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454 鋳物第 43 巻第 6 号 増すが, それにしても風圧と摩擦による減圧はかなりなものであることがわかる. つぎに瀬川は, floding ( 送風による溶鉄や裕深の吹上げ ) によってたなつりの起こる臨界条件として次式を呈示し, コークス粒度が左辺の値よりも小さいとたなつりが起こるとしている

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増すが,それにしても風圧と摩擦による減圧はかなりな ものであることがわかる. つぎに瀬川は,gnidoolf (送風による溶鉄や裕深の吹 上げ)によってたなつりの起こる臨界条件として次式を 呈示し,コークス粒度が左辺の値よりも小さいとたなつ りが起こるとしている. 0 . 0 5 7 )D2B/( 2ミdc ただし B = 送風量, Nm 3/min D = 炉床直径, m dc = コークス粒度, m m これに,筆者らのキュポラの諸元を代入すると 0 . 0 5 7 .0/31( 42宇2) 370mm 内径が大となっても,送風量は断面積に比例すべきも UDC 2:21.13.696 42.635 .14: 542.39 のであるから,この値はあまり変わらない.この結果は コークス粒度が370mm 以上となって始めでたなつりを 生じなくなることを示すものであって,キュポラでは吹 上げ現象によって常に小さなたなつりが起こっていると みるのが妥当と考えられる. 文 献 1 ) 加山研究室:日本綜合鋳物センター研究調査報告 No.54 2 ) 加山,阿部,吉村:第 5 回国際鋳物会議(京都)3 投稿論文 No. 29 , 1968)( 3 ) 高炉製銑法の理論:館訳,日本鉄鋼協会, 1966)( 4 ) 鉄冶金反応工学:瀬川著,日刊工業, )1969(

一方向凝固した亜共品白鋳鉄の凝固組織

T

Synopsis:

大 城 桂 作 * 松 田 公 扶 材

Structures of Unidirectionally Solidified Hypoeutectic White Cast Iron

by Keisaku OGr and Kimio MATSUDA

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Eng.

S o l i d i f i c a t i o n fo icceteutpyho white tsac noir strats by teh ginezerf fo primaryaustenite otni a form fo arlullec etrinded and ends ni the noitatpiicerp fo cictetue eiturebdel fo a cralulle form. The seurctruts fo eth primary esitdrend and eht citectue sllec ear markedly dteceffa by the chemical .

c o m p

o 唱noiti and the snoitidnoc fo os.nioiJtacifid An inoitgaitesvn was conducted ot yfirlac eth

i n f l u e n c e s fo eth coo iJng reta and the carbon ttencon on eht sretuuctrs fo citcteueopyh tewih tsca i r o

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( 1

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( 2 ) The second-arm-spacing )s( fo the primary tiedrend ldouc be sdseerpxe by a fntioncu {

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f eth ginlooc eatr (V p) at the yrlea geast fonoitacifidilos fo primary etniestau and het carbon c o n t e n t ;)c( S =884/V C.13.Op 1.4 8 where

S in μ

V p in oC/min

C in % T 昭 和54年21月01 日原稿受理 * 九州大学工学部冶金学教室(大学院生) 料 同 工博

(2)

一方向凝固した亜共晶白鋳鉄の凝固組織 545

( 3 ) The primary eitenstau sidteisnsco fo groups fo lerasev citirdned sIIec , each group having a ctnstaon staryc lIographic .noitanteiro The ezis fo a group fo ciitdrnde ce Il s was yelersnvi trropop ‘

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e and the ezis became grearl with the esarcede fo het carbon tnentoc when ti was ssel than 3.9%.

( 4 ) The ezis of a colony fo etribudeel was ylesrvnei nlaiortoporp ot eth square toro fo the c

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o i ng rI eta immediately ertaf the niottaiipcrep fo etirubedel and was independent carhon fo t.entonc ( 5 ) The cticteeu eruutcrts destsinoc fo groups fo raleves sieonloc gninil up in para lIe.l The s

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1 . 緒 言 自鋳鉄の凝固組織とくに共品レーデ、ブライトに関して は近年研究されるようになり,添加元素や冷却速度等の 影響も漸次明らかになっできたり~町.そして,高炭素白 鋳鉄の共品レーデブライトは明りようなラメラー組織お よびロッド組織を呈するために,その組織の判別は比較 的容易であるが,低炭素白鋳鉄では初晶をとりまくハロ ー組織等の影響により,共晶セメンタイトはマツシブ、化 して,レーデブライトの微細構造が不明りようになるた め,低炭素白鋳鉄の共晶組織に関する研究にはみるべき ものがない. そこで本研究では,白鋳鉄とくに低炭素白鋳鉄の共晶 組織ならびにその凝固機構解明の一助として,炭素量 1 . 8%-4.2% の広範囲にわたる白鋳鉄組織に及ぼす各 種要因を定量的に研究するため,まず炭素含有量および 冷却速度の影響について一方向凝固法により研究した. 2 . 実験方法 ク 炉 上 試 を ン 板 で 金 マ 銅 ん 合 ン 冷 込 問 タ 水 鋳 中 を に に て g う 型 い ∞ よ 鋳 用 5 す h を金一不 X 鉛 合 に リ ハ 皇 一 一 同 国 j d 玉 虫 H 1 ・ t E = …“目 l y L 度中市出 m 純 の

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3

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実験結果 3 . 1 試料の冷却速度 炭素量約1. 8% から 4.2% までの9個の試料につい て実験したが, 3.57%C 試料についての測定結呆を図2 に示した.鋳物の凝固・冷却条件を示すパラメーターと 1 0 0 0 2 3 4 5 6 7 8 鋳込丹後の経過時間

mi" 図 2 冷 却 熱 曲 線 (C : 3.57%)

(3)

しては,回液界面の過冷度,凝固界面の移動速度,凝固 に要する時間,初晶および共晶の晶出直後の冷却速度等 があるが,凝固機構と直接に関係するパラメーターを選 ぶことが妥当である.しかし,白鋳鉄の初晶および共晶 の生成機構を直接示すものとして,上記のうちのいずれ のパラメーターが最も妥当であるかは必ずしも明らかで ないうえ,各パラメーターの聞には相互関係があるの で,本研究では,凝固潜熱の放出による冷却熱曲線の折 点、が明りようで比較的測定容易な初品品出開始直後およ び共晶晶出完了直後の冷却速度(図 2 中ant p)( および tan )E() を,凝固冷却条件のパラメーターとして採用し た.図 3および図4に,炭素量の異なる9個の試料の初 品晶出開始および共品晶出完了直後の冷却速度とチル面 からの距離との 関 係 を 示 し た が,いずれの試 料の場合にも, 初晶晶出開始直 700 600 500 4 0 0 3 0 0 c : ; "

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つ ' h L H n υ l o o n v n v ハ U ハ u n v n h u p h J A 4 『 内 ペ 》 内 ノ 』 図 3 初品晶出開始直後の冷却 速度Vp とチ1レ面からの 距離h との関係 4 0 0 3 0 0

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V

p は, チル面に近いと,すなわち冷却が速いと,試料中炭素量 の影響が大きいが,冷却がおそくなると,その影響が少 なくなる.しかし,いずれにしても初品品出開始直後の 冷却速度は,初晶晶出温度の低い高炭素試料ほど小さ い.これに対して共晶晶出完了直後の冷却速度 VE は, 試料中炭素量にはあまり影響されず,炭素量が多くなる とわずかに減少する傾向を示す. なお冷却熱曲線により,一方向凝固試料の初品凝固先 端および共晶凝固完了位置の鋳込み後の時間経過による 進行状況を求めると,図7のように初晶凝固先端の移動 6 0 0 子I) - I面ずら / O m m @ ¥ ¥

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(4)

一方向凝固した亜共晶白鋳鉄の凝固組織 754 速度(曲線の接線の傾き)はチノレ面近くで大きく,チノレ 面から離れるにつれてしだいに小さくなり,その減少割 合は,初晶晶出温度の低い高炭素試料ほど大きいことが わかる.共晶凝固界面の移動もチル面近くでは速しチ ル面から離れるにつれて漸次おそくなるが,初晶の場合 とは異なり,界面移動速度は試料の炭素量にあまり影響 されず,低炭素試料のほうがわずかに大きい傾向を示す にすぎない. 3 . 2 初晶オーステナイトの凝固組織 表1 の各試料とも一方向凝固しているので,チlレ面か ら01,02 , 03 , 50mm の位置で凝固方向に垂直な面の 初晶オーステナイト組織を調べた.炭素量 87.3 ,29.2 , 2.10% の3試料の組織を図8,9, 01 に示す.初晶オー ステナイトはデンドライト組織を呈するが,チノレ面から

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m/n 図 7 鋳込み後の経過時間t と初晶凝固 開始位置 hp,共晶凝固完了位置 hE;との関係 チル面から 0 mm (1 p V =312 0)inC/m の距離が大きくなるほど,また,試料中炭素量が少なく なるほど大きくなることがわかる.デンドライト主回哉の 大きさを示すパラメーターとして主軸間距離,二次アー ム・スベーシングをとり,各試料断面とも 10~20 カ所 について,主軸間距離は05 倍,二次アーム・スベーシ ングは001 倍で写真撮影し,写真に含まれるそれぞれの 値を測定して平均値を求めた結果を図11 ,図21 に示 した.主軸間距離 Dは,試料中炭素量によらず初晶晶出 開始直後の冷却速度Vp だけの関数として D =/2.52

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V p : on)i/mC で与えられ,従来の研究結果日同様, Vp の平方根に反 比例するという実験結果を得た. 二次アーム・スペーシング S も,Vp が大きくなるほ ど小さくなり logS=mlogVp+n [m(<O) , n は試料によっ て決まる常数

7

で与えられ,直線の傾き m は,高炭試料の場合にわずかに 大きい傾向があるが,大きな差はなく,ー 0.26~-0.36 の間にある.その平均値はー13.0 である.したがって 二次アーム・スベーシングは S=m'!V p31O. [m' は試料によって決まる常数〕 で与えられる.図 21 から,炭素量によって二次アーム・ スベーシングが異なることが明らかになったので,初晶 の晶出開始直後の冷却速度V pが05 ,001 , 002 oC/min の場合の試料中炭素量と二次アーム・スベーシングとの 関係を求めた結果を図31 に示す.図 01 から,二次ア ーム・スベーシング)S( は炭素量の増加とともに減少 し, gol Sとgol (C%) とはほぼ直線関係にあって,そ チル面から 20mm V p=122( 0)in/mC チノレ面から 30mm V p=73( 0)minC/ チル面から 50mm (V p=38 0in)/mC 図8 初品オーステナイト組織と冷却速度との関係 (C : 3%)78. x20xi ( 25 )

(5)

チノレ面からlO m m

V

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p=460 oC/min) チル面から 20mm (V p=166 0C/min) チノレ面から 30mm (V p=93 oC/min) チノレ面から 50mm (V p=45 0C/min) 図 9 初 品 オ ー ス テ ナ イ ト 組 織 と 冷 却 速 度 と の 関 係 (C : 2.92%) x20xj チ ル 面 か ら l O m m (Vp=559 0C/min) チル面から 20mm (V p=193 0C/min) チノレ面から 30mm (V p=102 0C/min) チノレ面から 50mm (Vp=47 0C/min) 図01 初 品 オ ー ス テ ナ イ ト 組 織 と 冷 却 速 度 と の 関 係 (C : 2.10%) x20xj

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叱吋.m/即η品/7泊がl'うl 図1け1 デデ、ンドライトの主軸距離D と 初 晶 品 出 開 始 直 後 の 冷 却 速 度 Vp との関係 1 0 0 8 0 6 0 K50 4 0 的 03 C

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ハ HUFhu ハ Hu q / ι t l 』 T J l 2 0 03 0405印 印 刷 同 日00'003 判。印0050 Vp , /C'inm 図21 デ ン ド ラ イ ト の 二 次 ア ー ム ・ ス ベ ー シ ン グS 主 初 晶 晶 出 開 始 直 後 の 冷 却 速 度Vp との関係

(6)

一方向凝固した亜共晶白鋳鉄の凝固組織 459 の傾きは冷却速 度によらずほぼ 一定で約 . 418 である.したが って,二次アー ム・スヘーシン グは炭素量の関 数として Sニkj(C%) . 481 (k は冷却 ! 日0 8 0 6 0 ミ~05 ",' 04 3 0 2 0 、、 。

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v ? J . B .20 5.2 0.3 53.0.4 C,九 図13 デンドライトの二次アーム・ スベーシングS と炭素量との 関係 速度によって決まる常数

1

で与えられる.けっきょく,二次アーム・スベーシング は,試料中炭素量および初晶晶出開始直後の冷却速度 Vp の関数として次式で与えられる. S=884jV C.pl3.O L48 μ(:S , Vp : OCjmin , C : %) 初品デンドライトの優先成長方位が0J10( である町聞 ことから,図 14 に示すように,いくつかのデンドライ ト・セルは,初晶結晶粒ともいうべき集団を形成してい る.すなわち,各セル集団内においては,初晶オーステ ナイトの結品学的方位は三次元的にほぼ一定である.セ ;1-<集団の大きさは,図 8,9, 0 からもわかるように,炭1 素量,冷却速度によって変化する.しかし,セル集団の 大きさにはむらがあるので,チJレ面からの各位置におけ る試料全断面 (-30mmφ) に含まれているデンドライ ト・セノレ集団の数を測定し,試料断面 1cm 2 あたりの 数に換算して求めた.デンドライト・セル集団数

N

p と 初品品出開始直後の冷却速度 Vp との関係を図 15 に示 す.全試料とも, Np は 55.0 V37p.O と2,64 V6p5.O (V p ;

Cjmin) との間にあり,ほぼVp3/2 に比例して増加して いる.したがって,デンドライト・セル集団の大きさはほ ぼVp 2パに反比例する.また炭素量によりデンドライト 図14 デンドライト・セル集団(写真中太線 で示す x20x 手 -セル集団数は異なっているので, Vpが 50 ,100 , 020 , 3 0 0 OCjmin の場合について,試料中の炭素量とセル集 回数との関係を図 15 から求めた結果を図 16 に示す. デンドライト・セル集回数は,いずれの冷却速度にお いても炭素量が約3.9% までは炭素量とともに増加して いる.この理由は明らかでないが,図 3 からもわかるよ うに,初品凝固先端の移動速度すなわち初晶デンドライ トの成長速度は炭素量が低いほど大きくなっているの で,主軸の成長とともにアームの成長も速いと考えられ, 初晶量の多いこととあいまって,隣接デンドライト聞の 相互作用が大きいこと,および低炭素試料ほどデンドラ イトの主軸,アームが太くなるため,溶湯の対流や凝固 潜熱の放出による主軸およびアームの分断溶断が起こり にくいこと等に起因するものと考えられる.なお炭素量 約3.9% 以上では,デンドライト・セル集団数は炭素量 が増加するほど減少してくるが,これは初品量が減少す N 4 0 0 3 0 0 2 0 0 1 5 0 1 C% ト o 471. 。 ョ59. ト

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002 にJ ‘051 。 』 : z 1 0 0 5 0

2 . 0 5.2 0.3 35. 0.4 C

% 図16 デンドラ千ト・セノレ集回数Np と 炭素量との関係 50 ( 27 )

(7)

るため当然のことで,共品組成の試料で、はゼロとなる. のーっとしてコロニー幅 W をとりラコロ二一組織の判 3 . 3 共品レーデブライトの凝固組織 別が可能な 2.57%C 以上の試料について,それぞれチ 共晶レーデ、ブライトは,セル状に凝固してコロニー組 ル面から 01 ,20 , 30 , 50mm における値を測定した 織を呈するが,共晶組織も初品同様,冷却速度に著しく 各試料の断面とも約 01 カ所を010 倍で写真撮影し,こ 影響され,図 71 に示すように,冷却速度が小さいほど れに含まれるコロニーの幅を測定して平均値を求めた. 大きくなる.また炭素量の異なる試料の共品組織を図 コロニー幅と共晶晶出完了直後の冷却速度との関係を図 1 8 に示すが,炭素量が減少してくると初晶のまわりの 91 に示す.コロニー幅 W は,主軸間距離同様,試料中 ハロー等の影響でコロニー組織が不明りようになり, 炭素量にはほとんど影響されず,共晶品出完了直後の冷 2.1%C 以下ではコロニーの判別はほとんど困難となる 却速度 VE だけによって決まる.これから

W

は次式 このように,共品組織は冷却速度および試料中炭素量に で与えられ,ほぼ VE の平方根に反比例する. よって影響されるが,組織の大きさを示すノfラメータ W = 217/VE o.46 (W:μ VE: oC/min)

チノレ面から 10 m m (VE =323 0C/min)

チノレ面から 30mm (VE=106 0C/min) チノレ面から 50mm (VE=34 0C/min)

図71 共品レーデブライト組織と冷却速度との関係 (C:3.78%) x200x

C : 3.39% C : 2.92%

C: 2.58% C : 2.10%

(8)

一方向凝固した亜共晶白鋳鉄の凝固組織 164 なおコロニー幅 はチノレ面から同 じ距離にあるデ 5 0 4 0 ミ

uo

ンドライトの二 恥 $ :02 次アーム・スベ 51 ーシングよりも 01 やや小さい. EV , /Conim 共品コロニー 図91 共晶コロニー幅 W と共晶 組織は,図02に 品出完了直後の冷却速度VE 示すように,平 との関係 行にならんで集団をなしておりヲこれらの集団は凝固単 位のーっと考えられる.そこで,このコロニー集団の大 きさと共品晶出完了直後の冷却速度VE との関係を求め た.すなわち,各断面の試料中央部 3mmx3.5mm の 範囲について 1mm 2 あたりのコロニー集団数 NE 測定して求めた.ただ、し, C 2.1% の試料についてはコ ロニー集団の判別が困難だったので,かなりの誤差を生 ずると考えられたがヲ初析セメンタイトの方向とコロニ ーの長軸方向がほぼ一致するという観察結果をもとにし て測定した.この結果を図 12 に示す.試料の炭素量に は関係なくヲ VE の増加とともに NE は増大するが, 1.49VE O .67_O.43 VE o.67 :EV( n)miC/o の間にあって, デンドライト・セル集団数と同じように,ほぼ/3E'V に 比例して増加する. したがって,コロニー集団の大きさは,ほぼVE 2/3 反比例するとし‘える.図 12 を図51 と比較すれば,コ ロニー集団の大きさは,デンドライト・セル集団の大き さの / 110 -[/20 であって 1 個のデンドライト・セル集 団内に 10-20 個のコロニー集団が存在することになる・ 図12 から,コロニー集団数と試料中の炭素量との関係 を冷却速度 50 ,100 , 200 , 003 oC/min の場合について 図02 共晶コロニー集団(写真中太線で 示す x150x 手 求めると図22 になる.この図から,いずれの冷却速度 においてもコロニー集回数の最大値を示す炭素量が存在 し,この炭素量までは炭素量とともに集団数が増加する が,それ以上では炭素量の増加とともに減少する.この 現象は,炭素量の変化に伴う試料の共晶割合の増減と初 晶デンドライトの共品セル集団に対する分断屈曲作用の 大小との相乗効果によるものと考えられる.なお図 11 から,コロニー集団関の境界とデンドライト・セル集団 関との境界との間になんの関係もないことは明らかであ る牛. 4 . 結 言 以上の亜共晶白鋳鉄の一方向凝固実験の結果から,次 のことが明らかになった.

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Clm" ,"n 図12 共晶コロニー集団数NE と共品品出 完了直後の冷却速度 VE との関係 5 0 4 0 1 , , ,

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c ,

% 図22 共品コロニー集団数 NE と炭素量 との関f系

(9)

(1 ) 初品晶出開始直後の冷却速度 Vp は,チル面か らの距離h の関数として,一般に I o g Vp=a ogI h+b (a( く)0 ,b: 常数〕 の形で与えられ,また試料中炭素量の増加とともに減少 する. (2) 共晶品出完了直後の冷却速度VE は,チyレ面か らの距離h の関数として I o g VE=a'h+b' ('a( く)0

'b :常数〕 の形で与えられるが,試料中炭素量による影響は小さし 炭素量の減少につれてわず、かに低下するにすぎない. (3 ) 初晶凝固先端の移動速度は,冷却の速いチル面 近くでは大きいが,チノレ面から離れるにつれてしだいに 小さくなり,冷却速度の影響が大きい.また,試料中炭 素量によっても影響され,炭素量が少ないほど大きい. 一方,共品凝固界面の移動速度も,冷却が速いほうが 大きいが,試料中炭素量の影響は小さく,炭素量の減少 とともにわずかに大きくなるにすぎない. (4) 初晶デンドライトの主軸間距離Dは試料中炭素 量にはほとんど影響されず,初品晶出開始直後の冷却速 度

V

p だけの関数として次式で与えられる.

D

=2. j25

v

Vp

:

D

(

m m

V

p : )minCjO ( 5) 初晶デンドライトの二次アーム・スベーシング Sは,炭素量と初晶晶出開始直後の冷却速度 Vp との関 数として次式で与えられる. 8 =884jV .po剖・C.148 (8:μ

Vp : OCjmin

C:

%)

(6 ) 初晶デンドライト・セル集団の大きさはヲほぼ Vp 2/3 に反比例する.また,セル集回数は炭素量約 3.9 %のときに最大で,炭素量がこれ以上であってもこれ以 下で、あっても少なくなる. (7) 共晶コロニー幅W は,試料中炭素量にはほと んど影響されず,共晶品出完了直後の冷却速度 VE だけ の関数として次式で与えられる. W=217jVE O.46 (W:μ VE : n)jmiOC (8 ) 共晶コロニー集団の大きさは,ほぼVE 2 /3に反 比例する.また,いずれの冷却速度でも,コロニー集団 数が最大となるような炭素量が存在する. 文 献 1 ) M. H i1l tre and H. Shneit 邑u,百r : Jernkene .t Ann. , 414 )0691( , 520 2

) .J Rickard and H. Hughes .C : BCIRA .J, 9 ( 1 9 6 1 )

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) M. . WP IIisnonik and A. He Il awe lI : BCIRA ,.J 1 1 )3691(

439 4 ) 宇佐美,大平,井川:鋳物, 39 ()7691 , 1ヲ13 5 ) 茨木,岡本,松本:日本金属学会誌, 32 )8691( , 3 9 6 6 ) 茨木,岡本,松本:日本金属学会誌, 33 )9691( , 2 1 4 7 ) R. Kamensky :第 36 回国際鋳物会議 ()9691 , 論 文 NO.22 8 ) 岡本,松本:鋳物, 42 )0791( , 2, 041 9

)

.

F

Weinberg and B. Chalmers : Canad. .J P h y s i c s

30 ()2591

488 1 0 ) B. Chalmers “:sleipnciPr fo"noitacifidIioS by John W! ey i & s.8on .cnI , )4691( , 611

図 8 1 共品レーデブライト組織と炭素量との関係(チル面から 50mm) x200xt

参照

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