• 検索結果がありません。

[巻頭言]複雑化・多様化する課題に対する今後の研究の方向性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "[巻頭言]複雑化・多様化する課題に対する今後の研究の方向性"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Page 1 14/01/07 13:17

巻 頭 言

複雑化・多様化する課題に対する

今後の研究の方向性

滋賀県琵琶湖環境科学研究センター長

内 藤 正 明

Vol. 38 No. 4 (2013) 【T:】Edianserver /環境コミュニケーションズ/全国環境研会誌/ 第38巻第4号(通巻第129号)/(巻頭言)

153 ― 1 日本最大の湖「琵琶湖」は,近畿1,450万人の 命を支える水道水源であるとともに,その豊かな 生態系は世界の宝でもある。滋賀県は「琵琶湖の 保全・再生」を県政の重要課題とし,琵琶湖を健 全な姿で次世代に引き継ぐための取組みを進めて いる。 そうした中,滋賀県琵琶湖環境科学研究セン ターは,前身である琵琶湖研究所と衛生環境セン ター(環境部門)を平成17年に統合し,琵琶湖と滋 賀の環境に関する試験研究拠点として開設され た。開設に当たっては,今後の研究の方向性とし て,科学的知見の蓄積や現象解明を担う「基礎研 究」と同時に,現実の課題を解決するための「応 用研究」のバランスをいかにとるかについて議論 されたが,社会や行政のニーズに的確に対応して いくためには,基礎研究をベースとした応用研究 の視点が不可欠であると考え,「行政課題対応型」 の試験研究機関をめざすに至った。 平成23年度からは,第期中期計画に基づき, 「持続可能な滋賀社会の構築」,「琵琶湖流域生態 系の保全・再生」,「環境リスク低減のための実態 把握」を大きな柱として試験研究を進めている。 とくに「琵琶湖流域生態系の保全・再生」に向 けては,これまで長年のモニタリングにより蓄積 した水質,プランクトン等のデータをもとに改め て生態系のつながりを把握するとともに,琵琶湖 流域をトータルに捉えた課題の発見や解析を進 め,より効果的な政策の推進に向けて科学的側面 から行政施策を支えている。具体的には,①琵琶 湖の水質予測モデル「琵琶湖流域水物質循環モデ ル」を開発し,これを活用した新たな水質環境指 標,②在来魚の産卵環境に配慮した琵琶湖の水位 操作のあり方―などの研究成果を行政へ政策提言 してきた。 こうした今日までの調査研究などから,琵琶湖 の水環境を俯瞰すると,富栄養化対策として実施 されてきた各種施策等により,近年,琵琶湖への 流入負荷は削減されてきており,水質は改善傾向 にある。一方で,在来魚介類の減少やプランクト ンの変化など,生態系において課題が顕在化して いる。これらの課題の多くは,その要因が互いに 影響を及ぼしあい,一方の課題の解決が必ずしも すべての課題の解決につながらないなど,矛盾を 抱える状況にある。 本センターとして,こうした複雑化する課題に 対応していくため,次の点が必要と考えてい る。 ①「つながり」の視点による総合型研究の推進 個別の事象や要因に着目する従来型の研究に加 え,事象,要素間の全体的なつながり(関係性)に 着目する総合型研究の推進により課題の全体像を 捉え,一体的に対応策を検討・立案すること。 ②「機関連携」による知見の集約・総合化 総合型研究を推進するため,関係機関が有機的 に連携し,各々が有する知見や情報を集約・総合 化すること。 これら複雑化・多様化する近年の課題には,多 くの試験研究機関が直面されていることであろ う。こうした課題の解決に向けては,全国環境研 協議会に参加する多くの地方環境研究所間の連携 はもとより,行政,試験研究機関,企業,地域社 会など,課題でつながる多様な関係者の連携が不 可欠であると考えており,本センターとしてもそ のような連携の一翼を担えれば幸いである。

参照

関連したドキュメント

︵雑報︶ 第十九巻 第十號 二七二 第百五號

 CTD-ILDの臨床経過,治療反応性や予後は極 めて多様である.無治療でも長期に亘って進行 しない慢性から,抗MDA5(melanoma differen- tiation-associated gene 5) 抗 体( か

4) American Diabetes Association : Diabetes Care 43(Suppl. 1):

10) Takaya Y, et al : Impact of cardiac rehabilitation on renal function in patients with and without chronic kidney disease after acute myocardial infarction. Circ J 78 :

38) Comi G, et al : European/Canadian multicenter, double-blind, randomized, placebo-controlled study of the effects of glatiramer acetate on magnetic resonance imaging-measured

   ︵大阪讐學會雑誌第十五巻第七號︶

Next, cluster analysis revealed 5 clusters: adolescents declining to have a steady romantic relationship; adolescents having no reason not to desire a steady romantic

健康人の基本的条件として,快食,快眠ならび に快便の三原則が必須と言われている.しかし