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医療需要の分析へのひとつのアプローチ

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(1)

特集

ヘルスダイナミックス

医療需要の分析への

ひとつのアプローチ

開原成允 現在,日本の医療の現状を把握するためにいろ いろの統計調査が,毎年またはそれ以上の頻度で 行なわれ,その結果が発表されている.こうした 統計調査を行ない発表しているのは,単に国など の公的機関にかぎらない.民間機関や国際機関に おいても,かかる統計類の整備に大きな努力がは らわれている. こうした統計類は,現在の医療の実情を調査し それを発表するという点にもひとつの意義があ る.しかし,最近では医療の分野にも計画性の概 念が導入された結果,こうした統計は将来の医療 のあるべき姿に対し計画性をもって対処するため の基礎的資料として,ますます大きな重要性をも つようになっている. 日本においても,医療関係の統計類はいちじる しく多い.その数は,おそらく 100 をはるかに越 えるものであろう.また公的機関の発表するこう した統計類は,その正確さにおいて世界的な水準 にあることは広く認められているところである. しかし,日本で多く発表されているかかる統計 類の利用方法については,まだ十分開発されてい ないように思われる.現在多くある医療統計の聞 の相互の関連性や相互の影響については,あまり 知られていないし,また,将来の日本の医療の動 向を予測する手法もまだ十分開発されていない. すで、に述べたように,かかる統計類のもつ最近の 大きな意義は,過去の日本の医療の実態を記述す るよりはむしろ,過去のデータの分析から,将来

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6

への計画の基礎データを得ることにあることを考 えれば,統計値の利用方法に関しては,さらに多 くの研究が必要と考える. 本稿は,以 t のような観点にたって,固または 地方自治体レベルで調査された統計値を分析し, 将来を予測するひとつの手法を確立しようとする われわれの研究1)について解説したものである. 本研究では, 日本の医療のシミュレーションモ デルを作成し,この中で,いろいろの統計値の相 互関連を分析し,その結果から将来の動向を,予 測値として計算することを試みた.利用した手法 としては DYNAMO を用いたが,この研究がシ ステムダイナミックスの手法を用いたものという べきか否かは疑問である.いろいろの変数をレベ ルと rate にわけで,そのダイナミックな動きを分 析するという意味ではシステムダイナミックスに 共通するものをもっ.しかし,多くの変数をでき るだけ内生化し,一部の外生変数を除いてはひと つの閉じたモデルをつくるという通常の SD モデ ルの形はとっていない.ここでは変数相互間の関 連性のダイナミックな動きを解析することがむし ろ興味の中心であったからである. この研究はまだ決して完成したものではない. しかし,医療の世界では,まだこのような試みは 少ない. したがって, ここにひとつの試みとし て,かかる手法を医療の世界にも導入し,その成 果について批判をあおぐことは十分意義があると 考えた.

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これが本稿を掲載する理由で、ある. なお,諸外国におけるこの分野の研究について は,別にまとめた論文があるのでここには掲載し ない.興味のある方は文献を参照されたし、 2)3).

1

.

医療モデルをつくる目的 本研究の目的は,すでに述べたとおりである が,ここで,さらに具体的に,本研究の目的およ び目標について述べておきたい. 本研究の第 1 の目的は, 日本において過去に発 表された多くの統計類を,相互に矛盾なく,ひと つの整合性をもって説明し得るようなシミュレー ション・モデルをつくることにある. このこと は,いし、かえるならば,日本の医療の各分野の動 きの反映であるいろいろの統計値を,相互に関連 さぜつつ分析し,それぞれの変数の聞に内在する 関数関係を明らかにすることにほかならない. 医療は,たしかに外的条件によって大きく変動 する性格をもっ.しかし,仮にそうした性格を多 くもつにしても,それぞれの統計値がおのおの独 立に相互関連なく変化してきたとは考え難く,そ の聞には,なんらかの必然性があったと考えるほ うが自然である. したがって,その当然の帰結として,ここにっ くりあげられたモデ、ルは,

d

e

s

c

r

i

p

t

i

v

e

type のモ デ、ルであり,資源の最適配置を求めるような最適 化型のモデルではない.医療のあるべき姿を想定 し,それにいたる解を求めるのではなく,まず, 過去の実態を解析することを目標に定めたからで ある. また,ここでつくられたモデ、ルは, 日本の国全 体のマグロレベルのモデルである.それは,現在 あるいろいろの統計値が,国という単位で発表さ れ,それ以下の単位ではいちじるしく値が得にく いという実情による.しかし,ここで研究されて いる手法は,他のレベルの問題に対処し得ないの ではなく,十分なデータさえあれば,より小さな 単位の医療の問題の解析にも十分用い得るもので 1977 年 10 月号 ある. 本研究の第 2 の目標は, 第 l に設定した目標 が,みる程度達成されたうえで,その結果にもと づき,将来の日本の医療を予測しようとするもの である.過去の統計値の聞の,相互の関数関係が 明らかになれば,その関数関係が将来も持続する ものと仮定して,将来を予測することがある程度 可能になるし,また,いろいろの政策の変化をそ の中に適応してみることもまた,可能となるであ ろう.これがわれわれの研究の目標の第 2 であっ た. し ZJ ミし,将来といってもその範囲は広い.ここ で, 一応の目標と定めたのは, 現在を起点とし て, :<0年以内の動向である.この期間を目標とし ているのは,過去に得られたデータが主として, 15年間のものであるからであり,過去のデータを 越えて予測することは,かなりの無理があると思 われたからである. つぎに問題になるのは, r 医療J とは,何を指す のかという点であろう.医療という言葉の意味す るところはいちじるしく広く,いろいろの経済的 因子や社会的因子まで, 相互に関連をもってい る.したがって,ひとつの考え方は医療モデルと いうものが独立して存在するとは考えられず,日 本の社会というモテールの中で,その一環としての み医療モデ、ルが考えられるというものであろう. この考え方は,十分根拠をもつものであり,事 実,後にも述べるように,医療の統計値は,いろ いろの社会的因子と深いかかわりあいをもってい るように思われる.しかし,ここでは,ひとつの ステ y フとして,かかる社会的因子の影響はひと つの外的な変数として,モデ、ルの中に導入するこ ととし,医療モデルの中の変数が逆に社会に影響 をもつようなことが,比較的少ないようなところ に, その境界を定め,モデルをつくっていった. たしNこ,医療の問題は長期的にみた場合,日本 の経済社会に大きな影響をもたらすであろう.し かしここで想定した 20年の範囲においては,医

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療が経済・社会に影響をおよぼし,その影響が再 び医療にかえってくるような事実は無視し得るも のと考えて,このモデルをまずつくっていくこと にした. 2. 方法 本研究において用いた手法は,基本的には人・ 物,または資金が,ある率をもって流動しており, その聞に相互に影響を与えあう関数関係が,存在 すると考える考え方である.この考え方は,シス テムダイナミックスと共通するものであるが,シ ステムダイナミックスのように,将来のトレンド を予測することを目的として,できるかぎり多く の変数を内生化していくのではなく,まず,上記 の考え方にたって各統計値の相互関係を分析して いこうとするものである. これまでの研究において,まだ,医療に関連す 図 1 医療需要モデルの基本構成凶 図 2 医療需要モテツレの基本構成と, ここで用いた記号

5

6

8

るすべての因子の解析が終ったわけではない.し たがって,ここでは医療需要について分析結果の 一部を紹介することとする.

2

.

1

医療開要のモデル 園 1 は,医療需要モデルの基本的な考え方を示 したものである.図 i を記号で示すと図 2 のよう になる.ここでは人口を健康人 (Xd ,無自覚の病 人 (X

2

) , 自覚はしているが医療機関にかかってい ない病人 (X3) , 医療機関にかかっている病人 (X

4

) の 4 つのレベルに分割する考え方をとった.健康 人が病人になるのは,疾患発生の要因が作用し, その発生率はおもに環境の変化や予防医学の発達 により影響を受ける. 無自覚の病人が自覚するための要因としては, 文化や教育の影響が考えられる.たとえば,無自 覚の病人が,その病気の教育を受けることによ り,また,テレビ等でその病気が話題になり,一 般の人々の関心が高まることによりそ れを自覚する.病気であることを自覚 したすべての人々が,医療機関にかか っているわけではなく,医療機関への accessibility が作用している. この

a

c

c

e

s

s

i

b

i

l

i

ty ば医療供給側の要因と個 人所得,医療保険給付率等の経済状態 により決定される.医療機関にかかっ ている人の大部分は再び健康人へもど るか,このとき作用する回復率は医療 供給量と治療医学の進歩に関係しているもの と思われる. 各レベル聞の流れの量(レイト)を決定す る係数を CR とすれば,医療需要をモデルは 数式的に,

dX

,

函~=CR1'

TX

+CR9 ・ X2+CRlO, X3 +CR5 ・ X4-CR2・ X1 dX。 dtι =CR2'Xl-CR9 ・ X2-CRs'X

2

dX.

;1t" =CR3 , X2-CR9 ・ Xs-CR4 'Xs

(4)

0-14歳 15-44歳 45-64歳 65歳以上 図 3 モデルは 4 つの年齢階層にわかれ,それぞれ の年齢階層の中の構造は図 2 に同じである.

dX.

)三五三 =CR40Xs-CRsoX4-CR6・ X4

XT=Xl+X2+X3+X4

となる.各要因の影響は,年齢的に異なっている と考えられるので o ~14歳, 15~44歳, 45~64 歳, 65歳以上の 4 つのブロックに分割した階層的 なモデルをつくり,実際のシミュレーションでは 用いていた(図 3).

2

.

2

利用したデータ まず, レベルに関して用いた統計値を表 1 に示 す. Xl から X

4

までがあるが,このうち X!, X2は 統計値としては得られない X3 については有病 率に人口を乗ずることにより有病者数が得られる から,これから X4 を減ずることによって求める ことができる X4 については,受療率に人口を 乗じたものに,さらに診療間隔を乗ずることによ り求められる.すなわち次式である.

X4= 人口×塁壁杢×診療間隔(日)

1

0

7

5

フローに関係ある統計値は表 2 に示すものであ る. R7 および R8 は,本モデルが 4 つの年齢階層か ら成立しているためにこの年齢階層の聞のフロー を示す係数である . R

2

は健康な人が病気になる 真の意味での疾患発生率である.しかし,病人は この状態においてはまだ自覚していないために, この「真の意味で・の疾患発生率j を測定すること は不可能である.したがって,このモデルの計算 1977 年 10 月号 表 1 計算に用いた統制直(その 1 )

記号 l

|関係ある統計

X

,

健康者 X2

無療人

自覚機

の有病者 λ〉

(露現

関にかかっていない λF

{

医療機関にかかってい 受療率 4 る人

L

;

X

全人口 人口動態

X3

-

-

X

4

自覚している有病者 有病率 表 2 計算に用いた統計値(その2)

記号|

|関係ある統計

R, 出生率

l 出生率

R

2 1 擢息率(理論値)

R.

11 無自覚の患者が自覚するよう 8 11 になる率

R

,

I 有病者が患者になる率 九|患者が回復する率 R6 1 患者が死亡する率

R7

1 前の年齢層から移ってくる率 九|つぎの年齢層へ移行する率 Rn 11 無自覚の病人が自然に回復す 9 11 る率

R

,

n 11 有病者が医療機関に頼らずに '0 I 1 回復する率 初診患者数

{J 疾,患あたり

傷病日数 死亡率 (人口動態統計) (人口動態統計) 医療機関選択率 においては,年齢ごとのこの率は一定という仮定 を設けて,その率を推定し,計算を行なった.こ の仮定は過去 15年間の日本の社会を考えたとき, 十分正当化できる仮定であると思われる. R

2

と同様に R3 も測定することはいちじるし く困難である.したがって,この係数はこのモデ ルの中の未知数として求められた . R4 は自覚し ている病人が,診療機関にかかっている病人に変 わる係数である.この係数は,現在発表されてい る統計値の中では初診患者数が対応する.ただ しこの相対的な変化は,十分意味をもつものと 考えられるが,その実数はかならずしも他の統計 値と十分な整合性をもっていない. Rs にあたる統計値は現在発表されていないが, この率に関係ある統計値として,患者調査の中に l 疾患あたりの疾病日数がある.これは,平均値 として示されてなく,その分布が記載されている が,、この l 疾病あたりの傷病日数は,その数が回 復率と密接な関係をもっ.理論的には,もし,

X

4 のレベルから流出するフロ{が Rs のみであれば,

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る.これに対応する統計値は患者調査の中の医療 機関選択率がある. 等しくなるはずであるが,実際には X

4

からはん 果 3.1 過去の医療需要増加を説明する係数の変化 1955年から 1975年に至る過去の医療需要関係の このモデルの 結

3

.

R6 は死 亡率であり,疾病の回復に比べればいちじるしく 低い値であり, ほとんど無視し得る. て,傷病日数の逆数をそのまま回復率と考えられ しかし ても,ほぼ誤りはないものと考えられる. 実際に発表されている統計値は分布が示されてい し Tこカ:つ しかし, というフローも流出している. 統計値の変化を説明するためには, 中で定義された係数はどのような動きを示すと考 また,かかる値は一般に正確性を した るのみであり, 期することはいちじるしく困難と思われる. がって相対的な傾向を重視してモデルの中にこの えるべきであろうか. 図 4 はこの係数の変化を示している.横軸は時 間軸であり,左端が 1955年である. の線を構成している数値はモデルの各レイトに定 グラブ ま 7こ, 値をあてはめていった. R9 は, 無自覚のうちに病気がなおる率である これも統計から求めることは不可能であり, 義された数値と a 致している. カ:, すなわち 12 J の変化は前節において述べた仮 未知数として他の変数から求めた. 医療機関にかかることなく,健康人に これは, 一定値としたもので, 統計値から定められたものではない. 最下端に 1

1

J で示す線があるが, 定にしたがって,

R

10 ~土, もどってし、く率である.これは,たとえば「薬局 で薬を買ってのんでカゼをなおす」人に相当す これは出生 また, 出生率,死亡率ともに他の係数 に比べていちじるしく小さいため基線に近くなっ これには 16 J が重なっ 率の変化を示す. こオ1 は, ている. その変化もこのクラフ止ーでは明らかにな ていて, 14J は, 1患者変換率」とでもいうべきもので 外来患者数から推定された値を代入し,他の値と 整合性をもたすように定めたもので, 1967年頃ま で I二昇するが,その後減少する. 「回復率」とでもよぶべきもので,ー 疾患あたりの疾病日数の逆数から推定したもの で,次第に減少の傾向をたどっている.

13

J は,いわば「疾患自覚率」とでもいうべき っていない.

15

J は, もので,以上の係数から推定によって求めたもの であるが,いちじるしい上昇傾向を示している.

19

J は,

12

J の変化とほぼ同じであるが 13

J

の上昇にともないやや減少する. 以上のことを医療需要という立場から解釈する 医療需要の増加を係数の変化という観点 ならば, から見たときは大きな要因として, ①無自覚の病人が自覚するようになる率の上昇 44 ・・・ F , Na--md 司副 も----FσNe ・ At-司 F “ t' 白 .i0'l'Ie . . . 'tlI ‘、 4 白' . . F 白.伊'吋 'Id 唱‘ム ''l. “u. . 』 . . . 目 .a''. 回 .e 巴 hRe “ -e -c 4 . . . FN.e 亨 4‘‘ A 凶刷 -目 . . σ 伊 .e噂州占叫 R 吟昨F 戸 一‘ d .• ej4 唱刷同 4咽園 Uu‘. 屯 \'o-.•. e. ,ん、 V-州問 A , v. 戸 。【・・・ 8we4h 吋附 F ・回 AUM ・ 4 ・ 'a 町 eN'r. , C 同・ -e--e~AF 向・戸 C4 ・・ e--e 、占 vam--4-7. ,“ •• 4 ・ e~ρ-何回 2 ・ 044''ili--11BIt-Ille--hTTI~ 』』 aeo--aF4a . .

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(6)

初診患者数については,傾向は一致している が,統計値においてはかならずしも一致せず,こ モテ、ルの妥当性よりは統計値に内在する問 (レイト 3 の係数 (CR3 と記す)の上昇) ②疾患の回復率の低下 (CR5 の減少) の2 つが考えられる. れは, 題のように思われた. また,有病率については,患者調査と国民健康 調査との聞の不一致がすでに指摘されており,有 病率は患者調査から逆算するほうがよく信頼され るともし、われている.ここでは,こうした点を考 膚して患者調査からの計算値に近い値をとった. 国民健康調査の有病率の約2.5 倍の どちらにとっても変化自体の {直 Iこなる. 傾向は同様で、ある. 上記のように統計調査にともなう方法論上の問 題は常に存在するが,概要についてはこのモデル とその係数の変化はほぼ,実際の値と一致するも のと考えられた.したがって,こうした考え方が ほぼ妥当であると仮定してから,つぎのような分 これは,いわば, ① 10年前は少しくらい熱があっても病気とは思 わなかった人が,最近では少しでも熱があるとす ぐ病気と思って医者にかけこむということと, ②最近は,病気が次第に慢性化し,一度外来に 通いはじめると一生医者にかからなければならな したがって, しカ、し, 析をさらに行なった. 過去における医療需要増加の分析 すでに 2.1 において係数の変化から過去の医療 需要の増大の原因を推定したが,これをさらに定 量的に把握するためつぎの分析を行なった.すな 1955年の医療需要を起点として,

3

.

3

い病気が増えてきたこと. の 2 つの事実の数値的な表現に他ならない. CR

4

の変化も興味あるところであり,最近の医 療供給の不足を示しているようにも思われるが, この段階で結論づけることは困難である. モデルの妥当性の検証 さて,以上のような係数の変化を仮定したとき に,このそデ、ルによって計算された結果は過去の 実際の統計値と一致する必要がある. これらの結果をすべて統計値と比較した結果 は,受療率,有病率,人口,出生率,死亡率等の 基本的な統計とはよく一致することが明らかとな

3

.

2

1 つの係 わち, った. 図 5 は,その一例として,医療機関に現在かか っている患者数をモデルから得られた結果と実測 値について比較したものである.変動を除いてよ actual change ( pop 十 CR 、+c円,) __ effect ofCR 宅 〆/ / 〆〆 〆 ノ , / ~ effect ofCR-, 白ーー.-〆/ 〆 J T三三ニ・ cffect of populatlon ' < 10s 40 0 0 0 3 2 1 (£ )E3 一吉一百む Ez--〉二 O 一目← ozZ2Z く一致していることがわかる. ←→実測値 ・--..γ ミュレーション 0 0 2 1 41| レベルん :00 万人 一....L一一一一一」一一一 1985 1990Year 図 B 患者数の年次別変化とそれに関与する要因 細い線はそれぞれの要因のみが変化したと仮定した時 の患者数の増加を, 19日年を基点として示している

5

7

1

1980 1975 ーム L._~_ 1960 1965 1970 1955 45 患者数 (X4) の実測値および計算値 35 40 一一昭和年度 1977 年 10 月号 30 図 5 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(7)

これ ど大きな要因とはなっていない. これに対し,自覚率 (R3) の変化が加わった場 合の病人数の変化は大きく,全体の需要増の 50% 以上を占めている.また,回復率 (CR

5

) の変化も かなりの需要増を惹起したことがわかるが, は自覚率に比べればそれほど大きな値ではない. 数のみが変化したと仮定したときに,医療需要は どのようになったはずで、あるかを計算し,現在の 需要増の内部構造を求めたのである. 需要を求めた条件はつぎのようである. (1)人口構成の変化のみおこり ,

CR

3

,

CR

4

,

CR

5 はすべて一定であったと仮定した場合. (2) 人口構成の変化に CR3( 自覚率)の変化のみが 以上のことから明らかなことは過去 15年間にお こった変化の要因としては無自覚病人が自覚する ようになる率の変化がもっとも大きく半分以上の 加わったとき. 原因を形づくっており,ついで疾病の慢性化があ り,人口の老齢化による需要増はほとんど無視し 得ると考えられる. 医療需要の将来予測 これまでに述べた過去の需要の分析にしたがっ て,つぎに将来20年にわたる日本の医療需要の予 測を行なってみよう.

3

.

4

このとき,前提としてはつぎのものを置く. (1)このモデ、ルに示される医療需要の構造は,将 (3) 人口構成の変化に CRs( 回復率)の変化のみが この計算の結果を図 8 に示す. 第 l の人口構成の変化のみがおこり,他の係数 は変化がおこらなかったとすると,医療需要はほ とんど増加していない.老人は一般に高い受療率 をもっているから,老人人口が増加すれば,それ だけでも全体の病人数は増えるはずである. 実,わずかながら病人数は増加しているが,過去 15年間には人口構成の変化による需要増はそれほ 加わったとき. 事 'a ・ 'll'' 『 la'e'4 ・・''同 'a-e''''''a 同 ι''''a't ,, .0 ・ N'1 ・ v ,,.。 VVM -J-e ・伺・句・ --ap 、 倒・ -w-N ・

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---a 目的凶み hdh 馴・・・・・幽霊 4uιzur 包‘ hm-dr 内gaaw--i ・ -F4 ‘ a 司『 A-h 年齢別患者数の将来予測 1

,

2

,

3

,

4 はそれぞれ図 3 の年齢階層に相当する 図 7

5

7

2

(8)

老人の患者が次第に増加していく傾向を示してい る. しかし,全体としての患者数の増加は,過去 15 年間企ど急激ではなく,全体として増加はゆるや この増加のゆるやかになる一種 カ吋こなっている. の変|歯点は, 1975年頃にあらわれ,これは受療率 が実際に減少を示した事実ともよく一致してい 来においてもあてはまるものとする. (2) 真の疾患の発生率は将来も変化しないものと 仮定する. (3) 自覚率の増加は今後もつづくが,その増加傾 向は減少する.その理由は , CR

3

と CR9 の和 が1. 0/ 日を越えることは理論上あり得ない. したがって, る. さて,過去の例にならって将来の医療需要増の 構造を分析してみるとどのようになるであろう 上限は存在するはずである.ま た,将来いかに医療が進歩したとしても,疾 患に J躍患してすぐに自覚するようになるとは 考えにくいから, 前と同じような方法により 1975 年を起点とし, w 人口構成のみの変化したとき

(

2

;

CR

3

のみが変化したとき

(

3

:

'

CR

5のみが変化したとき カミ. 1. 0 以下の点で上限となる その減少傾向 はゆっくりとなる.その理由は CR3 と同様 はずであるからである. (4)CR

5

の減少は今後もつづくが, で , CR5 が 0 となるということは病気になっ た人が,なおらなくなることを意味するの のそれぞれの患者数の変化を見てみよう. この計算の結果は図 8 ,図 9 に示すとおりであ ここで明らかなことは,過去 15 年の場合と異 なり CR

5

の変化が大きな要因として浮かびあがっ 0 以下になることはあり得ない.老齢人 口においては今後, CR5 は O にいちじるしく 近づくと思われるが,若年層においては CR5 で, る. てきてい-ることである.

CR

3 は,これに比べその 影響は小さくなっている.また,人口の老齢化に よる1需要増もかなり大きな比率を示すようにな は減少するとは考えられない. (5)CR

4

の変化は一定とする.これが一定となる ためには,医療の供給が需要に十分追いつい ていく必要があるが,ここでは一応この仮定 る. 以上の事実は,今後の医療需要は構造的にかな り過去とは異なっていることを示してし、る.増加 の率としてはそれほど高くないが,疾患の慢性 において計算することとする. さて,以上の仮定によって計算した将来の医療

需要を図

7 に示す.この図は医療機関にかかって いる病人の数を年齢階層別に示したものであり, ω 伺 にJ = 10 妻 4 0 の 5 3τ

ーーーーーーーーーー P.Ä

1 5 三 1975 1990Year 1955

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3

1975 図 8 を年齢階層別に求めた図 図 g 6 54 ご 5 Rd 「 llv 」 Rd 9 1 5 0 5 1 C 」伺()五七〉〉 V40 一回』 00Z 4 0 0 5 ω 」開口 Z 】一ミ FXO 一回」。。 z rM 州初刊叫川 X( 辺 )ES-SEEL-玄哲一のち」 ω 官コ Z 1990 Year 患者数の将来予測と関与する要因. 細い線は 1975年を基点として,要悶 が単独に作用した時の予測 1977 年 10 月号 1985 1980 1975 1970 1965 19印 図 8 1955 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(9)

化・老齢人口の増加にともなう医療需要の増加と いう,本質的な意味での需要増が,将来の需要増 であることを意味しており,これに対応するには 単に数のみの供給を増加するということではもは や対処し得ないことを示しているように思われ る. むすぴ 日本におけるヘルスケアーに与えるさまざまな 因子の相互関係を分析し,また,ヘルスケアーの 将来を予測する手段として,ヘルスケアー・シミ ュレーション・モデルの手法を述べた. これは, 日本のヘルスケアー全体を包含するモ デルをつくるひとつの過程である.これまでの研 究の結果から, この方法はまだ未成熟ではある が,多くの成果を生むことも期待できることが明 らかとなった. これまでの本研究から結論されることはつぎの とおりであった. (1) 過去における日本の医療の需要の増加は, 第 1 に,より多くの無自覚な病人が疾患を自 覚するようになったためであり,第 2 には疾 患が慢性化したためで、あると考えられる. (2) 医療需要は, 1974 年頃をひとつの境とし て,構造的な変化を示しつつある. すなわち,需要の増加傾向は鈍化している が,需要増加の要因は疾患の慢性化,老齢人 口の増加等のより本質的な要因にとって変わ りつつある. 今後,さらに他の要因も含めモテルを拡張する とともに,各部分についても詳細な検討を行ない つつ,モデルの妥当性を検討していく必要があろ う. 参三考文献

1 ) S. Kaihara

,

K. Atsumi and N. Kawamura:

A simulation model of Medical Demands in

Japan, 2nd USA-J apan Computer Conference

Proceedings

,

1975.

2 )関原成允:医療のシミュレーションモテ、ノレ, 総合

臨休 26: 125

,

1977.

3) S. Kaihara

,

I

.

Fujimasa,

K.

Atsumi and A.

Klementiev : An approach to building a uni

versal health care model : Morbidity model of

degenerative diseases

,

Research Memorandum

RM-77-6. International Institute for Applied Systems Analysis

,

1977. かし、はら・しげこと 1937年生 昭和36年東京大学医学部卒 米国 Johns Hopkins 病院脅学後,東大病院第二 内科助手 昭和 50年東京大学医学部助教授病院電算機室 長 昭和51 年 国際応用システム研究所短期研究員 専門:医療情報科学,統計学, OR ,計算機科学 等を医療の中に応用していくことの中から新しい学 問が生まれることを念願としている.国際情報処理 IFORS 加盟の各国 OR 学会の住所をお知らせします. 1977年最新版です. 国際会議の問合せ,文献入手などにご利用ください. (第 2 回)

5. CANADA Ottawa Secretary :

Canadian Operational Research Representative: Dr. J. J. Conn

Society CORS (7/76) Alex Cowie Defence Research Board

President: Sun Oil Company Limited DRAE

,

Canadian Forces

Head-Dr. Dave Daziel 56 Wellesley Street West quarters

,

Ottawa

350 Sparks Street

,

Suite 605 Floor 17

, Toronto,

Ont.M5S 2S4 (613ページにつづく〕

参照

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