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心拡張期送血補助循環に関する実験的研究 : とくに潅流中の血行動態について

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特別掲載

( 東 女 医 大 誌 第54巻 第5

)

頁 422-438 昭和59年5月

心拡張期送血補助循環に関する実験的研究

ーとくに潅流中の血行動態について一

東京女子医科大学第2外科学教室(主任 織畑秀夫教授〉 タケ ダ コウ イチ ロウ

武 田 剛 一 郎

(受付昭和59年3月27日〉

Experimental Evaluation of Assisted Circulation with Diastolic Veno・Arterioal Bypass Perfusion

-Especially on Hemodynamic Changeー Koichiro T AKEDA

Department of Surgery(Director: Prof.Hideo ORIHAT A) Tokyo Women's Medical Collage

In order to boost the e妊icacyof assisted circulation against respiratory insufficiency, an experiment was conducted by blood depletion from right atrium using an electromagnetic on-o任switchwhich was

prepared for synchronization with the R wave of the electrocardiogram and by building in into the V駒A

bypass for transfer of blood from the right common iliac. artery for use as the V -A bypass for transfer of blood at diastolic stage

so that the blood transfer through it could be compared with the non syn -chronized stationary blood transfer using dogs. The following conclusion could be drawn.

1) The form of the pressure wave found flattend in the group with stationary blood transfer flow

whereas

in the group of blood transfer at diastolic stage

the wave form was maintained in a good shape and the rise in the wave form at diastolic stage could be observed.

2) The mean aortic pressure as found lowered in both groups

but with no distinct difference bet -ween each other.

3) The pulse pressure was slightly elevated at the initial stage in the group with higher blood transfer amount at diastolic stage, which was then gradually lowered, whereas the pulse pressure was markedly lowered in the group with stationary blood transfer. 4) The pulse rate decreased in both groups as time advanced. 5) The pressure in the left ventricle decreased in both groups as time advanced, but it increased at the initial stage in the group with higher blood transfer at diastolic stage. The rate of the decrease in the pressure was lower in the group with blood transfer at diastolic stage than in the group of stationary blood transfer. 6) The cardiac output decreased in both groups as time advanced, but it decreased more markedly in the group with stationary blood transfer than in the group of blood transfer at diastolic stage. 7) The total perfusion amount increased at the initial stage in the group of blood transfer at diastolic stage when the amount of the transfer was high

but it decreased thereafter.In the groups of blood transfer in stationary flow

the increase of the flow at the initial stage was less and the rate of the sub -sequent decrease was remarkable.

8) The left ventricular stroke work index increased at the initial stage if the amount of the blood

(2)

transfer was high

but the amount of the transfer was then reduced in both groups

but at a higher rate in the group of stationary blood transfer rate.

9) There was no consistent trend inthe resistance in the total peripheral blood vessels.

10)The ratio of the blood f10w amount in the group of stationary blood transfer rate was higher than that of the group of blood transfer at the diastolic stage, ref1ecting the decrease in the cardiac output. The stationary blood transfer increased as time advanced. With the increase in the amount of blood transfer, the rate of the transfer became higher.

From the above司mentionedfindings, it was conc1uded that the method for blood transfer at the

diastolic stage proved to show a lower rise in blood pressure and a lower rate of decrease in cardiac output in time lapse than the counterparts of the m巴thodfor blood transfer at a normal f10w rate, and

that both the left ventricular stroke work index and the total perfusion amount increased and the ratio of blood f10w was reduced in the group of blood transfer at the diastolic stage. These findings demonstrate that the method for blood transfer at the diastolic stage can reduce the burden of left ventric1e and atrium

improve the coronary circuration and is effective for maintaning the heart functions. 緒言 実験目的 実験方法 1.実験装置 目 次 2.実験犬および麻酔 3.潅流法 4.血行動態の測定 実験結果 1.圧波形 2.平均大動脈圧 3.脈圧 4.心拍数 5.左心室圧 6. 心拍出量 7. 総潅流量 8. 左心室 1回仕事量 9.全末梢血管抵抗 10.流量比 考察 結 論 文献 緒 扇 人工呼吸管理下においても,なお救命困難な両 側 肺 外 傷 , Adult Respiratory Distress

Syndrome,広範囲肺塞栓症等,重症呼吸不全に対

し,生体肺の回復を待つ間,呼吸循環を補助して 治療する膜型人工肺を用いた補助循環法,すなわ ちExtra Corporeal Membrane Oxygenation

(以下, ECMOと略称する〉が実験的,臨床的に取 り上げられつつあり,その成功例も報告されてい る1)2)3)4) 重 症 呼 吸 不 全 に 対 す る ECMOの 目 的 と し て は,1)低酸素血症に対して全身的に酸素附加を計 る, 2) 肺の吸入酸素濃度を下げて酸素中毒を予防 し,また吸入圧を下げることにより肺を安静状態 におき,治癒を図る, 3)Veno-Arterial Bypassの 時は肺血流量を減少させ,障害肺中のシャントを 減少させ,また右室に対する負荷を軽減して右心 不全を予防治療するなどであり,急性期を乗りき ることを目標としている. このような利点を生か し,我々の教室の里村は大動脈弁直上に送血する

Veno“Arterial BypassによるECMOを犬を用い

て実験し,その有効性を証明している29) しかし, 左心室に過度の負荷がかかり,犬が死亡する危険 がある.すなわちVeno同ArterialBypassにおけ るECMOの問題点としては,ローラーポンプに よる定常流送血に伴う収縮期の左心系負荷の増大 という非生理的潅流法の影響が考えられ, この点 の改良が今後の問題点である.そこで以下の実験 により,この解決を検討したので報告する. 実験目的 収縮期の左心系負荷増大を避けるため,心拡張 期にのみ送血する静脈動脈潅流補助循環法を用い ることを考えた.この方法は肺のうっ血,および 右 心 系 へ のpreloadを減少し,さらに左心系の after loadの上昇を抑制し,なおかつ拍動流送血 となるため,循環動態に及ぼす影響は,定常流送

(3)

血法と比較してより生理的な方法と思われる.そ こで定常流送血潅流法と心拡張期送血潅流法を比 較検討することを目的とし実験を行なった. 実験方法 犬を用いて心電図のR波に同調して送血する よう作動する電磁開閉スイッチを作製し,これを ローラーポンプ回路に設置して心拡張期送血静脈 動脈潅流法を行ない,定常流送血静脈動脈潅流法 と比較実験を行なった. 1.実験装置 心電図の

R

波に同調して

TimeLag

を設け一 定時間作動する電磁開閉スイッチ(写真1)を作 製し, これをローラーポンプの送血回路に設置し て,心収縮期には送血されないようスイッチアー ムにて送血チューブを圧迫閉鎖し,同時に閉鎖循 環回路を開放して貯血槽に再循環させ, 2 -3心 拍に1回心拡張期にのみ閉鎖循環回路を閉鎖し, 送血チューブを開放して大動脈内に送血できるよ うにした(図1). 実験前,および実験中,心電図のR波より左心 室 内 圧 下 降 開 始 時 ま で の 時 聞 を 計 測 し て

Time

Lag

としそれより左心室収縮前までの時聞を送 血時間とした. 前面 送血 送血ロ ラーポンプ 図l

2

.

実験犬,および麻酔 体重

12-19kg

の雑種成犬

1

8

頭を用い,麻酔は

Ketamine H

y

d

r

o

c

h

l

o

r

i

d

e

8mg/kg

筋注後,

Sodium

P

e

n

t

o

b

a

r

b

i

t

a

l

20mg/kg

の 静 注 を 行 な い,再

28-30

のカフ付きチューブを気管内に挿管 し,吸入気に

rooma

i

r

を用い,毎分

2

0

回,

1

回換 気量

2

0-30m!/kg

の間歌的陽圧呼吸とした. 左大腿静脈に

1

9

9

a

g

e

エラスターを挿入後,乳酸 化 リ ン ゲ ル 液 を

1

5

0

m

!

/

h

にて滴下し,脱送血カ ニューレ挿入に先立って,

H

e

p

a

r

i

n

1

0

0

単 位

/

kg

を静注した. 3.潅流法 潅流は,左大腿動静脈を露出し,この部よりカ 上面 写真1 電磁開閉スイッチ

(4)

-424-ニューレを動脈へは右総腸骨動脈内に,静脈へは 右心房まで挿入し,人工心肺用体外循環装置(ト ノグラ医科工業

KK)

のローラーポンプ

2

台にて 静脈より脱血し,動脈に送血を行ない,電磁開閉 スイッチ経由静脈動脈バイパスとした.潅流量が 少なく,また装置の簡略化のため,酸素加装置は とくに使用しなかった(図2入 回路内は低分子デキストラン液

5

0

0

m

l

,および 乳酸化リンゲル液

500ml

にて充填し,回路内凝固 を防止するために,

2

時間毎に

H

e

p

a

r

i

n2

0

0

0

単位 を追加投与した. 実験犬

1

8

頭を定常流送血群と心拡張期送血群の

2

群に分け,それぞれの群をさらに体重あたり, 分時

20m

I

!

k

g

.30m

I

!

k

g

.

40m

l/

kg

の送血量群に分 けて,

9

0

分間の血行動態を観察した. なお,潅流中の脱血量と送血量は常に一定とな るよう調節し,実験中,回路内への補充液追加は 行なっていない.

4

.

血行動態の測定 実験中の血行動態の指標として動脈圧,心拍数, 心拍出量 右 房 圧 脱 血 ポ ン プ 送 血 ポ ン プ 図2

J

左心室圧,左右心房圧,大動脈基部血流量,およ び心電図を測定し記録した. 1)動脈圧,および脈圧測定のため左総頚動脈よ りクールナントカテーテルc7むを挿入後,圧ト ランスデューサー

(MPU0.5-290

型〉に接続し た 2) 左心室圧測定のため,右総頚動脈よりクール ナントビッグテール型カテーテルを左心室内に挿 入留置し,圧トランスデューサーに接続した. 3)左右心房内圧測定のため, 7 F,クールナン トカテーテルを両側開胸下に心房内に直接挿入留 置し,それぞれ圧トランスデューサーに接続した.

4

)

大動脈基部血流量測定のため,心嚢を切開し て大動脈基部を露出し,電磁血流プロープ(FB型

rt14mm

または

φ16mm.

日本光電

KK)

を装置 し,電磁血流計

(MFV1

2

0

0

型, 日本光電

KK)

に 接続し,これより心拍出量を測定した. 5) 分時送血量測定のため,送血カニューレ内に 電磁血流プロープ

(FF

0

8

0

φ8mm

日本光電〉 を装置し,電磁血流計

(MFV.ll00

型, 日本光電

KK)

に接続した.

6

)

心電図は,実験犬が両側聞胸となっているた め,電極を右上肢,および心膜に直接刺入して誘 導し記録した. 以上の圧トランスデューサーおよび心電図の

o

u

t

p

u

t

P

o

l

y

c

o

d

e

1

u

l

t

i

p

u

r

p

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e P

o

l

y

g

r

a

p

h

1

4

0

(三栄測器

KK)

に接続し,全実験経過を記録 した. また実験結果より,以下の式をもとにして平均 大動脈圧へ全末梢血管抵抗,左心室仕事量6)を算 出した. 平均大動脈圧二 {収縮期圧+

2

x(

拡張期圧)}

x

1

/

3

全 末 梢 血 管 抵 抗 = {平均大動脈圧

(mmHg)/

心拍出量

(m

l/

m

i

n

)

}x

6

0

x

1

3

3

2

左心室仕事量

(LVSW

1)= 1回心拍出係数 (S1)

x

(平均動脈圧 一左室拡張期圧)

x

O

.

0136gram/ cm

2

(SI= 1

回心拍出量

(

s

t

r

o

k

e

volume)

/体表面積〉

(5)

表 1 各流量における 90分後の血行動態

20ml/kg/min 30ml/kg/min 40ml/kg/min

定 常 流 拡張期送血 定 常 流 拡張期送血 定 常 流 拡張期送血 平 均 大 動 脈 圧 66.1士12.50 56.35:t12.05 51.43士10.28 77. 93:t16. 72 85. 57:t29. 73 92.45:t13.45 脈 圧 81. 75士3.95 98.02:t14.75 56. 93:t30 .50 74.07士36.67 58.5士25.25 81.8:t11.10 u 拍 数 80.35:t5.35 69.75:t16.45 73.4:t8.82 80.5土8.12 82.3:t16.78 75. 9:t13.0

左 心 室 庄 65.25:t10.95 62.8:t6.80 62.25:t7.95 64.47士21.16 63.93:t29.51 96.25士22.55 心 拍 出 量 49.9:t8.60 68 .65:t15. 05 41.53:t21.18 62.67:t28.24 12.55士1.95 50.15:t3.45 総 潅 流 量 62.45士2.45 79.75:t10.45 68.77:t23.56 87.0:t32.33 47.25:t3.35 91.55土4.85 左 室 仕 事 量 40.2:t2.30 56.1土13.5 29.43:t14.54 65. 07:t 34.44 9.7士0.40 59.8:t5.60 全末梢血管抵抗 107.45:t24.85 56.25士6.85 88.2:t40.67 97.5:t25.44 122. 75:t10.05 101. 1:t21. 10 潅流前値を100%とし,それに対する%で示す 実験結果 潅流前値を100%とし,潅流開始90分後の変化率 の平均,および標準偏差値を表lに示した. 1.圧波形 心停止時において 1分間60回の拍動送血を行 なうと,その時の左心室内圧曲線は平担となり, 大動脈弓部における圧変化は,電磁開閉スイッチ の開閉時における圧変化と,送血管,および大動 脈壁の弾性変化のため,大きな

2

峯性の矩形波と,

2

つの小さな藤波によって構成された圧波形と なっている(図

3)

.

送血管先端開口部は右総腸骨動脈内にあり,圧 波形は大動脈弓部で測定しているため,送血量が 少い場合は圧変化が大動脈基部に及びにくいと思

図3 心停止時における圧波形 (X:tSD) われ,心停止時40ml/kg間歌的送血では大動脈弓 部で、約30mmHgの脈圧が得られ,心拍動時には約 20mmHgの脈圧を読みとることができるが, 30 ml/kgおよび20ml/kg送血では大動脈拡張期圧 を凌駕する程の圧とはならず,拡張期のわずかな 上昇を思わせる圧波形の変化を認める(図 4). 各送血群の左心室内圧,および大動脈弓部圧波 形をみると次の通りである(図

5

入 20ml/kg/m送血群では定常流送血群,および 心拡張期送血群とも,潅流前, 30分後, 60分後, および90分後と時間の経過と共に,収縮期圧の低 下傾向が認められ,波形としての変化は少なく, 拡張期の波形の軽度の上昇が認められる(図5

-1).

30ml/kg/m送血群は,定常流送血群において 潅流前圧波形と比較して, 90分後では脈圧が減少 し,疎波成分が消失し,全体になだらかな圧波形 となっているが,心拡張期送血群での90分後の変 化は少なく,とくに脈圧の減少は無い.圧波形の 変化は少なく,拡張期の波形に軽度の上昇が認め られる(図

5-2

)

.

40ml/kg/送血群で、は,定常流送血群において, 90分後の変化はとくに著明で,脈圧は減少し, di

-c

r

o

t

i

c

n

o

t

c

h

は消失し,拡張期圧波形は直線的に 圧の低下を示し,

P

l

a

t

e

a

u

波となっている.これに 対して心拡張期送血群では,

d

i

c

r

o

t

i

c

n

o

t

c

h

は存 在し,脈圧も充分存在し,拡張期送血による2つ の矩形波と,藤波の圧波形を認める(図

5- 3

)

.

(6)

i

卓宗三七

1

I

F

;

蓮 昌

20ml/kg拡張期送血 30ml/kg拡張期送血

十 汁

L

fL

K

U

V

40ml/kg拡張期送血 コントロール 左室圧 大動脈庄

J

l

i

f

J

U

A

l

心電図 拡張期送血群では,潅流開始15分で128%まで上 昇,その後,徐々に低下して78%まで低下した. 20ml/kg/m送血では,両群とも,潅流開始より 低下し, 90分後では,定常流送血群で66%,心拡 張期送血群で56%まで低下した(図6). 小括:30ml/kg/m送血において,心拡張期送 血群は定常流送血群に比し,経時的な圧下降率は 少ない.40ml/kg/mおよび20ml/kg/m送血にお いては,明らかな差がなかった. 3.脈圧 40ml/kg/m,および30ml/kg/m送血において, 拡張期送血群では,潅流開始15分後で軽度の脈庄 の増加を示した後,徐々に脈圧の減少が出現する が,定常流送血群では,その減少率は著明で,有 意差を認めた. 20ml/kg/m送血群では,両群とも減少率は軽 度であった(図7). 小括:40ml/kg/m,および30ml/kg/m送血群 において心拡張期送血群は初めに軽度上昇し,後 図4 小括:定常流送血群では30ml/kg/m送血,お よび40ml/kg/m送血において,潅流開始90分後 には著明な圧波形の変化(脈圧の減少,圧波形の 平低化,曲線化〉を認めるが,心拡張期送血群に おいては収縮期圧波形の変化が殆どなく,拡張期 に特有の送血による矩形波の重なりによる圧上昇 の波形を認め, この波形は送血流量が多い時は著 明であるが,流量が減少すると不明瞭になる. すなわち心拡張期送血法では圧波形の上からみ ると定常流送血法に比して拡張期圧の上昇と,経 時的な波形の変化を少なくする効果が認められ, その効果は流量の多い程大である.

2

.

平均大動脈圧 40ml/kg/m送血において,定常流送血,および 心拡張期送血,両群とも,潅流開始30分までは変 化はないが,45分後頃より徐々に低下しているが, 両群とも有意差はない. 30ml/kg/m送血では,定常流送血群で経時的 に徐々に低下し, 90分で51%まで低下したが,心

(7)

20ml/kg/m定常流送血 {整流前 30分後 60分後 90分後 左室圧 図5ーl に徐々に減少するが,定常流送血群に比し経時的 な脈圧の減少率は有意差をもって少ない.

4

.

心拍数 定常流送血群,心拡張期送血群とも,潅流開始 とともに心拍数は経時的に徐々に低下し,潅流開 始90分後では,定常流送血群のうち, 40ml/kg/m 送血群は82%,30ml/kg/m送血群は73%,20ml/ kg/m送血群は80%となり,心拡張期送血群のう ち, 40ml/kg/m送血群は76%,30ml/kg/m送血 群は81%,20ml/kg/m送血群は70%と各群とも, 直線状に心拍数は漸減した(図

8)

.

小括:定常流送血群,および心拡張期送血群と も,経時的に心拍数は漸減し,送血量,および送 血法との間に明らかな差はなかった.

5

.

左心室圧 左心室圧は,最初の

1

5

分では,心拡張期送血群 のうち, 40ml/kg/m送血群で110%,30ml/kg/m 送血群で109%に上昇したが, 20ml/kg/m送血群 で、は上昇を見なかった.定常流送血群のうち, 30 60分後 90分後 左室圧 図5-2 ml/kg/m送血群で, 30分後に112%までに上昇し たが,40ml/kg/m, 20ml/kg/m送血群は上昇をみ なかった.その後は何れも徐々に低下を始め,潅 流開始90分後では,心拡張期送血群のうち, 40ml/ kg/m送血群は96%,30ml/kg/m送血群は64%, 20ml/kg/m送血群は63%となり,定常流送血群 のうち, 40ml/kg/m送血群は64%,30ml/kg/m 送血群は62%,20ml/kg/m送血群は62%となっ た(図

9)

.

小括:定常流送血群,および心拡張期送血群と も,経時的に左心室圧は低下し, 30ml/kg/m,お よび20ml/kg/m送 血 群 で は 明 ら か な 差 は 無 い が, 40ml/kg/m送血群において,心拡張期送血群 は,定常流送血群に比し,送血後

1

5

分で上昇を示 し,経時的な低下率も少ない傾向であった.

6

.

心抽出量 潅流開始とともに,すべての群において,心拍 出量は急激に減少をはじめ,その減少率は,各群 ともほぼ直線的であり,潅流開始後90分で定常流 -428

(8)

40ml/kg/m定常流送血 1整流前 30分後 60分 後 90分後 左室圧 大動脈庄 左室庄 大動脈圧 図5-3 送血群では,40ml/kg/m送血群で13%,30ml/kg/ m送血群で42%,20ml/kg/m送血群で50%とな り,心拡張期送血群では, 40ml/kg/m送血群で 50%, 30ml/kg/m送血群で63%,20ml/kg/m送 血群で69%となった(図10). 小括:心拍出量は各送血群とも減少し,定常流 送血群が心拡張期送血群よりも減少率は大きく, とくに40ml/kg/m群において,明らかな有意差 (p<0.005)を示していた.この傾向は流量の多い 方が,少い方よりも強L、傾向がみられる.

7

.

総潅流量 大動脈基部の流量計によって得た心拍出量と, 大腿動脈内送血量とを合計した総潅流量は定常流 送血群では40ml/kg/m送血群において15分後に 108%まで増量した後,低下し,30ml/kg/m,20ml/ kg/m送血群は潅流開始とともに潅流前値を下ま わり,漸減して90分後では,それぞれ47%,69%, 62%と低下した.これに反し,拡張期送血群は40 ml/kg/mおよび30ml/kg/mに お い て 潅 流 開 始 100 40ml/kg/m + 定 常 流 送 血 十 拡 張 期 送 血

Vor 100 45 60 75 90 30ml/kg/m

Vor 15 30 45 60 75 90 20ml/kg/m

Vor 15 30 45 60 75 90 図6 平均大動脈圧 より総潅流量は増加し, 30分 後 で は そ れ ぞ れ 139%, 108%となり,その後,漸減して, 60分後 には,ほぽ潅流前値にもどり, 90分後では92%, 87%にまで低下した.20ml/kg/m送血群では潅 流開始とともに低下し, 90分で79%となった(図 11). 小括:定常流送血群は心拡張期送血群に比し て,経時的な総潅流量の減少率が著しく,とくに 40ml/kg/m,および30ml/kg/m送血群において, その有意差は両方ともp<0.005である.心拡張期 送血群では,定常流送血群に比し,潅流開始後60 分までの増量が著明である.

8

.

左心室

1

回仕事量 左心室1回仕事量は定常流送血群では40ml/ kg/m送血群で10%,30ml/kg/m送血群で29%, 20ml/kg/m送血群で40%まで低下している.心 拡張期送血群では40ml/kg/m およひ~30ml/kg/m 送血群において,潅流開始後,やや増大したが,

(9)

「ぺぶ

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込 40m山 山 ¥ _

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/~,Q 十 拡 張 期 送 血 0 Vor 15 30 45 60 75 90

1ml 大:←ト-~_

i i

i

oL. Vor 15 30 45 60 75 90 100 20ml/kg/m

Vor 15 30 45 60 75 90 図7 脈 庄 その後低下し, 20ml/kg/m送血群は潅流開始と ともに低下した.90分では, 40ml/kg/m送血群で 60%, 30ml/kg/m送血群で65%,20ml/kg/m送 血群で56%となり,定常流送血群よりは高値であ る(図12). 小括:左心室

1

回仕事量は,心拡張期送血群で は送血量の多い場合に初期に上昇を認め,定常流 送血群においては,心拡張期送血群におけるより 著明に低下を示した.

9

.

全末梢血管抵抗 全末梢血管抵抗は定常流送血群では, 40ml/kg/ m 送血群で,海流開始後やや低下して, 15分で 84%となり,90分で122%まで増大した.30ml/kg/ m送血群では徐々に低下して, 90分で88%とな り , 20ml/kg/m送 血 群 で は15分 で や や 増 大 (114%)した後,低下して90分で107%となった. 心拡張期送血群では, 40ml/kg/m送血群で潅流 開始30分後,最低値 (71%) となった後,徐々に

1∞I~吋キキ十-1{

40ml/kg/m 十 定 常 流 送 血 十 拡 張 期 送 血 。 Vor一一~ 100 30ml/kg/m

Vor 100トι 20ml!k宮1m 15 30 30 45 60 75 90 45 60 75 90

V正口 5 30 45 60 75 90 図8 心拍数 増大し, 90分後で潅流前値となった.30m

1

/

kg/m 送血群で潅流開始後より増大し 90分で潅流前値 となった.20ml/kg/m送血群で潅流開始ととも に低下し, 90分では56%となった(図13). 小括-各群において様々な態様を示し, 90分後 においても,各流量群,または送血法群において, 一定の傾向はなかった. 10.流量比 (送血量)/(心拍出量+送血量)X100として計算 した.大腿動脈送血の流量比は, 20ml/kg/m送血 群では,定常流送血群,心拡張期送血群とも時間 経過に伴い,少々増加するが, 30ml/kg/m送血群 では,潅流開始60分後噴より,著しく増加し, 40 ml/kg/m送血群においては,更に著明に増加し た.何れの流量においても,定常流送血群が心拡 張期送血群を上回っていた(図14). 小括:流量比は心拍出量の低下を反映して,定 常流送血群が心拡張送血群より高値を示し,経時

(10)

430-100 20ml/kg/m

Vor 15 30 45 60 75 90 図9 左心室圧 的に増加する傾向を示し,送血量が多い程,その 増加率が明らかに高くなる.90分後の比較では, 40ml/kg/m送血群において,定常流送血群と,心 拡張期送血群との間に,明らかな有意差を認めた (p<0.025). 考 察 1953年, Gibbonηにより心房中隔欠損症の手術 に初めて完全体外循環法が臨床応用されて以来, 呼吸循環を補助する補助循環法は,心臓手術後の 完全体外循環からの離脱や,心筋梗塞等の重症心 筋障害における心機能の回復を目指し発展してき た. 一方,重症呼吸不全に対しては,

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)

らによっ て1972年に初めて外傷性急性呼吸不全に対して ECMOによる救命例が報告されて以来,その臨床 的応用が積極的に研究されてきたが,救命率は 10-13%と極めて低く,ECMOの積極的な臨床利 20ml/kg/m

Vor 15 30 45 60 75 90 図10心拍出量 用には,まだまだ議論のあるところである. 呼 吸 不 全 に 対 す る 補 助 循 環 法 の 目 的 は ,

Fi0

21.0,

PEEP

10 -15cmH2

0

において利尿剤, 強心剤,積極的な理学療法など最大の呼吸管理を 行なっても

Pa02

が50mmHg以 下 の 状 態 が 2時 間以上続く場合や,急性の低酸素血症により心筋 虚血徴候が現われたり,中枢神経障害が認められ る場合などの内科的治療限界をはるかに越えた重 症呼吸不全に対して,機械的手段を用いて血液の 酸素加,及び、炭酸ガスの排除等の呼吸補助と,呼 吸不全より移行する循環不全状態を積極的に補助 し,肺機能の回復を図ることにある.この意味で 血液酸素加のためには膜型人工肺等を使用したバ イパスが必要であり,その方法として,静脈静脈 潅流法,動脈静脈潅流法,静脈動脈潅流法,およ びこれらの組み合わせの潅流法によって呼吸補助 とする

(11)

100 γ 4 血 血 T i 送 送 ¥ 流 期 ¥

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牛 ム

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4

40ml/kg/m

Vor 15 30 45 60 75 90 30ml/kg/m

Vor 15 30 45 60 75 90 20ml/kg/m

Vor 15 30 45 60 75 90 図11 総潅流量 しかし,どの潅流法にもそれぞれ長所短所があ り,動脈静脈潅流法は送血ポンプが不要で,充分 な脱血量を得ることができるが,血液酸素附加の 効率が悪く,潅流量を増せば,その分,体循環潅 流量が減少し,末梢循環不全は進行し,肺循環潅 流量は増加して,右心系の負荷,及び肺のうっ血 をきたし,治療的意義に乏しいか川. 静脈静脈潅流法に関する研究では

Krasna

1川主 動物実験において,可逆的な肺病変による低酸素 状態の改善に有効な手段となることを示唆した が,

Schrammel

は同町その有効性とともに,肺 前静脈一静脈潅流後における肺のうっ血性病変, 及び出血性病変を指摘している.潅流量が増加す るにつれ,肺血流量,心拍出量右心室内圧,中心 静脈圧,肺内シャント率が増大し8)10)14) 16}17),また 実験的低酸素犬で,血液中より肺胞への酸素の逆 拡散,すなわち肺毛細血管で脱酸素現象が生じる とし、う報告もある.西村18)は,肺のうっ血性病変は 100 40ml/kg/m OL;-; 200 30ml/kg/m 、、、 100

、 、 T l l J ℃ e l l -i

、、

Vor 15 30 45 60 75 90 100 20ml/kg/m 血 血 送 送 流 期 常 張 { 疋 拡

+十

Vor 15 30 45 60 75 90 図12左心室1回仕事量

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Lung Syndrome

としてのもので あり,静脈一静脈潅流法に特異的なものでないと い山岡ら叫は,肺シャント率を検査し,その適正 潅 流 量 は

30m

l/

kg/m

の 右 心 房 送 血 で あ る と し た.また酸素附加率が良好で、20)21)冠動脈をはじめ, 全 身 に 酸 素 加 血 を 供 給 す る こ と が 可 能 で あ り問削,

Core pulmonare

や,広範な肺動脈塞栓症 以外の重症呼吸不全に対しては,その適応が今後 広がるものと思われる. 静脈動脈潅流法は静脈血吸引効果により中心静 -432

(12)

100 40mJ/kg/mll + 定 常 脳 血 十 拡 張 期 送 血 O V o r 1 5 3 0 45 60 75 90 100 30mJ!kg/mll 0' Vo'r 15 30 45 60 75 90 100 20mJ!kg/mll 15 30 45 60 75 90 図13全末梢血管抵抗 脈圧低下,右房圧および右室圧低下,右室容積の 減少,右室仕事量の減少により,右心補助効果を 示し,肺血流量の減少により肺動脈圧を下げ,肺 コンブライアンスを減少させることができ24)25L 肺病変のある場合には,肺実質の治療の上で好ま しい16)26) しかし左心に対しては左室仕事量の減 少を認めるが,末梢動脈への潅流操作により,か えって大動脈圧の上昇,左室拡張終期圧,左房庄 の上昇など左心の圧負荷を増大し,心筋予備力が 少ないと,容易に脱血量に比して心拍出量が低下 し,経時的に総潅流量は減少して循環系の破綻を きたしM)27)28),また

ARDS

等,呼吸不全が主体に 対する治療の場合,かえって左心不全を誘発して 肺水腫をまねき,呼吸状態をさらに悪化させる可 能性がある.このような左心系圧負荷をすくなく す る た め の 方 法 と し て

Goldman

30)らは

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Veno A

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を併用したもの31ト34),体外回 路に

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を装着した もの町制などが報告され,

V-A Bypass

定常流送 血と,心拍同期送血との循環動態の比較検討がな されている. 著者の実験も,このような左心後負荷を抑制し, 末梢循環をより生理的なものにするための方法と して心拍同調電磁開閉スイッチを作製して心拡張 期送血静脈一動脈バイパス潅流法とし,定常流送 血法との血行動態の比較を試みた, 本 実 験 で は 酸 素 加 装 置 の な い

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とした.

Takamoto

54)32)らによれば,酸素 加装置のない

V-ABypass

では,バイパス量をコ ントロールの心拍出量の

1

/

3

以下にすることによ り,下半身には酸素低飽和血液が潅流するが,腎 動脈から頭側の重要腹部臓器に

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が起こ らないと報告し,また

Wakabayashi

55)らも心拍出 量の

1

/

3

のバイパス量で心臓性ショックの患者に 酸素加装置のない

V-ABypass

を応用して

6

例 の内

5

例を救命し,全身の

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は見られなかったと報告し,血行動態には,酸素 加装置の有無はほとんど影響がないといわれてい る27) 以上の理由より,装置簡素化の目的もあり, 酸素加装置のない

V-ABypass

とした. 心拡張期送血法の考えられる利点としては, ①心収縮期には送血していないので定常流送 血法に比して左心系の後負荷が少ない. ②心拡張期に送血するため冠血流量を増して, 心筋への酸素供給を増す. ③末梢における圧波形は定常流とならない. 以上

3

点があげられる. 著者の実験では潅流の開始とともに中心静脈血 吸引のため,心拍出量はその分減少して左室圧, 心拍出量,左室仕事量は定常流送血群,心拡張期 送血群とも低下し,心不全が存在する場合は,容 量負荷,及び右心系の圧負荷の減少のため,明ら かに両心補助につながると考えられる. 現行の補助循環法は急速大量出血,及び急速大 量輸血を同時に行なうものであり,生体にとって は一種の大きな侵襲であり,経時的に全身的影響 が出現して循環動態に加味複合され,徐々に低下

(13)

(%) 701 20ml/kg/m 30ml/kg/m O拡 張 期 送 血 60卜 60 - 定 常 流 送 血 O拡張期送血 50ト - 定 常 流 送 血 50 40 30

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30 20ト

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20 10ト 10 15' 30' 45' 60' 75' 90' O 15' 30' 45' 60' 75' 90' (%) 80 40ml/kg/m 60ト 501 40 20 O拡 張 期 送 血 101 - 定 常 流 送 血 O 15' 30' 45' 60' 75' 90' 図14流 量 比 してゆく血圧,脈拍数,心拍出量は心機能の低下 と,静脈血帰来の減少による循環動態の破綻と考 えられる.とくに著者の実験の

40m

l/

kg/m

定常 流 送 血

9

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分 後 の 左 心 室 l回 仕 事 量 の

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(7.7%)は,まさに静脈血帰来が極端に減少して, 流量比は34%から69%と増大しており,このまま 潅流液を追加投与しなければ脱血トラブルをおこ しかねない状態と考えられる. 梅 津37)のシミュレーション技法による V-Aミノ イパスの数学的解析によれば,バイパス量は左心 補助の限界が不全心拍出量の

40%

程度であると し,心筋予備力の著しく低下している不可逆心で は,定常流V-Aバイパスの効果は期待できず,重 症両心不全に対しては,左心機能の回復と末梢潅 流 量 の 確 保 を 同 時 に 行 な う V-Aノミイパスと,

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法 と の 併 用 を 薦 め て い る. 著者の左心系

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の指標とした平均大 動脈圧,心拍出量,左心室圧,及び脈圧について, 平均大動脈圧と左心室圧は定常流送血群と心拡張 期送血群との間に有意差がなく,心拍出量,及び 脈圧において両群聞に有意差をみた. 圧波形については,本実験では送風部位が総腸 骨動脈からであり,図

5

の大動脈弓部圧波形を見 -434

(14)

ると,

40ml/kg/m

送血で、拡張期に約

30mmHg

の 脈圧を有する 2峯性の送血圧波がみられ,経時的 な変化をみると,定常流送血群では脈圧の減少, 及び拡張期の直線的でなだらかな圧下降がみられ るが,心拡張期送血群では,

9

0

分後においても, 脈圧の減少もなく,拡張期下降する圧勾配も急峻 で,定常流送血群と比較して,明らかに心拍出圧 波形に与える影響は少なく,

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効果があり,また拡張期に送血圧波形をみること より,拡張期圧上昇にともない冠潅流量の増加す る

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効果もあると考える. しかし総腸骨動脈部送血静脈・動脈潅流法では 冠循環,及び中枢神経系への酸素加血を充分に供 給することには疑問があり,これを満たすには,

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制の指摘した如く,送血部位を頚動脈法に するか,心拍出量の75%以上の流量で潅流するか, または岡田9)や,当教室の里村叫が報告した大動脈 弁直上で送血する以外にない.臨床の場において 完全体外循環に近い高流量潅流を長時間にわたり 行なったり,末梢動脈より大動脈弁直上まで太い 送血カニューレを挿入することは実際的でなく, 左心系

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を極力おさえ,なおかつ酸素加 された血液を充分に冠動脈,及び中枢神経系に循 環させるには,心拡張期送血静脈・動脈潅流法+ 静脈・静脈潅流法の組み合わせか,あるいは細い 送血カニューレを大動脈弁直上までもってきて心 拡張期送血する方法がよいと考える. 定常流送血法は,たとえ心拍動中の補助循環と いえども,潅流量が増加するにしたがし、収縮期圧 の低下,拡張期圧の増加のため脈庄の減少をきた し,末梢血流は拍動流から定常流に近くなる.

1

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5

Wesolowskp9)

らは定常流潅流でも短時 間であれば全身状態に異常無く潅流を維持できる とし拍動流の必要性を否定して以来,拍動流で も無拍動流でも臓器や生体の機能に何等差違を認 めないとする報告が出されるようになった州41) これに対して拍動流が無拍動流に比して単に血 流波形が異なるというだけでなく,生体の生理的 循環動態を維持するために重要で、あるとする報告 も多い.

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こより腎循環の面から脈 圧の必要性が述べられており

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土低 流量,無拍動流潅流を行なうと,腎動脈が撃縮し て腎血流量を著しく減少せしめることを観察して いる.また

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叫も同様腎機能を生理的に維持 するためには拍動流が重要で、あることを示した.

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刊は脳脊髄液の循環の面より,

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削 はリンパ流の面より,

Wilkens

46)は末梢循環より それぞれ拍動流潅流の優位性を報告している. 武田47)は大網容積の測定や,大網毛細管顕徴鏡 的観察を行なって 1時間までの観察では拍動流 潅流時には毛細血管の血行は良好に保たれ,

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の径は殆んど変化がみられないが,無拍 動流では潅流開始後

10-15

分すると

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の血流は次第に緩かとなり,時には全く停止 するに至り,

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の径も拡張していることが 多いとしている.久保48)らはさらに長時間の観察 でローラーポンプを用いた体外循環では,微小循 環は当然定常流を示し, 60分ではすでに赤血球が 数コづっ塊状となって

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を流れ,

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分では

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の血流は緩徐となり,一部の

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が発生し,

3

時間経過する と徴小循環は非常に緩徐となり,

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の ような不可逆性変化が出現し,血管の透過性が克 進し,漏出性出血がみられ循環虚脱となるのに対 し,拍動ポンプを用いた体外循環では2時間でも 血液は良好に維持され 3時間で毛細管の一部で 塊状の赤血球がみられ 5時間では毛細血管の血 流が停止しているが,徴小循環状態はローラーポ ンプ例の

3

時間の所見よりは良好な状態が維持さ れていると報告している. 拍動流に関して理工学的立場より,沖野49)は赤 血球が自己の径より狭い毛細血管を通るときは拍 動流による慣性運動が不可欠であり,定常流の圧 勾配では管腔の閉塞が生じ, これはちょうど金槌 で釘を打込む現象と類似していると述べている. また弾性管を通る際の水力学的エネルギーから見 て

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主同一平均血圧で、あっても拍動流の 方が無拍動流に比して圧力エネルギーははるかに 大であることを計測している. 定常流では毛細管床における流速が減少し一種 の末梢循環不全となり, この初期においてはカテ コーラミン分泌の結果,前後毛細管括約筋の収縮

(15)

により血圧を維持しようとする.この状態が長時 間にわたると

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による毛細血管 内圧の低下に対する局所の

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が優 位となり,毛細管内圧維持のために前毛細管括約 筋の緊張が失なわれ,毛細管内で血液は

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を起こし末梢血管は

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の状態とな る.そして毛細管壁の透過性が充進し,体液の血 管外漏出が起き,組織の浮腫と循環血液量の減少 がおき,静脈血帰来の減少をきたし,ひいては心 拍出量の減少につながる.拍動流においてはこの ような変化は少なく,末梢循環の破綻は少ない. 以上より心拡張期送血法は定常流送血法と比較 して,

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効果と,末梢の非定常流 潅流により経時的な静脈血帰来の減少,及び心拍 出量の減少がすくなく, この点において有意義な 送血法であると考える. 補助循環における適正潅流量については, ① 適正動脈血酸素ガス分圧の維持,②生体のホメオ スターシス,体循環に影響を与えず,長期間の静 脈還流血を過不足なく脱血できる,の

2

点より決 められるべきで①については

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刊らは潅流 量 を

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kg/m

から

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に 増 加 す る と 人工肺を通過した血液の酸素含有量は直線的に増 加するが,生体の末梢動脈血の酸素含有量は流量 が

60m

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/

kg/m

まで直線的に増加し,それ以後は 横這い状態であって,これより潅流量を

60m

l

/kg/

m以上にする必要はないと報告し,また他の報告 も

4

0-60m

l

/kg/m

とするものが多い叫-54) 著者の実験では,

20-30ml

/

kg/m

送血で経時 的な流量比の増加はすくなく,

40ml/kg/m

送血 では潅流開始

6

0

分頃より流量比増加が著明とな り,脱血量の確保が困難となり,長期間の補助循 環の継続は難しい.①②の問題解決としては,

30-40m

l

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kg/m

を適正潅流量とし,その潅流方 法としては心拡張期送血静脈動脈潅流を主体と し,中枢神経系及び冠循環動脈酸素分圧上昇を目 的として静脈静脈潅流を併用するか,あるいは送 血カニューレを大動脈弁直上まで挿入し,心拡張 期送血静脈動脈潅流法がよいと考える. 結 論 呼吸不全に対する補助循環の効果を高める目的 で,犬を用いて右心房より脱血し,カニューレを 右大腿動脈より右総揚骨動脈内に挿入して送血 し,電磁開閉スイッチにより心電図と同調した心 拡張期送血潅流法と,電磁開閉スイッチを用いな い定常流送血潅流法とを比較検討し,次の結果を 得た. (1)圧波形は定常流送血群では波形が平担化す るのに反し,心拡張期送血群では波形がよく保た れており,拡張期圧波形の上昇を認めた. (2)大動脈平均圧は両群とも低下するが,明ら かな差はみられなかった. (3)脈圧は心拡張期送血群では送血量の多いも ので初めに軽度上昇し,後に徐々に下降するが, 定常流送血群では著しく低下した. (4) 心拍数は,両群とも経時的に減少した. (5)左心室庄は両群とも経時的に減少したが, 心拡張期送血群では送血量の多いものに,初期に 上昇を認めた.また低下率は心拡張期送血群が定 常流送血群より低かった. (6)心拍出量は両群とも経時的に減少したが, 定常流送血群が心拡張期送血群より著明に減少し た. (7)総潅流量は,心拡張期送血群では送血量の 多い場合に初期に増加したが,後に減少した.定 常流送血群では初期の増量が少なく,その後の減 少も著しかった. (8)左心室 1回仕事量は心拡張期送血群が送血 量の多い場合に初期に上昇したが,両群とも低下 する.しかしその低下は定常流送血群が著しかっ

T

こ (9)全末梢血管抵抗は一定の傾向を認めなかっ た (1

0

)

流量比は,心拍出量の低下を反映して,定 常流送血群が心拡張期送血群よりも高値を示し, 経時的に増加し,送血量の増加と共に増加率は高 くなった. 以上の結果より,心拡張期送血法は定常流送血 法よりも心拡張期における血圧を上昇し,心拍出 量を増加することを示し,左心室l回仕事量,総 潅流量の増加,及び流量比の低下を認めている. これらは心拡張期送血法が,左心負担を軽減し, -436

(16)

冠 循 環 を よ く し , 心 機 能 保 持 に 有 効 で あ る こ と を 示 す も の で あ る . し た が っ て 重 症 呼 吸 不 全 に 対 す る 補 助 循 環 法 と し て , 大 動 脈 弁 直 上 送 血 法 を 行 な う 場 合 に こ の 方 法 を 用 い る こ と は 甚 だ 有 利 で あ る と考えられる. 稿を終るにあたり,御懇篤なる御指導と御校聞をい ただいた東京女子医科大学第2外科学教室,織熔秀夫 教授に深甚なる謝意を捧げると共に,懇切なる御教示 を頂いた同教室,倉光秀麿助教授,鈴木 忠講師に心 から感謝する.実験に際し,御助言,御協力を下され た 教 室 の 村 瀬 茂 先 生 は じ め 諸 先 生 に 心 か ら 御 礼 申 し上げる. (本研究の要旨は,東京女子医科大学学会第256回例 会において発表した.) 文 献 1)Hill

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et al.: Prolon. ged extracorporeal oxygenation for acute post traumatic respiratory failure (Shock.long syndrome) N Engl J Med 286 629-634 (1972) 2) Sabiston, D.C. and F.C. Spencer: Prolonged Extracorporeal Circulation. Surgery of the Chest Third edition W.B. Saunders Company Philadelphia 868-875 (1976) 3) Zapol

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表 1 各流量における 90 分後の血行動態

参照

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