東京女馨學會雑誌第四巻第一號
剛綜
墓叉蛙の心臓紳経刺戟法に就て
東京女子馨學專門學校生理學教室教 授 長谷川
鎮一郎
1 興奮と抑制の二つの雲立的現象が甚だ顯著に顯はれ又比較的容易に實験せられるので心臓紳経も亦常に人々の研究心を動 かして居る。促進抑制銭糧維の刺戟によって心臓に起る各現象の分析、爾者の比較より更に進んで其の本性の究明に数多の 努力が費されて居るが爾且多くの問題は將來の研究を待って居る。殊に其の本性等の鮎に至っては一般生理學の根本間題に 關等し其途無限の遠さを思はせるものがある。﹁迷走整経作用の本性に就ては此の紳経が心臓の抑制を惹起すと云った芝。ヴ 臼兄弟以上に少しも進んで居ない﹂とさへ司.粛臼ω8象は云って居る。︵朗αQ①翼。警写旨・δσq凶①9寄①謹舞=困G。。。。。︶併し 人々の研究は云ふ迄もなく不断に績けられることであらう。鼓に筆・者は最も廣く使用せられる實験動物、蛙叉基に就て心臓 紳維刺戟方法丈献の小さな概観を得んと試みた。何等かの参考とならば幸である。 長谷川常盤又蛙の心臓紳鯉刺戟法に就て 第四巻 一2 長谷川1一墓又蛙の心臓紳輕刺戦法に就て 第四巻 二 ≦①び臼兄弟が初めて迷走神経の心臓に及ぼす働きを認めたとき用ぴた實験動物は矢張り蛙であった。然も且臨時観られた のは心臓に樹する同神経の抑制作用であって、聯経が不随意性の器官に作用することも、又︸つの神経を刺戟して其れの支 配する器官に抑制作用の認れることもいつれも即時﹁意外の工事實﹂として記載された ︵堵㊤σq日捲 国章O尋α詳①皆d昏 山2 団ぴ翠凶。δσq幽oH旨トコ劇︶ 白①ぴ2は電導子の一極を鼻孔に挿入し他の極を脊髄の第四第六脊椎の高さの横断面に置き電磁興亜轄器による頻数刺戟 を加へると心臓静止を惹き起すことを見た。更に芝Φげ賃はこの抑制的の衝撃が騒のどの部分から起るかを決定する爲に後 頭と脊柱との聞を切断して心臓、肺臓、其他の内臓が頭と蓮製した標本を作り延髄の上切断端を刺戟して同様の抑制作用の ある事を確め、叉刺戟螺子の針金の尖端を近づけて臓の所々を刺戟して此の抑制衝撃が四通艘と爲翻との間から出て迷走紳 経を通って心臓に達することを確めた。 交感榊、維が心臓の蓮動を促⋮進ずるであらうとは既に箋。げ霞も考へて居った所であって、撃ち国.芝。げ2は前記芝9けqロ2 の生理學僻典に果て。心臓は身艦の他の部に起る過程に依て其の搏動が促進されることがあるが心臓外よりこの器官に衝撃 を理るものには迷走紳経を他にしては交感紳経以外の淋経あるを知らない。故に恐らく交感紳経が迷走榊経と反野の作用を 心臓に及ぼすものであらうと推定して居る。而して其れに黒し種々の實験を行って居るが、途に其作用を確定するには至ら なかった。而して其の事惰に就て、温血族では心臓を此の様な刺戟黒煙に用ひ得る時間が甚だ短く、か、る短時聞に此の紳 経を迷走淋維からよく分離することは甚だ困難であり且つ温血族の心臓は始めから甚だ速く搏動して居って其れ以上の促進 的影響を観察することは困難であったと云ぴ,蛙に点ては心臓搏動は緩徐であって其の促進的の攣化も充分観察出來るので あるが、唯其の心臓紳経が饒りに小さくして分離するに困難であると云って居る。︵同上文鰍︶ 芝Φぴ巽の是等の業績の後、一八六二年⇔dΦNo匡が初めて兎の頸髄を刺戟して促進的影響が交感包虫を経て心臓に至るこ とを實誰する迄には一七年程の歳月を経過して居る。 蛙、墓に就てはω9巨①留び臼σqの如く蛙に﹁アトロピン﹂﹁ニコチン﹂を働かせ抑制繊維の作用を除去して置いて、迷走
3 神経幹を刺戟し心臓に課する促進性繊維の働きを見たものはあるが、併し純粋に交感虚構を刺戟して共の心臓に及ぼす促進 作用を最初に見たのはΩ器寄=である。帥ち彼は第一及び第二第三交感神経節の間を刺戟して心臓搏動の促進を確めたので ある。︵冒Oξコ断二〇ら勺,遂凶20αq図く︸︶・A⇔︶
=、解剖學的關係
蛙又墓の心臓紳経は一方迷走神経が延髄より出て司9pヨ。=甘σqξ巴。を通ってO§αq齪。ゴ甘σq葺巳。に至り,他方交感脚 脛が豆皿W交感学長節、主としてW交感紳経節より出て︵O霧寄=O&oぞ・︶脊柱と竃・凶暮⑦二鐸帯くΦ話碧羅岳。昌筐。。との間 を上りO讐σq﹃甘σq霞跳。に於て迷走紳経と合し所謂迷走笠島幹︵或は迷走交感紳輕︶として竃・罵窪。冨。達。霧の下縁に 滑ふて下り心臓其他の器官に趣く。又ω犀影身貯の研究によりこの迷走神経幹の心臓枝は心臓に入る前に再び分れ,迷走神 経と交感紳経とは別々に心臓に入ることが知られた。︵N舞巨三雲犀翻意。一。。Q凶Φ臣客×図難く写り。。。。毒︶ 以上の解剖學的關係よりして心臓紳経の刺戟には其部位により三つの場合の生することが知られる。 一、迷走紳経幹の刺戟 二、Oきσq嵩。昌甘σq自巴。より中椹に近い部位の刺戟 一﹃迷走神経斡が心臓に入る直前再び交感棘経を分岐する部位の刺戟 第一の場合は迷走神君と交感神経とが共に刺戟せられるのであって爾種の作用の差引きされた結果として多くの場合抑制 作用が顯はれる。併し條件の如何によっては交感紳輕の作用が優って當初より促甦作用が顯はれることもある。促進獅制各 作用を別々に純粋に調べ様とするには此の部の刺戟は不適當である。繕物を用ひずして純粋な促進叉は抑制作用を起させる には第二叉は第三の刺戟方法に依らねばならない。三、迷走帥経幹の刺戟法
長谷川H墓叉蛙の65臓﹁神輕刺戟法に就て 第四巻 三4 長谷川“纂又蛙の心臓神経刺戟法に就て 第四巻 四 是れは最も弊習な方法であって蛙を中央に切断し、脊髄及び騰を破壊し次で試駿管を口中に挿入し切断した胃の切ロから 出るやうにする。︵第一圖、諺。・92の生理學實験書より︶次に胸部を開いて心臓を露出せしめる。早智部に於て爾上肢を切 噺すると太い上脾紳維と其の上に頭蓋の上縁から胡て寓・℃簿?
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一 μ 圖 部の迷走神維幹を分離することは特に試験管などを口中に挿入し なくとも左程困難ではない。四、岩二静050の法
の法がある。是は迷走神経が頭蓋腔を出て 進むが此の時聯維が中耳の在る軟骨に接濁する。 に輕るく押しつけるやうにして置いて刺戟すれば心臓に明瞭な迷走紳経作用が顯はれる。 刺戟二子の尖端部は鉛で造られ男碧9蚕5℃8霞す叉は国。。。巳Φ5蜜の如き一小さな蛙には直径一−二粍の太さのものを用 ぴる。此の導子の書賃を夫々下側の鰍氏管に挿入し適當の彊さで粘膜を押す。 ζ露塵霧は此の方法により爾側の迷走紳経 が同時に刺戟され且つ無血的に行はれるから正常に近い歌語で此の神経の作用を見ることが出漏るだらうと云って居る。 此の刺戟法に重て刺戟されるのは迷走神経幹であって延髄の刺戟によるものでないと云ふ誰擦としては申橿紳経系統を破 壊しても爾以前と同様の張さの刺戟で抑制作.用を見ることが出痴ると云ふ事實を墾げて居る。画電流滑走によって直接心臓 を刺戟するのでないことの誰篠としては迷走紳維幹を切断すれば、此の刺戟方法によっては迷走五趣の作用が現はれないこ 此の部の迷走神経幹を無血的に刺戟する方法として鼠霧蓉器 O毒αQ賦。昌冒σq母巴①に於て交感顔貌と合し鼠・ぽ8葺暫窪く2鶏=離ゆ。・q,を過って 此の解剖學的關係を利用し,適當に造った縫子を激氏管に挿入し其の後壁と及び心臓に紳維筋標本をのせて置いて、然る後この漱氏管内の一子に電流を通じても此の神経筋標本には牧縮の起らない 事實を學げて居る。︵﹀霧﹁陣窪こ。霞託。h穿逢9。αq蜜H男誌・。⑤︶
五、⇔器犀9デ旨ぎ霧の法
迷走紳経幹の刺戟では迷走,交感下種神経の作用の混合を避けることは出來ない。各種紳維の作用を純粋に検する爲には 雨神経の混合せぬ部を選ばなくてはならない。斯檬な分離刺戟法の一つは凡てO霧犀。一一の系統を引くもので帥O§σq=8 甘σq二巴Φより中耳部を刺戟するのである。 ﹃2勇巴oh℃ξ。・一90σq団に於けるO器ぎFの文獄には精しい手術法の記載はな いが、と穿綴は同誌第四十六巻︵==八頁︶に於て次の如く記載して居る。 頭蓋内迷走榊経刺戟法。蛙頭を丁度爾眼の後ろの線で切断する。次に脊髄を破適し口蓋の粘膜を剥離切除し、頭蓋基底部 を取り去り延髄を露出せしめて是に電導子を置いて刺戟する。 交感紳輕刺戟法。蛙の謄脊髄を破照し下顎を大部分除去する。次に口蓋粘膜を取り去り属﹂Φ奉8塚碧αqq凱8ε賃貯⑦を 其れの頭蓋骨附着顯に於て切り離すと其所にO導σQ︸一8甘σq霞乱。が見え叉第二脊髄紳維が現はれる。交感紳経が過ぎる瓢 で此の脊髄射撃を切断する。而て交感神経は前陣神経の後ろに於て切聾する。此の前駆理経を引き上げそれに附着する交感 紳経をΩ§σq鵠8甘受巴Φの所まで、分離し前方に折り返して置き,次に心臓を懸垂した後に電導子を紳維の下に置く。電流 滑走を防ぐ爲に電導子及び神経の下には﹁セルロイド﹂の小片を置く。 六、団ぎ腎。昌目遷昌の法 其他同上竃貯$追落の略法とも見るべきものに国鼻28曽巨杉法がある︵﹃o≡μ巳。臨盲窓凶。一〇σq団象峯bo◎。××屠︶ 除逃した蛙をピンで止め脊柱の左側に澹ふて鋏を入れ躯幹の左孚を切除する。心臓を露出し胸骨及び前肢を切除し右の大 長谷川口曹養又蛙の心膳糊神鰹刺戟法に就て 第四巻 五6 長谷州匹慕又蛙の心臓神輕刺戟法に就て 第四巻 六 動脈及び静脈貴を結紮し左大動脹よ砂心室へ尖きの細いガラス管を挿入してリンゲル氏液を墨流する。
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騰替。 (Finkelmann)圖二第 次に心臓を右の迷走 紳輕幹を含んだ組織及び脊柱の上部と蓮絡したま玉摘出す る。全標本を圖の如き漁室に入れ其れに取りつけて置いた 刺戟導引に装置する。帥一封の導子︵白金電導子︶は第三 脊髄紳経根の高さに於て其の一極は脊髄内に一極は脊桂の 外側に置く。斯くして弱い刺戟に依て純粋に交感神経作用 が見られる。 他の一甥の導子は延髄の高さに置く,但し其の一極は, H≦・ピ①<暮O吋§σq︿躍零巷ロ冨①に一極は延髄のある頭蓋腔内 に挿入して置く。斯くすれば電流滑走の起らぬ程度の弱い 電流の刺戟で充分純粋の迷走神経効果が得られると云ふのである。併し此方法では其の刺戟導子の位置等より考へても梢強 い刺戟では分離刺戟の目的を蓮する事の出來ないものと思はれる。 七、0αξ釦巳昌犀の法 以上の刺戟法の他迷走紳繧幹の未聖賢に於て爾ほ爾帥経の分離刺戟が可能である。部ち其れはωζ即巳時氏法である。同 氏は交感紳経が心臓に入る直前極めて繊細な繊維として迷走紳墨型より分岐猫走することを確め是を刺戟して純粋な心臓蓮 進作用を描記して居る。︵NOβ酔N簿一げ一9仲” 矯胃 団ぴ蜜QD一〇一〇σq一ΦHW自︶︵︶︻目くQo幽O︶ 普通の術式によって心臓を露出し肺臓と肝臓の聞の高さで蛙の後牛身を切除し、次に直径二糎位のガラス管を口腔から食 道に挿入する。笑で爲される手術は廓大一〇倍の﹁ツァイス﹂の襲眼コルーペLを使用する。拝σqご。。。・。喜霞濾αq窪。。M7導。σqげ。。− 。。 ㏍ヨ及びト蔦蔓謬σq2ω冒bσq房を切断すれば寓℃①貯。ず図。己Φ霧目閂の下縁、 諺詳費智。舞舞$ヨ餌σqづ9の下に當って迷走紳経
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ノv“ β廊’β乾 」4κ伽 観 第 三 圖 (Skramlik) 幹が見られる。是は図即自σq器け膏団葺・を出した後肺動脈と交叉するあたりに多数の ブイレデル ﹁枝に分岐する。師肺枝及び心臓枝である。次に尖きの細い︵直径○・五粍位︶浩息子を用 ぴ、格別無理をせすに此の心臓枝及び肺枝︵二本ある内上方に位するもの︶を更にニー 三本の極めて繊維な繊維束に分つことが出回る。斯く分離した神門枝は直狸五〇ミクμ ン以下位の極めて繊細なものである。而して是等の中迷走淋経心臓枝に密接して走る一 枝を分離し是を刺戟すれば心臓の促進作用のみが現はれる。 此の棘経枝は極めて細いから用ぴる白金電導子も最も細いもので造り、爾極の距離は 一粍以下に近づけなくてはならない。是を神維に装置するには矢はり前記の﹁ルーペ﹂を 用ひてする。電導子は鉛の柄を付けて自由に位置を調節出來るやうにしてある。八、液 中刺 戟 法
借て上述の諸法によって迷走、交感四神輕の作用を或る程度別々に観察することが出 來るのであるが、併し 一、刺戟部位に於ける實験條件を長時間一定にして置くこと。 二,相當強く刺戟しても滑走電流が互に他の神経を共に刺戟して空者の作用の混合干渉を起さぬこと。 三、懸垂法にて心臓搏動を描記せしめる場合心臓の附近の牧縮骨組織を共に刺戟し、其の爲懸垂心臓曲線に心臓神経の作 用以外の影響が現はれて観察を妨げるやうのことなきこと。 是等の條件を必要とする實験にあっては上述せる諸刺戟法は到底満足を與へることは出癖ない。然も刺戟生理學に於て刺 戟の大さなり、反慮の大さなり凡て實験の量的關係を精細に追究しやうとする傾向が著しくなるにつれて是等の條項が實験 の必要條件の一部をなす場合も次第に多きを加へるであらう。 長谷川n慕又蛙の心臓紳経刺義法に就て 第四巻 七8 長谷川麗纂叉蛙の心臓神経刺戟法に就て 第四谷 八 此の様な場合には寧ろ鼠講窒の手術を更に徹底せしめて交感棘経及び頭蓋腔内迷走憩経根の部を綺麗に分離して延髄一 i頭蓋腔内迷走神経ーー交感紳経限界素一頸静脹紳経節−一迷走神経幹−心臓が凡て一聯をなす標本を造り是れを﹁リ ンゲル﹂氏液中に持ち來し此の標本の甚だ繊弱なる頭蓋腔内迷走紳経、及び交感榊維に装用する爲に特に工夫された橋田式液 ⋮鎧傳導子で液中に於て刺戟するがよいのである。︵東京讐學會雑誌、第四十三巻十二號、 一六八四頁。叉﹃o=9巴。州毘。喜・ 遂ぱu・<9悶客。↑℃﹄母.︶ 手術々式。 ﹁エーテル﹂で麻謝した墓叉蛙の胸を開き型の如く心臓を露出する。手術は多歩複雑であって局所の出血によって神維を見 出し難い傾きがあるから最初より立大静脈にコカニユーレ﹂を結合して﹁リンゲル﹂翼長を灌流し全身の血液を﹁リンゲル氏液 にで置き換へ乍ら行へば手術が容易になる。次に肝臓の大部分,三把、食道の成るべく上部より以下腹腔内臓を凡て含めて 身季語牛を切断除去する。下顎を除去し口蓋及び其の附近の粘膜を凡て除去する。爾上肢を除去する。]≦﹂o︿舞。圏§σQ三一 。・ 女ウ巳8をその頭蓋骨に附着する所で綺麗に分離して此筋全盤を除去すれば]≦●貯8母讐巽⑦話巴一望舜営静。・ξ●と一謀ど の間を脊桂に滑ふて頸静甘食繧節に趣く交感紳維限界索が見え,叉罎●で聲。ξo置Φ房と其れの下縁を走る迷走紳幹が現は れる。次に太いZ⋮撃発房三目の切断端を結紮し其の懸を手懸りとして小さな鋏を第四圖に示す単線aに滑ふて進め先づ 限界索をごの乞・ぞぽ島。。H胃の下で切断⋮し,次で其の客・・覧コ巴営H自を白月から出る根元に於て切断し尚注意して附近 の妨げとなる組織を切除し乍ら頸静思交感紳維節まで分離する。此の操作のうちに ン由・一幅Φ轟白房く。暴巴一山ぎhは切除され 宕.ωづ貯巴貯目は脊柱から出る根元にて切闘される。 次に頭蓋腔内迷走臨監を分離するには義眼の後ろの線で横に鋏を入れ前頭部を切断する。實験に使用しない側の迷走棘輕 幹を竃■罵鐸。ξ。粟窪の註ハ他周國の組織と共に切断する。心臓は一側の迷走神繧幹に依て頭と連絡して居る。そこで第一脊 椎骨のあたりで適當に横に︵第四圖b線︶鋏を入れ遠郷に不要な躯幹部を切り除き盤面の皮膚を剥離除去し標本全艦を﹁リ ンゲル﹂氏液を入れた﹁シャーレ﹂に移す。
9 d 第 四 圖 の乳様の物質は佐藤清教授の槍べによれば主として 最初は甚だ短く見える迷走政経根も周園の組織を取り除くに從ひ次第に長くなる。 切り恥して置いた頭蓋骨其他凡て後述橋田式電導子を装用するに邪魔になる脚部は小さな骨鋏で削り取る。 諺op甘σQ蚕冨の入ロに至るまでの迷走紳経群の長さは墓では四粍内外である。 橋田式液膿電導子。 是は上述標本の頭蓋内迷走神経及び交感騰馬を刺戟する爲に特に工夫されたものであって,エボナイトで造った小さな箱 で交感神維に用ぴたものは︵第五圖A︶箱の内底面及び外側面の一つに、叉迷走神経刺戟に用ひたものは︵第五圖8︶箱の隔 壁︵S︶の爾面に夫々白金小片を満尾は黄蝋松脂の混合物にて糊着し此の白金片に連らなる導線︵W︶の水中に浸する部分は夫 夫細き﹁ゴム﹂管にて包み叉適宜﹁パラフィン﹂を以て絡縁する。上述標本の交感脚経限界索は小心︵=︶を通して輕く張られ其 上をコセルロイド︶叉は﹁パラフィン﹂紙︵ム圖腐︶等にて覆ひ﹁ワゼリン﹂にて固定する。迷走神経刺戟に用ぴた箱の隔壁s 長谷川H慕叉蛙の心臓神経刺戟法に就て 第四巻 九 次に鋏の一つの烈尖きを延髄と頭蓋骨の間に挿入し、腹側には第四 圖のC線。脊側にはd線のあたりに於て頭蓋骨を切断し其の大牛を 取レ去れば延髄は迷走神経群︵KX笈︶及び其の上位にある嘉神経の根 と共に乳様物質を含んだ霧粗な被膜︵臓膜︶に包まれて顯はれる。此の 被膜を取り除く際﹁ピンセット﹂にて手荒らにすれば甚だ繊弱な迷走紳 経根は傷害され易い。故に多少氣長がに構へてゴム帽の付いた小さな ﹁ピペット﹂にて標本を田中に置いたま二二⋮髄及び迷走紳纏根のあたり に上認乳様物質を洗ぴ去るやうな意味で旧く渦を起すことを反覆する と次第に求むる神経が附近の組織から自つと分離して來て遽には﹁ピ ンセット﹂で容易に被膜を除去することが出門るやうになる。︵因にご H首。嵐よりなるとのことである︶ 最後に蕪神経根を切臨し、叉先きに 延髄から団霞㌣
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圖 五 日
子導電万町式田橋
長谷川量器叉蛙の心臓神纒刺戦法に就て4
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鱒三紋ダ玩口紅哺 , 1 層 ; コ 1 1A
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小島(1)ノ直径1m皿, Pt白金板, W針金・ 一十島一山@ L
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小津(L)隅一1・5mm, W針金。d 蓋 W S,F問隔1mm, Pt白金板, 第四岱 一〇 及び側壁Fは申央に於て上下爾牟に切漸され上 牛は自由に取り外づすことが出來各爾孚の中央 に小山玉を窪む。先づ此の上牛を取ゆ外しづ頭 蓋内迷走紳経を此小孔︵ピピ︶に跨らせ其の延随 部は箱の中に在る檬に装置し然る後前記上牛を 挿し込み最後に﹁セルロイド﹂又は﹁パラフィ ン﹂紙を﹁ワゼリン﹂にて糊著して蓋とする。 斯様な刺戟電導子に於ては刺戟電流密度が其 の小弓部1又はしに於て最も大きいから此都が 先づ刺戟される︵図O騨ザピ容赫匂8醤舘Oh℃ゴ図⋮ ざざ。q図G。﹃ド嶺︶。叉斯かる液燈電導子の電流 滑走に当ては閤。穿りH目。勲ψは坐骨棘経を刺戟 して五粍の距離の電流滑走を起さしめるには最 小刺戟の数十倍の彊さの電流を要すると云って 居るが前記の標本に於て上述の電導子を以て液 申に刺戟する時閾刺戟位の強さならば勿論、叉其れより遙かに謡い刺戟を與へても他の融経を共に興奮させることはない。 交感棘維に其の電導子を装用するには箱の白金の付いて居る外側面が、頸静脈神維節より見て遠くに譲るやろにする。︵刺戟 髪置全盟の模型弓に就ては前述東京讐璽會雑誌叉は陶。霧5巴鼠寓。嘗懸けω参照︶ 筒ほ其他ド畳。碧①の簿跨&①窪ぐ⑦遠δ轟①︵同氏著目、Φ×冨竃冨窪♂β。江8阜誠目窪甥・。罵︶のガラス管の尖端を 細く引いて細管とし,適温に曲げ,其の曲夢目の所に小繋を穿ち,此の部に誤達をのせて刺戟勢子とし,他極の銀捧を無開ll 導子として昼中に投入して置いて刺戟してもよい。是れも前記液鰐電導子刺戟法の一碧法と見られる。 刺戟電流 心臓紳輕は所謂Zo鴇一3近目hに厩し反覆刺戟によって初めて附属器官に反鷹が現はれると云ふので入工的刺戟としては 第 山 ノ、 圓 用作進促るれ現に臓心の蚊りよに戟勝一畢の紹融感交 .ぎない。⋮例へばω閃毒旨=冒 長谷川防毒又蛙の心臓神纒刺戟法に就て 普通感慮電流、亭流電流叉は蓄電器放電等をいつれも反覆作用せしめて刺戟とする。顯著な抑制 作・用叉は促進作用を起させるには反覆刺載が必要であるが、併し閾値などを求める場合軍一刺 戟も必要ならば擬しも刺戟を反覆しなくとも抑制作用促進作用は現はれる。冨9冨の生理學書 にも心臓抑制紳経の軍一感鷹電流刺戟の効果を謹明するには極く細まかな分析方法によって初 めて知られると﹀の。︸お鴨は記して居るが、閾値を求むるには精細な分析が必要であるとするも 唯抑制作用を見る丈ならば軍一刺戟によっても一目して明瞭な程度の迷走神経の効果を惹き起 すことが出身る。迷走紳維のみならす交感融経に湿ても畢一刺戟にて容易に識別し得る程度の 効果を起させることが出動る。第六圓は標本全艦︵空騒脹榊経節、迷走榊経幹、心臓︶をリンゲル 液中に置き交感棘経のみを液面より引き上げて銀線電導子を装置し︵曾旨巴①ω畠Φ喜岩δ圃Oo9繭。 簿島①℃げ桶。。噛oO人w三ヨδげごδσqβq①円O旨¢<HH℃・O日︶蓄畠総懸放酌屯にて︵単思烈容旦里○。煮ミクロ ファラッド。八○ボルド。︶軍一刺戟を加へて蛙の心臓に及ぼす交感神経の作用を見たものであ る。但し此の實験條件では三〇ボルト位で最少効果が現はれる。 × さて以上述べ來つた諸方法の優劣を鼓に一元的に決めやうとは欲しない。複雑極りなき生物 現象の種々相をつぶさに観察せんとするに當っては場合麗々に鷹じて種々なる方法が必要とさ れるであらう。叉各方法の闇に多少手術の難易の差はあっても其れは慣れるか否やの問題に過 の方法は景域り困難と思はれるがωξρヨニ婦自身はO器閃。目の方法を一暦困難なるが如く感じ 第四審 一一
12 長谷川H墓叉蛙の心臓.神経刺戟法に就て 第四巻 一ご O二尊=は一度も心臓紳経作用の描記曲線を獲表して居ないと述べ、更に進んでO器冨目の方法にては一度も平作肘を見る ことが出來なかったと云ぴ、O器犀①=の刺戟方法に疑ぴをさへ抱くが如く思はれるのであるが︵前出N。耳蜜一乞鉾一瞥喜甥ご− 一。σq一①︶其れは勿論ω閃蜀巳時の誤りであってω。銀憩の生理重書にO器寄一一は基心臓の立派な心臓神維作用曲線を載せて 居るし、實際O器三目の法から誘導された刺戟方法に慣れたものから見ればそれがさしたる困難とは感ぜす却ってωす帥巳涛 の法が遙かに困難とさへ感ぜられるであらう。坐れ等は要するに慣れると云ふこと又は慣れるに要する多少の根氣の問題に 過ぎない。︵完︶