第 4 章 石灰石コンクリートの特性
4.4 弾性係数
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て、供試体中央部分のたわみ量を測定した。測定した荷重-たわみ曲線の例を図 4-4-2 に示 す。たわみ量からの弾性係数の算出は、式4-4-1 の P/δに荷重-たわみ曲線の傾きを代入し て曲げ弾性係数を求めた。式4-4-1は単純針のたわみ式を弾性係数について解いたものであ る。また荷重-たわみ曲線の傾きは、舗装標準示方書では、曲げ強度の 1/2 までのたわみか ら逆算される値の平均値を使用し、載荷初期に変曲点がある場合は、変曲点以降の直線部 分を延長し、横軸との交点を修正原点とするとの記述がある。そこで本研究ではこれを参 考に図4-4-3に示すように、たわみ量5µから最大荷重の1/2までの荷重-たわみ曲線の傾き を用いた。
E =
𝑃 𝛿 (23𝐿
3)
648𝐼
式4-4-1ここにE:弾性係数(MPa)
P/δ:荷重-たわみ曲線の傾き(kN/µm)
L:スパン(mm)
I:断面2次モーメント(mm⁴)
4.4.3 試験結果
試験結果を表4-4-1に示す。石灰石コンクリートの曲げ弾性係数は砂岩や砂利を使用した コンクリートと比較して、同等もしくは小さい傾向が認められたが、圧縮弾性係数は同等 もしくは大きい傾向であった。図4-4-4に曲げ弾性係数と圧縮弾性係数の関係を示す。一般 的に、曲げ弾性係数は圧縮弾性係数と同じであるといわれてきたが、圧縮弾性係数の方が 大きい傾向が認められる。この関係を原点を通る一次式で回帰したところ、圧縮弾性係数
y = 0.4236x + 1.3977 R² = 0.9996 0
5 10 15 20
0 20 40 60
荷重 (kN)
たわみ (µm) 5µ
最大荷重の 1/2
図4-4-3 荷重-たわみ曲線データ処理例
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の方が7%程大きくなると示された。これは、曲げ試験の破壊は引張破壊であり圧縮試験の
破壊はせん断破壊であることに起因すると考えられるが、詳細は不明である。
コンクリートの弾性係数はコンクリートの強度と関係があるとされており、舗装標準示 方書やコンクリート標準示方書では強度と弾性係数の換算表も示されている。そこで、圧 縮強度と圧縮弾性係数、曲げ強度と曲げ弾性係数の相関性を表 4-4-2 に整理した。分析は、
各骨材種別ごと及び、全ての骨材をひとまとめとした場合、石灰石骨材をひとまとめとし た場合で行なった。図4-4-5に全ての骨材の曲げ弾性係数と曲げ強度の関係と、舗装標準示 方書に記載されている弾性係数と曲げ強度の関係を示す。骨材種類の異なるコンクリート の結果をまとめて扱った場合、曲げ弾性係数と強度に関係性は認められず、舗装標準示方
y = 1.0695x R² = 0.6448
20 25 30 35 40 45 50
20 25 30 35 40 45 50
圧縮 弾性係 数( G Pa )
曲げ弾性係数( GPa )
図4-4-4 曲げ弾性係数と圧縮弾性係数の関係
表4-4-1 弾性係数試験結果
材齢28日 材齢91日 材齢28日 材齢91日
20 33.64 35.48 33.70 38.25
40 35.25 37.93 35.84 39.14
25 29.08 32.79 31.54 32.86
40 31.24 33.85 34.56 36.03
20 32.91 33.59 34.51 36.18
40 35.20 35.51 36.44 37.92
20 33.78 33.82 36.24 39.74
40 36.08 37.45 38.49 40.34
20 34.32 32.60 35.98 35.59
40 35.07 34.58 40.26 40.03
20 31.27 32.73 32.83 35.36
40 32.40 35.20 33.64 37.12
G LA LB LC LD 骨材 種類
粗骨材最大寸法
(mm)
A
曲げ弾性係数(GPa) 圧縮弾性係数(GPa)
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書の結果とも大きく異なった。図4-4-6に圧縮弾性係数と圧縮強度の関係を示すが、こちら も同様に関係性は低い事が示された。また、表4-4-2に示すように、骨材種類ごとのに評価 した場合は、圧縮強度と圧縮弾性係数の関係は良い相関を示したが、曲げ弾性係数と曲げ 強度の関係では、骨材によっては、関係性の低いケースも認められた。
以上より、コンクリートの弾性係数は曲げ、圧縮共にコンクリート強度との関係は骨材 種別ごとに異なる可能性があり、コンクリート強度のみから弾性係数を推定することは避 けた方が良いと考えられる。ただし、本結果は各骨材ごとのサンプル数が少ないためこれ については今後サンプル数を増やした検証が必要である。
y = 0.0725x + 3.567 R² = 0.1509
0 3 6 9
20 25 30 35 40 45 50
曲げ強度(MPa)
曲げ弾性係数(GPa)
舗装標準示方書
図4-4-5 曲げ強度と曲げ弾性係数の関係
y = 0.8285x + 19.11 R² = 0.0982
0 30 60 90
20 25 30 35 40 45 50
圧縮強度(MPa)
圧縮弾性係数(GPa)
舗装標準示方書
図4-4-6 圧縮強度と圧縮弾性係数の関係
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Y X 決定係数 式
全て 圧縮強度 圧縮弾性係数 0.098 0.8285x +19.110 LA 圧縮強度 圧縮弾性係数 0.789 2.6582x -48.965 LB 圧縮強度 圧縮弾性係数 0.878 3.0641x -67.655 LC 圧縮強度 圧縮弾性係数 0.446 1.5172x -10.704 LD 圧縮強度 圧縮弾性係数 0.942 2.5801x -45.492
LA~LD 圧縮強度 圧縮弾性係数 0.668 1.8481x -20.878
A 圧縮強度 圧縮弾性係数 0.994 2.0210x -26.225 G 圧縮強度 圧縮弾性係数 0.552 2.5196x -21.978 全て 曲げ強度 曲げ弾性係数 0.151 0.0725x +3.567 LA 曲げ強度 曲げ弾性係数 0.984 0.2307x -1.659 LB 曲げ強度 曲げ弾性係数 0.019 0.0107x +5.810 LC 曲げ強度 曲げ弾性係数 0.069 0.0882x +2.869 LD 曲げ強度 曲げ弾性係数 0.582 0.1847x +0.501
LA~LD 曲げ強度 曲げ弾性係数 0.428 0.1636x +0.385
A 曲げ強度 曲げ弾性係数 0.023 -0.0099x +6.397 G 曲げ強度 曲げ弾性係数 0.989 0.1996x -0.083
表4-4-2 コンクリート強度と弾性係数の関係
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