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って惹起されずころ心搏不整に就て

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(1)

15Z

濃厚なろA re暗晦li血噛癖の静脈注射に依 って惹起されずころ心搏不整に就て

第1篇 血塵曲線と心臓電解聖別の封照研究

金澤讐科大學生理學教窒(主任上野教授)

薄 塩

   田    博

ノ勤切ガ Huketxa

  谷  外  男

 Sotezyo s勿施1擁

(昭和21年5月6日受附)

(本研究は昭和18〜19年度丈部省科學研究費に依れり)

1.緒  言 II。實瞼方法 1皿,實騒成績

IV.総  括 V.丈  献

1。緒  Adrenalinの静脹注射に際して血歴の上昇に 伜ぴ心搏:緩徐を來す事は夙に,副腎エキスの作 用を初めて研究したるOliver&Sc晦er(s}の論 文に報告されて居る庭であるが,心搏の攣化は 之に止らすして,梢萱多量のAdrenalin(以下 Adr.と略す)を使用する時は屡々心搏不整を 來す事が:Kahn①に依って認められ,次V・で

Levy①. :N⑪bel u R⑪thberger C7)は輕度のChl・

orofbrm(叉はAether)麻酵が此の心搏:不整の生 起を容易ならしめる事を:報告した.

 N⑪bel u. R⑪thbergerに依れば此のAdr.に依 る心搏不整の経過には1)第1次徐脈(prim蕊re Bradykardie),2)期外牧縮性速脈(extrasystol−

ische Tachykardie),3)第2次徐脈(sekund諏e

:Bradykardie)の3期が涯別され,その第2期が 本來の心搏不整の時期でφつて,それは一方に は適齢結節に於ける刺戟護生が抑制}れて心搏 緩徐となり叉房室傳導の障害を伴ふと同時に他 罇S室の所謂第3自働中福に於ける刺戟獲生が 促進されて心室の自働搏動が生起する爲に生す

るもので帥ち不整の本態は房室分離を俘ふ心室 自働である.樹彼等は第2期の前後の移行期に 時として房室結節自働の搏動が介入する事を認 め,全経過を餐房結節・房室結節及び心室なる 3個の自働申福に於ける搏動リズムの攣化を以 て模型圖的に読明した.

 以上諸家の研究は何れも犬叉は猫に就てであ るが,家兎に就ても秋田(1}が同様の心搏不整

[ 12 )

(2)

濃厚なるAdかしn読n溶液の静賑注射tg依って惹起されたる心搏不整に就て 153

(心搏の異常なる綾徐∴房室分離,心室の翠外 塀縮叉は顛動)を起すことを:報告して居る.

 著者等の1人(塩谷(臼りも亦家兎心臓に於ける 傳:導恢復び)研究に際して濃厚なるAdr.液が屡

k心搏不整を起す事を認めだが,家兎に於ては 心薄不整の本態が充分明でなレ1故,血璽曲線と 心臓電鉢山圖を同時に描記してその封照研究を 企てたのである.

II.實験方法

 家兎をUrethan(25%液を腫重1kg宛4cc)を以て 麻醇し,背位に固定:して面面カニューレを挿入し,一 側の頸三二を水銀虹魅計に蓮証して血墜を煤紙上に描 記し,同時に胸壁及び腹壁又は大腿の皮下に銅線の先 端を挿入固定して心臓電氣を誘導し,横澗製眞三管増 幅器を介して電磁型オッシログラフに依り描記した,

爾圖土管〜は∫acquet氏時計を以て各々時標を附すると

」出時に,同一の電磁シグナルを以て適當の時期に標識 を附して時間の同定に便利ならしめた,Adr・注射の 爲にほ一側の外頸静脈を分離してカaユーレを挿入し 置き,三共製盤化Adr.をRinger液に.所要濃度に稀 羅して常にその1ccを注射した.

IIL實験成績

 A.Adre鵡alinの使用量

 静脈注射に依って常に心搏不整を起すAdr.

量はN⑪bel u. R⑪thbergerのAether:叉はCbl一

⑪fof⑪rm輕麻降下の犬及び猫に於ては0.03〜O.1 mgであ);,秋田の家兎に於ては樹艦重1kg⑪・0 3〜⑪.05mgと云ふ。著者等は7頭の家兎(艦重

2.4〜3.35kg)にAdr.10萬倍, 5萬倍, 2萬倍 及び1萬倍液各lcc宛を逐次静朕注射しπる に,5萬倍以下の濃度では散襲性の軍一期外牧 縮を見る位で,翼の心搏不整は僅かに5萬倍の1 回に見られたのみぞあるが,2萬倍の時は屡々,

叉1萬倍の時は殆ど毎回心搏不整が生起した.

此の有数Adr.量は0・05m9又は0・1m9であ

五〕, ヌ.骨豊重:lkg に就ては 0.⑪li〜0.⑪2mgヌ,は

O,03・VO.04mgであって後者は秋田の使用量と 等しい。Adr.¢)注射時問は2〜13秒であった.

注射が充分緩徐になれば心搏不整は起りにくい が,以上の範園では注射時聞の動揺は大なる影 響はなかった.

 頸動脹1血墜はAdr.注射前には46〜110mm H9,平均7⑪mm・であったが,P注射開始後(以下 箪に黙認後とする)5〜}0秒で遺財に上昇し始 めて1⑪〜15秒で殆ど最:高に達一し,以後は尚徐々 忙上昇する場合には約2⑪秒で最高に遽、し,爾後

は略e同高を保つか叉は徐々に下降し,1rV・1.5

分後には梢と急速に下降し始め2〜3分後に注 射前の値に復した。最高血墜時の血煙増加蝕1 萬倍液の時80〜126mm,亭均1⑪5mmであ砂2 萬倍液では之より約20mm少いが,心搏不整の 程度は必ずしも血厘増力nに比例せす,個髄的差,

異が可なり大であった.

 B.Adr注射に依る心樽不整の種々根

 Adr・の艀脹注射に依って起る心搏不整には 種kの種類がある.例を學げて論明すると,第

1圖Aに於て血璽至は最:高に蓮した後数回に亘っ て不規則な大動揺を示して居るが,その中(1)

と(2)及び(6)以下の急降下の部を第1圖:Bの 電氣門門(紙面節約の爲一部省略)と封照して見

ると,之が心室の軍一期外牧縮に依るものであ る事が明瞭である.斯様な血堅の一時的急降下 は屡々最高二面時の初期, 時としては梢ζ後期 に1回叉は晶晶散漉するものであって,一見房 室遮臨の爲かと思はれるが,實は常に心室期外 牧縮の爲である.此の期外牧縮の型は必ナしも 簡軍に判定融來ないが,(1)と(8)は大燈右心 室型と見られ3(9)と(1⑪)は確に左心室型であ る.・次に(3)〜(5)の部に於ては数個の期外 牧童が殆ど休止期なしに繊起.して居る.それは 既報①ゆの心房の箪一・刺戟に際して起つた績 爽性期外牧縮と同様のものであるが,本篇では

[B ]

(3)

154 蔽 田.,臨 谷

第1圖IAI I家兎XVIII,第2回實験, Adr・2萬倍

       第1圖B心臓電氣欝欝

 曲線の上方の敷字はP−P間隔とR−R・間隔,下の数字にR−R間隔・REIでは期島牧:縮・

 時下上の数宇は注射後の時間(秒),括弧内の数宇はAとB上の同時期を示す,

 以一下の圖に於ても同様t

猫逸名のgehEufte Extrasア呂tolenを直課して之 を累積性期外牧縮と幽する事にする.その棘の 形は(3)では主として陰性であるが(4)では大 艦陰陽二相性で,国軍にその起原を判定する事 は出來ない.

 次に第2圖のAと:Bを封照すると(3)の累積 性期外牧縮を隔て瓦右心室型と推定される心室

自働の獲作が2回起って居る.此の場合血塵曲 線では脈搏が整然としセ電氣描圖を見なければ 心室自働なる事が分らなV・事は注意すべき事で ある.第2回目の心室自働の後には血歴曲線で は脈搏性攣動が著大となって居るが,之は高度

懸隔(脈搏藪は注射前の1/4)の爲であり,その闇 Rは常にPに追随してそれが正常の房室搏動な

る事が分る.但しPは漸次不著明とな! 55秒以 後には全く認められなくなったが之は迷走紳経 の寳房結節に封ずる憂週期作用と同時に心房に 樹する願力作用が凹くなった爲と考へれば好

い.       一

 以上の如くAdr.の静脈注射に依って褒生す る心搏不整には心室の 1)軍一期外牧縮 2)

累積性期門門縮 3)自働搏動の3種ある事を 知る.此の外に伺 4)高度徐脹もあるがそれ は正常の房室搏動であって不整とは云ひ難V・.

[ 14 ]

(4)

濃厚なるAdrenalin溶液の静脈注射に依って惹起されたる心搏不整に就て 155

第;2圖A 家兎XVHI,第3回實験, Adr.1萬倍

篠錫・

,Il,

一三病溝_轟_轟_顧轟一辮二二繭轟縞撫轟三島編

噸締聯

      第 2 圖芝:B

強㌣驚翻騰縮終

憲側轡  ネ物鯉藩晒

一轟三鼎轟蝋一燕一噸轟榊一講も轍楠轟僻一三憶一議楠鱒臨辮轍鱒晶晶轟

尚累積性期外牧縮の棘が密接して生じ且つ形の 不揃の時は頭動叉はそれへの移行型かとも見え るが,眞の顛動に於ける様に曲線が上下の方向 に強く且つ不規則に振動した形のものは著者等 の實験には一一つも見出されなかった.

 之等の心搏不整と血肉曲線との關係を見る と,軍一期外牧縮は上述の如く血墜の四国的急 降下を起すに過ぎす,叉累積性期外牧縮はそれ が繰返し起る事に依って血墜の不規則な大動揺 の主原因をなすものであるが,然し前者も梢it 頻繁に起る事に依レ叉は後者と交聾して起る事

に依って血塵動揺を助長する事がある.心室自 働の場合にぱ搏動は通常整然として血墜曲線は 鼠れない故,一縷の大動揺の中間に頻数の整然 たる腿搏が介在する時ぽ完づ心室自働と考へて 誤ゆはない.然し時には下に記す如く心室自働 が不整なる大動揺を生する:事もある.斯様な關

係から吾々は血塵曲線の露1れを見てそれが如何 なる心搏不整に基くかを大略推知する事も出來 るのである.

 C。心搏不整の経過

 心搏はAdt.注射に依って血堅が急上昇する 時,その二二では籐り二化はないが,上昇の末 期に急に逐次綾徐となり最:高血璽到達時には通 常申等度(注射前の施内外まで)の徐脈となる.

而して之と同時に一先づ軍一期外牧縮が散嚢し次       のいで累積性期外牧縮及び心室自働に移行する事 が普通の経過である・時聞的に云へ酵Adr・注 射後10〜2⑪秒で心搏不整が開始し,輕度の時は 10秒内外で浩失する事もあるが,多くは20秒乃 至1分聞,少数例に於ては1・5 v2分に亘って上 記各種の馴化が相交錯し叉は畿作性に噺績して 畠現した.而してその中間叉は不整の途申にも 屡々正常搏動が介入した,

(5)

156 謡 田・盤 谷

 上掲の第1〜2圖は比較的二軍な経過の例 で,他の例では複雑なものが少くない。例へば 第,3圖の例では注射後1生〜33秒に右心室自働

(その塵々に正常搏動一それはRセ示す一が介

入),34〜48秒に高度徐脈,次いで48〜70秒に 再び右心室自働と交互に起り不整は約1分聞績 いた。術第&圖Aの(2)の血塵の大動揺は心室

自働の稻ミ不整なる爲に生じた竜のである.

第:3圃A 家兎XIX,第2回實験, Adr.2萬倍

       第 3 圖 B

       .]s        stt      凹      砂   、   s・・s・.・t.;      嚇

   蝋臨調礁幽一曲臨御蝋〆

    己し一一蕊一一一低一一一㌦一ムー一認__漏轟__矯羅 訟.蕊_軌,、、㌢__躍

     ゐ      くなニ        く      ぶさ

   鷹齢轡糎囲み粥郷鵜国国轡晒沸

      鱗甑四囲,蝦鐵禰 1   ・}SYsww.静1・紹衛縛        瓢鴇聲

       ロ         モ  さ      キ

   議__鳳__議一鳥.__菱_5...itt ・一・   蜥  .一一as

 叉第4圖の例では注射後15〜19秒に右心室自  後脳2分聞に亘って今度は左心室自働が起つ 働,19〜27秒に累積性期外国縮が起り,28秒以  た。

第4圖 家兎X工X,第3回實験,Adr.1萬倍

    {ww A4 r         一・・  r ㍗マ…T…一lr』▼ 畑  ……融一μ「

r    ,       {1 .  1

       ロ      へ

       や

璽竺∫竺惣蔓諜二蹴錨欝1

扁_ 轟瓢=鵡lb焦貰幻

[ 16 ]

(6)

濃厚:なるAdrenalin溶液の静脈注射に依って惹起されたる心搏不整に就て 157

      第5圖家兎XXII,第3回實鹸, Adr.1萬倍

       左右潮型の心室自働の交互に起つた((4)の部)例

総総欝欝癌轟畿轡樹

lthtwkawhtsiietisiiny. i 懸轡酬鍵盤盤

甜酔^、 NM  凸  w  軸画h 貼}  師 いA   be

 斯様に左右爾型の自働の獲作が同一實験申に 交互に起る事は硫でないが,殊に叉爾型の搏動 が交互:に起って長く持績した事もある.それは 第5圖に示す例で,注射後13〜62秒に亘り各種 の不整が起つたが,24秒前後には右心室型{圖 中の右と記せるもの)と左心室型(圖中の左と記         ゆ

.せるもの)の匝別が明瞭になり,30秒以後56秒        第6圖

まで左右轡型が交互に起って途中僅の飢れ(そ れは正常形叉は之に近いRの介入に依る)の外 は極めて整然たるリズム(215ノ分)を呈した.術 本山の(3)の部は明に左心室自働であるが,

(1),(2)及び(5)の部は正常に近い形のもの であって,房室結節自働に依るものかと思はれ るが確言は出來ない.         ・

   家兎XX【II,第3回二二(大動脹紳四切箇後), Adr.1萬倍    心房起原(1)の期外二丁と房室結節起原(2・3)の搏動

      ■

 ノ k:    2 ・s・     燐    ・・S ・

鵡竪縞勲÷嘉婦癩1÷べ鞭

   

幡一一漏二一鋤轍 ㌫贈 一一轟噸撫一二臨融轟媚一撫融鯛

 」

    ルゴ      めぎヲ      ゆぽ

硝黙認率総鯨糖襟無鴬繊瓢

{__謡も融_麟磁も一曲倫轟幡鱒_晶出_嚇_轟__糊♂義脚噛_藩㌔

 然るにRの形が正常と何の相違もなくて,房 室結節起原なる事が略妬三野なる例が1例あっ た.それは第6圖に示すもので,大動脈門経切 噺後の實験であるが,Adr・注射後17秒と32秒 に心房起原の期外看官が1回宛起り(第6圖の 1,心房の期外後週期は不完全代償性),45秒 にはPに密接した心室期外回縮が2回起り,次 いで50秒以後75秒までに亘って正常形のRが少 きは2個,多ぎは10個宛群をなして不規則に嚢 生したもので,各群の最:初のRは正常聞隔を以

てPに驚く事もあればPに著しく接近する事も あり,又群の中聞のRも多くは正常の間隔を以 てPに随ふが,Pと殆ど同時㊧事もある.各群 に於けるRの踊隔は0.15・vo.20秒,挙均0.17秒 で,段ち3⑪0〜4⑪o,準均350/分の心搏数に相當 する.而してRの間隔の小なる窯からは寧ろ累 積性期町田縮の一種とも考へられる.扱て此の 房室結節起原の心室搏動はそれが不規則なる群 をなして而も心搏不整の季現象をなす鮎で,房 室結節自働が正常搏動と心室自働の移行期に現

C 17 ]

(7)

158 編 田・盟 谷

はれたと云ふNobel .u・Rothbergerの所見とは 異なるものである.

 次に高度徐脈(心搏数が注射前の施〜%叉は 以下に減少した場合)は寧ろ稀な現象であった が,その起る場合には第2圓の如く心室自働に 吹いで起り爾後徐々に溝退するか叉は第3圖の 如く心室自働酒作の申間に起って,決して心室 自働生起の前に始つた事はない.

 最:後にAdr・作用が消退して血堅が急に下降 する時期には心搏も逐次促進するが,血塵曲線 に記入して示した様に血墜が注射前の値まで下 降した後にも術充分には恢復して居ない。然し その数分後には注射前の歎に復した.

 心富自働の登生地:Nobel u. R⑪thbergerに依 れば期外陰縮性速脈時の搏動は通常左心室型で

あって,右心室型は稀で而もそれは多くはAdr・

多量の場合に現はれると云ふ.著者等の成績で は上述の如く,軍一期外牧縮にも心室自働にも 右心室型と左心室型があり,同L特牛に於ても 一定せすして爾者が交錯して現はれる事あり,

又交互に現はれる事もあり,又屡々正常と多少       

の相違あるのみで何れの型にも入れ難きものが あり,稀には心房起原の箪一期零墨縮と房室結 節起原の心室搏動も見られた.斯様に心室自働 には右心室型と左心室型の爾方共起つたが,

Nobel u. Rothbergerの犬・猫の場合と異なり右 心室型の事が多かった.

 Dg心室自働中の房室關係

 KahnはAdr・注射時に房室傳導が障害され て途には房室搏動の完全分離を起すと云ひ,

N⑪bel u. R⑪thbergerも亦餐房リズムが綾徐と なり興野障害を起すと同時に心室の自働性が昂 進して房室分離を起すに到ると説明して居る.

 著者等の成績では例へば第3圖,第5圖の如 く心室自働中に正常搏動の介入する事がある故 傅導の遮噺のなV・事は明である.而して介入搏        へ

動のP−R間隔は正常よりも延長して居る(第3 圖では正常0.085秒にi封しO.13秒,第5圖では 正常の0.06秒に謝し⑪.14秒)が,他の例では殆 ど延長して居ない事もあった。心室自働前後及 び高度徐脈中のP−R欄隔は通常正常と大なる 差異はなかった.帥ち少くとも心室自働の開始 時には房室傳導の障害は著しきものではなV・.

 叉心室自働中の搏動週期はその直願の正常搏 動の週期に比して短い事(師ち搏:動リズムが単 なる事)もあるが,略k等しき事:も牽)り叉第5 圖の如く却って長い事もある。

 即ち先導遮断もなく,且つ必ずしも心室の自 働リズムが蟹i房リズムを凌駕しなくても心室中 の第3中福が心室を支配して房室分離を起し得 る事が分る.而して此の關係を最鴻明瞭に解明 するものは第7圖に揚げた例である.

 本甲は血歴曲線には殆ど捗れを見せないで最 高一難厘の持績申、にも中等度の徐脈(注射前の210

     第7圖 家兎XXIII,第2回雨池, eAdr.1萬倍

  房室搏動の軍純分離,REはPに↑より接近し始あ,↓より後れ始める。

 ゼ

率罐鞍鰍糠贈

一群鱒撒一轟㈱瑚一戸町麟三下晶糊轟鰭蜘雪

    t  ↓   遡 ,   i攣 1−i.1奮

幣四轡穂鞭熱熱論陣

一焔諦転・   譜  灘  萄

[ 18 ]

(8)

濃厚なるAdrenalin溶液の翻版注射に依って惹起されたる心搏不整に就て 159

に聴し130)を呈したのみであるガ,電氣繰締

(第7岡にはその初めと聰り丈を掲げ尚を見る と注射後22〜45秒に亘bて明に CiN室自働の獲作 が旧いた.その間正常の.Pが常に認められ, P

とR(圖にはREとした)の聞隔は正常より短い 範置旧で種々に動揺して居る.帥ち心房リズム と心室リズムが略ぐ等しいが,爾者殊に後者が 僅宛動揺する爲Rは或は逐次Pに接近し,或は 逐次Pよ)1後れて居るが決して正常:臥R間隔 以上には後れて居ない.襲作の初めと絡りに近 く正常P−R間隔と等しい搏動が一つ宛ある(圖.

にRとせるもの)が,そればRの形から見て走 常搏動に相違ない.

 斯る駆動のものをDressler(2)ば園圃分離

(einfache Dissoziation)と録し,叉岩崎・藪本(〜

は等頻度房室分離と卒して居る.此の際心室搏 動が心房に影響を及ぼさないのは,それが傳導 系の不慮期に落ちて逆行出來ない爲であり,又 RがPより正常P−R間隔以上後れる事がなV・

のは,その様な關係の時には心房からの刺戟が 傳導されて心室の正常牧縮を惹き起すから。であ る.今若しRのリズムがPのリズムより少しく 大であればRは遽にPを逐ひ越す時期が來り,

而もRがPの充分前:方に來ればそれが心房に逆 行して心室が心房を:支配する事になる筈であ る.第2圖の(2)の部分(及び他の多くの場合)

は恐らく斯様な室房順序の搏動と推測される

が,Pを確認出來ない(Rの下降部の飢れはP らしく思はれるげれど)から此の問題は暫らく 結論を保留して第〜篇に譲る。

 之を要するに著者等の野卑に於ては心室自働 の時期にも心房搏動は経徐となり乍らも爾持綾

し,或場合にばそれが心室搏動との時間的のズ レから,相互聞の傳導の大部分が碍げられて房 室分離を起す事があるのである.

 E,心搏不整と心外紳鯉め賢台

 Adr.注射に依る心搏不整は,:Kahnに依れば 迷走祠1経切噺後には起らす,N obe】u. Rothber・

gerに依れば迷走榊経切断後は乏を起すに多:量 のAdr. 要すと云ひ,叉秋田の家兎實験では 頸動脈洞祠i経(Sinusnerven)切断は之を阻止しな

いが,大動脹酔罵(蕾名N.depressor)叉は迷走 紳維の切断後には之が全く起らないと云ふ.

 著者等は上記各組験のge )1に3紳維の一つ叉 はコつを切断して試みた故由藪は少V・が兎に角 洞巴里切蜥後の1例と大動脈紳経切断後の3例 及び迷走紳経切断後の3例に心搏不整が生起し た.而して大動脹祠1経切断後の1例は第6圖に 示したが,他の1例(家兎XVIII,第4回實験,

Adr.1萬倍)では約1分聞に亘)1 Jtil;心室自働が

持耀しその途申には屡々正常搏動が介入した

(その傳導時間は著明に麺長).叉迷走紳経切噺 後の心搏不整は山般に短時聞で輕微であった,

IV.総.

 1.家兎に於てAdr,の2萬倍又は1萬倍溶液 1ccを頸静脈より注射すれば,高機璽の電導申 に心搏不整が起る.電氣短期を見ると心搏不整 には a)羅一期外聞縮 b)累積性期外方縮 C)心室自働の3種があり,此の外に術時とし て d)高度徐脈も起るが之は霊常の房室搏動

である.

2。血塵曲線と電氣描圖をi野照すると,軍一          キロノ

期外弁縮は血墜の瞬間的急降下を起し,累積性 期外牧縮は血墜の不規則な大動揺を起す事が判

る。然し血墜の大動揺は輩一期外牧縮の頻嚢,

叉はそれと累積性期外牧縮との混合に依っても 起り,稀には不規則な心室自働に依っても起つ 潅.高度徐脈は重壁の脈搏性動揺を著大ならレ

め一るのみである.

 3.心搏不整の維過を見ると,血墜が最:高に。

蓮する頃通常先づ輩一期外牧縮が散獲し,次い で累積性期外牧縮及び心室自働が生起する.後 二者は或は交錯し,或は護作性に繰返し起って 不整の全繧過は通常数十秒,稀には15〜2分

(9)

160 禧 田・盤 谷

に及んだ.

 4.軍一期外牧縮と心室自働の起原は或は右 心室,或は左心室であるが,,,屡々判別し難い事 があり,同一例でも之等が交錯叉は交代に生じ た・然しN・b・h・R・tl}b ・・g・・の犬・猫に蹴 ると反i封に寧ろ右心室自働の場合が多かった.

叉心房起原と房室結節起原と思しきものは只1 例に起つた.

 5,高血脈時には中等度の徐脈でも高度徐脈 でもPt R聞隔は逸常延長せす,叉心室自働の 搏動リズムはその獲作直前の正常搏動リズムに 比して大なみ事もあれば小なる事もあり叉大差

なき:事もあるE㌔帥ちNobel u・Rothbergerの読 明に反じて,引導障害もなく又心室の自働リズ ムが必ずしも常に費房ゐ自働リズムを凌駕しな いに拘らす前者が心室を支配したのである.而 して旧離リズムが略e等しい場合にも樹房室分 離を生じ得る事(所謂輩純分離)が1例に於て詮 明された.

 6.洞神経叉は大動脈祠脛の切噺後にも,Adr.

に依る不整は著明に起り得るが,一迷走紳維切蜥 後には不整は一般に輕徴になった.

 (欄筆に臨み御懇篤なる御指導と御校關をwa t)し恩 師上野敢授に深謝す)

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155. 2) Dressler, W. (1929), Zeitsch..f.

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日本生理誌, 9,766.

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[ 20 ]

参照

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