ヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 教 授 記 念 論 文 集
人 文 学 報
No.513‑14 ドイ ツ 語 圏 文 化 論 首 都 大 学 東 京 人 文 科 学研 究科
2017年3月
ヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 教 授 記 念 論 文 集
(人文学報 第513‑14号)
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ヴ ァ ル タ ー ・ ル ー プ レ ヒ タ ー 教 授 、 カ ー リ ン ・ル ー プ レ ヒ タ ー=プ レ ン 夫 人 近 影
ヴ ァル タ ー ・ル ー プ レ ヒタ ー 先 生 に 捧 ぐ
本 学都 市 教養学 部人 文 ・社会 系 国際文 化 コース 欧米文 化論 分野 ドイ ツ語 圏文化 論 の ヴァ ル ター ・ル ープ レヒター教 授 が2016年 度三 月末 を もって退 職 され る こと とな りま した。
ル ープ レヒター教 授 は1992年 の着任 以 来、本 学 の研 究 ・教 育 の発展 に尽 力 された のみ な らず 、 国内外 の研 究者 ・研 究機 関 ・作家 な ど との積 極 的な共 同活 動 を通 して、本 学 の国 際 化 に多 大な 貢献 を され ま した。
ルー プ レヒター教 授 は、1992年 に東京 都 立大 学助 教授 と して着 任 され ま した。 その後 2005年 に教授 に昇任 され、表 象文 化論 所属 とな りま した が、2013年 以降 ドイ ツ語 圏文化 論 に所 属 とな りま した。着 任以 来 この 間、本 学部 では 唯一 の ドイ ツ語 母語話 者 の教員 と し て 、 ドイツ語 お よび ドイ ツ語圏 文化 に 関す る学部 生 ・大学院 生 の教育 ・研 究指 導 に尽 力 さ れ 、 日本 国 内有数 の ドイ ツ語圏 文化研 究 教育機 関 としての本 学 の充実 に大 き な役 割 を果 た され ま した。 それ に加 え 、本学 の 国際化 の柱 の一 っ となっ てい る ウィー ン大学 との 交換留 学 協定 に関 して も、 その締 結以 来今 日に至 るまで 、先 方 との協議 お よび交 渉、 派遣 学生 の 選 考審査 に 主導 的に 関わ って こ られ ま した。 同協 定は本 学 の国際 交換 協定 に先鞭 をつけ た
もので あ り、そ の意義 と貢 献 は特筆 すべ き ものです 。
ル ー プ レ ヒター 教授 は 、近現 代オ ー ス トリア文 学 に軸 足 を置 きつつ 、学 際的領 域 へ も積 極 的 に関わ り、 とりわけ 日本 とヨー ロッパの 文化 交流 に関す る研 究 を重ね られ ま した。 こ の ことは、 豊富 な研 究業績 に表 れて お り、 日懊 文化 関係 に 関す る第一 級の研 究者 と して 国 内外 の 多 くの研究 者 との共 同研 究 な どを通 し、学 問的 要請 を数多 く受 けて お られ ます 。 ま た ・そ の研 究成果 を教 育 に も翫 され轡 多 くの 大学 院生 ●学部 生 の指導 に 当た って こ ら れ ま した。特 に ドイ ツ語 圏の 大学 の もの と比 肩す る文 化史 の講 義 を長 年 にわ たっ て行 われ、
これ は本 学 学生 に ヨー ロ ッパ の大学 にお け る教 育 を体験 させ るとい う面か らも、意義 深 い 取 り組 みで す。
学外 では 、 日本 独文 学会 お よびオ ー ス トリア文 学会 をは じめ とす る諸学会 で 中心 的な役 割 を果 た して こ られ ま した。特 に 、大学 院生 の研 究者 としての研 鐙 を積む 重要 な機会 と し て認 知 され てい る 日本 独 文学会 蓼科 ゼ ミナール には実行 委員 と して 関わ り、オ ース トリア 文 学研 究会 では ま さに中 心的 な存在 と して活躍 され て います 。ル ー プ レヒター 教授 の見識 に対す る信 頼の厚 さは、複 数 回に わた り日本独 文 学会 賞の選 考委 員 を務 め られ た こ とに端 的 に表 れて い る とい えます 。 また 、オー ス トリア の現役 の作 家 と も深 い親 交 を持 たれ 、 日̀
本 にオ ース トリアの ア クチ ュアル な文化 状況 を紹介 す る役 目も担 っ て こ られ ま した。
以上 の とお り、学 内外 に多大 な る貢献 を な さった ヴァル ター ・ルー プ レヒター教授 に 心 よ り敬 意 を表 し、本 号 を捧 げ ます。
首都大 学東 京 ドイ ツ文 学教 室一 同
ヴ ァル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 教 授 略 歴
カ ー リ ン ・ア ンナ ・ル ー プ レ ヒタ ー=プ レ ン 非 常 勤 講 師 略 歴
(1)
(9)
ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん へ の 感 謝 中 居 実(13)
ヴ ァル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の こ と 古 屋 裕 一(19)
【論 文 】
BernardRudofskysJapan
WalterRuprechter(23)
古 高 ドイ ツ語 「タ ツ ィ ア ー ン 」 研 究 の 新 展 開 一 「デ ィ ア テ ッ サ ロ ン 」 あ る い は 「ハ ル モ ニ ー 」 一
福 本 義 憲(33)
英 雄 た ち の 黄 昏
一 『ニ ー ベ ル ン ゲ ン の 歌 』 お よ び 『ニ ー ベ ル ン ゲ ン の 哀 歌 』 に 見 る 英 雄 性 へ の視 線 山 本 潤(49)
『女 と ギ タ ー の あ い だ の 時 刻 』 を 読 む 一 ク レ メ ン ス ・J・ ゼ ッツ 氏 朗 読 会 一
園 田 み ど り(67)
ClemensJ.SetzundseineGrenzenderSprache
Ayanblnukai(101)
2016年 度 ドイ ツ 文 学 教 室 彙 報
1
ヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 教 授 略 歴 O血cul㎜ 〜旺捻evonhofI虹.WalterRuprechter
1952年3月7日 生 まれ
学 歴:
1983年4Aウ ィー ン大 学博 士 課程 修 了 、博 士 号(Dr.Phil.)取 得
職 歴:
1983年10月 メ ドゥー サ 出版 社(ベ ル リン/ウ ィー ン)原 稿 審査 係(1985年3,月 ま で)
1986年4月 日本 大 学 文 学部 ドイ ツ文 学 科 講 師(1988年3月 まで)
1989年10月 ウ ィー ン大 学委 嘱 講i師お よび オ ー ス トリア 文科 省 教 育代 議 員(1992 年9月 ま で)
1992年10月 東京 都 立 大 学人 文 学 部助 教 授 2005年4E首 都 大 学 東 京都 市 教 養学 部 教 授
ヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 教 授 研 究 業 績(1992年 以 降) WissenschaftlicheTatigkeitenvonProf.Dr.WalterRuprechterseit1992
A)出 版物P田L㎜0蝿N
.単著Monogrm)hi㎝:
1.PASSAGEN.StUdienzumKUIturaustauschzwischenJapanunddernWesten.Miinchen:
Iudicium2015
圭 壬 編Edition㎝:
1.E血edeJe㎞ekPoeUkulldRezqption.StUdienre丑lederjapanischenGesellschaftfUr Gerrnanisdi(034,2005
2.GeistigerKlimawechsel?Zud㎝kulturpolitischenDebat㎞der90erJahIeilDeutschland.
(BothoSt【auf3,MartinWalser,PeterSloterdijk).Studi㎝relhederjapanisch㎝Gese皿schaftfii「
GerrnanistikOO3,2001
愚 術 論 文Abhandlunen:
1.,,alleskanndiesundjenesheissen.̀̀KontingenzalsDarstellungSprinzipbeiKo1iradB興yer.Ih:
KonladBayer:Texte,Bilder,SoundS.Hg.v.‑ausKastbergeru.ThomasMer.Wien2015,S.
217‑228.
2.AufderSchwene.Wrrklichkeitals"AUfgabeundE血dung̀̀beiRobertMusilundKonrad BayerIh:ShutoDaigakuTbkyo,Jinbun(}akuho.Nr.510,2015,S.1‑13.
3.LustanOrientierung.BemardRudofskyundRolandBarthesaufO1tssuche血T()kyo.h:
lnterkUltUrelleSchaupltitZeinderGroBstadt.Hg.v.Kiku1〈oKaShiwagi‑WetZelu.MichaelWetzel.
Pade貴)om2015,S.93‑106.
4.,pieweiBeSprachedesAustauschs̀̀.ZuMichelSenres'lnterpretationvonKatsura]Rikyu.In:
KUIturkontakte.SzerienundMOdelleindeutSch‑japε ㎡schenKonte)den.Hg.v.YUichiKimurau.
ThornasPekar.Bielefeld2015,S.49‑60.
5.FalschesLaChen?WitzmdKomikbeiPa皿W血.hl:PaUlWiihr‑S鰍 麓giend{■Wiss{騨esie.
Hg.v.SabineKyorau.WolfgangLUlcas。M㎞chen2014,S.197‑205.
6.Zur,JapanischenVisuellenPoesiè̀.Ih:etcetera.Literatur:undsoweiter.St.P61ten,Okmber2014, S.8‑9.
ヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 教 授 略 歴3
7.「 私 は 決 し て 比 較 し た く な い 」 ヘ ル ダ ー と 文 化 比 較(,Jchmaggarnichtvetgleicheǹ̀‑
HerderundderKUlturvergleich.)h:HerderStUdien.Bd.19,2014,S.17‑38.
8.。M吻 彪.EineanderesemiotischePraXis?h:TheGeibun‑Kenkyu.Dez.2013,S.197‑218.
9.SimUltaneiditinderArChitekm?UberdasHausOkadadesjapanischenArchitektenSutemi Horiguchi,h:Simultanei懐t‑UbersetZen.Hg.v.KeikoHamazakiu.ChristineIvanoVic.
Tiibingen2013,S.59‑72。
10.ThomasK㎞gunddieWienerAvantgarde.In:ThomasKlingimKontextderKultur‑und
も
Literaturgeschichte.Hg.v.Y嗅liNawata.StudienreihederjapanischenGesellschaftfUr GermanisukO94.Tokyo2013,S.71‑81.
11.Kommentarzu。666",Topegraphien:Mons.ln:BodoHell:()mnibus.Graz2013,S.197‑202.
12.ア ド ル フ ・ ロ ー ス と ウ ィ ー ン 文 化.『 虚 空 へ 向 け て 』.ア ド ル フ ・ ロ ー ス 著 作 集1.東 京2012、P272‑285.
13.DermimetischeWelterzeuger.KommentarzueinerLesungvonBodoHell.h:ShutODaigaku Tokyo,JhibunGa㎞ho.Nr.465,2012,S.11‑17.
14.(hiechischesJapan:HeimatsuchederJapan‑ExilaritenBrunoTautundKurtSinger.Ih:Flucht undRettqng.EXiljmjapanischenHenschaftsbereich(1933‑1945).Hg.v.ThomasPekar.Berlm 2011,S.218‑228.
15.SutemiHoriguchisSynthesenvonwesdHcherModerneundjapanischerTtadition.ln:ShutO DaigakuTokyo,JinbunGakuho.Nr.450,2011,S.2142.
16.AbendlandischeundWienerKultur‑AdoifLoosalsKulturkriuker.Ih:ShutoDaigakuTbkyo, JinbunGakttho,Nr.435,2010,S.67‑80.
17.Transf()rrnationeneinesTopos:Das,japanischeHaus̀̀beiBrunoTauちWalterGropius,Bemard RudofskyundJosefFrank.h:UbersetZung‑Transforrnation.Hg.v.HiroshiYarrtamotou.
ChristineIvamoVic.WUrzburg2010,S.162‑172.
18.BauenReisenZeigen‑BernardRudof』k(yalsKulttmanalytiker.ln:ShutoDaigakuTokyo,J㎞bun Ga㎞ho.Nr.419,2009,S.1‑31.
19.MUltilcultUralismusversusKosmopolitismus.ZueineraktuellenDebattemiteinemSeitenblick aUfHerder.ln:Herder‑StU(lien.Bd.14,2008,S.45‑56.
20.lnthespiritofKitKat.ZurPoesievonKatsueKitasono.In:JapanischeVisuellePoesieIl.Hg.v.
JosefLinsc■mger.(RitterVerlag)KlagerifUrt2008,S.88‑91.
21.UberjapanischeundwesthchevisuellePoesie.ll:JapanischeVisueilePoesiell.Hg.v.Josef Lins¢hnger.(RitterVerlag)KlagenfUrt200&S.130‑133.
22.StreiflichteraUfFmmbel:h:ShutODaigalaiTokyo,Jinbun(舳o.Nr.390,2007,S.107‑115.
23.KUIturskandalundSkandalkul加rin6sterTeich.11:TheGeib㎜ 一Kenkyu.Nα91‑2,2006,S, 38‑54.
24.West‑6sUicheTatami‑Figurationen.ZudenKatsura‑hte】rpretationenvonBrunoTautundWalter Gropius.h1:Figuration‑Defiguration.Hg.v.AtsukoOnukiu.ThomasPekar.MUnchen2006,S.
327‑338.
25.DasRitualalsLitelatur.ZurSchreib‑undWiahmehmungsweiseJosefWhlklels.Ih:Shuto Daigakuτbkyo,JinbunGakuho.Nr.365,2005,S.91‑102;Wiederabgedrucktin:Ko1∬(.
Zeitschriftfi辻Literatur.He丘29,Wien2005,S.21‑30.
26.Versucheiner]rypologievonJapanbildern.h:,βevorzugtbeObachtef̀.ZumJapanbildinder deutSchenLiteratur,Hg.v.Ml血Kubaczeku.MasahikoTsuchiya.σudicitm)Mi血chen2004,S.
246‑278.\
27.PolyhistOrundPrimzahlmensch.ZumHerde祀ssayvonAmoSd面(lt.ln:Herder‑S舳 ㎝.
B己10,Herder‑GesellschaftJapan,2004,S.57‑69.
28.DieWeenerMOdemeinkulturwissenschaftlicherSicht.ln:Waseda‑B1伽.11,2004,S.121‑132.
29.MateriahenzumProjekt,」(ak2面 ㎝imRosennetど̀.In:ToritsuDaigaku,JinbunGakuho.Nr344, 2004,S.127‑146。
30.Feindbilder,Freundbild(rr,Selbstbilder.ZuJapanbUchem.In:MerkU.Nr661,He丘4,2004,S.
454458.
31.ThesenzurGegenwhrtigkeitvonHamalmsAsthedi(.In:Actades8.lItcmationalen
H㎜ 一KoileqUiumsanderMartin‑Luther‑UniversitatHalle‑WttU∋nberg2002.Hg.v.Bernhard G句 幽eku。M血dBeetz,M臼nchen2004,S.233‑244.
32.ZumSprachWitzbeiWolfHaas.h:Kolik.Zek鰺chriftflirLiteratur.Nr22,Mai2003,S.53‑67.
33.GethardRoths,Jeldt̀̀‑ForschungeninJapan.In:GR:α ㎞s‑lmSchattenreichderZeichen.
Hg.v.DanielaBartensu.G曲ardMelzer.Wien2003,S.111‑115.
34.BurgersGIUck.Zur,Rudo】 膿Bulger‑Debattè̀UberdasVergessenauskulturhistorischerSicht.]㎞:
Oosu綻)riaBunga㎞.Nr.19,2003,S.1‑11.
35.Pr()jekt:KakanienimRosennetZ.EhlHyper重extmodellzumKonstrUierenvonWienum1900.In:
ToritSuDaigaku,JiibunGakuho.Nr343,2003,S.113‑131.
36.SensualismusundSkepsiS.ZumEin且ussHerdersaUfHotinannsthalundseineZeit.ln:Ak㎝des XIn雄mationalenGe㎜anistenkongressesWien2000。Hg.v.PeterWiesinger.Bd.6,B㎝2002,
S.375‑382.
37."V()mSichtbar‑undH6fbalsch6nenausgeschloB㎝".JohannGeorgHamannsKampfgegeneine
AsthetikdesSch6nen.ZurVorgeschichtederm(対 ㎝ ㎝'AstheUkdesHaSlichen.h:
ヴ ァ ル ター ・ル ー プ レ ヒタ ー 教 授 略 歴5
Herder‑Studi㎝.B(L8,Herder‑GesellschaftJapan,2002,S.1‑27.
38.。 而 ㎝:heldenplatZ"。PolitischeDichtungausdemSprachlabor.In:h聯 ㈹伽on㎝.Gedichtevon EmstJandl.(Rleclam)SUIttgart2002,S.3446.
39.DerH㎜ 一DichterPaUlWiihr.h:DiepoetischeRepublkAnniiherungenanPaUlWithrs ,,Salverespublicapoeticà̀.Hg.v.SabineKyora,Bielefeld2002,S.159‑175(WiedeIabdmck).
40.SensualistischePoet皿(undSprach㎞tn(beiHerderundHo丘nannsthal.h1:Herder‑Studien.Bd.7, HerderGesellschaftJapar』2001,S」‑25.
41.ThomasBemhardunddieNachkriegsliteraturhlOsterreich.h:SekaiBungaku.76,12,31, S.186.
42.G(油cht‑undWelterzeugurgbeiPaUlWiihr.Ih:Paul‑W廿hr‑Jahfbuch1998.Aachen1999,S.
135‑153.
43.ZuFelixPhilippIhgolds,fr()jekteinerUniversaIpOetik̀̀.In:ToritsuDaigakai,JinbunGakuho.Nr 303,1999,S.189‑206.
44.DerH㎜ 一DichterPaUlWiihr.ln:Herder‑StUdien.Bd5,He1derGese皿schaftJapan,1999,S.
161‑178.
45.ZurPoet簸(vonRe血hardtPriess㎡tz.Ih:]R)ritsuDaigakし 』JinbunGa㎞ho.Nエ284,1997,S.
221‑251.,
46.6fthungeinwiirts,ZurLiteraturvonHelmutEisen(皿e.h1:踊 ㎞Dai幽JihbunGakuho.Nr 274,1996,S.211‑241.
47。BlickundWelt.ZurErkennmisproblernati1(beiRilke.Ih:T()ristUDaigakai,Jiibun(}akuho.Nr 264,1995,S.292‑314。
48.Geschichtser飴hrungundExpe血1entZuTextenvonEmstJandlundHeimradBacker.h1:
TbdtsuDaigak隣Jlhbun(}a㎞ho.Nr254,1994,S.1‑37.
ヴ ァ ル タ ー ・キ リ ー 文 学 事 項 目 執 担 当LexikonartikelahterK皿LiteraturleXil(o BertelSmannVerlag):
AchleitnerFriedrich,AdlerPaU1,AdrianMarc,AngelEmsちArtmannH.C.,BaudischPaul,Bayer Konrad,BuschbeckErhar(乳CzemilFranzJosef,EhrensteinA[berらGroBO山),GUterslohAlbert Paris,HatvaniPaUl,血 一RaoUl,KUlkaGeorg,Ma血erFritZ,NowakHeimichMoreno
JakobLeVi,臨s㎡ 包Re圃R㎞ 圃SchmatzFerdinandSchUrrerHemiann,
SonnenscheinHugo,SoykaOttO,VrscherMelchior,WeibelPeter,WienerOsWaldWittelsFrit乙
ドイ ツ 語 斗DeutSch‑LehrbUcher.
YbkoundFranz.Ikubundo,Tbkyo1996 AlbanB㎎:WozzekDogakuStaTokyo1998
B)文 部 科 学省 科 学 研究 費研 究課 題KAKEN‑PROJEKrlE
2001‑03オ ー ス ト リア 戦 後 文 学 の 現 況 一1989年 以 降 を 中 心 に 一(研 究 分 担) 2002‑03〈 文 化 史 〉 叙 述 モ デ ル の 研 究 ←20世 紀 を 例 と し て 一
KUIturgeschichtlichesDarstellungSmOdellamBei町)ielvonWienum1900
2006‑071900年 世 紀 転 換 期 ウ ィー ン の ス キ ャ ン ダ ル ー 文 化 の 葛 藤 対 立 理 論 の 研 究 SkandaleinWienum1900‑ZurThθorievonKUItUrko㎡1㎞1
2009‑11文 化 学 的 転 回 の トポ ス と して の 『日本 の 劇 研 究 一 西 洋 と 日本 を 結 ぶ 建 築 家 の 言 説Das,japanischeHaus"alSTopOsimJapandiskursvonArChitek㎞unddessenRolleim
KUItUraustauschzWischeriderriWestenundJapan
2009‑11テ ク ス ト、 メ デ ィ ア 、 文 化 「に お け る/間 の 」 変 容 ・翻 訳 プ ロ セ ス ー ドイ ツ 語 圏 を例 に(研 究 分 担)
2013‑16ド イ ツ 語 圏 に お け る神 話 ・伝 説 素 材 の 作 品 化 に 見 られ る 集 合 的 記 憶 の 諸 相(研 究 分 担)
c)日 本 国 外 に お け る 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム 、 招 待 講 演 ㎜ERNAnoNALEsYMPosIEN, VORTRAGE:
(au正㎞halbJapans,TeilnahmemitRefcmat)
2000 2002 2011 2006 2011
2012 2012
rVG一 丁乞gupgWie鶏Oster【eich
Hamann‑Ko且(xqUium,Unive【sit捌 日烈1e,Deutschland Bod(》‑He11‑Symposi㎜ ㍉Li㎞turhausAl胎Schmiede,Wien,Osterreich Figuration∠Defiguration,FreieUniveIsit註tBer1虹Deutschland
SutemiHodguchi.EinArChitektals「 》e㎜itderzwisch㎝OstundWest.Technische Uhive【sit乞tWeeqOsterreich
hIter㎞1turelleSchaupl註tzeillderGroBstadちUhive【sitatBo皿Deu重schland Paul‑W伽 ・S)叩)sium,LiteraturarchivMarbachDeutSchland
ヴ ァル ター ・ル ー プ レ ヒタ ー 教 授 略 歴 7
D)東 京 都 立 大 学 、 首 都 大 学 東 京 に お け る ドイ ツ 語 圏 作 家 招 待 ・朗 読 会 企 画 AorORENLESUNGENANDERTMuaimadung):
1995JosefHaslhlger 1996Ge£hardRoth 1997Pe臓Rosei
l998FeHxP】 臆PPhgold 2004JosefVVh盟er
2006Fmmbel 2007Katl‑MarkusGauB 2012DoronRabinoVic 2013AnnaK㎞
2014sabine(㎞
2016Cl㎝ ㎝s工Se枕
E)学 会 活 動 な どORGANISArlON:
a)日 本 独 文 学 会 シ ン ポ ジ ウ ムJGG‑Symposien:
‑GeistigerIllimnawechsel?ZuderikulturpolitischenDebattender90erJalrreinDeutSchland.
(BothoStrauB,MartinWalser,PeterSloterdijk.(ToritsuDaigakuTokyo,JUni2000)
‑ElfriedeJelinekPoetikundRezqption .(WasedaDaigaku,][bkyo,Jtmi2005)
b)オ ー ス ト リ ア 現 代 文 学 ゼ ミ ナ ー ル へ の 作 家 招 聰 企 画(箱 根 ・伊 豆 ・野 沢 温 泉) Autr)ren‑SeminarzurOsterreichischenGegeriwartsliteratur
(Hakone/1zu/NozawaOnsen):
実 行 委 員 長Ctrganisationsleitmg:
1996GerhardRothσzLi) 2006Fmmbe1(NozawaOnsen)
実 行 委 員Organisationsbetemhgしmg:
1994RUdigerWischenbart(Hakone) 1995JosefHashnger(Hakone)
1997PeterRosei(㎞) 1999MarleneS幟uwitz(Hakone) 2002WolfHaas(NozawaOnsen) 2005Ka㎞R6991a(Nozawaonsen)
c)日 本 独 文 学 会 蓼 科 文 化 ゼ ミ ナ ー ル 実 行 委 員KUItur‑SeminarTateshina(Komitee‑Mitglied) 2006Th㎝a:A㎡dn'ge‑Enden(kof.PeterMatussek)
2007Thema:Gast(Prof.MchaelWeze1)
d)大 学 間 共 同 研 究 グル ー プ 参 画lhteruniversitiireArbeitsgrtlppe(2004‑2017)
シ ン ポ ジ ウ ム(幹 事 お よ び 研 究 発 表)Symposien(()rganisationundTeilnahmemitReferat):
2004Figuration‑Defiguration(学 習 院 大 学GakushuinDaigaku) 2009Transforrnation‑ll])ersetzen(早 稲 田 大 学WasedaDaigaku)
2010EXilinOstasien(ゲ ー テ ・イ ン ス テ ィ ト ゥ ー ト、 学 習 院 大 学Goethe‑lnstitutTokyo, (}akuShuinDaigaku)
2010SirnUltaneitat.Ubersetzen(立 教 大 学Rikkyo‑Daiga㎞) 2012KUIturkontakte(学 習 院 大 学(}akushUinDaigaku).
2016Raumfigurationen(学 習 院 大 学GakushuinDaiga㎞)
e)ヘ ル ダ ー 研 究 会HerderArbeitskreis(慶 磨 大 学Keio‑Universidig1997‑2007)
F)所 属 学 会MITGLIEDSCHAFr:
日刺 蚊"11・AJapanischeGesellschaftfiirGermanistik
日本 オ ー ス ト リア 文 学 会JapanischeGesellschaftfiirOsterreichischeLiteratur 日本 ヘ ル ダ ー 学 会Herder‑GesellschaftJapan
9
カ ー リ ン ・ア ン ナ ・ル ー プ レ ヒ タ ー=プ レ ン 非 常 勤 講 師 略 歴 CuniculumVitaeundWissenschaftlicheTtitigkeitenvon
KarinAnnaRuprechter‑Prenn
1967‑1974年 オ ー ス ト リア 、 フ ェ ル トキ ル ヒ の ギ ム ナ ジ ウ ム に 通 う GymnasiuminFeldkirch,Osterreich
l975‑1982年 ウ ィ ー ン 大 学 に て 、 ドイ ツ 語 ドイ ツ 文 学 、 フ ラ ン ス 語 フ ラ ン ス 文 学 を 専 攻 StUdiumderGermanistikundRomanistikanderUniversithtWien
1976/77年 フ ラ ン ス 、 オ ル レ ア ン へ 交 換 留 学 StUdenten‑AustauschjahrinOtl6ans,Ftankreich 1988‑89年 ア イ ル ラ ン ド、 ダ ブ リ ン シ テ ィ 大 学 講i師
LektorinanderDUblinCityUhive肛sit)〜 丘1and 1992年
1995年
オ ー ス トリ ア 、 ウ ィ ー ン に て 語 学 学 茂,C㎝humDe鵬ch"を 設 立 GriindungdesSprachinstitUtS,,Cent㎜Deutschl̀inWien
日本 へ 移 住 t㎞iedlungnachJapan
日本 で の 職 歴BerufiicheTatiakeiteninJapan:
19962017年 棘 都立大勃 瞠 勤講 而(後 に首都大学鯨 非常勤1細 早稲 田大学非常勤講師(理 工学部、文学部)
明治大学兼任講師(文 学部)
東京大学非常勤講師(文 学部、1999年 まで) 一橋大学非 常勤講師(大 学教育研究開発セ ンター)
1995‑2016年 外 務 省 研 彦所 ドイ ツ 語 講 師
Arbeitam(㎞ushoqlsKuIsleitednf繭rangeh㎝deDiplomaten
1998/99年N田(ド イ ツ 語 講 座 中 級 「な る ほ ど」 脚 本 ・ナ レー シ ョ ン 担 当 (保 阪 靖 人 、 ヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー と共 作)
NHK‑SprachkUsfi辻die]Mittelstufb,Naruhodò̀:S(Zi.pt‑Schreiberin/Sprecherin gerneinsammitYasuhitOHosakaundWalterRuprechter
1998‑2017年 ドイ ツ 語 技 能 検 定 試 験(独 検)二 次 口述 試 験 面 接 委 員 DiplomDeutschinJapan(Dokk㎝)‑PrUfe血fUrdiemiindlichePriifung
オ ー ス ト リア 現 代 文 学 ゼ ミナ ー ル へ の イ稼 招 聰(箱 根 ・伊 豆 ・野 沢 温 泉)、 国 内 朗 読 会 世 話 人()rganisatOimdesAutOren‑Serninarzur6sterreichischenGegenwartsliteratur(Hakone伽Nozawa
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Onsen)undLeseneisen
a)実 行 委 員 長 兼 コ ー デ ィ ネ ー タ ・一一1.eitngundKoordination l999Hakone:MarleneStreeruWitZ(WienBerlm)
2002NozawaOnsenMura:WblfHaas(Wien) 2005Nozawa:KathrinR6ggla(Ber1血)
b)実 行 委 員MtOrganisation I9961zu:GerhardRoth(Wien/Steie㎜ark) 2000Nozawa:RobertSchilldel(Wien) 2004Nozawa:JosefWmlder(Klagen血rt) 2006Nozawa:Fmmbe1(wrieri) 2007Nozawa:Katl‑MarkUsGauf3(Sa1乞b㎎)
大 学 間 共 同 研 究 グ ル ー プ 参 画TeilnahmeaninteruniversitiireriArbeitSgrUppen:
199611teruni‑SeminarKashi:PrdSentationvonUntenichtSkonzq)tn 2000‑2010Litera㎞beitSkreisPhiliaflirfimiz6sischeLiteraturarriMFJ
(M[aisonFranco‑Japonaise) 2012KUltUrkontakte(GakuShUinDaigakU)
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学 会 活emMitglie(均chaft㎝:
日本 独 文 学 会(2011年 ま で)JGG(bis2011) ア ン ス テ ィ チ ュ ・フ ラ ン セ 目本ltistitUtFrangais
懊 日 擁 ミArbeitenfiirdie6sterreichisch‑JapanischenGesellschaft:
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カ ー リ ン ・ア ンナ ・ル ー プ レ ヒ ター=プ レ ン 非 常 勤 講 師 略 歴11
StefanRuzoWit2kyu.v.a.)
.執筆 活 動WissenschuftlicheundioumalistischeTatiUkeiten:
A)論 文ABHANDLUNGEN
1.Maske,Spiel,T【yptichon‑ZurdistributivenEmheitvonPeterRoseisRoman,?ersona".In:
BASICROSEI.Hg.v.W.Vogl,Wien:Sonder捌2000,S.205‑219.
2.PunkteundSchniUe.ZuMarleneStreeruWitZ'Schreibver飴 ㎞en.In:ToritSuDaigaku,Jihbun Ga㎞ho,Nr.312,2000,S.295‑318.
3.DerKrimialsAlibi.OberdenSchriftstellerWolfHaas.h1:T()dtsuDaigakL」JinbunGakuho, Nr.343,2003,S.49‑63.
4.ArnalgamundAufl6sung.ZumTokyo‑Dis㎞.h:ToritSuDaigalcu,JinbunGakuho,Nr.346, 2004,S.111‑126.
5.DasVerschwindenderStadt?AnmerkungerizuTokyo‑Diskusen.h:BevorzugtbeObachtet.
Japanbilder.Hg.v.M.KubaczeklM.TsuchiyegMiinchen:Iudicium2005,S.232‑249.
6.ZumSchreibSystemvonKatl‑MarkusGauB.ShutODaigaku,JinbunGakuho,Nr.405,2008, S.83‑92.
B)文 学 シ ン ポ ジ ウム での 同 上 テー マ で の 口頭 発表 VORTRAGEzud㎝selb㎝ 抽 ㎝ ㎝beiLi㎞ 鵬 卿osi㎝
C)イ ン タ ビ ュ ー一・INTERVIIiWS:
MitdemjUdischenSchriftstellerRobertSchndelzumThema,,GediiChmisundErinnenung̀̀.ln:
Mizuho,3.Miirz2001,S.13‑27.
WerkStattgeSp拍chmitJosefWnkler.ln:Deli,Nr.4,2005,S.113‑125.
D)書 評REZENSION
MersprichtderMchterin.Wer?Wb?ZurKonstitUtiondes(lichtendenSubjektsinderneueren 6sterreichischenLiteratUr.]Hg.v.EA遜)etSberger.lnmSbruckバVi㎝:Studienverlag,1998,in ,poitsuBungakù̀(1999)
E)時 事評 論TEXIEZUZEITGEISTFRAGEN
オー ス トリア服 飾 デ ザ イ ナー 、 エ ドウィ ナ ・ホ ール の コ レ クシ ョン ・カ タ ログ に掲 載
㎞denKatalogenzud㎝KollekUon㎝der6steαeichisch㎝Designe血EdWinaH6rl(R)kyo):
VonTierenundMenschen AufderFlucht DasSy・t・mF・mi!l・
Niernalsau亀eben(FUkush㎞a) U【banGaぬening Krise Ringe】bpiel F亘ohmadkt Ybga Sex
13
ル ー プ レ ヒ タ ー さん へ の 感 謝
中居 実
ヴ ァル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 が 、 こ の 三 月 に 退 職 な さ り、 奥 様 と も ど も 、 ウ ィ ー ン に お 帰 り に な る と い う。 私 は 、 初 め て そ の こ と を 耳 に した と き 、 俄 か に は と て も信 じ ら れ な い 、 とい う思 い に 襲 わ れ た 。
しか し 考 え て み れ ば 、 定 年 と い う も の が あ る 以 上 、 み な 、 い つ か は 職 場 を 後 に しな け れ ば な ら な い の は 当 然 の こ と で 、 そ こ に 何 の 不 条 理 な 事 態 も無 い の だ け れ ど 、 私 に は 、 こ と は そ う単 純 で は な か っ た 。 何 し ろ 、 い つ も 近 く に 居 た 大 事 な 人 間 が 、 突 然 ウ ィ ー ン へ 去 っ て し ま う、 と い う の だ か ら。
ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 が 、一 い や 、こ こ は い つ も の よ うに ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん 、 と 呼 ば せ て い た だ こ う一 、 本 学(当 時 は 東 京 都 立 大 学)に 赴 任 され た の は 、 平 成4年(1992年)10A1日 の こ と だ っ た 。以 来 、足 掛 け25年 間 、同 僚 と して 、 ま た 、 程 な く友 人 と し て も 、 親 し くお 付 き 合 い し て い た だ い て き た 。 こ の 、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん 招 聴 と い う 、 わ が独 文研 究 室 に とって の 大 き な 出来 事 は、 当 時 、 私 も こ の 招 聰 人 事 に 関 わ っ た こ と も あ っ て 、 細 部 ま で 昨 日の こ と の よ うに 覚 え て い る 。
懐 か し い の で 少 し 書 か せ て い た だ く 。 都 立 大 学(当 時)が 目 黒 か ら南 大 沢 に 移 転 す る に 際 し、 か ね て よ り の 懸 案 だ っ た 外 国 人 専 任 教 員 の 招 聰 を 、 独 文 で も こ の 際 思 い 切 っ て 実 現 す る こ と に 決 め 、 で は 誰 を 、 と い う段 に な っ て 、 そ の 見 識 と人 柄 の ゆ え に 白 羽 の 矢 が 立 っ た の が ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん だ っ た 。 そ の 頃 、 折 よ く ウ ィ ー ン に 出 張 中 の 独 文 教 員 も2名 ほ ど い た こ と も あ り、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん と現 地 で 直 接 交 渉 で き る 利 点 も 考 え る と、 この 招 聰 人事 、 さだ め し順 調 に い く運 び と 思 わ れ た が 、 な に せ 初 め て の 外 国 人 採 用 人 事 と い う こ と で 、 そ の 処 遇 に っ い て は 煩 蹟 な も の が あ り、 ご本 人 ・独 文 研 究 室 ・人 文 事 務 室 と の 間 に 意 思 の 疎 通 に 欠 け る と こ ろ が 多 々 生 じ て し ま っ た 。 そ れ に と ど ま ら ず 、 一 時 は こ の 人 事 そ の も の が 危 ぶ ま れ る ま で に 至 っ た の で 、 当 時 、 人 文 学 部 長 で い ら し た 大 久 保 健 治 先 生 の 鶴 の 一 声 で 、 私 が 急 遽 、 ウ ィ ー ン の ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん と
連 絡 を 取 り合 い 、 独 文 と 事 務 室 の 意 向 を 踏 ま え て 、 招 聰 条 件 の 詰 め に 当 た る こ と に な っ た 。 当 時 は ま だ 電 子 メ ー ル も 一 般 的 で な く、 す べ て 電 話 で 、 メ モ を 片 手 に 、 逐 一 確 認 し合 っ た も の で す 。
そ れ か ら程 な く 、 「こ れ な ら 安 心 して 赴 任 で き ま す 。い ろ い ろ ど う も あ りが と う。」 とル ー プ レ ヒ タ ー さ ん か ら言 わ れ た と き は 、芯 か らホ ッ と し た こ と を 覚 え て い る 。 給 与 ・休 暇 日数 ・住 居 ・年 金 な ど 、 多 岐 に わ た る 処 遇 の 説 明 を 、 私 の 下 手 な ドイ ツ 語 で 、(そ れ も 電 話 で!)、 誤 解 な き よ う説 明 す る の は た い へ ん だ っ た 。 が 、 と り も な お さず 、 そ れ あ れ ば こ そ 、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん と の 間 に 、 お 互 い へ の 信 頼 が 生 ま れ た よ う に も 思 う。実 際 、そ れ ま で の ひ ど く 緊 迫 した(?) や り取 りの お か げ で 、来 日 し た ご 夫 妻 を成 田 に 出 迎 え た 折 に は 、な ん と は な し 、
こ れ が 初 対 面 だ と は 思 え な か っ た 、 と い う記 憶 が あ る 。
今 に して 思 い 当 た る こ と も あ る。 そ れ は 、 い く ら初 め て の 外 国 人 招 聰 人 事 だ っ た か ら と い っ て 、 極 論 す れ ば 、 日本 側 の 採 用 条 件 の 細 部 ま で 詰 め もせ ず(少 な く と も 明 示 的 に 文 章 化 せ ず)、 各 種 情 報 を 積 極 的 に 相 手 に 通 知 もせ ず 、 た だ た だ(当 時 の)口 本 の 採 用 基 準 を 機 械 的 に 相 手 方 に 当 て は め て(欧 米 で は 発 行 し な い 証 明 書 で も 要 求 した り)、 そ れ に 従 っ て 応 募 す る こ と を 譲 ら な い(よ う に 見
え た)、 と い う の で は 、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん が 処 遇 に 不 安 を 覚 え 、 断 念 す る こ と ま で 考 え た の も 当 然 だ っ た 、 と い う こ と で あ る 。 が 、 い ま と な っ て は 、Ende gut,allesgut.(終 わ り 良 け れ ば 、 す べ て 良 し。)ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん 、 本 当 に よ く ぞ 来 て く だ さ っ た!あ ら た め て 、 あ り が と う。
ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん は 、 も の 静 か で 控 え め な 行 ま い の 裡 に 、 深 い 学 識 を 湛 え た 方 で あ る 。 関 心 領 域 は 広 く 、 文 学 ・思 想 ・建 築 ・視 覚 芸 術 一 般 に ま で 及 ぶ 。 ご 自分 か ら は そ の 学 識 を 顕 示 し た り は 決 し て な さ ら な い が 、 機 会 が あ れ ば 、 惜 し み な く 知 見 を 披 露 す る に や ぶ さ か で な い 、 と い っ た 風 情 の 人 だ 。 勢 い 、 周 囲 か ら は 厚 い 信 頼 を 寄 せ られ ず に は い な い 。 の み な ら ず 、 そ の よ うな 友 誼 ・交 流 か ら 自 ず と 生 ま れ た 繋 が りや 縁 を 、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん の ほ うで も ま た 、 とて も 大 事 に し培 っ て き た よ う に 見 え る。氏 が 、優 れ た 研 究 者 で あ る に と ど ま らず 、 ま た か っ て 、 あ る 出 版 社 に お い て 有 能 な 編 集 者 で も あ っ た 、 と い う こ と に も 得 心 が 行 く。 そ して こ の 、 い わ ば 文 学 的 ・芸 術 的 ネ ッ トワ ー ク と も 言 うべ き 、 文 人 ・墨 客 と の 淡 交 の 輪 が 、 独 文 学 会 や オ ー ス ト リ ア 文 学 会 、 さ ら に は い くつ か の 大 学 に お け る 種 々 の 文 化 的 催 し な ど の 折 に 、 組 織 者 ・媒 介 者 と し て の ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん に 、 極 め て 生 産 的 に 働 い て き た と 思 う。 本 学 赴 任 以 来 、 今 日 に 至
ル ー プ レ ヒタ ー さん へ の感 謝15
る ま で 、 幾 多 の 、 ドイ ツ ・オ ー ス ト リア 、 さ ら に は 中 部 ヨ ー ロ ッパ の 秀 れ た 詩 人 ・作 家 た ち を 日本 へ と 呼 び 寄 せ 、 常 に 興 味 深 い 集 い を 実 現 させ て き た 、 と い う よ うな こ と は 、 お そ ら くル ー プ レ ヒ タ ー さ ん 以 外 の だ れ に も 、 到 底 な し得 る こ と で は な か っ た と思 う。
ま た ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん は 、 私 た ち 研 究 室 の 同 僚 た ち が 日 常 折 々 に 発 す る 様 々 な 質 問 に 対 して 、 そ れ が 何 で あ れ 、 い つ も 誠 実 に 、 そ の 都 度 、 問 わ れ た 以 上 の 収 穫 を 盛 っ た 解 答 を 返 し て くれ る 人 だ っ た 。 そ の よ うで あ り な が ら、 決 し て そ の こ と を 人 に 誇 ら な い 人 。 そ も そ も そ ん な 必 要 の な い 人 な の だ 。 だ か ら 、 彼 と 一 緒 に い る と 、私 は よ く 、 し み じみ 思 っ た も の だ:「 ヨ ー ロ ッパ の 本 当 の 知 識 人 、 本 当 の 知 性 とい うの は 、 こ うい う人 の こ と な ん だ な あ」 と。
こ の よ う に 、 学 問 上 、 学 術 上 、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん に 負 う こ と は あ ま りに も 多 い が 、 そ の 他 の 面 で も 、 彼 に 感 謝 し た い こ と は 山 ほ ど あ る 。 い ま 、 思 い つ く ま ま に ひ と っ 挙 げ る な ら 、 ま ず 浮 か ん で く る の が 、 ウ ィ ー ン 大 学 と本 学 が 交 わ し た 「交 換 留 学 協 定 」 に よ る 両 大 学 間 交 流 へ の 、 氏 の 惜 し み な い 援 助 で あ る。
か つ て 、 縁 あ っ て ウ ィ ー ン 大 学 の 日本 語 学 科 で 日本 語 を 二 年 間 教 え る こ と に な っ た 私 は 、 当 時 の 主 任 教 授 リ ン ハ ル ト先 生 の 応 援 を 得 て 、 ウ ィ ー ン 在 任 中 に こ の 留 学 協 定 の 合 意 に こ ぎ つ け る こ と が で き た(1997年)。 そ れ は そ れ と し て 非 常 に 良 か っ た の だ が 、 さて 問 題 は 、 こ の せ っ か く の 貴 重 な 制 度 を 、 本 学(と ウ ィ ー ン 大 学)に ど うや っ て 根 付 か せ 、実 り あ る も の に 育 て て ゆ く か 、に あ っ た 。 そ の 、 極 め て 大 事 な 制 度 発 足 時 期 に 、 ウ ィ ー ン か ら の 留 学 生 た ち の た め に 率 先 し て 時 間 を 割 き 、 相 談 に 乗 っ て や り 、 受 講 科 目な ど に つ い て 助 言 を 与 え 、 キ ャ ン パ ス に お い て 、 大 き く彼 ら を 包 ん で くれ る よ うに 接 し て くれ た の が 、 わ が ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん 、そ して 奥 様 の カ ー リー ン さん だ っ た の で あ る。 この こ とに つ い て は 、 お 二 人 に どれ ほ ど感 謝 し て も 感 謝 し き れ な い 、 と思 っ て い る。 む ろ ん 私 も 、 制 度 設 計 者 の ひ と り と し て 、 全 力 を 尽 く し た つ も りだ が 、 な に し ろ お 二 人 は と い え ば 、 と も に ウ ィ ー ン 大 学 の 卒 業 生 で あ り 、 毎 年 や っ て 来 る ウ ィ ー ン か ら の 留 学 生 た ち は 、 学 科 こ そ 違 え 、 み な す べ て 後 輩 な の だ 。 彼 ら留 学 生 か らす れ ば 、 ウ ィ ー ン 大 学 の 大 先 輩 に し て か つ 日本 の 文 化 ・事 情 に 通 じ た お 二 人 ほ ど 、 心 強 い 味 方 は い な か っ た は ず だ 。 そ れ だ け で は な い 。 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん の 貢 献 は 、 日本 側 の 留 学 生 た ち に も 及 ん だ 。 氏 は 制 度 発 足 以 来 、 本 学 の ウ ィ ー ン 派 遣 学 生 選 考 試 験 の す べ て に 関 わ り、 入 念 で公 平 な、 模 範 的 な選 考 を確 立 した 。 ま た 、 留 学 を 希 望 す る 本 学 学 生 に 対 し て は 、 こ れ を 励 ま し 、 と き に 応 募 を 強 く勧 め 、 語 学 習 得 の 援 助 を 惜 し ま な か っ た 。 氏 は ま た 、 毎 年 ウ ィ ー ン に 帰
省 し た 折 に は 、ウ ィ ー ン に 留 学 中 の 本 学 学 生 た ち と の 面 談 の 時 間 を 努 め て 作 り 、 彼 ら を 元 気 づ け て く れ た 。 な か な か で き る こ とで は な い 。 こ の 交 換 留 学 が 、 今 に 至 る ま で 成 功 し、 成 果 を 挙 げ て 来 た に っ い て は 、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん た ち に そ の 功 の 半 ば 以 上 を 負 っ て い る 、 と 言 っ て も 過 言 で は な い で あ ろ う。 な お 、 こ れ は 余 談 に な る が 、 「交 換 留 学 協 定 」 立 ち 上 げ の 際 に 、 ウ ィ ー ン 大 学 当 局 と都 立 大 学(当 時)事 務 局 と を 相 手 に 文 案 作 成 交 渉 に 臨 ん で い た 時 、 な に が し か 、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん を 招 聰 した と き の 経 験 が ふ と 私 の 頭 を よ ぎ る こ と が あ り、 こ れ も ま た 不 思 議 な 巡 り合 わ せ だ な 、 と い う思 い が し た こ とだ っ た 。
ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん の こ と な ら 、 感 謝 を 込 め て 語 り た い こ と は ほ か に も沢 山 あ る け れ ど 、 お そ ら く 、 と め ど も な い こ と に な る の で 、 最 後 に も うひ とっ だ け 触 れ て 、 筆 を 置 き た い と思 う。
そ れ は 、 初 め は ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん 単 独 の 授 業 と して 始 ま り 、 数 年 後 に 私 も 加 わ る こ と に な っ た 、 非 常 に 魅 力 的 な 文 化 史 の 講 義 の こ と で あ る 。 最 初 は 、 確 か 、 ドイ ツ 文 学 史 と し て 開 講 され て い た 。 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん が ドイ ツ 語 で 講 義 し 、 時 代 ご と に 代 表 的 な 作 品 の 抜 粋 を テ キ ス トに 選 び 、 学 生 と一 緒 に そ れ ら を 読 み な が ら、 話 を進 め て ゆ く、 ま ず は オ ー ソ ドッ ク ス な 文 学 史 の 授 業 だ っ た と記 憶 す る 。 た だ 、 講 義 名 は 文 学 史 だ が 、 そ の 内 容 は 非 常 に 多 彩 な も の で 、 文 学 作 品 を メ イ ン と し な が ら も 、 絵 画 や 建 築 ・庭 園 な ど 、 文 化 史 的 な 要 素 に 富 ん だ 実 に 面 白 い も の だ とい う こ と は 、 ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん に よ る 授 業 案 内 を 読 ん で す で に わ か っ て い た 。 ま た 、 主 た る 舞 台 は 当 然 ドイ ツ 語 圏 だ が 、 テ ー マ に よ っ て は 、 話 は イ タ リ ア 、 フ ラ ン ス 、 イ ギ リス と 、 自 由 に 飛 ん で い た 。 い わ ば 、 ヨー ロ ッ パ 全 体 を 視 野 に 収 め た 文 化 史 、 と い っ た 趣 の 授 業 だ っ た か ら 、 私 も 、 氏 の 許 可 を 得 て 受 講 させ て も ら っ た 。と こ ろ が 驚 い た こ と に 、教 室 に は 僅 か2、
3人 し か い な い 。実 に も っ た い な い こ と で 、私 が し き り に残 念 が る と、や は り、
ドイ ツ 語 が 理 解 で き な い の で 学 生 に 敬 遠 さ れ る 、と い う こ と だ っ た 。そ れ な ら 、 授 業 の 概 略 や 要 点 を 、 私 が 時 折 補 助 的 に 説 明 す れ ば 、 内 容 自 体 は 折 り紙 付 き な の だ か ら 、 受 講 生 に も敷 居 が 低 く な っ て い い だ ろ う、 と い うこ と で 、 そ う し て み た と こ ろ 、 半 年 後 に は7,8人 に 増 え た 。 一 年 後 に は 二 け た に な り、 そ の 後 ま も な く30人 を 超 え た 。 そ の 間 に 、 私 が い ち い ち 後 ろ を 振 り返 っ て 解 説 す る の が 学 生 に は 煩 わ し く 感 じ られ る よ うな の で 、結 局 、 私 は 通 訳(な い し解 説 役) と し て 、 ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の 隣 に 収 ま り 、 話 の 小 さ な 纏 ま り ご と に 訳 す 、 と い う形 に 落 ち 着 い た 。 こ の 形 が 定 着 し て か ら、 講 義 本 来 の 魅 力 が 学 生 に 知 れ る
ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん へ の 感 謝17
と こ ろ とな っ た か ら で あ ろ う、 以 後30〜50名 の 学 生 が 常 時 受 講 す る 、 活 気 の あ る 教 室 へ と 変 わ っ て い っ た 。 こ の 授 業 で 得 た 知 見 が 契 機 とな り、 卒 業 論 文 の テ ー マ を 見 出 し た 学 生 も 多 い 、 と 聞 く。 こ の 講 義 の 内 容 に つ い て は 、 学 生 は も ち ろ ん の こ と 、私 自身 、 ヨ ー ロ ッパ の 文 化 史 一 た と え ば 、中 世 、 ロ マ ネ ス ク 、 ゴチ ッ ク 、ル ネ ッ サ ン ス 、バ ロ ッ ク と続 く 様 式 の 変 遷 の 実 態 と意 味 一 に っ い て 、 多 く の 蒙 を 啓 か れ た 者 の ひ と りで あ る 。 訳 し な が ら 、 大 い に 学 ば さ せ て い た だ い た わ け で 、 そ れ も 、 足 掛 け 十 年 近 く に も わ た っ て 、 で あ る 。 同 僚 で は あ っ た が 、 わ が 師 の 恩 、 と ば か り に 、 感 謝 を捧 げ た く も な る の で あ る。
「や っ ぱ り ウ ィ ー ン に 戻 る ん で す ね 。 で も ウ ィ ー ン は 遠 い な あ 、 寂 し く な り ま す 。」 久 し振 りに 会 っ て 、 積 る話 を 伝 え る は ず が 、 つ い つ い 、 暗 く な っ た 。
「は い 、 帰 り ま す 。」 そ う言 っ た あ と、 す ぐ に 、 彼 は 付 け 加 え た も の だ 。
「で も 、 い ま や ウ ィ ー ン は ず っ と 身 近 に な っ た よ。 ワル シ ャ ワ 経 由 な ら 、 非 常 に 安 く、 しか も ほ と ん ど直 行 便 並 み の 時 間 で ウ ィ ー ン に 着 くか らね 。 ウ ィ ー ン は 近 い ん で す!」 そ う言 っ て 明 る く笑 っ て くれ た 。
あ りが と う、ル ー プ レ ヒ タ ー さ ん!い ま ま で の こ と 、す べ て に 、す べ て に 、 あ りが と う!
ヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の こ と
一 。UberWalterRuprechterSenseìL
古 屋 裕 一(YuichiFURUYA)
い ま さ ら何 だ が 、 ドイ ツ 語 を 話 す こ と は 苦 手 だ 。 ま っ た く話 せ な い と い うわ け で も な く、 学 生 の 時 は イ エ ナ 、 ワ イ マ ー ル 、 パ リ と行 っ て き た し、 勤 め て か ら で も ベ ル リ ン に4ヶ 月 ほ ど 、 短 期 留 学 を し て 研 究 の た め エ ル ベ 川 の 辺 の 街 々 を 見 て き て い る。 そ の 後 も 二 度 に 分 け て の 単 独 の 研 究 旅 行 で 、 ウ ィ ー ン 、 ザ ル ツ ブ ル ク 、 南 ドイ ツ の 街 々 、 ラ イ ン川 沿 い の 街 々 を 見 て き て い る 。 旅 が 終 わ る た び に 、 あ あ 、 お れ の ドイ ツ 語 も 上 達 し た な と は 思 う の だ が 、 い つ も 日本 に 帰 っ て く る と 、 元 の 木 阿 弥 に な っ て し ま う。
そ も そ も 私 が 学 生 だ っ た 頃 、 先 生 た ち の 中 に は ドイ ツ 語 を ま っ た く し ゃ べ ら な い 方 た ち が い た 。 文 学 は 、 テ ク ス トを 通 じ て 幻 想 空 間 の 中 で 遊 ぶ こ と。 現 実 の 街 や 土 地 や 自然 を 知 る こ と は 、 副 次 的 な こ と で あ り、 場 合 に よ っ て は 幻 想 力 が 衰 退 す る こ と に つ な が りか ね な い 。 た と え そ れ が どん な キ マ イ ラ 的 な 幻 想 で あ る に し て も 。 当 時 か ら 経 済 人 類 学 者 の 栗 本 慎 一 郎 氏 な ど は 、 そ の よ う な 考 え を 「笑 止 」 な も の と さ れ て い た し 、 森 鴎 外 と い う先 達 を 見 れ ば(鴎 外 は 医 学 校 出 の 実 学 者 と して ドイ ツ に 行 っ た わ け だ し、も と も と そ の 教 育 は 、ネ イ テ ィ ブ ・ ス ピ ー カ ー の ドイ ツ 人 に よ っ て 行 わ れ た も の だ っ た が)、 な に も そ う美 し き 阻 路
に 閉 じ こ も らな く て も 、とい う気 持 ち も 自 然 と私 の 中 に 生 ま れ て く る の だ っ た 。 だ が そ の 一 方 で 、 学 生 時 代 の 私 の 関 心 は 、 ドイ ツ 語 圏 の 思 想 家 や そ の テ ク ス ト に 占 め られ 、 ドイ ツ 語 会 話 な ど に は 何 の 興 味 も な か っ た し 、 ドイ ツ 人 教 師 の 姿 が 見 え る と 、 あ の キ マ イ ラ 的 な 巨 人 族 の 裾 に す っ と 隠 れ る の だ っ た 。
ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の こ と を 考 え る と 、 不 思 議 な 気 が す る 。 ず っ と 以 前 か ら 知 っ て い た よ うな 気 もす る し 、 つ い こ の 間 知 っ た ば か りの よ う な 気 も す る。 ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の 履 歴 書 を 私 の 履 歴 書 と比 べ て み る と 、 それ もそ の は ず で 、 ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 が 初 め て 日本 で 教 職 に 就 き 、 都 立 大 学 の 非 常 勤 講 師 を つ と め て い た の が 、1986年 か ら1988年 ま で の3年 間 。 こ の 時 期 は 私 が 都 立 大 の 修
20 r人 文 学 報(JimbunGakuho)』No.513‑14独 語 ・独 文 学(2017年)
士 課 程 の 学 生 と して 大 学 に 通 っ て い た 時 期 とぴ っ た り重 な 筍 。 お そ ら く 私 は ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の 名 前 を ど こ か で 聞 き な が ら、 ドイ ツ 語 会 話 の 授 業 を 意 図 的 に 避 け て い た の だ 。1990年 に 私 が 都 立 大 の 助 手 に 就 任 し た と き に は 、ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 は す で に 、 委 嘱 講 師 と し て ウ ィ ー ン 大 学 に 帰 っ て お ら れ た 。 わ れ わ れ が い わ ば 初 め て 出 会 っ た の は 、1992年 にルL‑一一Lプレ ヒ タ ー 先 生 が 都 立 大 の 助 教 授 に 就 任 さ れ 、2001年 に 私 が 岐 阜 大 学 か ら 再 び 都 立 大 に 戻 っ て き て か ら の こ と
だ 。
そ れ で も し ば ら く の 問 、わ れ わ れ は お 互 い に 会 話 を す る こ と は な か っ た 。(自 分 と ドイ ツ 語 で 会 話 を し よ う と し な い 人 問 に 対 す る 、 ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の 怒 り を 後 年 知 る こ と に な り、 あ の ま ま 話 さ な い で い た ら と、 い さ さ か 身 の 縮 む 思 い が す る 。)し か し大 学 改 革 が あ り、 ドイ ツ 語 教 室 の 規 模 も 縮 小 し 、教 員 の 定 年
と と も に ス タ ッ フ の 数 も 、 一 人 二 人 と 少 な く な り 、 気 が つ け ば わ れ わ れ は4, 5人 の 小 グ ル ー プ と な っ て い た 。 こ れ で は 、 お 互 い に 話 さ な い わ け に は い か な い 。 こ う し て 可 笑 し な 「タ ン デ ム 」 が は じ ま っ た 。 ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の 日本 語 を 読 む 能 力 は 相 当 高 い レベ ル に あ る。 一 度 、 大 正 時 代 の 建 築 家 の 論 文 を彼 が 読 ん で い て 、 知 ら な い 漢 字 や 言 い 回 し を 尋 ね られ て 、 閉 口 し た 覚 え が あ る。 た だ し話 す 方 は 、 私 の ドイ ツ 語 の 会 話 能 力 と い い 勝 負 で あ る 。 当 初 の 計 画 で は 、 1時 間 ほ ど お 互 い が ドイ ツ 語 で 話 し 、1時 間 ほ ど お 互 い が 日本 語 で 話 す 、 と い うつ も り で い た が 、 ひ じ ょ う に ま だ る っ こ し く 、 い つ し か ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 は ドイ ツ 語 で 、 私 は 日本 語 で し ゃ べ る とい うス タ イ ル に な っ て しま っ た 。 こ れ で は 「タ ン デ ム 」 も何 も あ っ た も の で は な い 。 た だ お 互 い の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 機 会 は 、 格 段 に 増 え た 。
ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 は 控 え め で 、 出 し ゃ ば る と こ ろ が な く 、 そ れ で い て ウ ィ ー ン の 都 会 風 の 洗 練 さ も も ち、 あ る種 の 男 気 も備 え て ら した 。 「出 身 は ど こ?」
とい う私 の 軽 い 質 問 に 「東 チ ロ ル のMatreiと い う 町 だ 。」 とい う答 が 返 っ て き た 。 と っ さ に.「ア ル プ ス の の ど か な 放 牧 風 景 」 が 頭 を よ ぎ っ た が 、 の ち に ザ ビ ー ネ ・グ ル ー バ ー 氏 の 小 説 《StillbachoderDieSehnsucht》 を 読 ん で、 チ ロ ル が ドイ ツ に もイ タ リア に も オ ー ス ト リア に も 帰 属 す る こ と を 是 と し な い 厳 しい 地 域 で あ る こ と を 知 っ て 、 身 の 引 き 締 ま る 思 い を した 。 ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 は うち の 大 学 で 長 く ドイ ツ 語 圏 文 化 史 の 講 義 を も ち 、 そ の 該 博 な 知 識 に は 定 評 が あ っ た 。 タ ン デ ム の 中 で 飛 ん で く る 質 問 も 、 そ の 知 識 の 裏 付 け が あ っ た 。 「ク ル ト ・ジ ン ガ ー の 『三 種 の 神 器 』 の 翻 訳 は 日本 に あ る か い 。」 「遠 藤 周 作 の 『侍 』 を 知 っ て る?私 見 で は 、 三 島 の 『金 閣 寺 』 よ りす ぐ れ て い る よ う に 思 え る ん
だ が 。」 「堀 口捨 己 の 建 築 を ど う思 う。」 私 の 太 刀 打 ち で き る 問 い で は な い 。 そ ん な ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 の 、 文 学 ・建 築 ・文 化 記 号 論 に つ い て の 知 見 の 詰 ま っ た 本 が 最 近 出 版 さ れ た 。WalterRuprechter:Passagen‑Studienzum
KulturaustauschzwischenJapanunddemWesten.MUnchen(Iudicium)
2015退 官 に 合 わ せ て し っ か り と論 集 を ま と め あ げ た 。 見 事 と 言 う し か な い 。 退 官 後 は 、 ウ ィ ー ン の 出 版 社 に 勤 め 、 悠 々 自 適 の 生 活 を 送 る との こ と。 ブ ル ー
ノ ・タ ウ ト、 ク ル ト ・ジ ン ガ ー 、 丹 下 健 三 、 堀 口捨 己 、 桂 離 宮 、遠 藤 周 作 な ど 、 文 学 、 建 築 、 文 化 に 造 詣 の 深 い 、 日独 懊 の 文 化 に 通 じ た 文 化 人 と し て 、 ウ ィ ー ン で 声 望 を集 め る の だ ろ う。 羨 ま し い よ う な 、 寂 し い よ う な 気 持 ち が ど こ か に あ る 。 私 に は 、 二 人 き りで 食 べ た ウ ィ ー ン の 郷 土 料 理 の 味 を 忘 れ る こ と が で き な い 。 ヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 先 生 、 新 天 地 で の ご活 躍 を お 祈 り し て い ま す 。
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2016年 度 ドイ ツ文 学 教 室 彙 報
1.学 事 日程 4月2日(木) 4A5日(火)
4月28日(木) 8,月22〜23日 10月13日(木) 10.月24日(月) 11月8日(火)
11月10日(木) 2月2日(木)
2月16〜17日(木 ・金)
独 文 常 勤 ・非 常 勤 教 員 打 ち 合 わ せ 会(11:30〜) ドイ ツ 語 圏 文 化 論 新2年 生 ガ イ ダ ン ス(13:00〜)
ドイ ツ 語 圏 文 化 論 新 学 期 全 体 ガ イ ダ ン ス(15:00〜) 卒 論 ・修 論 ガ イ ダ ン ス(13:00〜)
(月 ・火)独 文 合 宿(御 嶽 山 に て 、 卒 論 中 間 発 表) ドイ ツ 語 資 格 ・検 定 ガ イ ダ ン ス(12:00〜) 2年 次 所 属 決 定 ガ イ ダ ン ス(12:00〜) ク レ メ ン ス ・J・ ゼ ッ ツ 氏 朗 読 会(16:30〜)
2年 次 所 属 決 定 ガ イ ダ ン ス(12:00〜) 卒 論 ・修 論 発 表 会(10:30〜)
大 学 院 入 試
2.ド イ ツ文 学 教 室 関係 授 業 科 目一 覧
科 目名 右 の*印 は 学部 と大 学 院 の 共通 科 目
【学 部 】
基 礎 科 目群 言 語 科 目 未 修 言 語 科 目第 二 群 ドイ ツ 語1‑101a古 屋 裕 一
ドイ ツ 語1・101b園 田 み ど り ドイ ツ 語1‑101c糸 瀬 龍 ドイ ツ 語1‑102a園 田 み ど り
ドイ ツ 語1‑102bヴ ァル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー ドイ ツ 語1・102c米 本 晶
ドイ ツ 語1‑103aヴ ァル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー ドイ ツ 語1‑103b山 本 潤
ドイ ツ 語1‑103c山 本 潤 ドイ ツ 語1‑201a西 野 路 代 ドイ ツ 語1‑201b豊 倉 尚 ドイ ツ 語1‑202a古 屋 裕 一
ドイ ツ 語1‑202b荻 原 耕 平 ドイ ツ 語1‑203a白 木 和 美 ドイ ツ 語1・203b小 野 森 都 子 ドイ ツ 語1‑204a米 本 晶 ドイ ツ 語1・204b稲 田 文 子 ドイ ツ 語1‑205a山 川 淳 生 ドイ ツ 語1‑205b工 藤i愛 ドイ ツ 語1‑206a稲 田 文 子 ドイ ツ 語1‑206b池 谷 尚 美 ドイ ツ 語1‑301a藤 川 直 也 ドイ ツ 語1‑301b豊 倉 尚 ドイ ツ 語1‑302a白 木 和 美 ドイ ツ 語1‑302b糸 瀬 龍 ドイ ツ 語1‑303a山 崎 泰 孝 ドイ ツ 語1‑303b渡 辺 幸 子 ドイ ツ 語1‑304a豊 倉 尚 ドイ ツ 語1‑304b工 藤 愛 ドイ ツ 語1‑305a小 倉 直 子 ドイ ツ 語1・305b荻 原 耕 平 ドイ ツ 語1‑306a小 沼 明 生 ドイ ツ 語1‑306b田 中 一 嘉 ドイ ツ 語1・401a白 木 和 美 ドイ ツ 語1‑401b荻 原 耕 平 ドイ ツ 語1‑402a小 倉 直 子 ドイ ツ 語1‑402b渡 辺 幸 子 ドイ ツ 語1‑403a藤 川 直 也 ドイ ツ 語1‑403b糸 瀬 龍 ドイ ツ 語1‑404a小 沼 明 生 ドイ ツ 語1‑404b田 中 一 嘉 ドイ ツ 語II‑801a西 野 路 代 前 期 ドイ ツ 語II‑801b西 野 路 代 後 期 ドイ ツ 語II・802a山 崎 泰 孝 前 期 ドイ ツ 語II‑802b山 崎 泰 孝 後 期
2016年 度 ドイ ツ文学教室 彙報115
ドイ ツ 語II・803a小 野 森 都 子 前 期 ドイ ツ 語II・803b小 野 森 都 子 後 期 ドイ ツ 語II‑804a米 本 晶 前 期
ドイ ツ 語II・804b米 本 晶 後 期
教 養 科 目群 文 化 ・芸 術 ・歴 史
ドイ ツ 語 圏 の 文 化 園 田 み ど り 〔後 期 〕
専 門 教 育 科 目(都 市教養学部人文 ・社会系国際文化 コース欧米文化論分野 ドイツ語圏文化論) ドイ ツ 語 圏 特 殊 講義 歯 山本 潤 〔通 年 〕 中世 ドイ ツ文 学入 門
ドイ ツ 語 圏 文 化 演 習 歯 園 田 み ど り 〔通 年 〕 ナ チ政 権 下 にお け る抵 抗 文 学 上 級 ドイ ツ 語 稲 田 文 子 〔前 期 〕 〔後 期 〕
ドイ ツ 語 圏 文 化 演 習de古 屋 裕 一 〔逼 年 〕W.ベ ンヤ ミ ン 「1900年 頃 のベ ル リン の幼 年 時代 」 精 読
ドイ ツ 語 学 概 論A保 阪 靖 人 〔前 期 〕 ドイ ツ語 構 造 の考 察 、 言語 分 析 手法 ドイ ツ 語 学 概 論B保 阪 靖 人 〔後 期 〕 ドイ ツ語 構 造 の考 察
1ドイ ツ 語 圏 文 化 論A*古 屋 裕 一 〔前 期 〕 フ ラ ンツ ・カ フ カ 『城 』精 読 ドイ ツ 語 圏 文 化 論B★ 古 屋 裕 一 〔後 期 〕 フ ラン ツ ・カ フ カ 『城 』精 読 ドイ ツ 語 圏 文 学 演 習 ★ 園 田 み ど り 〔通 年 〕 読 解 基礎 演 習
ドイ ツ 語 作 文1小 野 森 都 子 〔前 期 〕 ドイ ツ 語 作 文II小 野 森 都 子 〔後 期 〕
ドイ ツ 語 圏 文 化 史A*W.ル ー プ レ ヒ タ ー 、 山 本 潤 〔前 期 〕18世 紀 文化 史
ドイ ツ 語 圏 文 化 史B★W.ル ー プ レ ヒ タ ー 、 山 本 潤 〔後 期 〕19世 紀文 化 史
上 級 ドイ ツ 語 杉 山 有 紀 子 〔前 期 〕 〔後 期 〕 オ ー ス トリア短 篇 小説 精 読 ドイ ツ 語 圏 文 学 論A*瀬 尾 育 生 〔前 期 〕 ユ ンガ ーr世 界 国 家』 講 読 ドイ ツ 語 圏 文 学 論B★ 瀬 尾 育 生 〔後 期 〕 ハ イデ ガ ーr世 界 像 の時 代 』講 読 ドイ ツ 語 圏 文 化 論Aヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 〔前 期 〕「シ ュ トゥル ム ・ ウン ト ・ドラ ン ク」 と古 典 主 義
ドイ ツ 語 圏 文 化 論Aヴ ァ ル タ ー ・ル ー プ レ ヒ タ ー 〔後 期 〕19世 紀 ロマ ン 主義
ドイ ツ 語 学 特 殊 講 義 喪 成 田 節 〔前 期 〕 〔後 期 〕 ドイ ツ 語 の文 構 造