研究ノ l 卜
利潤率と資本利益率について
(二・ウ)冗﹀
高
I 甫
忠
彦
日 次
第三節カヴァlスヴ
7文書
第四節一八三三年の特別委員会報告書
小 括
︿ 以 上 本 号 )
序
第一章利潤率に関する学説史的検討
第一節利子率と利潤率・
第二節アダム・スミス 第三節デイヴィド・リカードウ 第 二 章 利 潤 率 概 念 第一節マルクスの利潤率 第 二 節 一 般 的 利 潟 率 ( 以 上 第 三 三 巻 第 四 号 ) 第三章個別企業の事例研究
第一節﹁ピュウドリ相場﹂
第二節アルピュアン製粉所
第三章個別企業の事例研究
第一章・第二章における一応の学説史的検討を終えた現在︑
われわれにとって必要なことは︑個別企業における実務につい
ての認識であり︑又それを挺子としての第一章・第二章で得ら
れた知識の再吟味である︒しかし︑利潤率又は資本利益率に関
して産業革命期イギリス企業の個別事例を取り扱った研究は︑
残念ながら極めて少ない︒本章では︑筆者が捕捉しえた研究業
利潤率と資本利益率について
利潤率と資本利益率について
績のうち︑産業革命期イギリスの経営史的研究を精力的に発表
されている大河内暁男氏︑及びイギリス鉄鋼業史研究の一環と
して会計的側面まで研究されている安部悦生氏の研究業績に依
拠し︑かつ一八三コ一年の﹁製造業︑商業︑海運業に関する特別
委員会報告4品己の若干の分析を通じて︑上記の諜題に接近する
こととしたい︒勿論︑利潤率ないし資本利益率に関して算出し
た(又は算出可能なデiタを提示した︺他の研究も存在してい
(l
)
るが︑後述のように︑減価償却費︑自己資本利子等の処理につ
いて原資料まで遡って検討を要すると判断される故︑小稿では
割愛
した
︒ 第一節﹁ビュウドリ相場﹂
大河内暁男氏は︑その著﹃イギリス経︑従史研究
l1
国内市場
の研究
li
﹄ハ岩波書底︑一九六三年﹀の第三掌において︑ィングランド産棒鉄のピュウドりを媒介地とする市場での一七三
0
年代に成立した一般的な相場(屯あたりほぼ一六ポンド﹀に関す
る二つの計算例を紹介されている︒
一つは製鉄業者の利害を代表する匿名のパンフレット吋言
﹄﹁
ミミ
町民
口︑
︒芸
品同
切コ
芯詮
唱
i﹁ 芯
白 色町 ﹂
守 白河
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同町
︑向
︒円
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弘
H F L弓
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﹃口
b s
同 書︑HH
白 目 白 い 可 ハU03
包恥
旬︑
ぷ・
(H4N
印 コ
8h
明野居}討す)で
︹棒︺鉄一屯は一六ポンドの価値がある︒内訳︑
A燃料代︑鉱石代︑作業場賃借料合計︑約四ポンド五シリング
B労 働 ( 九 ポ ン ド ) )
一の
費用
約一
一
C管理(の
R
ユ間
関白
)(
二ポ
ンド
一五
シリ
ング
こ
一 一 一 一
ポンド一五シリング
合計︑二ハポンド
とする内容である︒
いま一つは︑ョ!クシャの大製鉄業者ウィリアム・スベンサ
l (
巧
巳 U
S ω
日
U
8 8
G
の一七一二七年におけるメそである︒
ヨークシャの製鉄所での︹棒︺欽一屯について
日新
一一
ニコ
lズ(伐採費その他費川を除く)
ポ ン ド シ り ン グ ペ ソ ス
一一
了一
八
‑ O
Q
シ リ ン グ ペ ソ ス
鉄鉱
山借
区料
(河
口百
円門
司﹀
ゴ一
・
0
ム ハ)
一 日
・
0
ハ )
裁鉄所で用いる石炭代
0
・0
六}製 鉄 所 賃 借 料 一 二
・
0
六︹ 小 計
︺ 四
・ 一 回
・
0
六裁鉄所において発生する屑分として︑︹棒鉄一屯につき︺
一ハンドレッド・ウエイト分︒この金額四ポンド一四シ
リング六ペンスのニ
O
分の一を加算する︒ 四 ・
0
九ヨ
i
クシャで売られる棒鉄一屯について︑ジェントルメンポ ン 下 シ り
γ
グ ペ
γスの取得分は
‑j
i‑
‑:
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i‑
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::
ji
‑‑
‑
同四・一九・三
b伐採︑束薪︑焼山灰費(一三コl
ズあ
たり
﹀
一 7
0
九・
00
鉄 鉱 石 探 鉱 費・ 二 一 了
高炉工︑鍛鉄所工︑裁鉄所工︹の賃銀︺
一・
一一
・
書記の給料︑煉瓦焼工︑大工︑鍛冶工︹の賃銀︺
[ 小 計
︺ 五 . 一 裁鉄所において発生する屑分として︑片山棒鉄一屯につきμ
一ハンドレッド・ウエイト分︒この金額五ポンド一三シ
リングのニ
O
分 の 一 を 加 算 す る 五
・
O
六一屯あたりの労働の費用・
:j
i‑
‑‑
‑‑
‑E
e‑
‑‑
五・一八・六
c鉄鉱石︑木炭︑銑鉄︑石炭の管理費︑︹棒鉄︺一屯あたり
こ
・ 一 七
・ 六
裁鉄所において発生する屑分として︑︹棒鉄一屯につき︺
一ハンドレッド・ウエイト分︒この金額二ポンド一七シ
リング六ペンスの二
O
分のてを加算する二
・ 九
︹管 理費 計︺
::
ji
‑‑
・・
・・
::
ji
‑‑
・:
・土
700
・三
管理 費を 含め ての 鉄の 生産 費'
・;
・:
・・
・:
・: 一三
・一 八・
o
したがって︑この実現さるべき価値およそ一四︒ホンドは︑一
般に次のように配分されることになる︒
ジ ェ ン ト ル メ ン の 取 得 五 ポ ン ド } 十 一 一 四 各 種 労 働 者 六 ポ ン ド 一
一ポンドジェントルマンの賃借人たち令色旧三回)一一一ポンド}
とする内容である︒
企業形態については言及がないが︑一七三
0
年代という時期から判断して︑マニュファクチュア段階の個人企業︑又はパI
利潤率と資本利益率について
製 鉄 費 用 概 算 一 覧
例1: Interest of G.B. 例Eス ペ ン サ ー の 計 算
製鉄費費 用 計 算 左取得の者費 自 の
の 目 額 額
燃 料 費 ポ ン ド シ リyグ
ポンド
鉱山{昔区料 ジェントノレメン A 4 ‑ 5 a 5
製 鉄 所 賃 借 料
表1
トナlシップ企業
と考えて良いであ
ろう︒又︑利益項
目が見出されない
が ︑
C又は
c
の管理費の項目に含ま
れているとする大
河内氏の推論を是
認できよう︒そし
m
て大河内氏は︑前P者の合計が一六ポ口引出
究 ン ド (
﹁ ピ ュ ウ ド 知 リ 相 場
﹂ と 一 致 )
齢であるのに対し︑
一ス後者が一四ポンド
一刊であるが︑その差
一円二ポンドは︑シェ
一男フィールド地方か
一隅らパlミンガム地
一河方への運送費︹棒
一‑〆鉄一屯あたり︺の
的推算約一ポンド一
/﹃︑四シリングによっ
6 3 b
C
9 2 ‑ 15 B
C 各種労働者
各
F
電製鉄所経 営 者
費産
11
11
1i
i
生の屯
噌i鉄棒 労賃,俸給
費
管 理
一 一
一 一 一
利潤率と資本利義率について
て大部分の説明がつくとされる︒そこで表ーのようにまとめ
て︑limi‑‑nllを算出すると︑前者ま約一一一そ後者
﹀ 十 四
w
胆十
日)
(但し分母に運賃を加算)は約二四
M m と算出され︑管理費の内
には利益の他︑間接費項目を含んでいるであろう点を勘案すれ
ば︑ほぽ均等化した﹁利潤塁﹂を示しており︑
﹁:
::
卦骨
わか
U骨
鈴骨
骨肌
げか
舟机
vu
h
いで
い︑
朴批
昨申
中山
町会
国的規模においでほぼ均等化していたQということは︑さきの計算例二例の内容が︑経済学的には︑骨ル佐和
hL
いか
朴骨
判︑
恥
るとなし得る可能性を十分に含んでいる︒すなわち﹃ピュウド
リ相場﹄は︑市場価値もしくは生産価格が全国的規模において
( 2 )
統一的に形成されていることを示すと一一言うべきであろう︒﹂(傍点一部引用者)と推論されている︒
一一点ほど補足すると︑費用項目の内訳に︑作業場等の賃借料
の項目が見られるように︑‑大河内氏によって既に解明されてい
(3
﹀る作業場および土地の賃貸借制が存在していたという事実が一
つである︒第二に︑費用項目については記載されているが︑貸
借対照表項目については何ら手掛りが与えられていないという
事実である︒従って︑固定資本と流動資本︑更に資金源泉での自己資本・他人資本に関しマは何ら手掛りが無いのである︒
以上を踏まえて︑この大河内氏の﹁大胆な推論﹂は成立する
と考えうるであろうか︒われわれは︑少くともこのプロセスに
ついては否と考える︒一七三
0
年代
111産業革命の開始点に先
立つこと約四
O
年i│に一般的利潤率・生産価格範鴎の成立と一二
四
いう結論自体は︑当時の資本の有機的構成の低位(マニュフア
クチュア段階)から考えても︑又︑一七五
01
六
0
年代にかけてであるが︑マッシlが当時三八世紀中頃)の商工業の︹一
般的︺利潤率が二
OM
であり︑仲介業者のそれを加えて二五%( 4 )
であると指摘じた事実これ自体も吟味を要しようがーーか
らも︑時期限定には疑義が残るものの︑一概に否定しえないと
考える︒問題は論証のプロセスであり︑疑義は二点にわたって
いる︒つまり︑﹁利潤率﹂の算定が︑オリジナル・デlタの側
の計算ではなく︑大河内氏による事後的な計算である占山を前提
としても︑第二章第二節でみたとおり︑一般的利潤卒の形成は︑部門内競争によるものではなく︑部門氏仰い紛争によるもので
あり︑論証の為には︑異種部門││例えば製鉄業と綿業││の
企業の業績を比較(それも可能な限り長期に)するプロセスが
不可欠と恩われる点が第一である︒更に第二点として︑計算の細部はさておいても︑lini‑‑
ー 口
Il
l1が
近似
的に
一不
しう
る
﹀ 十 回 同 十 寸
のは︑消費された資本︹費用価格︺に対する利益の比率であっ
て︑﹁前貸総資本に対する比率﹂たる利潤率でもなく︑又︑自
己資本利益率でもない︑という点である︒加えて︑われわれが
必要とするのは当時の企業家自身による計算であるという条件
をも含めるならば︑われわれの観点からは︑﹁ビュウドリ相場﹂の事例を除外して考察を進めなければならないこととなろう︒
第二節アルピュアン製粉所
大河ー内暁男氏は︑近著円産業革命期経営史研究﹄(岩波書底︑
一九七八年)の第一部第二章において︑製造業で初めてウオツ
ト
QEg
印巧由件︒の蒸気機関を原動機として採用し︑大規模な製粉を一七八六年に開始し︑一七九一年の火災によって消滅し
たアルピュアン製粉所(﹀
5 2
ロω
芯田
SEE
円宮巳)を考察の対象とされている︒
ロ ン ド ン で 建 築 業 を 営 ん で い た サ ミ ュ エ ル
・ ワ イ ア ト
( ω
旧自
己∞
一巧
吋田
HH)によって企画がなされ︑ワイアトに加えて︑
ボウルトン(去三
5 2
句切
口己
g
ロ)と
ウォ
ット
︑フ
レア
Q‑
HJ
12
品 ︑
ベイ
ツ
( Z ‑
切同窓凹)︹後にウルフ(君︒ロ)が参加︺とのパー
トナーシップが一七八コ一年に設立された︒当時約五
O O
の製粉所があり︑大きいものでも石臼四基といわれた規模に対し︑ワ
イアトの一七八三年当初の基本計画によれば︑三基の回転機関
にそれぞれ八基の石臼(内二基は予備)計二囲碁ーーー石臼一基
当りの挽砕能力一時間六ブッシェル││︹実際には一基の回転
機関
︑一
O
基の石臼で開始︺というずばぬけた巨大規模の企業であ
った
︒ 工場建設工事の進捗した一七八五年一
O
月にワイアトはボウルトン宛に書簡を送り︑操業開始後の計画を次のように述べ
た ︒
﹁アルピュアン製粉所操業の計算︑
央機関について︒
親方
挽砕
工:
・:
・・
:
職長
挽砕
工・
::
:
︹最初に設置された︺中
利潤率と資本利益率について
。
二 of
00;;:
挽砕工︑四人︑週一八シリングとして︹一年を五二週計算︺
一 八 七
・ 四 あら粉整粒工︑四人︑週一六シリング一':
'li‑‑:・同補助労働者︑四人︑週一二シリング一
一 九 一
︹二
九一
石炭︑六一七チョl
ドロ
ン︑
一二
0
シリングとして::::
ム九
二六
・
書記および管理人
::
::
ji
‑‑
ji
‑‑
ij
i‑
‑‑
一
0
0
・ ー蒸気機関︹特許︺使用料
ji
‑‑
::
:・
ji
‑‑
::
二 一
OO‑‑
機械技師︑週一ポンド一シリング)
一と
して
・:
一一
七・
l
労働者︑二人︑週一二シリング﹂地代
ji
‑‑
‑‑
ji
‑‑
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・:
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・・
・:
::
:二
五
0
・補修
費︑
照明
費等
・:
・・
・・
・・
・・
:・
::
ji
‑‑
‑ 一
五
0
・
│
建物の保険料
ji
‑‑
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:・
ji
‑‑
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i‑
‑‑
二四
・
門番
::
‑j
i‑
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i‑
‑:
::
・j
i‑
‑:
::
:j
i‑
‑:
二六・ー
税金
等:
・
:‑
ji
‑‑
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i‑
‑‑
ji
‑‑
ji
‑‑
‑j
i‑
‑:
七六・二ハ:
門合計︺二︑六
O O
‑ ‑
六基の石臼で一時間あたり一ロ
i
ドの小麦を挽くとすれば︑週(六日間﹀に一四四ロlド︹二四時間昼夜連続運転︺︑年に
七︑
二
OO
ロlド︹ここでは年五O
週の計算︺となる︒そこで上記の経費を前提とすれば︑一ロlドあたり七シリング三ペン
ス︹
1 h
・N
8
0 +
アNCC︺となる︒この金額に鮮運賃とパン屋へ
四 O
¥̲j
。
一二
五
利潤率と資本利益率について
の発送費二シリング六ペンスを加えて︑
費は九シリング九ペンスとなる︒
これを一ロl
ドあ
たり
一
0
シリングと見ておくとして︑七︑二
OO
ロ!ドを倉庫か︑り運び入れて︑製粉し︑︒ハン尾に売り渡
すまでの経費は︑一ロl
ド一
0
シリングの引で三︑六C0
ポン
ド︹U
寸 ・
M
g x g x
l h
同i︺
とな
る︒
N O L
カlティス商会では小麦一ロ
i
ドあたりの経費を二つシリングと見ている︒一般に一口iドあたりの経費は一八ないし一九
シリングと考えられている︒:::一ロ
i
ドあたり一七シリング︹の数値を︺取ることが出来るならば︑七︑二
00
ロ!ドでは
六︑
一一
一
0
ポンドになる︒この額かちきさに述べた経費三︑六00
ポンドを差し引いて︑二︑五二
0
ポンドの利益があること( 5 )
にな
る︒
﹂
(6
V
大河内氏が指摘されているように︑この見積り利益計算に
は︑原料小麦の価格も︑完成品である小麦粉の販売価格も含ま
れていない︹又︑建物の減価償却費も含まれていない︺︒従っ
て︑ワイアトが算出したアルピュアン裂粉一昨の見込利益二︑五
二
0
ポンドは︑原料小麦価絡を含まない業界平均加工費たる一口!ドあたり一七シリングと︑アルピュアン製粉所のそれ︑一
ロiドあたり一
0
シリングとの差額の総計であって︑アルピュアン製粉所の見込利益の総額が表示きれているのではない︒現
代の用語に擬して言えば︑増分原価による原価比較法とでも表
現できる内容であり︑業界平均の加工費一七シリングで平均利
一 ロ
i
ドあたりの総経一一
一六
滞在獲得しているはず︹この見倣しは常に成立するとは限らな
いが︺であるから︑見込利益二︑五二
0
ポンドは︑平均利潤を越えて得られるであろう特別利潤
1
超過利潤であると見倣しえレ ﹂ で
7G
更にワイアトは︑この利益軒(を工場建設費に係わらせて次のように説明した︒
﹁建物そのほか付帯物のための費用︹固定資本U
を一
三︑
0
00
ポンドと見積もれば︑一口lトあたり︹経費を︺一七シリングとした場合円と比較した場合︺に得られる利益三一︑五二
(7
)
0
ポンド︺の割合は一九パーセント一O
分の四になる﹂Gつまり︑﹁利潤卒﹂を算出し︑巨額な設備投資に対しても十
分ベイすると述べている訳であり︑大河内氏が解釈されているハ
7V
ように︑ワイアトの立場か︑hりすれば︑この特別利潤は︑活常の
製粉所建設とは比較にならない巨費を投下したことの効果に他
ならず︑しかもそれは︑投下資本に対する比率から見て十分に
高いので︑新技術を採用したための建設投資は採算にのると判
断した訳である︒
それ故︑資本家白身の見積り利低計算が︑設備投資決定の一
基準として算定されていること︑分子は超過利潤︹自己資本利
子の計算はされていない︺であり︑分母は固定資本(資金源泉
はパートナーによる出資)であることが期解できる︒分子の問
題を刷にすろと︑第二章第一節で問題とした川前貸総資本に対
する比率︑川固定資本に対する比率︑川費用価格に対する比
率︑の内︑仰に相当すろものといえよう︒それ故︑分子が超過
利潤である︹利益総額ではない︺点において︑分母に関してち
それが流動資本を含まない点において︑前貸総資本に対する利
益の比率としての利潤率とは別のものであり︑又︹自己資本総
額を示していない点においてプ自己資本利益率とも別のもので
あることが確認できよう︒
とはいえ︑何らかの利益額を︑何らかの資本額と対比させる
考え方が︑すでに一七八口年代に見出されており︑稜備投資決
定の一基準となっている点︑及び一般的利潤率を前提として見
積り計算を行なうという資本家の意識を反挟している点で︑重
要な事例と考えられる︒
第 三 節 カ ヴ ァ
lスヴァ文書
安部悦生氏は︑論考﹁カヴァlスヴァ文書について﹂(﹃一橋
論叢﹄第七七巻第六号︑一九七七年︑所収)において南ヴェールズ
のク
ロ
lシェイ家︿カヴァlスヴァ製鉄所︒司貯ユ
v p
H S
口 目
話︒円宮ほか数製鉄所の経営︑及び証券投資︑土地所有など広範
な活動を行なった︒)の記録史料ハ以下︑カヴ
71
スヴ
ァ文
書)
が
一八
一
01
七八年にわたって存在し︑ヴェールズ国立図書館に照 幸 田 一 一 ' ア 対 算 一 一 回 叩
ω ω
白白川品
ω
況2m
幻 お 幻 鈎 却 幻 お お 幻
m u
n u
m m
u m
ω m
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一生ヴ﹂
借 計 一
・
・
・
・
・
・
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・
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・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 一 悦 ス て 貸 益 一 月
6 3 3 3 3 3 8
日
3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 1 1 1 1 3
一部{い 損付一
‑ m n u
は 日 比 昨 日 幻 げ
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却 白 銀 回 出 お 一 白 内 吋 一 応
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日一年
m m u u m u u m m u m w m u u m m u u m u u m u u m m m
一⁝
おか
劃
HU
表 表 の 一 一 (
﹁ 文 乱
利潤率と資本利益率について 所蔵されていることを指摘し︑その財務関係史料のうち︑主に一
八ニ
コ一
年の
貸借
対照
表(
以下
B/
su
︑損
益計
算室
同円
以下
P/
L)
の構造を分析することによって︑パートナーシップ会計のメカ
ニズムを解明されている︒︹本節では﹁総利益﹂︑﹁利潤﹂︑
﹁純利益﹂の用語は安部氏の用法を踏襲する︒︺
ウィリアム・クロlシェイ一世(巧
5 E
B
の吋
担当
岳山
一ア
弓
E
i H
∞
ωむの経営期におけるB/S(いわゆるイギリス式ではなく︑借方に資産︑貸方に資本・負債安置く﹁大陸式﹂)及び
P /
Lの決算日は表2のとおりであり︑概して一一一月末の一年決算で
あった︒カヴァlヴァ文書において特徴的なことは︑決算日の
周年同月間日に二種類のB/Sと
P / Lとが存在した事実であ る︒さしあたり標準的とみなされる一八二三年のB/S︑
P /
Lを示すと表
3
のとおりである︒結論的には︑二種類のB/S
は︑減価償却前
B / S︑減価償却後︹自己資本利子算入後︺B /
Sであり︑二種類の
P / Lは︑減価償却前
P / L︑減価償却
後・自己資本利子控除後
P /
Lで
ある
︒
両B/Sの資産合計値の差二︑一八六ポンド余は
│l
以下
︑計
算の詳細については表4を参照のこと││吋
3 5
z g
︿設
備資
産
一二
七
表
3
貸借対照表,損益計算書の実例 (単位:A,
s,
d) Cr Dr Balanc泡:s29 th March 1823Folio
I
Folio 利143130. 7.10 溜 1 Premises
2 Do at Cardiff 3 W C 5 W C Jr 44 John Morgan 102 Coal advances 104 Mine Do 108 Forge Do 116 John Christie
82307.14. 0 2000. Q. 0 39. 8. 7 139. 0..6
9. 5. 5 256. 2. 1 7591.10. 8 105.
O .
7 119. 9.101 . .
223 Freehold Premises at Cyfa6396. 8.10 236 Blacksmithswork 1000.
O .
0 256 New House 2089. 6.10 267 New aquヨ 巴
uct 261. 2.10 288 Farms 2155.15. 6 290 Gunpowder account 191. 3. 4 301 Works' Stable account4457.10. 4 304 Castings Do 174.12.11 307 Limestone Do 151.18. 9 312 Common Charges 1000. O. 0 314 Bar Iron 82709. O. 3 322 Rhydycar & Wern Farms
518.18. 6 326 Shop Do 666. O. 7 330 Coke Do 2387. 6. 8 335 B1ast Furnaces Do 864.18.11 338 Refining furnaces Do 389.12. 4 341 Lamp Oil 151.10. 5 344 Finers metal 5182.16.11 347 Mine acount 985. 1.11 367 Timber Do 1710.11. 7 373 Cash 108. 9. 2
A
206,
748.13.。
PLW C PL W C Junr
16 Peirce & Co 36 H Pricard & Son 38 Dane Lea 50 Buckle & Co
4000.
O .
0 率 9300.19. 5 ~l42. 7. 6
奉
50.14. 7 手目
タセ
A山」
756.14. 1 率 130 Dd Phi1lips つ
140 Bi1ls Payable
122. 5. 0 ¥、 2337.13. 7 て 166 S Enderby
&
Son 298. 9. 9 180 Lord Dyicevor181 John Richards
455.17. 3 455.17. 3 192 Penydarran Iron Co 128.15. 9 227 Bi1l accoun t 147. 9. 0 242 W m T四gue
3 3
1.10. 9 262 Glamorganshire Canal.c o
553.13. 5 276 W m Vaughan 198.11. 0 371 Hirwain Work 1752. 5. 0 379 Leigh & George 163. 4. 5 381 R & W Crawshay &
c o
5857.10. 0 Balance 35345.10. 2
/
A 206, 748.13.
。
J¥
利 潤 率 と
資本
手11
Dr Folio
1 Premises 2 Do at Cardiff 44 Jno Morgan 102 Coal advances 104 Mine Do
Balances 29 th March 1823 Cr Folio
80300. O. 0 PL W m Crawshay 166485.15. ~
2000. O. 0 PL W m Crawshay Junr
13803.19. 2' 9. 5. 5 16 Peirce
&
Co 9300.19. 5‑ 256. 2. 1 36 M Prichard&
Son 142. 7. () 7591.10. 8 38 De Lea 50.14. 7率
~ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : I
I
381 R & W Crawshay & Coて
I‑ ‑ ‑
5857.10. 0‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一
~
;e 204, 562. 9.11 ;e204
,
562. 9.11Dr Profit & Loss 29 th March 1823 Cr
Folio
231 Interest account 716. 7. 6 244 Rent Do 5000. O. 0 245 Salaries 1207.15. 0 290 Gunpowder account 66. 4. 1 312 Common Charges 3065.10. 8 326 Shop account 176. 4.11
3 3 8 R e f i n i n g f u r n a c e s 3 3 3 6 . 1 0 . 0
B a l a n c e 3 5 3 4 5 . 1 0 . 2
/ /
i /
;e 48,914. 2. 4
Folio
72 Clay account 67.10. 5 288 Farms 160. 4. 6 294 Workmens Houses 822.10. 1 298 Fines 39.10.11 304 Castings 1078.17. 3 307 Limestone account 277.18. 7 314 Bar Iron 10337. 1. 4 317 Lime Kiln 225. 6. ~
330 Coke account 1472.19. 4 335 Blast Furnaces 13837.12. 3: 344 Finers mβtal
347
Mi
ne account 351 Fire bricks 361 Coal aCCOUl1t11409.18. 7 4149. 7.10
268.10. (} 4763. 2. s
;e 48
,
914. 2. 4Cr
利潤率と資本利益率について
67.10. 5 160. 4. 6 822.10. 1 39.10.11 1078.17. 3 Folio
72 Clay account 288 Farms
294 Workmens Houses 298 Fines
304 Castings Profit & Loss 29 th March 1823 Folio
1 Premises 2007.14. 0 231 Interest account 8072.17.10 244 Rent Do 5000. O. 0 245 Salaries 1207.15. 0 290 Gunpowder account 66. 4.11 Dr
338 Re丑ningfurnaces 3336.10. 0 PL W m Crawshay 16238. 6. 2 PL W m Crawshay Junr
9742.19. 8 361 Coal account 4763. 2. 8
. e
48
,
914. 2. 4£48,914. 2. 4
1. Cyfarthfa Papers, Box 12 (ーす需大図畜館所蔵マイクロフィルム〉
より引用。但し,細部につL、ては制略した。
2. 項目が多数の為,最初の5項目及び100ポンド以上の項目に止めた。
3. 2番目のB/S,P/Lにおいてほ 1番目と同じ部分についても
省略した。
0.主〉
。
と解される)の差二︑
00
七ポンド余︹減価償却費︺で大部分
説明され
‑ 7 る ︒
P/L における宮ぢお弘田口口
Z
己(利子勘定︒借方に支払利息︑貸方に受取利息を記入)の差七︑三五六ポン
ド余は︑減価償却前
B/S
の
E
L (
甲守
丘四
z r
句 秘 密 元 肢
の略と解される︒安部氏の解釈に従うと自己資本)の合計一四
七︑一三
9
ポンド余に五%を乗じた結果と一致し︑秘密元帳における資本利子とも一致するところから︑自己資本利子と解さ
れる︒又︑償却前
B/S 借方の当
ρ
当︒
一﹁
円は
︑ウ
ィリ
アム
・
クロ
lシェイ一世︑同二世の出資者負債と解される︒そして︑
四回目
g g
(
総利益)から減価償却費を控除して純利益が算出され︑更に純利益から自己資本利子を控除して﹁利潤﹂が算定さ
れる訳である︒かくして︑
︹ 国
¥ ω
︺議法院U
務当
﹂除
古田
H E
S )
露首藤生時
1
lH
坊さ
散
l同 州
同 開 M m
酬同十医均株除剤
lm
刊湾サ州問惑十淫均時ぴ'繭︹戸
¥円
︑︺
香川
三除
1
務当﹂
除
l露首謀当瑚
lE
目減M
甘さ 山市 十﹁ き議
L
と関連が把握される︒
なお︑安部氏の指摘に土れば︑一八一二年以前には自己資本
利子の計上はなかった(理由不明)という︒一八二二年以降では
自己資本利子は︑期末の償却前
B/S
における自己資本ハ出資
者持分)に対し
l l
期首の自己資本に対して算定
L
ている場合もあるという│[この当時は五%(第一章の表ーにあるよう
各 項 目 の 関 連
表4
f :
s d178. 9. 1
Aunu‑ハU
4
nu
‑4
A
1 t a
‑
‑ τ
・4
門t
n
リv‑niハUハU‑nuqund‑nu
︒
L n u
‑ ワ 白
︒
onむ
11 ﹄
Premisesの差 出 資 者 負 債
Pr・emises
利潤率と資本利益率について
f :
sd
206
,
748.13.。
t i
‑
‑
ム =
ー ︐ A
‑ =
‑‑‑=
ハ ヨ
‑qδ=
‑
‑
‑
=
つム
一︽
hu=
ハ り一
O凸
= Fhυ‑守t
ゐ =
' E
・ =
4‑
のん=
円 り
‑
=
ηム
‑ z
↑・z
資 産 会 計 1 1 資 産 差 額
f :
s d8
,
072.17.10‑716. 7. 6 7,356.10. 4 利 子 勘 定
11 自己資本利子
f :
s df :
s d 147,130.7.10XO.05二 7,356.10. 4f :
s d7,356.10. 4 自己資本利子
f : s
d35,345.10. 2
B a l a n c e C
総利益)減 価 償 却 費 噌E
ム ‑ ‑ ‑
O‑22‑E
・ 岨 圃
民υ一ρ り
=
‑4a・
4‑
‑
・"
・
4‑
1 B 4
‑ an︐
一 一
oo
‑q
δ
二日J‑ηδニ
︐ .
︐ =
wb‑qJ=
nL
一つ
︒=
益
ìl~JJ 利
HHH4
4ホe
﹁l
純
‑ 2
,
007.14.。
33,337.16. 2
手 益
目
車抱
T o t a !
可ヘ1m Crawshay
J
r. CrawshayW m
f : s d
147
,
130. 7.10A :
s d4,000. O.
。
A :
s d143,130. 7.10
償却前
B/S
‑178. 9. 1 146,951.18. 9 139. O. 6
39. 8.7 出 資 者 負 債
4一
l o
‑ ‑
ム
司14‑ti
AV‑GURU
一
4 4
1i
一 一
11ム
‑ 一
‑ 一
・
6
一
81
一
9にd一日 U 0 6一
oo
QU一 quQd
一つ
心
岨︐
︐.
︐
︐
E 幽
7F45
一
O司F
b ワ ム h Q U
‑ T i
‑
‑ i
3,860.19. 6 200. O. 0 4,060.19. 6 9,742.19. 8 7,156.10. 4
150
,
247. 9. 7 16,238. 6. 2 166,485.15. 9 143,090.19. 3持真
自己資本利子 小 計
「利 j問」
差
一 一 一 一
(注)安部悦生「カヴアースウゃア文雪について」より作成。
13,803.19. 2
償却後
B/S
利潤率と資本利益率について
に︑一七一四
1
一八
一二
三年
の法
定利
子率
は五
M m )
を乗じて算出
されている点︑及び出資者が個人的な支出にあてた部分は︑出
資者負債として期末に持分帽明から控除されている点を確認しう
る︒とれらは︑ポラ
i
ドの次の指摘とよく照応している︒﹁期
末に
各︒
ハ
l
トナ
i
は︑自己資本利子安貸方記入され︑それから残りの﹃利潤﹄合
2 2
G E
6
が一定の割合で:・:配分
され︑そのパートナーの勘定に貸方記入された︒しかしなが
ら︑配当や︹自己資本︺利子は支払われないで︑自分の生活費
︹等一一を賄うためにパートナーによろ不定期の引出しが許され
ていたが放に︑実際の資本持分は︑絶対額においても︑パート
ナーの他のパートナーに対する持分の比率においても︑最初の
( 8 )
きりのよい金額から離れた︒﹂
P/L
の構造についてみると︑部門別損益計算の結果が
P /
Lに集計されていることが理解される︒例えば︑司己目︒ハ丁数︑
頁﹀一一八八の農場におけろ収益マイナス費用で当年度は一六
0
ポンド余の利益をあげており︑
P/L
の収益側(貸方﹀に記入
されている(損失であれば借方に記入される)のである︒切
m q
r c
p
巴百
円匂
MM吉田円︒田等︑一応製造工程別と解される部面で
も部門別損議計算が行なわれており(従って振替価格の採用の
可能
性)
︑ P/L
にお
Fいて託各部門の利益・損失が集計された 上で︑企業全体にとっての費用である地代月四三︑共通費
︒ 0
5 5
8
︻U
出 お V
g
等が借方に記入され︑総利益回目‑白口円四が算出されている訳である︒この部門別損益計算が︑当時かなり
一 一 一 一
一般化していたと推測される点についてはストーン(司・開・
(9
)
ω H
D 5
﹀の研究を参照されたい︒
B/S
︑P/L
の分析を経て︑安部氏は︑﹁南ウェ!ルズ製鉄
業における経蛍活動の分析││クロ
i
シェイの事例1iLハ ﹃ 社
会経済史学﹄第四二巻六号︑一九七七年︑所収﹀において︑カヴアースヴアの自己資本利益率市民団﹂十回口崎品開了乞表
5
のよ
﹁ ポ 芯
E
印 鴨 州 勢
﹂
うに算出し︑更に再投資率を算出して︑両者を基軸に︑ダウラ
ス製鉄会社ハゲスト家)との相違を︑
﹁一
八豆
0
年代及び七一い)年代における荷企業の収益性の転倒は︑その根本原因を鋼鉄生産への推転︑高炉生産力の増大等を
目的どしだところの投資活動の相違のうちに求めることができ(叩)
るの
であ
る︒
﹂
と結論されている︒
われわれにとっては︑オリジナル・デlタにおける利潤率又
は資本利益率︑つまり当時の資本家自身による計算が必要であ
る故︑表5が安部氏による事後的な計算であることを確認して
おこう︒次に
B/S
から固定資本
( E
E
一︑
二︑
及び
ニ二
一二
︑
二三六︑二五六︑二六七がこれに該当すると想定)の比率を算
定すると︑四五・五%(償却前
B/ S)
︑四六・
OM(
償却後
B/S)左求められる︒又︑償却後
B/S
から自己資本比率を
求めると八八・一筋の数値が得られるのである︒
第四節一八三三年の特別委員会報告書
一八一一一三年八月一九日に︑﹁製造業︑商業︑及び海運業に関
単 位 : %
年・月│
A B 1年・月│
A C1813
・
3 ‑11.2* ‑8.8* 1839・
6 23.6 12.1 1814・
3 4.8 4.8 1840・
6 18.3 7.1 1815・
3 9.1 9.1 1841・
6 5.4 3.7 1816・
3 4.4* 4.7* 1842・
6 0.2 1.3 1817・
3 1843・
3 0.0 ‑1.6 1817・
8 5.5* 5.6* 1844・
3 0.0 2.2 1818・
10 ‑ 11845・
3 1.1 6.5 1819・
3 96.4* 96.4*i
1846・
3 50.9 24.0 1820・
3 11.6 11. 6i
1847・
3 49.8 22.5 1821・
3 1.4 2.3 i 1848・
3I
22.8 14.7 1822・
3 9.6 12.4 I 1849・
3 2.4 2.2 1823・
3 15.2 20.3 1850・
3 ‑0.1 1.2 1824・
3 8.4 17.4 1851・
3 ‑0.0 1.2 1825・
3 11. 2 ‑0.2 ‑0.4 1826・
3 12.6 20.4 I 1853・
3 25.6 12.3 1827・
3 5.3 5.1 1854・
3 54.9 23. 7I
1828・
3 7.5 14.9 1855・
3 25.6 11.1 1829・
3 5.8 8.7 1856・
3 37.7 18.4 1830・
3 2.1 2.0 1857・
3 65.01831
・
3 2.9 2.91832
・
3 0.0 ! ‑9.8 1870・
3 6.8 3.4 1833・
3 1871・
3 7.4 6.8 1834・
3 19.0 I 24.6 1872・
3 4.8 1873・
3 6.7 C 1874・
3 ‑9.9 ‑5.2 1835・
3 7.9* 4.9* 1875・
3 ‑20.3 ‑14.2 1836・
6 11.1 9.8 1876・
3 ‑22.3 ‑18.0 1838・
6 22.5 14.0 1877・
31838
・
6 16.3 8.7 1878・
3 ‑13.1* ‑12.9*カヴアースヴァの自己資本利益率
表5
門 口 )
する特別委員会報告書﹂(以下︑特別委員会報告書と略称﹀が下院
に提出された︒報告書の冒頭には︑次のように記載されてい
久w
︒
﹁当特別委員会は︑連合王国における製造業︑商業︑及び海
運業の現状を調査するために︑及︒ひそれに関する自らの意見と
原典:Cyfarthfa Papers
,
Box 12,
Box 14 and Ledger. 備考:(l)A : Wil1iam 1,
Wi1liam II,
Robert (Cyfarthfa)B : Cyfarthfa全体 C : Crawshay Group
(2)以上は年利益率であり,月数は考慮したが日数は考慮
外である。
(3) *を付した年度については,史料上の制約のため,分
母の資本の一部に他の数値を代用している。但しかか る操作が利益率に与える影響は無視しうるほど僅少で ある。
引用:安部悦生「南ウェーノレズ製鉄業における経営活動の分
祈
J
p. 61.観察の結果を議会へ随時報告するために任命された︒そして当
委員会に対し︑トレイド及び製造業に関する現在の会期に議会
に提出された夫々の請願が付託された︒そして当委員会の商前
で行なわれた証言の議事録を報告することを︑当委員会は権限
付託された︒当委員会は︑当委員会に付託された事項を調査
利潤率と資本利益率について
一 一
一 一
一
利潤率と資本利益率について
し︑夫々の証人を召喚した︒そして証人はその証一一言を議会へ報u
( 川 崎
﹀
止口
する
こと
に同
意し
た﹂
︒ 五月十四日から開始された証人尋問を手掛りに︑利潤率
︹吋丘町丘町円︒去を序で述べた用法に従えば利益率と訳出すべ
きであるが︑その内容白体を検討する局面でもあり︑前章との
関連を考えた場合訳し分けに微妙な場面もあるので︑本節では
利潤率に統一した心又は資本利益率に関連する証言を検討す
ることによって︑いま一つの照射の素材を提供したい︒業種は
製造業を中心として検討するが︑必要に応じて商業︑海運業に
おける利潤率・資本利益率にも言及する︒
なお︑種々の業種の証人がれ盆場すろため︑当時の経済状︑泌を
概観しておくと︑一八二五年のプ
i
ムを境に不況局面に突入し(刊品
) ( M
﹀ており︑農業不況︑商業全般の不況︑金本位制への復帰(一八
二一年)に端的に示される政府のデフレ的貨幣政策と小額紙幣発行の動︑吏に国内での企業防競争の激化に加えて︑アメリ
カ︑プロシア等の後進資本主義国との国際間競争の激化等によ
って若干の例外(証言から判断する限り︑例えばキャラコ捺染
業︑↓建築業﹀を除けば︑業績悪化を訴える企業が殆んどであ
る︒又︑全ての証人が企業形態に関して応答している訳ではな
いが︑証言に拠れば︑及び第二章第一節で既述した理由から
も︑個人企業又はパートナーシップ企業と判断される︒
利潤率に関しては全ての製造業者が言及している訳では勿論
ないが︑⁝かなり多くの製造業者がその証言の中で言及してお
四
り︑利潤率が当時一般的な概念であることがわかる︒例えば
4 Z
回目白口円円︒ロ(建築業﹀は次のように証言している︒︹以
B
下︑証言番号︑委員会の質問︑証人の回答の順で引用する︒︺
﹁一八二八︑建築業者はトレイドの増加に比例して彼等の利
益&増大させてきましたか?もしそれが建築業者が利益のパ
ー セ ン ト 公 官
官
R
S S
官
a H V B R )
︹利潤率の意か︺を増大
させたかとうかを開くことを意味しているならば︑私は否とい
いたい︒しかし彼はその事業をずっと良い仕方で行なってお
り︑その結果︑自分の資本額に対して彼がかつて支払った
︹司同三口問:;:受取ったと同義︺よりもより多く︹の利益額︺
を彼自身に支払っています︒例︑えば︑かつては自分の資本に対
して
二
OM
︹の利潤率︺を生み出していた一人の建築業者が︑
現在では一つ又は一二︹%の利潤率︺より多くを生み出しては
いません︒しかし彼の資本の思慮︑深い使用によって︑そして彼
の資本︹額︺の増加によって︑彼は白人刀が行う事業量を増加さ
(泌
﹀
せ︑自分の収入を増加させています︒﹂
彼の
証言
は︑
寸叩
H O
B S
V B
冊目(卸服地荷)の証言
ご四二八︑(質問省略﹀私は常に利潤率
( H
Z S
B C
同
] V
H C E )
と利
益総
額(
岳町
田四
四円
呂田
仲叩
白
5
0 5
円︒
同賞
︒由
︒と
を区
別し
て
います︒利潤率は減少するかもしれませんが︑トレイドのより
良いシステム︹在庫の減少︑信用の短期化等︺及びその他の事
( げ )
情が利潤率の減少を相殺するかもしれまぜん︒﹂
と重ねれば︑利潤率の低下と︑使用資本額の増加等による利益額
の増大とを意味しているものと理解できる︒以下︑綿業︑綿業
の一部のキャラコ捺染業︑亜麻紡績業︑絹織物業︑製鉄業の順
に利潤率・資本利益率えは利益に関連する証言を引用してみよ
ふノ
同 ︒
町田
内民
話回
目白
目白
可(
引退
した
ジェ
ネラ
ル・
マ
l
チャ
ント
)﹁
六
五一︑[綿︺紡績業における利潤率は︑大いに︹機械の︺改良の
導入一に依存しており︑個人が改良の利用の優先を獲得するのに
従って種々の設備毎に異なっているのではありませんか?そ
れ口利潤率︺は常にそのこと円改良の導入︺に依存しており︑
個人が可能な限り平く改良を行なわない限り︑彼の損失は︑そ
れ︑つまり被の︹改良の︺無視によって増大するでしょう@し
かし︑それ︹改良︺が常に利益をもたらすとは限りません︒かなりの改良が導入された場合ですら︑他の事情が利潤率を減少
(四
)
させる傾向にあるかもしれません︒﹂
田町
ロ弓
出
c己 ︻
同 問 看
R S
(
綿業)﹁五一九O
︑あなたは︑その︹綿業︺トレイドの状態が現在どうであり︑過去二年間にその
状態はどうであったと思いますか?私はそのトレイドが利益
ハ叩出﹀に関する限り︑極端に悪かったと考えます︒:::﹂
dq呂
町田
自の
EFY
お己申
吋(
綿業
)﹁
五一
一一
六五
︑グ
ラス
ゴ
l
及びその近隣におけるそれら一一つの事業︹綿紡績業と力織機織
布業︺の状態は︑現在の利益についてどんなですか?現在そ
( 開 山 )
れらは︑両方共勿論低いです︒﹂
d﹃
己目
回目
河町
民
g o
‑ g o
居間
(綿
業)
﹁一
一五
囚二
︑
利潤率と資本利益率について 一八二六年 以来の︹綿︺紡績業における低利益︹率︺はかなりの程度一八二四年及び一八二五年︹のブiム期︺における工場建設の投機
( 幻 )
に帰しうるのですか?私は非常に著しいと言いたいです︒﹂
の
8
円問
︒∞
白山
神宮
(綿
業﹀
﹁九
O
三C
︑あなたが精通している綿紡績と織布部門におけるトレイドの現状はどんなですか?
それは下降しています︒そして私は︑紡績トレイドが利益を生
( 勾﹀
まないと考えています︒﹂
同﹁九二ハ二︑その︹昨年中頃までの︺利益は︑慎重な人が
それ円トレイドμを開始する程に十分でしたか?私は︑それ
が︹紡績と織布の両者を︺結合した事業部門ではそうであり︑
(幻
)
分離した部門ではそうでなかったと考えます︒﹂
以上の証言から︑綿業では一八二六年以降の利潤率の低下︑
それへの対策として機械の改良︑紡・織兼営化ハ織布では力織
機の採用)の方向性が検出しえよう︒
綿業の一部であるが︑キャラコ捺染業では次のように業績の
好転が述べられている︒
﹄ 曲目
g
︑H
Z 5
ロ(キャラコ捺染業)﹁三五三九︑捺染トレ
8
イドの現状についてのあなたの意見はどうですか?私の意見
は︑過去六年間三八二八
1
一二
三年
μの他の部分門最近一八カ
月を除いた部分︺よりも︑現在及び最近一八カ月がより繁栄し
た状態にあるし︑なってきたということです︒つまり︑より安
定した需要及び正当な公包る報酬を与える価格が存在し︑そ
れ︹事業︺に参加している全ての人々により良い雇用が存在し
五
利潤率と資本利益率について
( 包 )
てい
ます
︒﹂
又︑同じ紡績業でも︑亜麻紡績業の場合は平均的利潤︹率︺
を指捕しており︑又︑絹織物業では比較的業績良好のようであ
る ︒
し ﹁OV
ロ認
知門
田町
即日
目︿
亜麻
紡績
業)
﹁二
四二
六︑
全体
とし
て︑
工
場に使用された資本は︑︹亜麻紡績では︺相当生産的である
と︑あなたは考えますか?私は︑それ︹資本︺が全体をとれ
ば︑他の事業と比較して平均的な利潤︹率︺をあげてきたと信
(お
)
じま
す︒
﹂
dS
同H
町田
自民
国吋
i H M g
(
絹織物商人)﹁四九二九︑あなたは︑絹織物業における資本家への利益に関する情報を与えることがで
きますか?私は︑絹トレイドの織布部門公宮
B g c p a R P
‑ A
岱 叩 冨 ー
ュ
g
g
同)について︑ぞれが利益を生むトレイドになってきており︑大変増大しているトレイドになってきているこ
とを︑背定的に述べることが出来ると信じています︒しかし︑
私は他の当事者から得られた一般的知識からのみ述べていま
ハお
)
す︒
製鉄業に関しては︑ ﹂
﹀三
宮
Oロ
司回
目口
(製
鉄業
)﹁
一
O
二四一︑︹あなたが述べた︺その見積りから︑当委員会は︑あなたが非常に巨額な資本を仕
事に使用していると理解します︒その資本は︑最近あなたに十
分な利益を与えていますか?私はいいたいのです︒確かに違
(幻
)
いま
すと
︒﹂
一 一 一 一
六
向﹁
一
O
四O
三︑(質問省略)疑いもなく︑︹資本に対し︺何の利益もありませんでした︒私は︑昨年は何らの︹自己資本︺
(叩品﹀利子もなく︑損失を蒙ったと述べたい︒﹂
当三
山田
自民
富田
ヴロ
吋可
ω
日V R B J
司(
製鉄
業)
﹁一
O
七四六︑あなたは︑行なわれてきた鉄の価格の上昇が︑今や報酬を与えるよ
うな利益をもたらしていると考えますか?私は︑そうなりつ
つあるとは考えません︒スタンフォードシャ中の鉄トレイド一
般をとるならば︑それが正当な利益をもって︹自己資本︺利子
を支払うのに十分な報酬を可能にし︑そして又︑消費された資
産価値における減価︹償却︺をカヴァーする為の年間︹利議︺
金額をとっておくことを可能にするトレイドで現在あるとは︑ハm
岬 )
私は
考え
ませ
ん︒
﹂
従って︑製鉄業では︑減価償却︹費︺及び自己資本利子を賄う
に足る利潤率をあげていない状態にあることが理解される︒
次じ︑当時の資本家・企業家が︑どのように利潤率を算定
し︑具体的に何
M m 程度を良好と見倣しているかを可能な限り探
って
みよ
う︒
カヴ
ァ
l
スヴァでは︑利益を︑他人資本への利子は勿論︑自己資本利子及び減価償却費の両者を費用に含めて控除した後の
利益(﹁利潤﹂)で把援していたことは既に検討したとおりであ
る︒しかし︑特別委員会における証言から表6
に 纏 め た よ う に︑カヴァlスヴァのタイプ︹
E
︺が全てではないのである︒建物・機械の減価償却と自己資本利子の両者とも既に認識され
利潤率の計算方法
タ イ プ 人 名 │ 業 種 │根拠の証言│
1.減価償却前・
J o h n
恥i a r s h a l l
13E麻紡績業2 4 4 5
自己資本利子控
R o b e r t B a r r y
造船業6 0 4 0
,6 0 4 1
除前
Henry T a n n e r
海運業6 6 8 1
※1
i h m m
製鉄業1 0 4 0 1
W
i11iam H . S p a r r o w
製鉄業1 0 7 4 6
海運業
2 5 2 3
※2 I
自己資本利子控
J o h n Ewart
商業4 1 4 8
※2
除前
J o s h u a M i l n e
綿業1 0 9 9 7
ill. 減価償却後・
Kirkman F i n l a y
引退した商人1 1 7 9
自己資本利子控
W
i11iam Graham
,J r .
綿業5 5 4 7
,5 5 4 8
除後
J a m e s A i k e n
海運業6 9 9 9
,7 0 0 0
表B
利潤率と資本利益率について
(1主)1. Retorts from the Select Committee on Man叫Ifactures,Commeγce, and Shitting
,
1833.より作成。2 . i n t e r e s t o f c a p i t a l
を自己資本利子正解するのは問題ないと思うがi n t e r e s t o f money
の場合も自己資本利子と解した。3 .
※1.証言6 5 9 9
では減価償却後。※2.減価償却費については推定。
てはいるが︑河者共費用に合めずに利益を算出し︑資本額(こ
の内容については後に検討する︒)との比率を算定し︹減価償
却前・自己資本利子控除前の利潤率の算定︺︑その利潤率が︑
減価償却や自己資本利子を賄うに足りるものかを考えるタイプ
︹I︺︑減価償却費については費用に含めて利益を計算し︑利
潤率を求め︹自己資本利子控除前の利潤率︺︑その利潤率で自
己資本利子を賄えるかを考えるタイプ門E︺が︑他に存在して いるのである︒業種別にみても表6から判断する限り︑製鉄業 ではタイプIのみであるが︑海運業ではタイプIIEの全てに
亘っており︑綿業でもタイプ
ElE
に分散している︒つまり︑
最終的な経済的効果については同一であるとはいえ︑減価償却
︹費︺と自己資本利子を費用として把握するか︑利益として把
握するかについては︑一致が見られないのである︒この点に留
意しながら︑次に︑具体的にどのようなパーセントが問題とさ
れているかを検討してみよう︒
先ず利潤率の下限であるが︑減価償却費を費用に折り込み済
の場合は︑自己資本利子︹一八コ二二年に部分的緩和があった
が︑法定利子率は五%であり︑自己資本利子率を五%とする企ハm
叫 ) ( 況 )
業家が多いが︑四
u m とする企業家もあったむが下限として把
握可能であろう︒つまり︑︹減価償却後︺自己資本利子控除前
の利潤率であれば︑四又は五%であり︑自己資本利子を支払う
と純利益ゼロとなってしまう率が想定される︒例えば︑
皆
g s
‑ c
z g
弓(手形仲買業)﹁一一一一四︑もし二