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舗装用コンクリートへの石灰石骨材の適用に関する研究

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舗装用コンクリートへの石灰石骨材の

適用に関する研究

Study on applicability of limestone aggregate for concrete pavement

2015 年

(2)
(3)

目次

第 1 章 序論 1.1 研究の背景……….………1 1.2 本研究の目的………5 1.3 本論文の構成………6 第 2 章 既往の知見 2.1 コンクリート舗装………7 2.2 石灰石骨材………...12 2.3 路面のすべり抵抗………...15 2.4 石灰石骨材のすべり抵抗………...…18 2.5 コンクリート舗装の曲げ疲労………...23 第 3 章 石灰石骨材のすべり抵抗に関する検討 3.1 序論………25 3.2 供用されている石灰石コンクリートの現地調査………26 3.2.1 調査目的………26 3.2.2 調査箇所………26 3.2.3 調査手法………28 3.2.4 調査結果………...……….29 3.2.5 石灰石コンクリート舗装のすべり抵抗…...……….……….29 3.3 室内試験による検討………...30 3.3.1 母岩による検討………30 3.3.2 石灰石と砂岩のすべり抵抗差の原因調査………37 3.3.3 モルタルによる検討………....41 3.3.4 コンクリートによる検討………46 3.4 試験施工………...50 3.4.1 目的………50

(4)

3.4.2 施工箇所………50 3.4.3 使用材料………....50 3.4.4 調査項目………53 3.4.5 調査結果………53 3.4.6 試験舗装のすべり抵抗………....56 3.5 まとめ………...57 第 4 章 石灰石コンクリートの特性 4.1 序論………...58 4.2 配合試験………...59 4.2.1 目的………59 4.2.2 使用材料………59 4.2.3 試験方法………....61 4.2.4 単位水量及び W/C の決定………...61 4.2.5 基本配合………....68 4.3 石灰石コンクリートの強度特性………...69 4.3.1 目的………....69 4.3.2 試験方法………69 4.3.3 試験結果………....69 4.4 弾性係数………...73 4.4.1 目的………....73 4.4.2 試験方法………....73 4.4.3 試験結果………....74 4.5 線膨張係数………...78 4.5.1 目的………....78 4.5.2 試験方法………....78 4.5.3 試験結果………....79 4.6 すり減り抵抗性………...80 4.6.1 目的………....80 4.6.2 試験方法………....80 4.6.3 試験結果………....81 4.7 まとめ………...86

(5)

第 5 章 石灰石コンクリートの曲げ疲労特性 5.1 序論………...87 5.2 曲げ疲労試験方法………...88 5.3 試験結果解析方法………...90 5.4 試験結果及び比較………...92 5.5 まとめ………...99 第 6 章 石灰石骨材を用いた場合の版厚設計に及ぼす影響 6.1 序論………..100 6.2 コンクリート舗装の設計法………...101 6.3 疲労度計算結果及び比較……….107 6.4 まとめ……….109 第 7 章 まとめ まとめ………110 参考文献 謝辞 Summary

(6)
(7)

1

第 1 章 序論

1.1 研究の背景

セメントコンクリート舗装(以下、コンクリート舗装)はアスファルトコンクリート舗 装(以下、アスファルト舗装)と比較して、高耐久であるため、LCC(Life Cycle Cost)を 低く抑えることができるといわれている。そのため、近年のインフラ整備に求められてい る維持費の削減に大きく寄与することから、普及が期待されている。 コンクリートは、粗骨材(砂利)と細骨材(砂)をセメントペーストで結合した複合材 料であり、体積の約 7 割が骨材で占められている。そのため、骨材の特性はコンクリート の性能に大きく影響する。コンクリート用粗骨材は、古くは良質の天然骨材である、川砂 利が利用されてきた。しかし、過剰採取による河川の維持管理上の問題や自然生態系への 影響の懸念から厳しい採取規制がかけられるようになり、その使用量は 1963 年をピークに 減少し、現在では全体の 3%程度である。川砂利の枯渇に従い山砂利や陸砂利の採取が増加 したが、天然骨材は高度経済成長期ごろには枯渇が顕在化するようになった。現在では、 天然骨材の市場占有率は、骨材需要全体の 3 割以下まで低下している(1-1、2、3)。天然骨材の 枯渇に従い、砕石の使用が増加し、現在では骨材需要の約 7 割を占めている(図 1-1-1)。砕 石は硬質砂岩等の岩石を破砕した骨材であり、砂利と比較して形状が角張っている。砕石 の原石は砂岩、石灰岩、安山岩が多く利用されている。特に石灰石骨材は 1970 年頃より出 荷が始まり、賦存量が多く、品質が安定しており、コンクリートの乾燥収縮が小さくなる 図 1-1-1 粗骨材出荷割合の推移

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骨材出荷

割合(%)

西暦

その他

砕石

砂利

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骨材出荷

割合(

西暦

その他

砕石

砂利

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2 ことから、現在では JIS A 5308 における普通コンクリートを中心として骨材需要の 23%を 占めている(図 1-1-2)(1-4、5、6) 一般に骨材はコストの問題により長距離の輸送は行なわれず、地産地消される資源であ る。そのため、地域によっては近隣の採石場では石灰石骨材しか生産していないなどの理 由により石灰石骨材のみを使用する生コンクリートプラントも多く存在するといわれてい る。また、大都市圏沿岸部でも石灰石骨材の使用が多い。図 1-1-3 に 2006 年の骨材の遠隔 地間の流通量を示す。遠隔地への骨材供給は、全体でも約 2500 万トンであり当時の供給量 の 4%程度にすぎないが、東京や大阪の大都市圏への出荷が多いことが示されている。これ は、大都市圏では交通渋滞等の輸送上の問題から、山側の採石場からの陸送よりも、海側 からの供給の方が有利な地区が多いためである。海運により遠隔地から骨材の輸送を行な う場合には、大型船(数千トン以上)が接岸できる港湾が整備されており、近隣に多量の

平成24年

平成25年

砂岩

64,534

66,912

石灰石

38,351

46,027

安山岩

32,439

32,363

けい石

4,502

4,131

花こう岩

7,583

8,332

粗面岩

5,162

5,550

粘板岩

5,592

6,074

輝緑岩

6,411

6,535

その他の岩石

15,383

16,910

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

出荷量

(千

t)

図 1-1-2 近年の原料岩石別の骨材出荷量

(9)

3 骨材を供給できる鉱山が存在する事が必要である。この条件が最も良く整っているのは、 北海道、青森、山口、高知、福岡、大分等にある大型石灰石鉱山が多く、図 1-1-3 に示す兵 庫、三重以外からの供給はほぼ石灰石骨材である。このため、特に大都市圏沿岸地域は石 灰石骨材への依存が大きく、石灰石骨材を使用したコンクリートの利用が多い(1-7) しかし、舗装用コンクリートでは主にすべり抵抗への懸念から、長らく石灰石骨材の使 用が避けられてきた。このため、石灰石骨材のみを使用する生コンクリートプラントから は舗装用コンクリートの出荷は行なわれていない。これにより、生コンクリートには運搬 時間の制限があるため、コンクリート舗装が施工できない地域が存在することになる。JIS A 5308 では通常、注水から 1.5 時間以内打ち込みを開始すると規定されている。舗装用コン クリートは、ダンプトラックによる運搬になるために、更に厳しく 1 時間以内と定められ ている。これは、舗装用コンクリートのスランプが一般に 2.5cm であるため、アジテータト ラックによる運搬が出来ないためである。つまり、石灰石骨材が舗装用コンクリートに適 用出来ないということは、コンクリート舗装普及の障害であるといえる。 前述の通り、舗装用コンクリートへ石灰石骨材の使用が避けられている主たる原因は、 すべり抵抗への懸念である。舗装は、車両の安全な走行を確保するために路面と車輪の間 に十分なすべり抵抗を確保する必要がある。すべり抵抗が低い場合、カーブにおけるスリ 図 1-1-3 遠隔地への砕石の流通量(1-7)

(10)

4 ップや制動距離の増加による事故の原因となる。しかし、舗装用コンクリートに石灰石骨 材を使用した場合のすべり抵抗に関する検討は十分に行なわれているとは言えず、検討が 不足している。 また、すべり抵抗性以外の舗装用コンクリートとしての疲労特性やコンクリート物性等 の研究も殆ど行なわれていない。コンクリート舗装の耐久性は、弾性係数や線膨張係数、 S-N 曲線(疲労曲線)を用いて設計を行い確認している。これらの材料特性は、コンクリー トの配合や使用する材料によって異なる為、同じ構造であってもコンクリートが異なれば、 コンクリート舗装の耐久性は異なる。よって、石灰石骨材を舗装用コンクリートへ適用す る為には、石灰石コンクリートが路面に必要なすべり抵抗を確保出来ることを示し、材料 特性が一般的な骨材を用いた舗装用コンクリートと比較してどのように異なるか把握し、 コンクリート舗装の長所である耐久性に影響しないことを明らかにする必要がある。

(11)

5

1.2 本研究の目的

本研究では、石灰石骨材を用いた舗装用コンクリートの配合や各種強度、基礎的物性、 疲労特性、すべり・すり減り抵抗性の評価を行ない、石灰石骨材の舗装用コンクリートへ の適用性を明らかにすることを目的とする。

(12)

6

1.3 本論文の構成

本論文の構成を下記に示す。第 1 章「序論」では本研究の背景と目的を述べ、第 2 章「既 往の知見」では本研究に関連する既往の研究成果を整理した。第 3 章では、室内試験及び 現地調査により石灰石骨材のすべり抵抗性について評価を行ない、コンクリート舗装表層 への適用性を評価した。第 4 章では石灰石骨材を用いた舗装用コンクリート(以下、石灰 石コンクリート)の配合を決定し、石灰石コンクリートの各強度や、コンクリート舗装の 設計に必要な物性及び特性を把握した。第 5 章では、石灰石骨材を用いたコンクリートの 疲労特性を評価し、第 6 章ではこれまでの結果を用いて石灰石コンクリートを用いた場合 のコンクリート舗装設計への影響を明らかにした。 第 1 章 序論 研究の背景及び目的 第 2 章 既往の知見 コンクリート舗装や石灰石骨材に関する既往の研究の整理 第 3 章 石灰石骨材のすべり抵抗性に関する検討 石灰石の母岩、モルタル、コンクリートの室内試験及び、 現地調査によるすべり抵抗性の評価 第 4 章 石灰石コンクリートの特性 石灰石コンクリートの配合、強度、物性の把握及び、他の 骨材を用いた舗装コンクリートとの比較 第 5 章 石灰石コンクリートの曲げ疲労特性 石灰石コンクリートの疲労試験の実施及び、他の骨材を 用いた舗装コンクリートとの比較 第 6 章 石灰石骨材を用いた場合の舗装設計に及ぼす影響 第 4 章、5 章の結果を元に石灰石骨材を用いることによる コンクリート舗装設計に与える影響の評価 第 7 章 まとめ

(13)

7

第 2 章 既往の知見

2.1 コンクリート舗装の特徴

コンクリート舗装は、路盤上にコンクリート版を施工することにより、輪荷重及び温度 応力に耐える構造である。アスファルト舗装と比較して紫外線や酸化による自然劣化が発 生せず、高温になっても全く流動しないこと、またコンクリートが十分な強度と疲労抵抗 性を持つことから、耐久性が高いと考えられている。これは、アスファルト舗装の標準設 計期間が 10 年であるのに対し、コンクリート舗装は 20 年である事からも読み取れる。こ のためコンクリート舗装は、舗設時には型枠設置や養生に時間や費用がかかり、初期の建 設コストは高くなる傾向があるが、その後の維持修繕費を安く抑えることができるため、 LCC(Life Cycle Cost)で比較するとアスファルト鋪装より安価になる。図 2-1-1 及び表 2-1-1 は N6、N7交通を対象とした全 19 箇所の国道における、同一路線中の近接するコンクリー ト舗装とアスファルト舗装の LCC の平均値の比較である。本結果は供用中の路線を対象と しているため、厳密な LCC とは異なるが、結果として供用 24 年では、コンクリート舗装が 2 割ほど安価になると示されている(2-1)。また、維持修繕がほぼ不要で長期供用出来ること は、省資源・省エネルギーにもつながると考えられている。 近年では、初期コストについてもコンクリート舗装とアスファルト鋪装の差が縮まりつ つある。図 2-1-2 は最近 10 年の資材価格を 2005 年を 100 とした時の割合で示したグラフで 図 2-1-1 アスファルト舗装とコンクリート舗装の LCC の比較

6521

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新設時

24年後

コスト

(円

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²)

アスファルト舗装

コンクリート舗装

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8 ある。アスファルト合材の価格は、この 10 年で 1.5 倍ほど値上がりし、ストレートアスフ ァルトのみでは 2.5 倍にもなる。これは、ストレートアスファルトの原料である石油が輸入 資源である為、価格の変動が大きいことが原因としてあげられる。これに対して、生コン クリートの価格は 1.1 倍、セメント単体でも約 1.2 倍程度しか値上がりしておらず、比較的 価格が安定している。(2-2)これはコンクリート原料の殆どが国内で調達できるためである。 そのため、2014 年時点では、アスファルト合材(再生骨材入り密粒度アスファルトコンク リート 13)が 23460 円/m3 、生コンクリートは 12850 円/m3と価格差が広がり施工費を考慮 しても新設コストは殆ど変らない場合もあるといわれている。 図 2-1-2 2005 年を 100 とした資材価格の推移

50

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150

200

250

300

2003

2005

2007

2010

2013

200

5

年を

100

とした割合

(%)

密粒As合材価格

生コン価格

ストレートAs価格

セメント価格

(15)

9 表 2 -1 -1 19 路線 の国 道 L C C 算定 結果 ( 2 -1) 1 4 4 ,0 0 0 1980 28 9 ,5 9 5 0 0 9 ,5 9 5 7 ,9 5 9 3 6 ,0 6 4 1 4 ,0 2 3 2 45 3 ,1 0 0 1970 38 6 ,6 1 2 3 6 ,5 4 5 1 3 ,1 5 7 7 ,5 4 2 1 2 ,9 1 2 1 0 ,4 5 4 3 7 3 ,0 0 0 1990 16 8 ,1 0 6 0 0 8 ,1 0 6 5 ,8 8 1 1 3 ,7 8 0 9 ,6 6 1 4 7 1 ,8 1 0 1987 19 8 ,1 0 6 0 0 8 ,1 0 6 5 ,8 8 1 1 3 ,2 7 0 9 ,1 5 1 5 13 1 ,5 7 5 1992 14 8 ,4 8 4 0 0 8 ,4 8 4 7 ,5 8 8 1 6 ,0 6 4 9 ,5 5 1 6 13 672 1986 20 8 ,4 8 4 0 0 8 ,4 8 4 7 ,5 8 8 2 3 ,9 4 0 1 1 ,5 2 8 7 112 8 ,2 5 0 1971 20 8 ,9 2 1 0 0 8 ,9 2 1 6 ,7 4 7 2 2 ,5 2 9 9 ,2 7 6 8 113 5 ,4 0 0 1982 25 6 ,7 0 8 0 0 6 ,7 0 8 5 ,4 3 3 2 2 ,7 8 5 8 ,2 1 8 9 113 2 ,0 1 0 1982 25 6 ,7 0 8 0 0 6 ,7 0 8 5 ,3 1 0 3 7 ,2 6 3 1 2 ,5 7 3 10 113 1 ,1 9 3 1973 34 6 ,7 0 8 0 0 6 ,7 0 8 5 ,3 0 1 4 9 ,1 7 0 1 4 ,4 7 1 11 4 6 ,1 0 0 1981 28 8 ,8 6 6 0 0 8 ,8 6 6 6 ,1 4 9 2 3 ,2 3 5 9 ,3 8 4 12 6 1 ,3 0 0 2002 24 6 ,2 0 0 0 0 6 ,2 0 0 5 ,9 2 0 2 3 ,5 8 3 9 ,5 0 3 13 6 1 ,8 0 0 1986 26 6 ,2 0 0 0 0 6 ,2 0 0 5 ,9 2 0 2 3 ,5 8 3 9 ,5 0 3 14 49 1 ,5 0 0 1987 19 7 ,9 5 9 0 0 7 ,9 5 9 5 ,9 0 6 1 98 6 ,0 0 4 15 49 1 ,3 0 0 1967 38 6 ,9 0 0 0 0 6 ,9 0 0 5 ,9 0 6 2 1 ,3 5 5 7 ,2 6 1 16 1 540 1985 23 8 ,2 3 7 0 275 8 ,5 0 2 7 ,4 3 0 2 4 ,5 2 5 1 1 ,9 5 5 17 19 1 ,0 8 0 1990 18 8 ,1 5 6 0 8 8 ,1 6 4 8 ,0 2 0 3 2 ,8 4 7 1 0 ,8 6 7 18 22 500 1982 26 7 ,8 5 9 0 0 7 ,8 5 9 6 ,7 0 1 0 0 6 ,7 0 1 19 41 460 1993 14 8 ,2 7 8 0 26 8 ,3 0 4 7 ,3 2 7 0 0 7 ,3 2 7 14 6 ,2 0 0 0 0 6 ,2 0 0 5 ,3 0 1 0 0 6 ,0 0 4 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 38 9 ,5 9 5 3 6 ,5 4 5 1 3 ,1 5 7 8 ,0 2 0 4 9 ,1 7 0 1 4 ,4 7 1 24 7 ,7 6 8 0 344 8 ,1 2 8 6 ,5 2 1 2 3 ,8 2 1 1 0 ,1 2 5 補修回数 補修費用 (円 /m ²) L CC (円 /m ²) 県名 路線名 (国道) 延長 (m ) 新設費用 (円 /m ²) 補修回数 補修費用 (円 /m ²) L CC (円 /m ²) 新設費用 (円 /m ²) 平  均 範  囲 福島 愛知 新潟 山形 秋田 青森 施工年 コンクリート舗装 アスファルト舗装 供用年 N o .

(16)

10 また前述の通り、コンクリートは国内で供給できる資材であり、特にセメントは 100%自 給できているだけでなく多くの廃棄物を原料としている。図 2-1-3 に示す通り、その使用量 は 486kg/t とセメント生産量のほぼ半分に達する。この中には、下水汚泥等のセメント産業 以外での使用が困難な廃棄物も使用しており、循環型社会の形成に大きく寄与している(2-3) コンクリート舗装は使用する骨材によっても若干異なるが、基本的に明色舗装であり、 光をよく反射する。このため、明度を確保する必要があるトンネル内においては積極的に 採用されている。またこの特性は、近年都市部において問題となっているヒートアイラン ド現象の緩和につながると期待されている。コンクリート舗装はアスファルト舗装と比較 して、夏季の路面温度を最大で 10~8℃程度軽減することが出来る(2-4)。これにより、アス ファルト舗装をコンクリート舗装に敷きかえることで、都市環境の改善につながると考え られている。 さらにコンクリート舗装は、通行車両の燃費向上も期待されている。コンクリート舗装 は弾性係数が高く交通荷重による変形が小さいため、アスファルト舗装がたわみ舗装と呼 ばれているのに対して、剛性舗装とも呼ばれている。このため、車両の通過にあたってア スファルト舗装のように路面がたわまず、ほぼ平面を保つことから、タイヤの転がり抵抗 が小さくなり燃費が向上するといわれている。実際に北米や日本において幾つかの検討事 例があり、コンクリート舗装の場合、大型車の燃費が 0.8~6.8%向上すると示されている(2-5、 6) コンクリート舗装の欠点としては撤去が困難であるため、生活道路のような頻繁に下水 等の工事のために掘り返すような道には向かない事や、養生期間が必要であるために長期 図 2-1-3 セメント生産における廃棄物の利用状況

400

420

440

460

480

500

0

20

40

60

80

kg/t

Mt

セメント生産量(Mt)

セメント生産時の廃棄物利用量(Mt)

単位廃棄物利用量(kg/t)

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11 間の通行止めが出来ない箇所では、施工が困難であることが上げられる。ただし、最近で はプレキャストコンクリート版舗装の適用も進んでおり、また名古屋のように共同溝の整 備後に大規模なコンクリート舗装の適用を行なっている事例もある。後者については転圧 コンクリート舗装(RCCP)や 1DAY PAVE 等の交通開放までの期間が短い種類の舗装を適 用する事によりある程度の改善は可能である。以上のことより、適用箇所を適正に選定し 適材適所でコンクリート舗装を使用すれば、社会資本維持費の削減、省エネルギー、国内 産業の振興、都市環境の改善、循環型社会の形成等の現在日本が抱えている課題解決の一 助となるといえる。

(18)

12

2.2 石灰石骨材

石灰石は岩石名としては石灰岩であり、方解石(カルサイト・CaCO3)、あられ石(アラ ゴナイト・CaCO3)、苦灰石(ドロマイト・CaMg(CO3)2)などの炭酸塩鉱物を 50%以上含む 堆積岩の一種と定義されている。石灰石という名称は、石灰岩を地下資源として使用する 場合の呼称である。日本の石灰石は、諸外国の石灰石に比べ方解石の含有率が高いことが 特徴である。これは、日本の多くの鉱床が陸地からの泥分供給の影響がない、沖合で生成 された石灰石が起源であることが理由であり、これらの石灰石がプレート移動により日本 図 2-2-1 日本の主要な石灰石鉱床(2-7)

(19)

13 列島に運ばれ、各鉱床になったとされている。日本の石灰石鉱床(図 2-2-1)(2-7)は、古生 代石炭紀(3.6~3.0 億年前)、~ジュラ紀(2.0~1.5 億年前)に生成された緻密な石灰石から なるものが大半である。これ以外の起源のものとしては、日本の石灰石としては新しい第 四紀(258 万年前~現代)に生成された琉球列島に分布する琉球石灰石がある。 石灰石の種類は、ドロマイト含有率及び結晶粒度により分類されている。ドロマイト含 有率による区分は表 2-2-1(2-8)に示すようになり、ドロマイトと方解石の含有率により定義 されている。これによると、両者の含有率 50%を境に石灰石とドロマイトを区分している が、日本において石灰石として産出されるのは方解石含有率 90%以上のものが殆どである。 結晶粒度による区分では、石灰石を構成する結晶粒子の粒径により分類しており、結晶粒 径 4µm 以下の隠微晶質石灰石、4µm~16µm の微晶質石灰石、16µm~数 mm の結晶質石灰 石となる。骨材として出荷されるのは殆どが隠微晶質石灰石である。結晶質石灰石は、す りへり減量が大きく、もろい傾向があるため、一般に骨材としては出荷されておらず、セ メント原料等として利用されている。 石灰石骨材の一般的な性質は表 2-2-2 に示す通りであり、硬質砂岩と比較するとすり減り 量が大きく、吸水率が小さいことが特徴としてあげられる(2-8)。 また、過去には石灰石に 関わるアルカリ骨材反応(ASR)として、ドロマイト質石灰岩によるアルカリ炭酸塩反応が 指摘されてきた。しかし、近年の研究により問題となるのは石灰石に含まれている隠微晶 質石英(石灰石中の不純物シリカ)であり、日本の石灰石に不純物シリカが大量に含まれ ることは殆ど無いため、国内において石灰石骨材が ASR を引き起こすことを考慮する必要 は無いといえる(2-9) 表 2-2-1 石灰石-ドロマイト系炭酸塩岩の分類(単位:%)(2-8)

(20)

14 密度 2.6~2.7g/cm³ 吸水率 0.2~0.8% 微粒分量 0.1~1% 安定性試験損失量 0.5~9% 実積率 57~64% 単位容積重量 1.5~1.7kg/L すりへり減量 18~27% 破砕値 15~30% 圧縮強度 100~200N/mm² 弾性係数 6~8GPa 表 2-2-2 一般的な石灰石骨材の性質

(21)

15

2.3 路面のすべり抵抗

序論で述べた通り、石灰石骨材が舗装用コンクリートへの適用を避けられる最も大きな 原因として、すべり抵抗が低いといわれていることが上げられる。ここでは、路面のすべ り抵抗について既往の知見をまとめ整理していく。 車両の安全な走行のためには、路面とタイヤの間に十分なすべり抵抗を確保する必要が ある。すべり抵抗には、減速において問題となる縦すべり抵抗と、旋回において問題とな る横すべり抵抗の 2 種類があり、以下には縦すべり抵抗についてまとめていく。縦すべり 抵抗(以下、すべり抵抗)は、路面に対して進行方向と同一方向に回転しているタイヤに 制動力を加えたときに発生する、進行方向と逆向きの摩擦力のことである。この摩擦力を タイヤに作用している荷重で割ったものをすべり摩擦係数と呼び、滑りやすさを表す指標 となる。すべり摩擦係数は、0 から 1 の範囲の値となり、小さい程摩擦力が低く滑りやすい ことを示す。このすべり摩擦係数は車両の走行速度と路面の湿潤状態によって変化する。 乾燥路面では、すべり抵抗に対する走行速度の影響は少なく、一般的にすべり抵抗が高い 状態である為、すべりが問題となることは殆ど無い(図 2-3-1 左図)。しかし、湿潤状態で すべ り 摩擦 係数 図 2-3-1 コンクリート路面におけるすべり摩擦係数と走行速度の関係(2-10) 速度(km/h) (乾燥路面) 速度(km/h) (湿潤路面) すべ り 摩擦 係数 すべり 摩擦 係数

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16 は走行速度が速くなる程すべり抵抗が小さくなることが知られている。図 2-3-1 右図(2-10,11) にその一例を示す。このグラフはすべり測定車によって測定した、湿潤状態のコンクリー ト路面におけるすべり摩擦係数と走行速度の関係を表している。なお、すべり測定車とは、 実物のタイヤを用いて前述の原理通りにすべり摩擦係数を測定する測定車両である(写真 2-1)。 最近の研究では、このすべり摩擦係数が路面のテクスチャ(凹凸)と関係していること が明らかになっている。PARTC(世界道路会議)では、路面のテクスチャを波長が 0.5mm 以下の凹凸をミクロテクスチャ、0.5mm 以上の凹凸をマクロテクスチャと分類している。 既往の研究では、低速域のすべり抵抗(図 2-3-1 右図のグラフの切片)は主としてミクロテ クスチャの影響が大きく、速度の増加による減少(図 2-3-1 右図のグラフの傾き)はマクロ テクスチャが大きく影響する。この理由は下記のように考えられている。タイヤと路面の すべり抵抗は両面の接触面積が関係しているために、低速では路面に水が存在してもタイ ヤの走行速度が遅いためタイヤと路面の間の水の排水が容易であり、十分な接触面積が確 保出来るため、すべり抵抗は大きい。しかし速度が速くなるにつれて、タイヤと路面の間 に存在する水の排水が困難になり、排水しきれなかった水がタイヤと路面の間で水膜とな り、タイヤと路面の接触面積が減少する。このため、タイヤの走行速度が増加するとすべ り抵抗が減少すると考えられている。従って、良好なマクロテクスチャの存在はタイヤと 路面が接触する際に接触面からの排水を促進し、十分なすべり抵抗を確保するために重要 である。また、接触面積が十分であってもミクロテクスチャが不良(凹凸が少ない)であ る場合は、すべり抵抗は低い。つまり、低速から高速までの広い速度域において、必要な すべり抵抗を確保するためには、ミクロテクスチャとマクロテクスチャの両方が大きい(良 好である)事が必要となる。一般にマクロテクスチャは MPD(Mean Profile Depth)や SMTD (Sensor Measured Texture Depth)等により評価される。しかし、ミクロテクスチャは現場で 観察することは非常に難しく、そのため、一般には BPN(British Pendulum Number)(写真 2-3-2)等のすべり抵抗の評価値により間接的に評価している(2-12、13、14)。 近年では、ミク

写真 2-3-1 すべり抵抗測定車 写真 2-3-2 BPT

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17 ロテクスチャを直接測定し BPN との相関を評価する研究も行なわれ、BPN と路面のミクロ テクスチャの関係性が高いことが示されている。(2-15) また、実際に供用されている路面に注目すると、コンクリートに限らず路面のすべり抵 抗は車両の通行により変化する事が、既往の研究により明らかになっている。図 2-3-2 は、 スパイクタイヤとノーマルタイヤを交互に走行させたコンクリート表面のすべり抵抗(BPN) の変化を示している(2-16)。路面のすべり抵抗はノーマルタイヤの走行により減少しており、 これはタイヤによる摩り磨き作用と呼ばれる。これは、ノーマルタイヤであっても路面の ミクロテクスチャを削り平坦にする働きを示しており、このため、路面のすべり抵抗が減 少する。 以上の知見より、舗装材料のすべり抵抗を評価するためにはノーマルタイヤによる摩り 磨きにより、路面のミクロテクスチャがどの程度まで小さくなるのかを明らかにする必要 があると考えられる。これは、マクロテクスチャが不足している場合、グルービングやダ イヤモンドグラインディングによる人為的な回復が可能であるのに対し、ミクロテクスチ ャは路面の材料とタイヤの作用によって変化し、人為的なコントロールが困難であるため である。しかし、前述の通りミクロテクスチャを直接評価することは容易でないため、BPN 等のすべり抵抗を測定する事により間接的に評価する事が適当であるといえる。 図 2-3-2 コンクリートのすべり抵抗評価試験(2-16) (硬質砂岩骨材使用、下軸の両矢印はスパイクタイヤの走行[回数は万回]を示す) タイヤ通過回数(万回)

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18

2.4 石灰石骨材のすべり抵抗

石灰石骨材のすべり抵抗を評価した過去の知見を以下に示す。 1978 年、藤田らは、アスファルト合材のすべり抵抗と粗骨材の関係を明らかにするため に、種々の砕石の原石塊(母岩)を用いた促進すり減り試験を行なった。試験方法は粉ヤ スリを散布しながらの回転ラベリング試験である。結果、石灰石の原石 BPN(試験後の母 岩 BPN)は 14~28 であり、旧道路公団(現 NEXCO)の基準値である 25 を超えた試料もあ った(表 2-4-1)。また、石灰石骨材を粗骨材に用いたアスファルト合材のすべり抵抗に関す る室内試験を実施し(図 2-4-1)、他の種類の骨材を用いたアスファルト合材と比較してすべ り抵抗が低い傾向があることを明らかにした(2-17) 図 2-4-1 種々の骨材を使用したアスファルト合材の促進摩り磨き試験結果(2-17) 表 2-4-1 原石平板促進摩耗試験結果(2-17) 平均 2.690 1.3 16.9 32 幅 2.661~2.745 0.6~3.8 10.9~23.8 20~45 試料数 14 14 13 16 平均 2.726 0.9 21.6 20 幅 2.711~2.748 0.4~1.5 19.9~22.6 14~28 試料数 6 6 6 11 比重 (g/cm³) 吸水量 (%) ロサンゼルス すりへり減量(%) 原石BPN 岩種 砂岩 石灰石

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19 1980 年、酒井・川島らは実際に供用されているアスファルト合材のすべり抵抗と原石 BPN の関係を明らかにするため、種々の粗骨材を用いたアスファルト合材の試験施工を高速道 路にて行い、すべり抵抗の追跡調査を行なった。結果、石灰石骨材(原石 BPN14)を用い たアスファルト合材のすべり抵抗は他の骨材を用いた表層より低い傾向を示すが、約 2 年 間の調査期間中、殆ど高速道路の出来形基準である BPN60 を下回らなかった(図 2-4-2)(2-18、 2-19) 図 2-4-2 種々の骨材を使用したアスファルト合材の実道における BPN の推移(1/2)(2-19)

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20

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21

1980 年、宮崎らはコンクリートのすり減りの各段階(表面仕上げ面、モルタル面、粗骨 材露出面)におけるすべり抵抗を評価する研究の一環として、石灰石骨材を粗骨材、細骨

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22 材の両方に使用した舗装用コンクリートにスパイクタイヤとノーマルタイヤを交互に走行 させ、表面仕上げ、モルタル面、粗骨材面(粗骨材露出)の各段階におけるすべり抵抗を 評価した。結果として、石灰石コンクリートのすべり抵抗は他の骨材を使用したコンクリ ートと比較して低い傾向が認められた(図 2-4-3)(2-20) 2006 年、E.Padilla-Corona はメキシコにて 11 年供用されたコンクリート舗装のすべり抵抗 の調査を実施した結果、火成岩を骨材とした表層は優れたすべり抵抗を示したが、石灰石 骨材を用いた表層のすべり抵抗は劣っていた。室内試験を行なった結果、石灰石骨材のす べり抵抗はメキシコの国内基準を満足しなかった(2-21) 2012 年、黒岩らは産地の異なる石灰石骨材を使用した舗装用コンクリートのすべり抵抗 とすり減り抵抗をチェーンラベリング試験によって評価した。結果、石灰石コンクリート のすべり及びすり減り抵抗性は、硬質砂岩と同等であり、すべり抵抗は旧道路公団の出来 形基準である BPN60 を満足した(図 2-4-4)(2-22) 以上の結果より、石灰石骨材は骨材単体として見た場合、すべり抵抗の高いものと低い ものがあることが示された。また、アスファルト合材用骨材としては、室内試験では他の 骨材と比較してすべり抵抗が低い傾向があるが、実道においては十分なすべり抵抗を有し ていた。コンクリート用骨材としては、室内試験の結果からはアスファルト合材と同様に 他の骨材と比較してすべり抵抗が低い傾向が示されているが、実道における検討は見当た らない。従って、アスファルトと同様に実道においては十分なすべり抵抗を有している可 能性も示唆されるため、石灰石コンクリートのすべり抵抗に関する検討は、室内試験・現 地調査共に行なう必要があるといえる。 図 2-4-4 往復チェーン型ラベリング試験による石灰石コンクリート及び 普通コンクリートのすべり抵抗の変化(2-22) (LGa~LGc:石灰石コンクリート、HG:硬質砂岩コンクリート)

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2.5 コンクリート舗装の曲げ疲労

コンクリート舗装は、コンクリート構造物の中で唯一コンクリートに曲げ耐力を要求す る構造であり、その作用は繰り返になる。よって、舗装用コンクリートにおいては静的な 曲げ強度だけで無く、曲げ疲労に対する抵抗性が重要な性能となる。コンクリートの曲げ 疲労に関する既往の知見を下記に示す。 1964 年、岩間は標準養生 8~10 ヶ月の供試体を三等分点載荷にて疲労試験を行なった。 載荷速度は 3.3~10Hz、応力度は 0.95、0.9、0.85、0.8、0.7、0.6 であった。結果として下記 の図 2-5-1 に示す 2 本の疲労限界線と、一本の平均疲労曲線を示した。設計に用いるように 提案した疲労曲線は上限の疲労曲線に近い(2-23) 1966 年、Hilsdorf らは、応力度の大小を組み合わせた曲げ疲労試験を行ない、Miner 則の 検証を行なった。結果として試験の範囲の組み合わせでは疲労破壊が Miner 則に一致しない と指摘している。しかし、試験結果からは完全にランダムな応力度の組み合わせであれば、 Miner 則が適用出来る事も示唆された(2-24)。 1974 年、Raithby らは、養生方法の異なるコンクリートを用いた載荷速度の異なる(4Hz、 20Hz)曲げ疲労試験を実施した。結果として、疲労試験により発生する最大応力を静的強 度で除した、応力度を用いれば、応力度と繰り返し回数の関係はコンクリートの品質、養 生条件に関係なく、1 つの曲げ疲労曲線として表現できる事を示した。また試験の範囲では 載荷速度の影響は認められなかった。(2-25) 1985 年、小梁川らは、粗骨材最大寸法の異なる(20mm・40mm)コンクリートの曲げ疲 労試験を、応力度を 0、0.3、0.5 と変化させて実施した。結果として、コンクリートの粗骨 図 2-5-1 コンクリートの疲労試験結果(2-23)

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24 材最大寸法及び応力比がコンクリートの疲労特性に与える影響は統計的に無視できる程度 である事を明らかにした。(2-26) 1988 年、井上らは RCCP 用のコンクリートによる曲げ疲労試験を実施した。結果、小梁 川らの結果と比較して疲労特性は劣る傾向が示されたが、舗装として必要な疲労特性は満 足していた。(2-27) 1996 年、小林らは、再生骨材を用いた転圧コンクリートの曲げ疲労試験を実施した。結 果、井上らの一般骨材を用いた転圧コンクリートの疲労特性より劣る傾向が示され、部分 的には設計に用いる疲労曲線より危険側であった。(2-28) 以上の結果より、コンクリートの疲労特性は使用するコンクリートによって変化する事 が示されており、特に骨材はコンクリートの 7 割を占めるため、影響も大きい事が示唆さ れている。現在のところ、石灰石コンクリートの疲労特性とその他の骨材を使用したコン クリートの疲労特性を比較した研究は見当たらず、石灰石骨材を舗装用コンクリートに適 用するにあたって評価する必要があるといえる。 図 2-5-2 各コンクリートの疲労曲線(2-28)

(31)

25

第 3 章 石灰石骨材のすべり抵抗に関する検討

3.1 序論

本研究では、石灰石骨材のすべり抵抗に関する検討を 3 つの項目に分けて行なった。1 つ 目は供用中の石灰石コンクリート舗装の現地調査である。既往の検討では、石灰石コンク リートすべり抵抗の検討は室内試験にとどまっていたため、最初に実道におけるすべり抵 抗を調査した。2 つめは室内試験による検討である。ここでは、試験室における比較試験に より、石灰石コンクリートのすべり抵抗を確保するために必要な条件を明らかにした。そ して 3 つめの試験施工により、上記の検討結果を検証し、石灰石コンクリートのすべり抵 抗を確保するための条件を明らかにした。以上の事より、すべり抵抗の観点から石灰石骨 材の舗装表層への適用性を評価した。

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26 粗骨材 細骨材 A 8 川砂利 川砂 B 20< 川砂利 不明 C 7 石灰石 石灰石砕砂 D 12 石灰石 石灰石砕砂・砂岩砕砂混合 (ほぼ石灰石砕砂) E 20< 石灰石 不明 F 20< 石灰石 不明 G 20< 石灰石 石灰石砕砂・砂岩砕砂混合 H 20< 石灰石 石灰石砕砂・砂岩砕砂混合 I 6 石灰石・砂利混合 石灰石砕砂・山砂混合 調査箇所 供用年数 使用骨材 表 3-2-1 調査箇所の概要

3.2 供用されている石灰石コンクリートの現地調査

3.2.1 調査目的 石灰石骨材を用いたコンクリート舗装の実道におけるすべり抵抗の調査。 3.2.2 調査箇所 現地調査は、2012 年 6 月から 2014 年 3 月にかけて、下記の表 3-2-1 に示す A~I までの全 9 箇所で行なった。路面の様子を写真 3-2-1~3-2-9 に示す。供用年数が短い箇所は、路面の すり減りがあまり進んでおらず、路面がモルタルに覆われている箇所も認められたが、供 用 20 年を超えるような長期供用箇所は粗骨材まで完全に摩耗していた。調査箇所 A、B は 比較のための、石灰石骨材以外を使用したコンクリート舗装である。また、調査箇所 D は 細骨材に混合砂を使用しているが石灰石砕砂の割合が大きく、ほぼ石灰石砕砂を使用して いる箇所である。ただし、配合割合は不明である。 写真 3-2-1 A 写真 3-2-2 B

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27

写真 3-2-3 C 写真 3-2-4 D

写真 3-2-5 E 写真 3-2-6 F

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28 3.2.3 調査手法 調査では BPT(スキッドレジスタンステスター)により BPN(ブリティッシュペンデュ ラムナンバー)を、DFT(回転式すべり抵抗測定器、写真 3-2-10)により動摩擦係数を測定 した。測定方法は舗装調査試験法便覧に準拠した。BPT は、簡易なすべり抵抗の測定装置 として広く普及している機材である。測定では、測定器の振り子を路面に接触するように 自由落下させ、反対側に振り上がった高さを付属のメモリで読み取り、BPN を得る。振り 子には、幅約 8cm のゴム板が付けてあり、このゴム板を路面に接触させる。このときの接 触距離は約 13cm である。BPN は路面との摩擦が全くない時を 0 として、値が大きくなるほ どすべり抵抗が高いことを示している。BPT は英国で開発された測定機器であり、英国で は BPN の基準値として一般道では 45 以上と規定が示されている(2-22)。また、試験法便覧 では、BPN は温度依存性があるとされており、路面温度によって補正する方法が示されて いる(3-1)。しかし、補正式はアスファルト舗装の結果を基に示されたものであり、補正量は 舗装種類によって異なる可能性が示唆されているため、本調査では、温度補正を行なわず 測定値と路面温度を併記した。 DFT は日本で開発された機械式の測定装置である。測定原理は、写真 3-2-11 に示すゴム 写真 3-2-9 I 写真 3-2-10 DFT 写真 3-2-11 DFT 回転円盤及びゴム片

(35)

29 片のついた円盤を回転させながら路面に接地させ、回転の減速速度を測定することにより、 路面とゴム片の動摩擦係数(μ)を直接測定するものである。今回は円盤の回転速度が 90km/h の時に路面に接触させ、回転の停止までの速度変化を測定し、結果として、80km/h ~20km/h までの路面の動摩擦係数を得た。なお BPT、DFT 共に測定時は路面に散水を行な い湿潤状態におけるすべり抵抗を評価した。 現在国内において BPT、DFT 共に基準となるすべり抵抗の値は示されていない。よって、 本研究では、実道におけるすべり抵抗の基準値として、NEXCO が旧道路公団時代に公開し ていた出来形基準である BPN、60 以上及び、60km/h における動摩擦係数、μ60、0.35 以上 をすべり抵抗の基準として用いた。 3.2.4 調査結果 調査結果を表 3-2-2 に示す。結果として、F、G、H、I の石灰石コンクリート舗装は石灰 石骨材を使用していても十分なすべり抵抗を有しており、石灰石以外の骨材を使用してい る A、B と比較して大きな違いはない。また、供用 20 年以上が経過し粗骨材まで摩耗して いる箇所であっても十分なすべり抵抗有している箇所が有り、石灰石骨材を使用する事が すべり抵抗が低い原因であるとは一概に言えない結果となった。しかし、C、D、E のよう にすべり抵抗が低く基準を下回る箇所も認められた。 3.2.5 石灰石コンクリート舗装のすべり抵抗 すべり抵抗の低い箇所について骨材に注目すると、石灰石骨材を粗骨材、細骨材の両方 に使用している箇所のすべり抵抗は低く、粗骨材に石灰石骨材を使用し、細骨材の一部又 は全てに石灰石以外の骨材を使用している箇所のすべり抵抗は高いように見える。しかし、 E や F のような長期供用箇所では細骨材種類が不明である箇所もあり、明確ではない。 表 3-2-2 調査結果 μ20 μ40 μ60 μ80 A 0.59 0.58 0.57 0.56 64 21 B 0.41 0.37 0.34 0.24 59 27 C 0.32 0.32 0.32 0.37 54 21 D 0.21 0.19 0.20 0.19 37 24 E 0.27 0.27 0.27 0.19 55 34 F 0.60 0.57 0.53 0.48 68 24 G 0.46 0.46 0.46 0.48 75 22 H 0.41 0.40 0.40 0.40 69 22 I 0.41 0.42 0.43 0.45 67 23 DFT BPN 路面温度 (℃) 調査箇所

(36)

30

3.3 室内試験による検討

現地調査の結果、石灰石骨材を使用しているコンクリート舗装には、すべり抵抗の高い 箇所と低い箇所が認められた。そこで室内試験では、石灰石コンクリートのすべり抵抗が 異なる原因を明らかにすることを目的とした。室内試験は、大きく 3 つの段階に分けて実 施した。第一段階として石灰石の種類によってすべり抵抗に差があるか母岩(岩石の塊) により検討し、第二段階ではモルタル(細骨材)の検討、第三段階ではコンクリート(粗 骨材と細骨材の組み合わせ)により石灰石骨材のすべり抵抗について検討した。 3.3.1 母岩による検討 (1)試験の目的 コンクリートのすべり抵抗は、使用する骨材種類だけでなく、骨材の形状、骨材の 組み合わせ、W/C、空気量、s/a 等の様々な要因が影響すると考えられる。よって、石 灰石の種類によるすべり抵抗の差を検討するために、骨材になる前の岩石の塊(母岩) を切り出した母含平板にて比較することとした。本検討では、石灰石のすべり抵抗が 骨材物性や、産地が異なる事によって、どのように変化するか明らかにすること及び、 石灰石と硬質砂岩のすべり抵抗の比較を行なうことを目的とする。 (2)試験試料 試験に用いた母岩は摩耗しやすい程すべり抵抗が低い(ミクロテクスチャが削られ やすい)と考えられたため、産地とロサンゼルスすりへり減量が異なる 3 種類及び、 産地が同じでドロマイト含有率の異なる 2 種類の計 5 種類の母岩について検討した。 ドロマイトについて検討する理由を下記に示す。石灰石の主成分は方解石であり、方 解石はドロマイトと共存しやすいため、両者はよく混合した状態で存在する。方解石 のモース硬度は 3 程度であるのに対し、ドロマイトは 4 であるため、ドロマイトは方 解石より硬い鉱物である(3-3)。このため、ドロマイトの含有率の違いによりすべり抵抗 が異なると考えられため、ドロマイト含有率が異なる 2 種についても検討した。試験 表 3-3-1 試料物性 LA 関東 2.70 2.69 0.41 24.1 22.9 (1.3) LB 九州 2.71 2.70 0.23 23.4 20.7 (4.3) LC 沖縄 2.70 2.69 0.35 24.3 22.3 (2.0) LD1 93.5 LD2 5.1 硬質砂岩 関東 2.65 2.63 0.70 16.0 9.7 -22.9 23.6 0.54 2.68 2.69 北海道 骨材種類 産地 表乾 密度 (g/cm3 絶乾 密度 (g/cm3 吸水率 (%) 400kN 破砕値 L.A.すり へり減量 (%) ドロマイト 含有率 (%)

(37)

31 に用いた試料は表 3-3-1 に示す通りである。LA~LC は産地とロサンゼルスすりへり減 量が異なる試料であり、LD1、LD2 は産地が同じでドロマイト含有率の異なる試料であ る。また、比較のため硬質砂岩についても試験を行なった。ただし、LA~LC について は、鉱山からのミルシート上ではロサンゼルスすりへり減量が 24±4 の範囲に分布して いたが、入手した骨材にて測定したところ、表 3-3-1 に示すように、24±1 と殆ど差が認 められなかった。よって、試験結果からは産地の違いのみを考察し、ロサンゼルスす りへり減量は同じ試料として扱うこととした。 また、LD1 のドロマイト含有率は約 90%と多く、これは分類上石灰石の区分から外 れ高品位ドロマイトの区分になるが、LD1 と LD2 は同じ鉱脈から採取されており、LD1 が骨材として出荷させる可能性も考えられることから、そのまま試験に供することと した。 (3)試験方法 試験は、ノーマルタイヤを使用した回転ラベリング試験を行なった。回転ラベリン グ試験とは、供試体を載せた円盤を回転させ、そこに同じく回転したタイヤを載荷す ることにより、車両の通過を再現し舗装のすり減り量を測定する試験方法である。本 研究では、ノーマルタイヤの摩り磨き効果による供試体のすべり抵抗減少を評価する ために、ノーマルタイヤを用いて試験を行なった。なお回転ラベリング試験は、既往 試験条件 設定値 タイヤ種類 ノーマルタイヤ タイヤ荷重(KN) 1.2 タイヤ回転速度(km/h) 30 供試体回転速度(km/h) 25 散水量(L/min) 2 試験室温度(℃) 20 表 3-3-2 回転ラベリング試験条件 写真 3-3-1 回転ラベリング試験機

(38)

32 の研究においても、骨材やアスファルト合材、コンクリートのすべり抵抗を評価する 場合に多く用いられた試験方法である。 試験条件(表 3-3-2)は既往の検討を参考に、タイヤと供試体の回転速度に差を付け、 常に供試体にタイヤによる摩り磨き作用を与えるような条件とした。ただし、本検討 では既往の検討と異なり、すり減りを促進するための粉ヤスリの散布を行なわない。 すり減り促進のために粉ヤスリを散布した場合、粉ヤスリの粒度や散布量によって試 験結果が異なることが既往の検討より示されている。既往の検討では、路肩の粉塵の 粒度と粉ヤスリの粒度をそろえて試験を行なっているが、実際の路面には粉ヤスリや 粉塵は存在しないため、ノーマルタイヤの影響のみを評価することが適当であると考 えられる。試験中は適宜供試体の BPN 及び表面形状の測定を行なった。各測定は供試 体上のタイヤ通過回数 0 回、4500 回、9000 回、18000 回、27000 回、45000 回、63000 回、90000 回、116000 回、143000 回、170000 回時点で実施した。表面形状は水平方向 100µm、鉛直方向 100µm の分解能をもつ、レーザー式の表面形状計にて測定し、測定 結果より MPD を算出し評価した。MPD の算出は、わだち部のみを対象とした。 供試体は写真 3-3-2 に示すように、100mm×150mm 程度に切断した母岩平板の周り をジェットモルタルで充填し、短辺 214mm、長辺 321mm、奥行き 200mm、厚さ 50mm の台形供試体に成形した。供試体は養生終了後にショットブラスト処理し、母岩表面 の BPN を 60 以上に調整した後に試験に供した。ショットブラストとは、写真 3-3-3 に 示すような鉄球を高速で供試体表面に投射し、表面を粗す処理である。舗装分野にお いては、路面のすべり抵抗回復のために用いられる処理方法である。 (4)試験結果 表 3-3-3 に LA、LB、LC、硬質砂岩の試験結果を示し、図 3-3-1 に試験開始から終了 までの BPN の推移を、図 3-3-2 に MPD の推移を示す。試験は供試体の BPN が一定に なるまで実施する事としたため、供試体上タイヤ通過回数約 17 万回まで行なった。結 果として、石灰石 3 種の試験終了時の BPN は平均で 15 であり、平均値からのばらつき 写真 3-3-2 ラベリング供試体 写真 3-3-3 ショットブラスト鉄球

(39)

33 は±1 程度と産地による差は認められなかった。硬質砂岩の BPN は 25 と石灰石と比較 して高い傾向が認められた。また、MPD の結果はすべり抵抗性(BPN)との関連性は 認められなかった。既往の研究では、BP N は表面のミクロテクスチャと関係性が高い とされている。ミクロテクスチャは PIARC の指標では、500µm~1µm の範囲の凹凸で あり、分解能 100µm の装置では評価が困難であったと考えられる。よって、今後の検 討においては表面形状の測定は行なわないこととした。 図 3-3-1 回転ラベリング試験中の BPN の推移(産地及び岩種の検討) 図 3-3-2 回転ラベリング試験中の MPD の推移

(40)

34 表 3 -3 -3 母 岩に よる 回転 ラベリ ング 試験 結果 ( LA 、 LB 、 LC 、硬質砂 岩)

BP

N

M

P

D

(mm

BP

N

M

P

D

(mm

BP

N

M

P

D

(mm

BP

N

M

P

D

(mm

0

68

0.

80

67

0.

99

72

0.

83

61

0.

43

4500

27

0.

57

29

0.

73

32

0.

51

38

0.

38

9000

26

0.

60

27

0.

82

28

0.

68

35

0.

39

18000

25

0.

70

27

0.

78

30

0.

71

35

0.

38

27000

24

0.

58

26

0.

77

27

0.

59

34

0.

35

45000

22

0.

51

24

0.

73

25

0.

55

32

0.

36

62000

20

0.

82

21

1.

05

22

0.

92

31

0.

48

90000

17

0.

64

19

0.

77

20

0.

68

28

0.

35

116000

15

0.

76

16

0.

88

16

0.

75

28

0.

40

143000

15

0.

75

16

0.

99

17

0.

78

25

0.

36

170000

14

0.

70

15

0.

94

16

0.

75

26

0.

43

LC

硬質砂岩

タイヤ通過回数

(回)

LA

LB

(41)

35 表 3-3-4 及び図 3-3-3 にドロマイト含有率の異なる LD1、LD2 の試験結果を示す。LD1、 LD2 の試験は、LA~硬質砂岩の試験とバッチが異なり、試験タイヤは同じものを続けて使 用した。試験は LA~硬質砂岩の試験と同様に車輪通過回数 17 万回まで行なった。試験終 了後、試験タイヤを確認したところ、写真 3-3-4 に示すように試験タイヤが相当摩耗してい たため、トレッドパターンがまだ残っている別の中古タイヤに交換し 25.8 万回まで追加試 験を行った。 タイヤを交換した結果、BPN は急に低下したため、本試験方法ではタイヤのコンデ ィションが、試験結果に影響することが明らかとなった。LA~硬質砂岩の試験は新品 に近い中古タイヤを使用しているが、17 万回時点で交換したタイヤは、このタイヤと 比較して摩耗が進行したものを使用しているため、LD1、LD2 の試験結果を LA~硬質 砂岩の試験結果と比較することは適切ではない。よって、LD1、LD2 の結果のみを比較 することとした。なお、これ以降の回転ラベリング試験によるすべり抵抗の検討結果 は、同じ試験バッチにおける試験結果のみを比較し、試験タイヤは常に新品を使用す る事とした。 ドロマイト含有率が異なる母岩の試験終了時の BPN は、平均値±1 と含有率の多少 に関わらず、ほぼ同じ結果となった。よって、石灰石のすべり抵抗はドロマイト含有 率に影響されないことが示された。 写真 3-3-4 試験タイヤ(左は新品、右が 17 万回時点のタイヤ)

(42)

36 表 3-3-4 母岩による回転ラベリング試験結果(LD1、LD2)

LD1

LD2

0

62

66

4500

39

40

9000

37

39

18000

33

35

27000

34

37

45000

32

34

62000

33

35

90000

31

33

116000

31

32

143000

31

33

170000

28

30

179000

25

25

205000

23

22

232000

23

22

260000

24

23

タイヤ通過回数

(回)

BPN

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0

10

20

30

BPN

タイヤ通過輪数(10⁴回)

LD1(ドロマイト多)

LD2(ドロマイト少)

タイヤ交換 図 3-3-3 回転ラベリング試験中の BPN の推移(ドロマイト含有率の検討)

(43)

37 3.3.2 石灰石と砂岩のすべり抵抗差の原因 (1)試験目的 ラベリング試験のバッチが同じであった LA、LB、LC、硬質砂岩の各母岩供試体表 面の観察を行ない、硬質砂岩母岩と石灰石母岩のすべり抵抗が異なる原因を明らかに する。 (2)試験方法(電子顕微鏡観察) 最初にラベリング供試体表面の走査型電子顕微鏡観察を行った。電子顕微鏡は、日 立社製 SU1510 を使用し、オスミウム処理後の供試体を加速電圧 15~20kV、倍率 500 倍にて観察を行なった。試料の観察は、母岩供試体のタイヤ通過位置で行った。また、 ラベリング試験前の供試体表面は粗面であったが、ラベリング試験後の供試体表面に は試験前には見られなかった光沢のある部分が現れていた。そこで電子顕微鏡による 観察は、光沢のある部分(以後、有光沢部分)とない部分(以後、無光沢部分)を区 別して行なった。 (3)試験結果(電子顕微鏡観察) 結果を写真 3-3-5~3-3-12 に示す、有光沢部分の様子は石灰石と硬質砂岩で差が認め られず平坦にみえる。無光沢部分を観察すると、石灰石の表面は 10μm 程度の小さな 粒の集合体で構成されているのに対し、砂岩は 100μm 以上の大きな粒子が確認でき、 石灰石、硬質砂岩共に凹凸が観察された。また、タイヤが走行していないショットブ ラスト処理後の表面の観察結果(写真 3-3-13~3-3-16)と比較すると、無光沢部分はシ ョットブラスト処理後のすべり抵抗が高い面(BPN60 以上)と同じように見える。こ のことからは、供試体表面の有光沢部分はタイヤ走行によりすり磨かれたため滑りや すい箇所になり、無光沢部分は表面の凹凸が有るため滑りにくい箇所である可能性が 示唆される。そこで、表面の凹凸の数値化及び、滑りやすいと考えられる有光沢部分 の面積率を調査した。 写真 3-3-5 硬質砂岩(有光沢部分) 写真 3-3-6 LA(有光沢部分)

(44)

38 写真 3-3-8 LC(有光沢部分) 写真 3-3-7 LB(有光沢部分) 写真 3-3-10 LA(無光沢部分) 写真 3-3-12 LC(無光沢部分) 写真 3-3-9 硬質砂岩(無光沢部分) 写真 3-3-11 LB(無光沢部分)

(45)

39 (4)試験方法(サーフテスタ・有光沢面積率) 表面凹凸の数値化はサーフテスタを用いて行なった。サーフテスタ(写真 3-3-17)は 接触式の表面粗度計であり、鉛直方向 0.0125µm、水平方向 0.15µm の分解能で物体表面 の凹凸を測定する機材である。凹凸の評価にはミクロテクスチャの指標として BPN と の相関あるといわれている算術平均粗さを用いた(3-1)。算術平均粗さとは、長さ L の凹 凸を評価するとき、表面形状を、鉛直方向成分を Y 軸、水平方向成分を X 軸にとり、 表面の凹凸曲線を y=f(x) で表したときに、式 3-3-1 で表される表面凹凸の合計面積を 測線長で除した値のことである。有光沢面積率の測定は、鉄筋の発錆面積の測定方法 を参考にした。測定は、供試体表面にフィルムを貼り、目視にて光沢部分を塗りつぶ し、PC 上で 2 値化して有光沢面積をカウントした。得られた有光沢面積を用いて、全 面積に対する有光沢面積の割合を、有光沢部分面積率として示した。 Ra =1 𝑙∫ |𝑓(𝑥)| 𝑙 0 𝑑𝑥 式3-3-1 写真 3-3-13 硬質砂岩(タイヤ非通過部) 写真 3-3-14 LA(タイヤ非通過部) 写真 3-3-15 LB(タイヤ非通過部) 写真 3-3-16 LC(タイヤ非通過部)

(46)

40 ここに Ra:算術平均粗さ(µm) l:測線長(mm) f(x):凹凸曲線 (4)試験結果(サーフテスタ・有光沢面積率) 結果を表 3-3-5 に示す。有光沢部分は全ての試料において、無光沢部分と比較して算 術平均粗さは小さく、石灰石と砂岩の間に大きな違いは認められない。しかし、無光 沢部分は、石灰石 3 種を比較してもばらつきがあり、特に LC は砂岩と同程度であった。 このことから、母岩表面の平坦な部分については岩種にかかわらず同程度の粗さであ ったが、光沢がない部分については表面の粗さにばらつきが認められた。また、母岩 表面における有光沢部分面積率は石灰石 3 種は平均で 19.7%であり表面の約 2 割を凹 凸の少ない部分が占めており、砂岩の光沢部分の面積率は 9.9%と約半分であった。 (5)すべり抵抗の相違 以上の結果より、母岩供試体のすべり抵抗が異なった原因を表面の凹凸から考察す ると、石灰石ミクロテクスチャが削られやすく、平坦になりやすい性質がある事が原 写真 3-3-17 サーフテスタ、測定針部分 表 3-3-5 母岩供試体表面性状 有光沢部分 無光沢部分 LA 0.54 1.63 20.1 LB 0.56 1.26 17.5 LC 0.76 2.59 21.4 硬質砂岩 0.78 2.71 9.9 算術平均粗さ(µm) 有光沢部分面積率 (%) 岩種

(47)

41 因であると考えられる。これにより石灰石表面は、砂岩と比較して平坦な面積が占め る割合が多くなりやすい。このため、表面と BPN 測定用ゴムとの摩擦が少なくなり、 すべり抵抗が低くなったと考えられる。 3.3.3 モルタルによる検討 (1)試験目的 石灰石コンクリート舗装の現地調査では、石灰石粗骨材を使用していても細骨材に 石灰石以外を使用していた箇所のすべり抵抗は大きい傾向を示したため、コンクリー トのすべり抵抗は、細骨材の影響が大きいことが考えられた。よって本検討では、す べり抵抗に対する細骨材の影響を把握することを目的とし、山砂と石灰石砕砂 3 種類 を細骨材として用いたモルタル供試体による回転ラベリング試験を行ない、すべり抵 抗を比較した。 (2)試験方法 石灰石砕砂 3 種は表 3-3-6 及び図 3-3-4 に示すように産地、吸水率、粒度がそれぞれ 異なっており、細骨材として販売されている製品をそのまま使用した。記号は母岩試 験と対応しており、今後、同じ記号の試料は同じ産地から得られた試料であることを 示している。ラベリング供試体は、W/C50%、セメントと細骨材を質量比で 1:3 の配 合で作製した。同時に円柱供試体(φ50、H100mm)を作製し水中養生 1 週、4 週で圧 縮試験を行った。 ラベリング供試体は 4 週間以上水中養生し、ショットブラストにより表面のセメン トペーストを除去して表面を荒し、BPN を 60 以上にした後に試験に供した。回転ラベ リング試験条件は、母岩試験と同様とした。 (3)試験結果 試験結果を表 3-3-7 に示し、試験中の BPN の推移を図 3-3-5 に示す。石灰石砕砂 3 種 の試験終了時の BPN は平均 36、ばらつきは±1 の範囲に収まっており、ほぼ同等であ 表 3-3-6 細骨材の産地及び物性値 記号 LA LB LD 山砂 種類 山砂 産地 関東 九州 北海道 関東 絶乾密度(g/cm³) 2.61 2.67 2.60 2.62 表乾密度(g/cm³) 2.65 2.69 2.65 2.65 吸水率(%) 1.54 0.58 1.95 1.57 FM 3.47 2.47 3.11 2.43 単位容積質量(kg/L) 1.51 1.79 1.76 1.77 実積率(%) 57.8 57.1 58.3 59.8 微粒分量(%) 8.70 3.20 7.40 0.60 石灰石砕砂

(48)

42

0

20

40

60

80

100

0.1

1

10

通過質量

百分率

%)

ふるいの目の開き(mm)

LA

LB

LD

山砂

標準粒度

図 3-3-4 各細骨材の粒度分布 るといえる。山砂と石灰石砕砂 3 種の平均 BPN を比較すると 14 の差が認められ、石灰 石砕砂は山砂と比較してすべり抵抗が低い傾向が認められた。また、強度結果を表 3-3-7 に 示 す。 モル タル の圧縮 強 度は 山砂 を用 いた場 合 より 石灰 石砕 砂を用 い た方 が 10N/mm2 以上高い結果が得られた(表 3-3-8)。これは、山砂と砕砂の形状の違いが関 係していると考えられる。つまり、山砂は形状が丸く砕砂は角張っているため、砕砂 は骨材とセメントペーストの付着が強くなり強度が高くなったと考えられる。 表 3-3-8 モルタル供試体強度試験結果 1週 4週 LA 45.2 57.5 LB 43.8 57.2 LD 45.2 56.0 山砂 33.3 43.6 細骨材 圧縮強度(MPa) 表 3-3-7 モルタルによる回転ラベリグ試験結果 LA LB LD 山砂 0 66 71 69 69 4500 47 51 47 59 9000 46 52 48 60 18000 45 49 44 58 27000 44 48 43 58 45000 42 46 43 56 62000 40 45 43 56 90000 41 43 42 55 116000 41 43 41 53 143000 39 43 41 53 170000 35 37 35 50 タイヤ通過回数 (回) BPN

(49)

43 (4)モルタルのすべり抵抗 以上のことから山砂と比較して石灰石砕砂は、細骨材としてすべり抵抗が低く、石 灰石砕砂は産地や物性が異なってもすべり抵抗性は同等である事が示された。これは、 母岩試験結果における、産地が異なっていても石灰石母岩のすべり抵抗に差はないと いう試験結果と一致する。また、石灰石砕砂のすべり抵抗が他の細骨材より低いとい う結果は、実道における調査結果とおなじ傾向である。以上の事より、細骨材の種類 はモルタルのすべり抵抗に影響することが明らかとなった。 なお、本検討で用いた LD は母岩試験において用いた LD1 と同じ骨材である。よっ て、母岩の検討においては LD と LA~LC の比較が出来なかったが、細骨材における検 討では、LA、LB、LD に差は認められない結果が得られた。ことから、母岩において も同条件で試験した場合、LA~LC と LD に差はないと推察される。 (5)他のモルタルのすべり抵抗 またここで、山砂と石灰石砕砂以外の細骨材のすべり抵抗を評価するために、山砂、 硬質砂岩砕砂、安山岩砕砂、高炉水砕スラグの各細骨材を用いたモルタルの回転ラベ リング試験を実施した。用いた細骨材物性及び粒度は表 3-3-9、図 3-3-6 に示す通りで あり、供試体作成条件、回転ラベリング試験条件は石灰石モルタルと同一とした。結 果を表 3-3-10 及び図 3-3-7 に示す。また、タイヤ条件が異なるため比較するのは適当で ないが、参考のために石灰石砕砂 LA の試験結果も同じく示す。結果として、山砂、硬 図 3-3-5 モルタルによる回転ラベリング試験における BPN の推移

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0

5

10

15

20

BPN

タイヤ通過輪数(10⁴回)

LA

LB

LD

山砂

図 2-4-2  種々の骨材を使用したアスファルト合材の実道における BPN の推移(2/2) ( 2-19 )
図 2-4-3  粗骨材、細骨材共に石灰石骨材を使用した舗装コンクリートのすべり抵抗 ( 2-20 )
表 6-2-3  車輪の走行位置と走行頻度の関係
表 6-2-6  そり拘束係数

参照

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