長崎大学工学部研究報告第12号 昭 和54年2月 l
2脚 モ デ ル の 歩 行
異 武 友 一 * ・ 今 井 康 文 * 波 左 間 修 一 * * ・ 山 口 和 昭 * * *
W ALKING OF A BIPEDAL MODEL By
Tomokazu M A T AKE, Yasufumi IMAI (Mechanical Engineering)
Shuichi HAZAMA (Mitsu bishi Hea vy lndustries, Ltd.)
and
Kazuaki Y AMAGUCHI (Snow Brand Food Co., Ltd.)
Abstract
A human walking has been seldom analyzed mechanically in spite of the fact that it identified the human from other animals and moreover that analysis would have given several hints in making artificiallegs. Exact analysis, however, may not seem possible because the gait is a unified phenomenon contributed by a number of bones and musc1es, etc. and is indeed a psycholog‑ ical matter. In this paper, proposing simply the bipedal model' which consists of rigid links jointed by pins together with torsional springs, the complete walking cyc1e analogous to human gait composed of two distinct phases; stance and swing, has been analyzed.
The particular interest was f ocused on the step f orce: The heel striking and toeing‑off forces estimated using the typical values of a human body have given the quite consistent αdiagram with the real one, w hich was measured on the new force plate. The proposed model, hence, satisfactori1y represents human gait.
1.緒 吾 日 関係者に限定されていたとと,義足や生理膝という局 部的対処で解決がなされているとと,計測の方法や機 器が不充分であったととなどに原因があると考えられ
る。 ヒトの歩行は自分で体験できる身近かな現象であり
ながら,その内容については明確な解析がなされてい ない。これは歩行についての関心が医者や義足製作の 昭和53年11月四日受理
*機械工学科 林三菱重工業株式会社
*牢牢雪印食品株式会社
2 2脚モデルの歩行 歩行についての正確な情報を得るのに床反力の計測
という方法がある。この方法は古くから考えられてい たが,静力学回すなわち直立時の重心の動揺や足裏門 測定が主で,動力学的な歩行時の床反力については定 性的な域を出なかった。著者の一人は任意の場所を踏 んでも同じ値が得られ,かつ二二のほかに蹴力,捻転 力などが計測できる新しい踏力計を考案し,これらの 測定値を組合せた6個の線図が歩行の特性を示してい るという知見を得て,1)2)歩行の解析に大きな手がか りとなった。
従来,義足としての一番簡単なモデルは倒立振子型 である。これは力学的には間題はないが,ヒトの脚の モデルとしては適当ではない。そこで本論文は,まず,
リンクと回転ばね力をもったピン継手で構成される脚 モデルを考え,このモデルを2本ピンで結合して2脚 モデルとした。さらにこのモデルの運動については,』
ヒトの歩行と同様に,立脚;期,遊二期および片脚着地,
両脚着地の現象に対して,力学的な解析を行ない,踏 力計を用いた時に得られるヒトの歩行の特性線図と比 較検討を行なった。
2.脚モデル歩行の条件
脚のモデルとしてはヒトの歩行に対応させるため次 のような形状を選定した。大腿骨に相当するリンクは 下腿骨に相当するリンクと膝関節に相当する回転に対
してばね力をもつピンで結合され,下腿リンクは足の リンクと足関節に相当するばね付ピンで結合されてい る。この足関節ピンのばねは前方への回転と後方への 回転に対しては異ったばね常数をもっている。このよ うな2本の脚モデルの上方をピン結合して2脚モデル を形成した。この二三リンクは剛性のみを有して質量 はないものとし,2本の脚モデルを結合するピンは全 質量を集中さ章て重心とみなした。
ヒトの歩行を分析すれぼ次のような区間に分けられ る。踵が着き(heel contact),足回が全面にわたっ て着き(foot flat),全体重をうけている立脚中;期
(mid−stance)を経て,踵がはなれ(heel off),最:後 に爪先が離れる(toe off)という期間,すなわち立 脚期と,その後,この脚は地面を離れて前に振出され て次の着地態勢に入るまでの遊二期とに大別される。
立脚期の終りには他の脚が着地しているから,・歩行で は立脚期の前後に2本の脚が着地している両脚期の区 間が存在している。(Fig.1)
したがって,歩行のモデルを考える際には,(1)片脚 立脚期および両脚立脚期内で二歩二区間に対する運動 を考えることと,②この区間の通過に当っては円滑に 移行するよう注意することが必要である。(Fig.2)
3.片脚モデルの運動
片脚モデルでは踵着地の状態で体重を支えることは できないから足裏着地(FF)の状態から考えればよ い。したがって運動状態の解析は歩行の際観測される 次の3形態について行なった。すなわち (1膝関節の 伸張,(2)伸張した脚の回転,(3)直線脚の踵離れ(H:0)
の3通りある。
Fig.3にモデルを示したがMは身体の重心, Aは 膝関節,Oは足関節で, a, bおよび。はそれぞれ,
大腿骨の長さ,下腿骨の長さおよび下読の長さであ る。膝iおよび足関節の回転のばね常数をそれぞれ,
々、,々2(前方へ)およびゐ3(後方へ)とし,角度乞を 境としてばね常数がん3からん2に切換わる。極座標 の原点を0とし,踏力は足関節の0点に加わるものと
する。
3−1膝関節の伸張連動
Fig.3の状態で質点Mの運動方程式は7方向とθ 方向で次のようになる。
解アー・晦・・∫・・齢鶉+々・}・
鵤・2ン+2漉み+彿・・…θ+帥{睾+々δ一器一・
/(、)
ここでψはrのみの関数,δはr,θの関数であるか ら,これらの関係を代入すれば(1)式は,
Right leg
Lef曾 leg
One wαlking cyde Swhg Phose S書αnce phose
{60%1 {40%}
8ipedol perlod l20^25%}
Fig.10ne cornplete walking cycle is composed of two phases:(1)stance, beginning when the heel strikes the ground and (2)swing, beginning with toeing off.
一.!
M。nopedol perl。d 81pedo巳、period Fig.2 0ne walking cycle is devided into bipedal and monopedal periods.
真武友一・今井康文・波佐問修」・山ロ和昭 3
3−3爪先立ち(TK)または踵離れ(HO)の状態の
=0 272う 3ガπα
彿デ∂+2規桝彿9、。、θ一々〔㍗(θ±α);L−o
となる。またr方向,θ方向の三三,F〆, Fθは
であるから,合成された踏力Fは F一}/F。2+Fθ2
である。
3−2直線脚の運動
この場合,プ=α十∂=ωπ5!.で,θ>2で々=々2,
θく乞でた議々3である。質点Mの運動方程式は,θ方 向のみで
窺(・+のづ+規9…θ+ゐ早j一・ (4)
である。踏力のr,θ方向の成分はそれぞれ,
である。(Fig.4)
疲一耀が、卿・・一論監ψ
+碓《θ+・)〕(・2一糾α2) (2)
A k曾 』
δ
Cω
宰
m雨2舶
εL M α 9
ゴ・塀
運動
他の脚が着地するまで脚は踵がはなれた状態で運動 を行なう。この状態をFig.5で示すが,この場合の 質点Mの運動方程式は
帆一∂1 ・唖+喋一・/
三厩噛…槻藷一謂
ここでδ,は%のみの関数であるから(6)式は
師愚魁㍊論)=dσ:
踏力の分力はそれぞれ,
1:蕩∴翻 ⑧
である。ゆえにjg=.F,となる。
4。 2脚モデルの運動
両脚;期では後足は踵離れが増加する方向にあるが,
前脚の方は踵着地(亘C)と,足裏着地(FF)の両 方の状態が存在する。
短
φ
応
r
e
F E Z
Fig.3Monopedal model with aknee joint flexed.
衛
o.沸
M mg
色・b)
e
δ Z
C @ω施 d Fb lO
@、@亀 l e l等
Fig.4 M6nopedal model with aknee joint extended.
4
4r1前脚踵着地の状態での運動
一般的な状態として,Fig.6 のように前脚の膝が 曲らた場合の運動を考える。寸法,記号は図のよう で,極座標の原点は前脚の踵0点である。この時質点 Mの運動方程式は,
囑一・画規9貯溜ψ霧
+島 ・L+馬・・跨一・
幽(9)
クηr24θ4十2ηzrゴr4θ4十〃zgプ4 605θ4
+々・ L†々・δ轟+島・・「號一・
2脚モデルの歩行
また,ばねによる釣合の式より,ψについては
み1/9+々3ノδ一ヨ+ゐ・δ・一系一・ α①
となる。δ,萄,ρ,δρ,㌃,θ4の関係を求めて,こ れらの式に代入すれば,⑨,⑳式は
つ
彿r4一彫r4θ4十解95ガπθ4
ん3ノδア噂4 ・ ・ … 4{ろ5伽(乞一の十α5∫π(乞一〜o一δ)}
ん2δo(7・4−Zεo∫θ4)
(α十ろ)05伽(2+δの=0
㎜74θ4十2ηzr4θd十ηzg 605θゴ ゐ2δo z 5ガηθ4
望0
(α十∂)05伽(乞十δo)
(11)
Fig.5 Heg16ff(HO)position of a血onopedal mode1.
ん・・ρ書綴鵠緒雛≡1≡紹一。
したがって脚力の分力は
け コ
F。一耀d吻・4θ4吻9・遡
々2δo(7.4−Z605θ諺)
(α十6)65勿(乞十δo)
働
Fθ==zpzr4θ4十2ηzr4θ4十?2zg oo5θ4 為2δoZ5∫πθ4
(6z十∂)c 5ガ2z(乞十δo)
となる。しかるに,α1)式より ∬θ一〇 であるから
.F=.F.,後脚では.F・覧Fγ。のみとなる。すなわち 々2δorσ
(131 ∬o= (α十う)03カ2(乞十δo)
聾
。 勉
φε mg に 6
, っ 隠
./ δ
Clら Z
腿
(α・b}
δ,
㌫…
G d ⑯
k
n
ρ δ
F 馬
Fig.6 Bipedal mode1
晒
Z 昌
M 血蛋 婦醜
α
ε
mg (①b)
陥
,!
e.
Z
O。
ゆ G も
S
!
F
Fig.7Bipedal model in a forefoot flat state
真武友一・今井康文・波佐間修一・山ロ和昭
つぎに,α1)の第3式と幾何学形状から,ψ,δを求 めるが,この式を線形化した近似式とすれば,両脚の 膝関節の微小な変化は
△・一 I一・△・一÷
!生=24{ゐ5ガη(乞一δ)十α5∫η(2−6」一〜ρ}
×〔々1/4{6∫ガ2z(z一δ)十α5ガπ(z一δ一〜o)一〜oα
σ05色一δ一ρ)}一為♂αδ{∂CO∫9−4σ05色一δ 一〜o)}〕十2α{う 5ガη〜ρ十4 5∫π(乞一δ一〜o)}
×〔ゐi/4〜ρ{6 ε05(零一δ)十α ご05(乞一δ一〜6))}
十々3ノα{6 5ガ22〜ρ十4 5〃2(乞一δ一〜o)一δζ♂
oo5(2一δ一〜o)}〕
B=一24{イう 5〃z(乞一δ)十α 5ガπ(2一δ一〜6))}
×〔々1/6〜6){6 5∫22(乞一δ)十α 5∫72(乞一δ一〜6))}
一々3!αδ{δ 5ガ2z〜6)十4 5ガ22(τ一δ一〜o)}〕
十〔2{α∂ ご05〜ρ・一64 co5(乞一δ)一α6♂
…(・一δ一ρ)一・24+・2+62+42〕
十〔々1ノ⑳{う605(2一δ)十αoo5(τ一δ一ψ)}
十ん3ノα{う5ガ即十45初(z一δ一〜o)一δ4 003(乞一δ一〜o)}〕
Cロ24{∂5勿(驚一δ)十α5初(2一δ一〜o)}
D=2{αうσ05ρ一64ω5(2一δ)一α4 …(乞一δ一一〜o)一プ42+α2+62+42 −2△〜ρ●α{65ガπ〜o十45ゴη(乞一一δ一〜ρ)}
となり,したがってρ,δが求まる。
(14>
4−2画面足裏着地の状態の運動
この状態は Fig.7方面うに表わされる。この場 合の質点Mの運動方程式は
漉一耀・∂翫・・漉+島・ρ袈+々・δ慨
+ん・δ。鶉一・
m蕩+2…混浴…・・θ・+蜘艦
+ん・δ戟{ん・δ・畿一〇、
各角度間の関係を考慮すれば,この式は
(1励
漉一6を+規幽一器ψ
ゐノ{乞一(θ・+α)}ぐ7θ2−62十α2)
十
2r22う 5∫πα 々2δo(7・θ一5 60∫θθ)
=0
(α十う)65伽(乞十δo)
刀zrθθ6十2〃zrθθθ十ηzg{20∫θθ一
々・δ…伽θ・(α十6)_0 63ゴπ(2十δの ただし,
θθ十α〈τのとき々ノ=々3ノ θθ十α〉署のとき々ノ=ん2ノ である。踏力の分力はそれぞれ
リ ロ
F。一耀・一耀・θ・+解9・f・θ・
々,δ・(r・一5605θ・)
壱,{乞一(θθ十α)}
5
}
7藺2
、
q⑤
(α十6)05伽(z十δの
Fθ==フπノ・θθθ→一2z彫rθθ2十2πg oo5θθ
々2δc55カ2θθ (α十∂)0 5〃z(乞十δo)
で,また後足の踏力は,
F、_ ん・δげ。
(α十6)65切(z十δo)
・。一ゾぴ+52−2…ω・θ・
θ、一、加一1i聖5伽θθ)
70
である。
(1の
5..移行の条件 5司 重心の移動
この2脚モデルではぞ2脚を結合したピンの部分M を重心と考えているので,モデルの運動すなわち歩行 に際してはM点の移動はヒトの移行に近い状態であら ねばならぬ。この重心の移動を測定するため,重心や 脚の関節部などに反射円板を取付けた歩行者の8ミリ 撮影(Fig・8)を行ない,この写真から歩行中の脚 の状態をバゾグラム的に表わしたのがFig.9で,上 端が重心の位置である。これらはその一例であるが,
多数の測定結果によれば標準体の正常歩行の典型的な 重心の移動は,Fig.10に示すように,ほぼ2.5c皿の振 幅をもつ正弦波形3)であると考えてよい。
6 2脚モデルの歩行 5−2運動状態区分の境界条件
歩行が進むにつれて各歩行区分帯の計算も順次継続 されねばならぬ。歩行運動が円滑になるためにはこの 計算のバトンタッチの条件を考慮せねばならない。本
.・
・唖1囑四側■
・婁置貼1耳蝉舩■
曇墨曜■慨時圏■
㌧1
曇曙 鷹湿
罷贈墜■
計算には次のような境界条件を用いた。
(1)膝関節の伸張より直線脚へ
脚の形状より一般にr≦α+わであるが,r=α+うに 達したとき次の状態に移ることとする。
② 直線脚より踵離れ状態へ
踵が離れる時点で踏力の中心は,Fig.llにおい て,足関節のO点から,爪先のQ点に移るのである。
このとき
17θ(α十6)=57 6 ∫∫πθ一・∫θ ご ご05θ=々2(θ一2)
5γ=Fア, 5「θ=Fθ であるから,(18)式より
8,_壷(θ一劉.〔璽土の』‡享廻1 65zηθ α十ろ
α56m Q48sec
\
/q鋤
0コ4m
u9
α2sec
・・5m一u//
1 !
、 / / }/ /
ロ ノ ノ
ll/
U/
氏\、 u/
__
B._ 、=
(Q33sec)
(α21sec)
電■響宿患
Q7m O.6sec
10 e=7プ
4
c
Fig.8 Movements of several reference points on a body can be measured on a 8皿肌movie film.
Fig.10 Typical movement of a center of gravity of a human body associated with walking.
A B C D E F G H 1 J K L M N O P Q R S T
一
7 2 2z 324醍 、ぞ 33 置
2
3. 5。 ● ■ ● 右項 471『 49・ ・ ・ ・27 z 27 ・ ● 《z 墾死5 .秘4
3
. . ● ● ・ ● 1、 い 、、・ o ・ ● ○ ● o ・ 」 ● . 95
o ● ・ ■ . . . ● ● ● o ・ ・ o . 辱 9 ・ 96 ● ● ■ ● φ
7
, . ● ● ● ・ ・ ・ ●Fig. g Basogram to represent movement of a leg during walking. Numbers in the figure correspond to the frarne nしlmbers in Fig.8.
真武友一・今井康文・波佐間修一・山回和昭
となる。移行の時点は㈲式の.F・と(19式の37が個式 を満足するときである。すなわち(3・一.Fγ)を判定 して次へ移る。・
座標原点の移行にともなう質点の極座標および速度
(Fig. 12)は
馬
F
r
7
((油,
ro=ル/ (α十∂)2十〇2十2(α十6)6 605θ
・・一・1ガ・{σ十う5ガηθ r一}
σ
(2①
S M ,一一}1
θ 8
c R k2
・。一一 iα十6)θ蝋θ一θ・),
み。一α+6∂ω、(θ一θ。) ⑳ ro
(3)山脚モデルの踵離れから2脚モデルへ 2脚モデルの状態に移行する条件として,質点Mが 正弦波の最下点に来たときと仮定する。この時質点の 合速度は地面に平行(水平)であるとする。またこの 状態の2脚の関係位置はFig.13のとおりで,着地 した前足も膝は伸びた状態あるとする。座標の原点を 後足の爪先から前足の踵に移せば,M点の座標は
r4=1/(α十う)2十42−2(α十ろ)4605z
θ・一・パ{÷・伽・・}
で歩幅は,♂=㌃co5免一倉。60∫θら 速度は,
7 4=7曹0 σ05(θ0一θ4)一rcθ0 5ガπ(θ0一θ4)
QS8! O !1 Fig.11 Shift condition from knee extension state.to heel off.
隆e。
挿
⑳
である。
(4)前脚踵着地の状態から心裏着地の状態へ 歩行がつぎの足裏着地に進めば座標原点は踵から足 関節に移行する。この状態はFig.14 に示すとおり で,座標と速度の関係はl
;:二繁∵∴論ト
移行の条件は足裏と地面のなす角7=Oのときである。
㈲ 前脚の足裏着地から片脚の足温着地の状態へ この場合の移行の条件は,ばねん2の変位角δごが なくなったとき,,すなわちF・・=0のときである。
艇(過ら 臣
匹 e一
e。
(α・b)
d e
Fig.12 Shifting of the origin of co−or dinates to a toe associated with heel off.
φ・o
、 瘡
昏創
危
δ・0
o
慮 陀
α・b,
a
δ・ z
Fig.13 Positioning of respective legs at the mornent of heel contact.
8 .2脚モデルの歩行
にed
遮画 、 軸騒r●
畠
へ蕗
また計算に用いた寸法や角度などは従来行なつで来 た歩行実験から計測して求めたが,ばね常数や初期条 件については試行錯誤によらざるを得なかった。
ヒトの歩行を,このようなモデルで表現すること,
連続した運動を本論文のような区間に分けること,各 区間内で表現された運動が合理的であるかなどについ ては問題があろう。しかし,このモデルがヒトの歩行
脂 后
Righ曾 foo雪
e, ed
O d
Fig.14 Shifting of the origin of co−or d董nates to an ankle joint corres−
ponding to the foot flat state.
6.計算結果および考察
歩行運動の各区分帯における運動方程式の解を,オ イラー法による数値計算で求めて,r,θ方向の踏力 およびその合成二二をうるようにプログラムを作成し た。.また前節の移行の条件に達したときただちに次の 区分帯の計算が行なわれるように注意しプログラムを 設定した。 、
0
M
6
9 An曾erior
十峯
:‡
鍔30
♂ W雪.51Kg l聲2s雪ep5/min 78cm/8,6P
o
Fig.15 αdiagram of a normal walking of a human measured on the new force plate.
0504 m,
b鵠o・4 m,
6昌0・2 {m}
d昌◎・05⊂m⊃
W目60・◎ 龍q⊃
κ159・6 kgrrレ竹d⊃
K2848・O kgrr幽d}
κ3輔・0 k9πソ穐d)
Z昌89・5 ●⊃
θ9昌77・o{・)
6L31・65⊂rod/sec,
r30・785 m⊃
.「昌O・15 m/soc⊃
\
ロ コる トアら
9●●167
トきむ ロコ む
●●●●●」 II 606 σ9p・鵡ρ・瑠83乙・・76..33。・・●
0・2m
一晶一gl
コゆ
● ●●●o
川
1・06 1・81
卜30 120 1・52
一,3:2
、、1・67 O・60
047 1920.
o・go
0・72
ロむ
ソ「ζ
106
Fig.16 An example of calculated results
Sequence of solid circles on the top in t域s figure show sinusoidal movement of the mass』M. Vector dtagrams of calculated s毛ep forces are also shown just below the respective feet. Note that advancing direction is oPP6slte to Fig・ユ5 ・.,
真武友一・今井康文・波佐間修一・山ロ和昭 9
に近い挙動を示すか否かを検証する方法があれば,そ れによってモデルの設定や計算の合理性が判定される であろうし,逆に云えば,試行錯誤的ではあるがヒト の歩行に合せるように常数を設定することもできるの である。その確認のためには次の2つの方法が考えら れる。
まず,8ミリ撮影によって得られたヒトの正常歩行 時の重心の移動と,本計算:による質点Mの運動とを比 較し,モデルが滑かな正弦波形を描くかをみることで
ある。
つぎに,踏力計を用いた歩行の研究1)2)によれば,
ヒトの正常歩行はα線図(Fig.15)という特性で表 わされることがわかっている。他方,各区間では診=
における合成踏力の大きさと方向を求めることもでき るから,この踏力ベクトルの先端の軌跡によってでき る図形とα線図とを比較検討する方法である。
多数の計算の中から,一例を Fig.16 に示す。
この図の欄外には計算に用いた諸元を示している。
この図には歩行初めから第3歩までしか描かれていな いが,これからわかるように,質量Mの軌跡は正弦波 形となって円滑な歩行運動をしていることを示してい る。さらに,計算による合成二三のベクトル線図をそ の対応する足下に図示した。質点Mのところの数字は 歩行開始よりの時間(∫θ0)で,二三線図の数字もこ れに対応した時間である。山中に示した寸法の縦横比 はFig.15のヒトの正常歩行のα線図の寸法比とほ ぼ同一にし,図形の相似の判定を容易にした。Fig.15 と Fig.16とでは歩行の方向が逆であることを留意 して比較すれば,計算による二三線図はα線図に形状
も内容も酷似していることが判かる。
また,Fig.16では第3歩までの運動状態図しか示 さなかったが,これに引続いて100歩目の運動状態の 計算と図示も可能である。これらの計算には初期値の みしか与えていないが運動は続行されるのである。本 研究の特色は重心を移動させることによって歩行する モデルをうることとその運動状態の解析であるが,一 応満足すべき結果を得たと思っている。
ワ.結 論
大腿骨,下腿骨および足に相当する3個の剛体リン クと,これを結合する回転ばね付きの2個のピンで構 成される脚モデルを2本組合せた2脚モデルを考え,
これにヒトの歩行区分帯と同様な区間での運動を論じ た。煩雑な計算の結果であるが,この2脚モデルは寸 法や初期条件を適当に選ぶことによって滑らかな正弦 波形状の重心の移動やα線図と同様な踏力線図を描く ことが判明した。これは2脚モデルがヒトの歩行を類 似させるのに最適であることを示し,義足開発の上か らも有効適切な形状と計算:方法を与えうることが明ら かにつた。
文 献
(1)翼武,長崎大学工学部研究報告,Vo1.6, P.1 (昭50)
(2)Matake, T.,Pプoo.5晒1漉7π. Coη9,.B∫o一 ηzθ6肋πゴ65,B.426(1976)
(3)武智,明石,義足,(昭43,医学書院),p.145.