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 今般の改正においては、特定割引債の償還金の 額を上場株式等の譲渡所得等に係る収入金額とみ なすことにより、他の上場株式・特定公社債等に 係る譲渡損失等との通算を行うことが可能となり ましたが、この通算によって上記1 ⑵により源泉 徴収された所得税の還付を受けることが可能とな ります(措法37の11)。この場合に、個人が支払 を受ける特定割引債の償還金のうち源泉徴収がさ れるのは、特定口座で管理されている特定割引債 以外のものについてであることから、この還付を 受ける際に、その特定割引債の償還金について上 記1 ⑵により源泉徴収がされていることを証する 書類として、その支払者等から支払を受ける者等 に対して特定割引債の償還金の支払通知書を交付 する制度が創設されました。

⑴ 特定割引債の償還金の支払通知書

 居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住 者(以下「居住者等」といいます。)に対して 国内において特定割引債の償還金の支払をする 者等(以下「償還金の支払者」といいます。)

は、その支払を受ける者ごとに、特定割引債の 償還金の支払に関する通知書を、その支払を受 ける者に交付しなければならないこととされま

別表第九㈡

(用紙 日本工業規格 A 5 ) 備 考1  この計算書を個人又は内国法人若しくは外国法人に支払う法第41条の12の 2 第 2 項に規定する割引債の

償還金(以下「割引債の償還金」という。)につき提出するときにおける記載の要領は、次による。

⑴ 「平成  年  月分」の空欄には、割引債の償還金の支払をした年月を記載すること。

⑵ 「償還金の額」の項には、その月において支払つた割引債の償還金の額につき、それぞれ次のように記 載すること。

イ 「割引債の償還金(合計)」の欄には、割引債の償還金のうち法第41条の12の 2 第 2 項の規定の適用 を受けるものの額を記載すること。

ロ 「うち内国法人に対する支払分」の欄には、イにより記載されるものの額のうち内国法人に支払うも のの額を記載すること。

ハ 「割引債の償還金の支払の取扱者への支払分」の欄には、割引債の償還金のうち法第41条の12の 2 第 3 項に規定する特定割引債取扱者又は同条第 1 項第 2 号に規定する国外割引債取扱者を通じてその支 払をしたものの額を記載すること。

2  この計算書を個人又は内国法人若しくは外国法人に交付する法第41条の12の 2 第 3 項に規定する特定割 引債の償還金(以下「特定割引債の償還金」という。)又は同条第 1 項第 2 号に規定する国外割引債の償還 金(以下「国外割引債の償還金」という。)につき提出するときにおける記載の要領は、次による。

⑴ 「平成  年  月分」の空欄には、特定割引債の償還金又は国外割引債の償還金の交付をした年月を 記載すること。

⑵ 「償還金の額」の項には、その月において交付をした特定割引債の償還金及び国外割引債の償還金の額 につき、それぞれ次のように記載すること。

イ 「割引債の償還金(合計)」の欄には、特定割引債の償還金又は国外割引債の償還金のうち法第41条 の12の 2 第 3 項又は第 4 項の規定の適用を受けるものの額を記載すること。

ロ 「うち内国法人に対する支払分」の欄には、イにより記載されるものの額のうち内国法人に交付する ものの額を記載すること。

3  法第41条の13の 2 第 2 項において準用する所得税法第180条若しくは法第41条の13の 3 第 1 項の規定に該 当するもの又は日本国が締結した所得に対する租税に関する二重課税防止のための条約に基づき課税の軽 減若しくは免除を受けるものについては、「摘要」の欄にそれぞれの区分ごとに償還金の額及び税額を記載 すること。

4  この表に記載すべき事項を、国税通則法第34条第 1 項に規定する納付書中領収済通知書片に記載して、

この表に代えることができる。この場合には、その領収済通知書片にこの計算書である旨の表示をしなけ ればならない。

平成   年   月分 割引債の償還金に係る差益金額の所得税徴収高計算書 所轄税務署

整 理 番 号

(徴収義務者)

所 在 地 名   称

区    分 償 還 金 の 額 税    額

割引債の償還金(合計) 円 円

う ち 内 国 法 人 に 対 す る 支 払 分 割 引 債 の 償 還 金 の 支払の取扱者への支払分 合        計

  要

した(措法41の12の 2 ⑧、措規19の 6 ①)。

① 支払通知書の交付義務者及び交付期限  この支払通知書を交付しなければならない 者及びその交付期限は、次のとおりです(措 法41の12の 2 ⑧、措令26の17⑫)。

イ 居住者等に対して特定割引債の償還金の 支払をする者その支払の確定した日の 属する月の翌月末日までに交付

ロ 信託の受託者又は特定割引債の償還金を 業務に関連して他人のために名義人として 支払を受ける者その支払の確定した日 の属する月の翌々月の15日までに交付

(注) 上記ロの信託は、所得税法第13条第 1 項本文の規定の適用がある信託に限られ、

同項ただし書に規定する集団投資信託、

退職年金等信託又は法人課税信託は含ま れません。

② 支払通知書の記載事項

 この支払通知書には、次に掲げる事項を記 載しなければなりません(措規19の 6 ①)。

イ その支払を受ける者の氏名及び住所(国 内に住所を有しない者にあっては、次に掲 げる場所)

イ 国内に居所を有する個人その個人 の居所地

ロ 国内に恒久的施設を有する非居住者

(イに掲げる者を除きます。)その非 居住者の国内において行う事業に係る事 務所、事業所その他これらに準ずるもの

(これらが二以上あるときは、そのうち 主たるもの)の所在地

ロ その支払の確定した特定割引債の償還金 の額及びその支払の確定した日

ハ 特定割引債の償還金の額につき源泉徴収 をされる所得税の額

ニ 種類別及び名称別の特定割引債の額面金 額

ホ その支払の際に課された外国所得税の額 ヘ その支払を受ける者が国税通則法の規定 により届け出た納税管理人が明らかな場合

には、その氏名及び住所又は居所 ト その他参考となるべき事項

 なお、この支払通知書の書式は定められて いませんので、上記の事項が記載されたもの であれば、その形式は問いません。このため、

その支払通知書には、上記の記載事項のほか、

租税特別措置法第41条の12の 2 第 8 項の規定 に基づいて交付されたものである旨を記載す ることとされています。また、その支払通知 書が支払を受ける者の再発行の請求に基づき 交付されたものである場合には、その旨もあ わせて表示することとされています(措規19 の 6 ⑤)。

(注) 特定割引債の償還金に係る上場株式等 の譲渡所得等を申告する場合には、この 支払通知書を確定申告書に添付すること が必要となります(措令25の 9 ⑭⑮、所 法120③三、166、所令262③)。

⑵ 特定割引債の償還金の支払通知書の交付時期 の特例

 償還金の支払者は、特定割引債の償還金の通 知書を同一の者に対してその年中に支払った特 定割引債の償還金の額の合計額で作成する場合 には、その通知書をその支払の確定した日の属 する年の翌年 1 月31日(上記⑴①ロの者が交付 する場合には、同年 2 月15日)までに、その支 払を受ける者に交付することができます(措法 41の12の 2 ⑨、措規19の 6 ②)。

 この交付時期の特例による支払通知書の交付 は、その償還金の支払者ごとに選択しなければ なりません(措規19の 6 ④)。したがって、同 一の償還金の支払者が、その受領者ごとに支払 通知書の交付方法を異ならせることはできません。

(注) 下記⑷により、支払通知書を特定割引債取 扱者又は国外割引債取扱者が交付する場合に は、その特定割引債取扱者又は国外割引債取 扱者ごとに上記の特例を選択することが必要 です(措規19の 6 ④)。

 また、この提出時期の特例により支払通知書

を交付する場合の記載事項は、その年中に支払 った特定割引債の償還金に関する事項を記載す ること以外は、原則的な交付方法により交付す る支払通知書と同様です(措規19の 6 ②)。

⑶ 特定割引債の償還金の支払通知書の電磁的方 法による交付

 償還金の支払者は、上記⑴及び⑵の特定割引 債の償還金の支払通知書の交付に代えて、その 特定割引債の償還金の支払を受ける者の承諾を 得て、その支払通知書に記載すべき事項を電磁 的方法により提供することができることとされ ています(措法41の12の 2 ⑩本文)。この場合 には、償還金の支払者は、特定割引債の償還金 の支払通知書を交付したものとみなされます

(措法41の12の 2 ⑪)。ただし、その特定割引債 の償還金の支払を受ける者の請求があるときは、

上記⑴又は⑵の支払通知書をその支払を受ける 者に交付しなければなりません(措法41の12の

2 ⑩ただし書、措規19の 6 ③)。

① 電磁的方法により提供を受ける者の承諾等  償還金の支払者は、特定割引債の償還金の 支払通知書に記載すべき事項をその支払を受 ける者に対し提供しようとするときは、あら かじめ、その支払を受ける者に対して次に掲 げる事項を示して、書面又は電磁的方法によ る承諾を得なければなりません(措令26の17

⑬、措規19の 6 ⑥)。

イ 償還金の支払者が使用する電磁的方法の 種類

ロ その提供すべき事項に係る情報の受信者 ファイルへの記録の方式

 この承諾を得た償還金の支払者は、その支 払を受ける者から書面又は電磁的方法により 支払通知書に記載すべき事項の電磁的方法に よる提供を受けない旨の申出があったときは、

その支払を受ける者に対し、その支払通知書 に記載すべき事項の提供を電磁的方法によっ てしてはならないこととされています。ただ し、その支払を受ける者が再び承諾をした場

合は、再度電磁的方法により支払通知書に記 載すべき事項の提供を行うことができます

(措令26の17⑭)。

② 電磁的方法の範囲及び基準

 特定割引債の償還金の支払通知書に記載す べき事項を電磁的方法により提供する場合の 電磁的方法の範囲及び基準は、上場株式配当 等の支払通知書及びオープン型の証券投資信 託の収益の分配の支払通知書を電磁的方法に より交付をする場合と同様です(措法 8 の 4

⑥、措規 4 の 4 ⑧⑨)。

⑷ 特定割引債取扱者又は国外割引債取扱者を通 じて償還金の交付がされる場合

 特定割引債の償還金につき国内における特定 割引債取扱者を通じてその交付がされる場合に は、その特定割引債取扱者が特定割引債の償還 金の支払通知書をその償還金の交付を受ける者 に対して交付しなければなりません。この場合 には、その償還金については、その特定割引債 の償還金の支払者が支払通知書を交付する必要 はありません(措法41の12の 2 ⑫)。

 また、国外割引債の償還金で上場株式等に該 当する割引債に係るものについて国内における 国外割引債取扱者を通じてその交付がされる場 合には、その国外割引債の償還金は国内におい て支払うものとして、その国外割引債取扱者が 特定割引債の償還金の支払通知書をその償還金 の交付を受ける者に対して交付しなければなり ません(措法41の12の 2 ⑬)。

 なお、特定割引債取扱者又は国外割引債取扱 者が支払通知書を交付する場合には、これらの 者が償還金の支払者として、上記⑴から⑶まで の制度が適用されます(措法41の12の 2 ⑫⑬)。

⑸ 適用関係

 上記⑴から⑷までの制度は、平成28年 1 月 1 日以後に支払うべき特定割引債の償還金又は国 外割引債の償還金について適用されます(改正 法附則57)。