15》,Babkin&Kite 2)等多数の報

告がある.

 その他楠一門28)は,家兎に於てピクロトキシ ンの注射が中枢性に胃,小腸,下行結腸及び直 腸,膀胱の運動を抑制することより,橋核の尾 部に交感二二性内臓蓮動中枢を求めて,迷走紳 経性内臓三二申枢に対立するものと仮定した.

 以上簡輩に大脳皮質及び覗床下部の下位申枢 に対する作用を抄録したが,大多数の学者がこ れら上位申枢の延髄に主としてある下位中枢に 対する影響は抑制的乃至調節的であるとなす点 は上述の如くである.:Babkin等の最近の大脳 皮:質及び覗床下二等の輩下破壊実験よりの結果 も,上述の結論を支持するものの如くである.

V.嘔吐中枢に関する文献の回顧,並びに自家実験成績に対する考按  嘔吐は呼吸器系,循環器系,混化管の外横紋

筋系の複雑な協同を必要とする反射蓮動であっ て,牧縮或いは拡張の如き比較的輩一な胃の蓮 動とは大にその趣を異にする.1865年Glannuzzi 12)が初めて吐酒石を用いた動物実験の結果よ

り,脳幹に嘔吐中枢の存在を推定して以来,本 反射の構成の分析に大きな手がかりが与えられ た.1891年Thu!nas 43)は犬の脳幹を切断しつ つ中梱生吐剤(塩酸アポモルヒネ)を使用「して 嘔吐反応の出現を検し,第四脳室底で筆尖を中 心として吻側2mm,、尾側3mmに及ぶ延髄の 範囲で,ヤ正中線の両側に亘る幅2mmの場所 及びその深部組織に嘔吐中枢の所在を求めた.

Openchowski 33)は:犬を用いての実験より,四丘 体が嘔吐に対し重要な位置を占めるヒとを主張

したが,K]ee 2りは大脳を除去せる猫に於ても,

依然嘔吐反射の発生を見るこきより,嘔吐中 枢の位置を延髄内に求めた.1924年に至り Hat¢her&Weiss 14)はThumas並びにOpen−

chowskiの実験を猫及び犬を用いて追試して全 く異なった結果を得彼等の結論を否定すると 共に新しい仮読を提起した。一両氏によれば迷走 紳経知覚核を両側性に破壌した動物に於ては中 枢性吐剤に対しても,末梢性吐剤(ストロファ

ンチン,昇蒙)に対しても反応を証明し得なく なるという.品等は嘔吐反射機構の解剖学的並 びに生理学的分析から,該反射には一の整合的 証枢が必要であるとなし,とれを迷走心経知覚 核内に求めた.Thumasの嘔吐申枢は解剖学的 にこめ位置に近いものであるという.しかしな がら1930年:Kappanyi 18)はHatcher&Weiss の実験を犬を用いて追試し,三等の嘔吐中枢の 近傍に排便中枢を証明すると共に,次の如き興 味ある事実を発見して,その読明に苦しんだ.

即ち迷走神経知覚核を含む三白翼並びにその近 傍の二丁は,中枢性吐剤に対する反応を消失せ しめるが,末梢性吐剤(硫酸銅)の経口的投与 による嘔吐反射には少しの影響も与えないと》・

う事実である.1950年に至りWang&Borison 46)は大脳を除去せる猫に於て,延髄の限局性電 気刺戟を以てする嘔吐反射の誘発に成功した が,かかる部位の位置は孤束並びに孤束核を含 む網二二め背外側の辺縁の小部分に限局すると いう.中枢性並びに末梢性吐剤を用いての犬延 髄の部分切除実験及び破壊実験47)よりの結果 も,上蓮の結論を支持す るものであるという.

二等は電気刺戟に反応しないという一事を以 て,Thllmas並びに1恥tcher&Weissが記載

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334 杉  ●

した場所が嘔吐反射に重要でないというもので はないが,前述の延髄外側網様織の限局した部 分以外に,脳幹の如何なる場所を電気刺戟して 竜,嘔吐反応を来すことの}ないととより,上 記場所は嘔吐反射に対し晶の整合的中枢をな すものであると結論した.しかし乍らWang

&:BoriSo11以前の研究者,たとえばMiller&

Sherrington (上記), Laug耽ton (上記)及び Walton, Moore&Graham 45)等は何れも氏等

「の指摘した部位の近傍を電気的に刺戟している が,嘔吐反応の誘発には成功していなV・.

 上述の如く嘔吐反応に関する私の得完結果 は,大体Wang&:Borisonの得た成績に一致 し,Thumas並び:にHatcher&Welssにより 示された場所の電気刺戟で,嘔吐を認め得たこ とは一度もなかった.Wang&Borisonが既に 指摘している如く,嘔吐中枢が流挺,嚥下,痙 攣的呼吸蓮動,強制吸気等に関聯する他の申枢 の眞中に所在することは,嘔吐反射そのものが 示す諸器官の複:雑な協同的作用を考慮:に入れる 時,極めて当然のことである.

 ここに従来指摘されなかった大きな一つの解 剖学的事実がある.それは側索を上行する胸腰 髄延髄路16)が孤束と密接な関係を示しつつ,上 記嘔吐中枢の近傍に絡興する事実である.先に 久留教授24)は,弔歌痛と共に激しい胃発症を訴 えている脊髄瘍患者に,延髄側索の両側性切断 を断行された所,嘔吐発作が即座に叉永続的に 消失した例を報告された.その後の研究より,

この例に於ける胃発症の原因をなしたものは,

下部胸髄後根中の病変で,これら繊維がネウロ

ン接鎖を営むものは,実に上記の胸腰髄延髄路

であるととが判明したが,之の事実は嘔吐中枢 の閑歩に対し大きな意義を持つ竜のでなければ ならなめ.

 Borison&Wapg 6)のその後の研究によれば,

:先に.Hatcher&Weissにより示された場所は,

実は嘔吐中枢そのものではなく,嘔吐中枢に対 するchelnoreceptor trigger zone(C・T・Zone)

であるとV・う1即ちこの部の破壌では,動物は 前述の如く中枢性吐剤に対しては反応を示さな いが,末梢性吐剤の刺戟には依然として反応を 示すのである.而して嘔吐は,それを引き起す 刺戟が末梢性であろうと,或いは中枢性であろ うと,種々の反射の蓮鎖を通じて発生する点に 於て同一である.この見解に従えば,アポモル

ヒネは直接嘔吐中枢に作用するものでなく,先 ずC.:F.Zoneに働き,●これを介して更に刺戟 が嘔吐中枢に到るものであり,硫酸銅の如き,

末梢性の刺戟はC.T. Zoneを経由せす,直接 嘔吐中枢に到るものと解釈さるべきである.

Borlson&:Brizzer 5)は組織学的検索より,犬及 び猫に於てC.T. Zoneよ.り孤束核:へ向う粗な 繊維結合を証明.し,且つC.T. Zoneは群群翼 の脊側に位置し,迷走紳経知覚核と前庭紳経脊 髄根との間にありて,Area postremaに近接す ると述べている.との位置は恰も胸腰髄延髄路 の絡末部位であることは極めて:注目を要する.

かくの如く考察を進める時,Hatcher&Weiss の精緻な実験,これが追試より発生したK:a−

ppanyiの疑問,及び最近の切除実験を併用す る電気刺戟実験の結果の相互の闇の矛盾は,一 応無理なく論明されるのではあるまいか.

VI.自家実験成績に対する考察  私の実験で従来の研究者のそれと異なる点

は,刺戟時の1伏態を可及的輩一な同一条件とす るため,エーテル麻県下に去脳を行い,去脳後 一定時闇を経て無町端で実験を途例した点であ る.毎回同一の程度で麻醇を行うことは至難で

あるのみならす,麻醇剤が引戸の刺戟効果に及 ぼす影響な決してこれを無想するととは出来な 矯.殊にバルビタール系薬物は胃蓮動中枢を麻 痺せしめるので1)46),この種実験に峠極めて不 適当である.軽水クロラールにも類似の作用が

(7)

延髄内電気刺戟による胃並びに小腸の反応 335

ある1)といわれて:いる.㍉去脳は大いにこれらの 諸因子を除去し得るのみならす,大脳皮質及び 覗床下:部の影響を完全に除外出来る点から,延 髄内に於ける内臓中枢の探察には不可欠の手技

と思う.しかし乍らζこで門下自体の滑化管に 対する:影響が一応考慮されなければならなV・・

上述の如く丁丁によって,一般に消化管の運動 乃至緊張鷹梢ヒ充進ずるものとされているが,

Klee 20)は去脳後も延髄の消化管に及ぼす影響 は正常であるといい,原は一時その機能は失調 1伏態になるが,漸次正常に復帰すると述べ,

M Crea&M Swiney 31)に至っては去脳,去 頭,脊髄切断を行うも,末梢増置刺戟の効果に は変化がないとさえ主張している.以上のヒと から延髄自体の機能を論ずる立場からは,去脳 の影響は除外してもさしっかいないものと考え

る.

 さて上述の如く刺戟効果の判定にはゴム球脚 を下用した.本法はゴム球が伸展刺戟を腸壁に 及ぼす点と,直接蓮動を観察し得ない点とを欠 点とするが,刺戟による腸壁の緊張度及び周期 牛牧縮の変化を長期に亘って微細に描写し得る 利点がある.消化管に対する紳経刺戟の効果 が,その壁の緊張度によって影響を受けるヒと

はいうまでもない.従って私の実験はすべて胃 並びに小腸の内容が室罪なととを確めた後行っ た.次に刺戟の方法について一言するに,山本 が敏室に於て血管運動中枢を探究して以来,敏 室では延髄刺戟実験にはすべて同一電極並びに 刺戟源を使用している.かくの如き微細電極 で,Thyratエon制御の下に微弱電流を以て刺戟 する時は,僅かに1mmの距離的差異も明らか に異なった反応を現わすことが多い事実より,

我々の実験に用いた刺戟は前記諸家のものより 遙かに微弱であり,従って組.織障碍の程度も比 較にならぬ穆僅少である.刺戟した部位の嚴密 な判定には,との種の注意の不可欠なのは申す までもない所である.刺戟部位の組織学的判別 に対して払った我々の綿密な注意も,従来の報 告には類を見ない程度のものである〜二とを附言

し度い.

 上記研究者の多くは,延髄に於ける消化管蓮 動中枢の位置を憎きして迷走丁丁背側核に求め ている点で一致している.しかし乍らMiUer,

Laughton,荒川等が電気的刺戟実験より明らか に学僧を軍門に指摘しているのに対し,高橋は 更にRoller氏核並びに三角核をもこれら中枢 中に含めようとしている.これらの実験中,

Laughtonの実験方法は比較的私の実験の方法 と類似しているが,脊髄を切断して交感紳経作 用を遮断した点は著しく異なり,而も研究の範 囲が延髄全般に広く行き亘っていない.そして MIIIer&Sherrlngtonも同様であるが,刺戟部 の検索が箪なる剛毛の刺入に依存し,それによ って作られ「た孔の組織学的検索によっている点 は,甚だしく精確さを欠くものといわねばなら ぬ.又氏は背側核の吻側牛の電気的刺戟が胃の 抑制叉は促進的効果を来す事実より,迷走紳門 内に含まれる抑制並びに促進繊維の起源を該核 に求めているが,M Crea&M Swlneyの研 究,特に内臓紳経切断端末梢の刺戟効果がその 時の支配臓器の緊張如何によりて著しく相異

し,若し刺戟四型がhypertonicの三態にあれ ば緊張の減退と蓮動停止を来すに反し,hypげ tonicであれば胃内圧の上昇を来すと述べてい る点を参照する時,その結論は甚だ疑問覗され ねばならぬ.消化管内容乃至内圧が刺戟効果

に及ぼす:影響につ\(ては,Sheehan, Carlson,

CannOn 7)等の記載を参照せねばならぬ.

 前記諸氏に共通して,胃或いは小腸に対する 蓮動申枢を軍一核或いは軍一細胞集団に求めよ うとしているのに反し,私の実験結果からして かかる機能を一つの紳経学的構造箪位に求める

ととは困難であった.との点に関して:は,1936 年に発表されたChen等の実験成績は,迷走紳 経が切断されておしり,その検i素範囲も狡く,加 うるに組織学的検索も充分でない点から,嚴密 な意味の比較対照は困難であるが,なお且つ延 髄に於ける交感祠1経中枢を一つの紳経学的構造 箪位に求めす,血圧上昇点並びにその近傍に求

(8)

336

め允点に於て私の共鳴を禁じ得ない所がある.

更に同年発表されたWaD9&RansOI138)の実 験からの結論に至っては,支配臓器に相異する 所ありと雌も,一暦示嵯に富むものといえよ

う.庚等は猫の下部脳幹の電気刺戟によって血 圧,瞳孔,膀胱等に対する影響を検している が,その中膀胱のみを取り上げて見ても,反応 を現わす部位の興りは中脳から延髄下端に至っ ているのである.上述の如く私の実験に於ては 深谷の場合と同じく,Wang&Ransonの実験 より遙かに限局して:反応を現わす点が証明せら れ1たが,とれは刺戟に用いた電極の細さ並びに それに関聯して刺戟電流の徴弱なこ.とに帰因す

るものと信ずる.一般にWang&Ransonが 既に述べている如く,ある一定の刺戟で反応が 得られたとしても,その刺戟が果して求心性の 繊維に働いたのか,遠心性の繊維に働いたの か,或V・は叉は細胞に向って作用し允のかの決

定は只今の所殆んど不可能なのである.私の実 験に於ては,去脳により大脳皮質及び覗床下部 等の及ぼす影響は除外せられている上,刺戟に 対し反応を以て:応じた点は延髄の比較的限局し

%部位に密集しているから,とれらの部位に胃 及び小腸に対する低位の蓮動中枢を求めること は不自然でなかろうと信ずる.そしてこれら反『

応を示した部位が先に山本によって実証せられ た血管蓮動申枢の近傍に,或いは一部これと重:

なり合って存在する点は,食飼撮取及び黒化時 に於ける胃腸管の導車の増張及び血液供給の増 大等を考える時極めて当然のととと考えられる のである.而も促進反応を呈する部と抑制反施 を呈する部とが互に或る程度嚴密に区別された ととは,この部に内臓知覚伝達に関与する両繊 維束即ち迷走祠1経知覚根並びに胸腰髄延髄路が 共に終末するという解剖学的事実と共に,極め て興味深い事柄とV・わねばならない.

VII.結  18時聞以上縄食せしめた猫31匹に於て,エー テル軽舟後,大脳並びに小脳を除去し,露出せ られた第四脳室底を通じて,延髄の種々の深さ に太さ0・08mmの軍馬電極を刺入し,0・1μ:F の蓄電器放電電流(波高電圧0.7V.,刺戟頻 度毎秒60回)でThyratron制御の下に刺戟を 加え,ゴム球法により煤紙上に描記せしめた胃 及び小腸蓮動の変化を記録観察した.反応の有 無に遷せす刺戟部には直流を通1ン」・孔を開け,

組織学的にとれを追求検索した.

 一般に胃及び小腸の反応は獣行して現われる が,時に各々輩独に現われるとともある.

 刺戟に対し促進的反応を以て応じた部位は,

顔面棘経核下端より係蹄交叉部附近に至る延髄 の範囲に存し,特に閂直下より劇毒翼上端に及

ぶ範囲の孤束周辺の友白質及びその腹側或いは 腹外側の網様織内に密集して存在するのを認 め,抑制的反応を以て応じた部位は,略ζ孤束 の全長に亘りその周辺並びに三叉紳経脊髄離核 内方の白色網檬織内に存在するのを確認した.

 促進的反応を呈した部位の刺戟に際し,著明 な嘔吐を随製した場合が少数ながらある.胸腰 髄延髄路が上記促進並びに抑制反応点の密集部 位の近傍に終末する事実と,上述の結果とを対 照しつつ,嘔吐反射の構成に関し若干の考察を 加えた.    

 欄筆するに当り,終始御懇篤なる御指導並びに御鞭 握を賜わり,且つ御校閲を辱5せる恩師久留敢授に深 甚の謝意を捧げるものである.なお敢室員山本博士の 御助力を感謝する.

主 要 文 献

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(9)

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三128 (1952)

(11)

杉原論 文 附 圖

(1)

1.促進 反 応

イ)

上段 胃運動曲線 上段 小腸蓮勤曲線

1目盛6秒

刺戟部

蒸籠β  ♂メ漣

。・繋ぐへ詠

ミ曝距隙 礎.

    ぎ》

露k㌧ ㍉穫

ロ)

上段 胃運動曲線 下段 小腸運動曲線

1目盛6秒

刺戟部

 ㌣職.,

糠1潔

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 響獲  詠糊

。・艨A慶  炉 舘夢  ゴ蒙デ

歯、・嘱

(12)

杉原論文 附 圖

(2)

II.抑制反応

刺戟部

上段胃運動曲線 1目盛6秒 下段 小腸運動曲線

第 2 図  猫延髄における胃,小腸反応点分布模式図

Q Q

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A     4

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A

B

C

D−

E

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H

●  促進反応 ▲  抑制反応

(13)

杉原論文附圖

(3)

第 3 図  猫延髄各横断面における胃,小腸反応

B

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嘔吐反応 促進反応

刺戟時促進反応,刺戟後抑制反応

抑制反応

刺戟時抑制反応,刺戟後促進反応

Ac 灰 白 翼 Fn 顔面神経核 Io 下オリPプ核

Lves前庭西経外側核 Mves前庭紳経内側核

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:Ncue外側模状核

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(14)

杉原論文附圖

(4)

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参照

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