実橋箱断面圧縮部材の弾塑性挙動と耐荷力特性 首都大学東京
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(2) 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅰ‑005. 4. 耐荷力特性 図-6 および図-7 は,No.1 断面および No.2 断面に関する SMA490W 材,初期たわみ v0= L/1000,圧縮残留応力なしにおける細長比ご との荷重変位曲線を示している.横軸に橋軸 方向の変位 u,縦軸は降伏荷重に対する載荷 荷重 P の無次元量を示す.図中の●点は各λ における耐荷力を示す.図-8 は No.2 断面, 圧縮残留応力なしにおける初期たわみ. 図-6 荷重変位曲線 No.1 断面. 図-7 荷重変位曲線 No.2 断面. L/1000,L/1500,L/5000 の耐荷力への 影響を示したものである.初期たわみ が増大するにつれて耐荷力が低下して いる.また,λの増加によっても同様 に耐荷力が低下しており,λごとに見. 道示(H14). ても初期たわみ L/1000 のときに最小 値をとる. 図-9 および図-10 は,各斜材断面に 関する初期たわみ v0=L/1000 の場合の, 各々圧縮残留応力σrc=0.25σy および. 図-8 耐荷力曲線 No.2 断面. 図-9 耐荷力曲線 L/1000,0.25σy. 0.4σy の耐荷力を示している.図中の横軸は換算細長比λ,縦軸は降伏応 力度に対する耐荷力の無次元量σ/σy である.なお,図中の破線はオイラ ー座屈曲線を,黒線は道路橋示方書(H14)の耐荷力曲線を示している.圧 縮残留応力σrc の増加にともない耐荷力が低下しているが,どの断面にお いても類似した形状の曲線を描いている.道路橋示方書(H14)の基準耐荷. 道示(H14). 力曲線に比較して5断面の耐荷力は高い値をとっている.さらに,No1,3, 5 断面と No2,19 断面の耐荷力曲線は2つに分離できる.前者の断面群の 幅厚比は 31~50,後者の断面群の幅厚比は 17~29 となっている. 5. まとめ 箱断面圧縮部材の耐荷力解析解より次のような結果が得られた.①箱. 図-10 耐荷力曲線 L/1000,0.4σy. 断面圧縮部材において,初期たわみ・圧縮残留応力の値が増加するにつ 提案式. れて,耐荷力が低下する.②道路橋示方書(H14)の基準耐荷力曲線と比較 して,耐荷力解析解の分布はより高い曲線となる.③No1,3,5 断面群と No2,19 断面群が2つに分離でき,その要因は幅厚比にある.④初期たわ み L/1000,圧縮残留応力σrc/σy=0.25 における下限値の耐荷力曲線とし. 道示(H14). て下記の二次式を提案できる.(図 11 の赤線) σ=1.0. (λ≧0.2). σ=1.067-0.317λ-0.1λ2 σ=1.489-1.052λ+0.213λ. (0.2<λ≦1.0) 2. (1.0<λ). 謝辞:本研究は 2011 年度日本鉄鋼連盟鋼構造研究・教育助成(一般研究)を受けて実施したものである. 図-11 耐荷力曲線の提案式. 参考文献:1)山下・野上:高強度鋼材を用いた箱断面圧縮部材の耐荷力特性,土木学会,全国大会 2011 2)日本道路協会:道路橋示方書Ⅰ共通編,Ⅱ鋼橋編,2002. ‑10‑.
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