57
貿易利益分析の基礎
一Kenen,P.B.の所論に沿って一
中 島 潤
1
低開発国の経済発展に貿易が不可欠であるという理由として,消極的な理由と積極的な 理由とがある。消極的理由とは次の如くである。
(1)
いま,国内原料や国内労働を用いて経済発展計画を立てた場合,直接には外国為替を必 要としないであろう。だが多くの設備は輸入によらねばならない。この設備輸入がたとえ 零であったとしても,直接的な建設労働に対して賃金を支払わねばならぬから外国為替を 必要としよう。すなわち,不完全雇用の場合には,新しく公共部門で雇用された建設労働 に対して賃金が支払われねばならず,賃金財の輸入がないかぎり賃金財への需要が増大 し,賃金財の価格は騰貴するはずである。これは政治危機につながる可能性を持つ。また 完全雇用の場合には,賃金財生産部門から公共部門への労働の移動が考えられる以上,賃 金財の輸入がなければ賃金財の供給が減少し,先と同様賃金財の価格は騰貴する結果とな る。したがって一国が以前より急速に資本蓄積を進めようとすると,輸入がないかぎり,
賃金財の供給が同じで賃金財の価格が騰貴するか,あるいは賃金財価格の騰貴につれて総 消費が減少しなければならないことになろうb政府借款は経済発展計画の 外国為替分
(foreign exchange compon3nt)をできるだけ多くカバーするためになされる。この 外 国為替分 が小なる程,消費財の価格騰貴は大,実質消費減の傾向も大となろう。かくして 外国為替の増大は,経済発展に伴う資本財輸入のためにも,国内の急激な資本蓄積の結果 (2)
を相殺して消費を安定させるためにも常に不可欠である。
外国為替の手持を増すという観点から,採算が合えば外国資本を借入れるのが有利であ ろう。しかし,資本の借入れは結局財。用役の輸入という形をとらねばならない。この輸 入増大に見合う輸出の拡大がこの国の支払能力,周際流動性という観点から次に必要とな
る。輸出増大はまた資本財についても消費財についても輸入増を誘発するだろう6
(1)Enke, S, Economics for Development, Englewood Cliffs, N.J., Prentice・Hall, Inc,,
1963,PP.451〜60参照。
(2)国内資本蓄積=国内資本財(kd)+輸入資本財(ki)である。もしkdを増せば(失業あり),
賃金財の価格騰貴から国内消費財(Cd)が減少し,コスト増大から輸出資本財・消費財も減少する。
外資の借入れや援助がなければ輸出減は輸入減をもたらし,kiを不変に保たねばならぬとすれば,
輸入消費財(Ci)も滅少しなければならない。結果はCd, Ciの減少つまり総:消費の減少となる。
資本の借入れと輸出増との関係は輸出一輸入性向(export propensity to import)に よって測られる。輸入の増分は輸入資本財の増分と輸入消費財の増分との和であるから,
△M=△ki十△Ci
と表わされる。いま限界生酵財轍餉をm・(一会罫ただし△Xは轍増分),
限界消費者財轍騰煽一醤,△Ylま所得増分)萌一会姜,轍一轍性 向をm(△M「X)・・xt・a d・bt se・viceを△Dとすると譜入れ返済を考え暢合 △X=△D十m△X
を満たす輸出増が必要となる。したがって 1
△D △X=
1−m
ただし,m=mp+y。m。である。この式から達成可能な輸出増をもとにして借入れ可能額 (1)
を知り得ようし,また逆に借款をした場合の必要輸出額をも知ることができよう。
以上要するに,貿易がなければ外資導入による経済発展を遂行することができないとい うことである。すなわち借款を受取るのは輸入を通じてであり,その返済は輸出を通して であるから,商品の移動があるときにのみ資本の移動が生じうる。
さらに積極的理由とは次の如くである。たとえ輸入が常に輸出に等しいとしても,国際 問の商品貿易は厚生の上で他のかなりの利益をもたらすことである。この貿易利益に三種 類がある。その第1はいわゆる短期の貿易利益で,もし国民生産物の一部が輸入品と交換 に輸出されるならば,与えられた国民生産物はより多くの消費者満足をもたらしうること で〜らり,第2は生産物の構成が長期的に変化することによって,一国は国際購買力を増す ことができる。次図において無貿易均衡点
叉 琶
B
T
0
/13 1112
莞
Q3、、
Q2
14
、
第1図
Ql、 D2
tノ
墓 x α旦
、D3
α4
濃3
T/B xl訂)
をQ2からD2へと移動するだろうから,さらに高い13
す。これが第2の貿易利益である。第3はEnkeが最も重要なものと考える生産財の貿易,
(2)
(1)輸出一輸入性向は,通常低開発国においては少くとも翰から約%のものまである。
(2)Enke, S., Some Gains from Trade in Producer Goods, Q・J。 of E., Nov.1961, PP.
635−42,特にBalanced Trade in Consumer Goods and Producer Goodsの部分参照。
はQ、点で,X・Y両財の相対価格がα、
の勾配で示される。貿易が開始され,国際 交換比率がα2の勾配になれば,生産物の 構成が変らなくても,消費点がQ、から D1へ移動し,より高い無差別曲線12に 到達し,より多くの消費者満足がもたらさ れる。これが貿易利益の第1である。だが より長期には,生産点が生産ブロックTT 上を移動しQ、からQ2へ移るだろう。
また消費点はα2に平行なα3の価格線上 に達し,一国は国際購買力を増
貿易利益分析の基礎 59
つまり生産財の貿易が消費財を作る能力を極度に増す可能性があるということである。消 費財の生産ブロックはTT・0であるが, XおよびY両前を生産するに必要な原材料
をそれぞれκとッとした場合,この原料を貿易することにより,その生産ブロックが BB,0へ変わることが考えられる。
κに明らかに比較優位をもつとすると,輸出用にκ財を生産し国際価格で等額のy財 を輸入した方が有利であろう。そ¢)結果国内ではヨリ多くのY財とヨリ少ないX財が 生産される。この可能性がtt で示される。 X財とY財との代替は両財の貿易による のではなくて,原料たるκ財と夕財との貿易による。tt は図ではQ2点に関して描か れている。TT,上の各点についてttノを求め,その包絡線がBBノである。したがって ttノはTT に只一点で接している。 tt の形をきめる要因は物理的な換算率(原料1単 位が完成消費財の何単位になるか)と貿易される生産者財の相対価格である。輸出原料κ の相対価格が大なる程ttノをヨリ急な勾配にする。
かくてQ3点で生産し, Q3 からD3へ価格線α↓(α.,α3に平行)に沿って貿易す る方がより有利となろう、。より高い無差別曲線しに達するからである。
(1)
本稿においては,この貿易利益の分析に必要なtoo1を検討し,第3の貿易利益である (2)
生産者財貿易利益の再吟味を試みるための予備考察に止める。以下∬では交換均衡の叙述 に用いられる Edgeworth box diagram を説明し,皿において生産・消費を含む一般 均衡への拡張に2通りの図示があることを示す。一つはSa艶uGlsonの situation uti1・
ity−possibility curve であり,他は:K:enenの Paretian coRtract curve である。
最後のIVにおいて・国際貿易に拡張して一般的な貿易利益論を展開す為に止める・生産者 財貿易利益論の再吟味は逐一に譲ることにする。
皿
パレートの最適性によれば,消費面における消費財の消費者間への分配は,その分配を 改めて消費財をどのように消費者間に再分配しても,つねに少くとも一人以上の消費者の 満足が低下するとき,有効(efficien◎であるという。
(1)本節は大体Enke,S。前掲書および前掲論文に拠っている。第1図はEnkeに従っているが,こ の図には重大な誤りがあるようである。通常比較優位にあるX財が輸出され・X財の生産量お よび価格が増大するのであるが,この図では逆にY財にそれが生じている。比較劣位のY財が輸
出され,比較優位のX財が輸入されるという点理解に苦しむ。
(2)以下の諸節における叙述は大体においてKenen, P.B., ●On the Geometry of Welfare Econ。
omics, Q. J. of E., Aug。1957, PP.426−47に従っている。
いま消費者間に完全競争状態を仮定すると,i)ある一人の消費者の消費水準が変 化しても商品価格は影響されないし,同様にii)ある一人の消費者の販売量が変化し ても生産要素価格は影響を受けない。
さて,i番目の消費者の効用関数を
iU−iU(Xi、, Xi2…, Xim)
と表わそう。Xikはi番目の消費者のk番目の財の消費量(財はinputを含み(k−
1,2,…,s)で表わし, outputは(k=s+1,s+2,…,m)で表わす)。
完全競争条件から,i番目の消費者の満足を最大にする条件は,
一書姜il一轟(j・k−1・2・…・m)
∂Xik )である。すなわち,任意の2財(j,k)間のi番目の消費者の限界代替率(一 ∂Xij がその価格比率(P」
)に等しいときである。 (勿論,2階の条件は満たされているも Pk
のとする。以下同様)。
上式はすべての消費者についても成立つから
∂x、k ∂Xhk(i・h=1・2. ・n)
∂Xij ∂Xhl
(」,k=1,2,…,m)
となる。もしこの式が成り立たなければ,他のすべての人の満足を低下させることなく,
一人の満足を増大させることができる。 したがってパレート最適ではない。パレート最適 であるためには,この式が成立しなければならない。この等式は消費におけるパレート最 適成立の必要条件である。
簡単化のために2人2財を仮定する。そのとき2人の序数的効用関数はそれぞれ ■U=1U(X1, y1)
2U=2U(X2, y2)
であり,x1+x2=xo, y1+y2=yOとする。
(1)
次に消費者]1は一定の満足水準2UO一常数を得るものとする。この制限条件のもとで消 費者1の効用を最大にするために,関数
1U誓(X1, y1)鵠1U(X1, y1)十λ,〔2U(Xo−X1, yo−y1)一2Uo〕
をつくり,その偏導関数を零に等しいとおく(λはラグランジュ乗数)。
したがって
書票一暮署一λ書妾平一・
∂・U麗一∂・U一λ∂・U一。
∂y1 ∂y1
∂y1
(1)両財の総供給が一定と仮定されている。
貿易利益分析の基礎 61
両式から
∂1U/∂X1 ∂2U/∂X1 ∂1U/∂y1 一 ∂2U/∂yl o
この式の左辺は消費者1の限界代替率(marginal rate of substitution, MRS)であ り,右辺は消費者皿の限界代替率である。完全競争のもとで,すべての消費者について限 界代替率が等しくなることは,消費者間の財の分配がパレート最適であることを保証する。
以上の議論はEdgeworth box diagram lこよって幾何学的に説明されうる。第品品にお いて,生産変形曲線X。Y。上の一点0亜の座標は(xo, yO)である。すなわち総供給が 一定で,X財はOIX, Y財はOIYである。 OIXO正Yの中に消費者1(原点はOI)・
消費者皿(原点は0∬)の無差別曲線群を描く。両無差別曲線の接線の軌跡OIO丑が契約 曲線(contract curve)と呼ばれ,有効な所得分配の軌跡を形成する。この契約曲線の性 質は次の通りである。
財
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第H図
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.2U2..一 .一_..一.一.
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プ e
i)契約曲線上の移動は他を犠牲にすることによって一人をbetter offするはずである。
例えばA点からC点への移動を考えよう。消費者]工が2uo→2U1へとヨリ低い無差別曲線 に移ることによって,消費者1は1UO→1U1へとヨリ高い効用の満足が得られる。最初の A点においては,消費者1がX財のOIr, Y財のOIs,消費者∬はX財のrX,Y財のsYを 得ているから,A点からC点への移動にヨリ消費者∬から1への財の移動は, X財のrq,
Y財のstである。
ii)契約曲線以外の点から契約曲線上の点への移動は,他を害うことなしに一人をbett・
er offするかまたは両者をbetter offする。例えば契約曲線以外の点Bをとろう。 B点 では,消費者1は1UO上にあり,消費者皿は2U1上にある。契約曲線上への移動に三通 りが考えちれる91,B点からA点への移動は消費者皿をわetter offレGU1→2Uo)・消
費理工は不変である。2.B点からC点への移動は消費者1をbetter offし(、Uo→1U1),
消費者皿は不変。3.B点からA,C問の一点への移動は両者をbetter offする。
iii)最初から契約曲線上にある一人の効用を増すことを望むなら,契約曲線上の他の点 へ移らねばならない。他の最小の犠牲において一人の効用を増しうるだろう。
iv)完全競争条件から,価格比率一消費者の限界代替率であるから,契約曲線上の各点 に唯一の相対価格が対応する。例えば均衡点がC点ならば,相対価格 (p。/Py)はeeノの 勾配で示される。
次に生産面に関するパレートの最適性によれば,各企業間で(あるいは企業内部),各 種の投入量を実行可能な方法によってどのように再分配しても,少くとも一つの企業(ま たは商品)の産出量水準が減少するとき,有効である。
完全競争条件下では,一企業の産出量水準の変化は商品価格に影響しないし,また一企 業の投入量水準の変化は投入の価格に影響しない。h番目の企業の生産関数を
Fh(Xh、, Xh鷲,…, Xhm)一〇
とする。Xhk(k−1,2…,s)は投入で負と定義され, Xhk(k−s+1,s+2,…,m)は産出を示す。
完全競争下での利潤最大化条件は ∂Xhk Pl ∂Xhl Pk
であり,その意味は次の通りである。
i)添字j,kが共に投入である場合,技術的代替率(rate of fechnical substitution,
RTS)が両投入物の価格比率に等しくなければならない。
ii)添字j,kが共に産出物を示す場合,限界変形率(marginal rate of transforma・
tion, MRT)が両産出物の価格比率に等しくなければならない。
iii)kが産出,1が投入である場合,限界生産物(marginal product, MP)が投入と 産出の価格比率に等しくなければならない。
上式はすべての企業について成立するから
∂Xhk ∂x、k(i・h−1・2・…・・)
∂・・j ∂x・1(i,k = 1,2,…,m)
この等式は次のような意味でパレート最適である。すなわち,ある企業の産出量水準が増 加するように,各種の投入をいくつかの企業にっ.長∬再分配するときには,他のいずれか の企業の産出量水準が必ず減少するということである。
(1)
(1)また,ある財の経済全体の総産出量水準を増加させるように,各種の投入を企業内でいくつかの
異った屋聖俗ついて再分配するときには,他のいずれかの商品の総産出量水準が必ず低下するという承味でもパレート畢適である9
貿易利益分析の基礎 63
簡単化のために2生産者を取上げ,その生産関数を陽関数の形で
q1 − f1 (x1, y1)
q2 =・f2 (x2, y2)
と表わす。ただしX,yは投入で, X、+X,一X・, y、+y,一y・とする。企業家皿の産出量 を恥0に固定して,企業家1の産出量q、を最大にしよう。
L = f1 (x1,y1) 十 )㌧〔f急 (xo− x1, yo−y1) 一q20〕
号島一一号皇一λ書気一・
暮髭一書銑一λ喀臨一・
. ∂f1/∂x1 ∂f2/∂x 1 ● ∂f1/∂y1 一 ∂f2/∂y1
したがって両者のRTSの均等がパレート最適性の必要条件である。この条件が満たされ (1)
るべぎならばEdgeworth box diagralnの手法が問題となり,その契約曲線上の多くの 点は決して実現されえないことになる。いま第∬図においてC点で均衡しており, Cカ≧
らAへの移行を望むと仮定する。 CからAへの移動がはじまるや否や,boxの形が 変化しはじめる。したがって移行を望むA点が消滅する。何故なら,生産均衡の必要条件 から価格比率がMRS (図ではX。Y。の接線の傾斜)に等しくなければならない。 C点か
らA点へ移るためには価格比率 (p。/Py)がff の勾配に等しくなるまで下落しなけれ ばならない。しかるにff の勾配は99 のそれより緩やかであるから,0亜型がZへと 移行しboxの形が変化する。 (ただし要素の総供給は一一定で,所得分配の変化による生産 要素の供給変化は無視される。)
そこで生産を含む一般的なパレート最適性を表わす図が必要となってくる。消費と生産 の両面を含む一般的なパレート最適条件は次のようになろう。完全競争条件のもとで,消 費者間では任意の2財(j,k)の間に
RCS= Pj Pk が成立ち,生産者間では
r r
Pj=MPI Pk=MP、
(1)x,yが投入でなく産出である場合には,両者のMRTの均等がパレート最適の必要条件となる。
qi=0としよう。そのときx(y)財を一定にしてy(x)財の最大生産量を求めたものと見倣し
うる。したがって一方に他の一定の値を与えると,他財のある値が決まる。この関係を陰関数の形
でF(k,y)=0と表わせば,これが社会的変形関数(第五図のXoYのである。社会的変形関数においては,個別限界変形率と総体的限界変形率の:均等関係が成立ってい.る。水野正一著・線型経済
学,1959,P.129参照,
が成立しなければならない。ただしrはある生産要素の価格であり, MPj, MPkはその 生産要素によって財j,kをそれぞれ生産するときの限界生産物である。
したがって
RCS_ Pl _ r/MPI _ 1/MPj =MRT Pk r/MPk
1/MPk
となり,このことがパレート最適成立の条件である。これを図示する方法に二通りがある。
一つは効用空間に関するSamuelsonの situation utility−possibility curve であり,
他は商品空間に関するK:enenの Paretian contract curve である。次節にわいては これらについて検討する。
皿
第]1図の如く,G皿に刻応ずる Edgeworth contract,curveを導き出し,その契約 曲線上の各点に対応する一組の 、Ui,2Uiを効用空間に描き出せば,第皿図のabc曲線 が得られるであろう,この曲線は point utility・possibility curve と呼ばれる。とい
うのは0∬点に対応する潜在的な所得分配の集合だからである。この曲線の性質で明らか
2U
R
a
d
0
b
、
\
、
、
\
、
、
、
、
、
、
、
、
、
、
第皿図
、
e
、
、
、
C
fQlu
なことは負の勾配を持つということ である。何故なら Edgeworth co・
ntract curve上の移動は,一方の 効用を増し他方の効用を減ずるから である。X。Y。上の各点について,
同様iにして point utiiity・possib・
ility curve が描ける。この包絡 線RQが situation utility−pos・
sibility curve である。この曲線 の性質は次の如くである。
i)X,Yの特定の集合(X。Y。上 の組合せ) とこれら生産された財の 消費者両者間への特定の分配を示す。例えばb点をとると,b点は契約曲線OIqに属す
るはずであるから,生産は0豆点の座標できまり,X財のOIX,Y財のOIYがこれで ある。また消費面での分配も,OIO亜上の一点であるから一義的に決まる。
ii)abc上の各点は消費者の限界代替率が互に等しい点の軌跡であるが, b点ではその 互に等しい限界代替率がまた生産の限界変形率に等しい点となる。しにがって situation utiliy・possibility curve は可能な均衡の集合を示している,ζの証明は次の如くである。
消費者の効用関数をそれぞれ
貿易利益分析の基礎 ・ 65
1U =1U(X1, y1)
2U=2U(X2, y2)
変形関数を
f(x1十x2, y1十 y2) = o
とする。いま消費者皿の効用を一定GUO)として,消費者1の効用最大化を求めると,
唐奄狽浮≠狽奄盾氏@utility・possibility curve 上の一点を得る。2Uoにいろいろな値を入れて,
消費者1の効用を最大にする点の軌跡が situation utility・possibility curve である。
したがって
:L(x1, x2, y1, y2)=1U(x1, y1)十λ〔2U(x2, y2)一2Uo〕
十 μf(x1 十x2, y1 十 y2)
から(ただしλ,μ,はラグランジュ乗数),偏導関数を求めて零とおくと,
銑一・書芸+μ護,一・
銑一書弄+μ暮多一・
暑気一λ書斐要+μ護一・
銑一λ書套要+μ 募一・
ヒ となる(x=x1+x2, y=y1+y2とする)。
前二式から
∂■U/∂x1 ∂f/∂x ∂1U/∂y1 ∂f/∂y,
後の図式から
∂2U/∂x2 ∂f/∂x ∂2U/∂y全 ∂f/∂y,
故に
∂1U/∂X1 ∂2U/∂X2 ∂1U/∂y1 一 ∂2U/∂y20
これは situation utility−possibility curve 上のどの点においても,消費者1の限界 代替率が消費者皿の限界代替率に等しいことを示している。
(1)
さらに変形曲線上のどの点においても dy ∂f/∂x
dx 』一 ∂f/∂y
(1)制限条件が2つ以上の場合には・制限条件の数嫉変数の数以下でなければならない。小宮隆太郎
訳,ヘンダースン・クオント,「現代経済学」,昭和36年,P.381参照,
が成立つから,
∂1U/∂x1 ∂2U/∂x2 dy ∂1U/∂y1 ∂2U/∂y2 dx
となり,両限界代替率が限界変形率に等しくなる。したがって situation utility・possi−
bility『curve 上のすべての点でパレート最適条件は満たされる。
図の上では,第皿図のC点(eeノはgg に平行)が組紐図あb点に対応する。生産変形 曲線上の他の点に対応する契約曲線について,生産変形曲線上の与えられた点の勾配と等
しい価格線の勾配を持つ契約曲線上の点を効用空間に移し換えたものが situation utili・
ty・possibility curve 上の他の点と対応する。
(1)
次に商品空間に関する Paretian contract curve の説明に入ろう。第W図の作図は
Y
Y。
ん
Z。
9
s 雪1
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〃2
第IV図
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_1__ _______一一一
妨
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2U。
Of
e (z 孟 X。
される。つまりS点は消費者1に対して残されたX,Y両財の消費量を示している。
ように消費者皿の一定の効用2uoが生産変形曲線に接する(各対応する軸は互に平行)別 の点を求めればS という点が求められる。かかる点の軌跡がZ。であり,消費者1の
availability locus と呼ばれる。この曲線の性質は次の通りである。 i)常に負の傾斜 をもつ,ii)ox。軸に対して凹である, iii)各点の傾斜はそれに対応するx。Y。上の点 の傾斜に等しい。例えばS点め傾斜はQ点の傾斜に等しい。この証明は以下の如くである。
いま,変形曲線を
f (x, y) =・o ……(1)
(1)この手法による貿易利益分析に関する文献に例えば,Kemp, M.C., The Gain from Interna・
tional Trade, E.J., Dec.1962, PP.803−19,およびSamuelson, P.A., The Gains fro⑳ 111tematio翼al T⑱de Q其ce A琴ain! E・JL?Dec・1962字PP・$2Q−29がある9
次の如くである。 Sκ2,Sy2軸に関 して描かれた消費者皿の無差別曲線
の一つ2uoをXoY。の生産変形 曲線に接するように重ね合わす。
(S夕2とOY, Sκ2とOXとはそれ ぞれ平行)。このようにすれば,限界変 形率が消費者五の限界代替率に等し くなろう。したがってこれがまた価 格比率に等しくなれば・生牽面では・
鉛2
X財のOt, Y財のOr,消費面では,X財のqtが消費者∬にsS(=Oq)
X が消費者工に,Y財のsrが消費者 ]1にqS(=Os)が消費者1に分配 この
貿易利益分析の基礎 ・ 67
消費者皿の選ばれた無差別曲線2uoを
2uo=2U(x2, y2) ……(2)
とする。 (ただしx1+x2=x, y1+y2=y)。
Q点において消費者皿の限界代替率が変形曲線に接しているから,
∂2U/∂x2 ∂f/∂x ∂2U/∂y2 ・ ∂f/∂y
しかるに(1)式から
dy ∂f/∂x dx ∂f/∂y
したがって
dy ∂2U/∂x2 dx 一 ∂2U/∂y2。
他方(2)式から
dy2 ∂2U/∂x2 dx 2 ∂2U/∂y2
したがって
畿一存姜 …(3).
故に
dy、一dy−dy,一1一評.dy
dx・dx−dx・1一讐 dx
しかるに(3)式から讐一暫であるから
dyl dy dxl dx Q
つまり,Z。曲線上の点(x、, y、)におけるこの曲線の傾斜が生産変形曲線上の点(x, y)
一x=x1+x2,y−y1+y2に注意一におけるこの曲線の傾斜に等しいことがわか
る。
この性質 iii)から消費者1の限界代替率(彼の無差別曲線はox, OY軸に関して定 義される)が価格比率に等しくなる。注意すべき点はS点が両軸の外へ出ることである。
すなわち avai蓋ability locus は第1象限内に限られないことである。いずれの側に出 るとしても,それは消費者皿のいずれかの財に対する需要が生産量を超過していることを 意味する。この面の考察が貿易である。
第IV図で得られたZ,曲線は消費者]1の憎定の効用水準2UOに対応するものであった。
したがって同じ手法を2U1,2U2,…(効用の減少を意味する)について行えば,それら の値に対応するZ、,Z2,…という互に交わらない(何故なら消費者皿の無差別曲線は互 に交わらないから) availability locus が得られる。これらの曲線はすべて右上方に 位置する。消費者皿がX,Y両財の分配を受けない場合には, availability locus が X。Y。という変形曲線に一致する。これを図示すると第V図のようになる。 Z。から Z7
Y
(Z・)Y;
ZI Z2 Z3 Z4 Z5 Z6 Z7
O
、 覧 、 、 、
、 、 、 、
、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 \
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ヘへ、 、 、 、
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\ 、\ 、、 、、 \ \
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愚\・蝦\こ
、 、 \ 、
ま、
し 、・\ \\
\ \ 、 \ \
第V図
ギΨΨ3
3
、\\
\ \
\ \ \ 、
、・ 卵高ア替
、 、、、 、㍉U6 IU4 X。 lU5
Xへ向うにつれて消費者皿の厚生が増 大する。これに消費者1の無差別曲 線(1U1〜1U8)を書き加える。(原 点は0点),これらの両曲線の接点 において消費者1の実質所得が最大 となる。例えば1U4に対してE点,
、U5に対してEノ点がそれであり,
これらE,Eノ点はパレート最適点 である。すなわち各消費者の限界代 替率一限界変形率一価応急率 (p、/
Pア)が成立する。このOP曲線が modified あるいは Paretian contract curveであり,次のような性質を持つ。前 述の如く, i)この曲線上の移動は,他の犠牲において,一人の厚生を増さねばならぬし,
ii)この曲線外の点から曲線上への移動は,他を害うことなしに一人の効用を増すか,両 方の効用を増す。iii)この曲線上の移動は一人の効用を増すための最も経済的な方法であ
る。何故なら他方の損朱を最小にするからである。
いまOP上の一点Eが均衡点であったとしよう。直ちに読みとれることは消費者1のX,
Y両三の消費量である。 (E点の座標がそれを示す)。E点の傾斜に等しい傾斜を持つ X。Y。上の点を求める。それがX, Y両財の総生産量である。したがってX, Yの両忌め 総生産量から消費者工のそれぞれの消費量を差引いた残りが,消費者五のX,Y両財の消 費量を示す。この手法はn人の場合に容易に拡張できる。すなわち (n−1)人の消費者 の無差別曲線を固定して生産変形曲線から引き去ると,最後のn番目の消費者の availa・
bility Iocus (互に交叉することがあり得る)が得られる。
以上の説明からわかるように, Paretian contract curve 上の各点の消費者1およ び皿の効用水準を読み取り,それを効用空間に描いたものが situation utility・possi−
bility curve ということになる。共に両者は制限付最大の軌跡であり,パレート最適の同 じ集合を表わす二つの方法に過ぎない。すなわち,両曲線の間に点対点対応が存在する。
たアご,逆に situation utility・possibility curve カ〉ら Paretian contract curve
を導出することはできない。 situation utility・possibility curve の右上方へのシフトは経済全体の厚生を増す。・すなわち他の消費者を害うことなく,一人の消費者の効用を
貿易利益分析の基礎 69
増すことができるし,また,社会の厚生指標の改善を意味しよう。だが Paretian cont・
ract curve によれば,財の集合の変化が潜在的厚生に及ぼす効果を知ることを可能にす る。生産変形曲線の変化,生産要素供給や生産性の変化その他が厚生水準に与える効果を 知るのに有効であろう。
唖鈴節で検討された分析手法を用いて,貿易利益の分析に入ろう。自由貿易の場合と最 適保護の場合に分けて吟味することにする。
i)自由貿易の場合 ・ 第W図における消費者1の availability locus であるZ1曲線は,消費者五の2U1 に対して導出されたものであり,この状態のもとで貿易がないとすれば,均衡点はZ、と
ZI Y、
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Xつから,これを situation utiliy−possibility curve として表わせば,
(2Ui,1Ui)と比較して貿易後のそれは右上方にあり,
貿易の方がよいということになろう。この自由貿易により生じた situation utility−pos−
sibility curve の持つ特性は次の如くである。
(1)この曲線上の各点の価格比率は他の点のそれと同じである。封鎖経済において得ら
れた situation utiliy−possibility curve のような無差別曲線と availability locus・・
との接点の軌跡ではない・むしろ一定の価格線と無差別曲線,その価格線と aVailability lOCUS との両接点の軌跡を描いたものである。
(1)
(1)もし一定の国際価格でなく,無限大より小なる弾力性をもつ外国のoffer curveの場合には,価 絡比率は所得分配の変化と共に変化するであろう。第W図の説明参照。
、U1とが接するQ点にくるはずである。だ が貿易が開始されれば(2人2財経済の下 で),無貿易の場合の国内価格体系(Q点 でのZ1曲線の接線の傾斜)と異なる新し
隅隅価格体系(器一期DBの傾
斜一交易条件)にこの経済は直面する。
そのとき,2U1の下で1U2が成立つであ ろう。消費者1はX財を:FD輸出して,
Y財をFB輸入する。輸入したFBのうち FRを消費者皿に渡さなければならないが,
それを渡してもなお消費者1は貿易利益を
得る。
他の2Uiに対して同様に、Ui+1が成立 貿易前のそれ したがって自給自足経済よりも自由
(2)この曲線は,T点のような消費者皿が無貿易の下でbetter offする(その極限が原 点0)以上に貿易によりbetter offする点を含んでいる。 Z,曲線は原点0の左下方に 描かれており,無貿易の場合には消費者1工が決して到達し得ないのであるが,貿易開始後 においては,貿易前の均衡状態として消費者1がコUO上にあり,かつ貿易利益が消費者1 より消費者∬に帰すものとすれば,T点での均衡が成立しうる。すなわち貿易前には2uo に対応するZ曲線、が、uoと接する点で均衡が成立していた。貿易の開始により消費者1 はX財のVWを輸出し, Y財のTVを輸入する。輸入のうちSVを消費者皿に渡すとす れば,消費者1は貿易前と同じ効用水準にあるが,消費者皿はより高い効用水準に達する。
この場合,貿易開始後の国内所得分配が消費者皿に有利に変化することが許されねばなら
ない。
結局,自由貿易 situation utility−pcssibibility curve は, WD曲線から消費者皿の 無差別曲線2Uの値を求め, OTB曲線から消費者工の無差別曲線、Uの値を求めて・
効用空間に描かれたものと見倣しうる。それは無貿易の situation utility−possibility
curve
謔閧煌O側にあることから,貿易利益の発生を証明しうる。だが,逆に貿易が両消 費者の一方に不利な結果をもたらす場合がある。例えば,消費者皿が文財の生産により所 得を得ているとすると,X財の輸出により貿易利益を一部吸収するだろう。貿易開始によりX財の生産量。価格の増大につれて消費者皿の利益が増し,Z、曲線は左下方に移ること になる。あまりに左下方に移動すると,消費者1が、U1にもどることができないであろ う。同様に,消費者皿が労働者,消費者1が資本家,X財が労働集約財, Y財が資本集約 財という場合には,貿易開始により資本家は不利益を蒙ることになろう。
最後に興味ある点は,貿易の真の存在,貿易量,貿易利益がすべて国内の所得分配に依 存するということである。二国が同じ要素賦存をもち,各国が2人(または2グループ)
からなり,A国の消費者工(皿)とB国の消費者1(丑)とは同じ選好を有するならば,
貿易は起らないのが通説のようである。すなわち,両国の Paretian contract curve が 全く一一致すれば両国の相対価格がこれまた一致し,国際貿易は発生しない。だが,国内の 経済政策や制度的な調整により,両国で Paretian contract curve を違わせるように すれば,両国の相対価格が変化して貿易が起ることが考えられる。二つの全く類似した国 が共に貿易利益を享受することも実際可能であるし,要素賦存が非常に異なり,消費者の 嗜好も甚だ異なる二国間の貿易よりも大なる量の貿易が生じる可能性もあるだろう。含意 的・水平的分業を生ぜしめる一つの論拠をわれわれはここに見出しうる。貿易前の各国内 の所得分配に差異があれば,それが貿易の発生原因となりうるし,一国の貿易量や貿易利 益もまた初期の国内所得分配に一一部依存するだろう。
以上は一国が一定の国際価格比率に直面した場合の分析であったが,無限大より小なる 弾力性をもつ外国のoffer curveに直面した場合の自由貿易均衡はどうなるのであろう か9
貿易利益分析の基礎 71
第W図において,無限大より小さい弾力性をもつ外国のoffer CUfveはκ、κ、,ッ,y、,両 軸に関するT:L曲線で示されている。貿易前の価格比率(P。/Py),それはQ点でのZ曲線
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の傾斜であるが,それがQ点でのT:L曲線 の傾斜より小であるとき,外国人はY財
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いては,その点でのZ曲線の接線の延長 (TQ:価格比率)
、uoと接するであろろう。そのようなT点が自由貿易均衡点(前図のB点に相当する)で あり,消費者1はX財のQmを輸出し, X財のmTを輸入する。勿論,他のZ曲線のお のおのについて,それに対応する自由貿易均衡点がある。そしてその均衡価格比率は各Z 曲線について全く異なるようである。つまり価格体系は所得分配と共に変化するというこ
とである。
ii)最適保護の場合
前述のようにTL曲線を動かしその包絡線Eを描く。これは消費者1が外国と貿易した 場合に課せられるべき最適関税の軌跡である。このE曲線の性質は次の如くである。V点 でのE曲線の傾斜が,V点でE曲線に接するoffer curveのT:L曲線がZ曲線と交わる 点Q亮おけるz曲線の傾斜と等しい。簡単に云って,v点でのE曲線の傾斜一Q点でのz 曲線の傾斜ということである(証明略)。したがって, 、U1がE曲線と接しているM点 では,消費者1の限界代替率(Eの傾斜に等しい)が国内の限界変形率に等しくなり,完 全に有効かつ可能な均衡点ということになる。
M点で均衡が達成されるような関税の賦課により,消費者皿を害うことなく,消費者1 を自由貿易の場合よりbetter offさせうる。 (ただし,無限大より小さい弾力性をもつ 外国のoffer curve,報復を受けないという前提がある)。
この方法を他のZ曲線について繰返せば,国内所得分配のおのおのに対して最適関税軌 跡E曲線と最適関税点Mを得る。この得られた多数のM点の 、U,2U を効用空間にとれ ば,それは最適保護の s圭tuation utility・possibility curve となる。これは自由貿易 の場合のそれよりも外側にあるだろうから,最適関税は潜在的な厚生を増大させる。この 最適関税率もまた所得分配と共に変化するようである。最適関税の situation utility・
を輸出し,X財を輸入せんと欲する(Q点 に関する第2象限に注意)。逆に傾斜が 大であるとき(Q点に関して第4象限),
外国人はX財を輸出しY財を輸入せんと する。この与えられたZ,TL 曲線に対 応する自由貿易均衡点を知るために,
κtκ、 軸は横軸OXに平行のままで,原 点がZ曲線上を移動するようにTL曲線
を動かせば,Z曲線上のある一点Qにお がTL曲線と交わる点Tで
po貫sibility curve (M点の集合)上の各点に対して唯一つの最適従価税率があるだろう・
注意すべきは初期貿易前均衡点がJ点にある場合である。 J点でのZ曲線の傾斜はQ点 でのTL曲線の傾斜に等しいから貿易は起らない。 J点ではE曲線がZ曲線に接している。
ただ貿易が行われるとすれば,関税が課せられた状態においてであり,関税の賦課にタる も消費者1の立場を改善するものではない。すなわちJ点での無貿易均衡の成立はZ曲線 と消費者工の無差別曲線がJ点で接している( Paretian contract curve がJ点を通っ ている)ことを意味し,関税賦課によるE曲線がまたJ点で消費者1の無差別曲線と接す
るからである。
以上の分析手法の生産者財貿易利益論への適用およびEnkeの生産者財貿易利益論の批 判は別稿に譲る。