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博士(工学)松下昭彦 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)松下昭彦 学位論文題名

制御系構成法の拡張による統合化設計とオンライン      目標値計画に関する研究

学位論文内容の要旨

  

最 近 の制 御 系構 成につ いての研 究は、制 御対象の モデルの不 確かさに 対処す るロ バ ス ト制 御 と制 御 対 象の 非 線形 特 性 に対 処 する非線形 制御の

2

つ の大きな 流れ を も って い る。   こ のように 、制御系 構成法は 現在も発展 中である が、制 御系 構 成 法が シ ステム 設計全体 に果たす 役割はほ とんど変化 していな い。   つ まり 、 与 えら れ た制御 対象に対 して、外 乱や制御 対象のパラ メータ変 動などの 影響 に つ いて の ロバス ト性を考 慮し、与 えられた 目標値に追 従する制 御系を設 計す る と いう 前 提条件 に立って 議論され てきた。

  

制御系構成 法の新た な展開 を期 す る なら ば 、こ の 役 割の 拡 大に っ い て検 討 すべ き で ある と 考 えら れ る。

そこ で 、 本論 文 では、 制御系構 成法の適 用範囲を 、制御問題 とは密接 な関係で あり な が ら制 御 問題と は別の問 題と考え られてき た制御対象 設計問題 と目標値 計画 問 題 への 拡 張に っ い て議 論 して い る 。

  

はじめに、

2

次形式評価関数の重み行列に基づぃた離散時間最適(予見)制御系 の漸近性質を明らかにしている。また、この性質を利用した制御系設計法を提案し ている。漸近状態で評価関数の重み行列と制御系の応答を結びっけることにより、

制御系設 計の試行 錯誤が軽 減可能である。この方法を誘導電動機のベクトル制御 に適用することにより、完全なベクトル制御の条件達成度と制御入力(入力電圧と周 波数)の大きさのトレードオフを容易にとることが可能である。さらに、計算機シミュ レーションにて有効性を確認している。

  

次に、上記の漸近性質を利用した制御系設計方法を拡張することにより、制御対

象 と制 御 系の統 合化設計 法を提案 している 。従来、 制御系設 計は制御対 象が与

え られ る ものと して議論 されてき た。

  

まず 、制御対 象が何ら かの方法で 別に

設 計さ れ 、次に 、その制 御対象に 対して制 御系設計 法により 制御系を設 計する

の が一 般 的であ る。

  

っま り、制御 対象の設 計と制御 系の設計 を個別に行 うこ

と を前 提 として いる。

  

と ころが、 制御対象 の特性は 最終的に 構成される 制御

(2)

系の 特性 に影 響を 与え るた め、 両方 を統 合化す るこ とにより、個別に設計する 場合 に比 較し て制 御系 の性 質を 向上 させ ること が可 能である。   しかし、従来 の同時最適化設計では、1 つのシステムに対して2 つの評価指標を与えて同時に最 適化することを目的としたため、議論が明確になり難い傾向がある。それに対して、

本論文では目的を明確にするために、まず制御対象設計で制御対象パラメータの許 容範囲をもとめ、これを制御系設計評価指標を最適化するように決定する統合化設 計にっいて議論している。本論文で提案した方法では、最適制御系が漸近状態に て制御対象パラメータと制御系の応答の関係が簡単になることを利用することにより、

設計時の試行錯誤を軽減可能である。

  

また、本論文では制御系設計法の拡張によるオンライン目標値計画を提案してい る 。 従 来 の 制 御 系 設 計 法 は 制 御 系 へ の 目 標 値 信 号 が与 え られ るも のと して 議 論 され てき た。

  

し かし 、直 接に 目標 値が 与えら れる ので はな い場 合、 与えら れ る多 様な 要求 と制約条件などから目標値を決定する目標値計画が必要になる。

オフライン計画では、制御対象に実時間で影響してくる外乱やパラメータ変動などに 対して制御系のみが対処しなけれぱならないが、オンライン計画では目標値計画に お いて も対 処可 能で ある 。制 御系 設計 法を 拡張す る利 点は 、数 多く の方 法が提 案 され てき た制 御系 構成 の手 法を 計画 問題 に利用 可能 なこ とで ある 。

  

また、

制 御系 設計 法に よっ て計 画則 が設 計さ れる ため、 一般 にそ の構 造は 簡単 である の で、 目標 値計 画に 要す る時 間が オン ライ ン計画 に充 分な 程に 短い こと が期待 で きる 。   さら に、 オン ライ ン目 標値 計画 則と制 御系 の相 互作 用を 考慮 するこ と がで きる 。

  

また 、

2

次 形式 評価 関数 にっ いて最適制御系設計法を拡張したオ ンライン目標値計画則の設計法を提案している。さらに、ロボットマニピュレータにこ の 方法 を適 用し 、計算機シミュレーションと実機実験で有効性を確認している。

  

最後に、従来の予見制御系設計法を拡張することにより、移動体に対するオンライ ン 予見 目標 値計 画を含んだ制御系設計法を提案している。オンライン目標値計画 では、未来目標値が未来の制御系の状態に影響されるので、従来のオフライン計画 の ため に考 案さ れた予見制御系設計法を直接適用できない。それに対して、本論 文では目標値自体ではなく、目標値計画を決定するための未来情報を利用するオン ライン予見目標値計画の概念を提案している。さらに、移動体の位置制御を例とし て 設計 法を 示し てい る。 前方 障害 物の 位置 情報を 距離 セン サな どに より 取り入 れ るこ とが でき る場 合、 これ を予 見情 報と して早 めに 回避 動作 を始 める 目標値 を オン ライ ンで 計画 する こと によ り、 安全 な障害 物回 避が 可能 であ る。

  

予見 な しの 場合 のオ ンライン目標値計画がフィードバック系を構成するのに対して、

予 見計 画を 用い るこ とは 予見 フィ ード フオ ワード を付 加す るこ とに なる 。   提

案 した 方法 によ り、 制御 工学 の枠 組み の中 で予見 情報 とオ ンラ イン 目標 値計画

の関係を明らかにしている。   また、計算機シミュレーションで有効性を確認して

いる。

  

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(3)

学位論文審査の要旨 主 査    教授    土谷武士 副 査    教授    島    公脩 副 査    教授    大西利只 副査   教授    長谷川   淳

学 位 論 文 題 名

制御系構成法の拡張による統合化設計とオンライン      目標値計画に関する研究

  近 年 、 制 御 対 象 の モ デ ル の 不 確 か さ に対 処 する ロバ スト 制御 と 制御 対象 の非 線形 特 性に 対 処 す る 非 線 形 制 御 に 関 す る 研 究 が 盛 んに 行 われ てい る。 この よ うに 、制 御系 構成 法 は現 在 も 発 展 中 で あ る が 、 制 御 系 構 成 法 が シス テ ム設 計全 体に 果た す 役割 はほ とん ど変 化 して い な い 。 っ ま り 、 与 え ら れ た 制 御 対 象 に対 し て、 外乱 や制 御対 象 のパ ラメ ータ 変動 な どの 影 響 に っ い て の ロ バ ス ト 性 を 考 慮 し 、 安定 か っ与 えら れた 目標 値 に追 従す る制 御系 を 設計 す る と い う 前 提 に 立 っ て 議 論 さ れ て き た。 制 御系 構成 法の 新た な 展開 を期 する なら ぱ 、こ の 役 割 の 拡 大 に つ い て 検 討 す べ き で あ る。 そ こで 、本 論文 では 、 制御 問題 とは 密接 な 関係 で あ り な が ら 制 御 問 題 と は 別 の 問 題 と 考え ら れて きた 制御 対象 設 計問 題と 目標 値計 画 問題 へ の 制 御 系 構 成 法 の 適 用 範 囲 拡 張 に つ い て 議 論 し て い る 。

  憾じ めに 、2次形 式評 価 関数 の重 み行 列 に基 づぃ た離 散時 間 最適 (予 見) 制御系の漸近性質 を明らかに している。また、この性質 を利用した制御系設計法を提案している。漸近状態で評価関 数の重み行 列と制御系の応答を結びっ けることにより、制御系設計の試行錯誤が軽減可能である。

この方法を 誘導電動機のベクトル制御 に適用することにより、完全なベクトル制御の条件達成度と 制御入力(入力電圧と周波数)の大きさのトレードオフを容易にとることが可能である。さらに、計 算機シミュ レーションにて有効性を確 認している。

  次に 、上 記 の漸 近性 質を 利用 し た制 御対 象と 制御 系の統合化設計法を 提案している。従来、

制 御 系 設 計は 制 御対 象が 与え られ る もの とし て議 論さ れ てき た。 まず 、 制御 対象 を設 計し 、 次 に そ の 制 御 対 象 に 対 し て 制 御 系 を 設 計 す る の が 一 般 的 で ある 。っ ま り、 制御 対象 設計 と 制 御 系 設 計 を 個 別 に 行 う こ と を 前提 とし て いる 。と ころ が、 制 御対 象の 特性iま 最終 的に 設 計 さ れ る 制 御 系 の 特 性 に 影 響 を 与 え る た め 、 両 方 を 統 合 化 する こと に より 、別 々に 設計 す る 場 合 に 比 較 し て 制 御 系 の 性 質 を 向 上 さ せ る こ と が 可 能 で ある 。し か し、 統合 化設 計で は 制 御 対 象 の 設 計 と 制 御 系 の 特 性 の 関 係 が 明 確 で な い た め 試 行錯 誤が 多 大に なる 。本 論文 で

‑ 97

(4)

提案 し て い る方 法 で は 、最 適 制 御 系の漸 近性質 において 制御対 象パラ メータ と制御 系の応 答 の 関 係 が 明 確 に な る こ と を 利 用 し 、 統 合 化 設 計 の 試 行 錯 誤 軽 減 を 可 能 と し て い る 。

  次に 、本論 文では 制御系設 計法の 拡張によるオンライン目標値計画則設計を提案している。オ フラ イン計画 では制 御対象 に実時 間で影 響する 外乱や パラメ ー夕変動 などに 対して 制御系のみ が対処しなければならないが、オンライン計画では目標値計画においても対処可能である。また、

制 御系 設 計 法 を目 標 値 計 画則 設 計 に 拡張 す る こ とに よ り 計 画則 の 構 造 が簡 単 と な り、 目 標 値 計画 に 要 す る時 間 が オ ンラ イ ン 計 画に 充 分 な 程に 短 い こ とが 期 待 で きる 。 さ ら に、 オ ン ラ イン 目 標 値 計画 則 と 制 御系 の 相 互 作用 を 考 慮 する こ と が でき る 。 具 体的 な 設 計 方法 の 例 と して 、2次 形 式 評価関 数に基 づぃた 最適制 御系設 計法を 拡張した オンラ イン目 標値計 画則の 設計法を提案している。この方法をロボットマニピュレータに適用し、計算機シミュレーションと実 機実験で有効性を確認している。

  最 後 に、移 動体に 対する オンラ イン予 見目標 値計画 を含んだ 制御系 設計法 を提案 してい る。

オンラ イン計 画では 未来目標 値が未 来の制 御系の 状態に影響されるので、従来のオフライン計画 のため に考案された予見制御系設計法を直接適用できない。それに対して、目標値自体ではなく、

目標値 を決定 するた めの未来 情報を 利用す るオン ライン予見目標値計画の概念を提案している。

距 離 セ ン サ な ど に よ り 計 測し た 前 方 障害 物 の 方 向・ 距 離 を 予見 情 報 と して オ ン ラ イン 目 標 値 を 計 画 す る こ と に よ り 、安 全 な 障 害物 回 避 が 可能 で あ る 。ま た 、 制 御工 学 の 枠 組み の 中 で 予 見 情 報 と オ ン ラ イ ン 目標 値 計 画 の関 係 を 議 論す る こ と が可 能 で あ る。 さ ら に 、計 算 機 シミュ レーシ ョンで 有効性を 確認し ている 。

  これ を要す るに、 著者は 、制御系 構成法の拡張による統合化設計とオンライン目標値計画につ い て の 提 案 を し て お り 、 制 御 工 学 の 進 歩 に 寄 与 す る と こ ろ 大 で あ る 。   よ っ て 著 者 は 、 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 され る 資 格 ある も の と 認め る 。

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参照

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