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資本利益率分析を併用した利益図表 (1) : C・V・P ・I分析への1アプローチ

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(1)

資本利益率分析を併用した利益図表 (1) : C・V・P

・I分析への1アプローチ

その他のタイトル Analysis of the Return on Investment in Profitgraph (I)

著者 末政 芳信

雑誌名 關西大學商學論集

14

3

ページ 193‑214

発行年 1969‑08‑25

URL http://hdl.handle.net/10112/00021208

(2)

( 1 9 3 )   1 

資本利益率分析を併用した利益図表

( 1 )

-C•V·P·I 方析への 1 アプローチー一

目 次

1 ,

ほ し が き

2 .

伝統的な図表分析

3 .

スペンサー氏の利益図表論

末 政 芳 信

4. バッカーおよびジェーコプセン両教授の利益図表論…•……••以上本号

5 .

高木博士の利益図表論………...……・・・・..………以下次号

6 .

利益図表で用いられる資本利益率の性質

7 .

使用資産利益率分析の利益図表への具体的適用

8 .

む す び

1

. し ま し が き

利益図表は通常,原価・営業量•利益関係の分析,すなわち C•V•P 分 析における図表的アプローチとして作成される。このような原価・営業量・

利益の相関関係を要約的に,一覧表として表現した利益図表は主として短期 利益計画その他の短期的管理目的のために使用されるが,使用された資産

(資本)との関係を描かないのが普通である。しかし,企業の綜合的収益性 を測定するものとして,短期計画目的にも,長期計画目的にも,資本利益率

(または投資利益率,使用資産利益率)分析が一般に用いられる。資本利益 率分析ほつぎの算定公式によっても明らかなように,売上高に対する利益関 係をも包含した使用資産(資本)額に対する収益性の測定を意味している。

すなわち,

資本利益率=売上利益率

x

資本回転率 利 益 利 益 売上高 資 本

= 

売上高

資 本

損益分岐点分析の展開としての利益図表が C•V•P 関係の分析を意味す

(3)

2 ( 1 9 4 )  

資本利益率分析を併用した利益図表

( 1 )

(1) 

るのに対し,資本利益率分析は C•V•P•K 関係の分析を意図しているこ とを意味する。それ故,資本利益率分析は原価・営業量•利益・資本の相互 間に密接な関係を認め,それらの関連を比率分析の手法を用いて分析しよう

とするものであると云うことができる。このように見ると,損益分岐点分析 の展開としての利益図表と資本利益率分析との相違は C•V•P 分析と C·

V  • P  • I

分析

( C o s tVolume P r o f i t   Investment A n a l y s i s )

との違いと思わ れる。しかし,両者の相違ほ単にそれだけに止どまらない。

経営分析における分析方法の特徴から見れば,基本的には,損益分岐点分

(2) 

析の展開としての利益図表は実数分析法に属する構造分析であると云われる。

それに対し,資本利益率分析は基本的には比率分析法に属する関係比率分析 である。したがって,利益図表ほ構造分析の展開であり,資本利益率分析は 比率分析の展開であるといった相違が認められる。

それでほ, C•V•P 分析には比率分析が含まれないのか,また C•V•P•I 分析には構造分析が含まれないのかという疑問が生じる。この点,ルーマ教

(3) 

授は C•V•P 分析の一つの手法として比率分析を明確に取り上げている。

また C•V•P

• I

分析に関係する構造分析の一つの例として,阪本教授は

(4) 

資本構造分析を取り上げておられる。それ故, C•V•P 分析,

C•V•P· I 

分析ともに構造分析と比率分析を含んでいると云うことができる。

さらに,経営分析手法に関する一般論から見ると, C•V•P 分析ならぴに

1) 

小高教授ほ

C‑V‑P‑K

すなわちコストー操業度一利益一資本の間に密接な関係 があるとされる。 小高泰雄稿 「コスト・マネジメント」の基本理念 '企業会計

1 9

巻第

3

号(昭和

42 年 2

(2) 

阪本教授はかねてから損益分岐点分析を利益構造分析として特徴づけられてい る。たとえば,阪本安一稿 業績分析としての経営分析 '神戸大学会計学研究室編

「管理会計ハンドプック」(中央経済社昭和仏年

4

月)第

6

章第

4

節参照。

(3)  Gary  A .   Luoma, A c c o u n t i n g  I n f o r m a t i o n   I n  M a n a g e r i a l  D e c i s i o n ‑ M a k i n g   For Small.And Medium M a n u f a c t u 1 ・ e r s .   N a t i o n a l   A s s o c i a t i o n   o f  A c c o u n t a n t s ,   R e s e a r c h  Monograph 2  (December  1 9 6 7 ) ,   p p .   3 4 ‑ 3 5 .  

(4) 

阪本安一稿 前掲稿 '神戸大学会計学研究室編「管理会計ハンドプック」

275

頁参照。

(4)

資本利益率分析を併用した利益図表

( 1 )

1 9 5 )   3  (5) 

C,V,P•I 分析においてそれぞれ増分分析(差額分析)が取り上げられな けれぼならないことも云うまでもない。

以上のような問題はつぎの第

1

表のように,ほぼ要約整理できるのではな いかと思う。なお,ここで取り上げる例示は若干の代表的なものにのみ止め ることにしたい。

第 1 表

\  ( A )  

C•V·P 分析

( B }   C・V・P・  I

分析*

ィ.構造分析 ①損益分岐点 ①資本回収点

③一定目標利益額をもとにし R一定目標資本利益率をもと た利益計画達成点 にした利益計画達成点 ロ.比率分析 ①売上利益率 ①資本利益率

R費用・収益比率 ②資本回転率

. 増析) 関連する実数,ならびに比率 関連する実数,ならびに比率 の差額(主として

P/L

利用) の差額(主として

P/L,B/S

利用)

* ただし,

C・V・P

分析に関連したものを省略した。

増分分析も重要な分析方法であるが.ここでは,構造分析と比率分析につ いてのみ取り上げることにしたい。さらに,このことは構造分析と比率分析 をそれぞれ別個に取り上げると云った形でなく,相互に密接な関連をもった 一連の分析方法として考えたいためである。

このような問題に関連して,阪本教授の説明を見ると,「比率分析が,主と して企業の静態的な状態に関する分析を行うのに対して,構造分析は企業の 動態的な変化の状態に関する分析を行なうものである。両者は相互に補完し 合って,企業の業績分析のための経営分析資料を提供するために利用せられ

(6) 

るべきものである。」と述べられている。このような阪本教授の指摘によって 明らかなように,一定の静止的な状態に関する比率分析と諸要素変化に即応 した動態的な変化に関する構造分析とほ,実数によるか,比率によるかといっ た関係だけではなく,相互補完的なものとして,有機的な一連の分析として

(5) 

阪本安一稿 前掲稿

275‑277

頁参照。

(6) 

阪本安一稿 前掲稿'

, 2 7 4 ‑ 2 7 5

(5)

4 ( 1 9 6 )   資本利益率分析を併用した利益図表( 1 )(末政)

考えなければならないと思う。

このような構造分析と比率分析の有機的な関連分析を行なうといった課題

C•V•P • I

分析の中で試みようとするのが,ある意味では,資本利 益率分析を併用した利益図表を取り上げる目的の一つである。

以上のような考え方から,このような課題について取り上げている若干の 文献を手掛りにして,資本利益率分析を併用した利益図表を考察し, C•V ・

p  • I

分析への一つのアプローチをすすめることにしたい。

2 .

伝 統 的 な 図 表 分 析

C•V•P•1 分析における最も重要な比率分析として資本利益率分析が行 なわれる。資本利益率は売上利益率と資本回転率に分けられる。売上利益率 は云うまでもなく, C . V•P 分析において用いられる比率分析であり,資 本回転率が C•V.p.I 関係における特有の比率分析である。

売上利益率分析に関連する構造分析が損益分岐点分析であり,資本回転率 に関連する構造分析が資本構造分析である。すなわち,構造分析の典型的な ものとして,(1)利益構造分析(損益分岐点分析)と (2)資本構造分析が取り上 げられる。このような構造分析における表現形式として図表を用いた湯合,

前者が利益図表となり,後者は資本図表となる。

売上利益率と利益図表との密接な関係は一般的に認められており,取りた てて論ずべきものと思われないが,資本回転率と資本図表との関係はどのよ うに理解すべきであろうか。この両者の密接な関係について,阪本教授は

「資本回転率をさらに動態的に時間の変化と条件の変化をとり入れて分析す ると,売上収益と資本との相関関係の分析となる。資本利用上の能率の向上 をはかるには,資本を固定的資本と変動的資本とに区分し,売上収益の増減

(1) 

によって,変動的資本がいかに増減するかを知ることが必要である。……」

と適切に述べられている。

このように,構造分析の図表的表現形式としての利益図表と資本図表を取 り上げることができるが,それに関連する問題を具体的に見るために,つぎ

(1)  阪本安一稿 前掲稿 275

(6)

資本利益率分析を併用した利益図表

' . l l(末政) ( 1 9 7 )   5 

の数値を仮設して分析を示すことにしたい。

ィ . 損 益 計 算

売 上 高

( S ) 8 0 0 , 0 0 0

変 動 費 (V)

4 0 0 ,  0 0 0  1 1  

(変動費率

( v r ) 50%) 

限 界 利 益 (M)

4 0 0 , 0 0 0   I I  

固 定 費

( F ) 3 ̲ Q Q , ̲ O O O   1 1  

純 利 益

( P ) 1 0 0 , 0 0 0

ロ.使用資産額

固定的資産高

( F a ) 6 4 0 ,  0 0 0

変動的資産高

( S w ) 1 6 0 ,  0 0 0 1 1  

(変動的資産率

( w ) 20%) 

,,ヽ.比率分析 限 界 利 益 率 (

50% 

売上純利益率(

) 

12.5% 

資本回転率(

K  )  100% 

資本利益率(

) 

K  12.5% 

ニ . 構 造 分 析

損益分岐点

( B B ) 6 0 0 ,  0 0 0

安全余裕額

(MS) 2 0 0 ,  0 0 0  1 1  

資本回収点 (0)

8 0 0 ,  0 0 0   I I  

以上のような例示によって,利益図表の中で最も親しまれている損益分岐 点図表を描くと,第

1

図となる。また資本図表を描くと,第

2

図となる。

具体的な分析の表現形式として,(

1

)関係数値表,(

2

)数式,(

3

)グラフ,(

4

算図表のいずれかによることができるが,まず,数式によって損益分岐点図 表と資本図表によって描かれた位置(分岐点)を具体的に計算することにし たい。云うまでもなく,図表による分析結果と数式による分析結果は一致し なければならない。

(7)

6 ( 1 9 8 )  

資本利益率分析を併用した利益図表(1)(末政)

1 , 0 0 0  

売上・費用

3 0 0  

6 0 0   1 , 0 0 0  

売上高

1 , 0 0 0  

640し—=こ---―→---

資 産

6 0 0   8 0 0  1 ,  0 0 0  

売上高 損益分岐点分析における数式による計算を示すとつぎのようになる。

BE=  F  F  300,000 

V  = 

1‑vr 

BE=  =600, 000  1‑ ― 1‑

~

400,000  800,000 

MS=S‑,‑BE  MS=BOO, 000‑600, 000=200, 000 

資本構造分析における数式による計算を示すとつぎのようになる。

0 =   Fa  F a , . .   6 4 0 ,  000 

=  0 =   800,000  1  Sw 1‑W  1‑ 160,0oo=  800,000 

損益分岐点図表ならぴに資本図表を描いた具体的な関係数値ならぴに関係 比率を念のために示すと,つぎの第2表になる。この表によって両者の図表 の理解を容易ならしめ,さらに図表の内容を補足することができる。

売 上 高 売上利益率 資本回転率 資本利益率

△3

0 0 , 0 0 0   6 4 0 , 0 0 0   ゜ ゜

46.87% 

2 0 0 , 0 0 0  

△2

0 0 , 0 0 0   6 8 0 , 0 0 0  

100%  29.41% 

△29.41% 

4 0 0 , 0 0 0  

△1

0 0 , 0 0 0   7 2 0 , 0 0 0  

△ 

25%  55.55% 

△13.88% 

5 0 0 , 0 0 0  

5 0 , 0 0 0   7 4 0 , 0 0 0  

△ 

10%  67.56% 

6.75% 

6 0 0 , 0 0 0  

7 6 0 , 0 0 0  78.76% 

7 0 0 , 0 0 0   5 0 , 0 0 0   7 8 0 , 0 0 0   7.14%  89.74%  6.41% 

8 0 0 , 0 0 0   1 0 0 , 0 0 0   8 0 0 , 0 0 0   1 2 . 5  %  1 0 0 .  

% 

1 2 , 5  % 

9 0 0 , 0 0 0   1 5 0 , 0 0 0   8 2 0 , 0 0 0   16.66%  109.75%  1 8 . 3  % 

1 , 0 0 0 , 0 0 0   2 0 0 , 0 0 0   8 4 0 , 0 0 0   20.00%  119.04%  2 3 . 8  % 

(8)

資本利益率分析を併用した利益図表

( 1 )

1 9 9 )   7 

損益分岐点図表ならびに資本図表を別々に示したが,利益計画を樹立する ためにほ両者を合体して一つの図表,すなわち利益・資本図表として描かれ

(2) 

る場合が多い。その図表はまた利益計画図表と云われる。このような図表を 通産省産業合理化審議会による「経営方針遂行のための利益計画(附録)」の 第 5図利益計画図表の作図手引きにしたがって解説することにする。

まず,このような利益計画図表を描くためには,資本に対する一定割合と して示される目標利益率(目標資本利益率)が決められなければならない。

目標利益を何によって示すかは理論的には種々の面から考察が加えられなけ

(3) 

ればならないが,ここでは資本利益率によって目標利益を表わす考え方を前 提としてすすめる。しかし,目標利益を資本利益率によって表わすとしても 総資本利益率によるか,経営資本利益率によるか,さらにはその他の資本利 益率によるかが問題となる。ここでは,理論的な考察はさておき,利益計画 図表を具体的に示すと云った計算機構の説明上の簡単さから,一応総資本利 益率の使用を仮定することにしたい。

さらに,計算の便宜上から目標総資本利益率を一応

1 5

%と仮定して利益計 画図表を描くと,第

3

図のようになる。第

3

図について説明を加えると,

1.  B Eの位置は総費用線と売上高線との交点で損益分岐点

6 0 0 , 0 0 0

円を示

2 .   0

の位置は総資産線と売上高線との交点で資本回収点

8 0 0 , 0 0 0

円を示す。

3 .  

aの位置は総費用

7 0 0 , 0 0 0

円の上に,総資産

8 0 0 , 0 0 0

円の

1 5

%に当る額

(2) 

通産省産業合理化審議会による「経営方針遂行のための利益計画」では,利益

計画図表とされている。

(3) 

目標利益率の決定問題についてほ,つぎの諸論文が参考になる。

国弘員人稿 利益計画における目標利益率の決定 青木茂男稿 利益計画における目標利益率 染谷恭次郎稿 目標資本利益率の定め方

小林靖雄稿 利益計画における目標利益率の算定' 河野豊弘稿 目標利益率の決定方法とその用い方"

中島省吾稿 目標利益の決定

奥村誠次郎稿 企業における目標利益率の決定

以上の論文はすぺて産業経理第21巻第 2 号(昭和3~2 月)に集録されている。

(9)

8 ( 2 0 0 )   資本利益率分析を併用した利益図表 ( 1 )

(末政)

1 2 0 , 0 0 0

円を加算したところの

8 2 0 , 0 0 0

円である。

4 .   b

の位置は総費用

8 0 0 , 0 0 0

円の上に,総資産

8 4 0 , 0 0 0

円の

1 5

%に当る額

1 2 6 , 0 0 0

円を加算したところの

9 2 6 , 0 0 0

円である。

5 .   a ,   b

二点を結ぶ

ab

線が総資本利益率

1 5

%線であり,この総資本利益率

1 5

%線と売上高線との交点すなわち,

T

8 4 2 , 5 5 3

円がこの場合の利益計画 達成点(利益目論見達成点)である。

このような利益計画図表によって求められた利益計画達成点 (T)はさらに 数式によって算出することができる。この場合の数式はつぎのように考えら れる。

まず,通常の損益分岐点算出公式の考え方よりすれぼ, 目標資本利益率

(Kr)

をもとにして算出される目標利益

(Kr(Fa+Tw)

)は固定費

( F )

にプ ラスする形で公式の分子に追加計上されることになる。したがって,

T=  F+Kr(Fa+Tw)  1‑vr 

しかし,この公式の分子の中には求める

T

の未知数が入っているので,そ れはさらにつぎのように整理される。

T(l‑vr)‑Krx Tw=F+KrxFa  T=  F+KrxFa 

1‑vr‑Krxw 

これは結果として,「経営方針遂行のための利益計画(附録)」における公式 と同じことになる。

そこで,この公式を使って前述の例示による具体的な計算を示すと,

T= 

= 

3 0 0 ,  0 0 0   +  0 .  1 5   X  6 4 0 ,  0 0 0   1‑0. 5‑0.15  X  0 .  2  3 9 6 , 0 0 0  

0 . 4 7  

= 8 4 2 ,  5 5 3  

また,このような利益計画達成点はつぎの比率分析の図表化によって算出 が試みられている。それが利益図表と資本図表とを連結させる目的で作成さ

(4) 

れる相関図表ないし利益率図表と云われているものである。この相関図表は

(4)  中村正一稿 利益管理情報の図表化 経理実務 第 2 0 巻第 9

号 ( 昭 和

8

37

(10)

資本利益率分析を併用した利益図表(

1 )(

( 2 0 1 )   9 

ノイッペル氏によって古

第 3 

くから描かれているもの

1 , 0 0 0  

(5) 

であると云われている。

8 0 0

このような相関図表を

前述の例示によって描い たものが第4図である。 この相関図表ないし利

益率図表について説明を

6 0 0   8 0 0  1 ,  0 0 0  

加えると, 売上高

1 .

右上りの曲線は現在

第 4 

の利益構造(損益分岐

30% 

点図表)において獲得

> 20%

三 旦 饂 対 応 線 可能な売上損益を示す

1  0  %  15% 

資本利益率対応線

売上利益率を表わす。 資利益率対応線

この曲線は収益対応線

(6) 

とも云われ,いわゆる

‑10% 

利益三角形を比率にな

‑20% 

6 0 0   8 0 0  1 , 0 0 0  

おし曲線化したもので 売上高

ある。

2 .

右下りの曲線の内,その

1は各売上高において総資本利益率 1 0

%に当る 利益を得るに必要な売上利益率曲線であり,その2は各売上高において総 資本利棋率

1 5

%に当る利益を得るに必要な売上利益率対応線とも云われる。

(7) 

3 ,

上記

1

の売上利益率曲線すなわち収益対応線と,上記

2

1 5

%の資本利 益率に当る利益を得るに必要な売上利益率曲線,すなわち資本利益率対応

(5) 

宮川教授のつぎの論文で,ノイッペルすなわちC

.E .  Knoeppel and Edgar G. 

S e y b o l d ,  Managing f o r  P r o f i t  ( 1 9 3 7 )における相関図表が取り上げられている。

¥I嘉治稿 利益管理序説

( I I ) "工 業 経 営 第 9 巻第 2

号(昭和3

F10

2 3 ‑ 2 4

参照。

(6) 

中村正一稿 前掲論文

37

頁参照。

(7) 

中村正一稿 前掲論文

38

頁参照。

(11)

1  0 ( 2 0 2 )  

資本利益率分析を併用した利益図表

1 1 )

(末政)

線との交点

A

にあたる売上高が利益計画達成点である。

この第

4

図における

A

点は,第

3

図である利益計画圏表における利益計画 達成点

T

と同じ大きさの売上高

842,553

円を示している。

なお,第4図における資本利益率対応線を描くための売上利益率,すなわち

P '  

一定の目標資本利益率

(Kr)

を得るに必要な売上利益率(‑‑)の数字は,

つぎの数式によっても計算できる。

P '  

=Kr(w+  Fa 

s  s 

) 

もし,

Kr=15%, S=l, 0 0 0 ,  000

の場合を仮定すれば,

P '  

ー = 15%(20%+ 640,000  S  1 ,  0 0 0 ,  000 

=15%x84% 

=12.6% 

さらに,この計算はすでに資本回転率(‑‑)が算出されている場合には,

K  s 

つぎの公式によって計算できる。

P ' s  

=Kr+ 

したがって,前述の第2表の数字を利用して計算すると,

P '  

=15  % +  1 1 9 .  04% 

=12.6% 

念のために,第4図の各売上高における資本利益率対応売上利益率はつぎ の第

3

表の関係数値表として示すことができる。

3

売 上 高 売上利益率

1

資本回転率

1 5

1 0

゜ ゜ ゜ ゜ ゜

2 0 0 , 0 0 0  

100%  29.41%  5 1 .  

% 

3 4 .  

% 

4 0 0 , 0 0 0  

25%  55.55%  2 7 .  

% 

1 8 .  

% 

5 0 0 , 0 0 0  

10%  67.56%  2 2 . 2  %  1 4 . 8  %  6 0 0 , 0 0 0  

78.76%  19.04%  12.66% 

7 0 0 , 0 0 0   7.14%  8 9 .  74%  1 6 .  71%  11.14% 

8 0 0 , 0 0 0   1 2 . 5  %  1 0 0 .  

% 

1 5 .   %  1 0 .  

% 

9 0 0 , 0 0 0   16.66%  1 0 9 .  75%  13.66%  9.11% 

1 , 0 0 0 , 0 0 0   2 0 .  

% 

119.04%  1 2 . 6  %  8 . 4  % 

(12)

資本利益率分析を併用した利益図表(1)(末政)

( 2 0 3 )  

11 

上のように,伝統的な利益図表ならびに資本図表では,その連結について 相関図表を描くとか,利益計画図表を描くとかの工夫がはかられてきたが,

利益図表等において各売上高における資本利益率を曲線の形で直接表示する 方法は見られなかった。資本利益率分析の考え方では,資本利益率を利益図 表に直接示すことがより望ましいのではないと思う。

3 .

ス ペ ソ サ ー 氏 の 利 益 図 表 論

(1) 

損益分岐点分析の拡大

( e x t e n s i o n )

は多くの人々によって種々の角度から 行なわれているが,その一つとして, L•G 。スペンサー氏の資本利益率分析 を併用した利益図表をあげることができる。彼は製品及びエ湯単位別の収益

( p r o f i t a b i l i t y )

,エ湯設備の拡大ないし再編成,価格計算などの意思決定お よび業績評価に利益図表

( p r o f i t g r a p h )

を役立てようとしている。まず資本利 益率を利益図表に直接描く方式をとるスペ ノサー氏の考えを見ることにする。

彼によれば,利益図表は損益分岐点売上高,およびあらゆる操業度

( c a p a ‑ c i t y )

水準における利益を示すためにのみ使用さるべきでなく,それはまた,

一定の条件のもとでの売上総利益

( g r o s sm 江 g i n )率,売上純利益率,投資利

益率

( r e t u r non i n v e s t m e n t )

,その他の比率のパクーンを反映すぺきものであ る。さらに,与えられた条件の変化またはその場合の諸要素変化からもたら

(2) 

される変動パクーソの展開を迅速に示すべきである。と述べている。

このように,彼の利益図表の構成ほ損益分岐点分析と投資利益分析 (in

vestment  a n a l y s i s )

の両者を含んだものとなっている。では,スペンサー氏 は損益分岐点図表と利益図表との関係をどのように考えているか,彼による と,損益分岐点図表は損益ゼロとなる特定の売上量を示すものとして役立つ が,利益図表の用語はそれより幅広い意味

( amuch broader s e n c e )

で使用 されるべきものである。利益図表の基本的原理ほ損益分岐点分析を通しての 固定費・変動費分類の実施,ならびに利益測定の形式として比率分析すなわ ち,売上総利益率,売上純利益率,投資利益率等の追加的管理指標を利用可

(1)  L e l a n d  G. S p e n c e r ,  The Profitgraph‑Technique  and A p p l i c a t i o n s ,   N. 

A . C . A . ,  B u l l e

血,

V o l .XXXVIII No.  4  ( D e c e m b e r ,   1 9 5 6 ) ,   p p .   4 9 3 ‑ 5 0 7 .  

(2)  Leland D. S p e n c e r ,  o p .   c i t . ,   p .   4 9 3 .  

(13)

1  2  ( 2 0 4 )  

資本利益率分析を併用した利益図表(1)(末政)

(3) 

能ならしめる投資分析

( i n v e s t m e n ta n a l y s i s )

を適用すべきである。と述べら れている。

このような利益図表が正しくその機能を発揮できるかどうかは妥当な損益 分岐点資料の利用可能性

( a v a i l a b i l i t y )

に依存しており,さらに妥当な固定な

(4) 

いし変動予算の構成に依存している。と彼は述べている。なお,各投資資産 額が売上高の変動に関連して,固定的部分と変動的部分に適切に分けられな ければならないことも云うまでもない。

なお,スペンサー氏は投資利益率を直接描いた利益図表をつぎの具体的な 課題の決定問題に役立てようと試みている。

(5) 

(1)  製品系列

( p r o d u c tl i n e )

別の利益貢献額

( p r o f i tc o n t r i b u t i o n )

の決定 (2)  工場別の利益貢献額の決定

( 3 )  

工場設備の拡大ないし再編成に関する意思決定 (4)  価格政策に関する意思決定

(5)  業績の評価

これらすべての問題について紹介すべきであると思うが,本稿では資本利 益率を直接描いた利益図表の形式ならびに問題点を考えるために,最初の製 品系列別の利益貢献額の決定に関する具体的な例示に限定して取り上げるこ

とにする。

このような問題に関連する利益図表として,スペンサー氏は全社的な総括 図表と各製品系列別の業務区分図表とに分けて描いているが,両者の描き方 について基本的な考え方は異ならないので,全社的な総括図表の例示につい てのみ紹介することにしたい。なお.それに関連する数字例についてほ,

ペンサー氏の計算例示表をそのまま引用しないで,筆者が要約的に整理した

(6) 

形式で示すことにする。

〔利益構造に関する資料〕

ィ.売上総利益(

g r o s smargin)

の計算

(3)  L e l a n d  D. S p e n c e r ,  o p .   c i t . ,   p p .  4 9 7 ‑ 4 9 8 .   (4)  L e l a n d  D. S p e n c e r , .  o p .   c i t . ,   p .   4 9 4 .   (5)  L e l a n d  D. S p e n c e r ,  o p .  c i t . ,   p .   5 0 2 .  

(6) 

彼の例示

3( p .  4 9 9 )

,例示

4 ( p .5 0 0 )  

および

5 0 0

頁の計算表の数字をまとめた。

(14)

資本利益率分析を併用した利益図表

( 1 )

(末政)

( 2 0 5 )   1  3 

売 上 高

$ 2 5 , 0 0 0   100% 

売 上 原 価

変動費

1 6 ! 4 3 8   堕

貢 献 利 益

$ 8 , 5 6 2   32.5% 

固 定 費

1 , 9 9 2  

売上総利益

$ 6 , 5 7 0  

売上総利益率

2 6 5 , , 7 0 5 0 0  0   =26.3% 

ロ.純利益の計算

売 上 高

$ 2 5 , 0 0 0   100% 

総 費 用

(動費

1 6 , 9 3 8   6 7 .  7% 

うち営業費$5

0 0 )

貢 献 利 益

$ 8 , 0 6 2   32.3% 

定 費

2 , 9 9 2  

うち営業費$1

, 0 0 0 )

純 利 益

$ 5 , 0 7 0  

損益分岐点

' $ 9 , 2 6 0   2 , 9 9 2   1‑67. 7% 

1 0 0

益%分売岐上高に対する

点の割合

37% 

〔投資資産撰造に関する資料〕

,,ヽ.売上高

$ 2 5 , 0 0 0  

ニ . 投 資 資 産 固定額 変動額 売上高に対する変動率 工 場 設 備

$ 6 , 0 0 0  

$ 

0% 

在 庫 品

1 3 0   1 , 3 0 0   5 . 2  

受 取 債 権

2 , 0 8 3   8 . 3  

244  1 , 4 1 7   5 .  7 

$ 6 , 3 7 4   $ 4 , 8 0 0   19.2% 

引 当 金

工場設備分

$ 1 , 8 0 0  

゜ ゜

在 庫 品 分

23  67  0 . 3  

(15)

( 2 0 6 )  

資本利益率分析を併用した利益図表(1)(末政)

その他の分

6 2   0 . 3  

$ 1 .  8 2 3   $ 1 2 9   0.6% 

支 払 勘 定

$ 1 7 5   4 7 5  

控除合計

$ 1 , 9 9 8   6 0 4   2.5% 

純 投 資 資 産

$ 4 , 3 7 6   $ 4 , 1 9 6   1 6 .  7% 

ホ.税引純利益

純 利 益

$ 5 , 0 7 0  

合衆国所得税

( 5 2 % ) 2 , 6 3 7  

差 引

$ 2 , 4 3 4  

へ.投資利益率

2 , 4 3 4  

4 ,   3 7 6 + 4 ,  1 9 6   =28.4% 

上の資料によって描かれたスペンサー氏の利益図表をそのまま引用すると,

つぎの通りである。

(7) 

スペンサー氏の例示

6

利益図表

益 岐 シ 差 費 分 パ 献 定 益 ヤ

2 5 2 0 1 5  

売上・費用

1 0  

0 . 3 2 3 (単位当り)

2 .  9 9 3  

5  1 0   1 5   2 0  

30% 

20 % 益

10%  率 25  ゜ ‑10% 

投資利益率 ---—売上総利益率

売上高

ついで,スペソサー氏は

A, B,  C,  D

の各製品系列別の利益図表を作成

(7)  Leland D. S p e n c e r ,  o p .   c i t . ,   p .   5 0 1 .  

(16)

資本利益率分析を併用した利益図表

( 1 )

(末政)

( 2 0 7 )   1  5 

している。それらの各図表は,各製品系列の売上高,変動費,固定費,損益 分岐点,投資資産の固定的在高,変動的在高がそれぞれ異る如く,その描か れた線の型は全部異っている。彼は各図表における損益分岐点の位置,利用 キャパシティの大きさ,売上総利益率曲線および投資利益率曲線の型によっ て,それぞれの製品系列のあり方に批評を加えている。

上のようなスペンサー氏の利益図表の特徴について整理すると,つぎのよ うになる。

(1)  投資利益率を利益図表に直接描いた点に彼の利益図表の長所が認められ る。筆者の知る所では利益図表の中に資本利益率曲線を描いた最初の文献 ではないかと思う。

(2)  投資利益率曲線の他に,売上総利益率曲線を描き,両者を比較できるよ うに示している点にも彼の図表の長所が認められる。

(3)  売上総利益

( g r o s smargin)

率を用るので,売上総利益率線の出発点

(0

%)は損益分岐点売上高とは異なった位置である。すなわち,売上総利益 率曲線の出発点 (0%)は損益分岐点売上高より低い位置より初められる。

(4)  投資資産利益率の計算基礎となっている分子の利益は税引後純利益であ る。したがって,彼の描いた利益図表におけるいわゆる利益三角形の税引 前純利益とは異っている。

(5)  投資資産利益率の計算基礎となっている分母は貸借対照表借方の資産合 計ではなく,総資産から評価性引当金ならびに流動負債を差引いた金額で ある。

(6)  それ故,彼の投資資産利益率は一般に云われる総資本利益率でもなく,

経営資本利益率でもないことに注意すべきである。

(7)  上のように,売上総利益率と投資資産利益率の計算基礎となった分子の 利益概念は異ったものであることを注意しなければならない。

(8)  以上のように見ると,図表に描かれた売上総利益率と投資資産利益率と を直接相互に関係づけて分析することは困難である。それぞれ別々に考え ることが必要である。それは前述のように両者の使用する利益概念が相違 しているからである。と云うのほ,もし同じ利益を使用した資本利益率と

(17)

1  6 ( 2 0 8 )   資本利益率分析を併用した利益図表

(1)(末政)

売上利益率,すなわち総資本利益率と売上純利益率とであれば,両者は相互 に関連する比率分析として取り扱うことができるのである。

4 .

バ ッ カ ー お よ び ジ ニ ー コ ブ セ ソ 両 教 授 の 利 益 図 表 蘭 バッカーおよびジェーコプセン両教授は前節のスペンサー氏のように,利 益図表

( p r o f i t g r a p h )

と損益分岐点図表

(Break‑evenc h a r t )

とを性格的に区 別しないで,損益分岐点図表の中で資本利益率を描く分析を示している。こ こでは,彼等の損益分岐点図表論を全般的に取り上げないで,資本利益率分 析を併用した損益分岐点図表を見ることにしたい。それは前節のスペンサー 氏の利益図表とは異なった性質のものだからである。

バッカーおよびジェーコブセン両教授の資本利益率を直接描く損益分岐点 図表を見ると,全社的な総括図表と,各製品系列別の業務区分図表の二つに 分けて,スペンサー氏の場合と相違しそれぞれ異った描き方をしている。

まず,全社的な総括図表について具体的な計算例示を彼等の例示

12‑1

り部分的に抜き出し引用すると,つぎの通りである。

(2) 

バッカーおよびジェーコブセン両教授の例示

12‑1

(要約)

異なる売上量における収益と原価の予定

工場設備キャパシティ(週5日

2

交替)

$ 2 4 , 0 0 0   $ 3 2 , 0 0 0   $ 4 0 , 0 0 0  

7 , 2 0 0   9 , 6 0 0   1 2 , 0 0 0  

直 接 労 務 費

2 , 4 0 0   3 , 2 0 0   4 , 0 0 0  

工 場 間 接 費

2 , 2 2 0   2 , 9 6 0   3 , 7 0 0  

倉庫および積出費

7 2 0   9 6 0   1 , 2 0 0  

販売・一般管理費

1 , 8 6 0   2 , 4 8 0  

 

総変動費

1 4 , 4 0 0   1 9 ,  2 0 0  

(1)  Morton B a c k e r   &  L y l e  E .  J a c o b s e n ,  C o s t  A c c o u n t i n g :  A M a n a g e r i a l  Approach   

(New York: McGraw‑Hill Book C o . ,   1 9 6 4 ) ,   p p .   3 4 4 ‑ 3 5 6 .  

(2)  Morton B a c k e r   &  L y l e  E .  J a c o b s e n ,  o p .   c i t . ,   p .   3 4 5 .  

(18)

資本利益率分析を併用した利益図表

( 1 )

(末政)

( 2 0 9 )   1  7 

固定費および利益に対する利用可能差額

9 , 6 0 0   1 2 , 8 0 0   1 6 , 0 0 0  

固 定 費

工 場 間 接 費

7 , 0 0 0  

倉庫および積出費 販売・一般管理費

総 固 定 費 売上純利益率

( r e t u r n  on s a l e s ,   %) 

投資資本利益率

( r e t u r n  on i n v e s t e d  c a p i t a l ,   %) 

必要とされる資本投資額(見積)

( c a p i t a l   investment required ( e s t i m a t e d )  

3 0 0   2 , 7 0 0   1 0 , 0 0 0  

4 0 0  

1 .  7% 

2.4% 

$ 1 6 , 9 0 0  

7 , 0 0 0   7 , 0 0 0   3 0 0   3 0 0   2 , 7 0 0   2 , 7 0 0   1 0 , 0 0 0   1 0 , 0 0 0  

$ 2 , 8 0 0   $ 6 , 0 0 0   8.8%  15.0% 

15.8%  31.8% 

$ 1 7 , 9 0 0   $ 1 8 , 9 0 0  

資本投資額についての彼等の説明を見ると,工場設備への投資額は活動水 準に関係なしに固定的である。しかし,受取勘定への投資額は売上数量の増 減とともに変動する。さらに他の資産,たとえば現金および棚卸資産ほ一部 固定的であり,一部は変動的である。したがって,上の例示では,資本投資 額の合計は固定的資産額を$

1 3 , 9 0 0 ,

変動的資産率を

1 2 . 5

%として計算され

(3) 

ている。

このような例示にもとづいた具体的な損益分岐点図表は,つぎのバッカー

(4) 

およびジェーコブセン両教授の第

12‑1

図損益分岐点図表

( B r e a k ‑ e v e nc h a r t )  

である。

この損益分岐点図表について彼等はつぎのように説明している。投資資本 利益率を表わす曲線の傾斜角度は売上純利益率曲線のそれよりも急である。

それはこのケースの投資資本額のうち固定的資産在高部分が大きいためと,

(5) 

また売上純利益率の関係において原価のうち変動費部分が大きいためである。

と述べている。

(3)  i b i d . ,   p .   3 4 5 .  

(4)  i b i d . ,   p .   3 4 6 .  

(5)  i b i d . ,   p .   3 4 7 .  

(19)

1  8 ( 2 1 0 )  

資本利益率分析を併用した利益図表(ll(末政)

バッカーおよびジェーコプセン両教授の第

1 2

1

図 損益分岐点図表

費 40 用 3 5 3 0   25 

20 

1 5  

保 当 金 留 配 税

}︸¥ 

%   0 0   2 1  

4̲ r,  

ヂ 一 .

‑ ク

i

l ,  

‑ /  

︳ 翌

IIIIIIIIIIIll̲

︳ 費 一 定

l

に .

゜ ー

変動費 40% 

30% 

1 0   1 5  

売上高 3 0   3 5   4 0 '  

‑10% 

この図表を見ると,投資資本利益率はスペンサー氏の場合の曲線と異なり 直線で表わされている。しかし,これについては何等の説明は加えられてい ない。これはこの直線が曲線と大差ないものとして描かれたものと思われる ヵもあとの製品別収益性に関する製品別の図表ではこれを曲線として描いる。

また売上純利益率曲線はスペ ノサー氏の場合の売上総利益率曲線とは異なり,

損益分岐点の位置と同じ売上高の位置から 0%が描かれている。

バッカーおよびジェーコブセン両教授の製品別の損益分岐点図表は上の全 社的な総括図表と異なった描き方がされている。その場合の基礎数値はつぎ の例示

12‑3

に示されている。彼等の原文では,

A, B ,   C,  D

製品系列お よび合計欄が設けられているが,ここでは

A, B

製品系列に関する資料のみ を引用することにする。

(20)

資本利益率分析を併用した利益図表

( 1 )

(末政)

( 2 1 1 )   1  9  (6) 

バ ッ カ ー お よ び ジ ェ ー コ ブ セ ゾ 両 教 授 の 例 示

12‑3

(一部分)

予 算 水 準 で の 製 品 系 列 別 の 損 益 な ら び に 資 本 投 資 利 益 率 に 関 す る 綜 合 予 定 表

製 品 系 列

A  B  C 

現在の利用キャパシティの%

60%  85%  . . . . . .  

金 額 %  金 額 %  ...... 

. J 士 U 

.  上

$ 7 , 0 0 0   1 0 0 . 0  

5 0 0 1 0 0 . 0   . . . . . .  

差引:変動費

3 , 9 9 0   5 7 . 0   3 , 0 3 0   6 7 . 3   . . . . . .  

貢 献 利 益

$ 3 , 0 1 0   4 3 . 0   $ 1 , 4 7 0   3 2 .  7  . . . . . .  

差引:製品系定列に直接賦課さ

れ る 固 費

7 2 0   1 0 . 3   3 3 0   7 . 4  

...... 

配賦固定費控除前の利益

$ 2 , 2 9 0   3 2 .  7  $ 1 , 1 4 0   2 5 . 3  

...... 

差引:配賦固定費

8 8 0   1 2 . 6   7 7 0   1 6 . 9   . . . . . .  

所得税控除前の純利益

$ 1 , 4 1 0   2 0 . 1   $ 3 7 0   8 . 4  

  総資本投資利益率

5 3 . 2   1 4 .  7  . . . . . .  

する配賦

1 6 8 . 4   1 3 9 . 0   . . . . . .  

製 品 系 列 別 資 本 投 資 額

A  B  C 

直接資本投資額*

$820+7. 7% $ 1 , 3 6 0   $  460+8%  $ 8 2 0  

...... 

配賦資本投資額*

$ 1 , 0 8 0 .  + 

30%  1 , 2 9 0   $1,555+3%  1 , 6 9 0   . . . . . .  

予算水準での総資本投資額

$ 2 , 6 5 0   $ 2 , 5 1 0  

...... 

*予算資本投資額は固定的部分と売上に対する変動的部分とよりなる。

さ ら に , こ の 資 料 に よ る 慣 習 的 な 製 品 系 列 別 に そ れ ぞ れ の 貢 献 利 益 額 を 描

(7) 

い た 損 益 分 岐 点 図 表 を 見 る と , つ ぎ の 第

12‑6

図 で あ る 。 こ の 図 表 の 特 徴 は 製 品 系 列 別 に , 利 用 可 能 キ ャ パ シ テ ィ と 予 算 水 準 と を 対 比 す る 形 を 示 め し て いる点であると思う。

(6)  i b i d . ,   p .   3 5 2 .  

(7)  i b i d . ,   p .   3 5 3 .  

(21)

( 2 1 2 )  

資本利益率分析を併用した利益図表

1 1 )

(末政)

バッカーおよびジェーコブセン両教授の第

12‑6

図 製品系列別損益分岐点図表

4

3   損 益

0 1  

‑2 

‑3 

‑4 

一 予 算

--—ーキャパシティ

ヽ ー ー ー

1 1 1

ー ー ー ー

ヽ ヽ   ヽ ヽ

︐ 

ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ  

益 失

 

売上高

8  1 0   12 

彼等は製品系列別の損益分岐点図表とは別に,資本利益率および売上利益 率を描いた製品系列別の利益率図表を,彼等の第

12‑7

図で示めしているの で,その製品系列AおよびBのみをつぎに引用することにする。

12‑7

図についての彼等の説明を見ると,彼等は製品系列に関する三つ の重要な批判基準

( c r i t e r i a )

として,直接資本投資額に対する(配賦固定費 控除前)利益率

( ( r e t u r non p r o f i t   ( b e f o r e  a l l o c a t e d  f i x e d  c o s t s )   on d i r e c t ‑ c a p i t a l  i n v e s t m e n t )

),総資本利益率

( r e t u r non t o t a l   p r o f i t  on t o t a l  c a p i t a l ) ,  

(8) 

売上純利益率

( r e t u r n on s a l e s )

を示している。なお,第

12‑6

図と同様に 予算水準

( b u d g e tl e v e l )

と現在のキャパシティー

( p r e s e n tc a p a c i t y )

とが対 比されるように示されている。これは他の製品系列と比較するとき,その製

(8)  i b i d . ,   p .   3 5 5 .  

(22)

資本利益率分析を併用した利益図表(

1 ) (末政) ( 2 1 3 )   21 

(9) 

バッカーおよびジェーコプセン両教授の第12‑7図 製品系列別利益率図表

a

……直接資本に対する配賦固定費控除前の利益率

b

……総資本に対する利益率

C

……売上利益率

現在の

2 4 0

2 0 0

1 6 0   1 2 0   8 0   40 

‑40 

‑80 

2 40 2 0 01 6 0 12 0 8 0 

. 可

← /

/  9

>

 

/  算

/ 

在ャ

v

, "  

/  a /  

算準

0 0  

ーー

製品系列

A

‑80 

製品系列

B

‑ 1 2 0 1 ‑

一1

2 0

I  I  I  I  I  I 

0  3  6  9  1 2   0  3  6  9  1 2  

売上高

品の増加余裕額を示すものである。この大きさと,各利益率の増加割合とを 製品系列別に比較し選択する。

以上のようなバッカーおよびジェーコプセン両教授における損益分岐点図 表の特徴につぎのように要約できる。

(1)  全社的な総括図表と製品系列別の業務区分図表を明確に区別して描いて いる点に長所が認められる。両者の相違点はつぎのようになる。

製品系列別の業務区分図表 曲 線

①総資本投資利益率

②直接資本投資利益率 (2)  製品系列別の図表分析で直接資本投資利益率を総資本投資利益率ととも

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 全社的な総括図表

資本利益率の型

使用される資本利 ①総資本投資利益率 益率の種類

に用いたことは彼等の図表の長所である。これはその製品系列別の直接の 収益性を見るための資本利益率として,分子を共通固定費配賦前の利益と し,分母も共通資本設備配分前の直接資本投資額を用いたことほ資本利益

(9)  i b i d . ,   p .   3 5 4 .  

(23)

2  2 ( 2 1 4 )   資本利益率分析を併用した利益図表

(1)(末政)

率分析の基本的構想からして優れていると思う。

(3)  スペンサー氏の場合と異なり,総資本利益率と売上純利益率の計算基礎 となった分子の利益はともに税引前純利益を使用しているので,もし資本 回転率が算出されておれば,上の二つの利益率は相互に関連する比率とし て分析に使用される。

(4)  製品系列別の利益率図表を描くことにより,三つの批判基準を示めして いるが,そのうち,いずれを重視するかが論ぜられていないのでこの点不 十分である。なお,総資本投資利益率および直接資本投資利益率がともに 曲線として描かれているが,その比較についても曲線のパクーンの比較の みで,具体的な数値による優劣の判定方法については不明である。

以上のように,バッカーおよびジェーコブセン両教授の利益図表論は優れ た特徴をもつものであるが,上の(4)の問題について,さらに考察をすすめな

ければならないと思う。 (以下次号)

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