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古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドラインv

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(1)

古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v 1.0.1.0

ー 文献、美術資料複写の例示と解説 ー

制定年月日 2013年9月

改訂年月日 2013年11月

作成 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン検討委員会

発行 NPO法人コンサウェル

ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー 1

(2)

制定の目的

 古典籍や古文書の電子化はデジタルカメラかブックスキャナーによる方法が主流になりつつある。このよ うにして作られたデータのファイルフォーマットや記録媒体に関するガイドラインは存在するが、どのよう な資料をどのような方法で撮影するかは手引きとするものがなかった。例えば、冊子の白紙は撮影するの か、一紙ものの裏は撮影するのかなどのルールは発注者と受注者で認識の違いがある。また、文献資料は1 アイテムの中に複数のカットが存在し、発注者が逐一カット割りを指示できないという特徴がある。  このような状況はトラブルにつながる可能性が高い。発注者の意向に沿ったものを受注者に作らせるため には、仕様書で的確に指示する必要がある。すなわち仕様書の文言を読んだときにある共通のイメージを想 像できなくてはならない。  そのためには、古典籍や古文書という資料をデジタル化した場合の必要最小限の要件を見本として提示 し、必要に応じて補足できるものがあってもよいと考えた。   

責任規定

 本ガイドラインの利用により生じたいかなる結果に対しても、当検討委員会および発行元は一切責任を負 わないものとする。本ガイドラインの利用は利用者の自己責任で行うものとする。本稿はガイドラインとい う体裁を採っているが情報提供、参考資料の提示であることを前提とされたい。

製作

 NPO法人コンサウェルのガイドライン検討委員会が行った。 ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー 審議委員

谷口 知司

(京都橘大学)

林 徳治

(立命館大学)

水嶋 英治

(筑波大学)

白川 雄三

(大阪学院大学)

藤本 光司

(芦屋大学) 検討委員

猪股 謙吾 

(NPO法人コンサウェル講師)

真渕 紳一 

(NPO法人コンサウェル講師)

綿引 雅俊 

室田 英理子

西沢

孝広 

丸山

創  

中馬 秀行 

添野 貴史 

奥野 竜也 

喜好 可南子

北爪 伸裕 

奥津 光敏 

※登録順。

(3)

適用範囲

 対象となる被写体は古典籍、古文書や洋稀覯本などである。定義として歴史的に貴重なものとの認識は持 たない。時代に限定されず記録として残すべきものを対象としている。また被写体である資料を電子化に よって収集、活用、保存することを目的としているが、以下の三項目を対象としている。 ①主に文献資料や美術の範囲のもので 複写(被写体に何らかの平面が存在し、そこにカメラの撮像面を正 対させた撮影)の対象物。 ②デジタル化の方法としてデジタルカメラを用いる(本ガイドラインの対象物は様々な形態が予想されるた め、スキャナーによるものは除外)。 ③比較的大量の電子化が想定されるものを対象。 ④記録としての必要最小要件を満たす構成として冗長性を排している。  撮影方法に関してはデジタルカメラに限定せず利用できるよう汎用的に記載した。スキャナーやマイクロ フィルムでも利用できると考えている。

改訂

v 1.0.0.0  本ガイドラインは仕様書の見本(「仕様書最小構成」)とその補足のための例示(「バリエーション」) という形をとる。そのため仕様書としての精度に問題が生じた場合や新たな技術的要件の出現で改訂を行う ものとする。v 1.0.0.0ではどのような資料をどう撮影するかに重点を置いたために不完全な部分がある。 「仕様書最小構成」は仕様書として引用できるレベルにあると考えるが、解説に相当する部分で審議中と なっている箇所がある。バリエーションは補足情報であるため逐一追加改訂していく。 v 1.0.1.0 ・メンバーの変更を行った。 ・「目次」のページ表記をPDFの「しおり」機能に置き換えた。 ・デジタルカメラの画素数表記「MP」(単位の誤り)を「万画素」に修正した。 ・3-A-1 メディアの文言、注釈の内容を改訂した。 ・V-A-1 メディア 1「 DVD」を「光ディスク」とし、内容を改訂した。

目次

1、本ガイドラインの利用方法

ガイドライン利用方法 1  ガイドライン利用方法 2 ガイドラインの構成(全体) ガイドライン利用方法 3 ガイドラインの構成(仕様書最小構成) ガイドライン利用方法 4 実際の仕様書の作成方法 1 ガイドライン利用方法 5 実際の仕様書の作成方法 2 ガイドライン利用方法 6

2、索引

3、仕様書最小構成

1、基本要件

2、作業要件

A 納品物

A-1 メディア(改訂) ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー 3

(4)

A-2 リスト B 画像作成

B-1 画像フォーマット B-2 処理環境 B-3 フォルダ構成、ファイル名 B-4 現像、検査 C 撮影

C-1 撮影方法 C-2 撮影機材 C-3 画面構成 D 資料別撮影方法

D-1 共通項目 D-2 冊子本(和書、漢籍等)の撮影 D-3 巻子本の撮影 D-4 折本の撮影 D-5 折帖の撮影 D-6 一紙もの(書状、書簡等)の撮影 D-7 横長本の撮影 D-8 洋書(洋装本)の撮影 D-9 その他の撮影 E 撮影者に求められる要件

F データの保存と再作成

G その他

4、仕様書最小構成注釈

A 納品物(改訂)

B 画像作成

C 撮影

D 資料別撮影方法

E 作業者に求められる要件

F データの保存と再作成

G その他

5、図

・A-2-図-1 「撮影リスト見本」

ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー

(5)

・B-3-1-図-1「フォルダ、ファイル名詳細」 ・B-4-1-図-1 「画像、現像詳細」_1(審議中) ・B-4-1-図-2「画像、現像詳細」_2(審議中) ・B-4-1-図-3 「画像、現像詳細」_3(審議中) ・B-4-1-図-4 「画像、現像詳細」_4(審議中) ・B-4-6-図-1「センサーダスト詳細」 ・C-3-1-図-1「画面構成詳細」_1 ・C-3-1-図-2「画面構成詳細」_2 ・C-3-1-図-3「画面構成詳細」_3(審議中) ・C-3-7-図-1「資料傾き詳細」_1 ・C-3-7-図-2「資料傾き詳細」_2 ・D-1-図-1 「複写のライティング」_1 ・D-1-図-2 「複写のライティング」_2 ・D-1-2-図-1「付属資料撮影方法詳細」_1 ・D-1-2-図 「異物付着例」 ・D-1-2-図-2「付属資料撮影方法詳細」_2 ・D-1-2-図-3「付属資料撮影方法詳細」_3 ・D-1-2-図-4「付属資料撮影方法詳細」_4 ・D-1-2-図-5「付属資料撮影方法詳細」_5 ・D-1-2-図-6「付属資料撮影方法詳細」_6 ・D-2-1-図-1「撮影方法(冊子本)」 ・D-2-1-図-2「冊子本表紙プレースメント」 ・D-2-2-図-1「撮影方法(巻子本)」 ・D-2-2-図-2「巻子本表紙プレースメント」 ・D-2-2-図-3「巻子本裏撮影方法詳細」 ・D-2-2-図-4「巻子本分割撮影方法詳細」 ・D-2-3-図-1「撮影方法(折本)」_1 ・D-2-3-図-2「撮影方法(折本)」_2 ・D-2-4-図-1「撮影方法(折帖)」_1 ・D-2-4-図-2「撮影方法(折帖)」_2 ・D-2-4-図-3「撮影方法(折帖)」_3 ・D-2-5-図-1「撮影方法(一紙もの)」_1 ・D-2-5-図-2「撮影方法(一紙もの)」_2 ・D-2-5-図-3「撮影方法(一紙もの)」_3 ・D-2-5-図-4「撮影方法(一紙もの)」_4 ・D-2-5-図-5「撮影方法(一紙もの)」_5 ・D-2-5-図-6「撮影方法(一紙もの)」_6 ・D-2-5-図-7「撮影方法(一紙もの)」_7 ・D-2-5-図-8「撮影方法(一紙もの)」_8 ・D-2-5-図-9「撮影方法(一紙もの)」_9 ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー 5

(6)

・D-2-5-図-10「撮影方法(一紙もの)」_10

・D-2-5-図-11「撮影方法(一紙もの)」_11

・D-2-5-図-12「撮影方法(一紙もの)」_12(製作中)

・D-2-6-図-1「撮影方法(横長本)」

・D-2-7-図-1「撮影方法(洋装本)」

・D-2-8-図-1「撮影方法(その他)」_1

・E-1-図-2 「現状維持の原則 例」_1

・E-1-図-3 「現状維持の原則 例」_2

・E-1-図-4 「破損のおそれのある資料 例」_1

6、バリエーション

V-

A 納品物

V-A-1 メディア

1「光ディスク」(改訂)

2「ハードディスクドライブのフォーマット」

V-A-2 リスト 1「作業明細」

2「メタデータ及びデータ入力」

V-A-3 メタデータ及びデータ入力 V-B 画像作成

V-B-1 画像フォーマット

1「RAWデータの納品」

2「16bit TIFF」

3「JPEG2000」

4「PDF」

5「圧縮」

6「リサイズ」

V-B-2 処理環境

1「ディスプレイ」

V-B-3 フォルダ構成、ファイル名

1「フォルダ名、ファイル名付与方法」

V-C 撮影

V-C-1 撮影方法

1「解像度」

V-C-2 撮影機材

1「照明光」

2「撮影に使用する機材」

3「ガラス」

ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー

(7)

4「ブックホルダー」 V-C-3 画面構成 1「資料の画面構成」 2「画像の向き」 V-D 資料別撮影方法 V-D-1 共通項目 1「スケールおよびカラーチャート」 2「間紙」 3「画面上の異物」 4「資料の傾き」 5「ターゲット」 6「白紙の撮影」 7「担当者との協議」 8「虫損」 9「資料付属物(共箱、帙等)の撮影」 10「付属資料の撮影」 11「キャプション」 12「ライティング」 13「資料外観の撮影」 V-D-2 冊子本(和書、漢籍等)の撮影 1「冊子本のライティング」 2「小口の切れている袋綴じ本」 3「間紙」 4「解綴」 5「撮影困難な状態の撮影方法例」 V-D-3 巻子本の撮影 1「巻子本の撮影方法」 2「巻子本裏撮影方法」 3「巻子本分割方法」 4「巻子本姿撮影方法」 V-D-4 折本の撮影 1「折本の撮影方法」 V-D-5 折帖の撮影 1「折帖の撮影方法」 V-D-6 一紙もの(書状、書簡等)の撮影 1「一紙ものの撮影方法」 V-D-7 横長本の撮影 1「横長本の撮影方法」 V-D-8 洋書(洋装本)の撮影 ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー 7

(8)

1「洋書の撮影方法」 2「洋装本の外観」 V-D-9 その他の撮影 V-E 作業者に求められる要件 1「撮影者の実績」 2「資格」 3「プロジェクトの管理者」 4「資料の取扱い」 V-F データの保存と再作成   V-G その他

7、図

・V-B-3-1-図-1 「ファイル名付与方法詳細」_1 ・V-B-3-1-図-2 「ファイル名付与方法詳細」_2 ・V-C-2-4-図-1 「ブックホルダー」_1 ・V-C-2-4-図-2 「ブックホルダー」_2 ・V-C-3-2-図-1 「画像の向き」 ・V-D-1-1-図-1 「スケール、カラーチャート配置図」_1 ・V-D-1-1-図-2 「スケール、カラーチャート配置図」_2 ・V-D-1-1-図-3 「スケール、カラーチャート配置図」_3 ・V-D-1-1-図-4 「画面構成例」 ・V-D-1-2-図-1 「間紙」_1 ・V-D-1-2-図-2 「間紙」_2 ・V-D-1-4-図-1 「資料傾き例」 ・V-D-1-5-図-1 「ターゲット撮影方法」 ・V-D-1-6-図-1 「撮影例白紙」 ・V-D-1-9-図-1 「帙共箱撮影見本」_1 ・V-D-1-9-図-2 「帙共箱撮影見本」_2 ・V-D-1-9-図-3 「帙共箱撮影見本」_3 ・V-D-1-9-図-4 「帙共箱撮影見本」_4(一部製作途中) ・V-D-1-9-図-5 「帙共箱撮影見本」_5 ・V-D-1-10-図-1「付属資料撮影例」_1 ・V-D-1-10-図-2「付属資料撮影例」_2 ・V-D-1-10-図-3「付属資料撮影例」_3 ・V-D-1-10-図-4「付属資料撮影例」_4 ・V-D-1-10-図-5「付属資料撮影例」_5 ・V-D-1-10-図-6「付属資料撮影例」_6 ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー

(9)

・V-D-1-10-図-7「付属資料撮影例」_7 ・V-D-1-10-図-8「付属資料撮影例」_8 ・V-D-1-11-図-1「キャプション配置方法」_1 ・V-D-1-11-図-2「キャプション配置方法」_2 ・V-D-1-11-図-3「キャプション配置方法」_3 ・V-D-1-11-図-4「キャプション配置方法」_4 ・V-D-1-11-図-5「キャプション配置方法」_5 ・V-D-1-12-図-1「複写のライティング例」 ・V-D-2-1-図-1 「冊子本のライティング方法」_1 ・V-D-3-1-図-1 「撮影見本(巻子本)」_1 ・V-D-3-1-図-2 「撮影見本(巻子本)」_2 ・V-D-3-1-図-3 「撮影見本(巻子本)」_3 ・V-D-3-1-図-4 「撮影見本(巻子本)」_4 ・V-D-3-1-図-5 「撮影見本(巻子本)」_5 ・V-D-3-1-図-6 「撮影見本(巻子本)」_6 ・V-D-3-1-図-7 「撮影見本(巻子本)」_7 ・V-D-3-1-図-8 「撮影見本(巻子本)」_8 ・V-D-3-1-図-9 「撮影見本(巻子本)」_9 ・V-D-3-3-図-1 「巻子本姿撮影見本」 ・V-D-4-1-図-1 「撮影見本(折本)」 ・V-D-6-4-図-1 「 撮影見本(一紙もの)」_1 ・V-D-6-4-図-2 「 撮影見本(一紙もの)」_2 ・V-D-6-4-図-3 「 撮影見本(一紙もの)」_3 ・V-D-6-4-図-4 「 撮影見本(一紙もの)」_4 ・V-D-6-4-図-5 「 撮影見本(一紙もの)」_5 ・V-D-6-4-図-6 「 撮影見本(一紙もの)」_6 ・V-D-8-1-図-1 「洋書片頁撮影方法」_1 ・V-D-8-1-図-2 「洋書片頁撮影方法」_2 ・V-D-8-1-図-3 「撮影見本(洋装本)」_1 ・V-D-8-1-図-4 「撮影見本(洋装本)」_2 ・V-D-8-1-図-5 「撮影見本(洋装本)」_3 ー 古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン v1.0.1.0ー 9

(10)

本ガイドラインに則って製作されると

このような被写体を

妙 法 蓮 華 経 草 木 図   巻 一 細 川 幽 介 短 冊

ガイドラインの利用方法 1

一定のルールに従って

仕様書最小構成 仕様書 件名 XXXの電子化

このような納品物に

スキルを持った撮影者によって

このような装置で

(11)

ガイドラインの利用方法 2

仕様書最小構成 仕様書 件名 XXXの電子化

仕様書最小構成

ガイドラインの構成(全体)

仕様書最小構成

_注釈

仕様書最小構成_注釈 A 納品物 A-1 メディア1 , H D −D と す る 。 フ ォ ー マ ッ ト は FAT-32,3,5inchまたは2,55inchとし、USB2,0ま たは3,0をそなえたものとし、バルク製品をケース に入れたものは使用しない。」  光ディスクはデータ容量が大きくなると、コスト の関係上算出しづらくなる。CD-R,DVD-Rなどバリ エーションもあるため、基本はHD-Dとした。  フォーマットはWindows,MacとOS環境は混在して いるため、FAT-32とした。  最新のアップデートされたソフトによるウイルス チェックを行う。

撮影サンプル

撮影サンプル(冊子本) 表紙プレースメント詳細 バリエーション A 納品物 A-1 メディア 1、 納品形態はハードディスクドライ ブに加えDVD-Rとする。フォーマットは MDF、当館指定のフォルダー構成、ボ リュームラベルとし、JIS Z6017に準拠 した全ディスクのエラーレートチェック を行い,報告書を添付すること。 A-2 リスト B 画像作成 B-1 画像フォーマット B-2 処理環境 B-3 フォルダ構成、ファイル名 B-4 現像、検査 C 撮影 C-1 撮影方法

バリエーション

仕様書サンプル

11

(12)

ガイドラインの利用方法 4

仕様書 件名 XXXの電子化  NPO法人コンサウェル発行「古典籍、古文書,洋稀覯本等のデジタル 化ガイドライン V 1.0.0」「2、作業要件」に準拠するものとする。

実際の仕様書の作成方法 1

仕様書

1、基本要件

(契約に関わる基本要件)  1­1 件名  公益財団法人XXX資料館所蔵「YYY文庫」の電子化  1­2 目的  本仕様書の目的は、公益財団法人XXX資料館が所蔵する「YYY」 文庫の貴重資料を電子化するため、基本的要件をまとめたものであ る。  1­3 準拠  受注者は本仕様書に書かれた要件に準拠して作業すること。  1­4 用語  ・電子化およびデジタル化 デジタルカメラを使用した入力作業をいう。  ・画像 デジタルカメラにより作成されたデータをいう。  ・資料 形態に関わらず入力対象としてリストに記載されたものを言 う。  1­5 概要(何をどう作るか)  当館所蔵資料のうち指定されたものをデジタルカメラにより撮影す る。撮影された画像を指定の形式に変換し、指定の形式で納入する。

契約に関わる事項

(独自に作成し、引用しない。文言の転用は可)

作業要件

(ガイドラインを引用する)

「仕様書最小構成」で製作の意を満たしている場合。

(13)

ガイドラインの利用方法 3

仕様書最小構成 仕様書 件名 XXXの電子化

仕様書最小構成

契約に関する事項は参考とし、独自に作成する。 (作業要件との整合性に問題があるため) 作業要件

仕様書最小構成_注釈

仕様書最小構成_注釈 A 納品物 A-1 メディア1 , H D −D と す る 。 フ ォ ー マ ッ ト は FAT-32,3,5inchまたは2,55inchとし、USB2,0ま たは3,0をそなえたものとし、バルク製品をケース に入れたものは使用しない。」  光ディスクはデータ容量が大きくなると、コスト の関係上算出しづらくなる。CD-R,DVD-Rなどバリ エーションもあるため、基本はHD-Dとした。  フォーマットはWindows,MacとOS環境は混在して いるため、FAT-32とした。  最新のアップデートされたソフトによるウイルス チェックを行う。 仕様書 1、基本要件(契約に関わる基本要件)  1­1 件名  公益財団法人XXX資料館所蔵 「YYY文庫」の電子化  1­2 目的  本仕様書の目的は、公益財団法 人XXX資料館が所蔵する「YYY」 文庫の貴重資料を電子化するた め、基本的要件をまとめたもので ある。  1­3 準拠  受注者は本仕様書に書かれた要 件に準拠して作業すること。  1­4 用語 2、作業要件 A 納品物 A-1 メディア 1,ハードディスクドライブとする。フォー マットはFAT-32。3,5inchまたは2,55inchと し、USB2,0または3,0をそなえたものと し、バルク製品をケースに入れたものは 使用しない。 A-2 リスト 1,撮影リストは対象資料とカット数の対 照表、合計数とする。 B 画像作成 B-1 画像フォーマット 1,画像フォーマットはEXIF2.0に準拠した ものとし、TIFFおよびJPEGとする。 2,TIFFおよびJPEGはRAWデータをPCで現 像処理したものとし、カメラ内で生成さ D-2-1 冊子本(和書、漢籍等)の撮影  冊子本の撮影は見開きを前提としている。180度 開かないものに関しては事前にリスト化し、破損を 覚悟で開かせるか、別途撮影方法を指示する。 D-2-2 巻子本の撮影  奉書紙などに書かれたもの、またはそれを包紙で 包んだもの。近現代の便箋を封筒に入れたものな ど。短冊。冊子や巻子仕立てにしていないもの。懐 紙等を紙縒で綴じたもの、一枚もの、軸や八双、表 紙のついていない巻紙。  原則として、裏に書き入れがない場合は撮影しな いものとする(裏に資料番号ラベルのみある場合も 同様)。  裏に書き入れがある場合はその都度撮影する。前 カットとの連続性や表裏の対称の問題は残るが、資 料整理の段階で裏書きの有無がカードに記載されて いる、という前提に立った。

D-2-1 冊子本(和書、漢籍等)の撮影

1, 撮影サンプル(冊子本)を参照し準拠

すること。

D-2-2 巻子本の撮影

1, 撮影サンプル(巻子本)を参照し準拠

すること。

2,付箋、付属資料の撮影方法はD-2-1-1,撮

影サンプル(冊子本)に準拠すること。

D-2-3 折本の撮影

1, 撮影サンプル(折本)を参照し準拠す

ること。

2,付箋、付属資料の撮影方法はD-2-1-1,撮

影サンプル(冊子本)に準拠すること。

D-2-4 折帖の撮影

影サンプル(冊子本)に準拠すること。

撮影サンプル(冊子本)

ガイドラインの構成(仕様書最小構成)

一般的に仕様書に使われる文言を記している。 文言の解釈を注釈に記している。 13

(14)

ガイドラインの利用方法 5

仕様書 件名 XXXの電子化  NPO法人コンサウェル発行「古典籍、古文書,洋稀覯本等のデジタル 化ガイドライン V 1.0.0」「2、作業要件」に準拠するものとする。

実際の仕様書の作成方法 2

ただし、以下に規定する事項に従うこと。

「仕様書最小構成」で製作の意にそぐわない場合。

バリエーション 2­1­1 「納品形態はハードディスクドライブに加え DVD-Rとする。フォーマットはMDF、当館 指定のフォルダー構成、ボリュームラベルと し、JIS Z6017に準拠した全ディスクのエ ラーレートチェックを行い,報告書を添付す ること。」 2­1­2 「照明光はストロボを使用すること。また、 撮影に使用する機材のリストを事前に提出 し、許可を得ること。」 2­1­3 「全てのカットにスケールおよびカラー チャートを配すること。ただし配するのが困 難な場合(分割撮影等で画面に余白がない場 合等)はその限りでない。」 1、全てのカットにカラーチャート及びスケールを写し込むこと。ただ し配置することが困難な場合はその限りではない。 文言の転用も可 引用も可 2、 NPO法人コンサウェル発行「古典籍、古文書,洋稀覯本等のデジ タル化ガイドライン V 1.0.0.0」『バリエーション V-D-1-2」に準 拠すること。 バリエーション 2­1­1 「納品形態はハードディスクドライブに加え DVD-Rとする。フォーマットはMDF、当館 指定のフォルダー構成、ボリュームラベルと し、JIS Z6017に準拠した全ディスクのエ ラーレートチェックを行い,報告書を添付す ること。」 2­1­2 「照明光はストロボを使用すること。また、 撮影に使用する機材のリストを事前に提出 し、許可を得ること。」 2­1­3 「全てのカットにスケールおよびカラー チャートを配すること。ただし配するのが困 難な場合(分割撮影等で画面に余白がない場 合等)はその限りでない。」

バリエーションを参考にする。

3、撮影例として同ガイドライン

V-D-3-3-図-1_4

を参照し準拠する こと。

V-D-3-3-図-1_4

図版のみの引用も可

(15)

ガイドラインの利用方法 6

仕様書最小構成 仕様書 件名 XXXの電子化 仕様書最小構成 仕様書 件名 XXXの電子化

発注者

受注者

そのまま引用する

仕様書作成の参考とする

曖昧な項目の確認にガイドラインを利用

明確なルールの元で作業ができる

仕様書 件名 XXXの電子化 仕様書最小構成 仕様書 件名 XXXの電子化

発注者独自の仕様書

15

(16)

間紙(間紙、入紙) 圧縮率 アスペクト(比率) 遊紙 当紙 アンカット 一紙 一紙もの(一枚もの) 銀杏の葉 異物 色空間(カラースペース) 色モアレ 印 エラーレート 裏 裏書 絵葉書 折紙 折込資料 折帖 折本 折れ

懐紙 外装容器 界線 解像度 画角 書入れ 書出し 画像 画素数 片頁(片ページ、片P) 傾き カード 可読性 髪の毛 カメラ 画面 画面構成 ガラス カラーチャート(カラーパッチ) カラーマネジメント 函架番号(函号) 巻子本 漢籍 キャプション キャリブレーター(キャリブレータ) 匡郭 具注暦 クリップ 蛍光灯 罫紙 現像 絹布 高透過ガラス 小口 コピースタンド 紙縒 昆虫 コントラスト

冊子本 三脚 栞 屍骸 色域 軸 紙背 指標 絞り シャッタースピード シャープネス 縮小率 樟脳袋 照明光(ライト) 修復(修補、補修) 資料番号 皺(しわ) 塵埃 新聞紙 スクラップ スケール スタジオスタンド ストロボ(フラッシュ) スピン(栞紐) 背表紙 センサーダスト(センサーゴミ) 蔵書印 添紙

題箋(題簽) 短冊 共箱 帙 丁内資料 ディスプレイ(モニター) デジタルカメラ 虫損(虫食い) データ入力 手袋 綴糸

内題 ナフタリンペーパー 喉(ノド)

用語(索引に代えて)

※( )内は同様の意味で使われている用語。

(17)

背景紙(バックペーパー) 白紙 瀑書 剥離付箋 挟み込み資料 端裏(端裏書) 八双 ハードディスクドライブ(HD-D) 版心 被写界深度 左綴本 ビューアー(ビュアー) 表紙 ピンボケ 便箋 ファイル ファームウェア フォルダ 封 封筒(封書) 袋綴 付箋(附箋、付簽、附簽) 付属資料(附属資料) 不審紙 ブックホルダー フロートガラス プロファイル ブレ(ぶれ) 糞(フン) 分割撮影 包紙(包み紙) 奉書紙 防虫紙 ホワイトバランス(WB) 本紙

マイクロフィルム マクロレンズ(マイクロレンズ) 真俯瞰撮影 右綴本 見開き 無反射ガラス(ノングレアガラス) メタデータ メディア モアレ モード

ヤレ紙 指サック 洋書(洋装本) 横長本

ライティング ラベル リスト レタッチ 連結撮影(テザー撮影) レンズ 露出(露光量)

和書(和本)

英数

AdobeRGB APS-C CD-R DVD-R EXIF FAT-32 F値 ICC ISO感度 JIS Z6017 JPEG L*a*b* MDF Mac NTFS OS RAW sRGB TIFF USB Windows 16bit 35㎜フルサイズ 17

(18)

仕 様 書

件名 XXX資料館所蔵「YYY文庫」の電子化

平成25年3月

公益財団法人 XXX資料館

(19)

仕様書

1、基本要件

(この項目は参考とする。)  1、件名  公益財団法人XXX資料館所蔵「YYY文庫」の電子化  2、目的  本仕様書の目的は、公益財団法人XXX資料館が所蔵する「YYY」文庫の貴重資料を電子化する ため、基本的要件をまとめたものである。  3、準拠  受注者は本仕様書に書かれた要件に準拠して作業すること。  4、用語  ・電子化およびデジタル化 デジタルカメラを使用した入力作業をいう。  ・画像 デジタルカメラにより作成されたデータをいう。  ・資料 形態に関わらず入力対象としてリストに記載されたものを言う。  5、概要  当館所蔵資料のうち指定されたものをデジタルカメラにより撮影する。撮影された画像を指定の 形式に変換し、指定の形式で納入する。  6、対象資料 和書 107点 5,350カット(別紙 「撮影リスト」のとおり)    7、作業場所および作業時間 当館2階 第2会議室(7月1日より1ヶ月間、9:00∼17:00)  8、成果物 TIFF画像一式をハードディスクドライブに記録したもの。 JPEG画像一式をハードディスクドライブに記録したもの。 撮影リスト(当館指定のEXELの書式に記入したデータ)  9、納入場所 当館資料管理課  10、納入期限 第1期 平成25年10月31日 第2期 平成25年12月20日  11、瑕疵担保責任 ー仕様書最小構成ー 19

(20)

 瑕疵担保期間は納入期限から1年間とする。また、瑕疵担保期間中に瑕疵が発見された場合は 受注者の責任において瑕疵のない状態にし再納品するものとする。  12、成果物に関する権利  成果物に関わる権利は一切当館に帰属するものとする。  13、契約条件  当館契約事務取扱要項によるものとする。  14、受注者に求められる要件  ISO9001およびISMS取得業者とする。  15、その他

2、作業要件

A 納品物

A-1 メディア

1、 撮影データの納品媒体は、HD­Dとする。フォーマットはFAT-32とする。

A-2 リスト

1、撮影リストは対象資料とカット数の対照表、合計数とする。

B 画像作成

B-1 画像フォーマット

1、画像フォーマットはEXIF2.3に準拠したものとし、TIFFおよびJPEGとする。

2、TIFFおよびJPEGはRAWデータをPCで現像処理したものとし、カメラ内で生成

されたJPEGは認めない。

3、TIFFおよびJPEGは同一のパラメータを付して処理したものとする。

4、TIFFは圧縮オプションをつけないこと。

ー仕様書最小構成ー

(21)

5、JPEGの圧縮率はTIFFの20分の1程度とする。

6、解像度はオリジナルのままとする。

7、色空間はTIFFをAdobeRGB、JPEGをsRGBとし、それぞれICCプロファイルと

して埋込むこと。

B-2 処理環境

1、現像および検査に使用するディスプレイは各色空間に対応したものを用い、キャ

リブレータを使用して適切に調整されたものを用いること。

2、ビューアーはカラーマネジメント対応のものを使用すること。

B-3 フォルダ構成、ファイル名

1、フォルダ構成は対象資料一分冊(同一資料番号)を1フォルダとする。

2、ファイル名はフォルダ内で4桁の連番とする。

B-4 現像、検査

1、撮影されたカラーチャートを基に現像すること。

2、資料頁数とカット数の照合を行うこと。

3、本仕様の画面構成に従っているか検査すること。

4、ピクセル100%表示で各項目を検査すること。

5、本仕様に従って資料および付属物が画面上に適切に配置されているか検査するこ

と。

6、本仕様に定めた異物が写り込んでいないか検査すること。

7、ピンボケやブレがないか検査すること。

8、資料の折れ、皺が適切に伸ばされているか検査すること。

ー仕様書最小構成ー 21

(22)

9、モアレが出ていないか検査すること。

C- 撮影

C-1 撮影方法

1、カメラはRAWモードで撮影すること。

2、PCとの連結撮影とする。

3、カメラのモードはマニュアルとする。

4、真俯瞰撮影とする。

C-2 撮影機材

1、デジタルカメラはレンズ交換式一眼レフタイプとする(有効画素数2000万画素

以上)。

2、カメラのファームウェアは最新のものとする。

3、レンズはマクロレンズとする。

4、照明光は熱源や紫外線に考慮したものとする。

5、ガラスは適宜使用するものとする。

6、コピースタンドまたは同等の機能を有する装置を使用すること。

C-3 画面構成

1、資料は画面のアスペクトに応じた向きに配置し、過大な余白は設けない。

2、冊の途中で縮小率を変化させない。

3、冊の途中で縮小率を変化させる場合はスケールを写し込むこと。

4、1カット目にスケールとカラーチャートを配すること。カラーチャートはコダッ

ク社製かエックスライト社製のものとする。

ー仕様書最小構成ー

(23)

5、背景紙(バックペーパー)は無彩色のものを用いること。

6、画面内のゴミ(資料から落ちたもの、センサーダスト)は極力取り除いて撮影す

ること。

7、資料は傾きに注意し、画面内に適切に配置すること。

D 資料別撮影方法

D-1 共通項目

1、資料は白紙を含め全て撮影すること。

2、資料の皺、折れ等は可能な限り伸ばして撮影すること。

3、撮影時に破壊は行わない。現形状の維持に努めること。

4、虫損箇所の復元は資料を破損しない範囲で行うこと。

5、現状のまま撮影し、間紙は入れないものとする。

6、不明な点がある場合は担当者の判断を仰ぎ、双方で協議するものとする。

D-2-1 冊子本(和書、漢籍等)の撮影

1、

D-2-1-図-1

「撮影見本(冊子本)」を参照し準拠すること。

2、付箋、付属資料の撮影方法は

D-1-2-図-1 「

付属資料詳細」に準拠すること。

D-2-2 巻子本の撮影

1、

D-2-2-図-1

「撮影見本(巻子本)」を参照し準拠すること。

2、付箋、付属資料の撮影方法は

D-1-2-図-1 「

付属資料詳細」に準拠すること。

3、裏の撮影方法は

D-2-2-図-3

「巻子本裏撮影方法詳細」に準拠すること。

ー仕様書最小構成ー 23

(24)

D-2-3 折本の撮影

1、

D-2-3-図-

1「撮影見本(折本)」を参照し準拠すること。

2、付箋、付属資料の撮影方法は

D-1-2-図-1「

付属資料詳細」に準拠すること。

D-2-4 折帖の撮影

1、

D-2-4-図-1

「 撮影見本(折帖)」を参照し準拠すること。

2、付箋、付属資料の撮影方法は

D-1-2-図-1「

付属資料詳細」に準拠すること。

D-2-5 一紙もの(書状、書簡等)の撮影

1、

D-2-5-図-1

「撮影見本(一紙もの)」を参照し準拠すること。

2、付箋、付属資料の撮影方法は

D-1-2-図-1 「

付属資料詳細」に準拠すること。

D-2-6 横長本の撮影

1、

D-2-6-図-1

「撮影見本(横長本)」を参照し準拠すること。

2、付箋、付属資料の撮影方法は

D-1-2-図-1 「

付属資料詳細」に準拠すること。

D-2-7 洋書(洋装本)の撮影

1、

D-2-7-図-1

「撮影見本(洋装本)」を参照し準拠すること。

2、付箋、付属資料の撮影方法は

D-1-2-図-1「

付属資料詳細」に準拠すること。

D-2-8 その他の撮影

1、

D-2-8-図-1

「撮影見本(その他)」を参照し準拠すること。

2、付箋、付属資料の撮影方法は

D-1-2-図-1「

付属資料詳細」に準拠すること。

3、保存状態のまま撮影すること。

ー仕様書最小構成ー

(25)

E 作業者に求められる要件

1、対象となる資料の取扱いに慣れた者が撮影にあたること。

2

撮影環境や資料の適切な維持、管理につとめること。

3、作成したデータを無断使用してはならない。

4、本件作業上で知り得たことについて守秘義務を負うものとする。

5、本件作業の管理者は本件と同等以上の経験者とする。

7、資料は入念な手洗いを前提に素手で扱うこととする。

F データの保存と再作成

1、納入期限から一年間は納品物を保管するものとする。

2、一年以内に瑕疵が認められた場合は受注者側の負担で再作製するものとする。

G その他

1 瑕疵担保責任

1、一年以内に瑕疵が認められた場合は受注者側の負担で再作製するものとする。

ー仕様書最小構成ー 25

(26)

撮影予定リスト(例) NO 書名 巻 冊数 大きさ 刊・写 刊写年  駒数 備考 1 200-1234 詩韻含英 三巻 3 半紙 刊 安政四年 2 200-1235 詩韻含英 三巻 3 半紙 刊 安政四年 3 200-1236 韓昌黎詩集 1 大本 刊 天明八年序 4 200-1237 執持抄聞記 1 大本 刊 寛政十三年 5 200-1238 大吟行 1 半紙 刊 [近世後期刊] 6 200-1239 詩歌合 1 大本 刊 寛文八年刊 7 200-1240 詩歌合 1 大本 刊 貞享二年刊 8 200-1241 校本日本外史 十三 25 大本 刊 天明五年刊 9 200-1242 甲子吟行 二巻 2 大本 刊 天保九年刊 10200-1243 金比羅禮現記 巻之上 1 半紙 刊 天保三年刊 11200-1244 金比羅禮現記 巻之下 1 半紙 刊 宝永元年刊 12200-1245 誹諧破邪顕正 1 半紙 刊 天保六年刊 13200-1246 のざらし紀行 1 半紙 刊 文久元年刊 14200-1247 松島紀行 1 半紙 刊 享和二年刊 15200-1248 常山遺稿 1 大本 刊 享和二年刊 16200-1249 錦城百律 1 大本 刊 享和二年序 17200-1250 小学日本文展 十五 12 半紙 刊 明治二十三年刊 以下別紙 ー仕様書最小構成ー

(27)

A 納品物

A-1 メディア 「1、撮影データの納品媒体は、HD­Dとする。フォーマットはFAT-32とする。」  3,5inchまたは2,55inchとする。USB2,0または3,0をそなえたもの。  バルク製品をケースに入れたものは使用しない。  本ガイドラインでは比較的大量の電子化を想定しているため 基本はハードディスクドライブとした。容量 が少ない場合や長期保存用途が必要な場合は、追記型光ディスクを指定する。  フォーマットはWindows,MacとOS環境は混在しているため、FAT-32とした。  最新のアップデートされたソフトによるウイルスチェックを行う。

長期保存用媒体の要否については、仕様書に明確に記載し、作業指示者と作業者(発注者と受注者)が確 認できるようにしておくこと。長期保存用媒体として、CD-R、DVD-R、BD-R等の光ディスクで納品する 場合には、別途V-A-1に示す運用例を示す。 A-2 リスト 「1、撮影リストは対象資料とカット数の対照表、合計数とする。」   指定がなくても売買契約の関係上、明細が必要となる。指定がない場合は納品する側が紙または電子デー タの明細をメディアに添付することになる。   また、納品後の検収やデータの利用に際して問題となりそうな事柄は備考に記載する(「P121は落丁」 「14丁オ右下の皺は伸びない」「綴が深く喉部分の文字は出ない」など)。 A-2-図-1「撮影リスト見本」参照。

B 画像作成

B-1 画像フォーマット 「1、画像フォーマットはEXIF2.3に準拠したものとし、TIFFおよびJPEGとする。」  TIFFは圧縮オプションをつけないこと。   デジタルカメラ撮影が前提となるため、EXIFに準拠した。そのためTIFFもしくはJPEGとなるが、保存用 無圧縮データと活用データの2通りになる。日本写真学会発行「文化財写真のガイドライン」を参考とされ たい。  EXIFメタデータの編集は許可しない。 「2、TIFFおよびJPEGはRAWデータをPCで現像処理したものとし、カメラ内で生成されたJPEGは認め ない。」   JPEGはカメラ内部で生成できる場合が多いが、TIFFは生成できない機種がほとんどである。TIFFと JPEGの整合性を考え、両者をRAWから現像処理することを前提とした。そのため撮影時はRAWモードで 記録する必要がある。B-1-7からTIFFをJPEGに変換することは問題ない。この場合AdobeRGBからsRGB へのプロファイルの変換をする必要がある。レンダリングは「相対的な色域を保持」を使用する。 「3、TIFFおよびJPEGは同一のパラメータを付して処理したものとする。」 ー仕様書最小構成_注釈ー 27

(28)

  作業用色空間はB-1-7より異なっていてよい。RAWからTIFF、JPEGを同時に生成することが基本だが、 TIFFからJPEGに変換することは問題ない。TIFFをJPEGに変換した場合Adobe RGBからsRGBへの色域変 換は「相対的な色域を保持」を使用すること。 「4、TIFFは圧縮オプションを付けないこと。」  LZW等の圧縮オプションを付けないこと。 「5、JPEGの圧縮率はTIFFの20分の1程度とする。」  JPEGは活用データということから20分の1程度の圧縮で実用上問題がないと考える。 「6、解像度はオリジナルのままとする。」  切り抜き処理後オリジナルのピクセル数にリサイズしてはいけない。 「7、色空間はTIFFをAdobeRGB、JPEGをsRGBとする。」  EXIFの色空間タグと同一のものをICCプロファイルとして埋込むこと。   色空間はTIFFが保存上あるいは印刷用途を考え、AdobeRGBとしてEXIF規格の中で広い色域を選択し た。一方JPEGはより広い用途を考えsRGBとした。   両者を共通の仕上がりにする必要はない。AdobeRGBの作業用色空間でパラメータ処理し、同時に書出 す処理で問題ない。 B-2 処理環境 「1、現像および検査に使用するディスプレイは各色空間に対応したものを用い、キャリブレータを使用し て適切に調整されたものを用いること。」   画像処理、検査に使用するディスプレイは各色空間の色域を満たすものとする必要がある。TIFFは AdobeRGBであるので、ディスプレイもAdobeRGBを90%以上表示できる機種である必要がある。  ディスプレイキャリブレータで調整されている必要がある。  ハードウエアキャリブレーションディスプレイを使用することが望ましい。  キャリブレータの方式としてフィルター式、回折格子式があるがどちらでも問題ない。  また、受注者発注者間で製品の確認に使用するディスプレイも調整されている必要がある。   具体的なディスプレイの調整は、規定でsRGBで白色点D65、ガンマ2.2、輝度80cd/㎡。sRGBの観測環 境として環境光D50、64lxとなっている。この条件は暗い。一般的なオフィスの照明は100lx以上なので、 モニタの輝度は100cd/㎡程度を推奨。  資料現物とのカラーマッチングが必要であれば、環境光D50、モニタD50に合わせる必要がある。 「2、ビューアーはカラーマネジメント対応のものを使用すること。」   B-1-7の定義上、sRGBをsRGBとして、AdobeRGBをAdobeRGBとして表示できればよいということに なる。     B-3 フォルダ構成、ファイル名   ファイル名、フォルダ名には漢字は使用しない。A-1-1で記録メディアをWindowsとMacのコンバーチブ ル仕様としたことによる。また、将来的にDVD-R等のメディアに変換することも視野に入れている。   画像データを活用するシステムによっては、使用できない文字や記号があるため、ファイル名、フォルダ 名の仕様はシステム担当者と協議して決めることが望ましいが、これらは仕様書に文言として書かれるべき ことである。文言として記載されていない場合は以下のように理解し汎用性を持たせた。すなわち、フォル ダでアイテムを特定し、アイテム内の秩序をファイル名で順序づけしている。 ー仕様書最小構成_注釈ー

(29)

「1、フォルダ構成は対象資料一分冊(同一資料番号)を1フォルダとする。」   フォルダ構成は資料1アイテムで1フォルダ。そのフォルダの内部に連番のファイルが格納されている構 成。 B-3-1-図-1「フォルダ、ファイル名詳細」参照。 「2、ファイル名はフォルダ内で4桁の連番とする。」   連番の頭に資料番号等(フォルダ名)を入れるのはよいが、連番自体に小番号(001_1.tif)を入れるの は指示する必要がある。  拡張子の大文字、小文字は問わない。指定がある場合は指示する。 B-3-1-図-1「フォルダ、ファイル名詳細」 参照。 B-4 現像、検査  現像とはRAWファイルからTIFFやJPEG等に変換することを指す。  検査基準はC-3 画面構成や各撮影見本を基準に行う。 「1、撮影されたカラーチャートを基に、現像すること。」   ホワイトバランスは画面上に配置したカラーチャートのグレー部分で取る(グレーバランス)。 Kodak,X-right共にある場合はどちらを選択してもかまわないとする。コントラストについては特定のカー ブやガンマは規定しない。露出も被写体により自由度を設ける。シャープネスは可読性を重視した最小限度 のものとする。 B-4-1-図-*「画像,現像詳細」_*参照。 「2、資料頁数とカット数の照合を行うこと。」  撮影者が行ってもよい。 「4、ピクセル100%表示で各項目を検査すること。」 「6、本仕様に定めた異物が写り込んでいないか検査すること。

 「本仕様に定めた異物」とはC-3-6「資料から落ちたもの、センサーダスト」等をいう。   センサーダストに関しては、背景紙に付いたものはレタッチで消すことを許容する。センサーダストの大 きさはピクセルで指定する方法もあるが、ここでは「20インチ程度のディスプレイに表示したときに認識で きないもの」は許容する。すなわちピクセル100%で辛うじて認識できる程度のものは本紙の上に認められ ても許容する。 B-4-6-図-1 「センサーダスト詳細」参照。 「7、ピンボケやブレがないか検査すること。」 「8、資料の折れ、皺が適切に伸ばされているか検査すること。」  撮影者がD-1-2に則って撮影したことを確認する。 「9、モアレが出ていないか検査すること。」   色モアレ、ロゼッタ共にピクセル100%で検査する。背景は紙を用いることを規定しているため背景にモ アレが出ることはない。主に表紙に絹布を使用した冊子本や料紙に絹布を使用した美術資料などが対象とな る。色モアレは画像処理を許容する。 ー仕様書最小構成_注釈ー 29

(30)

C- 撮影

C-1 撮影方法 「1、カメラはRAWモードで撮影すること。」  JPEGをTIFFに変換することは行わない。 「2、PCとの連結撮影とする。」  連結(テザー、リモート)撮影も同様。画像確認等スムーズな作業は双方のメリットとなるため。 「3、カメラのモードはマニュアルとする。」   複写の場合当然と思われるが、マニュアルモードでの撮影では「絞り」「シャッタースピード」「ISO感 度」の適切な設定が前提となる。 「絞り」 複写という性質上 F8∼F16程度が望ましい。 「シャッタースピード」 定常光の場合はカメラブレ、被写体ブレを考慮した数値で。 「ISO感度」 ISO100を基本として数段の増感を認める。ISO100と比較して画質低下がないことが条件。 「4、真俯瞰撮影とする。」  通常は資料を平面に据え、真上にカメラを構える真俯瞰撮影を前提とする。 C-2 撮影機材 「1、デジタルカメラはレンズ交換式一眼レフタイプとする(有効画素数2000万画素以上)。」  解像度で指定することもできる。この場合、画質は発注者が責任を持つ。   画素数、解像度共に指定した場合、撮影サイズが決定するので、対象資料の大きさが撮影サイズに収まる のかを事前に確認する。   ここではカメラの画素数を規定しているため、資料の最小文字が判読できる画角で撮影することを基本と する。すなわち、資料が大きく文字が小さいものは分割撮影される。 レンズ交換式一眼レフを指定した理由。 ・単焦点のマクロレンズを使用するため。 ・デジタルバックの場合、バックとカメラ本体の組み合わせが複数存在し、品質と機材の整合性を確認 しづらくなるため。  2000万画素を指定した理由。 ・古典籍資料の一紙の大きさがほぼA2サイズの紙に相当する大きさ(60cm 45cm)で撮影画角 70cm 50cmで200ppi程度を確保できること。 ・Canon、Nikon、Pentax、Sony、Licaという主要メーカーの一眼レフカメラのラインナップが2000万 画素以上ということ。  35㎜フルサイズ、APS-Cかは問わない。 「3、レンズはマクロレンズとする。」  マクロレンズの指定は以下の理由による。 ・歪曲収差が補正されている。 ・画面周辺まで均一な描写である。 ー仕様書最小構成_注釈ー

(31)

  この条件のレンズはマクロ以外にも存在するが、マクロ(マイクロ)と銘打つものであればある一定以上 の品質を維持できるという理由で指定した。 「4、照明光は熱源や紫外線に考慮したものとする。」 ・タングステン光は撮影時以外は光量を落とす。蛍光灯は紫外線カットタイプを使用する。LEDも高演色タ イプは紫外線LEDを可視光に変換しているため、何らかの紫外線カットが施されたものとする。ストロボは 瞬間閃光のため特に処置は求めない。モデリングランプ(ハロゲン)の熱を考慮し、適切な光量で使用する ものとする。 「5、ガラスは適宜使用するものとする。」   ガラスを適宜使用するの意味は、ガラスを使用しなくても十分資料の平面性が保てるもの、ガラスを使用 するのが困難なもの以外は原則使用するの意味。複写という性質上平面性を重視している。   なお、1アイテム内でガラスの使用不使用は統一する。やむを得ない場合は現像処理で色や明るさを調整 するものとする。   使用するガラスは通常のフロートガラス、高透過ガラスを問わないが、無反射ガラスはその性質上(すり ガラス様)資料と密着している部分以外は画質が低下するため用いてはならない。 V-C-2-3-図-2「無反射ガラス」を参照。   資料の適切な保持と保護を考えるとブックホルダーの使用が望ましい。しかし、資料の多様性を考慮する と一概に使用を強制できないため規定はしていない。参考としてV-C-2-4-図-*「ブックホルダー」_*を参照 されたい。   製本や劣化状況によりガラスで資料が押さえられない場合は、まずブックホルダーの使用を考える。ブッ クホルダーも使用できない場合は担当者と協議し、竹串、竹篦、ムシピンやテグスなどで資料の一部を固定 するなどの処置をとる。  使用するガラスは厚みを問わないが、傷のないものを用い、汚れを清拭した上で使用する。 「6、コピースタンドまたは同等の機能を有する装置を使用すること。」   単焦点であるマクロレンズを使用することが前提のため、撮影距離を自由に変更できる装置が必要とな る。スタジオスタンドなども含む。原則としてエレベータ機能を有する三脚は使用しない。 C-3 画面構成 「1、資料は画面のアスペクトに応じた向きに配置し、過大な余白は設けない。」  資料自体のアスペクトも考慮の上柔軟に対応する。 C-3-1-図-*「画面構成詳細」_*参照。 「2、冊の途中で縮小率を変化させない。」   冊の途中で縮小率を変化させない撮影方法は、ビューアーで表示させたときに本資料と付属資料との大き さが明確に分かる利点がある。   撮影方法としては「ブックホルダー」の使用が望ましいが、撮影距離を変化させなければ方法は問わな い。参考として V-C-2-4-図-*「ブックホルダー」_*を参照されたい。 「3、冊の途中で縮小率を変化させる場合はスケールを写し込むこと。」   一般的に冊子本の途中で付属資料を撮影する場合、縮小率を変化させたカットにスケールを写し込めばよ く、本文に戻ったときに再度スケールを写し込む必要はない。   縮小率の変化は色や、明るさを変化させるためカラーチャートもスケール同様必要と思われるが、背景紙 で調整が利くと考え冗長性を排した。 ー仕様書最小構成_注釈ー 31

(32)

「4、1カット目にスケールとカラーチャートを配すること。カラーチャートはコダック社製かエックスラ イト社製のものとする。」  全カットにスケールやカラーチャートを写し込む場合は指示する。   カラーチャート(カラーパッチ)はコダック社製かX-right社製のものを使い分ける方法がよい。前者は 縦長で資料の余白に配し、後者は厳密な色の管理に向いている。エックスライト社製のものは本文の余白に 配することが困難で、表紙の余白(1カット目)に写し込むのに適する。   一般的に冊子は天地左右の大きさを記述するが、画像内のスケールは画像のおおよその縮小率や資料の大 きさの目安として配置している。資料の大きさは書誌情報としてコーディングされている前提でいる。その ため画像のいずれかの位置にスケールが配置されていればよいとの認識である。 C-3-1-図-*「画面構成詳細」_* 参照。 D-2-1-図-2「冊子本表紙プレースメント」参照。 「5、背景紙(バックペーパー)は無彩色のものを用いること。」   背景紙は原則無彩色の紙(白、グレー、黒)を用いる。指定のものがある場合はメーカー型番で指示す る。通常は反射率50%か18%のグレーを用いる。撮影前に担当者に提示し許可を受ける。   布を用いる場合はモアレ発生のリスクを考える。当初の利用目的でモアレが発生していなくても、WEB 用にリサイズした際にモアレが発生することもある。資料への糸くずの付着も考慮して本ガイドラインでは 紙を使用するものとする。  なお、背景紙も色を特定する要素となるため、1アイテム(1冊)の中で背景紙を変更してはならない。 C-3-5-図-1「背景紙」参照。 「6、画面内のゴミ(資料から落ちたもの、センサーダスト)は極力取り除いて撮影する。」   古典籍資料等を展開すると必ず塵芥は落ちる。全てを取り除くことは不可能なため,極力という曖昧な表 現としている。背景紙に落ちたものについては現像時のレタッチも許容している。  センサーダスト(イメージセンサーについた汚れ)も微細なものはどのカメラにも付くとの前提でいる。 D-1-2-図-1「異物付着例」 B-4-6-図-1「 センサーダスト詳細」参照。 「7、資料の傾きに注意し、画面内に適切に配置する。」   古典籍資料では完全な正方形、長方形は存在しない。そのため画面内で自然に見える傾きや文字の方向に 合わせる方法も取る。冊子本などは喉のラインを基準にする。   極端な傾き以外は許容する。極端な傾きとは撮影者の傾きに対する基準を判断できない場合をいう。画面 上で明らかに不自然に見え、撮影者が何を基準に位置合わせをしたのかが明確でないものをいう。  本ガイドラインでは冊子本などの複雑な形状のものは2 。一紙ものや巻子本などは1 を目安とする。 C-3-7-図-1-*「 資料傾き詳細」_*参照。

D 資料別撮影方法

D-1 共通項目   ライティングについては複写という性質上、文字や色再現を重視するためD-1-図-1「複写のライティン グ」のD-1-図-1_1,2を基本とする。複写といえども完全に平面のものは存在しない。影の出方で判読性が 変化するもの(冊子本のノドなど)、照明の照射方向で光沢感や立体感が変わるものなどがある。複写の基 本ライティングはD-1-図-1_1,2のような4灯ないし2灯を基本とする。冊子本のノドの判読性に影響が出 る場合は、D-1-図-2_3のように照射角度を大きく変化させない方法で、資料の情報再現性に応じて方法を 選択する。D-1-図-1_3,_4のように照明のセッティングを大きく変更しなければ再現できないものについて は具体例と撮影対象箇所を提示した上で仕様書に記載し指示するものとする。 ー仕様書最小構成_注釈ー

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D-1-図-1,2「複写のライティング」_1,2参照。   C-2-1でカメラの画素数を規定しているため、資料の最小文字が判読できる画角で撮影することを基本と する。すなわち、資料が大きく文字が小さいものは分割撮影される。 「1、資料は白紙を含め全て撮影する。」  基本的に、白紙(遊紙を含む)も含め全丁を撮影する。   裏に記載がない場合は撮影しない。なお、裏に資料番号等のラベル(函架番号シール)のみある場合(一 紙ものに多い)も撮影しない。  帙、共箱など資料に付属するものは撮影しない。(現代のものは撮影しないというケースが多いため)。  撮影が必要であれば別途文言として指示する。  巻子本の姿も複写の対象外として撮影しない。必要であれば仕様に文言として記載する。  冊子本の包紙は一紙ものの包紙と同様撮影する。洋封筒は裏に書入れがなくても撮影する。   原則として文字情報のないものは撮影しない。メモや名刺など文字情報であっても時代が異なると思われ るもの(近世資料に名刺や鉛筆書きのメモなど)は撮影しない。著名人の蔵書など時代性に関係なく資料と メモに因果関係が認められるものはリストで指示されるものとする。   その他付属資料の撮影については D-1-2-図-2「付属資料撮影方法詳細」_2を参照の上リストで指示す る。指示方法は A-2-図-1「撮影リスト見本」参照。 「2、資料の皺、折れ等は可能な限り伸ばして撮影する。」   原則として皺の上から墨付きがされているもの、皺や折れたまま製本されているものについては現形状と してそのままで撮影する。  皺や折れを伸ばす作業にアイロン等は使用しない。   異物と思われるものは刷毛やブロワー等で「付着」か「固着」かを判断する。付着物は取除いて撮影し、 固着しているものは許可なく取除かない(担当者に相談する)。 D-1-2-図-1「異物付着例」参照。  不審紙は剥がさない。 D-1-2-図-5「付属資料撮影方法詳細」_5  文字等の判読に支障のない軽微な折れ、皺は許容する。 「3、撮影時に破壊は行わない。現形状の維持に努めること。」   D-1-2と矛盾するようであるが、資料の破壊は行わないとする。不必要な折れ皺を付けない。綴糸を切ら ない。   喉部分の文字が読めないものは極力判読性を高めるようにするが(破壊しない範囲でできるだけ開く)、 綴じ糸を切る等の破壊行為は行わない。  付箋の剥離は行わない。  資料の状態も撮影前と同じ状態を維持する。 E-1-図-2「現状維持の原則_例」_*参照。 E-1-図-4,5「 破損のおそれのある資料_例」_1,2参照。 「4、虫損箇所の復元は資料を破損しない範囲で行うこと。」  虫損で頁同士がくっついている場合、虫損箇所の剥落がないものに限り頁をはがす。 「5、現状のまま撮影し、間紙は入れないものとする。」   マイクロフィルムでの撮影では間紙入れは前提となるが、カラー撮影では判読できる度合いが高いため、 指示がない限り間紙は入れない。必要な箇所、あるいは袋綴じ全丁に入紙を指示する場合は別途指示する。 「6、不明な点がある場合は担当者の判断を仰ぎ、双方で協議する。」 ー仕様書最小構成_注釈ー 33

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  このような文言は必ず入れる必要があるが、仕様書全体の詳細度で理解の仕方が異なってくることに注意 が必要である。本ガイドラインの項目については極力事前に協議しておくことが望ましい。   発注者は仕様作成に先立ち、対象資料の詳細なリスト化と何をどのように撮影させたいかを決定しておく 必要がある。この作業を行った後も不測の事態が発生することを考慮してこのような文言を盛込む必要があ るという見解である。  資料が撮影可能か否かという確認も原則として発注者が事前に行う作業と見なしている。 E-1-図-4「 破損のおそれのある資料_例」_1参照。   資料の現状復帰に関わることは E-1-図-2「 現状維持の原則_例」_*を参照し双方で協議する対象とす る。 D-2-1 冊子本(和書、漢籍等)の撮影   冊子本の撮影は見開きを前提としている。180度開かないものに関しては事前にリスト化し、破損を覚悟 で開かせるか、別途撮影方法を指示する。 E-1-図-2「 現状維持の原則_例」_1参照。 「1、D-2-1-図-1「撮影見本(冊子本)」を参照し準拠すること。」 D-2-1-図-1「撮影方法(冊子本)」参照。 D-2-1-図-2「冊子本表紙プレースメント」参照。 「2、付属資料の撮影方法は D-1-2-図-* 「付属資料撮影方法詳細」_*に準拠すること。」 D-1-2-図-*「付属資料撮影方法詳細」_*参照。 D-2-2 巻子本の撮影 「1、 D-2-2-図-1「撮影見本(巻子本)」を参照し準拠すること。」 D-2-2-図-1「撮影方法(巻子本)」参照。 D-2-2-図-2「巻子本表紙プレースメント」参照。 分割方法については D-2-2-図-4「巻子本分割撮影方法詳細」参照。 「2、付属資料の撮影方法は D-1-2-図-* 「付属資料撮影方法詳細」_*に準拠すること。」 D-1-2-図-*「付属資料撮影方法詳細」_*参照。 「3、裏の撮影方法は D-2-2-図-3「巻子本裏撮影方法詳細」に準拠すること。」   原則として、裏に書き入れがない場合は撮影しないものとする(裏に資料番号ラベルのみある場合も同 様)。裏に書き入れがある場合はその都度撮影する。前カットとの連続性や表裏の対称の問題は残るが、資 料整理の段階で裏書きの有無がカードに記載されている、という前提に立った。 D-2-2-図-3「巻子本裏撮影方法詳細」参照。 巻子本の姿も複写の対象外として撮影しない。必要であれば仕様に文言として記載する。 ー仕様書最小構成_注釈ー

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D-2-3 折本の撮影  折帖との違いは隣接する折に連続性が認められるもの。蛇腹状にのびる。  表紙は中央に配する。  裏がある場合は裏表紙を撮影後に撮影する。   折本を撮影する場合、2折もしくは4折を目安に分割すると画面構成として望ましいものになる。3折れ など奇数で分割すると、資料の扱い上問題が出る。 「1、D-2-3-図-1,2「撮影見本(折本)」_1,2を参照し準拠すること。」 D-2-3-図-1,2「撮影方法(折本)」_1,2参照。 「2、付属資料の撮影方法は D-1-2-図-* 「付属資料撮影方法詳細」_*に準拠すること。」 D-1-2-図-*「付属資料撮影方法詳細」_*参照。 D-2-4 折帖の撮影   折本との違いは各頁(帖)が独立していること。蛇腹状にのびない(頁どうしが糊付けされていない)、 裏面にも張り込みがあるのかは問わない。写真帖、画帖、手鏡など。   基本的に片頁1カットであるが、小型のものはこの限りではない。使用するカメラの画素数から見開き撮 影の画角で必要な画質が得られればよいと考える。 「1、D-2-4-図-1「 撮影方法(折帖)」を参照し準拠すること。」 D-2-4-図-*「 撮影方法(折帖)」_*参照。 「2、付属資料の撮影方法は D-1-2-図-* 「付属資料撮影方法詳細」_*に準拠すること。」 D-1-2-図-*「付属資料撮影方法詳細」_*参照。   縦長のものは冊子本同様見開き1カットの撮影でもよい。縦長に限らず、正方形のものは見開きで横長に なるため、使用するカメラのアスペクトに無駄が出ないように撮影する。大型で文字が精細なものは片ペー ジ撮影する。 D-2-5 一紙もの(書状、書簡等)の撮影   奉書紙などに書かれたもの、またはそれを包紙で包んだもの。近現代の便箋を封筒に入れたものなど。短 冊。冊子や巻子仕立てにしていないもの。懐紙等を紙縒で綴じたもの、一枚もの、軸や八双、表紙のついて いない巻紙。 「1、D-2-5-図-1「撮影見本(一紙もの)」を参照し準拠すること。」 D-2-5-図-*「撮影方法(一紙もの)」_*参照。(一部製作途中) 「2、付属資料の撮影方法は D-1-2-図-* 「付属資料撮影方法詳細」_*に準拠すること。」 D-1-2-図-*「付属資料撮影方法詳細」_*参照。  D-1-3から保管状態を尊重した形状のまま撮影する。  折紙は書出しを上にした状態で、展開して撮影することとする。   包紙は原則として本紙が包まれていた状態で撮影する。本紙と別に保管されていたり、表書きの判読性に 問題がある場合は包紙単独で撮影する。包装の状態は尊重し、書入れのある箇所を撮影する。裏面に「封」 などの墨付きがある場合は撮影する。 ー仕様書最小構成_注釈ー 35

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 包紙が展開された状態で保存されていた場合はそのまま撮影する。   縮小率は本紙と同程度で、本紙より包紙が大きい場合が多いことを考慮して、横向きの配置も許容する。 封筒と便箋も同様。  懐紙や手紙の「添紙(白紙便箋)」も撮影する。 D-2-6 横長本の撮影   「1、D-2-6-図-1「撮影見本(横長本)」を参照し準拠すること。」 D-2-6-図-1「撮影方法(横長本)」 参照。 「2、付属資料の撮影方法は D-1-2-図-* 「付属資料撮影方法詳細」_*に準拠すること。」 D-1-2-図-*「付属資料撮影方法詳細」_*参照。  いわゆる「大福帳」形態のもの。冊子本の分類であるが画面構成が特殊なため別記した。  基本的に片頁の撮影とする。小型のもの(見開きでA3以下)は見開き撮影する。 D-2-7 洋書(洋装本)の撮影 「1、D-2-7-図-1「撮影見本(洋装本)」を参照し準拠すること。」 D-2-7-図-1「撮影見方法(洋装本)」参照。 「2、付属資料の撮影方法は D-1-2-図-* 「付属資料撮影方法詳細」_*に準拠すること。」 D-1-2-図-*「付属資料撮影方法詳細」_*参照。   洋書もD-2-1と同様、180度開かないものに関しては事前にリスト化し、破損を覚悟で開かせるか、別途 撮影方法を指示する。   アンカットの精査は事前に発注者や所蔵者が行っているという前提に立っている。D-1-3からアンカット を許可なく切断しない。アンカットの処理方法は事前に協議する(資料を所蔵者に返却しカットしてもらう か、撮影者がカットするか)。  背表紙、小口などは撮影しない。  スピン(栞紐)、栞は撮影しない。 D-2-8 その他の撮影 「1、D-2-6-図-1「撮影見本(その他)」を参照し準拠すること。」 D-2-8-図-*「撮影方法(その他)」_*参照。 「2、付属資料の撮影方法は D-1-2-図-* 「付属資料撮影方法詳細」_*に準拠すること。」 D-1-2-図-*「付属資料撮影方法詳細」_*参照。 「3、保存状態のまま撮影すること。」   保存されている状態の折れを変えない原則に則り、二つ折りのパンフレットなどは開かれた状態のままで あれば表裏の2カット。閉じられていれば表紙、中身、裏表紙の3カットの撮影となる。   合綴本に関しては冊子本の撮影方法(右綴じ本は右から、左綴じは左から)に則って撮影する。右綴じ (和)と左綴じ(洋)が合綴されていた場合は編綴(表紙を表にして綴代がどちらに付けられているか)に 従って撮影する。 ー仕様書最小構成_注釈ー

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