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日本糖尿病学会誌第57巻臨時増刊号

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Academic year: 2021

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I−P−1

2型糖尿病におけるインスリンデグルデクの有効性につい ての検討 田村 遥1,山川 1,渡辺 宏美1,千葉ゆかり1,鈴木 1 永倉 穣1,重松絵理奈1,寺内 康夫2 横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌糖尿病内科1,横浜市立大学大学院医 学研究科分子内分泌・糖尿病内科学2 <目的>2型糖尿病患者におけるインスリンデグルデクの有効性を検討す る.<方法>外来通院中のインスリン使用中の2型糖尿病22例に対し,既存 の基礎インスリンからIDegに変更し,12週まで観察した.<成績>IDeg投 与開始前,4,8,12週間後のHbA1cは9.3±1.5%,9.1±1.5%,8.8±1.6%, 8.6±1.5%と低下傾向を認めるものの,有意差は認めなかった.血糖,体重 も同様であった.基礎インスリン総投与量は投与前20.3±12.5単位,12週間 後15.8±7.6単位まで減少したが差はなかった.インスリン総投与量は投与 前40.5±20.7単位,切り替え時38.1±20.0単位,4週35.9±19.3単位,8週34.7± 18.8単位,12週28.8±19.0単位と投与単位数は減少し,12週間後は投与前と 比較して有意差を認めた(P<0.05).<結論>IDeg使用開始により,HbA1 c,体重を悪化させずにインスリン総投与単位数を減量させる可能性が考え られる.[HbA1c:NGSP値]

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インスリンデグルデクの効果発現までの期間に関する検討 清水 淳一1,堀井 剛史1,有野 1,沖杉 真理2,川崎 麻紀2 富田 益臣2,壁谷 悠介2,香月 健志2,加藤 清恵2,及川 洋一2 島田 朗2 東京都済生会中央病院薬剤部1,東京都済生会中央病院内科2 【目的】インスリンデグルデク(以下;デグルデク)の効果発現までの日数 と予測通りに血糖が低下しやすい症例に特徴がないか調査した. 【対象と方法】2013年4月以降,入院にてデグルデクが導入された16例を対 象に各食前の血糖値などを投与開始日から4日後までの合計5日間にわたり 後ろ向きにカルテ調査を行った. 【結果】全症例の解析で,投与開始日に対して投与2,3,4日後で有意の差 を持って各食前の血糖値の平均が低下した.インスリン枯渇状態の患者も 同様に,投与3,4日後で低下していた.どの群の比較においてもデグルデ クの使用量に有意差はみられなかった. 【考察】インスリン分泌が枯渇状態に近い患者でデグルデクは,血中濃度と 同様に投与開始2日目から効果を発揮し,3日目でほぼ定常状態になってい ることが予測された.インスリン増量には2から3日かけていく必要性が考 えられた.

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持効型溶解インスリン デグルデクの有効性と安全性の検 討 木原 康之,永井 裕子 北九州総合病院糖尿病内科 【目的】糖尿病患者に対するデグルデク(D)の有効性と安全性を検討した. 【方法】対象は糖尿病患者45例,他の持効型インスリン(Ins)からの変更 では変更前10単位以上では80%に減量,10単位未満で変更なし.検討1:D 開始前後の血糖値,低血糖回数を検討.検討2:5ヶ月以上使用した患者22 例のHbA1c,Ins使用量を検討.【結果】検討1:5日後,7日後の朝食前血糖 は有意に低下した.低血糖回数は変更前後で差がなかった.持効型Ins量は 変更前8.3単位から,7日後に7.7単位まで減少傾向にあった.検討2:3ヶ月 後のHbA1cは7.2%に有意に低下した.持効型Ins使用量は5ヶ月後に11.0単 位と増加傾向がみられたが,Ins使用全体量は5ヶ月後に16.6単位と減少傾向 がみられた.Dに変更後,入院を要する低血糖はみられなかった.【総括】 Dは糖尿病患者に重篤な低血糖を起こすことなく,血糖値を改善すること が示された.[HbA1c:NGSP値]

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デグルデク切り替えについての実態調査―瀬戸内2型糖尿 病治療研究会― 吉田 淳1 ,岡 悟2 ,福田 哲也2 ,松岡 孝3 ,中田 憲一4 中塔 辰明5,箱田 知美6,牧山 政雄7 香川県立中央病院糖尿病内科1 ,心臓病センター榊原病院糖尿病内科2 ,倉敷中央病院糖 尿病内科3,光生病院内科4,岡山済生会総合病院糖尿病センター5,日本鋼管福山病院 内科6 ,津山中央記念病院内科7 【目的】他の基礎インスリン製剤からインスリン・デグルデク(Deg)への切 り替えについての後ろ向き実態調査 【対象】外来で基礎インスリンをDegに切り替えた,頻回注射(MDI)または Basal1回注射(BOT)中の2型糖尿病.症例数は43(男29:女14),年齢67±10 歳,罹病期間19±9年,BMI 23.5±3.5kg!m2 (mean±SD),MDI 38,BOT 5. 【方法】Deg切り替え後からの自己血糖測定値(SMBG),HbA1c,低血糖を 評価.変更時にはBolusの用量調整や併用薬の変更は原則行わず. 【結果】0週と12週の値は朝食前SMBG139±35→124±27(P=0.01),HbA1c 7.5±1.0%→7.2±1.0%(P=0.13)と改善.12週後にHbA1c改善した群(E群) 25例,不変もしくは悪化群(I群)18例にわけると,Deg投与量はE群10.2±6.3 単位,I群12.3±6.3単位(P=0.30)で,低血糖はE群4例,I群6例(P=0.09). 【結語】低血糖になる症例では,HbA1c改善が困難.[HbA1c:NGSP値]

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持効型インスリンデグルデクのインスリングラルギンとの 短期間の投与の比較 京子,片桐 直子,田原裕美子,佐藤 雄一,金子至寿佳 高槻赤十字病院糖尿病・内分泌・生活習慣病科 【目的】T2DMにおいてインスリンデグルデグ(IDeg)を短期間投与しその 治療経過,投与インスリン量を従来の持効型インスリングラルギン一日一 回投与群(G)および混合型インスリン一日二回投与群(M)群と比較検討 しIDegの最適な投与方法を明らかにする.【対象と方法】T2DM(男!女17! 23,年齢59.8±12.1才,糖尿病罹病期間3.9±4.2年,HbA1c9.0±2.4%,BMI 26.7±3.7,FPG179±49mg!dl,2hPPG291±123mg!dl,FCPR2.3±1.3ng!ml) に入院にてIDegをFPG<100mg!dlおよびPPG2hr<140∼160mg!dlを目標に 増量後減量離脱した.【結果】離脱できたIDeg群はG,Mに比し平均8.8±2.2 日でFPG<100 mg!dlに達しPPG2hr<140∼160mg!dlを維持できた.最大 投与量は23.0±4.8単位!日であった.夜間低血糖は認められなかった.【結 語】インスリン自己分泌のあるT2DMにおいて短期間のIDeg投与はGと同 様良好なFPG,2hPPGを得ることができる.[HbA1c:NGSP値]

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インスリン療法におけるインスリンデグルデクとインスリ ングラルギンとの切替症例の検討 関東 裕美1 ,石丸 安明2 ,齋藤 暁美2 ,大嶋由加里2 ,佐藤富美子2 ,木村 香織2 中村 尚弘2,齊藤 智之2,片山 茂裕3 東邦大学医療センター大森病院皮膚科1 ,医療法人安和会石丸安世記念熊谷ディアベテスクリ ニック2 ,埼玉医科大学病院内分泌・糖尿病内科3 【対象と方法】 グラルギン(G)による強化インスリン療法中の糖尿病患者28例.基礎をデグルデ ク(D)に切替後再度Gに変更しこの間の血糖変動を観察・評価する. 【結果と考察】 Dへの変更時のHbA1cは8.28±0.32%,Gへの変更時に8.44±0.32%(P=0.24),さら に変更後1ヶ月で8.56%±0.35(P=0.14).1型16例において同様に8.37±0.47%から 8.47±0.47%(P=0.43),8.35±0.50%(P=0.94).2型12例において8.15±0.43%から 8.40±0.43%(P=0.37),8.68±0.48%(P=0.14).どちらの薬剤においても切替・変 更による有意差は認められなかった.治療変更直後に血糖上昇傾向または低血糖兆 候が個々の症例で散見されたが統計学的有意差は認められなかった.体重・低血糖 頻度にも明らかな差は認められなかった. 【まとめ】 グラルギンからデグルデクまたはその逆の薬剤切替・変更は安全に実施できる可能 性が示された.[HbA1c:NGSP値]

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持効型インスリンを新規持効型インスリンデグルデクへ切 り替えた症例の検討 野原 真吾1,井向 雅美1,中森 芳宜2 JA山口厚生連周東総合病院薬剤科1,JA山口厚生連周東総合病院糖尿病・血液・内 分泌内科2 【はじめに】デグルデクは従来の基礎インスリン製剤と比べ,効果が長時間 持続し,血糖降下作用にピークがなく安定した血糖コントロールが得られ ることが期待される.そこで,グラルギンもしくはデテミルを用いたイン スリン療法中の患者でデグルデクへ切り替えた症例の検討を行った. 【対象】1型糖尿病16例,2型糖尿病10例の計26例. 【方法】切り替え前後のHbA1c,BMI及び前後3ヵ月間のSMBGの記録から 低血糖(70mg!dL未満と定義した)の頻度を後ろ向きに調査した. 【結果・考察】デグルデクは3ヵ月後のBMIを上昇させることなくHbA1cを 有意に減少させ,従来の基礎インスリン製剤に比較し良好な血糖コントロー ルが得られることが確認された.しかし,低血糖頻度の上昇が認められた. 低血糖頻度が上昇した症例ではグラルギンもしくはデテミルから変更時の 単位が同じものが多く用量調節の必要性が考えられた. [HbA1c:NGSP値]

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インスリンデグルデクの有効性,安全性に関する検討 倉本 尚樹,矢部 大介,岡村 香織,櫻町 惟,六反麻里代, 松本 実紀,臼井 亮太,藤原 周一,桑田 仁司,渡邊 好胤, 孝徳,黒瀬 健,清野 関西電力病院糖尿病・代謝・内分泌センター 【目的】インスリンデグルデクの安全性,有効性に関して検討する.【方法】 2013年3月から2013年9月までに当院にて他の基礎インスリン製剤からイン スリンデグルデクに変更された1型および2型糖尿病患者53例を対象とし, 切り替え前と切り替え3ヵ月後のHbA1c,体重,基礎インスリン単位数,追 加インスリン単位数の変化について検討した.【結果】切り替え前,切り替 え3ヶ月後の平均HbA1cは9.1±1.5%,8.5±1.6%であり,有意に血糖コント ロールは改善した(P<0.01).体重は61.7±12.9kg,61.6±13.3kgであり, 有意な変化は認めなかった.基礎インスリン単位数は17.0±8.7単位から 16.6±8.8単位と減少傾向にあったが有意差は認めず(P=0.3),追加インス リン単位数は22.7±13.2単位,22.7±13.6単位と有意な変化は認めなかった. 重篤な副作用は認めなかった.【考察】インスリンデグルデクの有効性が示 唆された.[HbA1c:NGSP値]

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新規インスリン導入におけるインスリンデグルデグの投与 量に関する検討 永田 友香1,辻野 元祥1,西田 賢司1,櫻田 麻耶1,佐藤 文紀1 黒澤由貴子1,平澤 麗子1,川崎 元樹1,小川 佳宏2,西谷 里枝1 東京都立多摩総合医療センター内分泌代謝内科1,東京医科歯科大学大学院分子内分泌代謝 学(糖尿病・内分泌・代謝内科)2 【目的】当院におけるデグルデグの退院時投与量について検討した. 【対象と方法】未治療または経口血糖降下薬で治療中のコントロール不良の糖尿 病患者22例にデグルデグを用いて新規にインスリン強化療法を開始.退院時のイ ンスリン投与量について検討した. 【結果】年齢49.6±11.1歳,罹病期間4.9±5.2年,HbA1c 12.7±3.1%.HbA1cは治 療開始後3ヶ月で6.7±0.86%(p<0.001)と有意に改善.体重の変化は認めなかっ た.デグルデグの平均投与量は,退院時0.09±0.04単位!kg!日で,CPR Indexと 有意な負の相関認めた(r="0.047,p=0.009). 【結論】 インスリンデグルデグは体重増加を来すことなく血糖コントロールを改善した. デグルデグ投与量はCPR Indexと有意な負の相関認めており,デグルデグを用い て新規にインスリン強化療法を開始する際は,CPR indexが投与量の指標になる と考えられた.[HbA1c:NGSP値]

I−P−10

当院におけるインスリン デグルデク使用者の背景と有効 性 鈴木 智子,吉岡 奈美,新田 洋介,銭林 雅子,福永みちる, 石橋里江子,宮田 大阪厚生年金病院内科 【目的】当院でインスリンデグルデク(以下Dg)を処方された症例の背景 因子と治療効果を検討した.【方法】2013年3月より10月までに当院でDgを 新規に処方された31例において,その背景(性別,年齢,罹病期間,病型, 尿中C"ペプチド,Dg投与の理由,),ならびに,HbA1c,低血糖頻度,使用 前後の治療法について,Dgの使用前後で比較検討した.【結果】罹病期間 25.6±12.2年,前治療でのインスリン使用例は23名.HbA1cは8.66±1.53か ら8.06±1.27%へ低下(p=0.002),インスリン投与量は1日総量27.7±17.2か ら22.0±13.7単位へ減少,基礎インスリン量は12.3±6.3から10.8±5.6単位へ 減少したが,いずれも統計学的有意差なし.低血糖頻度が増加した症例は 無かった.【考察】Dgは安定した基礎分泌補充によって,低血糖頻度を増 やさずにHbA1cを低下させ,一部ではインスリン注射回数の減少などQOL の改善にも寄与していた.[HbA1c:NGSP値]

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既存の持効型インスリン製剤からインスリン・デグルデク への切り替えによる臨床的検討 森谷 千尋,佐藤 博亮,岩崎麻里子,尾形 絵美,待井 典剛, 菅谷 芳幸,工藤 明宏,長谷川浩司,渡辺 福島県立医科大学腎臓高血圧糖尿病内分泌代謝内科 【目的】既存の持効型インスリン製剤からインスリン・デグルデクへ切り替 えた症例に関して臨床的効果について検討した. 【方法】当科外来通院中の2型糖尿病患者で,既存の持効型インスリン製剤 からインスリン・デグルデクへ同単位切り替え症例について,併用血糖降 下薬の変更または減量,増量が無く,変更投与前後にSMBGによる朝食前 血糖値が測定されている症例を抽出し解析した. 【結果】症例数16例(男性11例,女性5例).平均年齢62.3歳,平均BMI 24.9 kg!m2 ,平均HbA1c 7.64%.インスリン・デグルデクへの切り替えにより HbA1cは,7.64%から7.31%と有意に低下した.また,1か月間のSMBGに よる平均朝食前血糖値の標準偏差は有意な差を認めなかった. 【考察】インスリン・デグルデクは,既存の持効型インスリンより,同量の 投与量で更なる血糖改善効果を有する持効型インスリン製剤である. [HbA1c:NGSP値]

I−P−12

インスリン治療において基礎インスリンをデグルデクに変 更する効果 宮岡 弘明,宮本 裕也,青野 通子,中口 博允,山本 健, 稲田 暢,梅岡 二美,村上 英広,沖田 俊司,岡田 武志 済生会松山病院 【目的】インスリン治療においてインスリン作用時間が長いデグルデクに変更 する効果を明らかにする. 【対象と方法】インスリン頻回投与を行っている26例(男性15例,女性11例), 1型9例,2型17例,年齢は21∼82(58.1±14.0)歳 基礎インスリン量を同量のデグルデクに切り替え,変更前と投与3ヵ月後の HbA1c値,GA値,体重を比較する. 【結果】1型糖尿病においてはGA値が有意に(p=0.0018)改善し体重も増改 した. 2型糖尿病においてはHbA1c値,GA値ともに有意な改善はみられなかった. 変更前のインスリンで比較するとグラルギン,デテミル間で差は認めなかっ た. 【総括】1型糖尿病ではデグルデクに変更する効果があったが,2型糖尿病では インスリンの変更より生活習慣改善の方が必要と思われた. [HbA1c:NGSP値]

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1型および2型糖尿病患者におけるインスリンデグルデク への変更に伴う有効性の検討 岡田 守弘1,2,岡田 昌江1,西上 1,大山 公典3,藤本 3 古川 健治3,山秋 直人3,宮本 謙一2 金沢社会保険病院薬剤部1,金沢大学大学院医薬保健学総合研究科医薬情報統御学2 金沢社会保険病院代謝内科3 【目的】インスリンデグルデクは使用性を高めるために注入器が改良され, フレキシブルな自己注射が期待されている.今回,我々はデグルデクを用 いた治療が有効性と安全性に加えて,QOLの向上に貢献するかを検討した. 【方法】インスリングラルギンもしくはインスリンデテミルを使用している 1型および2型糖尿病患者16名に対し,デグルデクへ変更した.切替日と12 週,24週後のHbA1c値,1,5"AG,体重,低血糖,総単位数,DTR"QOLを 比較した.【結果】12週後の中間解析では,HbA1c値,体重,低血糖,DTR" QOLに関して変化はなかったが,総単位数は84%へ減量,1,5"AGについて は5.4μg!mLから8.9μg!mLへ有意に改善した.【総括】12週経過時点ではQOL 向上の実感には至らなかったが,1,5"AGの改善からは血糖の平坦化による 良質な血糖コントロールが得られたと考えられた.[HbA1c:NGSP値]

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DTR"QOLを用いた糖尿病患者の健康感とインスリンデグ ルデクの評価 植木 彬夫1,泉 ゆかり1,名嘉真香小里1,鈴木 孝典2,大野 3 藤井 仁美1,高村 1 高村内科クリニック内科1,新川橋病院2,東京医科大学八王子医療センター3 【目的】DTR"QOLを用いて糖尿病患者の社会的・日常的活動の負担感」「治 療法に対する不安,不満感」「低血糖の不安」「治療法に対する満足感」な どの4領域について検討した.合わせてインスリン デグルデク使用による 健康感とQOLについて検討した.【対象と方法】外来通院中の1058名を対象 としDTR"QOLを施行した.このうち既存の持効型インスリンよりデグル デクに変更し3ヶ月以上経過した10名については2回目のDTR"QOLを施行 し前値と比較した.【結果】女性,1型糖尿病,インスリン療法群では4領域 とも低下していた.デグルデク使用後はこれらが改善傾向にあり,特に低 血糖に対するQOLは有意に改善した.【考察】DTR"QOLは糖尿病患者の治 療状況を鋭敏に反映し糖尿病患者のQOLの検証には有効である.デグルデ クはDT"QOLの4領域で改善傾向にあり特に低血糖に対する不安は軽減し満 足度を改善していた.[HbA1c:NGSP値]

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1型糖尿病基礎インスリン補充でのグラルギン(IGla)と デグルデク(IDeg)朝1回投与の有効性と安全性の検討(DI-RECT"1) 伊賀 涼,内野 泰,吉原 彩,宮城 匡彦,臼井 州樹, 熊代 尚記,安藤 恭代,弘世 貴久 東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野(大森) 【目的】1型糖尿病に対する基礎インスリン補充のタイミングを朝1回に固定 し,その24h"CGMプロファイリング,有効性・安全性をIDeg,IGla群間で比 較検討した. 【対象・方法】Basal"Bolus療法の1型糖尿病20名を対象にIDeg又は,IGla朝1 回投与を12週間無作為割り付けオープンラベルクロスオーバー試験にて検 討.自己血糖測定値によるアルゴリズムを基にインスリン投与量を調整.0週 と12週にHbA1c値,GA値,糖尿病QOL質問表(DTR"QOL),CGM,Basal" Bolusインスリン投与量比率を検討.全例解析前の結果ではIDegはIGlaに比較 しHbA1c,GA,CGMによる低血糖出現率を改善させる傾向にある. 【結語】1型糖尿病Basal"Bolus療法にてIDegは朝1回投与においてもIGlaに比 し血糖コントロールが良好であり,IDegはインスリン依存状態においても朝1 回投与のみでBasalインスリン補充が可能である事が予想される.(UMIN 000012358)[HbA1c:NGSP値]

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1型糖尿病におけるインスリングラルギン!デテミルからイ ンスリンデグルデクへの切り替え 赤神 隆文1,楠 宜樹1,中江 理絵1,井川 貴資1,宮越 香名1,越智 史浩1 徳田 八大1,村井 一樹1,美内 雅之1,勝野 朋幸1,浜口 朋也2,宮川潤一郎1 難波 光義1 兵庫医科大学内科学糖尿病・内分泌・代謝科1,兵庫医科大学先進糖尿病治療学2 [目的] グラルギン(Gla)またはデテミル(Det)使用中の1型糖尿病患者において,それらを デグルデク(Deg)に変更しその有用性を評価 [方法] Deg切り替え前および切り替え後16"24週にCGMを用いて比較 [結果] 症例数は7名,56.6±20.4歳,BMI20.7±3.2.平均血糖値は切り替え前148.3±37.2 mg!dL から切り替え後16"24週では138.6±40.0 mg!dLと有意な変化なし.24時間血糖標準偏差 は切り替え前47.4±15.5 mg!dLから切り替え後16"24週で43.4±14.7 mg!dLと有意な変化 なし.HbA1cは切り替え前7.4±0.7%,切り替え後24週7.3±1.1%と有意な変化なし.使 用基礎インスリン量は切り替え前0.25±0.17 U!kgから切り替え後24週0.18±0.10 U!kgと 有意に減少. [考察] Gla!DetからDegへ切り替えた結果総基礎インスリン量は有意に減少したが同等の血糖 管理が得られた.[HbA1c:NGSP値]

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I−P−17

従来の持効型インスリンからインスリンデグルデクへの切 り替えが血糖コントロールに及ぼす効果の検討 渋江 公尊1 ,豊田健太郎2 ,原島 伸一1 ,藤田 義人1 ,田中 大祐1 山根 俊介1 ,濱崎 暁洋1 ,原田 範雄1 ,小倉 雅仁1 ,稲垣 暢也1 京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学1 ,京都大学医学部附属病院臨 床研究総合研究センター2 【目的】従来の持効型インスリンよりも持続時間の長いインスリンデグルデク (Dec)の効果を検討する. 【方法】Dec切り替え後3カ月以上フォローできた31例の糖尿病患者(DM)に おいて,平均血糖値(mBS)(mg!dl),HbA1c(%),必要インスリン量(INS 量)(U!日),血糖不安定性(M値,MAGE),低血糖についてインスリン(INS) 切り替え前後で比較した. 【対照】DM病型(1型25例,2型5例,その他1例).平均年齢59.3歳,性別(%): 男32.3!女67.7.mBS 190.3,HbA1c 7.94,160.4,7.68,30.0INS量31.4,M値45.4, MAGE 160.5 【結果】3カ月後mBS 160.4,HbA1c 7.68,INS量30.0,M値24.9,MAGE 120.0 であり,mBS,M値,MAGEは有意に低下し,低血糖は80.6%で減少した. 【考察】Dec切り替え後,血糖コントロールは同等であったが,血糖不安定性 と低血糖が減少した.[HbA1c:NGSP値]

I−P−18

持続血糖モニタを用いたインスリンデグルデク変更前後の 血糖変動に関する検討 岡本佳那子1,森 裕子1,佐々木修二1,園田 紀之2,井口登與志2 髙栁 涼一1 九州大学病院内分泌代謝・糖尿病内科1,九州大学先端融合医療レドックスナビ研究 拠点2 【目的】インスリンデグルデグ(Deg)に変更する前後での血糖変動を持続 血糖モニタを用いて検討した.【方法】インスリングラルギン(Glar)もし くはデテミル(Dete)で強化インスリン療法を施行している入院患者6例(1 型1例,2型4例,膵性1例)を対象に,Deg変更前後数日間の平均血糖値 (MBG),標準偏差(SD),M値,MAGE,低血糖回数(<70mg!dl)を終 日(0∼24時)・夜間(0∼8時)に分けて検討した.【結果】GlarやDeteに比 し,Degは投与量を24%減量できた.終日の検討で,Deg変更後の平均血糖 は13mg!dL低下し,SD,M値,MAGE,低血糖回数の全てが減少した.ま た,夜間においても,M値,低血糖回数が減少し,特にSDの低下は有意で あった.【結語】様々な病型の症例においてDegの安定した作用を観察でき た.インスリン投与量の減量,および夜間血糖変動幅の減少はDegの大き なadvantageと捉えることができる.

I−P−19

インスリングラルギンからデグルデクへ変更時の血糖変動 に関するCGMを用いた検討 上田 舞,岡 亜希子,高見柚賀子,芳野 啓,小畠 寛子, 東内 雄亮,大森 靖弘,谷尻 力,土橋 大輔,肥後 里実, 山田 浩幸,北垣 一成 六甲アイランド甲南病院内科 [目的]インスリンデグルデクはグラルギンとはその血中動態・作用時間が 異なり,グラルギンからデグルデクへ変更後数日間においては血糖変動が不 安定になると考えられる.変更前後の血糖変動をCGMを用いて検討した. [方法]当院にてインスリン強化療法を実施している1型・2型糖尿病患者7名 において,グラルギンからデグルデクに変更する際にその前後1週間のCGM を実施し,空腹時血糖・24時間平均血糖・標準偏差を比較し血糖変動の経時 的変化について検討した. [結果・考察]変更第1日目,軽度の血糖上昇はみられたものの症例によりば らつきがあり,インスリンの増量を要するほどではなかった.変更第2,3日 目は平均血糖上昇や日内変動が大きくなる例が多かったが,変更第4,5日目 から改善がみられた.夜間低血糖および暁現象においても改善がみられた.

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インスリン強化療法患者におけるインスリンデグルデク切 り替え症例の3ヶ月後の検討 庄島 蘇音,北村 卓也,浦上 経子,武田 昌也,渡辺 恭子, 中塔 辰明 岡山済生会総合病院糖尿病センター 【目的】インスリン強化療法におけるインスリンデグルデク(IDeg)の有用 性の検討 【方法】基礎インスリンをIDegに切替えた21例を対象にアンケートによる自 覚的所見,治療満足度,および切替後3ヶ月間の血糖コントロール状態,イ ンスリン投与量の変化を評価した. 【結果】基礎インスリン量は1ヶ月後より有意に減少していた(切替前,1, 2,3ヶ月後:10.6±4.8,9.1±4.5,9.0±4.6,9.1±4.6,p<0.05).追加イン スリン量は2月後より有意な減少が見られた.HbA1cは有意な変化が認めら れなかった.アンケート結果より,デバイスに対して約6割強の使用者が良 い以上の評価で,8割以上が今後も継続したいとの評価であった. 【結論】基礎インスリンをIDegに切替えた3ヶ月間においては,HbA1cを増 悪させることなく,基礎インスリンを有意に減量できた.デバイスや治療 満足度に対しても高い評価が得られた.[HbA1c:NGSP値]

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1型糖尿病患者5例のインスリンデグルデクへ切り替え後 の血糖プロファイルについての検討 加藤 友美1,湯野 暁子1,糸島 早織1,今井 1,辰口 治樹2 伊古田明美1,小泉 茂樹1 勤医協中央病院内科1,勤医協札幌西区病院内科2 【目的】1型糖尿病患者におけるインスリンデグルデク(D)の血糖値の日 内,日差変動,低血糖頻度について検討する.【対象・方法】当院通院中の 1型糖尿病患者5名の基礎インスリンをDに変更後,3例でCGMを行った.過 去のCGMデータがある2例は前後で比較検討した.【結果】Dへ変更で,内 因性インスリンが残存していると血糖の安定がえられやすい.内因性イン スリンが枯渇した症例でも,日差変動は改善し,夜間の低血糖は減少又は 消失し,血糖値のSDは改善した.【考察】内因性インスリン分泌が枯渇, 多腺性自己免疫症候群3型,食事・生活リズムが不規則な患者において,夜 間低血糖は減少し安定する傾向にあるが,良好な血糖コントロールを得る ことは難しく,生活改善や,インスリンポンプを検討する必要がある.ま たDにより基礎インスリン量が十分になると,超速効型インスリンの減量 が必要となる症例がある.[HbA1c:NGSP値]

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インスリンデグルデクの有用性がCGMにより示された罹 病期間27年非肥満2型糖尿病の1症例 沖本 久志1,高橋 美琴1,大野真理恵1,土門 利佳1,盛口 雅美1 内藤 孝2 坂総合病院糖尿病代謝科1,泉病院2 新規インスリン製剤デグルデク(D)は持続的に24時間を越えて作用する とされている.今回罹病期間27年の非肥満2型糖尿病患者において,グラル ギン(G)をDに切り替えてその有用性をCGMで確認した.症例は68歳女 性,38歳時に糖尿病診断後,胃癌を指摘,胃全+膵部分+脾摘出術を施行 された特殊な背景がある.外来でインスリン治療を開始後も血糖調整目的 に8回入院.今回9回目の入院で,網膜症は汎光凝固術後で安定,腎症I期, 神経障害あり.空腹時血糖124mg!dl,空腹時血中CPR 0.1ng!ml,抗GAD 抗体<0.4U!ml.入院時アスパルト+G 4"2"4+6"0"0,ミグリトール150mg で7病日目のCGMで血糖168±50mg!dl(74"294mg!dl),GからDに同単位 切り替え5日後のCGMで血糖116±22mg!dl(72"172mg!dl)と改善を認め た.DはGに比較して,安定した効果があり,インスリン分泌が低下した2 型糖尿病症例においても有用と思われた.[HbA1c:NGSP値]

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Retention of individual absorption profiles of co !formu-lated insulin degludec and insulin aspart upon S.C. injec-tion

Erica Nishimura,Svend Havelund,Ulla Ribel,Franta Hubalek,Tho-mas Hoeg!Jensen,Ib Jonassen

Novo Nordisk A!S

Insulin degludec(IDeg)has an ultra"long duration of action(DOA)and is the first basal insulin that can be co"formulated with a fast"acting insulin analogue(insulin aspart, IAsp). IDeg s prolonged DOA is due to formation of soluble high molar mass complexes(multi"hexamers);IAsp s fast DOA is due to rapid dissociation of hexameric complexes after s.c. injection.

To investigate how co"formulated IDeg and IAsp maintain individual absorption, size exclusion chromatography was used. Two desB 30 basal insulin analogues acylated at LysB29Nepsilon by hexadecandioyl"gamma"Glu(IDeg)or lithocholyl" gamma"Glu and IAsp, alone and in different long+fast"acting combinations, were compared with human insulin.

Combinations of analogues formed mixed hexamers and di"hexamers of IDeg and IAsp, but this was avoided by adjusting Zn concentration.

The ability of IDeg to form multi"hexamers in the presence of Zn is therefore critical to avoid interactions with IAsp and retain individual absorption.

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当院におけるインスリンデグルデクの使用経験 竹田 章彦,高田 絵美,中川 靖,木股 邦恵 (医社)神鋼会神鋼病院糖尿病・代謝内科 当院外来に通院中の糖尿病患者のうち,MDIによるインスリン療法を施行 中でコントロール不良な症例について,持効型インスリンをデグルデクに 変更し,HbA1c・空腹時血糖・低血糖の頻度・インスリン投与量がどう変 化するか検討を行った.症例数は1型糖尿病6名,2型糖尿病4名であった. 平均年齢は61.9歳,平均罹病期間は13.6年,平均BMI=23.9kg!m2であった. 変更前の持効型インスリンは全員がグラルギンであった.またグラルギン を1日2回注射している症例は1例であった.変更前と比較して変更後3カ月 で,平均HbA1c値は8.76%から8.39%に低下(p=0.101),空腹時血糖値は152.7 mg!dlから147.3mg!dlに低下(p<0.05),低血糖の頻度は6.67回!月から4.86 回!月に減少(p=0.37)した.インスリン投与量は変化がなかった. [HbA1c:NGSP値]

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1型糖尿病患者の新規持効型インスリンデグルデクへの切 り替えによる血糖変動の評価 小高 以直,永瀬 晃正,根本 洋子,則武 昌之,桂 善也 東京医科大学茨城医療センター代謝内分泌内科 【背景】インスリンデグルデクは半減期が長く平坦で安定した薬物動態を示す とされている. 今回,従来の持効型インスリンの1日2回投与からデグルデク1日1回投与に切 り替え,血糖変動をCGMにで確認した2症例を経験した. 【症例1】 67歳女性.糖尿病歴25年.HbA1c 8.9%. デテミル6単位+リスプロ8単位をデグルデク5単位+リスプロ7単位に変更 し,前後でCGMを施行.早朝および夕食前の低血糖が消失した. 【症例2】 61歳男性.糖尿病歴9年.HbA1c 8.9%. グラルギン20単位+アスパルト30単位をデグルデク16単位+アスパルト30単 位に変更し,前後でCGMを施行.夜間の低血糖が改善した. 【総括】 デグルデクへの切り替えによる血糖変動をCGMで評価した1型糖尿病患者2症 例を経験した.[HbA1c:NGSP値]

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当院におけるインスリンデグルデクの使用経験 橡谷 昌佳,稲垣 朱実,伊藤 崇浩,小林 朋子,佐藤 哲彦, 垣屋 名古屋第二赤十字病院糖尿病内分泌内科 【目的】当院での糖尿病患者に対するデグルデクの有効性を検討.【対象と 方法】当院通院中の1型糖尿病患者9名,2型糖尿病患者5名にデグルデクを 投与し,3カ月後にHbA1c,インスリン投与量の推移を調査し有効性を検討. 【結果】HbA1cの変化は1型糖尿病患者では有意な変化は認めなかった.2型 糖尿病患者では9.50±1.42%から6.82±1.47%と有意に改善を認めた.イン スリン投与量は基礎インスリンが1型糖尿病患者で14.7±6.0単位から12.1± 5.4単位,2型糖尿病患者で16.0±6.9単位から10.7±6.4単位といずれも有意に 減少した.超速効型インスリン投与量では変化は認めなかった.【結語】2 型糖尿病患者はデグルデク投与により血糖コントロールの改善を認めた.1 型糖尿病患者においてはデグルデクへ基礎インスリンを変更することで, 血糖コントロールの悪化を認めることなく,インスリンを減量できる可能 性が示唆された.[HbA1c:NGSP値]

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持効型インスリン(デグルデク)使用症例について 松枝 恵,香西 夏子,向井 明彦 コープおおさか病院内科 当院でデグルデク導入した症例について報告する.【症例1】44歳 女性,1 型糖尿病.リスプロ毎食前3回,グラルギン眠前1回注射でHbA1c 9%前後 とコントロール不良.グラルギンをデグルデクへ変更した.2ヶ月後HbA1c は不変,低血糖症状は減少している.【症例2】32歳男性,1型糖尿病.統合 失調症あり.リスプロ毎食前3回,グラルギン2回注射でHbA1c 10%以上と コントロール不良.デグルデク1回注射へ変更した.4ヶ月後HbA1c 9.9%と 改善.【症例3】79歳女性,2型糖尿病.認知症あり.グリメピリド0.5mg, シタグリプチン50mgでHbA1c 11.0%.デグルデク導入した.自己注射困難 なため,デイケア時注射にて4ヶ月後HbA1c 8.8%.【結論】血糖改善に関し ては長期間の評価が必要だが,①低血糖症状の減少②基礎インスリン2回注 射から1回へ変更③自己注射困難症例への導入でQOLは改善したと考えられ た.[HbA1c:NGSP値]

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糖尿病透析患者におけるインスリンデグルデクの血糖変動 抑制効果―CGM(皮下連続式グルコース測定)による検 討― 小嶺 真耶,矢野 未来,船越 哲,中島さゆり,江藤 りか, 宮崎 健一,李 嘉明,山下万紀子,畠山今日子,草刈 祥子, 橋口純一郎,澤瀬 健次,原田 孝司 長崎腎病院薬剤課 【目的】血液透析患者における超持効型インスリンアナログであるインスリン デグルデク(IDeg)とインスリングラルギン(IGlar)の血糖降下作用を比較 し,また血糖変動profileの違いを検討する. 【対象・方法】当院でIGlarからIDegに同量にて変更した症例のうち,併用薬 を可能な限り同等とした6例での変更前後の血糖およびCGMを比較した. 【結果】IGlarからIDegへの変更で平均GAは26.4%から24.3%に減少する傾向 にあった(p=0.07).また,CGMによる平均血糖変動幅においては,IGlarで 144.3mg!dLからIDegで86.7 mg!dLと高い有意差をもって減少した(p< 0.001).両者で低血糖の頻度に差はなかった. 【考案】IDegにおいてIGlarより血糖変動が有意に低い理由としては,IDegの 血中半減期が極めて長くインスリン血中濃度が安定している可能性が考えら れた.

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透析患者に対するインスリンデグルデク投与の治療前後の CGMによる評価(デグルデクは食後高血糖を改善する可 能性がある) 平谷 和幸,清水 和彦 真生会富山病院糖尿病代謝内科 透析患者に対するデグルデク(Deg)の評価を治療前後のCGMを用いて行っ た.【症例1】36歳男性1型糖尿病アスパルト(Asp)5"5"5,デテミル(Det) 4のみDeg3に変更した.投与前後で平均血糖値147→117 標準偏差28→15, 夜間,就寝中70"140の範囲内時間分布(%)は56,100→78,75と著明改善し た.【症例2】70歳男性2型糖尿病グラルギン(Gla)10からリスプロ(Lis) 3 Deg 8に変更した.投与前後で平均血糖値167→120 標準偏差54→62,夜 間,就寝中の同上の範囲内時間分布は54,93→17,0となった【考察】症例1で はDegは24時間血糖降下作用が安定し,空腹時,夜間就寝中のみならず, 食後も良好なコントロールが得られた.症例2ではGlaから,Degの投与量 を80%に減らしたが,血糖降下作用が強く,夜間低血糖が生じた.【結語】 透析患者においてDegは食後,夜間も良好な血糖降下作用を有する可能性 が示唆された.[HbA1c:NGSP値]

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トレシーバの週3回注射とDPP!4阻害薬の併用により血糖 コントロールの改善を認めた重度認知症合併糖尿病透析患 者の一症例 添田 耕司1,青木 栄子2,樋上 3,入江 康文4,大野 5 稲毛駅前クリニック内科,精神科1 ,稲毛駅前クリニック2 ,稲毛病院3 ,三愛記念病院4 , 東京医科大学八王子医療センター糖尿病・内分泌・代謝内科5 【はじめに】インスリン自己注射が困難な重度認知症合併糖尿病透析症例で, 透析時の持効型溶解インスリン注射とDPP"4阻害薬の併用療法の有用性を検 討. 【症例】70歳女性.透析9年目.2012年1月より認知症が出現し,7月にインス リン自己注射が困難となりGAは30%以上に悪化.13年3月より透析前血糖値 が時々500mg!dlを超え,7月中旬よりトレシーバ注4"6単位を週3回透析中に 看護師が注射.8月よりオングリザ錠2.5mg!日の併用を開始し,透析前血糖値 の平均は372から169mg!dlに改善し,GAも8月36.9%から11月26.3%に低下. 【考察・総括】「血液透析患者の糖尿病診療ガイド2012」では,随時血糖値180" 200mg!dl未満,GA値20.0%ないし24.0%未満を暫定的目標値として提案.今 回GA値は目標値に近づき,透析前血糖値の平均値は目標を達成しており,本 併用療法は,重度認知症合併透析症例に試みるべき方法と考える.

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2型糖尿病透析患者においてグラルギンをデグルデクに使 用量を半量にして切り替えCGMで良好なコントロールを 確認し得た3症例 伊藤麻里子,吉岡 修子,富貴原紗侑里,溝口 暁,杉山摩利子, 篠原 由里,赤羽貴美子 公立陶生病院内分泌・代謝内科 【背景】糖尿病患者は透析療法に至ると血糖コントロールが複雑化する.デ グルデク(D)は1日1回投与で平坦かつピークのない安定した作用を持つ とされているが透析患者への使用例の報告は少ない.【目的】2型糖尿病透 析患者にグラルギン(G)からDに変更しその有効性と必要量についてCGM を用いて検討.【症例①】50歳男性,2型糖尿病歴8年,透析歴2年.G連日朝 18単位をD連日朝9単位に変更し,3日後に終日安定.【症例②】70歳男性, 2型糖尿病歴40年,透析歴3年.G連日朝24単位をD連日朝12単位に変更し4 日間で終日安定.【症例③】64歳女性,2型糖尿病罹患歴1年,透析歴17年. G透析日8単位,非透析日12単位をD連日同量の朝4単位に変更し5日後に安 定.【考察】Dは連日G使用量の半量1回朝投与で終日安定したコントロール が可能で,低血糖がなく過不足ないインスリン量で施行できたことが最大 の要因と考えられた.[HbA1c:NGSP値]

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CGMを使用し2型糖尿病透析患者におけるインスリンデグ ルデクの効果を検討した一例 千葉ゆかり,渡辺 宏美,田村 遥,鈴木 淳,永倉 穣, 重松絵理奈,山川 横浜市立大学附属市民総合医療センター内分泌・糖尿病内科 【目的】2型糖尿病透析患者に対するデグルデク(Deg)投与についてCGM を用いて検討する.【症例】51歳女性.1981年糖尿病と診断,治療開始.2000 年眼底出血し硝子体手術施行,2002年糖尿病性腎症に対し血液透析導入. 2000年頃インスリン導入.混合型2回投与で加療していたが,コントロール 悪化(FBS132mg!dl,GA36.3%)し,2013年5月入院.混合型Mix30朝22・ 夕20から,既報通り1日総インスリン量を10%減量して切り替えた.アスパ ルト各食前6・Deg眠前20にて,低血糖を認めずに平均血糖値(AG)が215 mg!dlから168mg!dlへと改善した.標準偏差(SD)は25mg!dlから32mg!dl へとわずかに上昇した.透析日と非透析日との比較では,透析日がよりAG が低く,SDが大きかった.【結語】透析症例においてもデグルデクの薬物 動態は変わらないとされているが,臨床的にも差異がないことを示唆する 結果が得られた.[HbA1c:NGSP値]

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DPP!4阻害薬を内服中の糖尿病腎症合併患者におけるイ ンスリンデグルデクの使用経験 村田 雄介1,吉里 和晃1,荒木 栄一2 山鹿市民医療センター代謝内科1,熊本大学大学院生命科学研究部代謝内科学2 【目的】DPP"4阻害薬を内服中の糖尿病腎症合併2型糖尿病患者へのインス リンデグルデク(Deg)投与の効果,安全性を検討する. 【方法】DPP"4阻害薬とインスリン療法を併用中の糖尿病腎症合併2型糖尿 病患者6人で,持効型インスリンをDegへ変更し12週後に評価した. 【患者背景】腎症:3A期"第4期,Cr0.93±0.33mg!dl,年齢:70±8.5歳,体 重:62.1±17.5kg,HbA1c8.6±1.5%,食事療法,内服療法(ビルダグリプ チン100mg!日又はリナグリプチン5mg!日)かつ強化インスリン療法,又 はBOTを施行中の患者. 【結果】Degの投与前後で,随時血糖値,HbA1cに有意差はなく,低血糖の 頻度に有意な上昇はなかった.また,体重,Cr,eGFR,血圧,LDL"C,HDL" C,TG,インスリン投与量に有意差はなかった. 【結語】DPP"4阻害薬を内服中の糖尿病腎症を合併した2型糖尿病患者にお いて,Degは低血糖の頻度を増加させなかった.[HbA1c:NGSP値]

I−P−34

リナグリプチン・デグルデク・超速効型インスリン併用療 法によるβ細胞機能の改善 河中 正裕1,完山 昌孝2,松井 可奈3 明和病院糖尿病内分泌内科1,明和病院内科2,松井内科医院内科3 2型糖尿病患者の初回教育入院にリナグリプチン・インスリンデグルデク・ 超速効型インスリン三者併用療法を用いて血糖値・β細胞機能の改善を図っ た.(結果)平均A1c9.8%の30名中22名(73%)が約1カ月でインスリンを 離脱しDPP"4阻害剤への変更が可能となった.これは離脱できた群とでき なかった群との間にはBMI・A1c・Cペプチドインデックスに差は認めな かった.離脱出来なかった群は平均年齢が高く全員がSU剤を10年以上使用 していた.(考察)三者併用療法は高率にインスリン離脱をもたらし,β細 胞機能改善と将来の合併症防止に寄与する.[HbA1c:NGSP値]

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頻回注射療法におけるインスリングルリジンの有用性と安 全性の検討 松浦 憲一,松浦 靖彦 (医社)松寿会松浦クリニック 【対象】 頻回注射療法治療中58人,1型10人,2型48人,平均HbA1c7.8±1.0%を対象と した. 【方法】 追加インスリンを同単位グルリジンに治療変更し,食後血糖160mg!dL未満を 目標に,用量調整し24週間追跡調査を行う. 【結果】 全体HbA1c 7.8±1.0%から,7.4±0.8%(P<0.01),1型8.2±1.6%から,7.6±1.1% (P<0.05),2型7.7±0.8%から,7.4±0.8%(P<0.01)と各々有意な低下が認 められた.また本研究において重篤な低血糖は,1型,2型ともに認められな かった. 【総括】 頻回注射療法を行うもコントロール不十分例においてグルリジンへの治療変 更は,有効性,安全性の点から推奨される治療法の1つである. [HbA1c:NGSP値]

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グラルギンからデグルデグへの変更が有用な患者背景とそ の投与方法 小川 吉司1,田澤 康明1,川嶋 詳子1,木村麻衣子1,今 昭人2 青森県立中央病院糖尿病センター1,青森市民病院第一内科2 グラルギン(G)からデグルデグ(D)に変更した患者で,患者背景とHbA 1c改善効果の関連をレトロスペクティブに検討した.2013年4月から8月に Dを投与した37名で,患者背景,HbA1cの経過をレトロスペクティブに検 討した.対象患者は,1型糖尿病:17名,2型糖尿病:20名,Basal"Bolus(BB) 療法:33名で,総インスリン投与量は33±17単位であった.BB療法でGを Dに変更した26名(1型糖尿病16名,2型糖尿病10名)についての検討では, 変更前後のHbA1cが,1型では8.44±1.19%→8.14±1.34%,2型では8.54± 1.48%→8.32±1.44%といずれも軽度改善した.1型でG:1日1回注射から変 更した9名では,8.44±1.29%→7.68±1.09%と有意な改善を認め,G:1日2 回注射から変更した7名では,8.43±1.17%→8.33±1.34%と有意な改善は認 められなかった.1型糖尿病でのGからDへの変更では注射回数に注意が必 要である.[HbA1c:NGSP値]

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当院におけるインスリングルリジンの有用性と安全性の検 討 垣花 悠子 特定医療法人沖縄徳洲会中部徳洲会病院 【対象】 当院外来診療でグルリジンで治療を行った,新規インスリン導入7人,他の超 速効型からの治療変更を行った1型3人,2型26人,HbA1c9.3±0.6%を対象と した. 【方法】 食後血糖値160mg!dL未満を目標に用量調整を行い24週間追跡調査し,治療前 病態,BMI別の解析を行う. 【結果】 HbA1cは9.3±0.6%から,8.5±0.5%(P<0.01),切替2型群HbA1cは9.2±0.7% から,8.5±0.7%(P<0.01)と有意な低下が認められた.その際の体重,低血 糖頻度の増加は認められなかった. 【まとめ】他の超速効型インスリンとグルリジンの有効性の差は,作用動態を 反映している.より生理的なインスリン分泌パターンを模倣しているグルリ ジンは強化療法において,有用な治療薬の1つである.[HbA1c:NGSP値]

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インスリンアスパルト・リスプロをグルリジンへ変更した ときの影響 柴野 淑子1 ,佐藤舞菜見1 ,畑中麻梨恵1 ,高橋 直穂1 ,沖崎進一郎2 清水 平3 ,山田大志郎4 ,本庄 潤5 ,曽根 博仁6 ,首藤 龍人7 ,横山 宏樹1 自由が丘横山内科クリニック1 ,北里大学医学部2 ,老蘇会静明館診療部3 ,自由が丘山田内科 クリニック4,旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野5,新潟大学血液・内分泌内科6 啓和会黒澤病院内科診療部・光学医療診療部7 【目的】グルリジン(G)は既存の超速効型インスリンに比べ,速やかに吸収され, 食後高血糖をより抑制すると言われている.アスパルト(A),リスプロ(L)をG へ変更した時の血糖コントロールへの影響を調査した. 【対象・方法】A,LをGへ変更したDM72名の変更時(G0)と1"3ヶ月後(G1"3) のA1C,総インスリン量,低血糖回数を比較した. 【結果】A1CはG1!2!3(n=49!34!19)の全てにおいて有意に低下した(8.2±1.6 vs. 8.0±1.4,p<0.05),(8.4±1.5 vs. 7.7±1.9,p<0.05),(8.5±1.6 vs. 7.5±2.4,p<0.05). 総インスリン量はG2(n=34)で有意な増加を認めた(61±35 vs. 64±35,p<0.05). 低血糖回数は全てにおいて有意差を認めなかった. 【結語】A1Cは全ての期間で有意に改善した.作用動態で説明されるのか,インス リン抗体など他の因子が関与しているのか不明だが,今後も追跡調査していく. [HbA1c:NGSP値]

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肥満患者における超速効型インスリングルリジンの有用性 の検討 渡辺 蔵人,湧田健一郎,前川 陽子,神谷 乗史,屋良 朝博, 城間 中頭病院内科 【対象】 糖尿病患者73人,1型17人,2型56人,他の超速効型から切り替え36人. 【方法】 同単位のグルリジンへ変更し,食後血糖160mg!dLを目標に用量調整を行い24 週間経過観察し,BMI別の解析を行った. 【結果】 全体HbA1c 9.4±0.2%から,8.2±0.2%(P<0.01),切替群9.0±0.3%から,8.5± 0.3%(P=0.02),BMI25未満群9.3±0.3%から,8.0±0.3%(P<0.01),BMI25 以上群9.7±0.3%から,8.5±0.3%(P<0.01)と有意な改善が認められた. 【総括】 グルリジンの特性である立ち上がりの速さと,作用消失の速さが,皮下中の 毛細血管の少ない肥満患者において,食後高血糖を是正し,より良い血糖コ ントロールが達成可能になった.[HbA1c:NGSP値]

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インスリングルリジンの有用性,安全性の検討 平本 綾,森下 尚明 広島医療生協広島共立病院糖尿病内科 【目的】強化インスリン治療中の糖尿病患者58名(1型11名,2型47名)を対 象に,追加インスリンをリスプロ(以下L)からグルリジン(以下G)に変 更し,有用性と安全性の検討を行った.【方法】Lを同単位のGに切り替え, 食後1時間血糖160mg!dL未満を目標として,Gの用量を調整し,24週追跡 調査を行った.【結果】全体のHbA1cは8.12±0.13%から7.84±0.14%(P< 0.01),1型は8.21±0.32%から8.12±0.33%(P=0.67),2型は8.10±0.15%か ら7.78±0.15%(P<0.01)と全体及び,2型は有意な改善が認められた.ま た1,5"AGも同様に全体,2型で有意な上昇が認められた.今後48週での追 跡調査を実施し,Gの有用性,安全性を再度検討する. [HbA1c:NGSP値]

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糖尿病治療満足度質問票(DTSQ)を用いた,インスリン グリルジンへの切り替え治療の評価 砂川 優1,小宮 一郎2,裵 1 メディカルプラザ大道中央糖尿病内分泌科1,琉球大学医学部附属病院地域医療シス テム学講座2 【目的】アスパルトからグリルジンへの変更後の治療満足度変化を検討.【方 法】インスリン強化療法中の13名(男:女=8:5,1型:2型=5:8,60±14 歳)を対象.グラルギン13±8単位!日,アスパルト26±11単位!日.糖尿病 治療満足度質問票(DTSQ,8項目"7段階評価)の回答結果と,変更前2か 月("2M),変更時(0M),後1か月(1M),2か月(2M)の随時血糖,HbA 1c,体重を比較検討.前後でインスリン量は一定.【結果】("2M)"(0M)"(1 M)"(2M)での随時血糖は(196±89)"(217±97)"(204±99)"(209±105) mg!dL,HbA1cは(9.1±2.0)"(9.2±1.9)"(9.3±1.9)"(9.1±2.0)%,体重は (65±16)"(65±16)"(66±21)"(66±23)kg,前後での大きな変化なし.治 療満足度調査では,「望ましくないほど低い血糖値を感じる頻度」は1.3段階, 「治療法利便性の認識度」は0.7段階改善した.【総括】強化療法でのグリル ジンへの変更は治療満足度を改善した.[HbA1c:NGSP値]

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混合型インスリン製剤からのステップアップ法 細井 雅之1,薬師寺洋介1,玉井 杏奈1,吉田 陽子1,山上 啓子1 生野 淑子1,岡田めぐみ1,竹内 真有1,上野 宏樹1,福本まりこ1 川崎 勲1,田中 永昭2,日浦 義和2 大阪市立総合医療センター糖尿病センター代謝内分泌内科1,大阪市立十三市民病院 糖尿病内科2 「背景」ミックス型インスリン1日2回の症例において,ステップアップを行 う方法の有用性を検討した.「対象」混合型インスリンを使用していても, HbA1c>7%あるいは,低血糖のエピソードがあった2型糖尿病患者35名を グラルギン1回,グルリジン1回から2回へステップアップした.「結果」B0 B;8名 B1B;12名 B1B→B2B;14名 B2B;7名で,順にHbA1c 7.43± 0.57,7.89±1.33,8.25±0.90,7.98±0.94%であった.切り替え2"4か月後の HbA1cは,順に,B0B"0.65%,B1B "0.34%,B1B→B2B "0.26%,B2B "0.53% の変化(有意差なし)であり,体重は"2.8,"0.3,"0.8,"1.2kgの変化であっ た.2種類のインスリンを使っても患者満足度は変化なかった.「結語」混 合型インスリン2回注射において,グラルギン,グルリジン治療への切り替 えは低血糖の軽減,患者満足度につながる治療であった [HbA1c:NGSP値]

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2型糖尿病患者に対する超速効型インスリングルリジンと 超速効型インスリンリスプロの食後早期血糖値の比較検討 山田 実夏,今川美智子,鈴木 仁弥,中屋 隆裕,山本 勝司, 市川 麻衣,佐藤さつき,藤井 美紀,銭丸 康夫,此下 忠志 福井大学医学部附属病院第三内科内分泌代謝内科 【目的】2型糖尿病患者においてグルリジンとリスプロの食後早期の血糖 (値)抑制効果を比較検討した.【方法】インスリン強化療法中の2型糖尿病 患者(n=10)に対して,グルリジンとリスプロを6日間交互に同単位で投 与.朝食後(30分後,1時間後,2時間後)の血糖値,インスリン・CPR値, 脂質値を検討した.【結果】血糖値は食後1時間値でリスプロがグルリジン と比較し低い傾向を認めた.CPR値は食後1時間値と2時間値でリスプロが 低い傾向を認めた.脂質値は両者とも有意差は認めなかった.【結論】食後 1時間値の血糖抑制効果はグルリジンよりリスプロが勝る可能性がある. [HbA1c:NGSP値]

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インスリン・アスパルトまたはリスプロからグルリジンへ の切り替え例の検討 堀込 充章,西森 栄太,仲 元司 佐久市立国保浅間総合病院糖尿病科 【目的】外来インスリン強化療法のボーラス・インスリンをアスパルト(A) またはリスプロ(L)からグルリジン(G)へ切り替える有用性を検討.【方 法】対象患者36名のボーラス・インスリンをAまたはLからGに切り替え, HbA1c,1,5AG等の臨床指標,SMBG1時間値の変化を解析.またアンケー トで使用感を評価.【結果】男性19名,女性17名.1型糖尿病13名,2型糖尿 病23名,平均年齢65.9歳,平均観察期間10.8カ月であった.1,5AG,BMI, インスリン量等に有意差を認めなかったが,随時血糖172.1→147.7mg!dl, HbA1c7.9→7.7%では低下傾向を認めた(P=NS).SMBG1時間値は174.9mg! dl→162.7mg!dlと有意に低下(P<0.05)し,2型糖尿病患者に限定すると低 血糖の頻度も有意に減少(P<0.05).アンケートも食後血糖低下を実感, 満足度上昇と好印象であった.【総括】グルリジンは血糖コントロールの質 を改善しうる.[HbA1c:NGSP値]

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インスリングルリジンの血糖変動に及ぼす効果の検討 村上 彩子1,田中 里奈1,藤澤 和夫1,西田 健朗1,廣瀬 豊樹2 丸山 英樹2,下田 誠也3,荒木 栄一3 国保水俣市立総合医療センター代謝内科1,国保水俣市立総合医療センター循環器内 科2,熊本大学医学部附属病院代謝内分泌内科3 【目的】他の超速効型インスリン(L・A)より,食後血糖変動を抑制させ うるインスリングルリジン(G)の血糖変動へ及ぼす効果を検討した.【方 法】1)外来加療中の糖尿病患者16例を対象に,L・Aを同量のGへ変更し, 6ヶ月間血糖コントロール等を検討した.2)入院中の糖尿病患者10例を対 象に,L・Aを同量のGへ変更し,CGMSを用いて血糖日内変動を比較した. 【結果】1)外来での比較:HbA1c変更前7.10±0.92%,変更6ヶ月後7.06± 0.99%であり,有意差を認めなかった.2))CGMSによる比較:CV値はL・ A 24.5±11.4%,G 21.2±9.8%と減少傾向を認めた.日中のCV値は,L・A 24.6±10.9%,G 19.6±8.9%であり,減少傾向を認めたが,有意差を認めな かった.【結論】Gは平均血糖値にはあまり影響を及ぼさないが,血糖変動 を減少させる傾向を認めた.[HbA1c:NGSP値]

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血液透析患者におけるインスリングルリジンの有用性と安 全性の検討 阿部 雅紀,岡田 一義,丸山 範晃,鈴木 紘子,藤田 宜是, 相馬 正義 日本大学医学部腎臓高血圧内分泌内科 【対象】アスパルト,リスプロにて治療中の2型糖尿病患者10人,透析期間2.8± 1.3年,HbA1c6.6±0.6%,GA23.4±2.3%.【方法】同単位のグルリジンに変 更し,食後血糖値160mg!dL未満を目標に24週間追跡調査を行う.【結果】 HbA1cは6.6±0.6%から,6.0±0.6%(P<0.05),GAは23.4±2.4%から,21.1± 18.1%(P<0.01)と有意な改善が認められた.低血糖頻度は14回!月から, 3回!月(P<0.01)と有意な低下が認められた.【総括】グルリジンは皮下 投与後作用発現が速やかで,消失が短時間であるため,必要十分量のイン スリン補充が可能になり,結果として体重増加,低血糖頻度を上げること なく,質の高い血糖コントロールを実現できた.

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強化インスリン療法における超速効型インスリングルリジ ンへの前向き切り替え試験 城戸内健介,山田 雅之,青木 桂子,金原 秀雄,久田あずさ, 番度 行弘 福井県済生会病院内科 【目的】強化インスリン療法患者を対象に超速効型インスリンをグルリジン に切り替え,その有効性と安全性につき前向きに検討【対象】強化インス リン療法中の1型・2型糖尿病患でHbA1c7.5%以上の71名【方法】超速効型 インスリンをグルリジンへ各単位数1単位ずつ増量して切り替えを行い,以 後GA20%以下を目標に追加インスリン量を適宜漸増【結果】HbA1cは切り 替え前値に比し6ヶ月後で有意に低下し(8.26±0.13→7.72±0.13% Mean± SE;p<0.0001),この傾向は両病型とも認められた.DTSQアンケート調 査では望ましくない低血糖頻度は不変,治療に対する満足度は有意に(p< 0.0001)改善した.【結論】強化療法で血糖管理不十分な患者に対する超速 効型インスリンのグルリジンへの変更は,患者満足度を高めつつ,血糖値 を改善しうる治療選択肢の一つとなる可能性がある.[HbA1c:NGSP値]

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インスリン療法患者におけるインスリングルリジンへの切 り替えの有効性および安全性の検討 神谷 英紀1,加藤 大也2,加藤 義郎1,近藤 正樹1,中村 二郎1 愛知医科大学医学部内科学講座糖尿病内科1,JA愛知厚生連豊田厚生病院内分泌・代 謝内科2 【背景】血糖コントロールが不十分なインスリン治療中の患者において,イ ンスリングルリジンの有効性および安全性についての検討を行った.【対象 と方法】当院および豊田厚生病院にてインスリン加療中で,血糖コントロー ルが不十分な患者42名(平均罹病期間15.3±11年)を対象とし,追加インス リンを同単位のグルリジンに変更し評価した.【結果】HbA1cは8.2±1.4% から7.9±1.5%(P<0.05)と0.3%の有意な低下があり,1,5"AGにおいても 7.7±5.5μg!dlから9.5±6.6μg!dl(P<0.01)と有意な改善を認めた.また, 体重増加を認めず,低血糖頻度に変化はなかった.【総括】インスリングル リジンは,その作用特性から十分なコントロールが得られていないインス リン治療患者に,質の高い血糖コントロールをもたらす可能性が示唆され た.[HbA1c:NGSP値]

参照

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