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Academic year: 2022

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(1)

モバイルマッピングシステムの走行速度と標定点による補正効果の検証

日本大学 学生会員 ○岡本 直樹 日本大学 正会員 佐田 達典 日本大学 正会員 江守 央

1.はじめに

モ バ イ ル マ ッ ピ ン グ シ ス テ ム (

Mobile Mapping System:以下、MMS)

(図-1)は走行しながら道路周 辺の地形・地物等の

3

次元位置情報を取得することが できる。取得データの位置精度は

GNSS

衛星からの電 波の受信状況に依存する。電波を良好に受信できない 箇所では慣性計測装置(Inertial Measurement Unit:以下

IMU)を使用して補うことになる。しかし、 IMU

の計測

値は時間とともに劣化し累積するため十分に補うこと ができない。このように電波が良好に受信できないよ うな箇所では走行距離計による制御を取り入れたり、

標定点を用いた測地座標系との標定が必要となる。

MMS

の標準的な作業方法を示している「移動計測車両 による測量システムを用いる数値地形図データ作成マ ニュアル(案)」では

100m~150m

を基準として標定点 を設置し調整処理を行えば十分に地図情報レベル

500

の精度を満たせることが確認されたと記載されている。

しかし、

MMS

にて長距離計測を行う場合に標定点の現 地計測が増え、計測にかかる時間やコストが増大して しまい、

MMS

の効率的且つ低コストで計測が可能とい う利点が失われてしまう。

既往研究では、標定点を用いた補正手法について最 適な配置手法の研究や、補正間隔を延ばすために有効 な補正間隔の検討が行われている。これら既往研究の 課題として走行速度を考慮した検討を行う必要がある ことが述べられている1)。本研究では

MMS

の走行速度 と標定点を用いた位置補正の関係について検証実験を 行い、その結果について示す。

2.走行速度と標定点による補正効果についての実験

(1) 実験概要

MMS

の走行速度と標定点による補正効果の関係に ついて明らかにするために

2015

8

24

日に日本大 学理工学部船橋キャンパス交通総合試験路にて検証実 験を行った。実験には

Trimble MX8(以下、MX8)を使

図-1 モバイルマッピングシステム(Trimble MX8)

図-2 計測コース

用している。図-2に示すように直線区間

200m

を計測 区間として設定した。計測は速度

10km/h

から

10km/h

ずつ増加させ、60km/h までの

6

パターンで設定した。

計測は、加速区間にて設定速度まで加速して

200m

の 計測を行う。その後、減速して開始地点まで戻り、もう 一度計測を行うという繰り返しで

10

周計測を行った。

各速度での計測前に

5

分間スタート地点に停止し、車 載されている

GNSS

装置より車両の位置を求め、累積 された誤差を無くし次の速度で計測を行った。補正処 理に用いる標定点として

180mm

角、補正による精度の 評価を行うために用いる検証点として

140mm

角の反 射板を使用した。それぞれ事前に

TS

を用いて現地座標 を取得している。標定点と検証点に

MMS

から確実に レーザが照射されるようにするため、走行時に

MMS

GNSSアンテナ

レーザスキャナ

走行距離計 カメラPOD

※格納箱内に取り付け済み

慣性計測装置

100m 出典:Google Map

標定点 検証点

GCP8 GCP9

GCP7 GCP6

GCP5 GCP4

GCP3 GCP2

GCP1T1 T8

T7 T6

T5 T4

T3 T2

140mm

180mm

140mm 180mm

検証点 標定点

キーワード:モバイルマッピングシステム 標定点

連絡先:〒274-8501 千葉県船橋市習志野台

7-24-1

日本大学理工学部交通システム工学科 空間情報研究室

TEL047-469-8147

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑1863‑

Ⅵ‑932

(2)

が標定点を跨ぐように白線上に設置した。設置間隔は、

標定点は

25m

間隔で設置し、検証点は標定点間の中間

(12.5m)に設置した。補正間隔は

50m、100m~200m

(この間

25m

ずつ増加)の

6

パターン設定した。

(2) 解析方法

GNSS

衛星からの受信データをすべて削除し、衛星電 波遮蔽区間として解析を行った。しかし、計測において 最初と最後は衛星受信データが必要なため、

1

周目と

10

周目は衛星電波がある状態で処理を行っている。その ため解析には

2

周目~9 周目のデータを使用した。TS により取得した標定点の中心座標を基準値として、

MMS

により計測した結果を補正し、抽出した検証点の 中心座標と比較した。MX8の仕様書より

GNSS

信号非 受信時での位置精度、水平方向

0.10m

以内を目標精度 とする。

3.結果と考察

本稿では

10km/h、20km/h、40km/h、60km/h

で計測を 行い、図-2に示すように計測開始直後の標定点を

50m

間隔で

2

点使用し補正を行った結果について示す。左 右のレーザスキャナで計測した結果を比較すると、大 きな差はなく、同様の結果が得られていることが確認 されたため、図-3、図-4には左のレーザスキャナで 計測した検証点の水平方向の較差を計測順に示したグ ラフを示す。横軸に時間を採り、各計測回において図-

2の

GCP1の中心座標を計測した時間を 0

秒としてい

る。プロットされている点は左から図-2に示す

T1~

T8

である。補正なしの結果では、計測ごとに較差が大 きく異なるが、速度が速い方が較差のばらつきは小さ くなっている。補正は速度

10km/h

では

0

秒と

16

秒付 近、20km/hでは

0

秒と

10

秒付近、40km/hでは

0

秒と

5

秒付近、60km/hでは

0

秒と

3

秒付近で行っている。

各計測回で、補正を行っている区間の中は較差が小さ い状態であるが、

2

回目の補正の後に較差が増大する傾 向がみられる。速度

40km/h、60km/h

は全体を通して目 標精度を満たしている。

4.おわりに

本研究では、走行速度と標定点による位置補正につい て検証を行った。結果として同一の補正個所において も走行速度が速い方が、計測時間が短いため良好な結 果が得られることが示された。今回は直線区間で計測 を行った。今後、曲線部や他の走行環境での検証も行っ ていく予定である。

図-3 補正なしでの各検証点での較差

図-4

50m

間隔補正、補正個所①での較差

謝辞

ご協力を頂いた株式会社ニコン・トリンブルの塩崎 周様、岩上弘明様にここに厚く御礼申し上げます。

参考文献

1)岩上弘明,岡本直樹,佐田達典,池田隆博,金綱淳 次:モバイルマッピングシステムの計測精度向上 に向けた調整用基準点の有効間隔の検証, 応用測 量論文集, Vol.26, pp95-104, 2015.

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60

較差[m

時間[秒]

L 10km/h 補正なし 水平方向

2周目 3周目 4周目 5周目

6周目 7周目 8周目 9周目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60

較差[m

時間[秒]

L 20km/h 補正なし 水平方向

2周目 3周目 4周目 5周目

6周目 7周目 8周目 9周目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60

較差[m

時間[秒]

L 40km/h補正なし 水平方向

2周目 3周目 4周目 5周目

6周目 7周目 8周目 9周目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60

較差[m

時間[秒]

L 60km/h 補正なし 水平方向

2周目 3周目 4周目 5周目

6周目 7周目 8周目 9周目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60

較差[m

時間[秒]

L 10km/h補正間隔50m補正箇所①

2周目水平方向3周目 4周目 5周目

6周目 7周目 8周目 9周目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60

較差[m

時間[秒]

L 20km/h補正間隔50m補正箇所① 水平方向

2周目 3周目 4周目 5周目

6周目 7周目 8周目 9周目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60

較差[m

時間[秒]

L 40km/h補正間隔50m 補正箇所① 水平方向

2周目 3周目 4周目 5周目

6周目 7周目 8周目 9周目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

0 20 40 60

較差[m

時間[秒]

L 60km/h補正間隔50m補正箇所① 水平方向

2周目 3周目 4周目 5周目

6周目 7周目 8周目 9周目

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑1864‑

Ⅵ‑932

参照

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