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大規模断層破砕帯での双設後行トンネル拡幅掘削時の挙動特性

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Academic year: 2022

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(1)3‑108. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). 大規模断層破砕帯での双設後行トンネル拡幅掘削時の挙動特性 日本道路公団東京建設局上野原工事事務所. 正会員. 佐藤. 淳. 清水・熊谷・竹中土木共同企業体. 正会員. 松本. 茂美. 清水・熊谷・竹中土木共同企業体. 正会員. 上岡. 真也. 1. はじめに 第二東名高速道路富士川トンネルは、延長約 4,500mの長大トンネルであるので、TBM 導坑先進拡幅工法を採用した。 トンネルの中央付近には、入山断層破砕帯が分布し、地山強度比は 0.3〜0.7 と低く、強度不足による押し出し性 地山である。先行掘削した上り線では、変形余裕量の範囲内で、無事に通過することができた。後行下り線 の掘削では、先行トンネルでの挙動特性を考慮し、トンネル支保構造仕様を修正し、施工した。その結果、先行トンネル の掘削影響を受けた後行トンネルの挙動特性とともに先行トンネルへの掘削影響が明らかになったので報告する。 2. 地質概要. φ114.3×6×22070 Shotcrete t=350 Lining concrete t=600. Steel support H‑250. 上半断面内での TBM 導坑の先行掘削により、下り線入 山断層破砕帯の地質は、TBM 導坑切羽の自立度が低い破. Allowance of deformation t=300 Rock bolt L=6000. 砕質、TBM 導坑掘削時に鋼製ライナが座屈した粘土質と鋼製 13.8m. ライナが健全である破砕質、上り線掘削時に下り線 TBM 導坑. 000 φ5 Steel support H‑250. 鋼製ライナが座屈した粘土質、砂礫層との層境を含む粘土質. Shotcrete t=250. Shotcrete t=350. φ114.3×6×22070 SL. t=600. に大別でき、約 100mの規模で分布する。上り線と下り. Steel support H‑250 19.4m. 線の離れは、トンネル中心で約 55mであるが、上り線掘削時. 図−1 支保構造概要. に、下り線 TBM 導坑に明らかな掘削影響が現れた。. 表−1 支保構造仕様. 3. 支保構造仕様. 断面区分 入山断層破砕帯粘土の変形能は高く、軟質、 断層幅 1掘進長 脆弱であるので、「鋼繊維補強高強度吹付け 変形余裕量. DⅡ‑K‑P 72m 1.00m 30cm 35cm. E‑K1‑P 36m. E‑K‑P 先行トンネル 0.75m 15cm 30cm 50cm 35cm コンクリートと高耐力鋼アーチ支保工を主要支保部材 吹付け厚(強度) 2 (36N/mm ),SFRS(1%) とし、周辺地山強度と背面地圧に見合う剛性 支保 鋼アーチ支保工 H‑250(SS590) ロックボルト本数 上半 6 本(L=6m)290kN と 耐 力 を 有す る 剛な 支 保 構 造 体 と す る 」、 上半 39 本、下半 10 本、L=22.07m、 長尺鋼管フォアパイリング φ114,7×6. 「Cycle3‑6‑12 方式(トンネルと地下、2004.3 月). を採用し、早期断面閉合による支保の軸力閉構造化により、保有耐力の早期発現と掘削影響域の深部進展を 抑制し、不安定地山を安定化させる」は、上り線と同様であるが、後行下り線では、上り線掘削時の応力再 配分を受けているのと、上り線での挙動特性を反映させると、粘土質 E‑K1‑P は、変形余裕量 30cm は 15cm、 吹付けコンクリート厚 35cm は 50cm に修正する。このほかに、不安定切羽での確実な施工と掘削サイクルの短縮を目的 として、L=22.07mの注入式長尺鋼管フォアパイルングを採用する。 4. 計測概要 支保構造仕様の検証と次施工の判断のための挙動特性把握を目 的として、計測工Bを3断面と自動追尾機能を有する三次元自動 測量システムの PaM‑Net を用いて、吹付けコンクリート表面に取り付けた最 大約 200 測点の鉛直・水平方向変位を 3〜6 時間毎に自動測定する。. 図−2 3D 自動測量システム(PaM−NET). この計測断面は、トンネル進行方向 5m間隔に 22 断面を設け、1 断面当りの測点数は 7 点である。先行掘削した 上り線側は、下り線の掘削影響を把握するために、計測工 A,B は継続した。 キーワード:双設トンネル、大断面トンネル、断層破砕帯、変形余裕量、断面閉合 連絡先:第二東名高速道路富士川トンネル西(その3)工事共同企業体 ‑215‑. Tel.0544‑65‑0810、Fax.0544‑65‑0885.

(2) 3‑108. 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月). 5. 施工状況. 40.0. 120. 20.0. 100. 0.0. 80. 上半切羽前方の TBM 導坑鋼. 切羽鏡の自立度は、TBM 導坑 掘削時の切羽が不安定であっ. 変位( mm). 間にわたって変状した。上半. ‑20.0. 60 下 半S L部. ‑40.0. 40. 切 羽はなれ( m). 製ライナは、砂礫層境を除く全区. 上半肩部. た STA.1027+05 付近や鋼製ライ ‑60.0. 20. ナが 100mm 以上に大変形した STA.1027+10〜STA.1027+40 の 約 50m間を除くと、高い。. ‑80.0. 0 上半脚部. ‑100.0. 20day. 9/29/03. ‑20 10/19/03. 11/8/03. V:−沈下、H:+縮み. 切羽が 27m進行した時点でのものであり、. 125 100. (1)STA.1027+10での内空変位の最大は、. 75. 羽通過時に倍加し、断面閉合約 1.5 ヶ月. 天端沈下 V、内空変位H (mm). この計測データから、以下のことが言える。. する。インバート閉合までは単調増加し、切. 1/7/04. 1/27/04. 2/16/04. 3/7/04. 3/27/04. 4/16/04. 図−2 内空変位の経日変化(破砕質 DⅡ区間 STA.1027+10). 計測データは、断面閉合が完了し、上半. 進行する間に、全変位量の約 25%が発生. 12/18/03. 延 べ日 数 (日 ). 6. 計測結果と考察. 上半脚部測線に現われ、上半切羽が 6m. 11/28/03. 後に収束傾向を示す。 (2)変位の最大値は、上半切羽が度々崩 壊した破砕質 DⅡ区間に生じており、上. DⅡ -K-P (破砕質). V天端. V左肩. V 右肩. H上肩. H上脚. HSL. E-K1-P ( 粘土質). V左脚. DⅡ-K-P ( 破砕質). V 右脚. V左SL. E-K1-P ( 粘土質). V右SL. DⅡ-K-P ( 粘土質/層境 ). 50 25 0 -25 -50 -75. -100 -125 -10 -5. 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 40 45 50 55 60 測点(STA.1027+XX). 65. 70. 75. 80. 85. 90. 95 100 105. 図−3 下り線入山断層破砕帯区間変位分布. 半脚部で 92mm の沈下である。内空変位は、. V天端 H上肩. 上半脚部測線で 86mm の内空側の変位である。変位の発. V左肩 H上脚. V 右肩 HSL. V左脚. V右脚. V左SL. V右SL. DⅡ-K-P. D Ⅱ-B -P. 15. (3)TBM 導坑掘削時に鋼製ライナが変状座屈した粘土質 E 区間の変位量は、上り線掘削時に下り線 TBM 導坑鋼製. 天端沈下V、内空変位H(mm). 生量は、支保剛性の高い E 区間の方が小さい。. ライナが座屈した粘土質 E 区間でのものより多く発生する。 (4)砂礫層との層境を含む粘土質 DⅡ区間では、鉛直 方向変位は 50mm の沈下、内空変位も 50mm の内空側の 変位となり、入山断層破砕帯区間内で最も小さい。. D Ⅱ-K-P. 13 10 8 5 3 0 -3 -5 -8 -10 -13. 補強区間(L=30m) (V:−沈下、H:+縮み). -15 64. 69. (5)先行上り線への掘削影響は、下半 SL 部の内空変 位に大きく現れており、全変位量に対する増分変位量. を示す。吹付けコンクリートで補強した区間の下半 SL 部は、 全沈下量の 20〜30%が上方向に変位する。 7. まとめ. 79. 84. 89. 94 99 104 109 測点(STA.1026+XX). V天端. V 左肩. V右肩. H上肩. H 上脚. HSL. DⅡ-K-P. 0.4 増分比=増分変位/全変位. 端部の一部および下半両 SL 部は、上方に変位する傾向. 74. V 左脚. 114. V右脚. 119. 124. V左SL. 129. 134. V右SL. 0.5. は 10〜30%である。肩部では 6〜20%、上半脚部は 10〜 15%である。鉛直方向には、左側の肩部と上半脚部、天. E-K-P. E-K-P. DⅡ-K-P. DⅡ-B-P. 0.3 0.2 0.1 0.0 -0.1 -0.2 -0.3. 補強区間 (L=30m). -0.4. 先行トンネルの挙動特性を反映させた支保構造仕様で、 双設後行トンネルの力学的安定と必要内空は確保できた。. -0.5. (+ :増加、ー:減 少). 64. 69. 74. 79. 84. 89. 94 99 104 109 測点(STA.1026+XX). 114. 119. 124. 129. 134. 図−4 上り線入山断層破砕帯への掘削影響. 今後は、計測工を継続しながら、数値解析的な評価を加え、双設トンネルの挙動特性としてまとめる予定である。 ‑216‑.

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