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コンクリート舗装は、アスファルト鋪装と比較してLCCが安価であり、社会資本維持費 削減の観点から普及が望まれている。セメントコンクリートは体積の 7 割が骨材で構成さ れている複合材料であり、コンクリートの性能は使用する骨材の物性に影響される。石灰 石骨材は、高度経済成長期以降、砂利の枯渇に従い利用が始まり、収縮が小さくひび割れ が発生しにくいことから、JIS A 5308 の普通コンクリートにおいては進んで利用されてきた。

しかし、舗装用コンクリートにおいては、主にすべり抵抗の観点からその利用が避けられ ている。古くから石灰石コンクリートはすべり抵抗性が低いと指摘されているが、検討事 例は少ない。そのため、石灰石骨材の舗装用コンクリートへの適用性は明らかではない。

しかし近年では、石灰石骨材は一般的な骨材の一種であり、石灰石骨材しか取り扱わな い生コンクリートプラントも少なくない。このため、石灰石骨材しか持たない生コンクリ ートプラントから舗装用コンクリートの出荷が出来ないことは、舗装用コンクリートの供 給の観点から問題である。

そこで本研究は、石灰石コンクリートのすべり抵抗性や、コンクリート物性、疲労抵抗 性等の舗装用コンクリートに要求される性能について明らかにし、石灰石骨材の舗装用コ ンクリートへの適用性を評価した。

第1章序論では、本論文の目的と意義を明確化し、研究目的及び構成を示した。

第 2 章既往の知見では、本研究に関する既往の知見や現状についてまとめ、本研究にお ける、試験方法や調査項目を検討した。

第 3 章石灰石コンクリートのすべり抵抗に関する検討では、最初に、供用されている石 灰石コンクリート舗装の現地調査を行い、石灰石骨材を使用していてもすべり抵抗が十分 に高い箇所を確認した。また、すべり抵抗が低い箇所は粗骨材、細骨材共に石灰石骨材を 使用している傾向がみられた。室内試験では、種々の骨材を用いて母岩、モルタル、コン クリートの各段階ごとにノーマルタイヤによる回転ラベリング試験を行い、すべり抵抗を 比較検討した。母岩で比較した場合、産地やドロマイト含有率が異なっても石灰石のすべ り抵抗に差は認められず、硬質砂岩の母岩と比較してすべり抵抗はBPNで10程度低かった。

モルタル(細骨材)による検討では、産地と粒度の異なる細骨材を用いて作成したモルタ ル供試体を母岩と同じく試験した結果、石灰石モルタルのすべり抵抗に差は無く、山砂を 用いた場合よりすべり抵抗は低い傾向が認められた。コンクリートによる検討では、現地 調査と同様に石灰石骨材を粗骨材、細骨材の両方に使用するとすべり抵抗は著しく低くな ったが、粗骨材もしくは細骨材のどちらかに石灰石以外の骨材を用いることによりすべり

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抵抗はBPNで20程度向上した。最後に実道における試験施工を行なった。供用1.5年の調 査では石灰石を粗骨材に使用し細骨材に川砂を使用した箇所は十分なすべり抵抗を有して いたが、逆に石灰石を細骨材に使用し粗骨材に川砂利を使用した箇所は、供用1.5年では粗 骨材が表層に露出しておらず、すべり抵抗は低かった。よって、コンクリート舗装初期の すべり抵抗は細骨材に依存するため、石灰石骨材を舗装用コンクリートに使用するために は、粗骨材に石灰石を使用し、細骨材の全量または一部に石灰石以外の骨材を使用すれば、

必要なすべり抵抗を確保出来ることが示された。

本検討の範囲では、石灰石骨材は産地によってすべり抵抗に差は認められないことから、

石灰石骨材は地域によらず適用出来る事が示唆された。また、山砂、川砂、硬質砂岩砕砂、

安山岩砕砂のすべり抵抗は高くほぼ同等でことが示されているため、これらの細骨材は石 灰石コンクリートの細骨材として適用可能であると考えられた。

第 4 章石灰石骨材を用いた舗装用コンクリートの特性では、最初に石灰石、砂岩、砂利 の各骨材を用いた舗装用コンクリートの配合試験を行ない、得られた配合で作成したコン クリートにより、コンクリートの各強度、弾性係数、線膨張係数、すり減り抵抗性を評価 した。配合試験の結果、石灰石骨材を舗装用コンクリートに使用しても配合に問題は無く、

硬質砂岩砕石と同様の結果が得られた。弾性係数は圧縮弾性係数と曲げ弾性係数を測定し た。石灰石コンクリートは他の骨材を使用したコンクリートと比較して、曲げ弾性係数は 同等もしくは小さい傾向があったが、圧縮弾性係数は同等もしくは大きい傾向が認められ た。また、骨材の種類によらず粗骨材最大寸法が大きい方が弾性係数が大きくなり、曲げ 弾性係数より圧縮弾性係数の方が大きい傾向が認められた。石灰石コンクリートの線膨張 係数は、他のコンクリートより 3µ/℃ほど小さくなり、石灰石種類の影響は殆ど無かった。

また、粗骨材最大寸法の大きい方が線膨張係数が大きくなった。すり減り抵抗性は、各コ ンクリートをスパイクチェーン型の回転ラベリング試験に供し評価した。石灰石コンクリ ートは他のコンクリートより、すり減り量が大きい傾向が示され、コンクリート強度を高 めても殆ど変化しなかった。コンクリートのすり減り量は粗骨材の 400kN 破砕値と良い相 関があり、ロサンゼルスすりへり減量よりも精度よくコンクリートのすり減り量を管理で きると考えられた。また、舗装用コンクリートが粗骨材最大寸法 40mm 骨材を使用する理 由はすり減り抵抗性確保のためであるといわれてきたが、粗骨材最大寸法 40mm 骨材と 20mm 骨材を使用したコンクリートのすり減り量の差は 1 割程度であり、粗骨材最大寸法 20mm 骨材を舗装用コンクリートに使用してもすり減りが問題となることはないと考えら れた。

第 5 章石灰石骨材を用いたコンクリートの疲労特性では、石灰石コンクリートの曲げ疲 労試験結果と、既往の研究(以下、比較試験)で示された石灰石以外の骨材を用いた舗装 用コンクリートの曲げ疲労試験結果を比較した。両結果は、応力レベル 0.9、0.8 における

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破壊回数に有意差があり、0.7では有意差はなかった。また、破壊確率50%の疲労曲線を算 出したところ、応力レベル0.7において比較試験の方が、200万回程度疲労寿命が長かった。

しかし、両試験は試験条件が若干異なり、サンプル数も大きく異なるため、今後も検討を 継続する必要がある。また、現行の舗装設計便覧に記載されている疲労曲線と比較すると、

石灰石コンクリートは十分な疲労抵抗性を有しており、舗装用コンクリートとしては問題 無いことが示された。

第 6 章石灰石骨材を用いた場合の版厚設計に及ぼす影響では、上記の結果を参考に、各 骨材を用いた舗装用コンクリートをコンクリート舗装に適用した場合の、疲労度を算出し コンクリートが異なる事による舗装設計への影響を評価した。石灰石コンクリートは弾性 係数や線膨張係数が小さいため、特に温度応力が硬質砂岩や砂利を使用した場合と比較し て小さくなる傾向があり、舗装設計に有利であった。結果として、石灰石コンクリートは 同じ設計条件であれば他のコンクリートと比較して長寿命が期待でき、版厚30cmでは100 年以上の寿命を持つと計算された場合もあった。しかし、実際の供用にあたってはコンク リート版の疲労だけでなく、路盤路床の永久変形や舗装表面のすり減り等の影響もある為 計算通りの長期供用が出来ることはないが、コンクリート舗装の長所である高耐久性に寄 与すると考えられた。

以上の結果、石灰石骨材は舗装用コンクリートに適用可能であると考えられる。しかし、

本研究結果は、室内試験の結果が多く試験施工も供用1.5年の結果までしか得られていない ため、今後の追跡調査並びに試験施工の積み重ねによる検証が必須である。また、舗装の すべり抵抗や、コンクリートの疲労等は複雑な現象であり、それらを支配する要因につい てはまだ不明な点が多く、今後も研究を継続する必要があると考える。

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参考文献

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