巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
Con te n ts
※「エマージング諸国」とは、アジア、中南米、東欧・ロシアなどの新興諸国を指します。
【タイ】 国民投票で新憲法案が承認される中、堅調に推移するバーツ相場 *
【図1】 民間消費の伸びが固定資本投資や政府消費の減速を相殺(右)
【図2】 緩やかに増加する農業所得(左)、加速する製造業部門の生産(右)
*注)本稿は、「アジア・マーケット・マンスリー」からの転載です。
市場の予想以上に加速した4-6月期のGDP成長率
【タイ】 国民投票で新憲法案が承認される中、堅調に推移するバーツ相場 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1ページ
【エマージング・マーケット・ウォッチ】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7ページ
出所)タイ国家経済社会開発庁(NESDB)、CEIC
出所)タイ農業・協同組合省、タイ銀行(BoT)、タイ国家経済社会開発庁(NESDB)、CEIC
タイ・バーツ相場の堅調さが目立ちます。5月末から8月末にかけて、同通貨は主要 アジア通貨では韓国ウォンに次ぐ上昇率を記録。経常黒字の拡大や証券市場への資 本流入が背景です。世界的なリスク選好の動きに加え、8月の国民投票での新憲法案 の承認など、同国の政治的不透明感の低下も資本流入を促した模様です。一方、中 央銀行は足元のバーツ高が景気回復を妨げることを警戒、ドル買い介入を積極化す るとともに対外投資の自由化を検討中とみられます。バーツ相場の堅調さは今後も 続くのか。本稿では、同国の景気物価状況(1-3頁)、金融政策動向(3頁)、政治状況(4-
5頁)を概観するとともに、今後のバーツ相場の方向性について考察します(6頁)。
8月15日に政府が公表した4-6月期の実質GDPは、前年比+3.5%と前期の+3.2%より
加速し(図1左)、市場予想(Bloomberg集計の中央値)の+3.3%を超過。需要側では、政 府消費や固定資本投資が減速し、純輸出の寄与度も低下したものの、民間消費が堅 調に拡大しました(図1右)。民間消費は前年比+3.8%と前期の+2.3%より加速、耐久財 消費が伸びました。農産物価格の反転に伴う農業所得の増加(図2左)や燃料価格の低 下が家計の購買力を押上げたとみられます。タイ正月(ソンクラーン)期間の飲食・旅 行関連費への所得控除など、政府による刺激策も同消費を支えました。政府消費は 同+2.2%と前期の+8.0%より減速。公務員給与等と財サービス購入ともに伸びが鈍化 しました。固定資本投資は同+2.7%と前期の+4.9%より鈍化。公的投資が同+10.4%と 前期の+13.3%より鈍化し、民間投資も同+0.1%と前期の+2.1%より減速しました。と りわけ、民間建設投資は同▲2.1%と前期の+7.0%より反落。高水準の家計債務や銀行 による新規住宅融資の抑制に伴う高級マンション需要の頭打ち、政府による不動産 登録料の減免措置が4月に期限を迎えたこと等が背景です。在庫投資の寄与度は▲1.0%ポイントと前期の▲5.6%ポイントより押下げ幅が縮小しました。
経 済 調 査 部
-15 -10 -5 0 5 10 15 20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 民間消費
純輸出
在庫投資 固定資本 投資 政府消費
注) 直近値は 2016年4-6月期 実質GDP前年比と支出項目寄与度 (%)
実質GDP
(年)
-30 -20 -10 0 10 20 30 40 50
2006 2008 2010 2012 2014 2016
実質GDP成長率(四半期) (%)
前年比 (線) 前期比年率
(棒: 季節調整済)
注) 直近値は 2016年4-6月期
(年)
-30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60
2007 2009 2011 2013 2015
農業所得と作物生産・価格(月次) (%)
農業所得(棒) 作物生産
(線) 注) 3ヵ月移動平均の前年比
直近値は2016年6月
(年)
作物価格 (線)
-20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30
2006 2008 2010 2012 2014 2016 建設
注) 直近値は 2016年4-6月期
製造 (%) 産業別実質
GDP
の前年比(四半期)農林漁業
(年) サービス
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
反発する製造業、落込み幅が縮小する農林漁業 【図3】 4-6月期に鈍化した来訪者数の伸びは、7月に再加速(左)
【図4】 低迷が続く民間投資(左)、軟調な建設投資関連指標(右)
景気は今年後半に減速するも通年では昨年より加速か
出所)タイ工業省、タイ銀行(BoT)、タイ商工会議所大学、CEIC
4-6月期の実質GDP統計の需要項目の外需を見ると、総輸出が同+0.6%と前期の +4.9%より鈍化。海外からの来訪者数の伸びの緩やかな鈍化を背景にサービス輸出が
同+12.1%と前期の+18.2%より減速し、財輸出は、農産物、電器、トラック、石油・石 油化学製品等の落込みに伴って、同▲2.5%と前期の+1.0%より反落しました。一方、総輸入は同▲2.2%と前期の▲4.7%より落込み幅が縮小。この結果、純輸出の寄与度は
+2.0%ポイントと前期の+6.7%ポイントより縮小しました。
生産側では、製造業が反発し、農業の落込み幅が縮小(図2右)。サービス部門では民 間消費の伸びに支えられ卸売・小売等が加速する一方、来訪者数の伸びの鈍化に伴って 空運・陸運や宿泊・飲食等が減速しました。農林漁業は同▲0.1%と前期の▲1.4%より落 込み幅が縮小。前期にかけて悪化した雨不足の緩和に伴って農業の落込み幅が縮小し、
海産物輸出の伸びに伴って漁業が急伸しました。鉱業は同+1.4%と前期の+4.7%より鈍 化。LNGの落込みと原油の鈍化によります。製造業は同+2.0%と前期の▲0.2%より反 発しました。繊維・衣服、HDD等の落込みが続く一方で、運輸機器や機械・部品等の生 産が拡大。熱波に見舞われる近隣諸国へのエアコン輸出の増加等も背景です。
出所)タイ移民局、タイ工業省、CEIC
4-6月期の建設業の実質生産は、前年比+7.5%と前期の+11.2%より鈍化。民間建設投
資の減速が背景です。サービス部門は同+4.6%と前期の+5.3%より鈍化しました。民間 消費の伸びに伴って卸売・小売が同+5.4%と前期の+5.0%より加速したものの、運輸・倉 庫・通信(特に空運と陸運)や宿泊・飲食の伸びが減速。来訪者数が同+8.2%と前期の +15.5%より鈍化した影響です(図3左)。政府の不動産市場刺激策が4月に期限切れと
なったことを受け、不動産等も同+2.3%と前期の+3.3%より鈍化しました。干ばつの終息に伴って農業所得は今後も改善するであろうものの、燃料価格の低下 による家計の購買力改善は一巡し政府による消費刺激策の効果も今後徐々にはく落す るため、4-6月期に目立った民間消費の加速は今後は続かないと思われます。一方、8 月の南部の爆破事件により来訪者数は一時的に減少するものの、同様の事態が続かな い限り年末年始の観光シーズンには回復が見込まれます。低い設備稼働率の下で(図3 右)民間投資は低迷し(図4左)輸出の早期回復も望めないものの、政府投資支出は今後も 景気を支えるでしょう。4-6月期に+3.5%へ加速した成長率は今年後半には+3%前後に 鈍化しつつ、今年通年の成長率は+3%台前半と昨年の+2.8%を上回ると予想されます。
0 50 100 150 200 250 300
-40 -20 0 20 40 60 80
2007 2009 2011 2013 2015 来訪者数と伸び率(月次)
(%) (万人)
月間来訪者数:
季節調整済 (線: 右軸)
前年比
(棒:左軸) 注) 直近値は2016年7月 (年)
-30 -20 -10 0 10 20 30
-10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10
2009 2011 2013 2015
前年比 (線:右軸)
前月比: 季節調整済
(棒:左軸)
(%) 民間投資指数の伸び率(月次)
注) 直近値は 2016年7月
(%)
(年)
2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5
90 95 100 105 110 115 120 125 130 135 140
2010 2012 2014 2016
建材販売量 (左軸)
注)季節調整済 直近値は2016年7月
建設投資関連指標
(月次)
(年)
建設許可面積 (右軸)
(百万平米) (千トン)
20 30 40 50 60 70 80 90 100
2011 2012 2013 2014 2015 2016 製造業設備稼働率(月次)
総合 (%)
(年) 電子機器 注) 季節調整済
直近値は2016年7月
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
落着いた物価の下で政策金利を据え置く中央銀行 【図5】 7月の消費者信頼感は、低位ながら小幅に改善(右)
【図6】 6-7月の2ヵ月連続で鈍化した総合消費者物価(右)
足元のバーツ高に対する警戒感を表明した中央銀行
出所)タイ銀行(BoT)、タイ商務省、CEIC
足元の物価は極めて落ち着いています。7月の総合消費物価の前年比は+0.1%と前月 の+0.4%より低下。15ヵ月連続のマイナスを経て4月にプラスに転じた同物価は、5月 に+0.5%まで上昇した後、2ヵ月連続で鈍化しました(図6右)。食品が同+1.8%と前月の
+2.8%より低下し(図7左)、総合物価を押下げ。野菜・果物が同+5.7%と前月の+12.3%よ
り低下し、食品物価の伸びを抑えました。前月にかけて雨不足で押上げられた同物価 は、その後の降雨量の回復で鈍化した模様です。燃料は同▲8.6%と前月の▲9.2%より 落込み幅が縮小しました。生鮮食品と燃料を除くコア物価は、同+0.8%と前月と同率。内需が勢いを欠く中で需要側からの物価上昇圧力は限定的とみられます。
物価が低位で推移する中、タイ銀行(BoT)は政策金利の据置きを続けています。8月3 日、BoTは政策金利(翌日物レポ金利)を1.5%に維持することを決定。金利の据置きは昨 年6月より10回連続です(図7右)。BoTの声明は、景気は引き続き公的支出と海外からの 来訪者に支えられているとしつつ、農村部家計の所得と信頼感の回復に伴って民間消 費も緩やかに拡大したと指摘。今後も、前回会合で予想したとおりの緩やかな景気回 復が続くだろうという見通しを示しました(6月時点の2016年成長率予想は+3.1%)。
出所)タイ工業省、タイ銀行(BoT)、タイ商工会議所大学、CEIC
一方、海外経済に関しては、6月の英国の国民投票での欧州連合(EU)離脱の選択など に言及しつつ不確実性が生じていると指摘し、国内景気の下押しリスクが増したとし ました。物価に関しては、7月には食品物価の変動で鈍化したものの、今後は総合消費 者物価は緩やかに上昇するだろうと予測。しかし、物価目標(+1-4%)に到達する時期は、
国際原油価格の動向次第では、当初見通しより遅れるかも知れないとしました。
今回注目されるのはバーツ相場への言及です。声明は、同通貨の主要通貨に対する 上昇は足元の景気回復にとって好ましくない可能性があると指摘。こうした指摘は今 年5月の声明以来です。前回6月22日の会合より今回8月3日に会合にかけて、バーツは 対米ドルで+0.9%上昇。主要アジア通貨では、韓国(+3.3%)、台湾(+1.5%)、インドネシ ア(+1.2%)に次ぐ上昇率でした。声明は、前回と同様に、金利が長期に渡って低く抑え られた場合に利回りの追求などが促され金融の安定性が脅かされるリスクに言及。ま た、政策余地を温存する必要を指摘しつつ、適切な政策手段の組合せを使えるよう備 えるとしました。BoTは、海外発の景気下押しリスクやバーツ高への警戒を高めてお り、年内(早ければ9月14日)の利下げの可能性を慎重に探り始めたと考えられます。
-12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
-6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
2009 2011 2013 2015
前年比 (線:右軸)
前月比: 季節調整済
(棒:左軸) (%) 民間消費指数の伸び率
(月次)
注) 直近値は 2016年7月
(%)
(年)
-6 -4 -2 0 2 4 6 8 10
2006 2008 2010 2012 2014 2016
コア物価総合物価 消費者物価の前年比
(
月次)
(%)注) コア物価は生鮮食品 と燃料を除く 直近値は2016年7月
(年) 25 30 35 40 45 50 55 60
65 70 75 80 85 90 95 100
2005 2007 2009 2011 2013 2015
消費者信頼感指数(左軸) 注)直近値は
2016年7月
消費者信頼感と企業景況感
(
月次)
(年) 企業景況感指数
(右軸)
-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50
2009 2011 2013 2015
注) 直近値は2016年7月 前年比(線)
(%) 製造業生産の伸び率(月次)
前月比:
季節調整済 (棒)
(年)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
拡大する経常黒字と黒字基調となった国際収支 【図7】 落ち着いた物価の下、昨年6月より政策金利を据置き(右)
【図8】 輸入低迷で拡大する貿易黒字(左)、経常黒字も拡大基調(右)
8月の国民投票は新憲法案を承認、民政復帰に一歩前進
出所)タイ商務省、タイ銀行(BoT)、CEIC
外需と内需が勢いを欠く中、輸出入は低迷しており、7月の輸出(米ドル建て通関統 計ベース)は前年比▲4.4%と前月の▲0.1%より落込み幅が拡大(図8左)。農産物(米、天 然ゴム、砂糖等)、石油・石油化学製品、自動車、電器などが落込みました。輸入は同
▲7.2%と前月の▲10.1%より落込み幅が縮小。機械、電子・電器部品、鉄鋼などの資本 財や原材料が落込みを続ける一方、消費財や自動車などが伸びました。
7月の経常収支は+37億ドルと、前月の+30億ドルや前年同月の+23億ドルを超過(図8
右)。1-7月累計では286億ドルとGDP比12.6%に達し、前年同期の7.1%を上回りました(年換算)。1-7月の貿易収支が262億ドルと前年同期の180億ドルを上回るとともに、貿
易外収支も+24億ドルと前年同期の▲12億ドルより改善したことが背景です。内需の低 迷に伴って輸入数量が鈍化するとともに、国際燃料価格の低下に伴って燃料輸入額が 減少し、貿易黒字が拡大。足元で鈍化しつつ伸びを続ける来訪者による旅行収支の改 善なども加わり、経常黒字が押上げられました。1-7月累計の国際収支は+177億ドルと 前年同期の+56億ドルを超過(図9左)。資本収支(誤差脱漏を含む)は赤字基調が続くもの の、拡大する経常黒字が同赤字を上回り総合収支を黒字に保っています。出所)タイ商務省、タイ銀行(BoT)、CEIC、Bloomberg
8月10日、選挙管理委員会は8月7日に実施された国民投票の結果を公表。投票率は 59.4%であり、新憲法案は投票者の61.4%に支持されました。同国では、2014年5月の
クーデターによってタイ貢献党政権が崩壊し、以後は暫定政権(事実上の軍事政権)が 統治。今回の国民投票は、クーデター時に廃止された憲法に代わる恒久憲法を制定し、民政復帰に向けた総選挙の実施を可能にするためのものです。
同国では、2006年より政治混乱が続いています。2001年の総選挙で誕生したタクシ ン首相は、農村部の振興策などで有権者の強い支持を集め政権基盤を強化。官僚組織 や軍部の人事に介入したり、自らの一族が経営する企業グループへの便宜を図りまし た。こうした動きは、軍部や枢密院など旧来のエリート層や、王室財産管理局の出資 を受ける企業群など同エリート層の支持層の権益を侵し、深刻な対立が生じました。
2006年初には、首相の親族による株式不正取引疑惑などから政治混乱が深刻化。同年9
月に軍部がクーデターを行い、政権を崩壊させました。しかし、その後も民政復帰の ための総選挙を行う度に、有権者の支持の高いタクシン元首相に近い勢力が政権に復 帰。タクシン派の一掃を目論むエリート層の試みは成功しませんでした(図9右、図10)。-2 0 2 4 6 8 10 12
2009 2011 2013 2015
食品消費者物価の前年比
(月次)
(%)
調理済 肉・魚・卵等
穀物 その他 食品 注) 食品物価の前年比と
項目別寄与度 直近値は2016年7月
野菜・果物
(年)
1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0
2009 2011 2013 2015
(%) 政策金利と国債利回り
(日次)
政策金利
10年債
2年債 注) 直近値は
2016年8月31日
(年)
-120 -100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120
-60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60
2009 2011 2013 2015
輸入 (右軸) 輸出 (右軸) 注) 輸出入: 通関統計
米ドル建て額の前年比、
直近値は2016年7月
貿易収支 (左軸)
(億米ドル)輸出入の前年比と貿易収支
(月次)
(%)(年)
-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
2011 2012 2013 2014 2015 2016
経常収支(
月次)
(億米ドル)貿易外 収支(a) 貿易 収支(b)
注) 直近値は2016年7月 経常収支
(a+b)
(年)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
民生復帰後の影響力温存を図る軍部等エリート層 【図9】 資本収支赤字を経常黒字が上回り、国際収支は黒字基調に(左)
【図10】 2006年初に顕在化した政治不安は、現在まで継続
憲法案の承認で政治的な不透明感は短期的に低下
出所)政府広報、各種報道
2007年12月の総選挙で誕生した国民の力党を中核とする政権は、2008年に憲法裁判
所による解党命令で崩壊し、2011年7月の総選挙で誕生したタイ貢献党政権は、2014年5月のクーデターで崩壊しました。タクシン政権は、タイ史上最も民主的とされる1997
年憲法の下で誕生。エリート層は、政党や首相の権限を弱めるべく、憲法の見直しに 取組んできました。今回国民投票にかけられた新憲法案では、上院議員の全議席が指 名制。1997年憲法の全議席民選、2007年憲法の議席半数の民選から変更されています。憲法裁判所には、民選の下院議員や政権に対する強い監督権限を付与。また、総選挙 後5年間は、非民選の上院議員数を250人に増やした上で、首相選出は上下両院の合同 会議で行う方針を公表。同方針は憲法草案とともに前述の国民投票にかけられ、投票 者の58.1%の賛成を得ました。エリート層は、好ましくない首相や政権の誕生を阻み、
万が一誕生しても司法判断によって容易に崩壊させられるよう配慮した模様です。
エリート層がここまで周到な準備をする背景には、国民の深い敬愛を受けるプミポ ン国王が高齢で健康状態も万全ではないなど、政治的な不透明感が高まりやすい状況 もあるでしょう。総選挙後も軍部等エリート層は強い影響力を維持する見通しです。
出所)タイ銀行(BoT)、各種報道、CEIC
民主的な制度を大きく後退させた今回の憲法案に対しては、タイ貢献党や民主党な どの主要政党が反対の意思を公表。また、タクシン元首相の支持者の多い東北部では 反対票が賛成票を上回るなど、反対意見が表明されました。しかし、前述の通り、国 民投票は憲法案支持が多数。政府が憲法案への反対運動を禁じたことに加え、早期の 民政復帰を望む有権者の意思も働いたとみられます。昨年9月には国会改革評議会
(NRC)が、当初の憲法法案を否決。これに伴って、当時の憲法起草委員会とNRCが解
散され、新たに組織された委員会によって憲法草案が再度作成されることになり、今 回の国民投票に至りました。もし、今回の憲法案が国民投票で否決されれば、総選挙 の時期が一層遠のき、政治的な不透明感が大きく高まっていたとみられます。国民投票による憲法案の承認を受けて、今後は民政復帰に向けた総選挙の準備が進 む見込みです。同選挙は、来年末までに実施される可能性が高いとみられます。新憲 法の内容には議論の余地が大きく、総選挙から5年が経過した後にどのような政治体制 の変更が行われるのか(あるいは行われないのか)等に関する不透明感も残るものの、
憲法案の承認に伴って政治的な不透明感は短期的に低下したと考えられます。
-60 -40 -20 0 20 40 60 80
2009 2011 2013 2015
国際収支(月次)
(億米ドル)
経常収支 (a)
資本収支 および 誤差脱漏
(b) 総合収支
(a+b)
(年) 注) 直近値は
2016年7月
出 来 事
2006年 1月 タクシン首相の親族による不正株取引疑惑が浮上。同首相の辞任求める街頭デモが拡大
9月 クーデターによりタクシン政権が崩壊
2007年 12月 民政復帰に向けて総選挙を実施(翌月に、タクシン派の国民の力党を中核とする連立政権が誕生)
2008年 12月 憲法裁が連立与党3党に解党命令(前年末の総選挙での選挙法違反が理由)。連立政権が崩壊
2009年 4月 バンコクで親タクシン派の反政府団体(反独裁民主統一戦線: UDD、「赤シャツ」)デモ隊と治安部隊が衝突
2010年 5月 治安部隊が、3月より国会解散を要求していたUDDデモ隊を強制排除、多数の死傷者が発生
2011年 5月 政府が国会の早期解散と総選挙の実施を決定
7月 総選挙でタイ貢献党が単独過半数の議席を獲得(翌月、タクシン元首相の実妹インラック氏が首相に就任)
2013年 11月 政府が恩赦法を下院で強行採決。政府への抗議デモが活発化し政府機関等を不法占拠
12月 インラック首相が下院の早期解散と総選挙実施を公表
2014年 2月 総選挙を実施。デモ隊の妨害で一部の選挙区で実施できず(憲法裁判所が3月に選挙は無効と判断)
5月 憲法裁が政府高官人事を違憲と判断し、インラック首相が失職 陸軍司令官が全土に戒厳令を発令
陸軍司令官がクーデターを宣言。タイ貢献党政権が崩壊 8月 プラユット陸軍司令官が暫定首相に就任
2015年 3月 プラユット暫定内閣が、戒厳令(2014年5月-)の解除を閣議決定
9月 国家改革評議会(NRC)が、憲法起草委員会の作成した憲法草案を否決
2016年 3月 憲法起草委員会が新たな憲法草案を公表
8月 国民投票で、新憲法の草案が賛成61.4%で承認される
タイの政局を巡る動き(
2006
年~)日 時
タクシン 派政権の 誕生
タクシン 派政権の 崩壊
非タクシ ン派政権 の誕生
総選挙の 実施
2005
年以降の政治サイクル2005年2月 総選挙で与党 愛国党圧勝、
2期目のタク シン政権誕生
2008年1月 タクシン派の 国民の力党を 中核とする 連立政権誕生
2011年7月 タクシン派の タイ貢献党を 中核とする 連立政権誕生
2006年9月 クーデター により タクシン 政権が崩壊
2008年12月 憲法裁判所が 連立与党3党に
解党命令、
連立政権崩壊
2014年5月 クーデターで
政権が崩壊
2006年10月 暫定内閣が
発足
2008年12月 民主党を中核
とする連立 政権が誕生
2007年12月 民政復帰に 向けて 総選挙を実施
2011年7月 国会の早期 解散に伴う
総選挙を実施
?
2014年9月 暫定内閣が 発足
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
堅調なバーツ相場と介入で相場上昇抑制を図る中央銀行 【図11】 5月末以降、多くのアジア通貨を上回って上昇したバーツ(右)
【図12】 債券市場と株式市場の双方に流入する海外資本
経常黒字の拡大が続く中、今後もバーツは底堅く推移か
出所)タイ証券取引所(SET)、タイ債券市場協会(TBMA)、Bloomberg
通貨バーツは5月末より8月末にかけて対米ドルで+3.1%上昇と堅調に推移(図11左)。
主要アジア通貨では韓国ウォンの+6.9%に次ぐ上昇率でした(図11右)。拡大する経常黒 字や世界的な新興国への資本流入の動きが同通貨を押上げたとみられます。5月末より
8月末にかけて、同国の債券市場には1,867億バーツ(61億ドル)の資本(図12左)、株式市
場には28億ドルの資本が流入しました(図12右)。同時期には、米国による早期の利上 げや中国景気の減速と人民元相場の下落等に対する市場参加者の警戒感が緩むととも に、原油など一次産品価格の安定化も相まって投資家のリスク選好度が改善。昨年売 込まれた新興国資産を買戻す動きが強まる中で、同国の市場にも多額の資本が流入し ました。8月初の国民投票における憲法案の承認に伴って政治的な不透明感が当面は低 下するという安心感も、こうした資本流入を促したとみられます。もっとも、前述のとおり、BoTは8月の政策声明で足元のバーツ高が景気回復にとっ て好ましくないと警戒感を表明しています。同国の外貨準備(先物を含む)は5月27日か ら8月19日にかけて95.6億ドル増加(図11左)。資本流入が加速する局面ではBoTがドル 買い介入によってバーツ相場の上昇速度を抑えている様子がうかがえます。
出所)タイ銀行(BoT)、 Bloomberg
8月の金融政策会合直後の記者会見で、BoTのジャトゥロン総裁補は、「BoTは金利
以外にもバーツ相場を管理する手段を持っている」と発言。非居住者による証券投資へ の規制ではなく、居住者による対外投資の自由化に言及したものと考えられます。BoTは、近年、国内投資家による対外投資への規制の緩和を漸進的に実施。今後も追
加的な緩和措置が予想されます。もっとも、海外景気が勢いを欠き、多くの先進国で 金利水準が低下する中、対外投資の自由化が直ちに多額の資本流出につながる可能性 は低いでしょう。前述のとおり、BoTは年内の利下げも検討しているとみられます。しかし、政策金利の水準が既に史上最低に近く、BoTが高水準の家計債務など金融面 の安定性を注視していること、景気下支えのための財政刺激策が継続していること等 を勘案すると、断続的な利下げが行われる可能性は低いと考えられます。
今後年末にかけては、米利上げ時期を巡る思惑等から、一時的に国際金融市場の変 動性が高まろうものの、相対的にリスク感応度の低いバーツへの影響は限定的とみら れます。民間投資の低迷や高水準の来訪者数などの下で、今後も多額の経常黒字に伴 う通貨押上げ圧力は継続し、バーツ相場は底堅く推移すると予想されます。(入村)
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1
2013 2014 2015 2016
外国人の債券買越額(日次
)
注)期初来累計額 期間は2013年1月2日
~2016年8月31日 (兆バーツ)
(年)
600 800 1000 1200 1400 1600 1800
-80 -60 -40 -20 0 20 40 60
2010 2012 2014 2016
SET株価指数 (右軸)
外国人株式 買越額期初 来累計(左軸)
株価と外国人買越額(日次)
(億米ドル) (ポイント)
注)期間は 2010年1月4日
~2016年8月31日
(年)
28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 600
800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000 2,200 2,400
2008 2010 2012 2014 2016
(バーツ/米ドル)
為替相場と外貨準備
広義外貨準備
(先物持高を含む)棒: 左軸、
直近値:2016年8月19日
バーツ相場(線:右軸) 直近値:
2016年8月31日
(年) バー ツ高
↔
バー ツ安 (億米ドル)
-2 0 2 4 6 8 10 12
韓国 台湾 シンガポール マレーシア タイ フィリピン インドネシア インド ブラジル メキシコ コロンビア ペルー ポーランド ハンガリー トルコ 南アフリカ アジア
NIEs
東南 アジア 南アジア
中南米
欧州 中東 アフリカ
(%)
主要新興国通貨の対米ドル相場騰落率
(2016年5月31日~8月31日)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【エマージング・マーケット・ウォッチ】 ①新興国の債券・株・金利スプレッド
出所)Thomson Reuters Datastream
出所) Thomson Reuters Datastream 出所)Thomson Reuters Datastream、The BofA Merrill Lynch 注2:信用スプレッドは米国債との利回り格差。高利回り社債はBB格以下の投機的等級の社債。
注1:The BofA Merrill Lynch US High Yield Index、 J.P. Morgan EMBI Global Diversifiedより、同社の許諾を得て作成。
注: 自国通貨建て債券指数には、 J.P. Morgan GBI-EM Broadを使用。
注:ドル建て債券指数には、J.P. Morgan EMBI Global Diversifiedを使用
出所) Thomson Reuters Datastream
80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280
2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 新興国 ドル建て債券指数
(2005年初=100)
2008年9月 リーマン・ブラザーズ破綻
中東
中南米 新興国
アフリカ アジア 中・東欧
注)直近値:2016年8月31日 2007年7月~
米国サブプライム問題深刻化
(年)
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500
1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
(ベーシスポイント:bps)
新興国債券と米国高利回り社債の信用スプレッド
1998年 ロシア危機
2002年 アルゼンチン危機
2007年7月~
サブプライム問題 深刻化 2008年9月 リーマン・ブラザーズ
破綻
米国高利回り社債
新興国債券
(年) 注)直近値: 2016年8月31日 アジア
中東欧 新興国全体 中南米 中近東・アフリカ
0 100 200 300 400 500
2005 2008 2011 2014 2017
(2005年初=100)
(年)
MSCIエマージング株価指数
注)直近値: 2016年8月31日
2008年9月 リーマン・ブラザーズ破綻 2007年7月~ 米国サブプライム問題深刻化
90 140 190 240 290 340 390
2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017
新興国 自国通貨建て債券指数
(2005年初=100)
2007年7月~
米国サブプライム問題深刻化 2008年9月 リーマン・ブラザーズ破綻
中南米
中・東欧 新興国
全体 中東・
アフリカ
アジア
注)直近値: 2016年8月31日 (年)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【エマージング・マーケット・ウォッチ】 ②主要新興国通貨の対ドル相場:過去3年間
自国通貨高 米ドル安
自国通貨安 米ドル高
自国通貨高 米ドル安
自国通貨安 米ドル高
自国通貨高 米ドル安
自国通貨安 米ドル高
(自国通貨/1米ドル)
出所) Bloomberg 注) 直近値は2016年8月31日
200 220 240 260 280 300
2013 2014 2015 2016
ハンガリー・フォリント
(年) 6.0
6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 6.7 6.8
2013 2014 2015 2016
中国・人民元
(年)
9,000 10,000 11,000 12,000 13,000 14,000 15,000
2013 2014 2015 2016
インドネシア・ルピア
(年) 1,000 1,050 1,100 1,150 1,200 1,250
2013 2014 2015 2016
韓国・ウォン
(年)
1.6 1.8 2.0 2.2 2.4 2.6 2.8 3.0 3.2
2013 2014 2015 2016
トルコ・リラ
(年) 8
10 12 14 16 18
2013 2014 2015 2016
南アフリカ・ランド
(年) 4
6 8 10 12 14 16 18
2013 2014 2015 2016
アルゼンチン・ペソ
(年) 1.5
2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
2013 2014 2015 2016
ブラジル・レアル
(年)
20 30 40 50 60 70 80 90
2013 2014 2015 2016
ロシア・ルーブル
(年) 55
60
65
70
2013 2014 2015 2016
インド・ルピー
(年)
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
2013 2014 2015 2016
メキシコ・ペソ
(年)
2.8 3.0 3.2 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2
2013 2014 2015 2016
ポーランド・ズロチ
(年)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【エマージング・マーケット・ウォッチ】 ③主要新興国通貨の対ドル相場:過去6ヵ月間
(自国通貨/1米ドル)
自国通貨高 米ドル安
自国通貨安 米ドル高
自国通貨高 米ドル安
自国通貨安 米ドル高
自国通貨高 米ドル安
自国通貨安 米ドル高
出所) Bloomberg 注) 直近値は2016年8月31日
13
14
15
16
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
アルゼンチン・ペソ
(年/月)
265 270 275 280 285 290
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
ハンガリー・フォリント
(年/月)
66
67
68
69
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
インド・ルピー
(年/月)
13,000
13,250
13,500
13,750
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9 インドネシア・ルピア
(年/月)
1,080 1,100 1,120 1,140 1,160 1,180 1,200 1,220 1,240
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9 韓国・ウォン
(年/月)
2.8
2.9
3.0
3.1
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
トルコ・リラ
(年/月)
13
14
15
16
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
南アフリカ・ランド(年/月)
60
65
70
75
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
ロシア・ルーブル
(年/月)
3.7
3.8
3.9
4.0
4.1
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
ポーランド・ズロチ
(年/月)
17
18
19
20
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
メキシコ・ペソ
(年/月)
6.40 6.45 6.50 6.55 6.60 6.65 6.70 6.75
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
中国・人民元
(年/月)
3.0 3.2 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2
2016/3 2016/5 2016/7 2016/9
ブラジル・レアル
(年/月)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場に おける取引価格の変動や為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元金 が保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。運用 により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取 引市場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託 説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等をよくご覧ください。
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用 ・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあ ります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの 計算方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 ・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書 補完書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限 額またはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間 等に応じて異なりますので、表示することができません。
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上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につ きましては、三菱UFJ国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用にお ける最高の料率を記載しております。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますの で、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
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株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の活動や業績、市場・経済の 状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金利の変動等を受けて変動する ため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎信用リスク
信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場 合もしくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値 がなくなること、または利払いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、
有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎流動性リスク
有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十 分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利 な価格での取引となる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割 り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以 下の為替変動リスクを伴います。
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投資元金を割り込む可能性が高まることがあります。
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