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不規則波の変動波圧 と水面変動 との相互 関係 に関す る研 究

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第54巻(2007) 土 木 学 会,871‑875. 不規則波の変動波圧 と水面変動 との相互 関係 に関す る研 究 Correlation. between. Wave. Pressures. and Water. Surface. Elevations. 斎 藤 武 久1・ 岩 田 秀 樹2・ 宮 下 雄 太3・ 石 田. Takehisa. SAITOH, Hideki IWATA, Yuta MIYASHITA. for Irregular. Waves. 啓4. and Hajime ISHIDA. This study aimsto developefficientmethodsfor an estimationof wave pressures under irregularwaves by using time series ofwater surfaceelevations.Twomethods are presentedin this study.Oneis a linear filter approximationmethod whichis extended from an originalway to calculatewater particle velocitiesfrom the water surface elevations.The other oneis a localapproximationmethodwhichis alsoextendedfroman originalway to obtainnonlinear water surface elevationsby using time series of subsurface pressures. The validity of each method is verified comparing with experimentalresults for simultaneousmeasurements of water surface elevationsand subsurface pressures under progressiveand standingirregular waves in 2-D wave flume. 1.緒. 知 見 を加 え て い る.な お,実. 論. 験 値 に は,2次. 元造波水 槽. を 用 い て進 行 波 お よ び 重 複 波 の場 合 を対 象 に 実 施 さ れ た 海 岸 工 学 上 の多 くの 問 題 に お い て,波 形 に 限 らず 波 の 内 部 特 性 を正 確 に記 述 す る こ とは,基 本 的 か つ 重 要 な課 題 で あ る.特 の 場 合,水. に,理 論 的 な取 扱 い が 複 雑 とな る不 規 則 波. 面 変 動 記 録 か ら 内部 の 流 速 や圧 力 が 的 確 に 予. 測 可 能 と な る こ と は,入 射 波 諸 元 と関 連 させ て そ の 内 部. 水 面 変 動 記 録 か ら内 部 の 水 粒 子 速 度 を算 定 す る手 法 と して,線 形 フ ィ ル ター 法 が 提 案 さ れ(Raid,1957;岩 部 ・大 中,1984;佐. 藤 ら,1988),一. 2006)を 2.線. 利 用 す る.実 験 条 件 は,表‑1を. 形 フ ィル タ ー 法 を 用 い た 変 動 波 圧 の 算 定 法. 斎 藤 ら(2006)に. 倣 い,こ. こ で は,線 形 フ ィル タ ー 法. 垣 ら,. 様 水 深 上,. 一 様 水 深 をhと. し ,x軸. を波 の 進 行 方 向,z軸. を鉛 直 上. 向 き に と り,原 点 を静 水 面 上 の 波 高 計 測 位 置 とす る.こ の と き,波 高 計 測 位 置 で の 不 規 則 波 の 水 面 変 動 η(t)を式. さ ら に,砕 波 帯 付 近 な ど緩 勾 配 斜 面 上 に お け る不 規 則 波. (1)の 線 形 重 ね 合 わ せ で 表 現 した 場 合,変. の水 粒 子 速 度 の算 定 が 良 好 な精 度 で 実 現 され て い る.. 微 小 振 幅 波 理 論 に基 づ き,式(2)で. 一方. 参照 され た い.. の概 要 を説 明 し,算 定 精 度 に 関す る 検 討 結 果 を 述 べ る.. 特 性 を把 握 す る た め に 必 要 不 可 欠 と言 え る.. 1972;磯. 不 規 則 波 の 水 面 変 動 と変 動 波 圧 の 同 時 計 測 記 録(斎 藤 ら,. 動 波 圧p(t)は. 表 す こ とが で きる.. ,水 面 変 動 記 録 か ら内 部 の 変動 波 圧 を算 定 す る手. (1). 法 と して は,上 述 の 線 形 フ ィ ル タ ー を変 動 波 圧 の 算 定 へ と拡 張 す る手 法 が提 案 さ れ て い る(斎 藤 ら,2006).た. だ. (2). し,算 定 精 度 に 関 して,詳 細 な 検 討 ま で に は至 っ て い な い.ま. た,他. の 手 法 と して,圧 力 式 波 高 計 に用 い られ る. こ こ に,σ は 角 振 動 数,θ は 初 期 位 相,M(σ)は. 変 動 波圧 か ら表 面 波 へ の換 算 手 法 を拡 張 す る こ とが 有 効. ペ ク トル に 相 当 し,Rp(σ)は,水. と考 え られ る.. 周 波 数 応 答 関数 で あ り,式(3)で. 与 え ら れ る.. 本 研 究 で は,不 規 則 な水 面 変 動 記 録 か ら内 部 の 変 動 波. (3). 圧 を効 率 的 に計 算 す る算 定 手 法 の 開発 を 目的 に,線 形 フ ィル タ ー 法 を発 展 させ た算 定 法,さ. らに,非 線 形 水 面 波. の 算 定 手 法 と して 提 案 され て い る 局所 近 似 法(Nielsen, 1989)を. 発 展 させ た 算 定 手 法 を 提 案 し,実 験 結 果 との 比. 較 か ら,両 手 法 の有 効 性 につ い て 検 討 す る.. 振 幅ス. 面 変 動 η(t)に 対 す る. 式 中,ρ は流 体 の 密 度,gは こ こで,水. 重 力 加 速 度,kは. 面 変 動 を 入 力 値y(t)と. して,変. 波 数 を表 す. 動 波圧 が. 出 力 値Gs[y(t)]と. な る 対 称 線 形 フ ィ ル タ ー(Raid,. 1957)を. よ う に導 入 す る.. 式(4)の. 線 形 フ ィル タ ー法 を発 展 させ た 算 定 手 法 の 構 築 に 関 し て は,そ の 研 究 成 果 の 一 部 を 発 表 し て い る が(斎 藤 ら, 2006),本. 研 究 で は,算 定 精 度 に 関 して 得 られ た 新 た な. 1正 会 員 博(工)金 沢大学大学 院 准教授 自然科学研究科 2正 会 員 修(工)株 式会社 本 間組 土木部 3修(工)福 井県 土木部 4フ ェロー 工博 金沢大学大学院 教授 自然科学研究科. 表‑1水. 面変動 と変動波圧の 同時計測実験 における実験条件.

(2) 海. 872. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第54巻(2007). (4) 式(4)は,水. 面 変 動 の 時 間 変 化 記 録 の重 み 付 き線 形 重. ね 合 か ら出 力 値 が 算 定 で きる こ と を意 味 して い る.な お, τは 入 力 値 の 時 間 間 隔 で あ り,nτ が 影 響 時 間 を 表 し, Nτ ま で の 入 力 値 の 効 果 が 対 象 時 刻tへ さ れ る こ と に な る.こ (1)の. の出力値 へ反 映. の と き,式(4)のy(t)に. η(t)を代 入 して 整 理 した 式(5)に. 式. お い て, 図‑1影. 響 時 間 の変 化 に伴 うフ ィ ル ター係 数 の 変化. (5) [a0+2Σancosnσt]と. 式(3)が. 一 致 す る よ う に,フ. ー. リ エ 逆 変 換 に よ っ て フ ィ ル タ ー 係 数an(n=0〜N)が. (6) と して 決 定 され た 場 合,式(4)は. 図‑2間. 水 面 変 動 を 入 力 値 と し,. 変 動 波 圧 を 出 力 値 とす る 線 形 フ ィル ター と な る. と こ ろ で,式(4)を. に お け る局 所 角 振 動 数 ωnは,振. 用 い て 変 動 波 圧 を算 定 す る場 合,. 算 定 精 度 は,フ ィル タ ー係 数an(n=0〜N)の. 項 数,つ. ま. り,影 響 時 間 に 大 き く影 響 す る.図 〜 に,本 研 究 で用 い る 実 験 条 件 に も とでnの. 引 き間 隔 の違 いに伴 う局 所 周 波数 の変 化. 局 所 パ ラ メ ー タAn,お. 幅 お よ び 位 相 に関 す る. よ び ψnを 含 む 正 弦 関 数 η(t)=. Ansin(ωnt‑ψn)の2階. 時 間 微 分,ηtt/η=ωn2の. 関係 か. ら次 式 で 定 義 さ れ る.. 値 を 変 化 させ,影 響 時 間 に応 じ. た αnの変 化 特 性 を整 理 した 結 果 を示 す.図 間 と して 対 象 時刻 前 後1秒(N=100)以. (7). よ り,影 響 時. 上 を確 保 す る こ と. 変 動 波 圧 の 算 定 に 際 して は,周 波 数 応 答 関 数 を用 い る. でanは ゼ ロへ 収 束 し,算 定 誤 差 に影 響 を与 え な い こ とが. 場 合 お よび 実 験 結 果 に 基 づ く準 経 験 関 的伝 達 関 数 を用 い. 確 認 で きる.こ の こ とは,式(3)の. 周波 数応答 関数が高. る場 合 の2つ(Nielsen,1989)を. 考 え る.こ. の 時,そ. 周 波 領 域 で ゼ ロに 向 か う単 調 な減 少特 性 を示 す こ と と 関. れ ぞ れ の 関 数 内 で は 各 時 刻 に お け る局 所 角 振 動 数 を用 い. 連 して お り,周 波 数 応 答 関 数 が 高 周 波 領 域 で単 調 増 加(小. る こ とに な るが,式(7)で. 定義 され る値 は,水 面 変 動. 舟 ら,1988;橋. が 静 水 位 付 近 の 場 合,あ. る い は,計 測 記 録 に 含 まれ る ノ. 本 ら,1993)す. る,変 動 波 圧 か ら水 面 変 動. を算 定 す る場 合 に比 べ て,算 定 手 法 の構 築 を容 易 にす る. 3.局. イ ズ の 影 響 か ら,3点. 間 の デ ー タ の 間 引 き間 隔Mに. 存 して値 が 変 化 す る.図‑2に,間. 所 近似 法 を用 い た変 動 波 圧 の算 定 法. 引 き間 隔Mの. 伴 う局 所 周 波 数 の変 化 特 性 の 一 例 を示 す.図 本 研 究 で 用 い る 局 所 近 似 法 をNielsen(1986,1989) に倣 い 以 下 に示 す. (1)局. 隔 が 大 きい 程,値. え ば,波 形 の時 間 変 化 特 性 を,各. 時 刻 に お け る周 波 数,す. な わ ち局 所 角 振 動 数 を 用 い て,. 局 所 的 に正 弦 関 数 で 近 似 す る.こ. の た め,取 得 デ ー タの. 周 波 数 分 析 に 基 づ く従 来 の ス ペ ク トル 法(例 Bishop. and Donelan,1987)と. え ば,. は異 な り,局 所 的 な 先 鋭. 化 な ど を伴 う非 線 形 波 へ の対 応 が 可 能 と考 え られ て い る. 今,時. よ り,間 引. き間 隔 の違 い に よ っ て,静 水 位 お よ び波 峰 時 に お い て 局 所 周 波 数 に は 違 い が発 生 し,当 然 で はあ る が,間 引 き間. 所 角振 動 数(周 波 数). 局 所 近 似 法 で は,例. 依. 違 いに. 間 間 隔 を δ とす る3時. ηnお よ び ηn+1(n=1,2…)を. 刻 の 水 面 変 動 記 録 ηn‑1, 用 い る場 合,対. 象 時 刻n. は小 さ くな っ て い る.ノ イ ズ 除 去 等 に. 関 し て は 多 く の 議 論 が あ る が,本 (1989)が. 研 究 で はNielsen. 提 示 し て い るM=(h/g)1/2/τ=20(τ<. (h/g)0.5)を 援 用 す る.ま. た,極 端 に 大 き く算 定 さ れ た. 局所 角 振 動 数 に は,水 面 変 動 記 録 の ス ペ ク トル 分 布 か 「 ら 求 め た ピ ー ク 周 期Tpを. 用 い て,7π/Tp以. 上 の値 に対 し. て カ ッ トオ フ処 理 を導 入 した. (2)周. 波 数 応 答 関 数 を 用 い る場 合. 微 小 振 幅 波 理 論 に基 づ き,各 時 刻 に お け る局 所 角 振 動.

(3) 873. 不 規則波 の変動 波圧 と水面 変動 との相互 関係 に関す る研 究 数 ωnに 対 応 し,分 散 関 係 式 ωn2=gkntanhknhを す 局 所 波 数knを. 用 い て,水. 満た. 面 変 動 記 録 ηnと 変 動 波 圧. 波 圧 の 最 大 値 と も に,両 算 定 法 に よる 計 算 結 果 は,実 験 結 果 と非 常 に よ く一 致 して い る. 次 に,図‑4の. pnの 次 式 の 関 係 か ら変 動 波 圧 を算 定 す る.. 場 合 と ほ ぼ 同 一 の 入 射 波 高 で,有. (8) (a)水 面 変動. (3)準. 経 験 的伝 達 関 数 を 用 い る場 合. 上 述 の 周 波 数 応 答 関 数 を用 い る場 合,各. 時刻 にお いて. 分 散 関 係 式 よ り局 所 波 数 を収 束 計 算 す る煩 雑 さ を 伴 う. そ こ で,Nielsen(1986)に. し た が い,水. に お け る変 動 波 圧 との 比 が,水. 面 変動 と水底. 面変 動 の角振 動 数 ω と. 単 位 水 塊 の もつ 固有 振 動 数(g/h)1/2と. の 比 に よっ て 記 述. で き る と し,(p/ρg)/η=F(ω2(h+η)/g)の す る.こ こ で,ω2と. 関 数 形 を仮 定. (b)変 動 波 圧:線. 形 フ ィル ター 法. して,局 所 角 振 動 数ω2nを 用 い,準. 経 験 的 伝 達 関 数Fを,規. 則 波 を 対 象 と した 水 面 変 動 記. 録 と変 動 波 圧 の 同時 計 測 実 験(斎. 藤 ら,2006)に. 波 峰 位 置 で のpn/ρg/ηnお よ びω2n+ηn)/gの. 基づ く 関 係 か ら,. 最 小 自乗 近 似 法 に よ り次 式 の よ う に決 定 す る. (c)変 動波圧:局 所近似 法. (9) な お,式 図‑3よ. 中 のBは,変. 動 波 圧 の 計 測 位 置 で 変 化 す る が,. りzp/h=‑0.5(zp=‑20cm)の. 場 合,B=0.73. と な る. 後 述 す る計 算 結 果 の比 較 で は,B=0.73を /h=‑0.5(zp=‑20cm)の 4.計. 用 い て,zp. 図‑4水. 場 合 を 対 象 に考 察 を行 う.. 面 変 位 お よび変 動 圧力 の時 間 変化 入 射 波:H1/3=6.5cm,T1/3=3.46s(進 行 波). 算 結 果 の比 較 お よ び 考 察. (1)進. 行波の場 合. 図‑4に,水. 面 変 動 記 録 よ り算 定 され た 変 動 波 圧 の 計. 算 結 果 を例 示 す る.入 射 波 はH1/3=6.5cm,T1/3=3.46 sの 場 合 で,結. 果 は100秒. 取 り出 して い る.な お,図. 間 の 計 測 時 間 中 の15秒 中,上 段(a)が. お け る 水 面 変 動 記 録 を 表 し,中 段(b)が. 間を. (a)水 面 変 動. 計 測地 点 に 変動 波圧 の実. 測 値 お よ び 線 形 フ ィ ル ター 法 に よ る 計 算 値,下. (b)変 動 波圧:線. 段(c). 形 フ ィル ター 法. が,準 経 験 的 伝 達 関 数 を用 い た 局 所 近 似 法 に よ る 計 算 値 を表 す.変. 動 波 圧 の 周 期 性,さ. ら に,正 お よ び負 の 変 動. (c)変動 波圧:局 所近似法. 図‑5水 図‑3(pn/ρg)/ηnお. よ び ω2n(h+ηn)/gの 関 係. 面 変位 お よび 変 動圧 力 の 時 間変 化 入 射 波:H1/3=6.1cm,T1/3=1.97s(進. 行 波). 義周.

(4) 874. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第54巻(2007). (a)水 面 変 動. (b)変 動 波 圧:線. 形 フ ィル ター 法. 図‑7相. 対 自乗 誤 差 を用 い た計 算 結果 の比 較(進 行 波). (a)正 の有 義変 動 波圧(波 峰側). (c)変動波圧:局 所近似法. 図‑6水. 面変 位 お よび 変動 圧 力 の 時 間変 化 入 射 波:H1/3=6.0cm,T1/3=1.04s(進. 行 波) (b)負 の有 義 変動 波圧(波 谷 側). 期 が 小 さ く,水 面 変 動 に は,よ る2ケ. ー ス の 結 果 を図‑5お. ル ター 法 の 場 合,計. り先 鋭 化 し た箇 所 が 現 れ. よ び 図‑6に 示 す.線 形 フ ィ. 算 結 果 は 実 験 結 果 を良 好 に再 現 し て. い る.一 方,局 所 近 似 法 で は,特 さ いT1/3=1.04sの. 場 合,変. に,有 義 周 期 が 最 も小. 動 波 圧 の 周 期 性 は,水 面 変. 動 記 録 の 特 性 を 反 映 す る が,実 験 値 を 十 分 に再 現 で きず, 変 動 波 圧 の 正 負 の 最 大 値 を 計 算 値 は若 干 過 大 評 価 して い る.な お,周 波 数 応 答 関 数 を 用 い た局 所 近 似 法 で 算 定 し た場 合 で も,静 水 面 付 近 で の 局 所 周 波 数 の 発 散 の 影 響 等 を含 ん だ 同 様 な結 果 が 得 られ た.以 上 は,高 周 波 な 入 射 波 条件 の 場 合,よ. 図‑8有. 義 変 動 波圧 を用 い た計 算 結 果 の比 較(進 行 波). り適 切 に 局所 周 波 数 を決 定 す る 必 要 性. を示 唆 して い る.計 算 の プ ロ セ ス は簡 便 と な るが,局. 所. 近 似 法 で は,デ ー タの 間 引 き間 隔 お よ び 過 大 評 価 され た. 場 合,今. 回 対 象 と した 入 射 波 条 件 の 範 囲 で は 両 算 定 法 を. 用 い て,実 験 結 果 を ほ ぼ 正 確 に再 現 で き る こ とが 分 か る.. 局 所 周 波 数 の適 切 な カ ッ トオ フ処 理 な ど,取 得 デ ー タ に. (2)重. 応 じた デ ー タ の処 理 へ さ らに検 討 が 必 要 で あ る.. 図‑9に,図‑6の. 複 波の場合 入 射 波 で 重 複 波 を発 生 さ せ た場 合 の. 両 算 定 法 に よ る 計 算 値 と実験 値 と の差 異 を評 価 す る た. 計 算 結 果 を 例 示 す る.変 動 波 圧 の周 期 特 性 お よび 正 負 の. め,各 時 刻 の 計 算 値 と実 験 値 の 差 に基 づ く相 対 自乗 誤 差. 最 大 値 の特 性 と も,進 行 波 の 場 合 と同 様 に,入 射 波 が 高. を 整 理 し た 結 果 を 図‑7に 示 す.図. 周 波 の 場 合 で も,線 形 フ ィル タ ー に よ っ て実 験 結 果 を 良. 場 合,図‑6の. よ り,局 所 近 似 法 の. 結 果 に対 応 し,高 周 波 領 域 で値 が0.05を. 好 に 再 現 で きる こ とが 分 か る.た だ し,両 算 定 手 法 で は,. 下 回 る他 の 場 合 よ りも比 較 的大 き な誤 差 の 発 生 が 確 認 で. 非 線 形 性 に 伴 う,双. き る.一 方,波 別 解 析 に基 づ き,正 お よび 負 の 有 義 変 動. 19s付 近)を 再 現 す る に は至 らな か っ た.. 波 圧 を比 較 し た結 果 を図‑8に 示 す.な 正 の有 義 変 動 波 圧(波 段(b)は,負. 峰 側)を. お,上 段(a)は,. 整 理 した もの で あ り,下. の 有 義 変 動 波 圧(波 谷 側)の. 絶対 値 を整. 理 した もの で あ る.変 動 波 圧 振 幅 の 有 義 値 を対 象 と した. 山 型 の 変 動 波 圧 の 発 生(t=13s,. さ ら に,相 対 自乗 誤 差 お よ び有 義 変 動 波 圧 振 幅 の 比 較 結 果 を 図‑10お. よ び 図‑11に 示 す.重. 変 動 波 圧 の有 義 値 を対 象 と し た場 合,今. 複 波 の 場 合 で も, 回対 象 と した 入. 射 波 条 件 の範 囲 で は,両 算 定 手 法 に よ り実 験 結 果 を ほ ぼ.

(5) 875. 不規則 波 の変動波圧 と水 面変動 との相 互関係 に関す る研究. (a)水面変動. (b)変 動 波 圧:線. (a)正 の 有義 変動 波圧(波 峰側). 形 フ ィル ター 法. (b)負 の有 義 変動 波圧(波 谷側). (c)変 動波圧:局 所近似 法. 図‑9水. 面変 位 お よび変 動 圧 力 の 時 間変 化 入 射 波:H1/3=6.0cm,T1/3=1.04s(重 複 波). 図‑11有. 義 変 動 波 圧 を用 いた 計算 結 果 の 比 較(重 複 波). 波 数 を 決 定 す る た め の 改 善 が 今 後 の 課 題 と な る.. 参 磯 部 雅 彦 ・大 中. 考. 晋 (1984):. 粒 子 速 度 の 計 算 法, 39‑43.. 文. 献. 砕 波 帯 付 近 に お け る不 規 則 波 の水. 第31回. 海 岸 工 学 講 演 会 論 文 集, pp.. 岩 垣 雄 一 ・酒 井 哲 郎 ・石 田 啓 (1972): 不 規 則 波 の 水 粒 子 速 度 と 水 面 変 動 との 相 互 関 係 に 関 す る 研 究, 第19回 海 岸 工 学 講 演 会 論 文 集,. pp.149‑154.. 小 舟 浩 治 ・合 田 良 実 ・成 田 明 ・佐 々 木 弘 ・森 田 行 司 (1988): 現 地 観 測 に お け る 水 圧 波 形 か ら表 面 波 へ の 換 算 手 法 に つ い て, 港 湾 技 術 研 究 所 報 告, pp.161〜183.. 図‑10相. 対 自乗誤 差 を用 い た計 算 結 果 の比 較(重 複波). 正 確 に再 現 で き る こ とが 分 か っ た. 5.結. 論. 本 研 究 で は,不 規 則 な水 面 変 動 記 録 か ら内 部 の 変 動 波 圧 を効 率 的 に計 算 す る算 定 手 法 の 開発 を 目的 に,線 形 フ ィ ル タ ー 法,局 所 近 似 法 を発 展 させ た 手 法 を提 案 し,実 験 結 果 との 比 較 か ら,両 手 法 の 有 効 性 に つ い て検 討 した. 実 験 結 果 と の比 較 よ り,変 動 波 圧 振 幅 の 有 義 値 を 対 象 と した場 合,今. 回対 象 と した 入 射 波 条 件 の 範 囲 で は 両 算. 定 法 を用 い た 計 算 値 に よ り,進 行 波 お よび 重 複 波 の 場 合 と も に,実 験 値 を ほ ぼ 正 確 に 再 現 で きる こ とが 分 か った. 一方 ,変 動 波 圧 の 時 間 変 化 を 対 象 と した 場 合,線 形 フ ィ ル タ ー法 を用 い て 良 好 に対 応 可 能 と な る が,局 所 近 似 法 で は,特. に,高 周 波 な入 射 波 条 件 に応 じて 適 切 な 局 所 周. 斎 藤 武 久 ・岩 田 秀 樹 ・宮 下 雄 太 ・石 田. 啓 (2006):. 水面 変動 記. 録 を 用 い た 不 規 則 変 動 波 圧 の 算 定 法, 海 岸 工 学 論 文 集, 第53巻, pp.781‑785 佐 藤 慎 司 ・諌 山 太 郎 ・柴 山知 也 (1988): 緩 勾 配 斜 面 に お け る 不 規 則 波 の 底 面 流 速 変 動 特 性 に 関 す る 研 究, 第35回 海岸 工 学 講 演 会 論 文 集, pp.78‑82. 橋 本 典 明 ・永 井 紀 彦 ・菅 原 一 晃 ・浅 井 正 ・朴 慶 寿 (1993): 波 浪 の 多 方 向 性 と弱 非 線 形 性 を 考 慮 し た 水 圧 波 か ら表 面 波 へ の換 算 法 に つ い て, 港 湾 技 術 研 究 所 報 告,pp.27〜51.. Bishop,C.T.,and M.A.Donelan (1987): Measuring waves with pressure transducers, Coastal Eng. 11, pp.309-328. Nielsen P. (1986): Local approximations : A new way of dealing with irregular waves, Proc. 20th Int. Conf. Coastal Eng., pp.633-646. Nielsen P. (1989): Analysis of natural waves by local approximations, J. Waterway, Port, Coastal, and Ocean Eng., ASCE, Vol.115, No.3, pp.384-396. Reid, R.O. (1957): Correlation of water level variations with wave force s on a vertical pile for nonperiodic wave, Proc. 6th Int. Conf. Coastal Eng., pp.749-786..

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