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論文の内容の要旨及び論文審査の結果の要旨の公表
学位規則第 8 条に基づき、論文の内容の要旨及び論文審査の結果の要旨を公表する。
○氏名
NGO Truc Hung(ご ちゅっく ふん)○学位の種類 博士(工学)
○授与番号 甲 第 1138 号
○授与年月日 2016 年 9 月 25 日
○学位授与の要件 本学学位規程第 18 条第 1 項 学位規則第 4 条第 1 項
○学位論文の題名
QUANTITATIVE ASSESSMENT OF FACIAL PARALYSIS BASED ON SPATIAL AND TEMPORAL FEATURES( 時空間特徴に基づく顔面神経麻痺の障害程度の定量評価 )
○審査委員 (主査)陳 延偉 (立命館大学情報理工学部 教授)
徐 剛 (立命館大学情報理工学部 教授)
田中 覚(立命館大学情報理工学部 教授)
<論文の内容の要旨>
本論文は,画像処理技術を用いた顔面神経麻痺度合いの定量評価法の開発を目的と し,序論,実験データベースの構築,LO-MCGF(limited-orientation modified circular Gabor filter)フィルターを用いた手法,2次元時空間特徴を用いた手法,3次元時空 間特徴を用いた手法,結論の6章から構成されている.
本論文における研究成果は,以下のとおりである.
1.多視点同期撮影システム SMAHCS (Synchronous Multi-Angle High-Speed Capture System)を開発し,これを用いて 83 症例の顔面神経麻痺患者の時系列表情画像データ ベースを構築した.各症例について,柳原法に基づく10表情を7視点から撮影した.
また,各表情について顔面神経麻痺の専門医による正解スコアが付与されている.
2.これまで提案されている手法は画像から直接特徴を抽出していたのでノイズなどの 影響を受けやすい.本研究は,従来法の改善法として LO-MCGF(limited-orientation modified circular Gabor filter)フィルターを提案し,ノイズの除去とともに表情 認識に有用な特徴を抽出する.従来法に比べ,平均認識精度は 71.1%から 80.7%に向 上させた.
3.これまで提案されている手法は殆ど表情静止画像を用いていたため,表情の動きに関 する時間特徴が用いられていない.本研究は,第2の提案法として2次元時系列画像 から目尻や口元などの特徴点の動きをトラッキングし,時空間特徴を用いた評価法を 開発した.平均認識精度を 84.3%に向上させた.
4.これまでの手法は,すべて2次元表情画像を用いていた.本研究は,Self-Calibration 3次元再構成法を開発し,多視点表情画像から患者の3次元表情画像を再構成した.
再構成された3次元表情画像から特徴点の動きをトラッキングし,3次元時空間特徴
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を用いた評価法を第3の提案法として開発した.平均認識精度を 85.5%までに向上さ せた.
<論文審査の結果の要旨>
顔面神経麻痺は,顔面神経によって支配されている顔面筋の運動麻痺であり,通常顔の 片側のみに症状が現れる.顔面神経麻痺の治療法は障害程度によって決まるので,障害 程度の評価は重要な判断基準となる.現在,障害程度の評価法として,本邦では柳原法 が最も一般的に用いられている.柳原法は視診による評価のため簡便かつ有用な評価法 であるが,主観評価であることから検者の経験によってスコアに大きなばらつきを有す ることが指摘されている.本研究は,障害程度の定量評価問題をパターン認識問題とし てとらえ,顔面神経麻痺の時系列画像からテクスチャと動きなどの時空間特徴を抽出す る.抽出された特徴を経験豊富な顔面神経麻痺の専門医による正解スコア(パターンラ ベル)とともに,分類器の学習に用い,障害程度を定量的に評価した.
本論文の具体的な成果は以下3つである.
1.診断結果を含む顔面神経麻痺患者の時系列表情画像データベース(計83症例)を構 築した.本研究だけではなく,日本国内外の顔面神経麻痺の研究•教育に活用される 予定である.
2. 周 波 数 領 域 で の 等 方 位 性 と 空 間 領 域 で の 角 度 制 限 の 両 特 性 を も つ LO-MCGF (limited-orientation modified circular Gabor filter)フィルターを提案した.ノ イズの除去とともに表情認識に有用な特徴が抽出できたため,従来法に比べ,平均認 識精度は 71.1%から 80.7%に向上させた.
3. 2 次元または3次元時空間特徴を利用することによって平均認識精度を 85.5%まで に向上させた.
以上の成果は,高く評価でき,学術的に価値のある研究として判断した
.
本論文の審査に関して,2016 年 8 月 5 日(金)に公聴会を開催した.公聴会では,
論文内容に関する質疑を行い,各方面から論文提出者の考え方を問うことによって本論 文を審査した.その結果,本論文は博士の学位に値する論文であると判断した.
<試験または学力確認の結果の要旨>
本論文の主査は,学位申請者と本学大学院情報理工学研究科情報理工学専攻博士課程 後期課程在学期間中に,研究指導を通じ,日常的に研究討論を行ってきた.また,本論 文提出後,主査および副査はそれぞれの立場から論文の内容について評価を行った.
本論文の審査に関して,2016 年 8 月 5 日(金)9 時 00 分~10 時 00 分クリエーショ ンコアメディア情報学科会議室において公聴会を開催し,学位申請者による論文要旨の 説明の後,審査委員は学位申請者NGO Truc Hung氏に対する口頭試問を行った.各審
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査委員および公聴会参加者より,臨床への実用性,複数特徴の組み合わせ効果,動画像 利用の必要性などの質問がなされたが,いずれの質問に対しても学位申請者の回答は適 切なものであった.学位申請者は,本学学位規程第18条第1項該当者であり,論文内 容および公聴会での質疑応答を通して
,
学位申請者が十分な学識を有し,博士学位に相 応しい学力を有していると確認した.以上の諸点を総合し,学位申請者に対し,本学学位規程第18条第1項に基づいて,
「博士(工学 立命館大学)」の学位を授与することが適当であると判断する.