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南瓜の雌花分化に関する研究 第1報 日本南瓜における日長反応について-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学頗学部学術報告

南瓜の雌花分化に関サる研究

第1報 日本南瓜における日長反応について*

倉 田 久 男

Studies on the formation of female flowerin Cucurbi’ia

IPhbtoper・iodicresponses of CucuYlbi’iamoschata*

血saoKuRATA(Laborator.yofV鴎etableScience)

(ReceivedJuly23,1959) 168 南瓜属の雌花のつきカは環境条件に.よって相当に動くことについては古くから多くの報告がある(37812ユ∂ユ4ユ7) わが国でも青首渡術に関連してC.弼αズg研α.特に.赤皮甘栗についてほ混壁条件の影響を強く受けて.おり,(8)Cい沼0SCゐα≠α については日長反応が明確であるが,(814)今までの南瓜の日長反応に.関する報告は一・冠期間処喫した繕果についでで あって,($1417)その働き方,またほより能率的考展についての調査ほ充分と.ほいい難い最近∴‰∽班血邪その他の植 物を用いて行なわれている日長反応に関する考え乃が(156・1011・151る19)Ⅰヨ港南瓜の栽増または育苗技術にどのように. 取り入れられるかについては,さらに・詳礪な調査を必要としていると考えられる・この報告はこれ等についての研究 のうら,能率的な処短刀法に・関する事項について1955−一56年調査したものである、. 永実験施行に御謄導を漕いた渡辺正一教授に淵記を表すると共にリ1956軍ケ実験については学生金坂明久君の労を 多と/する. 工 材料および方法 実験笹は凡て品種白菊座を剛\,その毯子ほ主と・して兵肇県採槙の原瞳級市販榎子であった・妙播とし,発芽値後 15cm素焼鉢に麟上げしてそれぞれの処理を行なった,各区12′叫ノ15本,1区制であった. 日長は短日(8時間)と長日(.16時間)とし,短日区ほ黒色,厚さ○・1mTnのビニールによって遮光し,長日区は 6月でほ自然日長,その他の日長の不足する時甘光琶充分な電劉召朋を必要将司以上を補った・短日区の黒ビニール による遮光では朝夕の光を受けて内部濫斐が高くなり易いので,なるべく直射光の当らない場所を選んだがそれでも 夜の最低気温で1∼20C高くなった・ 短日処理の前後,花及び盛の分化状況を解剖謁宜し,花のP‘im〇工dia,始瀕奉の泣眉及び生長点位置を節数をも って明らかにした‖花のP上・imoTdiaとほ腰腋分裂組織から腋芽室長点と花として発育するP工imo工diaとが,列 形的に2つに独立したこと.を確認できる節位である・この位う酌まその時の環境,能義条件によって異なるが,生長点 から4′−6節下位に当っていた.、 鉢上げ後25−30日で本圃に定龍し,董の伸長を待って雄,雌花を肉眼で確認した・調叡よ親遜と,各棟1∼2本の 子遜笹ついて行なったが,親基について報賃するu 花の位設等は節位を以って表わしたが,これは何れの場合も子典帥ほ除き永菓節位で表わした… 子葉のみの短日処理ほ.TENNINGS等(5)の方法に準じ,掛、厚紙の袋を用い入口を固定する方法によった.葵両横 はplanim3terを用い3回攻上の平均宜に・よった・ Ⅱ 実 験 結 果 (1)Photope,riodicinductionの確認 1955年6月及び9月に・行なった3回の短月10・一11回処理試験から,処盟終了時の花,墓の分化状況と/第1唯花着生 節位の詔床を示すと第1表か通りである・何れの場合においても,矩ヨ処理区の鶏1雌花の着生節位は処理終了当時 の花または薬の分化始節位攻上になっていて,この程壁の短ヨ処理回数では処理中に凋采発現する第1雌花が花とし *永論文の大安についてほ周和32年或芸学会春季大会に発表

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169 鶴11巻 通巻鵠29・号(1959) 第1蓑 田日処理終了時の花の分イヒ節位と第1雌花節位の関係 1955 短日処理終了時の帝の生態,花の分化状況 短日回数 実 験 時 期 木葉数十 地上盈盈花の始源体】生長点 (1)慣泥区 (2)高温区 て分イヒを始め,または雌花として発育を始めているものではない= 長日区と層日区の第1雌花節位を比べると何れ

も日長効果ほ断際であるから,自箱庭の雌糞分イヒに関する日長反応ほ日長誘起匿働き方であると認めることができ

る (2)処理回数について 短EI処理が巨言長誘起の働き力であるならばその最低必要処理回数について調べる必要がある∴本葉3,4薬の常に ついて2,4,6回,それぞれ16時間の長い暗期に.おいた結果を第2表に示した 鶉2蓑 田 日 処 理 回 数 1955年6月 2∼6回処理区の短日処理開始は本葉3”4築から= 15回処理区は発芽個後から、 2同処理ではその効果は僅かで,4回処理では宕干の効果が表われ,6回でほ略々確契となっている・・短日処理終 了時の花のP工iTnOrdiaの節位と.,第1雌花節位との差からみると,この程度の回数であれば回数の多い樫・短日処 理終了后に早く雌花が分化発育していることが明らかである・ (3)処理時期と処理回数について 日長反応の働く部位ほ緑葉であり,その働きほある程壁掛、ものが旺盛であって,長い暗期に1同程度の趣く僅か の回数でよいことは助乃g励椚などで明らかにされ(1561516ノ,大麻でほ2−−−4週間の筒の寵囲では大きく、なって処理 を始めた方が少ない回数(8回程資)で確契に表われると報告されているい(2) 子葉時代が,巨王長効果に無感応であるとサれば,その頃の短日処矧ま不必要であるといえよう第3表ほ子葉のみ の短日処理と,処理始めの蘭の大きさと処理回数に・ついて1956年の調査成坑である・ 子葉の肩掛ま6〇m2位はあるのであるが,子葉のみの短日処理でほ8回,11回共に効果はないし,廃業発生前から 短日処理を始め,好打期間中こ発生する木葉ほ発生冶後,または半展開の頃除去したもの(短日11回のうちに・4固ま たは2阿木薬を除いた)でほ僅か低節位に嘩花のできた秩もあるが全体として効果は認められないい しかし本葉が完 全展開して除いたもの(短日11回処理中1回除き鵠2薬は半展開になっていた)でははっきりした短日効果を認めら れるい 発芽砥後から異なった回数の短日処理ミを行なうと,5匝l(本葉0い5葉,57cm2まで)では全然効果なく,7′−10回

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香川大学農学部学術報告 炉 日 処 理 時 期 と 回 数 1956年6月 170 第1雌花節位

分布†平均

:30節位 雌花数 集団税 処 理男 法 蘭 令 2642】 36.20 0.18 26−39 26−37 15−−38 13−43 11−39 2 ︵∠ 5 9 0 2 2 5 2 0 0 0 0 0 ﹁⊥ つ︼ 3 4 5 6 短日11国東葉発生始除去 〝 凍襲半展開除去 〝 凍英展開除去 発芽潰後より短日 J′ 〝 ノγ /′ 〝 ノケ ノγ 〝 ′′ ケ

回国回回回国

5 7 0 2 4 8 1 1 1 ﹁⊥ 26-3666 14−35 12−:35 11【−38 12−15 11−13 7▲ O 1 8 0 0 2 8 9 1 3 9 0 0 0 1 1 1 △ △ ※猿磐 本葬発生始より短日5回 〝 〃 7回 5 ︻hJ ︻〇 l つん 3 △ 薪∴磐 〝 〝 日 煙 り 永葉1枚よ 4 6 8 固回国 /′ /′ ′′ 1′ (1)短日回数は長い暗期回数,13′・J15区は発芽後4日(本葉面積2cm2)から,16′−18区は発芽後8日 (凍葉面槻16cm2)から処理開始・ 但)苗令,英国蔑,生体嘉は短日処理終了時の数値で,簡令は本英数,4′−6区の()内は除去した 4区4枚,5区2枚,6区1枚の合計巽南億. (3)短日効果緊確契なるもの△候向を認めるもの (本葉1、0”1.5葉,20∼57cm2まで一)では効果の現われた株もあるが全体として確実と・はいい難い・・12固(凍葵2…0 葉,64cm2まで)以上の回数になるとその効果が確実になって来る・この12回処理ほ應葉半展開(葉蘭穏,略々6cm2) からの回数とすれば7回に相当する・・ 凍薬発生始(葉蘭積,扱げて2cTn2)から,またほ永薬1枚畏関(両税計,16cm2)から処理を始めた場合でほ5∼ 4匝iで効果のある株が現われ,7ノ・・■6回で略々確奨な効果が認められる‖凍其1放から8回処理したものが,6回処 理したものより効果の現われ力が確実でないのは,好日処理「こぃまたは処理後の温度が高くなって釆たためと推定され る. 佐)明期及び暗期の長さについて 第4表 日照時間に関する調査 1955年9月 1日を明期と暗期に分 ける望ましい時間または その限界について調べる ために,明期を4′}16時 間とし2時間間隔の7区 について調査した結果は 篤4表の如ぐであった. 4時間日長は雌花のつ き力が不安定であるが, 矩日処理回数15回

(4)

鶴11巻 通巻幾29号(1959′) 171 6∼12時間では短日効果ほ明らかで,特に.8,10,12時間が最も低節位に揃っている.この6∼12時間の4区の間に は差ほ認め難い.14時間区ほ16時間区と略々同じでこの2区は長日条件と解釈されるけ 4時間区の頂ほ薬が小さく黄緑で,贋の生体富も8時間区の筒の11%にすぎないい この附近が栄養生長の限界に近 いと認められた.従って同じ明毀4時間処理といっても,塩蜜とか,光の強さ,同化能力その他,その置かれている 条件について日長反応の効果の上に差の表われるであろうこと.が推定され,他の実験でもそれを証明する結果を得て いる… 6時間区の筒の生体釜は8時間区の30%弱であるが,8時間E王長でほ完全な生長を遂げ,8∼16時間区の問に竃の 発育上の差ほ認められない. この成篤から白菊座の雌花分化を良くする短日効果のための最低限界明期は4時間,1既約に6時間,限界暗期は 10′・・山12時間の間,1般的には12時間であり,簡の栄養生長と雌花の分化の耐力から考えて望ましい時間ほ明期8′−10 時間,暗期14∼16時間の組合せであると結論される‖ Ⅱ 考 察 日木南瓜,白菊座について短日反応の働き方,その効果ある時期,必要な東面積,処理回数,明,暗期の時間の長 さなどに関して調査した結果でほ,処珪‖司数について本葉面積が充分にある場合,6回以上必要であること以外ほ, 他の好日性根物について明らかに.されている共通的原則(125610111R19)と略々同山に考えてよいことが明らかにな った.この点節成性という雌性北の特性をもっている節成性胡瓜の場合(4)と.相当異った性格を持っていると推定され る… 従って長日条件下で育苗する場合,短日勉理する時ほ第1麻薬半展開の頃,葵面積(子英を除く)6c王刀2位の時から 6′・J7回,すなわち本英2放尿関する頃までが最も能率的であることが結論されるい この処理時期及び菓両横につい てほ&抑侮勿㌦ノに,処立回数については大麻(2)に.極く似ていると認められるい 日照時間について朋期8へ′10時間,暗期14′・一16時間の組合せが,濁の柴養生長,雌花の分化によいことほ,他の短 日性植物の場合と略々同一・と考える..明期6時間区ほ能義生長が30%以下であって,雌花のつき■力も6時間区の力が よいという結果は現われなかった,雌花の分化のために.暗期の長さは12時間あれば充分であるた妙であろう. こゝに報思したそれぞれの試験の短日または長日区の第1雌花の節位を此較すると,例えば第3表(春)の長日区 は30節以上であるのに,篤4表(秋)の長日区は17節前渡である、このように日長に関して−ほ同一・条件であるにかかわ らず,試験時期などによって相当,節位の数値が異なっているし,英際栽培でも同一▲日長条件下で育箇した南瓜苫の 雌花のつき力が相当異なって来る場合が認められる・これほ日長条件そのもの以外に,その時の隠匿環境その嘩,日 長条件の働き方や,あるいは雌花分化そのものに関与する条件に支㍉配されているためであろう.このこと.については 統報において報賃する予定である. Ⅶ 摘 要 (1)日本南瓜,白菊座を月]い1955−56年短日反応の現われ力とその能率的処理‘方法に関する事項について調査し た. 但)日長反応はpム0わpeごiodicinducモノio工lの働き方で,子葉は感応せず,第1本葉半展開(本葉面積6cm2)位 から6回以上処理する必要がある‖ (3)日照時間は最低限卵,明期6時間,暗期12時間であって,簡の発育,雌花の分化から考え明期8∼10時間が適 当である‖ 引 用 文 献 (1)BoNNER丁,LIVERMAN丁;HoTⅡ10Ⅰ】alcorltご01(3)藤井健雄:疏菜園芸学各論上巻160′→162,(1944) OfflowerinilpiationGrowthand diffeTeiltia七ion 佐)+.板木利隆,菅沢英夫‥胡瓜の雌雄花の発 iユ〕plantS283∼304(1949)・ 生に関する研究(第2報)育苗痺の温度,日長及び (2)BoRIHWICK二HA“,ScuLLYNT‥Photoperiodic 簡の発育が雌雄花の発現に及ぼす影響,京大園芸学 responses of hempBot.Gazl16(1),1429 研究集録,7,フ9∼92(1955)

(5)

香川・大学農学部学術報告 設問全花の出現について,観学維,7(1),(1936) 8瑚 +− ,∴ :日本南瓜の施肥盈並に日照時 間の多少と雌雄花及び両全花の出現,園学椎,8(2), (1937). (畑 森 弘‥南瓜の幼筒期における短日処理が花蕾の着 生並に開花に及ぼす影響,園学雄,】3(1),73−86 (1942). 個 NAKAYAMA S..Experimentalresearches on photo−Periodi$m,粗学雑 65(1),773−−”774 (1952). 個 Fll山至大:花成に関する実験(2) 生態学研究,11 (3′・一4),188{ノ192(1949). 那り:NhcH′r小P..,ⅨuRTZ EB,LIVERMAN.丁,L.,

WENr FW:The development of sexexpre−

ssionilユCuCuIbit floweTS,A∽βγ.「八朔.βd.≡9 (1),32−43(1952).

㈹ SKOHJ.,ScuLLY NJ.:Characteristics and movement of the flowering stimulus fro工n the inducedleafofXanihium,Bot.Gaz.,116(2),

142【−14フ(1954)

仕切 杉山盾儀:日長効果, 作物の生:野生腰 224−230 (1955)

172

relation to photoperiodisrr]Of cocklebuI,Bot G(Zg.116(2)199【200(1954)

(6)KHAUDAIRIAK,HAMNERKC:Therelation SenSitivity ofXbnihiumleaves ofdifferent age to photopeIiodicinductionplant physiol小29(3) 251“256(1954) (7)児玉政弘,青谷苛‥南瓜筒蔑度の差異が雌花着生節 位子房並に果実の大きさに及ぼす影響,農及園,27㈲, 497(1952). (8)倉田久男:赤皮甘栗南瓜の雌花着生に.及ぼす濫度の 影響,昭和30年秋園芸学会発表(1955一)

(9)+

:南瓜の雌花分化に関する研究,日長反応 に.おける温度の影響,未発表 (1COI.ocKHARTJ.A,HAMNER ⅨC:Partial reacti()nSintheformationofthefloralstimulus h∴‰加拍勿刑一.PJd乃≠タカ.γ5才oJ.29(6)(1954). Effect

of daIkness andindoleacetic acid following exposure to short day onthe floral工eSpOIISeS of助乃臓〝研,\a sbort−day plant,β〃≠小G(Zg.,1相 田),133−142(1954)り

囲 徽原茂樹,飛電義雄:臥本南瓜の播種期に・よる雌花

S u m m a r y

Photoperiodic responses of Cucurbila moschaia D。Variety Shiro−kikuza,OCCuredin allplants persistentlywithaftereffect ofshort−daytreatment(suchareknownasphotoperiodichduction:)

Vhese responsesappearedin plants which weretreated morethan sixlong−dark periods,at Six

sq.crn or more foliageleaf area

Plants with cotyledons exposed orllyto8▲一hour photoper−iods received no effect.

TheminimuTn Or Op†imum hours oflightand da工k periods for the female flowerinitiation may

be sumI¶arized as follows; mlnlmuTn 6王1. 12h. OptiInum 8・−−10壬lり 14一−16Il,. 1ight peTiod dar・k period

参照

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