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Body Mass Indexの軌跡と糖尿病型との関連 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 真野 芳彦 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医科学 ) 学 位 記 番 号 医工博甲 第 283 号 学 位 授 与 年 月 日 平成26年3月20日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 人間環境医工学専攻(生体環境学コース) 学 位 論 文 題 名 Body Mass Indexの軌跡と糖尿病型との関連

(The Association between Trajectory of Body Mass Index and Prediabetes) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 小林 哲郎 委 員 准教授 平野 雅己 委 員 講 師 太田 一保

学位論文内容の要旨

(研究の目的) 本研究の目的は、糖尿病発症までのBMI の軌跡の特徴を検討することで、BMI の増加が糖尿病発 症のリスクであるか否かを明らかにすることである。 (方法) 人間ドックデータを活用して、症例対照研究を行った。糖尿病発症時のBMI をマッチングさせた 糖尿病発症者(症例群)と糖尿病未発症者(対照群)のBMI の軌跡を描いた。 症例の定義は、1999 年度から 2003 年度までに最低 2 度以上受診して、且つ 2004 年か ら2008 年度の間に糖尿病の発症基準を満たした者で、その間の最初に糖尿病を判定され た時点をもって発症と定義し、そこで症例の観察を終了した。糖尿病の発症基準はHbA1c6.5%以 上かつ空腹時血糖値(FBS)126 ㎎/dl 以上に設定した。 解析に使用した測定項目は、1999 年 4 月から 2008 年 3 月の性別、生年月日、身長、体重、HbA1c、 FBS である。BMI は[体重㎏/身長㎡]の計算式に基づき求めた。 統計解析は、これらの方法により1:10 の比でマッチングされた症例群と対照群に対して、男女別 に各群のマッチング時点での年齢、体重、身長、BMI、HbA1c、FBS の平均値と標準偏差を算出し た。本研究の主要な解析として、時点とそれぞれの群に属することを説明変数とした交互作用項を 含む一般線形モデルにより、BMI の回帰を行った。更に、症例群と対照群の過去を振り返り、その 一般線形モデルによりBMI の平均を推定し、各群をマッチングさせ軌跡を描出した。なお、一般 線形モデルの切片には個体のばらつきを考慮する目的で変量効果を設定した。解析は男女別に行っ た。

(2)

(結果) マッチングされた時点で、男性の年齢は、症例群が 59.3 歳(Standard Error, SD=9.2)、対照群 が57.7 歳(SD=11.2)、BMI は症例群で 25.0 ㎏/m2 (SD=3.1)、対照群で 25.2 ㎏/m2(SD=2.9) となった。女性では、年齢が症例群で61.4 歳(SD=7.9)、対照群で 60.1 歳(SD=9.6)、BMI が症例 群で24.8 ㎏/m2(SD=3.5)、対照群平均で 24.9 ㎏/m2(SD=3.4)であった。男性では、対照群に対 して症例群の傾きの推定値はほとんどの時点で正の値を示し、症例群のBMI の増加の速さが対照群 よりも速くなっていた。すなわち、症例群の方が対照群よりも体重が増加していた。女性においても、 症例群が糖尿病型となる5 年前より同様の結果がみられた。 (考察) 肥満が糖尿病のリスクであることは知られているが、BMI が高値であることと、BMI が増加す ることのいずれが糖尿病のリスクであるかは明らかではない。糖尿病発症時点のBMI をマッチング し、BMI が高値であることのリスク因子が取り除かれていると考えられる本研究の結果から、BMI の経年的な増加が糖尿病型のリスクと関連していることが示唆された。BMI と糖尿病発症に関する 先行研究には、本研究のように繰り返しデータを活用して、症例対照研究による症例群と対照群を振 り返ってBMI の軌跡を描いたものはない。また、BMI の経時的な傾きにつき、糖尿病型の集団と血 糖値が正常な集団とで詳細な検討を行った研究もない。国内の先行研究では2 時点ではあるが、BMI もしくは体重の増加による糖尿病発症リスクの増加が示されている。これはBMI の軌跡を描いた本 研究の結果と一致する。 症例群となった参加者が糖尿病型となったメカニズムとしては、日本人に特徴的な要因とされる、 インスリン分泌不全にインスリン抵抗性が加わる発症機序を第一に考える。先行研究によれば、欧米 人と比較して日本人を含む東アジア系民族はインスリン感受性が良好であるとされるが、それらの糖 尿病発症者に限ればインスリン分泌能は低い傾向にあった。インスリン分泌不全を持つ者に体重増加 が伴うことで、インスリン感受性が低下し、2 型糖尿病発症の危険性が上昇するということが報告さ れ、この機序が本研究の症例発症に関与すると推測している。日本人の 2 型糖尿病の発症や進行に 関わる遺伝子多型を特定した先行研究によれば、この遺伝子多型KCNJ15 は肥満でない糖尿病患者 に多くみられ、かつインスリン分泌能が経時的に低下する傾向があるという。よって、このようなイ ンスリン分泌能が低下した者は、体重増加が加わることでインスリン抵抗性が増し、糖尿病を発症し やすいと考えられる。 (結論) 本研究では、BMI の経年的な増加が、BMI が大きいことを除いてもなお、糖尿病型を引き起こす 明らかな独立したリスクファクターであることが示唆された。

論文審査結果の要旨

2014 年 2 月 19 日真野芳彦氏の論文公開発表会が開かれた研究目的は、糖尿病発症と体重(BMI) の変化の特徴を明らかにするところにある。 方法は、1999 年~2003 年度まで最低 2 度人間ドックを受診した例でかつ 2004 年~2008 年の間に

(3)

糖尿病型の発症基準を満たした者で、その間の最初に糖尿病を判定された時点をもって発症と定義し、 そこで症例の観察を終了した。糖尿病型の基準は HbA1c 6.5%以上もしくは空腹時血糖値(FBS) 126 mg/dl 以上に設定した。 解析に使用した測定項目は、1999 年 4 月から 2008 年 3 月の性別、生年月日、身長、体重、HbA1c、 FBS である。BMI は{体重㎏/身長m2}の計算式に基づき求めた。 統計解析は、これらの方法により 1:10 の比でマッチングされた症例群と対照群に対して、男女 別に各群のマッチング時点での年齢、体重、身長、BMI、HbA1c、FBG の平均値と標準偏差を算出 した。本研究の主要な解析として、時点とそれぞれの群に属することを説明変数とした交互作用項を 含む一般線形モデルにより、BMI の回帰を行った。更に、症例群と対照群の過去を振り返り、その 一般線形モデルによりBMI の平均を推定し、各群をマッチングさせ軌跡を抽出した。 マッチングされた時点で、男性の平均年齢は、症例群が59.3 歳、対照群が 57.7 歳、BMI は症例 群で25.0 kg/m2、対照群で 25.2 kg/m2、となった。女性では、平均年齢が症例群で 61.4 歳、対照 群で60.1 歳であった。マッチングされた各群の BMI の軌跡は男性では、症例群は対照群に比べて- 3 年目で有意に低く、女性においても、症例群は発祥の-4 年、-8 年で BMI が低く、それ以降男女 とも上昇した。また、男性の症例群が糖尿病発症の1 年前からマッチング時点にかけて有意な BMI の上昇が確認された。

参照

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