目 次 第一 公社債、公社債投資信託等に対する 課税方式の見直し 85 一 利子所得の分離課税の改正 86 二 国外で発行された公社債等の利子所 得の分離課税等の改正 89 三 勤労者財産形成貯蓄契約に基づく生 命保険等の差益等の課税の特例の改正 92 四 金融機関等の受ける利子所得等に対 する源泉徴収の不適用の改正 92 五 私募公社債等運用投資信託等の収益 の分配に係る配当所得の分離課税等の 改正 94 六 国外で発行された投資信託等の収益 の分配に係る配当所得の分離課税等の 改正 97 七 上場株式等に係る配当所得の課税の 特例の改正 98 八 確定申告を要しない配当所得の改正 (改正後:確定申告を要しない配当所 得等) 102 九 上場株式等の配当等に係る源泉徴収 税率等の特例の改正 104 十 上場株式等の配当等に係る源泉徴収 義務等の特例の改正 105 十一 株式等に係る譲渡所得等の課税の 特例の改正(改正後:一般株式等に 係る譲渡所得等の課税の特例) 108 十二 上場株式等に係る譲渡所得等の課 税の特例の創設 113 十三 特定管理株式等が価値を失った場 合の株式等に係る譲渡所得等の課税 の特例の改正 120 十四 特定口座内保管上場株式等の譲渡 に係る所得計算等の特例等の改正 124 十五 源泉徴収選択口座内配当等に係る 所得計算及び源泉徴収等の特例の改 正 133 十六 上場株式等に係る譲渡損失の損益 通算及び繰越控除の改正 135 十七 特定中小会社が発行した株式に係 る課税の特例の改正 137 十八 非課税口座内の少額上場株式等に 係る譲渡所得等の非課税の改正 142 十九 公社債等の譲渡等による所得の課 税の特例の改正(改正後:貸付信託 の受益権等の譲渡による所得の課税 の特例) 143 二十 割引の方法により発行されている 公社債等の譲渡による所得の課税の 特例の廃止 144 二十一 株式等の譲渡の対価に係る支払 調書等の特例の改正 145 二十二 償還差益等に係る分離課税等の 改正 148 二十三 割引債の差益金額に係る源泉徴 収等の特例の創設 152 二十四 公共法人及び公益信託等に係る 非課税の改正 160 二十五 利子所得の改正 161 二十六 信用取引等による株式の取得価 額の改正 162 二十七 利子、配当、償還金等の受領者 の告知の改正(改正後:利子、配 当等の受領者の告知) 163 二十八 株式等の譲渡の対価の受領者等 の告知の改正 167
第一 公社債、公社債投資信託等に対する
課税方式の見直し
はじめに
公社債の譲渡益は経過利子の反映であるとの考 え方に基づき非課税とされ、譲渡損失はないもの とみなされていましたが、公社債市場では、日々 の金利の動き等により市場価格が変動し、その結 果として譲渡損益が発生しています。また、金融 商品の多様化により、株価に連動する債券など金 利以外の要因により譲渡損益が発生する金融商品 や、譲渡益が非課税であることを利用して、収益 の分配を行わずにその受益権等を譲渡することに より投資収益を回収する金融商品も販売されてい る状況にあります。 このような現行の公社債の取扱いは、企業の資 金調達の手段として公社債と類似の性質を有する 株式をはじめとする他の金融商品との中立性の観 点から問題があるものであり、公社債についても、 税負担の違いに左右されずにニーズに応じた投資 を可能とするとともに、その投資リスクの軽減を 図る観点から、課税方式を20%分離課税とし他の 所得との損益通算の対象とする金融所得課税の一 体化の対象とする改正が行われました。 (参考 1 ) 平成24年 8 月22日に公布された「社会保障 の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な 改革を行うための消費税法の一部を改正す る等の法律」においては、次の検討条項が 設けられています。 〇 社会保障の安定財源の確保等を図る税制 の抜本的な改革を行うための消費税法の一 部を改正する等の法律(平成24年法律第68号) (税制に関する抜本的な改革及び関連する諸 施策に関する措置) 第 7 条 (省略) 二 個人所得課税については、次に定める とおり検討すること。 イ 金融所得課税については、平成26年 1 月から所得税並びに個人の道府県民 税及び市町村民税(ニにおいて「個人 住民税」という。)をあわせて100分の 20の税率が適用されることを踏まえ、 その前提の下、平成24年度中に公社債 等に対する課税方式の変更及び損益通 産の範囲の拡大を検討する。 ロ~ニ (省略) 二十九 支払調書等の改正 170 第二 非課税口座内の少額上場株式等に係 る配当所得及び譲渡所得等の非課税措 置の改正等 176 一 非課税口座内の少額上場株式等に係 る配当所得及び譲渡所得等の非課税措 置の改正 176 二 上場株式等に係る配当等及び譲渡所 得等に対する 7 %軽減税率の特例の廃 止 188 第三 その他の改正 189 一 先物取引の差金等決済をする者の告 知等の改正 189 二 特定口座内保管上場株式等の譲渡等 に係る所得計算等の特例等の改正 192 三 特定目的信託の社債的受益権の収益 の分配に係る配当等の支払調書の改正 196 四 上場証券投資信託等の償還金等に係 る課税の特例の改正 197 五 特定新規中小会社が発行した株式を 取得した場合の課税の特例及び復興指 定会社が発行した株式を取得した場合 の課税の特例の改正 198一 利子所得の分離課税の改正
1 改正前の制度の概要
⑴ 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住 者が昭和63年 4 月 1 日以後に国内において支払 を受けるべき利子等については、その支払を受 けるべき金額に対し15%(他に個人住民税 5 %)の税率による源泉徴収のみで課税関係が完 結する分離課税(源泉分離課税)により課税す ることとされていました(旧措法 3 ①)。 ⑵ 源泉分離課税の対象となる利子等については、 利子等の受領者の告知等並びに利子等の支払調 書及び名義人受領の利子所得の調書の提出を要 しないこととされていました(旧措法 3 ③)。2 改正の内容
⑴ 源泉分離課税の対象となる利子等の範囲の改正 利子等のうち、次に掲げる公社債に係るもの については、本特例による源泉分離課税の対象 から除外されました(措法 3 ①)。改正後は、 次の①から③までの利子等については、株式や 公社債等の譲渡損失との損益通算の対象とされ たことに伴い、原則として15%(他に個人住民 税 5 %)の税率による申告分離課税(措法 8 の 4 )が適用されます。一方、次の④の利子につ いては、改正後は総合課税が適用されますが、 これは本来総合課税が適用されるべき所得を源 泉分離課税の適用を受ける利子所得に転換する ことによって税負担を軽減する事例がみられた ため、これを適正化する観点から採られる措置 です(措法 3 ①)。 ① 特定公社債の利子 特定公社債とは次に掲げる公社債をいいま すが、詳細については後述「十二 上場株式 等に係る譲渡所得等の課税の特例の創設」の 解説を参照してください(措法37の11②一・ 五~十四)。 1 国債、地方債、外国国債、外国地方債 2 公募公社債、上場公社債 3 発行日前 6 月以内に有価証券報告書等を提出している法人が発行する社債 4 外国社債のうち国内において売出しがされたもの 5 金融商品取引所に発行のプログラム(MTN プログラム等)が公表されている公社債 6 国内外の公営企業等又は国際機関が発行した債券 7 銀行若しくは金融商品取引業者又はこれらの者の100%子会社等が発行した債券(その所有者が多数でないものを除く。) 8 平成27年12月31日以前に発行された公社債(発行時に源泉徴収がされた割引債を除く。) 改 正 前 改 正 後 非課税 不 可 可 不 可 可 不 可 不 可 特定公社債の範囲 20%源泉分離 (申告不要可)20%申告分離 20%源泉分離 20%申告分離 特定公社債等の利子・譲渡所得 上場株式等の配当・譲渡所得 20%申告分離 特定公社債 公募公社債投資信託等 特定公社債以外の公社債私募公社債投資信託等 利子所得 譲渡所得 特定口座での取扱い 損益通算 繰越控除 ○ 特定公社債及び公募公社債投信等の利子・譲渡所得等を20%申告分離課税とし、これらの所得間及び上 場株式等との損益通算並びに損失の繰越控除を可能とする。 ○ 特定公社債等については、投資家の申告事務等に配慮し、特定口座での取扱いを可能とする。 ○ 一般個人投資家の投資対象とならない特定公社債以外の公社債及び私募公社債投資信託等については、 損益通算は不可とする。 (注 1 )20%の税率は、所得税15%、住民税 5%。 (注 2 )金融債のうち預金保険の対象となっているものは、改正前の課税方式を維持する。 (注 3 )同族会社が発行した社債(特定公社債に該当するものを除く。)の利子等で、その役員等が支払を受けるものは、総合課税の対象とする。 (参考 2 ) 公社債、公社債投資信託等に対する課税方式の見直しの概要イ 金融商品取引所に上場されている公社債、 外国金融商品市場において売買されている 公社債その他これらに類するもの ロ 国債、地方債 ハ 外国又はその地方公共団体が発行し、又 は保証する債券 ニ 会社以外の法人が特別の法律により発行 する債券(外国法人に係るもの並びに投資 信託及び投資法人に関する法律の投資法人 債、同法の短期投資法人債、資産の流動化 に関する法律の特定社債及び同法の特定短 期社債を除きます。) ホ 公社債でその発行の際の有価証券の募集 が一定の公募により行われたもの ヘ 社債のうち、その発行の日前 6 月以内に 金融商品取引法に規定する有価証券届出書、 有価証券報告書等を内閣総理大臣に提出し ている法人が発行するもの ト 金融商品取引所(これに類するもので外 国の法令に基づき設立されたものを含みま す。)においてその金融商品取引所の規則 に基づき公表された公社債情報(一定の期 間内に発行する公社債の種類及び総額、そ の公社債の発行者の財務状況及び事業の内 容その他その公社債及び発行者に関して明 らかにされるべき基本的な情報をいいま す。)に基づき発行する公社債で、その発 行の際に作成される目論見書に、その公社 債がその公社債情報に基づき発行されるも のである旨の記載のあるもの チ 国外において発行された公社債で、次に 掲げるもの イ 多数の者を相手方として行われた有価 証券の売出しに応じて取得した公社債で、 その取得の時から引き続きその売出しを した金融商品取引業者等の営業所におい て保管の委託がされているもの ロ 金融商品取引法第 2 条第 4 項に規定す る売付け勧誘等に応じて取得した公社債 (上記イの公社債を除きます。)で、その 取得の日前 6 月以内に有価証券届出書、 有価証券報告書等を提出している会社が 発行したもの(その取得の時から引き続 きその売付け勧誘等をした金融商品取引 業者等の営業所において保管の委託がさ れているものに限ります。) リ 外国法人が発行し、又は保証する債券の うち、次のもの イ 次に掲げる外国法人が発行し、又は保 証する債券 ⅰ その出資金額又は拠出をされた金額 の合計額の 2 分の 1 以上が外国の政府 により出資又は拠出をされている外国 法人 ⅱ 外国の特別の法令の規定に基づき設 立された外国法人で、その業務がその 外国の政府の管理の下に運営されてい るもの ロ 国際間の取極に基づき設立された国際 機関が発行し、又は保証する債券 ヌ 銀行業若しくは第 1 種金融商品取引業を 行う者若しくは外国の法令に準拠してその 国において銀行業若しくは金融商品取引業 を行う法人(以下「銀行等」といいます。) 又は次に掲げる者が発行した社債(その取 得をした者が実質的に多数でないものとし て一定のものを除きます。) イ 銀行等がその発行済株式又は出資の全 部を直接又は間接に保有する関係にある 法人 ロ 親法人(銀行等の発行済株式又は出資 の全部を直接又は間接に保有する関係の ある法人をいいます。)がその発行済株 式又は出資の全部を直接又は間接に保有 する関係にあるその銀行等以外の法人 ル 平成27年12月31日以前に発行された公社債 ② 公社債投資信託のうち、次のいずれかのも のの収益の分配 イ その設定に係る受益権の募集が一定の公 募により行われたもの
この「一定の公募により行われたもの」 とは、その募集が、次に掲げる場合の区分 に応じ、それぞれ次に定める取得勧誘によ り行われた証券投資信託をいいます(措令 1 の 4 ②)。 イ その受益権の募集が国内において行わ れる場合 その募集に係る金融商品取引法第 2 条 第 3 項に規定する取得勧誘が同項第 1 号 に掲げる場合(多数の者を相手方として 行う場合をいいますが、適格機関投資家 のみを相手方とするものは除かれます。 ロにおいて同じです。)に該当し、かつ、 委託者指図型投資信託約款にその取得勧 誘が同号に掲げる場合に該当するもので ある旨の記載がなされて行われるもの ロ その受益権の募集が国外において行わ れる場合 その募集に係る取得勧誘が金融商品取 引法第 2 条第 3 項第 1 号に掲げる場合に 該当するものに相当するものであり、か つ、目論見書その他これに類する書類に その取得勧誘が同号に掲げる場合に該当 するものに相当するものである旨の記載 がなされて行われるもの ロ その受益権が金融商品取引所に上場して いるもの又はその受益権が外国金融商品市 場において売買されているもの ③ 公募公社債等運用投資信託の収益の分配 ④ 特定公社債以外の公社債の利子で、次に掲 げる個人が支払を受けるもの(措令 1 の 4 ③) イ その特定公社債以外の公社債の利子の支 払の確定した日(無記名の公社債の利子に ついては、その支払をした日)において、 法人税法の規定に基づいて同族会社の判定 を行った場合にその利子の支払をした法人 が法人税法第 2 条第10号に規定する同族会 社に該当するときにおけるその判定の基礎 となる一定の株主(以下「特定個人」とい います。) (注) 上記の一定の株主とは、その者を法人 税法施行令第71条第 1 項の役員であると した場合に同項第 5 号イに掲げる要件を 満たすこととなるその株主をいいます (措規 2 ②)。 ロ 特定個人の親族 ハ 特定個人と婚姻の届出をしていないが事 実上婚姻関係と同様の事情にある者 ニ 特定個人の使用人 ホ 上記ロからニまでに掲げる者以外の者で、 特定個人から受ける金銭その他の資産によ って生計を維持しているもの ヘ 上記ハからホまでに掲げる者と生計を一 にするこれらの者の親族 ⑵ 利子等の受領者の告知等を要しない利子等の 範囲の改正 これまで、公社債の利子等については、原則 として源泉分離課税の対象とされ、確定申告を することができなかったことから、その受領者 の告知等及び利子等の支払調書の対象外とされ ていましたが、今般の改正で上記⑴①から④ま でに掲げる利子等(以下「特定公社債等の利子 等」といいます。)については、申告分離課税 や総合課税の対象となったことに伴い、特定公 社債等の利子等の受領者は、その支払者に対し て一定の本人確認書類を提示してその者の氏名 及び住所を告知する(又はその者の氏名及び住 所を記載した告知書を提出する)とともに、そ の支払者は、その告知された氏名及び住所をそ の本人確認書類により確認しなければならない こととされました(措法 3 ③、所法224①②)。 また、特定公社債等の利子等の支払者等は、利 子等の支払調書及び名義人受領の利子等の調書 を提出しなければならないこととされました (措法 3 ③、所法225①、228①)。
3 適用関係
上記 2 の改正は、平成28年 1 月 1 日以後に支払 を受けるべき特定公社債等の利子等について適用し、同日前に支払を受けるべき特定公社債等の利 子等については従前どおりとされています(措法 3 ①③、改正法附則19)。
二 国外で発行された公社債等の利子所得の分離課税等の改正
1 改正前の制度の概要
⑴ 居住者又は内国法人が、昭和63年 4 月 1 日以 後に支払われる国外において発行された公社債 又は公社債投資信託若しくは公募公社債等運用 投資信託の受益権(以下「国外公社債等」とい います。)の利子又は収益の分配に係る利子等 (以下「利子等」といいます。)を国内における 支払の取扱者を通じて交付を受ける場合には、 その国内における支払の取扱者が、その国外公 社債等の利子等を居住者又は内国法人に対して 交付をする際に、その交付をする金額を課税標 準として、15%(他に個人住民税 5 %)の税率 による源泉徴収を行うこととされていました (旧措法 3 の 3 ③)。 なお、居住者が交付を受ける国外公社債等の 利子等については、源泉徴収だけで課税関係が 完結する源泉分離課税の対象とされていました (旧措法 3 の 3 ①)。 ⑵ 居住者又は内国法人が支払を受けるべき国外 公社債等の利子等に対して源泉徴収を行う場合 において、その国外公社債等の利子等について、 その支払の際に課される外国所得税(これに相 当するものを含みます。)の額があるときは、 その外国所得税の額は、国内において源泉徴収 すべきその国外公社債等の利子等に係る所得税 の額を限度としてその所得税の額から控除する こととされていました。この場合には、居住者 については、その国外公社債等の利子等に係る 外国所得税の額について外国税額控除の対象と しないこととされていました(旧措法 3 の 3 ④)。 ⑶ 内国法人が国外公社債等の利子等(源泉徴収 不適用となるものを除きます。)につき国内に おける支払の取扱者を通じてその交付を受ける 場合には、国内において支払われる公社債等の 利子等と同様に、その国外公社債等の利子等に ついて、次に掲げる告知、告知書の提出、調書 の提出の対象とされています(旧措令 2 の 2 ⑬)。 ① 公社債等の利子等の受領者の告知及び無記 名公社債等の利子等の受領者の告知書の提出 並びに名義人として公社債等の利子等の支払 を受ける者に対する告知(所法224①~③、 所令336④) ② 利子等の支払調書及び名義人受領の利子所 得の調書の提出(所法225①、228①) ③ 内国法人等に対して支払う利子所得等に係 る支払調書の特例(措法 3 の 2 ) ⑷ 所得税法別表第一に掲げる公共法人等、金融 機関等の受ける利子所得等に対する源泉徴収の 不適用(措法 8 )の適用を受ける金融機関若し くは金融商品取引業者等又は公益信託若しくは 加入者保護信託(以下「公共法人等」といいま す。)が、国外公社債等の利子等の支払を受け る場合には、一定の手続の下で、その国外公社 債等の利子等の額のうち、その公共法人等がそ の国外公社債等の利子等に係る公社債又は公社 債投資信託若しくは公募公社債等運用投資信託 の受益権を引き続き所有していた期間等に対応 する部分の金額については、源泉徴収を行わな いこととされていました(旧措法 3 の 3 ⑥)。 この場合の源泉徴収を行わない利子等の額は、 次のように計算することとされていました(旧 措令 2 の 2 ⑦)。 ① 公共法人等が、その所有する国外公社債等 の利子等に係る公社債又は公社債投資信託若 しくは公募公社債等運用投資信託の受益権を その利子又は収益の分配の計算期間を通じて 引き続きその支払の取扱者に保管の委託をし ている場合その計算期間に対応する利子 又は収益の分配の額② 公共法人等が、その所有する公社債又は公 社債投資信託若しくは公募公社債等運用投資 信託の受益権をその利子又は収益の分配の計 算期間の中途においてその支払の取扱者に保 管の委託をし、かつ、その保管の委託をした 日からその利子又は収益の分配の計算期間の 末日まで引き続きその支払の取扱者に保管の 委託をしている場合その計算期間に対応 する利子又は収益の分配の額にその保管の委 託をしている期間の日数を乗じこれをその計 算期間の日数で除して計算した金額
2 改正の内容
⑴ 居住者が支払を受ける国外公社債等の利子等 の課税方式等の変更 ① 源泉分離課税からの除外 居住者が支払を受ける国外公社債等の利子 等のうち、前述「一 利子所得の分離課税の 改正」の 2 ⑴①の特定公社債の利子、②の公 募により設定された公社債投資信託若しくは 上場公社債投資信託の収益の分配又は③の公 募公社債等運用投資信託の収益の分配に該当 するものついては、本特例による源泉分離課 税の対象から除外され、15%申告分離課税の 対象とされました(措法 3 の 3 ①、8 の 4 ①)。 これは、国外において発行された公社債又は 投資信託の受益権についても、国内発行のも のと同様に公社債等の譲渡損失との損益通算 等の対象とするために採られた措置です。 なお、国外公社債等の利子等のうち15%申 告分離課税の対象とされたもの以外のもの (以下「国外一般公社債等の利子等」といい ます。)については、引き続き源泉徴収のみ で完結する源泉分離課税の対象とされていま す(措法 3 の 3 ①)。 ② 利子所得の確定申告不要制度の適用 国外一般公社債等の利子等以外の国外公社 債等の利子等(以下「国外特定公社債等の利 子等」といいます。)が申告分離課税の対象 とされたことに併せて、本特例により源泉徴 収が行われる国外特定公社債等の利子等につ いて、公社債等の譲渡損失との損益通算等の 適用により確定申告を行わない場合には、源 泉徴収のみで課税関係が終了することも可能 となるように、利子所得等の確定申告不要制 度(措法 8 の 5 )の適用を可能とする措置が 講じられました(措法 3 の 3 ⑦)。 具体的には、次のように利子所得等の確定 申告不要制度の適用を認めることとされてい ます。 イ 国外特定公社債等の利子等が内国法人か ら支払を受けるものである場合 その国外特定公社債等の利子等の国内に おける支払の取扱者から交付を受けるべき 金額については、その 1 回に交付を受ける べき金額ごとに利子所得等の確定申告不要 制度の対象となる支払を受けるべき利子等 とみなして、確定申告不要制度を適用しま す。 ロ 国外特定公社債等の利子等が内国法人以 外の者から支払を受けるものである場合 その国外特定公社債等の利子等の国内に おける支払の取扱者から交付を受けるべき 金額については、その 1 回に交付を受ける べき金額ごとに利子所得等の確定申告不要 制度の対象となる支払を受けるべき利子等 とみなすとともに、これを内国法人から支 払を受けるものとみなして、確定申告不要 制度を適用します。 なお、これにより利子所得等の確定申告不 要制度の適用を受ける国外特定公社債等の利 子等についてその支払の際に徴収された外国 所得税の額がある場合には、下記⑵②にかか わらず、その外国所得税の額については所得 税法の外国税額控除の適用はできないことと されました(措令 2 の 2 ⑭)。 ⑵ 外国所得税の額の控除に関する改正 居住者又は内国法人に対して支払の取扱者が 国内において国外公社債等の利子等を交付する際に行う源泉徴収は引き続き15%の税率を適用 することとされていますが(措法 3 の 3 ③)、 申告分離課税の対象とされた国外特定公社債等 の利子等については、確定申告をすることが可 能となったため、その国外公社債等の支払の際 に課された外国所得税の額の控除については次 のように計算することとされました(措法 3 の 3 ③④)。 ① 国外一般公社債等の利子等の場合(改正前 の制度と同様です。) その交付を受けるべき金額(外国所得税が 課されている場合には、その額を加算した金 額)に対し15%の税率を適用して所得税の源 泉徴収を行いますが、その外国所得税の額は、 源泉徴収した所得税の額を限度としてその所 得税の額から控除します。この場合に、居住 者はその外国所得税の額に対して外国税額控 除の適用は受けられません。 ② 国外特定公社債等の利子等の場合 その交付を受けるべき金額(その支払を受 けるべき配当等の金額から外国所得税の額を 控除した金額)に対し15%の税率を適用して 所得税の源泉徴収を行います。源泉徴収の際 には外国所得税の控除は行いませんが、居住 者は確定申告によりその外国所得税の額につ いて外国税額控除の適用を受けることができ ます。 ⑶ 支払調書及び支払通知書等に関する改正 居住者が支払を受ける国外特定公社債等の利 子等が源泉分離課税の対象から除外され15%申 告分離課税の対象とされたことに伴い、居住者 が国内における支払の取扱者を通じて交付を受 ける国外特定公社債等の利子等については、内 国法人が交付を受けるものと同様に、上記 1 ⑶ ①の利子等に関する告知及び告知書の提出並び に②の利子等の支払調書及び名義人受領の利子 所得の調書の提出の対象とされました。あわせ て、特定公社債等の利子等が上場株式等配当等 の支払通知書の対象とされたことに伴い(措法 8 の 4 ④)、国外特定公社債等の利子等の国内 における支払の取扱者は、その国外特定公社債 等の利子等に関する上場株式配当等の支払通知 書をその居住者に交付しなければならないこと とされました(措令 2 の 2 ⑫)。 また、国外特定公社債等の利子等については、 利子等の支払調書及び名義人受領の利子所得の 調書の提出を要しないこととされる限度額に関 する規定(所規82②三、97②)を適用せず、す べての国外特定公社債等の利子等について調書 の提出を要することとされました(措令 2 の 2 ⑬)。 ⑷ 公共法人等に対する源泉徴収不適用に関する 改正 公共法人等及び公益信託等に係る非課税(所 法11)及び金融機関等の受ける利子所得等に対 する源泉徴収の不適用(措法 8 )について、公 共法人等が支払を受ける公社債等の利子等につ いては、その所有期間にかかわらず支払を受け る利子等の全額について源泉徴収を要しないこ ととなったことに伴い、国外公社債等の利子等 についても、その支払を受ける金額の全額につ いて源泉徴収を要しないこととされました(措 法 3 の 3 ⑥、措令 2 の 2 ⑦⑧)。
3 適用関係
上記 2 の改正は、平成28年 1 月 1 日以後に支払 を受けるべき国外公社債等の利子等について適用 し、同日前に支払を受けるべき国外公社債等の利 子等については、従前どおりとされています(措 法 3 の 3 ①~④、改正法附則20)。三 勤労者財産形成貯蓄契約に基づく生命保険等の
差益等の課税の特例の改正
1 改正前の制度の概要
勤労者が、勤労者財産形成貯蓄契約等(勤労者 財産形成貯蓄契約、勤労者財産形成年金貯蓄契約 又は勤労者財産形成住宅貯蓄契約)に基づき購入 した公社債投資信託以外の証券投資信託の受益権 につき、その証券投資信託の終了又は一部の解約 があった場合において、その終了又は一部の解約 により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産 の価額の合計額のうちその証券投資信託について 信託された金額(その証券投資信託の受益権に係 る部分の金額(信託元本額)に限ります。)に達 するまでの金額については、その金額を株式等に 係る譲渡所得等に係る収入金額とし(旧措法 4 の 4 ③)、信託元本の金額を超える部分の金額につ いて配当所得の収入金額とすることとされていま す(旧所令59①②)。 (注) これにより、配当所得の収入金額に該当す る金額については、勤労者財産形成住宅(年 金)貯蓄の非課税制度の対象となります。2 改正の内容
公募公社債投資信託の終了又は一部の解約によ り交付を受ける金銭等が上場株式等に係る譲渡所 得等の収入金額として課税されることになったこ とに伴い(措法37の11④一)、勤労者財産形成貯 蓄契約等に基づき購入した公社債投資信託につい ては非課税制度を引き続き適用することが可能と なるように、勤労者財産形成貯蓄契約等に基づき 購入した公社債投資信託の終了又は一部の解約に より交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の 価額の合計額のうちその公社債投資信託について 信託された金額(その公社債投資信託の受益権に 係る部分の金額に限ります。)に達するまでの金 額については、その金額を上場株式等に係る譲渡 所得等に係る収入金額として課税することとされ ました。 これにより、勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄 契約に基づき購入した公社債投資信託の受益権に つきその公社債投資信託の終了又は一部の解約に より交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の 価額の合計額のうちその公社債投資信託について 信託された金額(信託元本額)を超える部分の金 額は、利子所得の収入金額となり(所令58①)、 非課税制度の対象となります。3 適用関係
上記 2 の改正は、平成28年 1 月 1 日以後の証券 投資信託の終了又は一部の解約について適用し、 同日前の証券投資信託の終了又は一部の解約につ いては、従前どおりとされています(改正法附則 21)。四 金融機関等の受ける利子所得等に対する源泉徴収の
不適用の改正
1 改正前の制度の概要
⑴ 国内に営業所を有する銀行その他一定の金融 機関(以下「金融機関」といいます。)が支払 を受ける公社債若しくは預貯金の利子、合同運 用信託若しくは特定公募公社債等運用投資信託 の収益の分配又は社債的受益権の剰余金の配当 で次に掲げるものについては、所得税の源泉徴 収を行わないこととされています(旧措法 8 ①)。 ① 社債、株式等の振替に関する法律に規定す る振替口座簿(以下「振替口座簿」といいま す。)に記載又は記録がされた公社債の利子(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律 により信託業務を営む金融機関のその記載又 は記録がされた公社債の利子で一定のものを 除きます。)でその記載又は記録がされてい た期間内に生じたもの ② 金融機関に対する預貯金の利子(一定のも のを除きます。) ③ 金融機関を委託者とし、かつ、その金融機 関を受益者とする合同運用信託又は特定公募 公社債等運用投資信託の収益の分配でその委 託した期間(貸付信託又は特定公募公社債等 運用投資信託の収益の分配については、その 貸付信託又は特定公募公社債等運用投資信託 の受益証券が引き続き記名式であった、又は 振替口座簿に記載若しくは記録がされていた 期間)内に生じたもの ④ 振替口座簿に記載又は記録がされた社債的 受益権の剰余金の配当(金融機関の信託業務 の兼営等に関する法律により信託業務を営む 金融機関のその記載又は記録がされた社債的 受益権の剰余金の配当で一定のものを除きま す。)でその記載又は記録がされていた期間 内に生じたもの ⑵ 金融商品取引業者、金融商品取引清算機関又 は証券金融会社(以下「金融商品取引業者等」 といいます。)が支払を受ける公社債の利子又 は社債的受益権の剰余金の配当で上記⑴①又は ④に掲げるもの(以下「公社債又は社債的受益 権の利子等」といいます。)については、所得 税の源泉徴収を行わないこととされています (旧措法 8 ②)。 ⑶ 内国法人でその資本金の額又は出資金の額の 金額が 1 億円以上であること等について一定の 確認書類を添付した申請書を提出して社債、株 式等の振替に関する法律に規定する振替機関等 の営業所等の長の確認を受けたものが支払を受 ける公社債又は社債的受益権の利子等のうち、 その確認を受けた日以後 1 年を経過する日まで の期間内に開始するその公社債又は社債的受益 権の利子等の計算期間に対応するものについて は、所得税の源泉徴収を行わないこととされて います(旧措法 8 ③)。
2 改正の内容
⑴ 金融機関等の受ける利子所得等に対する源泉 徴収の不適用の特例の改正 改正前の制度では、公社債の利子、公募公社 債等運用投資信託の収益の分配又は社債的受益 権の剰余金の配当(以下「公社債の利子等」と いいます。)について金融機関が支払を受ける 場合の非課税の範囲は、その金融機関がその公 社債又は受益権(以下「公社債等」といいま す。)を引き続き所有していた期間に対応する 部分に限定されていました(旧措法 8 ①一・ 三・四)。 これは、利払又は収益の分配の際に金融機関 が所有している公社債の利子等の全額を非課税 の対象とした場合には、個人の公社債等の譲渡 による所得が非課税となっていることを利用し て、個人が有する公社債等をその利払の直前に 金融機関に譲渡することにより、その譲渡まで の間に発生した公社債等に係る経過利子相当部 分に対する税負担を回避することを防止するた めのものです。 今般の改正で、公社債等の譲渡による所得が 非課税の対象から除外され、15%申告分離課税 の対象とされたことに伴い、公社債の利子等の 支払を受ける金融機関や金融商品取引業者等の 所有期間にかかわらず、その支払を受ける利子 等の額の全額について源泉徴収を不適用とする こととされました。 具体的には、この特例の対象となる金融機関 が支払を受ける公社債の利子、特定公募公社債 等運用投資信託の収益の分配又は社債的受益権 の剰余金の配当について、その公社債、特定公 募公社債等運用投資信託の受益証券(受益権を 含みます。)又は社債的受益権が振替口座簿に 記載若しくは記録がされ、又は引き続き記名式 であった期間にかかわらず、その支払を受ける 公社債の利子、特定公募公社債等運用投資信託の収益の分配又は社債的受益権の剰余金の配当 の額の全額を源泉徴収不適用とすることとされ ました(措法 8 ①一・三・四)。 また、金融商品取引業者等が支払を受ける公 社債の利子又は社債的受益権の剰余金の配当に ついても、同様に、その支払を受ける利子又は 剰余金の配当の全額について源泉徴収不適用と することとされました(措法 8 ②)。 ⑵ 資本金等 1 億円以上の内国法人が支払を受け る公社債の利子所得等の源泉徴収の不適用の特 例の改正 資本金等が 1 億円以上であること等につき確 認を受けた内国法人が支払を受ける公社債等又 は社債的受益権の利子等に係る利子所得等につ いては、利子の計算期間の中途において非課税 主体となることによってその利払の際の税額計 算が複雑化することを回避する観点から、その 確認を受けた日以後に開始する利子計算期間に 対応する公社債又は社債的受益権の利子等につ いて源泉徴収不適用とされていましたが、金融 機関等が支払を受ける公社債の利子等について 所有期間にかかわらず源泉徴収が不適用となっ たことに伴い、上記 1 ⑶の特例の適用対象とな る公社債又は社債的受益権の利子等は、資本金 等の額が 1 億円以上であること等について確認 を受けた日の翌日から同日以後 1 年を経過する 日までの間に支払を受けるべき公社債又は社債 的受益権の利子等とすることとされました(措 令 3 の 3 ⑨)。
3 適用関係
上記 2 の改正は、金融機関、金融商品取引業者 等又は内国法人が平成28年 1 月 1 日以後に支払を 受けるべき利子、収益の分配又は剰余金の配当に ついて適用し、金融機関、金融商品取引業者等又 は内国法人が同日前に支払を受けるべき利子、収 益の分配又は剰余金の配当については、従前どお りとされています(改正法附則23)。五 私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係る
配当所得の分離課税等の改正
1 改正前の制度の概要
⑴ 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住 者(以下「居住者等」といいます。)が平成16 年 1 月 1 日以後に国内において支払を受けるべ き所得税法第24条第 1 項に規定する剰余金の配 当で次に掲げる受益権の収益の分配に係るもの (以下「私募公社債等運用投資信託等の収益の 分配に係る配当等」といいます。)については、 その支払を受けるべき金額に対し15%(他に個 人住民税 5 %)の税率による源泉分離課税によ り所得税が課されることとされています(旧措 法 8 の 2 ①)。 ① 公募公社債等運用投資信託以外の公社債等 運用投資信託の受益権 ② 社債的受益権 ⑵ 非居住者、内国法人又は外国法人が平成16年 1 月 1 日以後に支払を受けるべき私募公社債等 運用投資信託等の収益の分配に係る配当等につ いては、所得税法の規定による20%の源泉徴収 税率によらず、15%の源泉徴収税率により所得 税が課されることとされています(旧措法 8 の 2 ③)。 ⑶ 私募公社債等運用投資信託等の収益の分配に 係る配当等の支払を受ける居住者又は非居住者 及びその支払をする者並びに業務に関連して他 人のために名義人として私募公社債等運用投資 信託等の収益の分配に係る配当等の支払を受け る者からその私募公社債等運用投資信託等の収 益の分配に係る配当等の支払を受ける居住者又 は非居住者及びその名義人としてその私募公社 債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等の支払を受ける者については、所得税法の規定 による配当等の受領者の告知制度並びに配当等 の支払調書及び名義人受領の配当所得の調書制 度の適用はないこととされています(旧措法 8 の 2 ⑤)。
2 改正の内容
今般の改正においては、公社債のうち、一般の 個人投資家の投資対象となるものとして、公平な アクセスが可能であり、かつ、情報公開が適正に 行われている企業等が発行したものを特定公社債 と定義し、その利子・譲渡所得の課税方式を20% 分離課税とするとともに、損益通算等の対象とさ れたところですが、公社債等運用投資信託の受益 権及び特定目的信託の社債的受益権についても、 同様の考え方により、その設定等に係る受益権の 募集が公募により行われたものの配当・譲渡所得 を20%分離課税とするともに、損益通算等の対象 とされました。 この結果、公社債等運用投資信託及び特定目的 信託の社債的受益権については、その設定に係る 受益権の募集が公募以外の方法(私募)により行 われたものについて、その収益の分配に係る配当 所得の課税方式を本特例による15%(他に個人住 民税 5 %)の税率による源泉分離課税を維持する こととされ、具体的には次のような改正が行われ ました。 ⑴ 公社債等運用投資信託の受益権に関する改正 改正前の制度においてこの特例の対象となる 公社債等運用投資信託の受益権は、所得税法第 2 条第 1 項第15号の 3 に規定する公募公社債等 運用信託以外の公社債等運用投資信託の受益権 とされていましたが、この公募公社債等運用投 資信託は、法人税法第 2 条第29号に掲げる投資 信託に限られているため、その受益権の募集が 公募の方法により行われたものであっても、国 内募集割合が50%以下のものは公募公社債等運 用投資信託に該当しないこととなっていました (法法 2 二十九ロ⑵、法令14の 3 )。改正後の制 度ではこれを改め、国内募集割合にかかわらず、 15%申告分離課税の対象とならない公社債等運 用投資信託の収益の分配を本特例の対象とする こととされました。 具体的には、平成28年 1 月 1 日以後に国内に おいて支払を受けるべき剰余金の配当で公社債 等運用投資信託(その設定に係る受益権の募集 が一定の公募により行われたものを除きます。) の受益権(金融商品取引所に上場されているも のその他これに類するものを除きます。)の収 益の分配に係るものがこの特例の対象とされ (措法 8 の 2 ①一、措令 3 の 4 ①)、この「一定 の公募により行われたもの」とは、その募集が、 次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定 める取得勧誘により行われた公社債等運用投資 信託をいうこととされました(措令 3 の 4 ①)。 ① その受益権の募集が国内において行われる 場合 その募集に係る金融商品取引法第 2 条第 3 項に規定する取得勧誘が同項第 1 号に掲げる 場合(多数の者を相手方として行う場合をい いますが、適格機関投資家のみを相手方とす るものは除かれます。次の②及び⑵において 同じです。)に該当し、かつ、委託者指図型 投資信託約款又は委託者非指図型投資信託約 款にその取得勧誘が同号に掲げる場合に該当 するものである旨の記載がなされて行われる もの ② その受益権の募集が国外において行われる 場合 その募集に係る取得勧誘が金融商品取引法 第 2 条第 3 項第 1 号に掲げる場合に該当する ものに相当するものであり、かつ、目論見書 その他これに類する書類にその取得勧誘が同 号に掲げる場合に該当するものに相当するも のである旨の記載がなされて行われるもの ⑵ 特定目的信託の社債的受益権に関する改正 特定目的信託の社債的受益権の剰余金の配当 についても、最初に発行された受益権の募集方法に応じて課税方式を区分することとされ、こ の特例の対象となる社債的受益権の剰余金の配 当から15%申告分離の対象とされた特定目的信 託の社債的受益権でその募集が公募により行わ れたものの剰余金の配当が除外されました。 具体的には、平成28年 1 月 1 日以後に国内に おいて支払を受けるべき剰余金の配当で特定目 的信託(その信託契約の締結時において資産の 流動化に関する法律第224条に規定する原委託 者が有する社債的受益権の募集が一定の公募に より行われたものを除きます。)の社債的受益 権(金融商品取引所に上場されているものその 他これに類するものを除きます。)の収益の分 配に係るものがこの特例の対象とされました (措法 8 の 2 ①二、措令 3 の 4 ②)。 (注) 資産の流動化に関する法律第224条に規定す る原委託者とは、信託会社等(信託会社及び 信託業務を営む銀行その他の金融機関をいい ます。)と特定目的信託契約を締結する者をい います(資産の流動化に関する法律224)。 この「一定の公募により行われたもの」とは、 その募集が、次に掲げる場合の区分に応じ、そ れぞれ次に定める取得勧誘により行われた社債 的受益権をいいます(措令 3 の 4 ②)。 ① その社債的受益権の募集が国内において行 われる場合 その募集に係る金融商品取引法第 2 条第 3 項に規定する取得勧誘が同項第 1 号に掲げる 場合に該当し、かつ、目論見書及び資産信託 流動化計画にその取得勧誘が同号に掲げる場 合に該当するものである旨の記載がなされて 行われるもの ② その社債的受益権の募集が国外において行 われる場合 その募集に係る取得勧誘が金融商品取引法 第 2 条第 3 項第 1 号に掲げる場合に該当する ものに相当するものであり、かつ、目論見書 その他これに類する書類及び資産信託流動化 計画にその取得勧誘が同号に掲げる場合に該 当するものに相当するものである旨の記載が なされて行われるもの ⑶ 配当等の受領者の告知及び支払調書制度等の 適用 上記⑴及び⑵のとおり、①公社債等運用投資 信託のうち、その設定に係る受益権の募集が一 定の公募により行われたもの及びその受益権が 金融商品取引所に上場されているものその他こ れに類するものの収益の分配及び②特定目的信 託の社債的受益権で、公募のもの及び金融商品 取引所に上場されているものその他これに類す るものの剰余金の配当については、この特例の 対象から除外され申告分離課税の対象とされた ところですが、これに伴い、これらの配当等に ついては上記 1 ⑶の措置の対象外となり、他の 投資信託の配当等と同様に、配当等の受領者の 告知等並びに配当等の支払調書及び名義人受領 の配当所得の調書の提出を要することとされま した(措法 8 の 2 ⑤)。
3 適用関係
上記 2 の改正は、個人又は内国法人若しくは外 国法人が平成28年 1 月 1 日以後に支払を受けるべ き私募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る 配当等について適用し、個人又は内国法人若しく は外国法人が同日前に支払を受けるべき私募公社 債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等に ついては、従前どおりとされています(措法 8 の 2 ①③、改正法附則24)。六 国外で発行された投資信託等の収益の分配に係る
配当所得の分離課税等の改正
1 改正前の制度の概要
⑴ 居住者が、平成16年 1 月 1 日以後に支払を受 けるべき国外において発行された投資信託(公 社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を 除きます。以下同じです。)又は特定受益証券 発行信託の受益権の収益の分配に係る配当等 (国外において支払われるものに限ります。以 下「国外投資信託等の配当等」といいます。) につき、国内における支払の取扱者を通じてそ の交付を受ける場合には、その支払を受けるべ き国外投資信託等の配当等については、その国 内における支払の取扱者を源泉徴収義務者とし て、次に掲げる国外投資信託等の配当等の区分 に応じそれぞれ次に定める課税を行うこととさ れています(旧措法 8 の 3 ①③)。 ① 国外私募公社債等運用投資信託等の配当等 15%の税率による源泉分離課税 ② 国外私募公社債等運用投資信託等の配当等 以外の国外投資信託等の配当等20%の税 率による源泉徴収(総合課税又は申告分離課 税) なお、上記①及び②の「国外私募公社債等運 用投資信託等の配当等」とは、国外において発 行された公募公社債等運用投資信託以外の公社 債等運用投資信託の受益権及び特定目的信託の 社債的受益権の収益の分配に係る剰余金の配当 (国外において支払われるものに限ります。)を いいます。 ⑵ また、内国法人は、平成16年 1 月 1 日以後に 支払を受けるべき国外投資信託等の配当等につ き、国内における支払の取扱者を通じてその交 付を受ける場合には、その国内における支払の 取扱者を源泉徴収義務者として、その国外投資 信託等の配当等の次に掲げる区分に応じそれぞ れ次に定める税率による源泉徴収により、所得 税が課されることとされています(旧措法 8 の 3 ②③)。 ① 国外私募公社債等運用投資信託等の配当等 15% ② 国外私募公社債等運用投資信託等の配当等 以外の国外投資信託等の配当等20% ⑶ なお、国外発行投資信託等(国外において発 行された投資信託又は特定受益証券発行信託の 受益権をいいます。以下同じです。)について 国内の支払の取扱者を通じて交付を受ける次に 掲げる国外投資信託等の配当等については、一 定の要件の下、上記⑵の源泉徴収は行わないこ ととされています(旧措令 4 ④~⑧)。 ① 公益信託又は加入者保護信託の信託財産に 属する国外発行投資信託等に係る国外投資信 託等の配当等 ② 内国法人である信託会社等が、証券投資信 託又は退職年金等信託の信託財産である旨そ の他一定の事項をその支払の取扱者の帳簿に 登載を受けている国外発行投資信託等に係る 国外投資信託等の配当等 ③ 租税特別措置法第 9 条の 4 第 1 項第 1 号の 投資法人又は同項第 2 号の特定目的会社が、 その運用に係る資産である旨その他一定の事 項をその支払の取扱者の帳簿に登載を受けて いる国外発行投資信託等に係る国外投資信託 等の配当等 ④ 租税特別措置法第 9 条の 4 第 2 項の内国法 人である信託会社等が、証券投資信託以外の 投資信託の信託財産である旨その他一定の事 項をその支払の取扱者の帳簿に登載を受けて いる国外発行投資信託等に係る国外投資信託 等の配当等 ⑤ 租税特別措置法第 9 条の 4 第 3 項に規定す る特定目的信託の受託法人が、その特定目的 信託の信託財産である旨その他一定の事項をその支払の取扱者の帳簿に登載を受けている 国外発行投資信託等に係る国外投資信託等の 配当等
2 改正の内容
⑴ 国外私募公社債等運用投資信託等の配当等の 範囲の改正 前述「五 私募公社債等運用投資信託等の収 益の分配に係る配当所得の分離課税等の改正」 により15%源泉分離課税の対象となる私募公社 債等運用投資信託等の収益の分配に係る配当等 の範囲が変更されたことに伴い、15%の税率に より源泉徴収がされる上記 1 ⑴①の国外私募公 社債等運用投資信託等の配当等の範囲が、国外 において発行された上記五 2 ⑴の公社債等運用 投資信託(その設定に係る受益権の募集が一定 の公募により行われたものを除きます。)の受 益権(金融商品取引所に上場されているものそ の他これに類するものを除きます。)の収益の 分配及び上記五 2 ⑵の特定目的信託(その信託 契約の締結時において資産の流動化に関する法 律第224条に規定する原委託者が有する社債的 受益権の募集が一定の公募により行われたもの を除きます。)の社債的受益権(金融商品取引 所に上場されているものその他これに類するも のを除きます。)の収益の分配に係る剰余金の 配当(いずれも国外において支払われるものに 限ります。)とされました(措法 8 の 3 ①②、 8 の 2 ①一・二)。 ⑵ 内国法人が支払を受けるべき国外投資信託等 の配当等の範囲の改正 上記 1 ⑵による源泉徴収が行われる国外投資 信託等の配当等の範囲に、内国法人が支払を受 けるべき国外において発行された社債的受益権 の剰余金の配当(国外において支払われるもの に限ります。)が追加されました(措法 8 の 3 ②)。 これに伴い、上記 1 ⑶の源泉徴収を行わない 国外発行投資信託等の配当等の範囲に、国外に おいて発行された社債的受益権に係る国外投資 信託等の配当等が追加されました。3 適用関係
上記 2 の改正は、居住者又は内国法人が平成 28年 1 月 1 日以後に支払を受けるべき国外私募 公社債等運用投資信託等の配当等及び国外投資 信託等の配当等について適用し、同日前に支払 を受けるべき国外私募公社債等運用投資信託等 の配当等及び国外投資信託等の配当等について は、従前どおりとされています(改正法附則 25)。七 上場株式等に係る配当所得の課税の特例の改正
1 改正前の制度の概要
⑴ 上場株式等に係る配当所得の申告分離課税 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住 者(以下「居住者等」といいます。)が、平成 21年 1 月 1 日以後に支払を受けるべき上場株式 等の配当等を有する場合において、その上場株 式等の配当等に係る配当所得につきこの特例の 適用を受けようとする旨の記載のある確定申告 書を提出したときは、その上場株式等の配当等 に係る配当所得については、他の所得と区分し て、その年中のその上場株式等の配当等に係る 配当所得の金額(以下「上場株式等に係る配当 所得の金額」といいます。)に対し、上場株式 等に係る課税配当所得の金額(所得控除を適用 した後の上場株式等に係る配当所得の金額をい います。以下同じです。)の15%相当額の所得 税(他に個人住民税 5 %)を課することとされ ています(旧措法 8 の 4 ①)。 上記の「上場株式等の配当等」とは、所得税 法第24条第 1 項に規定する配当等で次に掲げる ものをいいます(旧措法 8 の 4 ①一~三)。① 金融商品取引所に上場されている株式等そ の他これに類するものの配当等(次の②又は ③に掲げるものを除きます。)で、内国法人 から支払がされるその配当等の支払に係る基 準日においてその内国法人の発行済株式の総 数又は出資金額の100分の 3 以上に相当する 数又は金額の株式(投資口を含みます。)又 は出資を有する個人(いわゆる大口株主等) 以外の者が支払を受けるもの ② 公社債投資信託以外の証券投資信託でその 設定に係る受益権の募集が一定の公募により 行われたもの(特定株式投資信託を除きま す。)の収益の分配に係る配当等 ③ 特定投資法人の投資口の配当等 (注) 平成21年 1 月 1 日から平成25年12月31日ま での間に支払を受けるべき上場株式等の配当 等に係る配当所得については、その上場株式 等に係る課税配当所得の金額に 7 %の税率に より所得税(他に個人住民税 3 %)を課する こととされていました(平成20年改正法附則 32①)。 ⑵ 上場株式配当等の支払通知書の交付 居住者等に対して国内において上場株式配当 等の支払をする者(上場株式配当等の支払を受 ける信託の受託者及び上場株式配当等を他人の ために業務に関連して名義人として支払を受け る者(以下「準支払者」といいます。)を含み ます。以下同じです。)は、その支払の確定し た上場株式配当等の金額等を記載した支払通知 書を、その支払の確定した日(無記名株式等の 剰余金の配当又は無記名の投資信託若しくは特 定受益証券発行信託の受益証券に係る収益の分 配に係る通知書については、その支払をした 日)から 1 月以内(準支払者が交付をする場合 には、45日以内)に、その支払を受ける者に交 付しなければならないこととされています(旧 措法 8 の 4 ④、旧措規 4 の 4 ①)。 なお、支払通知書の提出対象となる「上場株 式配当等」とは、上場株式等の配当等のうち、 オープン型の証券投資信託の収益の分配に係る 配当等及びいわゆるみなし配当(所得税法第25 条第 1 項の規定により剰余金の配当、利益の配 当又は剰余金の分配とみなされるものに係る配 当等)以外のものとされています(旧措法 8 の 4 ④)。
2 改正の内容
今般の改正においては、一般の個人投資家の投 資対象となる特定公社債、公募公社債投資信託の 受益権、証券投資信託以外の公募投資信託の受益 権及び特定目的信託(その社債的受益権の募集が 一定の公募により行われたものに限ります。)の 社債的受益権(以下「特定公社債等」といいま す。)の利子所得等を損益通算等の対象とするこ ととされましたが、損益通算等を行うに当たって は、その課税方式の均衡化を図る必要があるため、 特定公社債等の利子所得等について、上場株式等 に係る配当所得と同様に、その課税方式を20%申 告分離課税とするなど、必要な改正が行われまし た。 具体的には、次の改正が行われました。 ⑴ 申告分離課税の対象となる利子・配当等の追 加 上記 1 ⑴の上場株式等の配当等の範囲に、居 住者等が、平成28年 1 月 1 日以後に支払を受け るべき利子等(源泉分離課税の対象となる利子 等その他一定のものを除きます。)又は配当等 で次に掲げるものが追加されました(措法 8 の 4 ①二・四・五)。 ① 金融商品取引所に上場されている公社債等 その他これに類するものの利子・配当等 この「金融商品取引所に上場されている公 社債等その他これに類するもの」の範囲は、 上場株式等に係る譲渡所得の課税の特例(措 法37の11)の対象となる公社債や投資信託と 同様ですが、具体的には、次のイからハまで の受益権又は公社債のうち、金融商品取引所 に上場されているもの又は外国金融商品市場において売買されているものが該当します (措法37の11②、措令25の 9 ②)。 イ 公社債投資信託及び公社債等運用投資信 託の受益権 ロ 特定目的信託の社債的受益権 ハ 公社債(次に掲げるものを除きます。) イ 預金保険法に規定する長期信用銀行債 等 ロ 償還差益について発行時に源泉徴収が された割引債 ② 公社債投資信託又は証券投資信託以外の投 資信託で、その設定に係る受益権の募集が一 定の公募により行われたものの収益の分配 この「一定の公募により行われたもの」と は、その募集が、次に掲げる場合の区分に応 じ、それぞれ次に定める取得勧誘により行わ れた投資信託をいいます(措令 4 の 2 ⑤)。 イ その受益権の募集が国内において行われ る場合 その募集に係る金融商品取引法第 2 条第 3 項に規定する取得勧誘が同項第 1 号に掲 げる場合(多数の者を相手方として行う場 合をいいますが、適格機関投資家のみを相 手方とするものは除かれます。ロにおいて 同じです。)に該当し、かつ、委託者指図 型投資信託約款又は委託者非指図型投資信 託約款にその取得勧誘が同号に掲げる場合 に該当するものである旨の記載がなされて 行われるもの ロ その受益権の募集が国外において行われ る場合 その募集に係る取得勧誘が金融商品取引 法第 2 条第 3 項第 1 号に掲げる場合に該当 するものに相当するものであり、かつ、目 論見書その他これに類する書類にその取得 勧誘が同号に掲げる場合に該当するものに 相当するものである旨の記載がなされて行 われるもの ③ 特定目的信託(その信託契約の締結時にお いて原委託者が有する社債的受益権の募集が 一定の公募により行われたものに限ります。) の社債的受益権の剰余金の配当 この「一定の公募により行われたもの」は、 その社債的受益権の募集が国内又は国外のい ずれかにおいて行われたかの区分に応じて定 められていますが、具体的には前述「五 私 募公社債等運用投資信託等の収益の分配に係 る配当所得の分離課税等の改正」の 2 ⑴①及 び②を参照してください。 ④ 特定公社債の利子 この「特定公社債の利子」の範囲は、前述 「一 利子所得の分離課税の改正」の 2 ⑴① と同様です。 (注) 上場株式等の配当等に対する 7 %軽減税率 の特例は、平成25年12月31日の適用期限の到 来をもって廃止されましたが、詳細については、 後述第二「二 上場株式等に係る配当等及び 譲渡所得等に対する 7 %軽減税率の特例の廃 止」を参照してください。 ⑵ 特例の対象となる利子等の範囲から除かれる もの 上記⑴の申告分離課税の対象となる利子等の 範囲から除外される「源泉分離課税の対象とな る利子等その他一定のもの」とは次に掲げる利 子等をいいますが(措法 8 の 4 ①、措令 4 の 2 ①)、これらの利子等は15%源泉分離課税の対 象となっているものや利子等の支払調書の提出 及び支払通知書の交付の対象外となっているも のです。 ① 租税特別措置法第 3 条第 1 項に規定する一 般利子等 ② 租税特別措置法第 3 条の 3 第 1 項に規定す る国外一般公社債等の利子等 ③ 国内源泉所得となる利子等(所得税法第 161条第 4 号に掲げる利子等)のうち同法第 212条第 2 項の規定の適用を受けるもの ④ 租税特別措置法第 6 条第 1 項に規定する民 間国外債の利子(同条第 2 項に規定する利子 をいいます。以下同じです。)及び同条第11
項に規定する外貨債の利子のうち、同条第 2 項(同条第11項において準用する場合を含み ます。)の規定の適用を受けるもの ⑶ 特例の対象となる配当等の範囲からの除外 上記 1 ⑴の上場株式等の配当等の範囲から、 配当等の支払調書の提出及び上場株式配当等の 支払通知書の交付の対象となっていない次に掲 げる配当等が除外されました(措令 4 の 2 ②)。 ① 国内源泉所得となる配当等(所得税法第 161条第 5 号に掲げる配当等)のうち同法第 212条第 2 項の規定の適用を受けるもの ② 租税特別措置法第 9 条の 6 第 7 項第 1 号に 規定する外国特定目的信託の利益の分配又は 同項第 2 号に規定する外国特定投資信託の収 益の分配のうち、同条第 5 項の規定の適用を 受けるもの ⑷ 上場株式等に係る配当所得等の金額の計算 上場株式等の配当等の範囲に特定公社債等の 利子等が追加されたことに伴い、この特例の対 象となる上場株式等に係る配当所得等の金額は、 その年中の上場株式等の配当等に係る利子所得 の金額及び配当所得の金額の合計額とされまし た。この場合において、その上場株式等の配当 等に係る配当所得の金額の計算上生じた損失の 金額があるときは、その損失の金額は、その上 場株式等の配当等に係る利子所得の金額から控 除することとされました(措令 4 の 2 ③)。 ⑸ 上場株式配当等の支払通知書の対象の拡充 今般の改正では、特定公社債等や上場株式の 譲渡損失とこれらの利子所得及び配当所得との 損益通算を行うことができることとされ、同時 に納税者の確定申告事務を考慮し、特定口座に おいても同様の損益通算を行うことが可能とさ れたところです。したがって、特定口座におい て受け取った特定公社債等の利子等について特 定口座で既に損益通算が行われた場合には、納 税者に特定口座年間取引報告書が交付されます が、特定公社債等の利子等を特定口座以外で受 け取ったものであるときは、その支払者等から 支払通知書を納税者に交付することによって、 申告による損益通算等が可能であるものである 旨を納税者及び税務当局が分かりやすくする必 要があります。 このような必要性を踏まえ、特定公社債等の 利子等に対する適正な申告及び課税を確保する 観点から、納税者及び税務当局が特定公社債等 の利子等の金額とそれに対する源泉徴収税額を 的確に把握できるようにするため、上記 1 ⑵の 上場株式配当等の支払通知書の提出対象となる 上場株式配当等の範囲に、上記⑴①から④まで に掲げる特定公社債等の利子等が追加されまし た(措法 8 の 4 ④)。なお、特定公社債等の利 子等を確定申告する場合には、この支払通知書 を確定申告書に添付しなければならないことと されています(措令 4 の 3 ⑦⑩)。 (注) 支払通知書をその上場株式配当等の支払の 確定した日の属する年の翌年 1 月31日までに 交付することができる支払通知書の交付時期 の特例や、支払通知書の交付に代えてその支 払通知書に記載すべき事項を電磁的方法によ り提供することができる特例については、特 定公社債等の利子等についても同様に適用さ れます(措法 8 の 4 ⑤~⑦)。