壁体 の移動 による土圧挙動 に関す る研究
藤村
尚り。長谷川慎一つ
・ 池添
保雄
り
西村
強け。木 山
英郎
D
B土
木工学科 。り基礎地盤コンサルタンツい
(1996年
8月
28日受理
)LateFal Earth Pressure on Retaining Wall
by
IIisashi FuJIMuRAI),Shinichi IIASEGAWA2),Yasuo IKEZOEl)
Tsuyoshi NIsHIMURAl)and Hideo KIYAMAl)
1)Department of C
ll Ellgineettllg。2)Kisojiban,Co.LTD.
(Rece ed Atlgust 28,1996)
As∝
ies oftwO‐dinensiOnal model tωtt are performed to investigate the magnitlldeof lateral pretture bet、 veen a so■ mass and an adioining earth‐ retaining Ⅵ′al. Thc resuns of experilnents shoved the relationttip between lateral pFeSSure and paFtiCle arrangements
We look into a typical figure of surface settlement and a development Of failure zone as a result of waH displacement,
Key words:Earth retaining
都/al, Active pressure, Passive pressure, Settl(ァ nent,1.は
じめ に 近年,粒
状 体砂地盤 や不連続 性 岩盤 を対 象 とす る数値解 析法 と してDEMt'∼
2)がょ く用 い られてい る。著者 らは 従 前か ら,こ
の解 析 法の基礎理 論 とプ ログラ ミングの開発, 改 良に多 くの研 究 を進 めて きたS'∼8)。今 回の主働・ 受働土 圧 問題 について もDEM解
析 を実施 して,図
-1∼
2の
成 果 を得 て い る。 本報 告では,DEM解
析 の実用 化支援 のために,二
次元_
モデル に よる上圧 試験 を行 い,3つ
の地盤の基礎的配列 モ デル や壁体 の変位 パ ター ンを変 えた ときの土圧 および地 盤 の変形 等 につ いて検 討 す る。2
二 次元擁壁 モデ ル試験器の概 要 図-3に
二 次元擁壁 モデル試験装 置の概要 を示す。本試 験機 では,片
側 を真鍮製擁壁 が 自由に水平方向 と下端 を ヒ ンジ とす る回転 変位 で きる構 造 とな って い る(図-4)。
擁壁 は極 力振動 を少 な くす るため に,手
動によって変位 を 与 え る。変位速度 は,1 0mm/minの
一定 であ る。 この変位 は,ダ
イヤルグー ジ等 に よ り計測 した。擁壁 に作用 す る壁 面荷重 は,ロ
ー ドセル に よ り計測 した。地表面変位は,装
置上部 の架台上 をパル スステー ジ とステ ッビングモータ を 介 して移動 で きる レーザー式 変位計 (10 μaの
精度,測
定 範 囲40mm)で
測定 す る。パル スステー ジの移動 はパー ソ ナル コ ンピユー タで o,2Ewn/sの 一定速度 に制御 す る。 ロ ー ドセル と変位 計で韻!つた荷重,変
位 をデータ ロガーに取 り込み記録 す るこ とがで きる。 モデル試験 の地盤材料 には,ガ
ラス棒 (比重2.23)積
水 平 移 動P/P0
Activc casc
Passlvc case
ダイヤルメージ 供 試 体 ロー3
擁壁モデル試験装置α
36° 42° 48° 54°δ
(Cm)
″
′
″
′
″
′
″
′
図-2 DEM解
析による粒子の変位 (δ=0,5 cm/sec,α =36°) レー ザ ー 武 鰊 斜 ハ ン ドル 変fjt計 モー クー5.0
4.0
□
△
十
×
‐1.5
‐1.0
‐0.5 0.0 0.5 1.0 1.5
図-l DEM解
析による擁壁の変位と 土圧の関係(δ=0 5 cm/sec) (a)整 体 か 水 平移 動 す る場 合 (b)笠 体 か ヒ ン ジ 回 転 す る場 合 図-4
擁壁の移動形式層 体 を用 いた。 ガラス棒 は長 さ
50maで
φ=10mm,重
量875gで
あ る。 図-5は
,本
試験 に用 いた二次元地整 モデル 要素 を示 し て い る。1粒
子 あた りの接点数 を4と
して,ガ
ラス棒 を左 右対称 に して最下段 にs個 ,そ
の上 に(s-1)個
の順 に繰 り返 し規則 的 に配列(s/s-1配
列 と称 して)す
る。今 回 の積層 体 では地盤の高 さHを
約190mm,幅 B約
3 8011Hllの縦 横 比 Ⅱ/Bが
1:2に
な る。配列数6の
最充填状態 の積層 体 と擁壁,お
よび積層 間の内部摩擦角 φは約 17∼18(°)と 約 30(°)で あ る。3.結
果 考 察3.1地
盤モデ ル と静止土圧 図-6は
3種
類 の配列 を異にす る積層体 が擁壁 に作用 す α :粒子 間 接 触 角 γ :単位 体 積 量 量 et:初 期FHlげき 比鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
27巻
図-8
る全荷重 (静止 上圧 と呼ホ)を
示 してい る。粒 子間接触 角 αが大 き くな ると上圧 も増加 す る。23/24配
列で は,粒
子間の接触 力が水平方向 に卓越 した配列 であ り,一
方 αの 小さい31/32配
列は,粒
子間の接触 力が鉛 直方 向に卓越 してい る。27/28配
列 は,接
触 力が水平 と鉛 直方 向に等 しく,上
記の2配
列 の中間的性質 を示 して い る。 なお,今
回の境界条件 と等径,規
則 配列 の積層体 の上圧 は 1/2γ 12tmα
に よ り算 出 して,図
中の0印
で示 されて い る。 この よ うに,粒
子配列 は静止 土圧 を支 配 す る要因 の一つであ る ことがわか る。32擁
壁の変位 と土圧 図-7は
,国
-4(a)の
よ うに擁壁 の水平 方 向への移動 と主働 な らびに受働 土圧 の関係 を示 してい る。静止状態の 壁体が,水
平方 向の移動 によ り上圧 が増 減 す る様 子 がわか る。受働状態での上圧 の増大 やわ ずかな壁 の移動 時 にみ ら れ る土圧 の極 限値 の大 きさは粒子 配列 に依 存 す る ところが 大 きい。一方,主
働状態 ての土圧 は,静
上土圧 か ら減少 し て収触 す る傾 向にあ る。 図-7
擁壁の変位 と土圧 (壁・水平変位)螺 螺 輛
懇
図-5
接触角と積層モデルの配列P,(KgF)
36 87 44.43 53.13 a (° ) 擁壁の変位 と上圧 (壁・回転) 図-6
静止土圧と粒子接触角受働状態(水平変位) 主働状態 (水平変位) 変 位 δ=2 gul
23/24配 列
静止状態
δ=2 Hul δ=6 Hull 図-9
粒 子 挙動鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
27巻
27/28配 列
静止状態
変位 δ=2 aul δ=4 aull31/32配 列
静止状態
変位 δ=2 Hul δ=4 null δ=6 Hul δ=6 dull 図-10
粒子挙動(水平変位,受
働状態)図
-8は
,図
-4(b)の
よ うに擁壁 の回転変位 と上圧 の 関係 を示 して い る。 なお,こ
の変位 は壁 の下端 か ら 16cm におけ る水平 変位 と して表わ す。 これ らの土圧 変化 は,擁
壁 と粒 子の静止領城 との間 に存在 す る くさび状領域 (図―11)の
中にあ る粒 子 の挙動 に関係 して い る。 ここで も粒子 配列 に よる土圧 へ の影誓 は大 きい。 この よ うに,擁
壁 の変位様 式 に よ り,土
圧 の大 きさも異 な ることが知 れ た。33粒
子 挙動の概 観 図-9,10は
,試
験装 置の前 面か らスチールカメラを 用 いて,壁
の変位 に伴 う粒 子 の動 きの一例 を示 してい る。 円形 の粒 子 にマ ジ ックイ ンクで半 円形 に塗 りつぶ して,粒
子の回転,並
進 移動 を観察で きるよ うに した。 写真 に よる と,粒
子 配列 な らび に壁 の移動方向によって 粒子挙動 が大 いに異 な ってい る。 これ らの粒子挙動の特徴 は,図
-11の
各領 域 に分 けて述べ ることにす る。 1)くさび城 で は,壁
の変位 に よ りくさび状の粒子塊 が 鉛 直方 向に移動 す る。 くさび域 の下方先端部分では, 図-11
地盤変形の模式図(cm)9 8
壁 体 制 ロ ー ー ー静 止状 態 O―一=―‐2 n mttit △――――-4 m al変位 +―――-6 n alttft 主 働 状 態 粒子の回転 が著 しく大 き く,そ
の方 向が異 な る。 ま た,壁
と接 してい る粒子の回転 は,接
触 位 置 に よっ て方向 と大 きさが異 なってい るのがわか る。 2)く さび域 と静止域 の間 に挟 まれた流動層 にあ る粒子 は,同
一方向へ の回転 と並進運動 が顕著 で あ る。3)静
止域 にあ る流動層 に近 い粒子 は,鉛
直方 向に隆起 と沈下 を示 すが,流
動層 か ら離れ るにつれ て粒 子 は 静上 してい る。 この ような粒子 の挙勤 は,粒
子 の配列,壁
の 変位 と様 式 に よ り異 なってい ることが知 れ る。34地
表面沈下 図-12は
,くさび域 にあ る地表 面の粒 子 を静 止状 態 か ら壁 の変位 によ る粒子 の移動 を示 して い る。 なお,図
の原 点 は流動層 の近 くで,地
表 に存在 す る粒 子 と,そ
れ よ り壁 側 にあ る粒子 を対象 に示 した。 地表 面の沈下特性 は,主
働状態 と受働状 態で は大 い に異 な り,主
働状態で は擁壁 の変位の増 大 とともに沈 下 が増 大 す るが,一
方,受
勘状態 では,約
2 mmの壁 の変位 で,地
表面が隆起 し,そ
の後 の壁の変位 が増 大 す ると沈下 を示 し てい る。 この ように地表 画沈下はパ ター ン化 されて,土
圧 の発現 と関与 してい るようであ る。95土
圧 とフラクタル次元 先 の国-7,8の
上圧 と壁 の変位 の曲線 にお いて,共
通 しての こぎ り歯状 の複雑 な挙動がみ られ る。 これ らは個 々 の粒子間 に回転,滑
り,の
り越 えが繰 り返 し生 して い るこ とに起 因す るものであ る。そ こで,こ
れ らの上圧 と壁 の 変 位 の関係 を詳 しく調べ るために,フ
ラクタル次元解 析 を試tcm)9 8 7 6 5 1 3 2 1 o
ぎf=ギ ==ゴニニゴ
=≡
ど黎 、
壁 体ntl □ 一 ― ―静 止 状 態 O―――- 2 D In変 位 △一 一-4mm変 位 +―――-6 1tl m変 位 受 働 状 態 N(「〕図
-12
地表面沈下
(23/之4配 列
, 水平変位) 図-13
フラクタル解析例鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
27巻
み た 。 フ ラ ク タ ル 次 元 は グ リ ッ ド法 を用 い て,パ
ー ソナ ル コ ン ピ ユ ー タ に 処 理 して 算 出 した。 図-13は
,受
勘 状 態 で の 上 圧 と壁 の 変 位 関係 に つ い て フ ラ ク タ ル 次 元解 析 を行 った 結 果 の 一 例 を示 して い る。 フ ラ ク タ ル 次 元FDの
値 は,α
の 増 加 と と もに 減 少 す る傾 向 が み られ る。 この よ うに,一
見,同
じ よ うに 見 え る,う
ね りと凹 凸 の 変 化 が,フ
ラ ク タ ル 次 元 を用 い て,う
ま く整 理 す る こ とが で き る の で,さ
らに 研 究 を進 め る予 定 で あ る。4
おわ りに 本 報 告 で は,擁
壁 の 主 働 及 び 受 勧 土圧 問題 の モ デル 試験 を 行 い,全
土 圧,全
土 圧 ・ 変 位 関 係,地
表 面 沈 下 に お よぼ す壁 の 変 位 様 式 や 地 盤 モ デ ル の 影 響 を検 討 した。 また,主
働 ・ 受 働 時 の 地 整 の 基 本 的 な 挙 動 を詳 細 に検 討 した。 実験 を 通 して,DEMが
擁 壁 の 上 圧 問 題 に 対 して 有 用 な解 析 法 で あ る こ と を検 証 した 。 参 考 文 献1 ) Cunall,P A : A Computer Model for Sinulating Progressive, とarge Scale Movements in BIocLly Rock Systems,Symp ISRM, Nancy, Fraace, Proc Vo1 2, pp 129-136′ 1971
2 )cuna11,P A : Formulatiod of a Three―dinellsional Distinct Element method Part I A SchOlle to
Detect and Represent Contacts in a System Com,osed of Many Polyhedral Blocls, Int, J, Rock Mech Min Sci ,Vo1 25, No 3, pp 107-116,
1988