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利潤率と資本利益率について

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(1)

研究ノ l 卜

利潤率と資本利益率について

()

I 甫

第三節カヴァlスヴ

7文書

第四節一八三三年の特別委員会報告書

︿ )

第一章利潤率に関する学説史的検討

第一節利子率と利潤率・

第二節アダム・スミス 第三節デイヴィド・リカードウ 第一節マルクスの利潤率 ( ) 第三章個別企業の事例研究

第一節﹁ピュウドリ相場﹂

第二節アルピュアン製粉所

第三章個別企業の事例研究

第一章・第二章における一応の学説史的検討を終えた現在︑

われわれにとって必要なことは︑個別企業における実務につい

ての認識であり︑又それを挺子としての第一章・第二章で得ら

れた知識の再吟味である︒しかし︑利潤率又は資本利益率に関

して産業革命期イギリス企業の個別事例を取り扱った研究は︑

残念ながら極めて少ない︒本章では︑筆者が捕捉しえた研究業

利潤率と資本利益率について

(2)

利潤率と資本利益率について

績のうち︑産業革命期イギリスの経営史的研究を精力的に発表

されている大河内暁男氏︑及びイギリス鉄鋼業史研究の一環と

して会計的側面まで研究されている安部悦生氏の研究業績に依

拠し︑かつ一八三コ一年の﹁製造業︑商業︑海運業に関する特別

委員会報告4品己の若干の分析を通じて︑上記の諜題に接近する

こととしたい︒勿論︑利潤率ないし資本利益率に関して算出し

た(又は算出可能なデiタを提示した︺他の研究も存在してい

(l

) 

るが︑後述のように︑減価償却費︑自己資本利子等の処理につ

いて原資料まで遡って検討を要すると判断される故︑小稿では

割愛

した

︒ 第一節﹁ビュウドリ相場﹂

大河内暁男氏は︑その著﹃イギリス経︑従史研究

l1

国内市場

の研究

li

﹄ハ岩波書底︑一九六三年﹀の第三掌において︑ィング

ランド産棒鉄のピュウドりを媒介地とする市場での一七三

0

代に成立した一般的な相場(屯あたりほぼ一六ポンド﹀に関す

る二つの計算例を紹介されている︒

一つは製鉄業者の利害を代表する匿名のパンフレット吋言

i﹁ 芯

白 色町 ﹂

守 白

s h

¥

H F L

o b

b s

同 書

HH

U03

(H4N

印 コ

8h

明野居}討す)で

︹棒︺鉄一屯は一六ポンドの価値がある︒内訳︑

A燃料代︑鉱石代︑作業場賃借料合計︑約四ポンド五シリング

B労 働 ( 九 ポ ン ド ) )

一の

費用

約一

C管理(の

R

ユ間

関白

)(

二ポ

ンド

一五

シリ

ング

ポンド一五シリング

合計︑二ハポンド

とする内容である︒

いま一つは︑ョ!クシャの大製鉄業者ウィリアム・スベンサ

l (

巳 U

S ω

U

8 8

G

の一七一二七年におけるメそである︒

ヨークシャの製鉄所での︹棒︺欽一屯について

日新

一一

ニコ

lズ(伐採費その他費川を除く)

一一

了一

‑ O

Q

鉄鉱

山借

区料

(河

口百

円門

司﹀

ゴ一

0

ム ハ)

一 日

0

)

裁鉄所で用いる石炭代

0

0

六}

製 鉄 所 賃 借 料 一 二

0

︹ 小 計

︺ 四

・ 一 回

0

裁鉄所において発生する屑分として︑︹棒鉄一屯につき︺

一ハンドレッド・ウエイト分︒この金額四ポンド一四シ

リング六ペンスのニ

O

分の一を加算する

︒ 四 ・

0

i

クシャで売られる棒鉄一屯について︑ジェントルメン

γ

γの取得分は

‑j

i‑

‑:

:j

i‑

‑e

i‑

‑:

::

ji

‑‑

同四・一九・三

b伐採︑束薪︑焼山灰費(一三コl

ズあ

たり

7

0

00

鉄 鉱 石 探 鉱 費

・ 二 一 了

高炉工︑鍛鉄所工︑裁鉄所工︹の賃銀︺

一・

一一

(3)

書記の給料︑煉瓦焼工︑大工︑鍛冶工︹の賃銀︺

[ 小 計

︺ 五 . 一 裁鉄所において発生する屑分として︑片山棒鉄一屯につきμ

一ハンドレッド・ウエイト分︒この金額五ポンド一三シ

リングのニ

O

分 の 一 を 加 算 す る 五

O

一屯あたりの労働の費用・

:j

i‑

‑‑

‑‑

‑E

e‑

‑‑

五・一八・六

c鉄鉱石︑木炭︑銑鉄︑石炭の管理費︑︹棒鉄︺一屯あたり

・ 一 七

・ 六

裁鉄所において発生する屑分として︑︹棒鉄一屯につき︺

一ハンドレッド・ウエイト分︒この金額二ポンド一七シ

リング六ペンスの二

O

分のてを加算する

・ 九

︹管 理費 計︺

::

ji

‑‑

・・

・・

::

ji

‑‑

・:

・土

700

・三

管理 費を 含め ての 鉄の 生産 費'

・;

・:

・・

・:

・: 一三

・一 八・

o

したがって︑この実現さるべき価値およそ一四︒ホンドは︑一

般に次のように配分されることになる︒

ジ ェ ン ト ル メ ン の 取 得 五 ポ ン ド } 十 一 一 四 各 種 労 働 者 六 ポ ン ド 一

一ポンドジェントルマンの賃借人たち令色旧三回)一一一ポンド}

とする内容である︒

企業形態については言及がないが︑一七三

0

年代という時期

から判断して︑マニュファクチュア段階の個人企業︑又はパI

利潤率と資本利益率について

製 鉄 費 用 概 算 一 覧

例1: Interest of  G.B.  例Eス ペ ン サ ー の 計 算

製鉄費費 用 計 算 左取得の者費 自 の

の 目 額 額

燃 料 費 ポ ン ド シ リy

ポンド

鉱山{昔区料 ジェントノレメン A  4 ‑ 5  a  5 

製 鉄 所 賃 借 料

表1

トナlシップ企業

と考えて良いであ

ろう︒又︑利益項

目が見出されない

が ︑

C又は

c

の管

理費の項目に含ま

れているとする大

河内氏の推論を是

認できよう︒そし

m

て大河内氏は︑前P者の合計が一六ポ

究 ン ド (

﹁ ピ ュ ウ ド 知 リ 相 場

﹂ と 一 致 )

齢であるのに対し︑

一ス後者が一四ポンド

一刊であるが︑その差

一円二ポンドは︑シェ

一男フィールド地方か

一隅らパlミンガム地

一河方への運送費︹棒

一‑〆鉄一屯あたり︺の

的推算約一ポンド一

/﹃︑四シリングによっ

6  3  b 

9  2 ‑ 15  B 

C  各種労働者

F

電製鉄所

経 営 者

費産

11

11

1i

i

i鉄棒 労賃,俸給

一 一

(4)

利潤率と資本利義率について

て大部分の説明がつくとされる︒そこで表ーのようにまとめ

て︑limi‑‑nllを算出すると︑前者ま約一一一そ後者

w

)

(但し分母に運賃を加算)は約二四

M m と算出され︑管理費の内

には利益の他︑間接費項目を含んでいるであろう点を勘案すれ

ば︑ほぽ均等化した﹁利潤塁﹂を示しており︑

﹁:

::

卦骨

わか

U骨

鈴骨

骨肌

げか

舟机

vu

h

いで

い︑

朴批

昨申

中山

町会

国的規模においでほぼ均等化していたQということは︑さきの計算例二例の内容が︑経済学的には︑骨ル佐和

hL

いか

朴骨

判︑

るとなし得る可能性を十分に含んでいる︒すなわち﹃ピュウド

リ相場﹄は︑市場価値もしくは生産価格が全国的規模において

( 2 )  

統一的に形成されていることを示すと一一言うべきであろう︒﹂(傍点一部引用者)と推論されている︒

一一点ほど補足すると︑費用項目の内訳に︑作業場等の賃借料

の項目が見られるように︑‑大河内氏によって既に解明されてい

(3

る作業場および土地の賃貸借制が存在していたという事実が一

つである︒第二に︑費用項目については記載されているが︑貸

借対照表項目については何ら手掛りが与えられていないという

事実である︒従って︑固定資本と流動資本︑更に資金源泉での自己資本・他人資本に関しマは何ら手掛りが無いのである︒

以上を踏まえて︑この大河内氏の﹁大胆な推論﹂は成立する

と考えうるであろうか︒われわれは︑少くともこのプロセスに

ついては否と考える︒一七三

0

年代

111産業革命の開始点に先

立つこと約四

O

年i│に一般的利潤率・生産価格範鴎の成立と

一二

いう結論自体は︑当時の資本の有機的構成の低位(マニュフア

クチュア段階)から考えても︑又︑一七五

01

0

年代にかけ

てであるが︑マッシlが当時三八世紀中頃)の商工業の︹一

般的︺利潤率が二

OM

であり︑仲介業者のそれを加えて二五%

( 4 )  

であると指摘じた事実これ自体も吟味を要しようがーーか

らも︑時期限定には疑義が残るものの︑一概に否定しえないと

考える︒問題は論証のプロセスであり︑疑義は二点にわたって

いる︒つまり︑﹁利潤率﹂の算定が︑オリジナル・デlタの側

の計算ではなく︑大河内氏による事後的な計算である占山を前提

としても︑第二章第二節でみたとおり︑一般的利潤卒の形成は︑部門内競争によるものではなく︑部門氏仰い紛争によるもので

あり︑論証の為には︑異種部門││例えば製鉄業と綿業││の

企業の業績を比較(それも可能な限り長期に)するプロセスが

不可欠と恩われる点が第一である︒更に第二点として︑計算の細部はさておいても︑lini‑‑

ー 口

Il

l1

近似

的に

一不

しう

のは︑消費された資本︹費用価格︺に対する利益の比率であっ

て︑﹁前貸総資本に対する比率﹂たる利潤率でもなく︑又︑自

己資本利益率でもない︑という点である︒加えて︑われわれが

必要とするのは当時の企業家自身による計算であるという条件

をも含めるならば︑われわれの観点からは︑﹁ビュウドリ相場﹂の事例を除外して考察を進めなければならないこととなろう︒

第二節アルピュアン製粉所

大河ー内暁男氏は︑近著円産業革命期経営史研究﹄(岩波書底︑

(5)

一九七八年)の第一部第二章において︑製造業で初めてウオツ

QEg

印巧由件︒の蒸気機関を原動機として採用し︑大規模な

製粉を一七八六年に開始し︑一七九一年の火災によって消滅し

たアルピュアン製粉所(﹀

5 2

ω

芯田

SEE

円宮巳)を考察の

対象とされている︒

ロ ン ド ン で 建 築 業 を 営 ん で い た サ ミ ュ エ ル

・ ワ イ ア ト

( ω

旧自

己∞

一巧

吋田

HH)によって企画がなされ︑ワイアトに加えて︑

ボウルトン(去三

5 2

句切

口己

g

)と

ウォ

ット

︑フ

レア

Q‑

HJ

12

品 ︑

ベイ

( Z ‑

切同窓凹)︹後にウルフ(君︒ロ)が参加︺とのパー

トナーシップが一七八コ一年に設立された︒当時約五

O O

の製粉

所があり︑大きいものでも石臼四基といわれた規模に対し︑ワ

イアトの一七八三年当初の基本計画によれば︑三基の回転機関

にそれぞれ八基の石臼(内二基は予備)計二囲碁ーーー石臼一基

当りの挽砕能力一時間六ブッシェル││︹実際には一基の回転

機関

︑一

O

基の石臼で開始︺というずばぬけた巨大規模の企業

であ

った

︒ 工場建設工事の進捗した一七八五年一

O

月にワイアトはボウ

ルトン宛に書簡を送り︑操業開始後の計画を次のように述べ

た ︒

﹁アルピュアン製粉所操業の計算︑

央機関について︒

親方

挽砕

工:

・:

・・

:

職長

挽砕

工・

::

:

︹最初に設置された︺中

利潤率と資本利益率について

of

00;;: 

挽砕工︑四人︑週一八シリングとして︹一年を五二週計算︺

一 八 七

・ 四 あら粉整粒工︑四人︑週一六シリング一':

'li‑‑:・同補助労働者︑四人︑週一二シリング一

一 九 一

︹二

九一

石炭︑六一七チョl

ドロ

ン︑

一二

0

シリングとして::

::

ム九

二六

書記および管理人

::

::

ji

‑‑

ji

‑‑

ij

i‑

‑‑

0

0

・ ー

蒸気機関︹特許︺使用料

ji

‑‑

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ji

‑‑

::

二 一

OO‑‑

機械技師︑週一ポンド一シリング)

一と

して

・:

一一

七・

l

労働者︑二人︑週一二シリング﹂

地代

ji

‑‑

‑‑

ji

‑‑

::

:・

・:

:・

・・

・:

::

:二

0

補修

費︑

照明

費等

・:

・・

・・

・・

・・

:・

::

ji

‑‑

‑ 一

0

建物の保険料

ji

‑‑

::

:・

ji

‑‑

::

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i‑

‑‑

二四

門番

::

‑j

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‑:

::

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::

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i‑

‑:

二六・ー

税金

等:

:‑

ji

‑‑

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i‑

‑‑

ji

‑‑

ji

‑‑

‑j

i‑

‑:

七六・二ハ:

門合計︺二︑六

O O

‑ ‑

六基の石臼で一時間あたり一ロ

i

ドの小麦を挽くとすれば︑

週(六日間﹀に一四四ロlド︹二四時間昼夜連続運転︺︑年に

七︑

OO

ロlド︹ここでは年五

O

週の計算︺となる︒そこで

上記の経費を前提とすれば︑一ロlドあたり七シリング三ペン

ス︹

1 h

N

8

0 +

NCC︺となる︒この金額に鮮運賃とパン屋へ

O

¥̲j 

一二

(6)

利潤率と資本利益率について

の発送費二シリング六ペンスを加えて︑

費は九シリング九ペンスとなる︒

これを一ロl

ドあ

たり

0

シリングと見ておくとして︑七︑

OO

ロ!ドを倉庫か︑り運び入れて︑製粉し︑︒ハン尾に売り渡

すまでの経費は︑一ロl

ド一

0

シリングの引で三︑六

C0

ポン

ド︹U

寸 ・

M

g x g x

l h

i

とな

る︒

N O L  

カlティス商会では小麦一ロ

i

ドあたりの経費を二つシリン

グと見ている︒一般に一口iドあたりの経費は一八ないし一九

シリングと考えられている︒:::一ロ

i

ドあたり一七シリング

︹の数値を︺取ることが出来るならば︑七︑二

00

ロ!ドでは

六︑

一一

0

ポンドになる︒この額かちきさに述べた経費三︑六

00

ポンドを差し引いて︑二︑五二

0

ポンドの利益があること

( 5 )  

にな

る︒

(6

V 

大河内氏が指摘されているように︑この見積り利益計算に

は︑原料小麦の価格も︑完成品である小麦粉の販売価格も含ま

れていない︹又︑建物の減価償却費も含まれていない︺︒従っ

て︑ワイアトが算出したアルピュアン裂粉一昨の見込利益二︑五

0

ポンドは︑原料小麦価絡を含まない業界平均加工費たる一

口!ドあたり一七シリングと︑アルピュアン製粉所のそれ︑一

ロiドあたり一

0

シリングとの差額の総計であって︑アルピュ

アン製粉所の見込利益の総額が表示きれているのではない︒現

代の用語に擬して言えば︑増分原価による原価比較法とでも表

現できる内容であり︑業界平均の加工費一七シリングで平均利

一 ロ

i

ドあたりの総経

一一

一六

滞在獲得しているはず︹この見倣しは常に成立するとは限らな

いが︺であるから︑見込利益二︑五二

0

ポンドは︑平均利潤を

越えて得られるであろう特別利潤

1

超過利潤であると見倣しえ

レ ﹂ で

7G

更にワイアトは︑この利益軒(を工場建設費に係わらせて次のように説明した︒

﹁建物そのほか付帯物のための費用︹固定資本U

を一

三︑

0

00

ポンドと見積もれば︑一口lトあたり︹経費を︺一七シリ

ングとした場合円と比較した場合︺に得られる利益三一︑五二

(7

) 

0

ポンド︺の割合は一九パーセント一

O

分の四になる﹂G

つまり︑﹁利潤卒﹂を算出し︑巨額な設備投資に対しても十

分ベイすると述べている訳であり︑大河内氏が解釈されている

7V

ように︑ワイアトの立場か︑hりすれば︑この特別利潤は︑活常の

製粉所建設とは比較にならない巨費を投下したことの効果に他

ならず︑しかもそれは︑投下資本に対する比率から見て十分に

高いので︑新技術を採用したための建設投資は採算にのると判

断した訳である︒

それ故︑資本家白身の見積り利低計算が︑設備投資決定の一

基準として算定されていること︑分子は超過利潤︹自己資本利

子の計算はされていない︺であり︑分母は固定資本(資金源泉

はパートナーによる出資)であることが期解できる︒分子の問

題を刷にすろと︑第二章第一節で問題とした川前貸総資本に対

する比率︑川固定資本に対する比率︑川費用価格に対する比

(7)

率︑の内︑仰に相当すろものといえよう︒それ故︑分子が超過

利潤である︹利益総額ではない︺点において︑分母に関してち

それが流動資本を含まない点において︑前貸総資本に対する利

益の比率としての利潤率とは別のものであり︑又︹自己資本総

額を示していない点においてプ自己資本利益率とも別のもので

あることが確認できよう︒

とはいえ︑何らかの利益額を︑何らかの資本額と対比させる

考え方が︑すでに一七八口年代に見出されており︑稜備投資決

定の一基準となっている点︑及び一般的利潤率を前提として見

積り計算を行なうという資本家の意識を反挟している点で︑重

要な事例と考えられる︒

第 三 節 カ ヴ ァ

lスヴァ文書

安部悦生氏は︑論考﹁カヴァlスヴァ文書について﹂(﹃一橋

論叢﹄第七七巻第六号︑一九七七年︑所収)において南ヴェールズ

のク

lシェイ家︿カヴァlスヴァ製鉄所︒司貯ユ

v p

H S

口 目

話︒円宮ほか数製鉄所の経営︑及び証券投資︑土地所有など広範

な活動を行なった︒)の記録史料ハ以下︑カヴ

71

スヴ

ァ文

書)

一八

01

七八年にわたって存在し︑ヴェールズ国立図書館に

照 幸 田 一 一 ' ア 対 算 一 一 回 叩

ω ω

白白川品

ω

2m

幻 お 幻 鈎 却 幻 お お 幻

m u

n u

m m

u m

ω m

m

一生ヴ﹂

借 計 一

・ 一 悦 ス て 貸 益 一 月

6 3 3 3 3 3 8

3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 1 1 1 1 3

一部{い 損付一

‑ m n u

は 日 比 昨 日 幻 げ

mmm

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お お 幻

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却 白 銀 回 出 お 一 白 内 吋 一 応

2'

日一年

m m u u m u u m m u m w m u u m m u u m u u m u u m m m

一⁝

おか

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表 表 の 一 一 (

﹁ 文 乱

利潤率と資本利益率について 所蔵されていることを指摘し︑その財務関係史料のうち︑主に一

八ニ

コ一

年の

貸借

対照

表(

以下

B/

su

︑損

益計

算室

同円

以下

P/

L)

の構造を分析することによって︑パートナーシップ会計のメカ

ニズムを解明されている︒︹本節では﹁総利益﹂︑﹁利潤﹂︑

﹁純利益﹂の用語は安部氏の用法を踏襲する︒︺

ウィリアム・クロlシェイ一世(巧

5 E

B

の吋

担当

岳山

一ア

E

i H

ωむの経営期におけるB/S(いわゆるイギリス式ではな

く︑借方に資産︑貸方に資本・負債安置く﹁大陸式﹂)及び

P /

Lの決算日は表2のとおりであり︑概して一一一月末の一年決算で

あった︒カヴァlヴァ文書において特徴的なことは︑決算日の

周年同月間日に二種類のB/Sと

P / Lとが存在した事実であ る︒さしあたり標準的とみなされる一八二三年のB/S︑

P /

Lを示すと表

3

のとおりである︒結論的には︑二種類の

B/S

は︑減価償却前

B / S︑減価償却後︹自己資本利子算入後︺B /

Sであり︑二種類の

P / Lは︑減価償却前

P / L︑減価償却

後・自己資本利子控除後

P /

Lで

ある

B/Sの資産合計値の差二︑一八六ポンド余は

│l

以下

︑計

算の詳細については表4を参照のこと││吋

3 5

z g

︿設

備資

一二

(8)

3

貸借対照表,損益計算書の実例 (単位:A

, 

s

, 

d)  Cr  Dr  Balanc:s29 th March 1823 

Folio 

Folio 

143130.  7.10 溜 1 Premises 

2 Do at Cardiff  3 W C   5 W C Jr  44 John Morgan  102 Coal advances  104 Mine Do  108 Forge Do  116 John Christie 

82307.14.  0  2000.  Q.  0  39.  8.  7  139.  0..6 

9.  5.  5  256.  2.  1  7591.10.  8  105. 

O .  

7  119.  9.10 

1 . .  

223 Freehold Premises at Cyfa 

6396.  8.10  236 Blacksmithswork  1000. 

O .  

0  256 New House  2089.  6.10  267 New aqu

ヨ 巴

uct 261.  2.10  288 Farms  2155.15.  6  290 Gunpowder account  191. 3.  4  301 Works' Stable account 

4457.10.  4  304 Castings Do  174.12.11  307 Limestone Do  151.18.  9  312 Common Charges  1000. O. 0  314 Bar Iron  82709.  O. 3  322 Rhydycar & Wern Farms 

518.18.  6  326 Shop Do  666. O.  7  330 Coke Do  2387.  6.  8  335 B1ast Furnaces Do 864.18.11  338 Refining furnaces Do 389.12.  4  341 Lamp Oil  151.10.  5  344 Finers metal  5182.16.11  347 Mine acount  985. 1.11  367 Timber Do  1710.11.  7  373 Cash  108.  9.  2 

206

748.13.

PLW C  PL W C Junr 

16 Peirce & Co  36 H Pricard & Son  38 Dane Lea  50 Buckle & Co 

4000. 

O .  

0 率 9300.19.  5 ~

l42.  7.  6

50.14.  7 手目

A山」

756.14.  1 率 130 Dd Phi1lips  つ

140 Bi1ls Payable 

122.  5.  0 ¥、 2337.13.  7 て 166 S Enderby 

Son  298.  9.  9  180 Lord Dyicevor 

181 John Richards 

455.17.  3  455.17.  3  192 Penydarran Iron Co  128.15.  9  227 Bi1l accoun t  147.  9.  0  242 W m  Tgue

3 3

1.10.  9  262 Glamorganshire Canal. 

c o  

553.13.  5  276 W m  Vaughan  198.11.  0  371 Hirwain Work  1752.  5.  0  379 Leigh & George  163.  4.  5  381 R & W Crawshay & 

c o  

5857.10.  0  Balance  35345.10.  2 

A 206, 748.13.

J¥ 

(9)

利 潤 率 と

資本

11

Dr  Folio 

1 Premises  2 Do at Cardiff  44 Jno Morgan  102 Coal  advances  104 Mine Do 

Balances 29 th March 1823  Cr  Folio 

80300.  O.  0  PL W m  Crawshay  166485.15. ~

2000.  O.  0  PL W m  Crawshay Junr 

13803.19. 2'  9.  5.  5  16 Peirce 

Co  9300.19. 5‑ 256.  2.  1  36 M Prichard 

Son  142.  7.  ()  7591.10.  8  38 De Lea  50.14.  7 

~ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : I  

381 R & W Crawshay & Co 

I‑ ‑ ‑

5857.10.  0 

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一

~

;e 204, 562.  9.11  ;e204

562.  9.11 

Dr  Profit & Loss 29 th March 1823  Cr 

Folio 

231  Interest account  716.  7.  6  244 Rent Do  5000.  O.  0  245 Salaries  1207.15.  0  290 Gunpowder account  66.  4.  1  312 Common Charges  3065.10.  8  326 Shop account  176.  4.11 

3 3 8  R e f i n i n g  f u r n a c e s   3 3 3 6 . 1 0 .   0 

B a l a n c e   3 5 3 4 5 . 1 0 .   2 

/  / 

i /  

;e 48,914.  2.  4 

Folio 

72 Clay account  67.10.  5  288 Farms  160.  4.  6  294 Workmens Houses  822.10.  1  298 Fines  39.10.11  304 Castings  1078.17.  3  307 Limestone account  277.18.  7  314 Bar Iron  10337. 1.  4  317 Lime Kiln  225.  6.  ~

330 Coke account  1472.19.  4  335 Blast Furnaces  13837.12. 3:  344 Finers mβtal 

347 

Mi

ne account  351 Fire bricks  361 Coal aCCOUl1

11409.18.  7  4149.  7.10 

268.10.  (}  4763.  2. s 

;e 48

914.  2.  4 

(10)

Cr 

利潤率と資本利益率について

67.10.  5  160.  4.  6  822.10.  1  39.10.11  1078.17.  3  Folio 

72 Clay account  288 Farms 

294 Workmens Houses  298 Fines 

304 Castings  Profit & Loss 29 th  March 1823  Folio 

1 Premises  2007.14.  0  231 Interest account  8072.17.10  244 Rent Do  5000.  O.  0  245 Salaries  1207.15.  0  290 Gunpowder account  66.  4.11  Dr 

338 Reningfurnaces  3336.10.  0  PL W m  Crawshay  16238.  6.  2  PL W m  Crawshay Junr 

9742.19.  8  361 Coal account  4763.  2.  8 

. e

 

48

914.  2.  4 

£48,914.  2.  4 

1.  Cyfarthfa Papers, Box 12 (ーす需大図畜館所蔵マイクロフィルム〉

より引用。但し,細部につL、ては制略した。

2.  項目が多数の為,最初の5項目及び100ポンド以上の項目に止めた。

3.  2番目のB/S,P/Lにおいてほ 1番目と同じ部分についても

省略した。

0.主〉

と解される)の差二︑

00

七ポンド余︹減価償却費︺で大部分

説明され

‑ 7 る ︒

P/L における宮ぢお弘田口口

Z

己(利子勘定︒

借方に支払利息︑貸方に受取利息を記入)の差七︑三五六ポン

ド余は︑減価償却前

B/S

E

L (

甲守

丘四

z r

句 秘 密 元 肢

の略と解される︒安部氏の解釈に従うと自己資本)の合計一四

七︑一三

9

ポンド余に五%を乗じた結果と一致し︑秘密元帳に

おける資本利子とも一致するところから︑自己資本利子と解さ

れる︒又︑償却前

B/S 借方の当

ρ

当︒

一﹁

円は

︑ウ

ィリ

アム

クロ

lシェイ一世︑同二世の出資者負債と解される︒そして︑

g g

(

総利益)から減価償却費を控除して純利益が算出さ

れ︑更に純利益から自己資本利子を控除して﹁利潤﹂が算定さ

れる訳である︒かくして︑

︹ 国

¥ ω

︺議法院U

務当

﹂除

古田

H E

S )

露首藤生時

1

lH

坊さ

l同 州

同 開 M m

酬同十医均株除剤

lm

刊湾サ州問惑十淫均時ぴ'繭

︹戸

¥円

︑︺

香川

三除

1

当﹂

l露首謀当瑚

lE

目減M

甘さ 山市 十﹁ き議

L

と関連が把握される︒

なお︑安部氏の指摘に土れば︑一八一二年以前には自己資本

利子の計上はなかった(理由不明)という︒一八二二年以降では

自己資本利子は︑期末の償却前

B/S

における自己資本ハ出資

者持分)に対し

l l

期首の自己資本に対して算定

L

ている場合

もあるという│[この当時は五%(第一章の表ーにあるよう

(11)

各 項 目 の 関 連

表4

f :  

s d 

178.  9.  1 

Aunu‑U

4

nu

4

A 

1 t a

τ

4

t

n

vniUUnuqund‑nu 

L n u

ワ 白

o

n

11 

Premisesの差 出 資 者 負 債

Premises

利潤率と資本利益率について

f :  

206

748.13.

t i

ム =

ー ︐ A

‑ =

‑‑‑= 

ハ ヨ

qδ=

=  

hu=

ハ り

O

= Fhυ‑t

ゐ =

' E

・ =

4‑

=

=

η

z

↑・z

資 産 会 計 1 1  資 産 差 額

f :  

s d 

8

072.17.10 

‑716. 7.  6  7,356.10.  4  利 子 勘 定

11  自己資本利子

f :

s d  

f :

s d   147,130.7.10XO.05 7,356.10. 4 

f :  

s d 

7,356.10.  4  自己資本利子

f :   s 

35,345.10.  2 

B a l a n c e C

総利益)

減 価 償 却 費 E

ム ‑ ‑ ‑

O‑22 

E

υρ

=

‑4a

4

・"

4

1 B 4

an

一 一

oo

q

δ

J‑ηδ

︐ .

︐ =

 

wbqJ= 

nL

=

ìl~JJ

HHH4 

4e

l

‑ 2

007.14.

33,337.16.  2 

手 益

車抱

T o t a !  

1m Crawshay 

J

r.  Crawshay 

W m  

f :   s  d 

147

130.  7.10 

A :  

s d 

4,000.  O.

A :  

s d 

143,130.  7.10 

償却前

B/S

‑178. 9.  1  146,951.18.  9  139.  O.  6 

39.  8.7  出 資 者 負 債

4一

l o

‑ ‑

14‑ti

AV‑GURU

4 4

1i

11

6

8

1

9d一日 U 0 6

oo

QU quQd

岨︐

︐.

E

7F45

O

F

b ワ ム h Q U

T i

i  

3,860.19.  6  200.  O.  0  4,060.19.  6  9,742.19.  8  7,156.10.  4 

150

247.  9.  7  16,238.  6.  2  166,485.15.  9  143,090.19.  3 

持真

自己資本利子 小 計

「利 j問」

一 一

(注)安部悦生「カヴアースウゃア文雪について」より作成。

13,803.19.  2 

償却後

B/S

(12)

利潤率と資本利益率について

に︑一七一四

1

一八

一二

三年

の法

定利

子率

は五

M m )

を乗じて算出

されている点︑及び出資者が個人的な支出にあてた部分は︑出

資者負債として期末に持分帽明から控除されている点を確認しう

る︒とれらは︑ポラ

i

ドの次の指摘とよく照応している︒

﹁期

末に

各︒

l

トナ

i

は︑自己資本利子安貸方記入され︑そ

れから残りの﹃利潤﹄合

2 2

G E

6

が一定の割合で:・:配分

され︑そのパートナーの勘定に貸方記入された︒しかしなが

ら︑配当や︹自己資本︺利子は支払われないで︑自分の生活費

︹等一一を賄うためにパートナーによろ不定期の引出しが許され

ていたが放に︑実際の資本持分は︑絶対額においても︑パート

ナーの他のパートナーに対する持分の比率においても︑最初の

( 8 )  

きりのよい金額から離れた︒﹂

P/L

の構造についてみると︑部門別損益計算の結果が

P /

Lに集計されていることが理解される︒例えば︑司己目︒ハ丁数︑

頁﹀一一八八の農場におけろ収益マイナス費用で当年度は一六

0

ポンド余の利益をあげており︑

P/L

の収益側(貸方﹀に記入

されている(損失であれば借方に記入される)のである︒切

m q

r c

p

巴百

円匂

MM吉田円︒田等︑一応製造工程別と解される部面で

も部門別損議計算が行なわれており(従って振替価格の採用の

可能

性)

︑ P/L

にお

Fいて託各部門の利益・損失が集計された 上で︑企業全体にとっての費用である地代月四三︑共通費

︒ 0

5 5

8

U

出 お V

g

等が借方に記入され︑総利益回目‑白口円四が

算出されている訳である︒この部門別損益計算が︑当時かなり

一 一

一般化していたと推測される点についてはストーン(司・開・

(9

) 

ω H

D 5

﹀の研究を参照されたい︒

B/S

︑P/L

の分析を経て︑安部氏は︑﹁南ウェ!ルズ製鉄

業における経蛍活動の分析││クロ

i

シェイの事例1iL

ハ ﹃ 社

会経済史学﹄第四二巻六号︑一九七七年︑所収﹀において︑カヴアースヴアの自己資本利益率市民団﹂十回口崎品開了乞表

5

のよ

﹁ ポ 芯

E

うに算出し︑更に再投資率を算出して︑両者を基軸に︑ダウラ

ス製鉄会社ハゲスト家)との相違を︑

﹁一

八豆

0

年代及び七一い)年代における荷企業の収益性の転倒

は︑その根本原因を鋼鉄生産への推転︑高炉生産力の増大等を

目的どしだところの投資活動の相違のうちに求めることができ()

るの

であ

る︒

と結論されている︒

われわれにとっては︑オリジナル・デlタにおける利潤率又

は資本利益率︑つまり当時の資本家自身による計算が必要であ

る故︑表5が安部氏による事後的な計算であることを確認して

おこう︒次に

B/S

から固定資本

( E

E

一︑

二︑

及び

ニ二

一二

二三六︑二五六︑二六七がこれに該当すると想定)の比率を算

定すると︑四五・五%(償却前

B/ S)

︑四六・

OM(

償却後

B/S)左求められる︒又︑償却後

B/S

から自己資本比率を

求めると八八・一筋の数値が得られるのである︒

第四節一八三三年の特別委員会報告書

一八一一一三年八月一九日に︑﹁製造業︑商業︑及び海運業に関

(13)

単 位 : %

年・月│

A  B  1

年・月│

1813

3 ‑11.2*  ‑8.8*  1839

6 23.6  12.1  1814

3 4.8  4.8  1840

6 18.3  7.1  1815

3 9.1  9.1  1841

6 5.4  3.7  1816

3 4.4*  4.7*  1842

6 0.2  1.3  1817

3 1843

3 0.0  ‑1.6  1817

8 5.5*  5.6*  1844

3 0.0  2.2  1818

10 ‑ 11845

3 1.1  6.5  1819

3 96.4*  96.4* 

1846

3 50.9  24.0  1820

3 11.6  11. 6 

1847

3 49.8  22.5  1821

3 1.4  2.3  i 1848

3

22.8  14.7  1822

3 9.6  12.4  I 1849

3 2.4  2.2  1823

3 15.2  20.3  1850

3 ‑0.1  1.2  1824

3 8.4  17.4  1851

3 ‑0.0  1.2  1825

3 11. 2  ‑0.2  ‑0.4  1826

3 12.6  20.4  I 1853

3 25.6  12.3  1827

3 5.3  5.1  1854

3 54.9  23. 7 

1828

3 7.5  14.9  1855

3 25.6  11.1  1829

3 5.8  8.7  1856

3 37.7  18.4  1830

3 2.1  2.0  1857

3 65.0 

1831

3 2.9  2.9 

1832

3 0.0  ! ‑9.8  1870

3 6.8  3.4  1833

3 1871

3 7.4  6.8  1834

3 19.0  I 24.6  1872

3 4.8  1873

3 6.7  C  1874

3 ‑9.9  ‑5.2  1835

3 7.9*  4.9*  1875

3 ‑20.3  ‑14.2  1836

6 11.1  9.8  1876

3 ‑22.3  ‑18.0  1838

6 22.5  14.0  1877

3

1838

6 16.3  8.7  1878

3 ‑13.1*  ‑12.9* 

カヴアースヴァの自己資本利益率

表5

)

する特別委員会報告書﹂(以下︑特別委員会報告書と略称﹀が下院

に提出された︒報告書の冒頭には︑次のように記載されてい

w

﹁当特別委員会は︑連合王国における製造業︑商業︑及び海

運業の現状を調査するために︑及︒ひそれに関する自らの意見と

原典:Cyfarthfa Papers

, 

Box 12

, 

Box 14 and Ledger.  備考:(l)A : Wil1iam 1

, 

Wi1liam II

, 

Robert (Cyfarthfa) 

B : Cyfarthfa全体 C : Crawshay Group 

(2)以上は年利益率であり,月数は考慮したが日数は考慮

外である。

(3) *を付した年度については,史料上の制約のため,分

母の資本の一部に他の数値を代用している。但しかか る操作が利益率に与える影響は無視しうるほど僅少で ある。

引用:安部悦生「南ウェーノレズ製鉄業における経営活動の分

J

p.  61. 

観察の結果を議会へ随時報告するために任命された︒そして当

委員会に対し︑トレイド及び製造業に関する現在の会期に議会

に提出された夫々の請願が付託された︒そして当委員会の商前

で行なわれた証言の議事録を報告することを︑当委員会は権限

付託された︒当委員会は︑当委員会に付託された事項を調査

利潤率と資本利益率について

一 一

一 一

(14)

利潤率と資本利益率について

し︑夫々の証人を召喚した︒そして証人はその証一一言を議会へ報u

(

止口

する

こと

に同

意し

た﹂

︒ 五月十四日から開始された証人尋問を手掛りに︑利潤率

︹吋丘町丘町円︒去を序で述べた用法に従えば利益率と訳出すべ

きであるが︑その内容白体を検討する局面でもあり︑前章との

関連を考えた場合訳し分けに微妙な場面もあるので︑本節では

利潤率に統一した心又は資本利益率に関連する証言を検討す

ることによって︑いま一つの照射の素材を提供したい︒業種は

製造業を中心として検討するが︑必要に応じて商業︑海運業に

おける利潤率・資本利益率にも言及する︒

なお︑種々の業種の証人がれ盆場すろため︑当時の経済状︑泌を

概観しておくと︑一八二五年のプ

i

ムを境に不況局面に突入し

(

) ( M

ており︑農業不況︑商業全般の不況︑金本位制への復帰(一八

二一年)に端的に示される政府のデフレ的貨幣政策と小額紙幣発行の動︑吏に国内での企業防競争の激化に加えて︑アメリ

カ︑プロシア等の後進資本主義国との国際間競争の激化等によ

って若干の例外(証言から判断する限り︑例えばキャラコ捺染

業︑↓建築業﹀を除けば︑業績悪化を訴える企業が殆んどであ

る︒又︑全ての証人が企業形態に関して応答している訳ではな

いが︑証言に拠れば︑及び第二章第一節で既述した理由から

も︑個人企業又はパートナーシップ企業と判断される︒

利潤率に関しては全ての製造業者が言及している訳では勿論

ないが︑⁝かなり多くの製造業者がその証言の中で言及してお

り︑利潤率が当時一般的な概念であることがわかる︒例えば

4 Z

回目白口円円︒ロ(建築業﹀は次のように証言している︒︹以

B

下︑証言番号︑委員会の質問︑証人の回答の順で引用する︒︺

﹁一八二八︑建築業者はトレイドの増加に比例して彼等の利

益&増大させてきましたか?もしそれが建築業者が利益のパ

ー セ ン ト 公 官

R

S S

a H V B R )

︹利潤率の意か︺を増大

させたかとうかを開くことを意味しているならば︑私は否とい

いたい︒しかし彼はその事業をずっと良い仕方で行なってお

り︑その結果︑自分の資本額に対して彼がかつて支払った

︹司同三口問:;:受取ったと同義︺よりもより多く︹の利益額︺

を彼自身に支払っています︒例︑えば︑かつては自分の資本に対

して

OM

︹の利潤率︺を生み出していた一人の建築業者が︑

現在では一つ又は一二︹%の利潤率︺より多くを生み出しては

いません︒しかし彼の資本の思慮︑深い使用によって︑そして彼

の資本︹額︺の増加によって︑彼は白人刀が行う事業量を増加さ

(

せ︑自分の収入を増加させています︒﹂

彼の

証言

は︑

寸叩

H O

B S

V B

冊目(卸服地荷)の証言

ご四二八︑(質問省略﹀私は常に利潤率

( H

Z S

B C

] V

H C E )

と利

益総

額(

岳町

田四

四円

呂田

仲叩

5

0 5

円︒

同賞

︒由

︒と

を区

別し

います︒利潤率は減少するかもしれませんが︑トレイドのより

良いシステム︹在庫の減少︑信用の短期化等︺及びその他の事

( )

情が利潤率の減少を相殺するかもしれまぜん︒﹂

と重ねれば︑利潤率の低下と︑使用資本額の増加等による利益額

(15)

の増大とを意味しているものと理解できる︒以下︑綿業︑綿業

の一部のキャラコ捺染業︑亜麻紡績業︑絹織物業︑製鉄業の順

に利潤率・資本利益率えは利益に関連する証言を引用してみよ

町田

内民

話回

目白

目白

可(

引退

した

ジェ

ネラ

ル・

l

チャ

ント

)﹁

五一︑[綿︺紡績業における利潤率は︑大いに︹機械の︺改良の

導入一に依存しており︑個人が改良の利用の優先を獲得するのに

従って種々の設備毎に異なっているのではありませんか?そ

れ口利潤率︺は常にそのこと円改良の導入︺に依存しており︑

個人が可能な限り平く改良を行なわない限り︑彼の損失は︑そ

れ︑つまり被の︹改良の︺無視によって増大するでしょう@し

かし︑それ︹改良︺が常に利益をもたらすとは限りません︒かなりの改良が導入された場合ですら︑他の事情が利潤率を減少

(

)

させる傾向にあるかもしれません︒﹂

田町

ロ弓

c己 ︻

同 問 看

R S

(

綿業)﹁五一九

O

︑あなたは︑その

︹綿業︺トレイドの状態が現在どうであり︑過去二年間にその

状態はどうであったと思いますか?私はそのトレイドが利益

に関する限り︑極端に悪かったと考えます︒:::﹂

dq

町田

自の

EFY

己申

吋(

綿業

)﹁

五一

一一

六五

︑グ

ラス

l

及びその近隣におけるそれら一一つの事業︹綿紡績業と力織機織

布業︺の状態は︑現在の利益についてどんなですか?現在そ

( )

れらは︑両方共勿論低いです︒﹂

d

己目

回目

河町

g o

‑ g o

居間

(綿

業)

﹁一

一五

囚二

利潤率と資本利益率について 一八二六年 以来の︹綿︺紡績業における低利益︹率︺はかなりの程度一八二四年及び一八二五年︹のブiム期︺における工場建設の投機

( )

に帰しうるのですか?私は非常に著しいと言いたいです︒﹂

8

円問

︒∞

白山

神宮

(綿

業﹀

﹁九

O

C

︑あなたが精通している

綿紡績と織布部門におけるトレイドの現状はどんなですか?

それは下降しています︒そして私は︑紡績トレイドが利益を生

( 勾

まないと考えています︒﹂

同﹁九二ハ二︑その︹昨年中頃までの︺利益は︑慎重な人が

それ円トレイドμを開始する程に十分でしたか?私は︑それ

が︹紡績と織布の両者を︺結合した事業部門ではそうであり︑

(

)

分離した部門ではそうでなかったと考えます︒﹂

以上の証言から︑綿業では一八二六年以降の利潤率の低下︑

それへの対策として機械の改良︑紡・織兼営化ハ織布では力織

機の採用)の方向性が検出しえよう︒

綿業の一部であるが︑キャラコ捺染業では次のように業績の

好転が述べられている︒

﹄ 曲目

g

H

Z 5

ロ(キャラコ捺染業)﹁三五三九︑捺染トレ

8

イドの現状についてのあなたの意見はどうですか?私の意見

は︑過去六年間三八二八

1

一二

三年

μの他の部分門最近一八カ

月を除いた部分︺よりも︑現在及び最近一八カ月がより繁栄し

た状態にあるし︑なってきたということです︒つまり︑より安

定した需要及び正当な公包る報酬を与える価格が存在し︑そ

れ︹事業︺に参加している全ての人々により良い雇用が存在し

(16)

利潤率と資本利益率について

( )

てい

ます

︒﹂

又︑同じ紡績業でも︑亜麻紡績業の場合は平均的利潤︹率︺

を指捕しており︑又︑絹織物業では比較的業績良好のようであ

る ︒

し ﹁OV

ロ認

知門

田町

即日

目︿

亜麻

紡績

業)

﹁二

四二

六︑

全体

とし

て︑

場に使用された資本は︑︹亜麻紡績では︺相当生産的である

と︑あなたは考えますか?私は︑それ︹資本︺が全体をとれ

ば︑他の事業と比較して平均的な利潤︹率︺をあげてきたと信

(

)

じま

す︒

dS

H

町田

自民

国吋

i H M g

(

絹織物商人)﹁四九二九︑あなたは︑絹

織物業における資本家への利益に関する情報を与えることがで

きますか?私は︑絹トレイドの織布部門公宮

B g c p a R P

‑ A

岱 叩 冨 ー

g

g

同)について︑ぞれが利益を生むトレイドにな

ってきており︑大変増大しているトレイドになってきているこ

とを︑背定的に述べることが出来ると信じています︒しかし︑

私は他の当事者から得られた一般的知識からのみ述べていま

)

す︒

製鉄業に関しては︑ ﹂

﹀三

O

司回

目口

(製

鉄業

)﹁

O

二四一︑︹あなたが述べた︺

その見積りから︑当委員会は︑あなたが非常に巨額な資本を仕

事に使用していると理解します︒その資本は︑最近あなたに十

分な利益を与えていますか?私はいいたいのです︒確かに違

(

)

いま

すと

︒﹂

一 一 一 一

向﹁

O

O

三︑(質問省略)疑いもなく︑︹資本に対し︺

何の利益もありませんでした︒私は︑昨年は何らの︹自己資本︺

(叩品﹀利子もなく︑損失を蒙ったと述べたい︒﹂

当三

山田

自民

富田

ヴロ

吋可

ω

V R B J

司(

製鉄

業)

﹁一

O

七四六︑あな

たは︑行なわれてきた鉄の価格の上昇が︑今や報酬を与えるよ

うな利益をもたらしていると考えますか?私は︑そうなりつ

つあるとは考えません︒スタンフォードシャ中の鉄トレイド一

般をとるならば︑それが正当な利益をもって︹自己資本︺利子

を支払うのに十分な報酬を可能にし︑そして又︑消費された資

産価値における減価︹償却︺をカヴァーする為の年間︹利議︺

金額をとっておくことを可能にするトレイドで現在あるとは︑m

)

私は

考え

ませ

ん︒

従って︑製鉄業では︑減価償却︹費︺及び自己資本利子を賄う

に足る利潤率をあげていない状態にあることが理解される︒

次じ︑当時の資本家・企業家が︑どのように利潤率を算定

し︑具体的に何

M m 程度を良好と見倣しているかを可能な限り探

って

みよ

う︒

カヴ

l

スヴァでは︑利益を︑他人資本への利子は勿論︑自

己資本利子及び減価償却費の両者を費用に含めて控除した後の

利益(﹁利潤﹂)で把援していたことは既に検討したとおりであ

る︒しかし︑特別委員会における証言から表6

に 纏 め た よ う に︑カヴァlスヴァのタイプ︹

E

︺が全てではないのである︒

建物・機械の減価償却と自己資本利子の両者とも既に認識され

(17)

利潤率の計算方法

イ プ 人 名 │ 業 種 │根拠の証言│

1.減価償却前・

J o h n

i a r s h a l l

13E麻紡績業

2 4 4 5  

自己資本利子控

R o b e r t  B a r r y  

造船業

6 0 4 0

, 

6 0 4 1  

除前

Henry T a n n e r  

海運業

6 6 8 1  

i h m m  

製鉄業

1 0 4 0 1  

W

i11

iam H .   S p a r r o w  

製鉄業

1 0 7 4 6  

海運業

2 5 2 3  

2  I 

自己資本利子控

J o h n  Ewart 

商業

4 1 4 8  

除前

J o s h u a  M i l n e  

綿業

1 0 9 9 7  

ill. 減価償却後・

Kirkman F i n l a y  

引退した商人

1 1 7 9  

自己資本利子控

W

i11

iam Graham

, 

J  r .  

綿業

5 5 4 7

, 

5 5 4 8  

除後

J a m e s  A i k e n  

海運業

6 9 9 9

, 

7 0 0 0  

表B

利潤率と資本利益率について

(1主)1.  Retorts from the Select  Committee on ManIfactures,Commeγce,  and Shitting

, 

1833.より作成。

2 .   i n t e r e s t  o f   c a p i t a l

を自己資本利子正解するのは問題ないと思うが

i n t e r e s t  o f   money

の場合も自己資本利子と解した。

3 .  

※1.証言

6 5 9 9

では減価償却後。

※2.減価償却費については推定。

てはいるが︑河者共費用に合めずに利益を算出し︑資本額(こ

の内容については後に検討する︒)との比率を算定し︹減価償

却前・自己資本利子控除前の利潤率の算定︺︑その利潤率が︑

減価償却や自己資本利子を賄うに足りるものかを考えるタイプ

︹I︺︑減価償却費については費用に含めて利益を計算し︑利

潤率を求め︹自己資本利子控除前の利潤率︺︑その利潤率で自

己資本利子を賄えるかを考えるタイプ門E︺が︑他に存在して いるのである︒業種別にみても表6から判断する限り︑製鉄業 ではタイプIのみであるが︑海運業ではタイプIIEの全てに

亘っており︑綿業でもタイプ

ElE

に分散している︒つまり︑

最終的な経済的効果については同一であるとはいえ︑減価償却

︹費︺と自己資本利子を費用として把握するか︑利益として把

握するかについては︑一致が見られないのである︒この点に留

意しながら︑次に︑具体的にどのようなパーセントが問題とさ

れているかを検討してみよう︒

先ず利潤率の下限であるが︑減価償却費を費用に折り込み済

の場合は︑自己資本利子︹一八コ二二年に部分的緩和があった

が︑法定利子率は五%であり︑自己資本利子率を五%とする企m

) ( )

業家が多いが︑四

u m とする企業家もあったむが下限として把

握可能であろう︒つまり︑︹減価償却後︺自己資本利子控除前

の利潤率であれば︑四又は五%であり︑自己資本利子を支払う

と純利益ゼロとなってしまう率が想定される︒例えば︑

g s

‑ c

z g

弓(手形仲買業)﹁一一一一四︑もし二

O

00

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