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 特定口座に特定公社債等の受入れが可能となっ たことに伴い、公社債等の課税方式の変更に伴う 制度移行を円滑に行う観点から、経過措置として、

新制度の施行前に既に保有している特定公社債等 を、平成28年 1 月 1 日及び平成28年 1 月 1 日から 同年12月31日までの間に特定口座に受け入れるこ とができる措置が講じられました。

⑴ 対象となる特定公社債等の範囲

 この経過措置の対象となる特定公社債等とは、

次に掲げる公社債又は受益権をいいます(改正 法附則44⑤)。

① 特定公社債(従来から株式等譲渡益課税の 対象となっている新株予約権付社債並びに資 産の流動化に関する法律に規定する転換特定 社債及び新優先出資引受権付特定社債を除き ます。)

② 公社債投資信託又は証券投資信託以外の投 資信託の受益権で、その設定に係る受益権の 募集が公募により行われたもの

(注) 上記の公募は、上場株式等に係る配当所 得等の課税の特例(措法 8 の 4 )の対象と なる公募投資信託の公募と同様です。

③ 特定目的信託(その信託契約の締結時にお いて原委託者が取得する社債的受益権の募集 が公募により行われたものに限ります。)の 社債的受益権

(注) 上記の公募の社債的受益権は、私募公社 債等運用投資信託等の収益の分配に係る配 当所得の分離課税等(措法 8 の 2 )の対象 外となる公募の社債的受益権と同様です。

⑵ 平成28年 1 月 1 日における特定取得上場株式 等及び一般取得上場株式等の受入れ措置

① 特定取得上場株式等及び一般取得上場株式 等

 平成28年 1 月 1 日において金融商品取引業 者等の営業所に開設されている特定口座には、

その特定口座を開設している居住者等が同日 において有する上場株式等(特定公社債等に 該当するものに限ります。以下同じです。)

のうち次に掲げる特定取得上場株式等及び一 般取得上場株式等であるものを受け入れるこ とができることとされました(改正法附則44

②)。

イ 特定取得上場株式等その金融商品取 引業者等に開設されているその居住者等の その特定口座以外の有価証券の振替口座簿

(社債、株式等の振替に関する法律に規定 する振替口座簿をいいます。)への記載若 しくは記録又は保管の委託に係る口座(以 下「他の保管口座」といいます。)に、そ の取得(平成27年12月31日以前の取得で、

その金融商品取引業者等への買付けの委託

(買付けの委託の媒介、取次ぎ又は代理を 含みます。)による取得、その金融商品取 引業者等からの取得又はその金融商品取引 業者等が行う上場株式等の金融商品取引法 第 2 条第 3 項に規定する取得勧誘若しくは 同条第 4 項に規定する売付け勧誘等に応じ たことによる取得に限ります。以下「特定 取得」といいます。)後直ちに振替口座簿 への記載若しくは記録又は保管の委託がさ れていることその他次の要件を満たす上場 株式等

イ その上場株式等について、その特定取 得後引き続きその特定取得に係る金融商 品取引業者等の営業所に開設された他の 保管口座に係る振替口座簿に記載若しく は記録がされ、又は当該他の保管口座に 保管の委託がされていること。

ロ その上場株式等について、取得価額の

計算及び取得の日の判定の基礎となる金 額、事実その他の事項が、当該他の保管 口座において管理されていること。

(注) 次に掲げる上場株式等がそれぞれ次 に定める他の保管口座に係る振替口座 簿に記載若しくは記録がされ、又は当 該他の保管口座に保管の委託がされた 場合には、その記載若しくは記録又は 保管の委託がされた上場株式等は特定 取得がされたものとみなして、この特 例が適用されます( 5 月改正措令附則

7 ③)。

ⅰ 次に掲げる事由により取得をした 上場株式等であって、その上場株式 等の取得の基因となった上場株式等

(以下「従前の上場株式等」といいま す。)の取得が特定取得に該当し、か つ、その従前の上場株式等がその特 定取得の日からその事由の生じた日 まで引き続き他の保管口座に係る振 替口座簿に記載若しくは記録がされ、

又は当該他の保管口座に保管の委託 がされていたものであるもの当 該他の保管口座

a 投資信託の受益権の分割又は併 合

b 投資信託の併合(その投資信託 の受益者にその併合に係る新たな 投資信託の受益権のみの交付がさ れたものに限ります。)

ⅱ 有価証券オプション取引による権 利の行使又は義務の履行により取得 をした上場株式等でその上場株式等 の取得の基因となった有価証券オプ ション取引による権利の行使又は義 務の履行が他の保管口座を開設して いる金融商品取引業者等に設けられ た口座において行われたもの当 該他の保管口座

ロ 一般取得上場株式等その金融商品取

引業者等に開設されているその居住者等の 他の保管口座に、平成27年 6 月30日以前か ら引き続きその金融商品取引業者等の振替 口座簿への記載若しくは記録又は保管の委 託がされている上場株式等(特定取得上場 株式等を除きます。)

② 特定取得上場株式等及び一般取得上場株式 等の特定口座への移管の方法

 上記①の特定取得上場株式等及び一般取得 上場株式等の特定口座への移管は、その居住 者等からの他の保管口座を開設している金融 商品取引業者等の営業所の長への依頼に基づ き、その営業所の長が、その移管の際に、そ の特定取得上場株式等及び一般取得上場株式 等の全てについて、その居住者等に交付せず に、当該他の保管口座からその特定口座に直 接移管する方法又はその特定口座への振替の 方法により、行わなければならないこととさ れています( 5 月改正措令附則 7 ⑤)。

③ 特定取得上場株式等及び一般取得上場株式 等の判定

 特定口座に受け入れる他の保管口座の上場 株式等が、特定取得上場株式等に該当するか 又は一般取得上場株式等に該当するかどうか の判定は、それぞれの他の保管口座ごとに、

その銘柄を区分して、当該他の保管口座にお ける上場株式等の受入れの日(当該他の保管 口座において 2 回以上にわたって受け入れた 同一銘柄の上場株式等がある場合には、先入 先出法又は合理的な基準によりその同一銘柄 の上場株式等の受入れの日と判定される日)

及び受け入れたその上場株式等の数並びにそ の受入れが特定取得に該当するかどうかを基 礎として行うこととされています( 5 月改正 措令附則 7 ④)。

(注) 上記の「合理的な基準」により判定され る日は、次に掲げる上場株式等の区分に応 じそれぞれ次の日とされています( 5 月改 正措規附則 2 ①)。

イ 他の保管口座において受け入れた上場

株式等のうち、その上場株式等と同一銘 柄の上場株式等の全てが平成27年 6 月30 日における当該他の保管口座に係る保護 預り有価証券明細簿に記載されており、

かつ、平成27年 7 月 1 日から同年12月31 日までの間に当該他の保管口座において その同一銘柄の上場株式等の受入れ及び 払出しがないものその保護預り有価 証券明細簿にその上場株式等の受入れの 日として記載されていた日

ロ 他の保管口座において受け入れた上場 株式等のうち、上記イに掲げるもの以外 のもの(以下「他の受入上場株式等」と いいます。)当該他の受入上場株式等 と同一銘柄の上場株式等(以下「同一銘 柄株式等」といいます。)で平成27年 6 月 30日における当該他の保管口座に係る保 護預り有価証券明細簿に記載されていた もののその保護預り有価証券明細簿にそ の同一銘柄株式等の受入れの日として記 載されていた日及び当該他の保管口座に おいてその同一銘柄株式等以外の同一銘 柄株式等を受け入れた日を基礎として、

同年 7 月 1 日以後において、これらの同 一銘柄株式等のうち先入先出法により判 定した場合に、当該他の受入上場株式等 の受入れの日とされる日

④ 相続等により取得した上場株式等の取扱い  居住者等が贈与、相続(限定承認に係るも のを除きます。)又は遺贈(包括遺贈のうち 限定承認に係るものを除きます。)により取 得した上場株式等(その居住者等が他の保管 口座を開設している金融商品取引業者等にそ の贈与をした者、その相続に係る被相続人又 はその遺贈に係る包括遺贈者(以下「被相続 人等」といいます。)が開設した有価証券の 振替口座簿への記載若しくは記録又は保管の 委託に係る口座(以下「相続等口座」といい ます。)において振替口座簿に記載若しくは 記録がされ、又は保管の委託がされているも