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人事考課制度の導入で人件費を管理する
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第
3
章
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社会福祉法人マニュアル
職員育成のための
人事考課制度
83 キャリアパスの運用に「評価」は必要不可欠です。キャリアパスにおける「任 用等の条件」を年齢や経験年数、資格の保有等、誰が見ても明らかに分かる定 量的なものだけで構成していれば評価する必要はありませんが、それだけでキ ャリアパスを構築できる施設はほとんどないと思われます。 キャリアパスの中で、それぞれのステージに位置する職員に、どのような能 力や役割が求められているのかを明白にしたからには、それに照らして現状ど うなのかを評価し、本人にフィードバックしていく必要があります。
(1)人事考課制度の目的はあくまで“育成”
人事考課制度とは、組織の人事システムの一環であり、職員一人ひとりの役 割、仕事の遂行度、能力等を分析・評価し、これを動機づけや能力開発・育成 に活かすと同時に、処遇に反映させる制度のことをいいます。 これまで多くの福祉施設で運用してきた年功型人事制度から人事考課制度を 活用した制度への改定・運用において、「評価が不公平になる」、「失敗ばかりを 見られてしまう」など否定的な意見も見られます。 人事考課制度は、その職員個人の性格や人間性を評価するものではなく、キ ャリアパスを客観的な基準とし、職員個々の役割・責任の遂行度、能力の高ま り度合いや法人・施設に対する貢献度を評価する制度です。仕事とは関係のな い人間的な側面は関係がないということを理解する必要があります。人事考課は
部下育成とコミュニケーション活性化のツール
■人事考課の目的 ①人材育成を促進できる 人事考課制度は職員一人ひとりを観察し、指導・育成し、評価することであ り、その結果として、個々の職員の得意・不得意や特徴さらには意識が明らか になります。また、キャリアパス上での期待像等と照らし合わせ、職員一人ひ ①人材育成を促進できる ②管理指導職のマネジメント能力が強化できる ③上下間のコミュニケーション向上が期待できる ④公正処遇に結びつけ、モチベーションを喚起できる ⑤組織活性化を図ることができるキャリアパス運用に不可欠な評価制度
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84 とりの育成点が明確となり、職員個々に適した個別の育成が可能となります。 ②管理指導職のマネジメント能力が強化できる 多くの福祉施設では、実質的に管理職という機能を有しているのは、施設長 や事務長といった上級の役職者に限られており、現場での責任が明確になって いなかったり、現場のリーダーがいたとしても、本来有すべき部下管理や指導 育成などマネジメント能力が発揮できる状況ではありませんでした。 そこで、キャリアパスで求める役割や能力、責任をもとに、人事考課という 機会を通じて、現場のリーダー職員のリーダーシップ能力や部下指導育成能力、 部門管理能力など現場管理者としてのマネジメント能力を強化させることが可 能となります。 ③上下間のコミュニケーション向上が期待できる 多くの福祉施設では、ミーティングや会議等においてコミュニケーションを とる場があります。しかし、このようなミーティングや会議は連絡事項やその 場その場で直面している問題点の対応検討に追われているのが実態であり、部 下と上司が一対一で話し合う機会を持つことは事実上不可能だといえます。 人事考課制度では、単に評価するだけでなく、評価結果をフィードバックす ることが重視されます。このフィードバックの機会を通じて、上司と部下が話 し合い、お互いに育成点を話し合ったり、次に取組むべきテーマの共通認識を 得る場として活用し、さらには仕事上の希望や不満を話し合うことでコミュニ ケーションを密にすることができます。 ④公正処遇に結びつけ、モチベーションを喚起できる 多くの福祉施設で運用されていた従前の年功型人事給与制度においては、「仕 事をやってもやらなくても同じ」、「仕事の取組みが給与に反映されない」とい った不満の声を聞きます。しかし、この人事考課制度を導入し、評価結果を処 遇に反映することで、職員の意識改革や不満の解消を図り、職員のモチベーシ ョンを喚起することが可能となります。 ⑤組織活性化を図ることができる 人事考課を通じて、上司と部下のコミュニケーションが活性化されることに より、組織そのものが活性化してきます。
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(1)人事考課制度の基本的な考え方
育成に主眼を置いた人事考課制度は、あくまで絶対評価であるべきです。 絶対評価とは、部下の一人ひとりを見つめる人事考課といえます。誰かと誰 かを比較する(相対評価)のではなく、部下一人ひとりについて、どこが優れ、 どこが問題で、今後どこを伸ばせばよいかを見つめるものです。 つまり、絶対評価は職員一人ひとりの能力開発、育成がねらいとなります。 人事考課が成果を上げるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。 ■人事考課の 3 要件 ①公平性 考課者の主観や部門・職種間の不均衡がないように、人事考課は明確な基準 を有し、その基準に基づいて公正に運用される必要があります。そのためには、 以下の要件を満たす必要があります。 ②透明性 職員に人事考課を受け入れてもらうためには、人事考課制度を構築する際、 その過程を職員に公表する必要があります。そのことが、次に述べる納得性の 確保にもつながることになります。 また、人事考課表や考課基準を公表することにより、施設が職員に何を期待 しているかを明示することにもなります。 ●人事考課要素及び考課基準を明文化すること ●考課者による主観を排除するために、多段階評価とすること ●考課者による不均衡を排除するために、徹底した考課者研修を行うこと -MEMO- 人事考課の 3 要件 ①公平性 ②透明性 ③納得性人事考課制度の体系
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86 ③納得性 被考課者が納得できる人事考課であることが望ましいといえます。 納得する人事考課を実施するためには、面接の際に、上司と部下とが納得の いくまで話し合うことが必要です。
(2)人事考課表の作成
人事考課表を作成する際には、全等級、全職種で作成するのが理想的です。 しかし、細分化しすぎると管理が煩雑になってしまい、運用面で支障をきたす ことになります。 したがって、人事考課の種類は、階層では、一般職とリーダー職の 2 種類、 現場業務に携わる管理職が多い職場では、一般職、リーダー職及び管理職の 3 種類程度でよいと思われます。 さらに職種も分ける場合には、直接処遇に関わる部門(介護、支援、保育、 看護、相談員など)と事務管理部門(事務、総務、栄養士)に分ける程度が望 ましいと言えます。 ■人事考課表の種類 直接処遇部門 事務管理部門 管理職 ① ④ リーダー職 ② ⑤ 一般職 ③ ⑥ 人事考課の対象を決定することを評価基本要素の決定といいます。選択肢は 以下の 6 つの要素でほぼ網羅されます。 どの基本要素を採用するかということについて絶対的な正解はありませんが、 階層、職種別に重要な要素を組み合わせて決定することがポイントとなります。 福祉施設においては、仕事の成果を客観的に測定しにくいケースもあるため、 結果のみならず、意識や行動を重要した評価体系にした方が、職員の納得、理 解は得られやすいものとなります。 意識や行動を重視した評価をコンピテンシー(※)評価といい、最近の福祉 施設において、多く採用されています。87 ■コンピテンシー評価とは ①情意 職務遂行に対する態度や意欲といった基本姿勢。「規律性」「責任性」「積極 性」「協調性」に代表される項目。 ②成績 仕事の出来栄え。「質(正確さ)」「量(スピード)」に代表される項目。 ③能力 仕事の成績を支える基礎となる職務遂行能力。「理解力」「表現力」「知識」 「技術」「管理統率力」「企画力」「交渉力」などの項目がある。 ④プロセス 仕事の結果に至るまでの行程。仕事を「結果」と「原因」に分け、原因を 評価する考え方。行動面とそれを支える能力両面が含まれる。コンピテンシ ー(高い成果を挙げるための行動、能力規範)として扱う。 ⑤職務(役割) どんな仕事を行っているかに焦点を当てたもの。職務の幅と職務の深さの 2方向から評価する。管理職においては役割に置き換えられる。 ⑥業績 法人が求める成果基準(部門目標、個人目標)に対する達成度。 行動特性と訳され、職員の模範的な人物像を描き、そのような人材にな るために必要な要素を評価項目とするものです。
88 【評価項目例①(職能重視の考課要素・一般職)】 ・口頭または文書による説明力、表現力。 ・報告や課題などを明確に伝達できる能力。 ・担当業務の知識・技術は充分か。 状況理解力 ・仕事の状況や課題を的確に把握、分析できるか。 創意工夫力 ・仕事の工夫や改善提案を行う能力、技術、知識 情 意 考 課 規律性 能 力 考 課 知識・技能 表現力 成 績 考 課 仕事の量 積極性 ・仕事の期限、効率性、段取り、スピード、上司の要求期限との合致の度合い。 仕事の質 ・仕事の計画性、正確性、手順、ミスの防止、上司の方針、支持との整合性。 目標達成度 ・自分の設定した目標に対する達成度。 ・必要な業務を把握して、自主的に取り組む姿勢。 ・困難な仕事に前向きに取り組む意識。 ・仕事の工夫、改善、提案、実行の姿勢。 ・仕事の向上に有効な知識、資格取得の努力。 原価意識 考課要素 ・職場での申合せ事項も含めて、日常の仕事の規律やルールを守っているか。 ・報告・連絡・相談は適切になされているか。 ・決められた範囲での整理整頓、清潔が出来ていたか。 ・仕事の態度に気分での変動やムラがなかったか。 責任性 ・自分の役割や期待、求められているものを果たそうとする態度、行動。・与えられた指示に迅速に対応できたか。 協調性 ・同僚や後輩の仕事を果たすのに協力的であったか。 ・同僚や関係者に対する感謝やねぎらいの態度は充分であったか。 ・職場の良好な人間関係を維持することに努めているか。 ・コストに対する関心を常に示し、ムダ、ムラ、ムリの排除に取組む姿勢。 考課項目 定 義
89 【評価項目例②(プロセス重視評価項目 一般職員)】 業務を高レベルで遂行するための必要知識を備えている 考 課 要 素 考 課 項 目 定 義 基 本 姿 勢 相手の立場や気持ちを理解しようとしている 効果的に仕事を遂行するために、周囲をサポートし、リード役も買って出ている チ ャ レ ン ジ 性 新しいテーマや、高い目標、自己啓発に果敢に取り組んでいる 第 一 印 象 度 最初に会ったときに好印象を与えることができる本人の言動や行動 業 務 遂 行 チ ー ム 精 神 の 発 揮 素 直 さ 相手の意見や指摘をまずは受け入れる 誠 実 さ 仕事や他人に対してまじめで真心がこもっている プ ロ セ ス 考 課 仕事に対し現状満足せずに常に創意工夫を重ねながら仕事に取り組んでいる リ ス ク 管 理 予めリスクが想定されるとき、予防策や代替案を用意し取り組んでいる 安 定 運 用 業務の流れを把握し、担当業務を正確に行っている 業 務 知 識 の 習 得 傾 聴 力 思 い や り 基 礎 能 力 ア イ デ ア を 活 か す 力 業務内容、あるいは上司の指示について内容を適切に理解し、業務遂行している 情 報 の 収 集 さまざまな情報源から定期的に情報を収集している 注意深く、相手の身になって話を聞く 状 況 理 解 力 【評価項目例②(プロセス重視評価項目 リーダー職員)】 人や組織を動かすための働きかけ、調整を自ら行っている 自分の不足している知識・技能を自ら積極的に取り入れようと努めている 考 課 要 素 考 課 項 目 定 義 状況変化に対して効果的に対処している 業 務 企 画 力 新 規 開 拓 力 新しい顧客を増やす取組を行っている 傾 聴 力 注意深く、相手の身になって話を聞く 業務の仕組み、段取り、必要なルール等を自ら作っている 基 本 姿 勢 業 務 遂 行 リ ー ダ ー シ ッ プ 情 報 活 用 と 共 有 化 対 応 力 部下・後輩に業務知識、業務遂行能力のレベルアップのための指導を行い成長させている 困難な状況であっても落ち着いて対処している 冷 静 さ 社会の変化を認識し、必要な情報を集め、業務に活用。および情報公開による共有化している 業 務 知 識 の 習 得 業務を高レベルで遂行するための必要知識を備えている 視 点 の 広 さ と 深 さ 出来る限り広く、先を見据えて問題や課題の解決に当っている 自 己 革 新 プ ロ セ ス ・ 役 割 基 準 法人理念、方針、新しいやり方を部下に理解させ、実行させている 物事の原因と結果を正確に捉え、適切な対処が出来ている 柔 軟 思 考 状 況 分 析 理 念 ・ 方 針 の 共 有 部 下 ・ 後 輩 の 指 導 ・ 育 成
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(3)施設内の具体的行動基準を示し、成長を促す
人事考課の評価項目が確定したら、職員として具体的にどのような意識、 行動を取って欲しいのかを評価の行動基準にまとめると、職員自身がどのよ うな要素を身に付けるべきであるかが明確になり、それぞれの項目を達成で きると模範的な職員に一歩ずつ近づいていきます。 下記に、リーダー職員及び一般職員の行動基準例をご紹介します。 ①リーダー職員行動基準例 責任性 自分の仕事に責任を持って行っている 部下に指示した仕事にも責任を持って関わる 仕事を他人に押し付けたりしない 安易に上司に決定を委ねない 自分の言葉や行動に責任を持つ 仕事の期日を守る 徹底性 目標や計画を達成するために、諦めずにあらゆる手を打つ 目標や計画について安易に妥協しない 法人で決められたルール、方針を守る 部下への指導を諦めず、根気強く行っている 自分の仕事を最後までやり遂げようとしている 積極性 自ら進んで行動する 新しいサービス、業務を自ら進んで提案して実行する 困難な仕事についても、自ら進んで処理している 問題解決のために、前向きな提案を行っている 新しい知識、技術を得ようと、経験したことのない業務にも積極的に関わろうとしている 冷静さ 問題、トラブルが発生しても冷静に対応が出来ている 情緒不安定な利用者へも落ち着いて対応が出来ている 感情的にならずに冷静に判断が出来ている 感情的にならず、落ち着いた言葉遣いで対応が出来ている 慌てず、落ち着いた対応ができている 内容 基 本 姿 勢 項目91 業務知識・専門スキルの発揮 業務に必要な知識、スキルを身につけ、仕事に活かしている 自分の成長のために、知識や技能の幅を広げようと自己研鑽している 安易なミスをせずに正確に業務を行っている 資格を取得し、専門スキルを高めている 業務に必要な周辺知識(業界動向、社会情勢、近隣状況)などの把握にも努めている リスク管理 発生したリスクの被害が最小限に留まるよう対策を立てている リスクの再発防止策を徹底して取り組んでいる(取り組ませている) リスクだと思われる点については放置せず、対策を立てている リスクについての啓発を行っている 利用者の安全に配慮した環境整備を行っている 施設内外におけるリスクを把握している 企画力 サービス向上、業務改善につながる企画立案が出来ている 既成概念に捉われず、斬新なアイデアを企画に盛り込むことができている お互い仕事がやり易い方法を考えている 利用者思考で行事やイベントを企画している 新サービス、新製品の開発案を立てている 新しい事業計画を立てている 判断力 状況ごとに正しい判断が出来ている 優先するべき仕事の判断が出来ている 自分が判断するべきことは、まずは判断し、実行もしくは上申している 困難に直面したときにも取り組むことを決め、正しい対応ができる 急いで判断するべきことは時期を逸することなく、判断している 傾聴力 注意深く相手の身になって話を聞いている 相手の話を最後までよく聴いている 相手の話を良く聴き、真意を探ろうとしている 相手が話がしやすいよう聴き方ができている 利用者、部下、同僚の相談をしっかりと聴いている 交渉力 相手との商談、条件折衝などにおいて、法人の立場、状況をわきまえた交渉が出来ている 相手が興味を持つような会話が出来ている なかなか動いてくれない利用者に対して、うまく説得することが出来ている 相手との話し合いに必要な情報の整理を行った上で、交渉に臨んでいる 自分たちの良さ、強みを把握し、相手にしっかりと伝えることができている 状況分析と解決策の立案 問題が生じたときの原因究明が出来、適切な対策を立てている 今の状況を客観的に捉えて、どうするべきかについての解決策を立てている 個別支援計画のモニタリングの結果を次の計画に活かしている 自施設(法人)の状況を客観的に捉え、将来のために必要な対策を立てている 相談されたとき、冷静に状況を掴み、適切なアドバイスを送っている 情報の活用と共有化 業務に欠かせない重要な情報は確実に伝えている 会議などで職員間で決めたルール、やり方が徹底されるよう共有化を図っている サービス向上に役立つ外からの情報を、職場の中でも活かされるよう共有化している 利用者支援につながる情報を個別支援計画に反映している 情報ツールなどからの必要な情報を入手したときには、研修会などで関係職員に伝えている 内容 項目 業 務 遂 行 ・ 基 礎 能 力
92 業務の連携・調整 お互い協力して業務ができるよう前もって段取りを行っている 特定の職員に業務が偏らないよう、業務分担を適切に行っている 他部門との連携を密にし、業務をスムーズに行っている 確実に報告、連絡を行い、業務が円滑に進むようにしている 行事など全職員が総動員する場合、成功するよう互いに協力し、調整を図っている 業務改善 改善するべき点に目をそむけずに改善策を立て、実行している 現状に満足せず、より善くなるような方法を検討し、実行している 仕事の流れの悪いところを、スムーズになるよう改善している 改善された業務が標準化されるようマニュアル、ルールを作り、定期的に見直しを行っている 収入増加につながるよう製品、サービスの改善を行っている 働きやすい職場環境のために業務のムダを省いている 理解力 相手が自分に伝えたいことを理解できる 今、自分が何をするべきか理解し、行動している 法人の使命を理解し、それをわきまえた行動ができている 環境変化に敏感になり、環境変化に対応するべき職場の問題点が分かっている 業務の目的、意味を正しく理解した上で、業務を行っている 業務管理力 部下、部門の業務全体を把握し、適切な対応が取れている 事前に計画を立て、業務がスムーズに行われるよう管理ができている 部門の問題点をいち早く捉え、適切な対応を取っている 部下の行動の把握ができ、適切な指導、アドバイスを送っている 部門業務の状況が分かるよう、報告、連絡を徹底させている 業務目標(計画)の周知徹底 事業計画(目標)への意識が薄くならないよう継続的に周知している 事業計画(目標)をしっかり理解した上で、業務を行っている 事業計画(目標)を達成するための行動管理ができている 事業計画(目標)を達成するための具体的な方法が周知徹底されている 部下の指導・育成 部下、後輩に業務知識、スキルのレベルアップにつながるような指導を行っている 部下、後輩の育成が自分の役割であるとの認識を持ち、公平に指導を行っている 気づいた点については、時間をかけず、すばやく指導を行っている 個々の育成点を把握し、改善されるよう指導を行っている 役割を与え、達成感を味わえるような機会を作っている 任せた仕事は、任せっぱなしにせず、自らも関わっている 仕事の手順、やり方を正しく伝えている 部下とのコミュニケーション 部下、後輩への声かけを積極的に行っている 部下、後輩が意見を言いやすいような雰囲気や話し合いの場を作っている 業務につながる話し合いの場をよく持っている リーダー自ら部下に対して挨拶を率先して行っている 部下、後輩への目配り、気配りができ、相手の気持ちの把握に努めている 統率力 組織がまとまるよう、リーダーシップを取っている 時に、リーダー自ら率先して周りを引っ張っている 行動見本を示し、周りにも徹底させている 内容 リ ー ダ ー シ ッ プ 項目 業 務 遂 行 ・ 基 礎 能 力
93 ②一般職員行動基準例 思いやり 相手の立場を考えようとしていている 相手のことを考え行動する 利用者の目線で、考えて対応することができている 相手の気持ちを理解し、行動することができている 相手の気持ち担った言葉づかいや態度を取ることができている やさしさや感謝の気持ちを持って相手に接することができている 他人に対して気配りができている 規律性 職場のルールを守っている 約束ごとや仕事の流れを崩さない マニュアルを守っている 身だしなみをしっかりしている 就業規則を遵守している 社会人としてのマナーを実践している 時間を厳守している 指示されたことを、きちんと遂行している 責任性 指示されたことを最後までやり遂げようとしている 自分の役割を自覚し、しっかりと果たしている 自分の言葉や行動に最後まで責任を持っている 徹底性 自分の仕事を途中で投げ出したりしない やるべき仕事に手を抜かず、最後までやろうとしている 目標を達成しようと最後まであきらめずに努力している 一度決めたことに信念を持ち、一貫して行っている 積極性 自分から進んで成し遂げようとしている 前向きに仕事に取り組んでいる 自主的に仕事に取り組んでいる 会議等で自分の意見をきちんと持ち、発言、提案している 指示された仕事、役割以外にも興味を持ち、行動している 協調性 お互い協力して仕事を行っている 仲間意識を大切にし、共に行動している 単独プレーをせず、周りと協力しながら仕事を行っている 仲間と考えが違っても、合意点を探り、協力して仕事を行っている 他の職種とも協力し合いながら仕事を行っている 自分の感情に左右されず、仲間と協力し合いながら仕事を行っている コスト意識 コストに対する意識を持ち、仕事を行っている ムダやムラを発生させるような仕事をしない 仕事、時間、お金のムダをなくしている 経費の無駄遣いをしない 節約の意識を持ち仕事を行っている 作業の効率化を考えながら仕事を行っている リスク意識 予め、リスクが予想されるときに、そのままにせず予防策を立てている リスクが発生することを常に考え、リスクが最小限になるように行動している 危険箇所やマニュアルを周知している 基 本 姿 勢 内容 項目
94 業務知識・専門知識の習得 業務遂行のための必要知識・技能を持っている 持っているスキルを業務に十分に発揮させている 業務に必要な資格、知識を得ようと努力している 次のステップアップにつながる必要知識を得ようとしている 情報の収集 業務に必要な情報を集めている 支援に必要な情報を得ようと利用者、家族等とコミュニケーションを取っている サービス向上につながるような情報を外部から集めている 新聞、雑誌等に関心を持ち、必要な情報を収集している 利用者支援のおける利用者の行動、特性を把握しようとしている 利用者の変化に気づき、情報として取り上げている 上司・先輩との関係 キチンと的確に上司に報告、説明ができている 上司に対して社会人としてふさわしい態度で接したり、正しい敬語を使っている 指導やアドバイスを素直に聞き入れることができている 上司に対してしっかりとした挨拶ができている 報告、連絡、相談をしっかりと行っている 状況変化の対応 仕事上、困難に直面したときに、原因分析を行い対応策を立てている 固定観念に捉われず、柔軟な発想を持ち、適切な方法で対処している 状況変化時に冷静に対応している 利用者それぞれに合った対応が取れている 先を見通し、変化に備えて先手を打っている 創意工夫力 どうしたら良くなるかを考え、方法を導き出している 独創的な発想で、工夫する力を持っている 新しいものを取り入れ、工夫して取り組んでいる マンネリ化させず、新しいデザインを考えている 支援方法もより良くなるよう工夫しながら業務を行っている 新しい提案、考えを活かして業務を行っている 理解力 自分が行うべき業務の内容を的確に理解している 指示された業務を正しく理解し、業務を行っている 現在行っている業務上の問題点に気づき、適切な対応を取ることができている 相手の話している内容の真意を掴むことができている 自分の立場で今何をすべきかを理解し、行動に移すことができている 表現力 自分の伝えたいことを相手に理解してもらうことができている 文書、記録が相手に分かりやすい 会議等での発表の場で、相手に分かりやすい説明ができる 自分の伝えたいことを正確に伝えることができている 傾聴力 相手の身になって話を聞くことができている 相手の真意を探るよう話を聞くことができている 相手の話を途中で遮ったり、否定したりせずに最後まで聞いている 相手の話に共感して話を聞くことができている 相手が話しやすいような表情、姿勢、態度を示している 基 礎 能 力 業 務 遂 行 内容 項目
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(1)考課段階
考課は通常 5 段階で行うのが一般的です。(2)役割別配点ウェイト
役割(等級)ごとに求める期待像は異なります。そのため、考課ごとに配 分を設定する必要があります。例えば、一般職の場合、仕事の結果よりも仕 事に対する取り組みを重視するならば、情意考課の配分を高く設定します。 【配点ウェイト参考例・職能重視型】 昇給・昇格 賞与 昇給・昇格 賞与 昇給・昇格 賞与 情意考課 60 60 20 40 20 20 成績考課 20 40 30 60 40 80 能力考課 20 0 50 0 40 0 合計ウェイト 100 100 100 100 100 100 一般職 リーダー職 管理職 評価ウェイト 【配点ウェイト参考例・プロセス重視型】 昇給昇格 賞与 昇給昇格 賞与 基本姿勢 20 0 基本姿勢 40 25 業務遂行 45 45 業務遂行 25 30 リーダーシップ 15 15 基礎能力 15 15 80 60 80 70 20 40 20 30 20 40 20 30 100 100 100 100 小計 考 課 項 目 部門業績、個人成績の達成度 小計 プロセス考課 合計 考 課 項 目 部門業績、個人成績の達成度 一 般 職 評価ウェイト(%) 評価ウェイト(%) リ ー ダ ー 職 プロセス 役割基準 合計 小計 小計 考課段階 内 容 S(5) 上位等級としても要求以上、申し分ない。 A(4) 期待し要求する程度を上回る。 B(3) 少々ミスや問題はあるが、業務は支障なく十分に行われた。 C(2) いろいろ不十分な点はあるが、何とか業務は遂行された。 D(1) 業務に支障をきたした。人事考課の運用実務ポイント
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(3)考課回数、時期の検討
成績考課と情意考課に関しては夏期、冬期賞与支給時に行い、昇給、昇格、 昇進の時期に年間の評価を行うのが、一般的です。また、能力考課は昇給、 昇格、昇進の時期(年1回)に実施します。 この考課時期については、法人の実態に合わせて期間を設計するべきです。 ポイントは、考課については複数評価(本人含む)を行い、より客観的な 評価を行うことや、評価結果を本人に伝えるためのフィードバック面接を行 うことです。 【考課時期事例】 考課月 支給月 目 的 考 課 期 間 3 月 6 月 夏期賞与 10 月 1 日~3 月 31 日 9 月 12 月 冬期賞与 4 月 1 日~9 月 30 日 3 月 4 月 昇給・昇格 4 月 1 日~3 月 31 日 【考課スケジュール事例 昇給・昇格評価の場合】 スケジュール 内容 自 己 評 価 1次考課者の評価決定 3月7日~3月20日 1次考課者の育成面接 3月20日~3月25日 2次考課者の評価決定 3月25日~3月末日 事務部門での昇給額計算 4月1日 辞令交付 4月25日 昇給後給与支給 3月1日~3月7日 <ポイント> ①公平性確保のため、複数による 評価実施 ②面接により本人に結果をフィー ドバックし、次の育成点を明確 にする97 ここで注意しなければならないのは、この仕組み自体を運用するのは人であ るということです。特に管理者が人事制度やマネジメントについて理解し、活 用していかなければ、部下の育成は思ったように進みませんし、部下を公正に 評価することはできないと考えられます。管理者が自分の動機(内発的動機) から人を育てたい、人を育てなければならないと思うことが何よりも重要です。 そのためには管理者が「どんな仕事がしたいか」「なぜ今の仕事に就こうと思 ったのか」「どんな職場にしたいか」ということを、管理者自身が強く意識し、 その原動力をもとに部下を導いていくことが不可欠です。 そこで、管理者の意識を改革する方法の一つとして、「考課者研修」がありま す。
(1)考課者研修の目的
人事考課や目標管理を公正に行っていくためには、継続的な考課者研修が不 可欠です。 新任考課者・次期考課者候補も含め、すべての考課者を対象に、定期的に考 課者研修を行っていくことが、考課者による評価の不均衡を排除し、被考課者 の納得性を高め、人事考課制度の定着化を図る上で非常に重要です。 考課者研修の主な目的としては、以下の 3 点が上げられます。 人事考課において、考課者それぞれが評価に甘い、辛いなどのバラツキがあ ると評価自体の信頼性が薄れたり、不公平な評価となります。そのためにも、 考課者は人事考課の理論やルールを理解し、法人・施設内での統一の評価、つ まり誰が評価しても同じ評価ができる様に研修を実施し、継続しなければなら ないのです。 ●考課ルールの理解 ●考課者間の価値・評価基準の統一 ●考課者自身の部下育成意識の向上部下育成に不可欠な考課者研修
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(2)考課者研修の内容
評価者研修には、次のように主に 4 つの種類があります。 評価制度導入時や新たに評価者となったリーダーを対象とした基礎研修では、 リーダーとしての意識付けと評価の必要性、運用方法について学ぶこととなり ます。 評価制度導入時には、全職員を対象に説明会を実施します。評価制度の内容 や進め方、スケジュール等について説明を行い、職員の不安を払拭していくこ とが必要であるからです。 評価制度の改定時にも、全職員を対象に改定内容の説明が必要です。 常にオープンな制度であることが評価の成功ポイントです。 評価の実施時期にあわせて、応用の研修も推進する。いざ、評価となると自 信がなくなるリーダーも多く、これを払拭するために、施設内事例の検討や面 接の進め方を学ぶことで、評価もスムーズに進めることができるようになりま す。 【4種類の評価者研修】 実施時期 種 類 内 容 対 象 評価制度導入時 評価者の立場に 昇進した直後 基礎研修 リーダーとしての意識づけ、 評価の必要性と運用方法につ いての基礎研修 初めて評価者 になる職員 評価制度導入時 評価制度の 導入の説明会 評価制度の基本的な説明 全職員 評価制度の 改定時 評価制度改定 の説明会 改定した事項の基本的な説明 とそれに関連する研修 全職員 評価実施時期 応用研修 実際例の検討、面接実習によ る応用研修 評 価者基礎研 修 を終えた考課者99