原 著 〔書女医蘇、篶64巻平面無言〕
魚類網膜におけるドーパミン作動性interplekiform細胞
細胞形態とその多様性,分布およびシナプスー
東京女子医科大学 第一生理学教室 *国立身体障害者リハビリテイションセンター研究所 視覚機能障害研究室 ヒダカ 日高 聡・田内 雅規*・盧ソウ タウチ マサキ ロ陽・橋本 葉子
ヨウ ハシモト ヨウコ (受付 平成6年3月18日) Ce皿ular Morphology of Retinal Dopaminergic Ne皿rons, with Special Attention to Centr蓋fugal Interplexiform CeHs Soh HIDAKA, Masaki TAUCHI*, Yang LU and Yoko HASHIMOTO Department of Physiology, Tokyo Women’s Medical College *Department of Sensory Impairments, Research Institute, National Rehab量litation Center for the Disabled Immunocytochemistry using anti・tyrosine hydroxylase antibody and peroxidase anti・peroxidase (PAP)method, following pre・incubation with hyaluronidase, revealed both the whole retinal distribution and complete cellular morphology of single dopaminergic(DA)neurons in the dace retina. DA neurons were distributed over the retina at a relatively high density of 41 to 88 cells/mm2. Labeled cell bodies in the layer of conventional amacrine cells were variable in size. The immunolabeled dendr三tic arbors in the inner plexiform layer(IPL)revealed two main types of cells. DA cells having large somata extended their dendritic processes in three strata, S 1, S3 and S5(tristratified)of the IPL. Other large DA cens were monostratified at the distal part of the IPL. Prominent labeled processes ascending to the layer of the horizontal ce董ls(HCL)allowed identification of the centrifugal interplexiform cells,which were either tristratified or monostratified in the IPL. The ascending distal processes, which were variable in thickness, terminated in a regular plexus surrounding horizontal cell somata in the HCL, and made conventional chemical synapses onto horizontal cells. The present study suggests that the synapses between DA interplexiform cells and horizontal cells occurred over the retina, although the DA cell population consists of heterotypic cell types and may receive different synaptic inputs in the IPL. The synapses may play an important role in regulation of contrast sensitivity of vision. 緒 言 Interplexiform(IP)細胞は,細胞体が網膜内穎 粒層のアマクリン細胞層に位置する軸索の無い細 胞であるが,内網状層にのみ樹状突起が位置する アマクリン細胞とは対照的に,内網状層の樹状突 起(中枢側)の他に,内穎粒層を上行して外網状 層まで達する樹状突起(末梢側)を有する細胞で ある.神経伝達物質の局在と蓄積部位を検出する 組織化学法1}による標識から,IP細胞は網膜を構 築する細胞型(cell type)の1つであることが確 立された2)∼4).魚類網膜のIP細胞には伝達物質の 種類から,ドーパミン作動性(GABAも同時に含 んでいる)とグリシン作動性のものがあるとされ ている5).カテコールアミンを蓄積するIP細胞の 中枢側樹状突起は主に後シナプス(postsynaptic) であり,末梢側では外網状層において水平細胞に 対して前シナプス(presynaptic)であるという電 子顕微鏡観察から,この型のIP細胞は網膜内において遠心性経路を形成していると考えられてい る6)∼8>.一方,グリシン作動性IP細胞は,形態も 異なるが,これは求心性細胞であると考えられて いる5). 魚類網膜に神経伝達物質の1つであるドーパミ ン(dopamine;3,4−dihydroxyphenylethylamine)‘ を投与すると,2次ニューロンである水平細胞の 受容野は狭くなり,受容野中心部の応答が大きく なる3>9)∼’4).受容野面積の減少は水平細胞間の ギャップ結合(gap junction)連結(カップリン グ)15)における電気抵抗がドーパミンによって増 大するためであるユ6)17).網膜内における内因性 (endogenous)ドーパミンはドーパミン作動性 (dopaminergic)アマクリン細胞およびIP細胞か ら放出されると考えられ,ドーパミンによる水平 細胞間のギャップ結合のカップリングの減少12)18) に対する形態学的基盤は,ドーパミン作動性IP 細胞であると言われている19)20).Falk−Hillarp法1) による古典的な検出に比し,感受性と信頼性がよ り高い神経伝達物質の免疫細胞化学法の進歩によ り,近年,抗チロシン水酸化酵素抗体(anti− tyrosine hydroxylase antibody;抗TH抗体)を 用いて,ドーパミン作動性細胞の標識が行われる ようになった2D∼24).しかし,ドーパミン作動性IP 細胞の網膜内における光応答様式は,魚類網膜に おいてはHashimotoら25), Dlamgozら26>と Shimodaら8)の報告だけである.これはIP細胞の 光応答が他の網膜内神経細胞と識別できるような 特徴を持たないことに起因していると考えられ る.また,ドーパミン作動性IP細胞の細胞形態に ついても,十分な解析は行われていないのが現状 である. ドーパミン作動性IP細胞の網膜内遠心性経路 形成への貢献度を評価するためには,ドーパミン 作動性IP細胞の細胞形態の解明,特にIP細胞と 水平細胞との間の細胞構築上の相互関係を明らか にしなければならない.本研究は抗体の網膜組織 への浸透を促進するために新しく開発した組織化
学法を用い,ドーパミン作動性IP細胞を抗TH
抗体を用いて免疫細胞化学的に標識し,個々の細 胞の形態や網膜上の分布を詳細に検索すると共 に,IP細胞が網膜外層において形成する神経叢 (neuropile)を光学顕微鏡的および電子顕微鏡的 に解析した. 材料と方法 1.標本作製 実験には硬骨魚コイ科ウグイ (丁励01040η三一 肋%翻諮)とアメリカナマズ科チャネルキャット フィッシュ(Z磁γ%1πSヵ観磁嬬)の網膜を用い た。室温で2時間以上暗順応した魚(全長:ウグ イ18∼23cm,アメリカナマズ35∼40cm)を弱い赤 色三下で脳延髄を切断後,眼球(直径:ウグイ 8.5∼9.5mm,アメリカナマズ11∼12mln)を摘出 した.前眼部を切除した後,後眼部の眼盃から網膜硝子体をミリポアフィルター(Milipore
AABPO1300)上に置き網膜を剥離した.剥離網膜 を4%パラフォルムアルデヒドと0.1Mリン酸緩 衝液(pH 7.4)との混合液中で2時間,室温で固 定後,リン酸緩衝液による洗浄を経てG.05Mトリ ス緩衝液(pH 7.6)で置換した.その後,硝子体 の除去と免疫細胞化学的手法における組織への抗 体の浸透を促進する目的で,固定網膜標本を2回 目アルロニダーゼ(type IV, Sigma社),トリス 緩衝液(20mg/m1)中で40分間室温で反応処理し た.再び0.1Mリン酸緩衝液による洗浄後,内限界 膜(inner limiting Inelnbrane)をピンセットで注 意深く剥離した. 2.免疫細胞化学法 1)光学顕微鏡的観察 ドーパミン作動性細胞は,ドーパミン合成酵素の一種であるチロシン水酸化酵素(tyrosine
hydroxylase;TH,ウシ脳由来)に対する抗体2D を用いて免疫細胞化学的に標識し,固定した. (1)凍結切片標本 凍結切片作製装置(Cryostat, Bright社 UK) を用いて厚さ15∼20μmの凍結切片を作製し,切 片上で以下(網膜二二標本の項参照)に述べる免 疫細胞化学的処理を行い,抗TH抗体標識細胞の 細胞形態を明視野照明法とノマルスキー微分干渉 照明法を用いて観察した. (2)網膜全払標本 網膜を界面活性剤0.05%トライトンX−100 一535一(Triton X−100)とリン酸緩衝液で希釈した1次抗 体:ウサギ抗TH抗体(10倍希釈:Eugentech社
NJ uSA,250∼500倍希釈:Chemicon社cA
USA)に4。Cで振二二拝しながら1週間反応させ た.リン酸緩衝液で洗浄後,リン酸緩衝液で50倍 に希釈した2次抗体:ヤギ抗ウサギIgG(H+L) 抗体(Miles社 USA)と3∼4日間反応させ, 80倍に希釈したPeroxidase−anti−Peroxidasεウ サギ(PAP:MBL,名古屋)と2∼3日間反応さ せた.THの局在部位は,0.05Mトリス緩衝液に溶解した0.05%ジアミノベンチジン
(diaminobentizin;DAB),0.001%H202で発色さ せ,同定した.一部の標本は反応産物増強のため に,0.1%OsO4,リン酸緩衝液で20分間反応させ, 永久標本作製のため,アルコールによる脱水を経 てエンテラン(Enteran New, Merk社USA)に 包埋した. 網膜上での抗体標識細胞の分布と細胞密度を計 測する目的で,ウグイ網膜の全域に亘って抗体反 応が見られる標本を選び,10倍の接眼レンズ内に 10マス(1マス80μm)四方の方眼ミクロメーター を装着し,10倍の対物レンズ下で観察した.方眼 ミクロメーター内に存在した網膜上の細胞体の位 置を同型の方眼用紙に書き写し,標本を顕微鏡ス テージ上で800μmステップで移動させ,標本全域 を描写してモンタージュを作製した. (3)樹脂包埋標本 別の標本は,エポン調合樹脂(Epoxy resin)27> に包埋し重合した.エポン包埋標本から樹脂を暖 めながら28)厚さ60μmの網膜縦方向切片を作製 し,エポン樹脂で再包埋して免疫反応陽性細胞像 を解析した. 2)電子顕微鏡的観察 網膜をEldredら29)によって報告された方法に基づいて,カミソリの刃を用いて幅1∼2mmの
短冊状に切り出し,凍結保護のために30%ショ糖, リン酸緩衝液中に4℃で一晩放置した.抗体の浸 透を促進するために,短冊状網膜を液体窒素中に 30秒間浸し,その後室温に戻すという操作を,1 標本毎に数回繰り返した.リン酸緩衝液で洗浄後, 20%ヤギ血清を用い,室温で/時間処理した後,上記の抗TH抗体溶液中に4℃で1週間反応さ
せた.次に,2次抗体との反応を経てPAP溶液中 で反応後,DABで発色させた. 網膜外層におけるドーパミン作動性IP細胞の シナプス結合形成を解析する目的で,抗TH抗体 で標識したアメリカナマズの標本と,西洋ワサビ 過酸化酵素(Horseradish peroxidase;HRP)を 注入したウグイの標本8)を用いた.抗TH抗体で標識したアメリカナマズの標本
と,HRPを注入したウグイ網膜の標本は,1%
OsO4,リン酸緩衝液中(4℃)で1∼2時間処理 し,脱水を経て調合したエポン樹脂で包埋し,重 合した.厚さ60μmの網膜縦方向切片を作製し,更 にこの切片から厚さ80nmの連続丸丸切片を作製 し,酢酸ウランとクエン酸鉛による二重電子線染 色を施して,日立H−7000と日本電子1200EX(岡崎 国立共同研究機構,生理学研究所電子顕微鏡室) の透過型電子顕微鏡で,外網状層におけるTH免 疫陽性IP細胞の樹状突起の走行,局在およびシ ナプス結合を解析した.、 結 果1.TH免疫陽性IP細胞め同定
抗TH抗体に対する免疫反応性は,内三二層の 最内層(アマクリン細胞層)にある細胞体,内網 状層全層に走行する太い突起と,内記粒層の二二側で水平細胞を取り囲むように分布する小瘤
(varicose)を有する突起に認められた.硬骨魚類 の網膜では,内穎粒層の末梢側の領域に良く発達 した水平細胞層(horizontal cell layer30))が認め られる.図1は厚さ20μmの凍結切片上での免疫 反応性を示している.凍結切片上では内網状層の 免疫陽性部と水平細胞層にある免疫陽性部とを連 結する免疫陽性突起を認めることができなかっ た.図2はパラフォルムアルデヒド固定した網膜 組織上で免疫反応を施した後,エポン樹脂包埋し た標本から得られた厚さ60μm切片上での免疫反 応性を示している.この方法により,図2に示すように,内穎粒層を水平細胞層に向かう太さ
0.38±0.05μm(n=108,平均±標準偏差)の免疫 陽性突起(矢頭)が同定された.抗TH抗体標識 細胞は,細胞体がアマクリン細胞層に存在し,樹状突起を内網状層に伸ばしつつ,その突起の一部 は末梢側網膜に向かって上行し,水平細胞層に密 に分布していた.この観察から抗TH抗体により 標識されたドーパミン作動性細胞の一部は,Dow・ 11ng&Ehlnger3)およびBoycottら2>によって定 義された1nterplexlform(IP)細胞であることが 確認された.IP細胞の特徴である内網状層から水 平細胞層に伸びる上行性突起(ascendlng pro− cess)は,その起点(発生源点)に基づいて主に3 つの型が同定された.①細胞体から直接生じる型 (図2a),②内網状層の末梢側(sublamlna a)の 主(prlmary)および2次(secondary)樹状突起 から分枝する型(図2b),および,③僅か2例で はあったが,内網状層の中枢側(sublamma b)の 樹状突起から分岐して上行する型(図2c)である. 2.TH免疫陽性細胞の網膜内分布 TH免疫陽性細胞が均一細胞群(homogeneous population)から成り立っているか否かを検索す る目的で,網膜上における平面的なTH免疫陽性 細胞の分布を調べた.図3はウグイ左眼の網膜全 載標本上でのTH免疫陽性細胞の分布を示して いるが,黒丸は抗体陽性細胞の細胞体の位置を示 している(図3a).本標本では魚類に特徴的な周辺 部網膜にある神経細胞増殖部位(ora serata)は含 まれていない.網膜全域で3,070個の免疫陽性細胞 が計測された.網膜中央部の欠損部位は視神経乳 頭に対応する.TH免疫陽性細胞は,細胞密度 (cell density,CD)等高線地図(図3b)で見られ るように,視神経乳頭の周囲で鼻 腹側(naso ventra1)の領域でやや高く,875cells/mm2であ り,平均細胞間距離(lnean lntercell dlstance, MID)は76μmであった.網膜上の上側(tempo ral)方向にCDは低くなり,視神経乳頭の中心か ら2∼3mm離れた背側(dorsal)領域では,平均
のCDは406cells/mm2であり,MIDは1229μm
であった. 3.TH免疫陽性細胞の細胞形態,樹状突起の分 岐形態 個々のTH免疫陽性細胞の細胞形態,内網状層 における樹状突起の分岐形態に主眼を置いて検索 した.網膜平面像を図4∼9に示す.標識細胞の● ● ● ● ● ● ノ● ● ●72ce”。/mm・∼ ● 40∼72ce門s/mm2 ● ∼40cells/mm2 細胞体はアマクリン細胞層に位置し,比較的大き な細胞体面積(soma area 217±66mm2)を有し, その大きさは網膜上の方位(orientation)に依存 しない.細胞体から内網状層に1∼4本の主樹状 突起が放射状に伸び,内網状層のsublarnina aで 100∼200μmの間比較的直線状に走行した後2次 の突起が分岐し,sublamina bに下行しつつ,末 梢の突起も放射状に伸びていく細胞や,途中から 折れ曲がって下行する細胞も観察された.観察し た殆どのTH免疫陽性細胞の樹状突起は,内網状 層のsublamina 1,3,5(S1, S2, S5)(S1はsub− Iamina a, S3, S5はsublamina b)の三層30>31)にお いて3層分岐(tristrati丘ed)していた(例:図5, 9aに示した細胞)が, S1層に広く分布する樹状突 起を有する細胞(例:図7,8,9b)も見られた. 図4は,視神経乳頭に近接した鼻側領域のTH 免疫陽性細胞群を示したが,CDが最も高い部位 の細胞群である.この領域の免疫陽性細胞の細胞 体の形と大きさは比較的均一で,樹状突起はかな り細く,突起の走行を追跡することは困難であっ た.
図5は視神経乳頭から背側へ2mmの距離の領
域の細胞群を示す.図5aは細胞体と内網状層の sublamina aの突起に,図5bはsublamina bの突 起に焦点を合わせて撮影したものである.この領 域内の1個の細胞のカメラルシダ描画(camera lucida drawing)を図9字置示す.これらの細胞の 樹状突起はやや折れ曲がりながら内網状層で3層 分岐しており,樹状突起野(dendritideld)は平 面上0.5mm2であった.細胞形態も全体的に良く 似ている. 図6は鼻側周辺領域の免疫陽性細胞群を示した が,この領域では細胞体の大きさに変動が見られ, 矢印で示すようなかなり小さな細胞も存在する. また,2mmもの長い距離を走行する突起を有す る細胞も存在した. 図7は視神経乳頭から腹側に2.5mmの距離の 領域の免疫陽性細胞を示す1この領域の標識細胞 は樹状突起は比較的直線的に放射状に伸びてお り,樹状突起野は比較的大きく1.5日目2であった.図8は図7細胞群の中央に位置した細胞の拡大
(図8a)とこの細胞群に近接した領域で観察され た内網状層のsublamina aに単層分岐した樹状 突起を有する免疫陽性細胞(図8b)を示す.図8 bに示.ざれた細胞のガメラルシダ描画を図9bに 示す.図8に示した細胞は,その細胞形態が,光 応答を記録後HRPを注入し, IP細胞と同定した 細胞(Shimodaら8)の報告の図2,3)に似ている. 中枢側樹状突起は丸い細胞体から放射状に3本の 主樹状突起を生じ,2次以降の樹状突起も比較的 直線状に伸び,終末部位は小瘤(varicose)様の形 態をとりながら,sublalnina aを走行していた. このようにウグイ網膜のTH免疫陽性細胞は,網 膜上の領域に依存しつづ,細胞形態は変化に富んでいることが明らかになった.
4.TH免疫陽性IP細胞の比率
TH免疫陽性細胞の中でIP細胞が占める割合
を推定するために,剥離網膜上で免疫反応を行い, 標本上で免疫陽性細胞を確認した後に組織化学過 程を経て樹脂包埋した標本から,60μm縦方向連 続切片を作製し,108個の細胞を調べ,その上行性 突起の数を計測した.図2に示したような発生源 点が明確で走行が明瞭に追跡できた上行性突起は109本認められた.その中には図10の矢頭が示すよ うに,60μm切片上でも一部のIP細胞の中には, 内網状層末梢側にある樹状突起から少なくとも複 数の上行性突起を有するものが見られることが判 明した.更に,上行性突起には太さに著明な変動 が認められ,図11に示すように,かなり細い上行 性突起も内網状層から網膜外層に向かっている. 光学顕微鏡レベルの解析では,その発生源点およ
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OP 、 ! \ \ b 100μmび細い上行性突起の走行は同定できなかったの で,図11に示すような細い小銃様形態を有する上 行性突起は計測しなかった.したがって,この結 果からは厳密な意味でのIP細胞の割合を確定す ることはできなかった.
5.TH免疫陽性IP細胞の水平細胞池内分布
内網状層からの上行性突起の発生に関しては完 全追跡はできなかったが,ドーパミン作動性IP 細胞は水平細胞の応答特性や受容野に影響を与え ることが示唆されているので,水平細胞層に分布 するTH免疫陽性IP細胞の終末突起について, 形態学的な情報を得ることは極めて重要なことで ある.網膜縦方向切片上でTH免疫陽性突起の水 平細胞層の分布は,図11に示すように異なる層に 分布する水平細胞を取り囲んでいる.図12はウグ イ網膜の縦方向の細胞構築を示したトルイジン青 染色による厚さ1μln切片の標本であるが,水平細 胞層はキンギョ網膜で報告されたように32),錐体 水平細胞(H1,・}12, H3, H4),粁体水平細胞(RH), 錐体水平細胞の軸索終末(AX)という6つの層か ら成り立っている(網膜組織上ではH2, H3, H4の 層を明確に区別することはできない).図11と図12との対応からTH免疫陽性突起はH1以外の水平
細胞細胞体も取り囲んでいることは明らかであ る. 網膜全品標本上で水平細胞層に標識されたTH 免疫陽性突起の平面分布を図13aに示す.図13b は厚さ1μmの網膜水平方向切片のトルイジン青 染色像で,H1水平細胞の細胞体の配列を示したも のであるが,図13aとほぼ同一の深さのものであ る.図13aの網目状構造を呈した免疫陽性突起が 取り囲む構造は,その大きさと形から図13bに示 すH1水平細胞の細胞体に対応していると推定され,TH免疫陽性突起は規則的に分布するH1水
平細胞体を一様に取り囲んでいることが明らかに なった.しかし,TH免疫陽性の細胞体は不規則な 分布を示し,細胞形態も多様に変化していた(図 4∼6).そこでTH免疫陽性細胞の細胞体分布, 内網状層における樹状突起の分布,および水平細 胞層の終末突起の分布との相関を調べた.図14aはアマクリン細胞層に標識されたTH
免疫陽性IP細胞の細胞体と内網状層のsub−
1amina aの樹状突起に焦点を合わせた写真であ る.図の上方で横に並んでいる標識細胞は,内網 状層において3層分岐の形態をとり,形態学的に 同質であるが,標識細胞体間隔は不定である.更 に,同一視野内でありながら矢印で示した標識細 胞は,細胞体の大きさおよび突起の太さが上記3 個の標識細胞とは異質のものである.この層に分 布する一定視野内の細胞体と突起全体の描画を図 15Aに示す.標識細胞の樹状突起はsublamina a においては比較的粗に分布しており,どの領域も 覆っているものの,規則的な網目構造は認められ なかった.一方,水平細胞層に分布するTH免疫陽性IP
細胞の終末突起は,解析領域は異なるが,図13a と同様に,H1水平細胞体を密に取り囲んで,規則 的な網目構造を呈している(図14b,15B).この結果は,TH免疫陽性IP細胞の形態と内
網状層における樹状突起野の支配領域に関わら ず,ドーパミン作動性IP細胞は, H1水平細胞層で は一様にその終末突起を伸ばしていることを示唆 するものである.6.水平細胞層におけるTH免疫陽性IP細胞
のシナプス形成 ドーパミン作動性IP細胞が水平細胞に作用す るならば,シナプスを介していると考えられるので,水平細胞層でTH免疫陽性IP細胞の終末突
起が形成するシナプス結合を電子顕微鏡で解析し た.図16はH1水平細胞とTH免疫陽性IP細胞と
の間のシナプス結合の1例を示す.図16aの矢頭 で示すように,同型の水平細胞同士はお互いに ギャップ結合(gap junction)によって連絡してい る15)33)3〃)∼37).IP細胞の小瘤様の終末突起が水平細 胞の細胞体に化学シナプスを形成していた(図16 a,*).図16bはIP細胞からH1水平細胞への化 学シナプス結合部位の拡大を示す.シナプス部位 では,前シナプス(presynaptic)突起のIP細胞側 にシナプス小胞の凝集が認められ,前と後の両シ ナプス部位の細胞膜は肥厚し,電子密度が高く なっている.しかし,このシナプスでは凝集する騰:1許・猟奇
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50Fm シナプス小胞の数は,アマクリン細胞が内網状層 で形成するもの3‘〉∼38)に比べて少なく,接触する細 胞膜の肥厚は薄く,後シナプス膜(postsynaptic membrane)の裏打ち構造は発達していない. 7.水平細胞層で形成されている網目構造の起 源 光学顕微鏡レベルで観察された網目構造は,水 平細胞の細胞体をTH免疫陽性細胞の終末突起 が取り囲むことによって形成されていることを電 子顕微鏡レベルで確認するために,抗TH抗体を 用いてウグイ網膜から試料作製を試みたが,ウグ イ網膜では抗体の浸透が不十分で解析できなかっ た.そこで,アメリカナマズ網膜で試みたところ 良好な試料が作製できたので,この網膜を電顕解 析に供した. アメリカナマズ網膜には錐体水平細胞は1種類 しか存在しない39).光顕レベルで観察した水平細 胞層の網目状構造を形成するTH免疫陽性突起 は,図17aに示すように水平細胞体を取り囲んで いることが確認され,この突起は水平細胞に対し て化学シナプスを形成していた.その1例を図17 bに示す.反応産物の沈着が存在する突起がIP細 胞の終末突起であり,この突起の一部の前シナプ ス部位(矢頭)にシナプス小胞の凝集が認められ, 前後両シナプス膜は肥厚し,電子密度が高くなっ ている.この解析から,錐体水平細胞細胞体を密 に一様に取り囲んで分布する小瘤様突起はドーパ ミン作動性IP細胞の終末突起で,水平細胞に化学シナプスを形成していることが明らかになっ た.更に,図には示さないが,TH免疫陽性の小瘤 を有する突起は水平細胞のみならず,外網状層で 視細胞の軸索末端にも接触していることが明らか になったが,視細胞とIP細胞との間にはシナプ スを示す結合構造はどの接触部位でも認められな かった. 考 察 1.ピアルロニダーゼ処理標本上での抗体浸透 性 ピアルロニダーゼ処理後,内限界膜を剥離した 網膜全点標本を用いて免疫抗体反応を行う本研究 で開発した方法により,TH免疫陽性細胞の網膜 上の分布や密度ばかりではなく,TH免疫陽性細 胞の樹状突起の形態を明らかにすることが可能と なった.従来,ピアルロニダーゼの使用は硝子体 の除去が目的であったが,本研究のように比較的 高濃度(2%)のピアルロニダーゼに40分間とい う長時間反応させたことが抗体の浸透を高めたも のと考えられる.予備実験の段階では,酵素濃度 が2%未満では免疫陽性細胞の標識像は殆ど得ら れず,より高濃度またはより長時間の酵素反応を 施行すると網膜組織構造の保存の程度が悪化し, 抗体標識像は細胞の完全な形態を保持していな かった.また,網膜組織をタンパク分解酵素のト リプシンやパパインで処理した場合は,ピアルロ ニダーゼを高濃度・長反応時間施行した場合より 標識細胞像は悪かった.ピアルロニダーゼの網膜 神経組織に対する作用機序は不明であるが,使用 したSigma type IVのピアルロニダーゼに含ま れる他の要素が網膜組織に作用して,細胞間結合 が少し緩和されて抗体の浸透が促進さ’ねた可能性 は否定できない. 界面活性剤の使用も抗体の浸透促進には必要で ある.網膜全載標本上での免疫反応は多数行われ てきたが,その中で,固定網膜組織をアルコール で処理して良好な抗体標識像が得られた報告があ る40)41).これらの報告では確かに標識細胞の平面 分布が明らかにされ,平面的な樹状突起の走行が 記載されているが,これらの標本から網膜縦方向 の樹状突起の広がりをも観察した報告は殆どな かった42)43). 本研究のようにピアルロニダーゼおよび界面活 性剤の併用による処理を施行した場合は,標本の 保存の程度が良好で,内網状層における樹状突起 の走行のみならず,水平細胞層へ上行する突起も 同定可能である.これは魚類に特徴的な水平細胞 層が,凍結切片や従来の前処理法では破壊されて しまうが,本法では良好に保存されたことによる ものである. 2.TH免疫陽性細胞の密度と分布 TH免疫陽性細胞の密度はウグイ網膜上の領域 に依存して違いが認められた.密度は視神経乳頭 の周囲で高く,耳側の網膜周辺部で低くなってい た.抗TH抗体で標識されたウグイのドーパミン 作動性細胞の密度は,古典的なFalk−Hillarp組 織螢光法1)によって検出されたコイのカテコール アミン蓄積細胞(28cells/mm2)44)に比較すると高 密度であった.免疫抗体法は検出感度が高いため に,古,典的な組織螢光法では検出されなかった細 胞を検出できた可能性もあるが,ウサギ網膜上で 報告された組織螢光法と免疫抗体法による標識細 胞の密度と分布の相違45)から考えると,カテコー
ルアミン蓄積細胞の方がTH抗体陽性細胞より
多く標識されるはずである.ウグイ網膜上のカテ コールアミン含有細胞に関する電気生理学的組織 化学的研究報告はあるが46),細胞の密度と分布に 関しては検索されていない.ウグイとコイとでは ドーパミン作動性細胞の密度に違いがある可能性 がある.アマクリン細胞層に存在する細胞体の密 度はウグイの方がコイよりも高い(図12参照).コ イではカテコールアミン蓄積細胞はアマクリン細 胞層に存在する全細胞の約0;3%と見積られてい る47)48). 3.TH免疫陽性細胞の形態的不均一性抗TH抗体によって標識されたウグイ網膜の
細胞は,細胞体の大きさおよび内網状層における 樹状突起の分岐から,少なくとも3つの型の存在 が明らかになった.①大きな細胞体を有し,内網 状層ぞ3層分岐している細胞は,外部から与えた (exogenous)カテコールアミン蓄積細胞として報 告されている3)4)6)49)50)細胞と形態的に一致している.②大きな細胞体を有し,内網状層の末梢側 (sublamina a)で広く樹状突起を伸ばしている細 胞はウサギのType 1アマクリン細胞45)に似てい るが,ウグイでは太い上行性突起を有することか らIP細胞である8).③細胞体の小さな細胞は,樹 状突起がかなり細いことから,通常のアマクリン 細胞であると推定される. 本研究方法で網膜水平細胞層に向かう上行性突 起は,従来の報告よりも遙かに鮮明に同定された が,1個口免疫陽性細胞の末梢突起までは追跡で きなかったので,TH免疫陽性細胞の中に通常の アマクリン細胞が占める割合を決定することはで きなかった.しかしながら,形態的特徴を異にす る3種類の免疫陽性細胞の存在から,細胞群は不 均一であることが推定される.内因性カテコール アミンの局在と,光応答から同定してエチジウム ブロマイドを注入した細胞との対応から,ウグイ
網膜ではドーパミン作動性IP細胞以外にカテ
コールアミンを含有するアマクリン細胞が存在す ると結論されている46). カテコールアミンを蓄積した細胞へ,顕微鏡下 にルシファー黄を注入する方法51)を用いても,全ての細胞に上行性突起が同定されてはいな
い49)50).上行性突起の太さは突起により顕著な相 違があることから考えて,分子量457Daのルシ ファー黄52)は,細い上行性突起を充填しなかった 可能性は十分考えられ,また,充填していても螢 光顕微鏡観察で見落とした可能性も考えられる. 検出感度の高いレーザー走査型顕微鏡観察を行う か,分子量の小さなビオチン複合物,biocytin53)や Neuroblotin‘4)の細胞内注入法の併用55)56)による 解析が期待される. 4.水平細胞層におけるドーパミン作動性IP 細胞神経叢の意義 細胞体の分布や内網状層での樹状突起の広がり とは独立して,水平細胞層では密な規則的なIP 細胞のネットワークが存在し,「そこではIP細胞 から水平細胞へのシナプスが形成されている.IP 細胞と水平細胞間の形態学的構築から推測すれ ば,網膜のどの部位でも一様に水平細胞はIP細 胞の影響を受けている可能性がある.ドーパミン 作動性IP細胞は網膜内の遠心性経路を形成して いると言われているが,水平細胞層における規則 的細胞構築は,内網状層におけるIP細胞への入 力の分布に依存することなく,IP細胞が水平細胞 に作用することを可能にしているのであろう. ドーパミン作動性細胞は,細胞間でギャップ結合 を形成していないし,同種細胞間での化学シナプ ス結合も報告されていない6)7>24).内網状層におけ る同種細胞間での入力の増強が期待されない分, 水平細胞層ではどの領域でも均一に分布すること は重要であると考えられる.1個のIP細胞の水 平細胞層における末梢突起の広がりは本研究では 同定できなかったが,これの解明は必須の命題で ある.ドーパミンが水平細胞に作用すると,ギャッ プ結合抵抗を増大することによって水平細胞の受 容野を縮小し,視機能の面ではコントラストの減 少を惹起する.網膜のどの領域でも一様にコント ラストの減少を引き起こす機構の存在は必要であ り,水平細胞層におけるIP細胞の均一なネット ワークはこれに寄与していると考えられる.結 語
抗体の浸透を促進させる新しい前処理法を考案 し,抗TH抗体を用いた免疫細胞化学的手法によ り,ウグイ網膜のドーパミン作動性ニューロン (DA細胞)について,その形態的特徴,分布およ び水平細胞とのシナプスについて検索し,以下の 結果を得た. 1.DA細胞の密度は他の魚類網膜と比較する と比較的高い密度を示した.細胞体は通常のアマ クリン細胞層に位置し,その大きさは多様であっ た.内網状層への樹状突起の広がりは,S1, S3, S5 の3層に分岐する型とS1に単層に広がる型の2 型に分類された. 2.DA細胞の中には水平細胞学に向かう上行 性突起を有し,その終末が水平細胞とシナプスを 形成する特有の形態を示す細胞があり,これが interplexiform細胞(IP細胞)の同定根拠となっ ているが,抗TH抗体標識細胞の中にも明らかに IP細胞は存在し,内網状層への樹状突起は上記2 つの型が認められた.IP細胞の上行性突起の太さ は一定ではなく,その終末突起は水平細胞の細胞 一545一体を取り囲むように比較的規則的に分布し,水平 細胞と化学シナプスを形成していた. 本研究から,内網状層にあるIP細胞への入力 は細胞により異なっていることが予想されるが, 出力はほぼ水平細胞層に一様に分布していること が示唆され,IP細胞と水平細胞間のシナプス結合 は,視機能の中でコントラストの感度調節に大き な役割を果たしているものと考えられる. 終わりに,写真作製は当教室の飯塚桂一君に,切片 作製は石原町人君に,免疫陽性細胞の網膜上の分布と 描画は前原通代君にご協力頂きました.皆様に深謝致 します. 本研究の一部は文部省科学研究費(1989∼1990)No. 01304026,(1991)No.03857020,(1992)No.04857016 および本学平成2年度基礎プールで行われたもので す. 図の説明 図1 ウグイ網膜凍結切片上での抗TH抗体に対す る免疫反応性(PAP法によるDAB発色) a:内冠粒層(INL)および内網状層(IPL)におけ る抗体標識細胞 bl水平細胞層(HCL)には免疫陽性突起は認められ ない. 図2 厚さ60μmのエポン包埋切片上での抗体標識IP 細胞(ウグイ網膜) 矢頭はIP細胞に特徴的な中枢側網膜から水平細胞 層に上行する突起(ascending process)を示す. a:上行性突起が細胞体から発生している例,Bar= 10μm b:内網状層(IPL)の末梢側(sublamina a)の樹 状突起から分岐している例,Bar=10μm c:IPLの中枢側(sublamina b)の樹状突起から分 岐上行している例 IPLは末梢側から中枢側に向かってS1, S2 (sub− lamina a),S3, S4およびS5(sublamina b)の5層 から構成されている.(以下断りがなければウグイ網 膜を使用) 図3 抗体標識細胞の左眼網膜上の分布 a:標識細胞体を・で示す。3,070個の細胞が標識さ れた. b:細胞密度等高線地図.等高線を破線で示して領 域を区画し,細胞密度を大きさの異なる黒丸で示す, 網膜中央の欠損部位は視神経乳頭に対応する. D:背側,V:腹側, N:鼻側, T:耳側. 図4 視神経乳頭に近接した内側領域の抗体標識細胞
群
細胞密度が最も高い領域.OPは視神経乳頭を示す. 図5 視神経乳頭から2mm背側領域の抗体標識細胞 群 a:細胞体と内網状層の末梢側の突起を示す. b:同一領域の内網状層中枢側の標識神経叢を示 す.図に示した全ての標識細胞は内網状層で3層に 分岐していた. 図6 鼻側の周辺領域で見られた抗体標識細胞の形態 的多様性 細胞体の大きさ,樹状突起の分岐状態と樹状突起の 長さの違いに注意. 矢印は標識細胞の中で小さな細胞体を示し,矢頭は 2mmもの距離を走行した主樹状突起を示す. Bar= 50μm 図7 視神経乳頭から2.5mmの腹側領域の抗体標識 細胞群 この領域の標識細胞の樹状突起は内網状層の末梢側 で発達しており,突起野の大きさは比較的一様で あった. 図8 a:図7中央に見られる標識細胞の拡大図.この細 胞は上行突起を確認しIP細胞と同定された.主樹 状突起はsublamina aに広がっている.Bar=20μm b:aと同様の内網状層に樹状突起を広げている他 の細胞群の例.この細胞もIP細胞と同定された. 図9 1P細胞と同定された抗体標識細胞の内網状層 に分布する樹状突起の描画 a:内網状層で3層分岐した細胞例. b:図8bの細胞. 矢印は網膜上の視細胞錐体の配列方向25)を示し,OP は視神経乳頭の方向を示す. 図10 抗体標識IP細胞の1例 60μmの切片上で2本の上行突起(矢頭)が認められ た. 図11抗体標識IP細胞の上行突起と水平細胞層にお ける突起終末 内網状層からは多くの上行突起(矢頭)が発生して いるが,その発生起源と走行を確認することは困難 なものが多かった.標識された突起は水平細胞の軸 索(AX),粁体水平細胞(RH)に接触しながら上行 し,水平細胞層ではH1とH2の細胞体を取り囲んで 終末している.内網状層では標識突起はS1, S2およ びS3の3層に分布していた. 図12厚さ1μm切片のトルイジン青染色によるウグ イ網膜の断面像 図13 抗体標識IP細胞の水平細胞層における終末突 起の分布 a:抗体標識突起の分布. b:aと対応する部位と深さにある,厚さ1μmの網 膜水平切片のトルイジン青染色像.H1:水平細胞体 を示す. 図14 抗体標識IP細胞が内網状層に広げる樹状突起 と水平細胞層に送る突起の分布状態a:内網状層. b:aと同一領域の水平細胞層. 小さな細胞体(矢印)も存在しIP細胞細胞体は規則 的には分布していないが,水平細胞層の終末突起は 一様に分布した規則的な神経叢を形成している. 図15図14の描画 図16錐体水平細胞(H1)の細胞体とIP細胞の終末突 起(*)間のシナプス結合 a:H1水平細胞体間のギャップ結合(矢頭). N:H1 水平細胞の核,RH:現体水平細胞, CT:錐体の軸 索終宋,Bar=1μm(a, b) b=シナプス結合部位(*).IP細胞終末突起内にシ ナプス小胞の凝集が認められ,IP細胞と水平細胞の 接触部位の両細胞膜は肥厚し,電子密度が高い.し かし,水平細胞の.細胞膜の細胞質側には裏打ち構造 は認められない.黒く染色された突起はHRP注入 IP細胞の終末部. 図17Hl水平細胞の細胞体を取り囲むように抗体標 識されたIP細胞の終末突起と両細胞間のシナプス 結合(アメリカナマズ網膜) a:抗体標識されたIP細胞の突起は水平細胞の周 囲に密に分布している.N:H1水平細胞の.核, CT: 錐体の軸索終末. b:シナプス結合部(矢頭)を示す.抗体標識突起内 にシナプスの凝集が認められる. 文 献 1)Falck B, Hillarp NA, Thiema G et al:Fluo− rescence of catecholamines and related com− pounds condensed with formaldehyde. J Histo− chem Cytochem 10:348−354,1962 2)Boycott BB, Dowling JE, Fisber SK et al: Interplexiform cells of the mammalian retina and their comparison with catecholamine− containing retinal cells, Proc R Soc LQnd B 191:353−368, 1975 3)Dowling JEゴEh孟nger B: Synaptic organiza. tion of the amine・containing interplexiform cells of the goldfish andαろ%s monkey retinas. Science 188:270−273, 1975 4)Dowling JE, ELinger B, Hedden WL The interplexiform ce11:Anew type of retinal neuron. Invest Ophthalmol 15:916−926,1976 5)Marc R, Li星1 LS:Horizontal ceII synapses onto 91ycine・accumulating interplexiforrn cells. Nature 311:266−269,1984 6)Dowling JE, Ehinger B:The interplexiform cell system I. Synapses of the dopaminergic neurons of the gQldfish retina. Proc R Soc Lond B201:7−26,1978 7)Dowling JE, Ehinger B, Floren I: Fluores. cence and electron microscopical observations on the amine−accurnulating neurons of the α勧εmonkey retina. J Comp Neuro1192: 665−685, 1980 8)Shimoda Y, Hidaka S, Maehara M et.al: Hyperpolarizing interplexiform cell of the dacea retina identified physiologically and morphologically. Vis Neurosci 8:193−199,1992 9)Hedden WL, Dowling JE:The interplexifo㎜ cell system II. Effects of dopamine on gold丘sh retinal neurons. Proc R Soc Lond B 201: 27−55, 1978 10)Negishi K, Drujan BI):Reciprocal changes in center and surroundings S−potentials of丘sh retina in response to dopamine. Neurochem Res 4:313−318,1979 11)Teran董shi T, Negishi K, Kato S:Dopamine mQdulates S−potential amplitude and dye− coupling between external horizontal cells in carp retina. Nature 301:243−246,1983 .12)Teranishi T, Negishi K, Kato S:Regulatory effect of doparnine on spatial properties of horizontal cells in carp retina. J Neurosci 4: 1271−1280, 1984 13)Hida E, Negishi K, Naka K−1:Effects of dopamine on photopic Ltype S−potentials in the carfish retina. J Neurosci 11:373−382,1984 14)Yamada M, Shigematsu Y, Umetani Y et al: Dopamine decreases receptive丘eld size of rod・ driven horizontal cells in carp retina. VisiQn Res 32=1801−1807,1992 15)Yamada E, Ishikawa T:The fine structure of the horizontal cells in some vertebrate retinae. Cold Speing Habor Symp Quant Biol 30: 383−392, 1965 16)Lasater EM, Dowling JE:Dopamine decreases conductance of the electrical junc− tions between cultured horizontal cells. Proc Natl Acad Sci USA 82:3025−3029,1985 17)Miyachi E・1, Murakami M:Decoupling of horizontal cells in carp and亡urtle retinae by intracellular injection of cyclic AMP. J Physiol 419:213−224, 1989 18>Piccolim M, Neyton J, Gerschenfeld HM: Decrease of gap junctfonal permeabllity in− duced by doparnine and cyclic adenosine 3〆, 5’一monophosphate in horizontal cells of turtle retina. J Neurosci 4:2477−2488,1984 19)Mangel SC, Dowling JE: Responsiveness and receptive field size of carp horizontal cells are reduced by proユonged darkness and dopamine. Science 229:1107−1109,1985 20)Umino O, Dowling JE:E仔ec亡s of Hght stimuli on the release of dopamine from inter. 一547一
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