• 検索結果がありません。

コンクリートの塩化物イオン移動性に及ぼす凍結融解作用の影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "コンクリートの塩化物イオン移動性に及ぼす凍結融解作用の影響"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅴ‑256. コンクリートの塩化物イオン移動性に及ぼす凍結融解作用の影響. 1.背景及び目的. 八戸工業大学大学院○学生会員. 太田. 晃博. 八戸工業大学大学院 学生会員. 佐藤. 宇泰. 八戸工業大学大学院 学生会員. 渡邊. 浩平. 八戸工業大学. 正会員. 迫井. 裕樹. 八戸工業大学. 正会員. 阿波. 稔. 2.2 配合. 積雪寒冷地域では、冬季路面の安全性確保のため凍. 表1に基準となるコンクリートの配合表を示す。配合. 結防止剤が路面に大量散布され、凍結防止剤中の塩化. は、水セメント比を 45%、55%、65%、空気量 5±1.0%、. 物イオンは路面水に溶け、コンクリート構造物表面か. スランプ 8±1cm とした。. ら塩化物イオンが浸透する。これによりコンクリート. 表1. 構造物は厳しい気象条件下で凍害と塩害の複合劣化を 受け、そしてそれに起因した鉄筋腐食などが生じる可 能性が高まり、コンクリート構造物の耐久性及び強度 が著しく低下することが顕在化している。 コンクリートに及ぼす塩化物イオンの影響に関する. W/C. s/a. (%). (%). 45. 示方配合表. 単位量(kg/㎥). AE 剤. AE 減水剤. (A). (C×%). 41.5 158 351 743 1068. 2.5. 0.2. 55. 43.5 158 287 802 1062. 2. 0.2. 65. 45.5 158 243 855 1045. 1.5. 0.2. W. C. S. G. 検討はこれまでにも行われていが、凍結融解作用が塩 化物イオンの浸透に及ぼす影響について検討が少ない. 2.3 実験方法と養生 養生は、全て水中 28 日とし、W/C=55%のみ 7,14 日. のが原状である。一方、コンクリートの耐久性向上の 観点から表面保護材料が注目され、物質移動に対する 効果が報告されているが同様に凍結融解環境下での塩. も行った。表-1 に示す配合にて、100×100×400mm の 角柱を作製し所定の養生期間終了後 100×100×100mm に切断し、試験用供試体とした。整形後、試験面以外. 化物イオンの浸透に関する研究は少ない。 そこで本研究では、凍結融解作用が塩化物イオンの 浸透に及ぼす影響を明らかとすることを主目的とし、 材齢、水セメント比、表面含浸材の有無の異なるコン クリートの塩化物イオンの浸透に及ぼす凍結融解の影. をシリコンによりシールし、各温度条件下での塩化物 イオン浸透を実施した。表面含浸材と塗布するものに ついては、塗布後シールを行った。暴露温度条件は 20℃ 一定及び 20~-20℃(1 サイクル/日)とした。所定の期間 各温度環境に暴露した後、試験面から厚さ 10mm ごと. 響を検討した。. の全塩化物イオン濃度を測定した。. 2.実験概要. 3.実験結果及び考察. 2.1 使用材料および配合 本実験に用いたセメントは普通ポルトランドセメン. 3.1 塩化物イオン濃度分布 図-1 は水セメント比 55%、初期材齢 7 日の無塗布. ト(密度 3.16g/cm3 )、細骨材として石灰岩砕砂(密度 2.67g/cm3)と天然砂(密度 2.60g/cm3)、粗骨材として石灰. について示している。図中の縦軸は全塩化物イオン濃. 岩砕石(密度 2.68g/cm3)を使用した。練り混ぜ水は一般. 度を横軸は浸せき面からの深さを示している。 同一の. の水道水を使用し,混和剤はアニオン系界面活性剤を主 成分とする AE 剤を使用した。また、表面含浸材として、. 深さで比較するとサイクル数の増加に伴い全塩化物イ オン濃度も増加する傾向にあるとことが確認できる。 温度一定条件下で浸透させた供試体よりも凍結融解作. ケイ酸塩系の含浸材を用いた。. 用を受けた供試体のほうが塩化物イオン濃度は高い値 キーワード:コンクリート、耐久性、表面含浸材、塩分浸透 連絡先:青森県八戸市大字妙字大開 88-1 八戸工業大学. ‑511‑. 環境建設工学科 TEL0178-25-8076.

(2) 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅴ‑256. 2.5 無塗布 20℃一定. 材齢7日 14サイクル 20~-20℃ 材齢7日 14サイクル 20℃一定 材齢7日 28サイクル 20~-20℃ 材齢7日 28サイクル 20℃一定 材齢7日 56サイクル 20~-20℃ 材齢7日 56サイクル 20℃一定. 6.0 5.0 4.0. 全塩化物イオン濃度(kg/㎥). 全塩化物 イオン 濃度 (kg /m³). 7.0. 3.0 2.0. 無塗布 20~-20℃. 2.0. 含浸材C 20℃一定 含浸材C 20~-20℃. 1.5 1.0 0.5. 1.0. 56サイクル. 0.0. 0.0 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 0. 7. 14. 深さ(cm). 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2. 材齢14日. 全塩化物イオン濃度(kg/㎡). 2.5 無塗布 20℃一定 無塗布 20~-20℃ 含浸材C 20℃一定 含浸材C 20~-20℃. 全塩化物イオン濃度(kg/㎥). 全塩化物イオン濃度(kg/㎥). 1.8. 1.4. 無塗布 20℃一定 無塗布 20~-20℃ 含浸材C 20℃一定 含浸材C 20~-20℃. 1.4. 14. 21. 28. 35. 42. 49. 56. 63. 無塗布 20~-20℃ 含浸材C 20℃一定 含浸材C 20~-20℃. 1.5 0.8 1.0. 0.6 0.4. 0.5 0.2. 56サイクル. 56サイクル. 40. 0.0. サイクル数(サイクル). 無塗布 20℃一定. 1.0. 0.0. 7. 35. 1.6. 2.0 1.2. 0.0 0. 28. 図‐2 材齢の影響. 図‐1 全塩化物イオン濃度 1.6. 21 材齢(日). 0. 図‐3 サイクル数の影響. 45. 7. 図‐4. 50. 14. 55. 60. 水セメント比(%). 21. 65. 28. 70. 35. 材齢(日) 水セメント比の影響. を示した。これは水セメント比、材齢、含浸材の有無. ント比が高い供試体は凍結融解作用の下でも全塩化物. の違いによらず、同様の結果が確認された。. イオンの値が高い数値を示すことが確認された。表面. 3.2 材齢の影響. 含浸材を使用した供試体は W/C=45,55,65%すべてにお. 図-2 は W/C=55%における、深さ 1.5cm の暴露日数. いて多少のばらつきはあるものの温度条件の違いによ. 56 サイクル終了時の全塩化物イオン濃度と材齢の関係. る大きな差異はみられない。表面含浸材使用を使用し. を示している。温度条件の違いによらず、材齢の進行. た 供 試 体 に 着 目 す る と 、 56 サ イ ク ル 終 了 時 で. に伴い、全塩化物イオン濃度が低い値を示すことが確. W/C=65%は W/C=45,55%と比較すると 3~4 倍程度高. 認される。これは、材齢の進行に伴う水和程度の違い. い塩化物イオン濃度を示した。W/C=65%は 49 サイク. によるものと考えられる。. ル付近からスケーリングが確認されており、表面含浸. 3.3 サイクル数の影響. 材で緻密化した部分が剥落したことが全塩化物イオン. 図-3 は W/C55%、材齢 14 日の供試体における深さ 1.5cm の全塩化物イオン濃度と暴露日数の関係を示し. 濃度が高まった一因であると推測される。 4.まとめ. ている。凍結融解作用下の無塗布の供試体は他と比較. 凍結融解を受けるコンクリート中の全塩化物イオン. して、暴露日数の増加に伴う全塩化物イオンの増加割. 濃度は、材齢が若いコンクリートほど高い値を示すこ. 合が大きいことが確認できた。凍結融解環境下での 56. とが確認された。水和反応が進んでいないコンクリー. サイクル終了時の全塩化物イオン濃度は,温度一定条件. トでは、自由水量が増加するとそれに伴い凍結水量が. 下におけるそれと比較して、2 倍程度高くなることが把. 急激に増加したことによるものと考えられる。. 握された。 3.4 水セメント比の影響 図-4 は深さ 1.5cm における。全塩化物イオン濃度と 水セメント比の関係を示す。既往の研究の通り水セメ. ‑512‑.

(3)

参照

関連したドキュメント

実験にあたり, 図-2 に示すように応力発光体を塗布した シートを,ひずみの発生をより顕著に捉えやすいひび割れ 部を中心に,接着剤でコンクリートの橋桁表面に貼り付け

験を行い,上下 3 点の移動平均値を採用している。図-2 に試験間隔の違いによる深度方向の強度分布を示 す。図は,左から移動平均前,測定間隔 10cm での移動平均,同様に 20cm

ニオンである塩化物イオンに対する透過阻止性能が高 まることとなる。 Ca/Si 比による C-S-H の物理的性質の 変化と合わせ考察すると、 Ca/Si

使用したフライアッシュの物性値を表-2に示す.より 広い範囲の活性度指数を検証するためにフライアッシュ

コンクリート構造物における塩化物イオン拡散係数 の非破壊評価手法の一つとして,電気抵抗率の測定が有 用である.コンクリートの電気抵抗率に関する研究 1),

内曝露では168日間とし,曝露方向は全 て垂直とした.各試験条件におけるさ び厚とイオン透過抵抗値 2) の関係を図

を示した。ただし、混合セメント系のコンクリートの 場合、塩化物イオンが殆ど浸透していない状況におい

自作プログラムをもとに、 最高 16 段階の工程を 作ることができます。 より細かな温度設定をしたい 時に便利です。.