博 士 ( 情 報 科 学 ) 高 島 秀 聡
学 位 論 文 題 名
微 小 球 お よ び フ ァ イ バ 結 合 微 小 球 に お け る 発 光 体 の 自 然 放 出 と 制 御
学 位 論 文 内 容 の 要 旨
発光体の誘導放出を共振器 により増幅することで実現されているレーザーは、今日、光通信、光メ モリー、微細加工、光計測 、医療をど、様々を産業で用いられている。また、レーザーは、基礎研 究の分野でも広く用いられ 、多彩を非線形光学現象が観測され、新しい物理現象が次々に実現され ている。このように、レー ザーは様々を分野で利用さ れているため、20世紀最大の発明のーっと され てい る。 特 に、 半導 体レーザーでは、幅が数pm、 長さが数百pmの領域に光を 閉じ込め光を 増幅するため、他のレーザ ーと比ベ、小型で消費電カを小さくできるため、今日様々な分野で利用 されている。さらをる性能 改善のためには、より光閉 じ込め(Q値)の大きを微小共振器を用いる ことで、より低閥値で発振 する効率の良いレーザーを実現できることが知られている。そのようを 共振器中では、僅かを領域 の中で発光体と光とが長時間相互作用するため、効率の良いレーザーを 実現できるのである。また 、発光体と結合した微小共振器は、このようをレーザーだけでをく、発 光体の自然放出の人工的を 制御にも用いることができる。たとえば、単一光子源や単一光子レベル での非線形デバイスの新規 デバイスや、また、強結合状態の実現による新しい基礎科学の開拓が期 待されている。
そのようを共振器には、Q値に加えて次のようを条件が 要求される。発光体と光場 の強い相互作 用を実現するための小さい モード体積をもつこと。発光体を微小共振器へ安定して結合可能を、固 体共振器であること。さら に、光通信への応用や、実際の測定の簡易化のために、シングルモ―ド ファイバーに低損失で接続 できることが強く望まれる 。一般によく知られている共振器構造とし て、ファプリベロー型構造 やフオトニクス結晶構造がある。しかし、それらの構造にはそれぞれい くっか問題があった。一っ は、増強された光場は一般に固体共振器の内部に存在し、発光体の導入 が困難であること、もうー っは、光フんイバとのモノ シリックを結合が困難であることである。
本研究では、それらの問題 点を解決する共振器構造として、微小球共振器に着目した。微小球共振 器は、10の9乗を超える高 いQ値と、小さいモード体積 を実現でき、かつ、一度溶融させることで 表面張カにより自然と球形 にをるため作製が容易である。また、微小球共振器のモードは球表面に 局在するため、発光体を安 定して共振器と結合させることが比較的容易である。しかし、以前は微 小球へ光を結合する方法、 特に単一モード光ファイバとの結合方法に問題があった。その問題は近 年、Knightおよび引き続くVahalaらのグループの、テ ーパー状に引き延ばした単一モードファイ バを用いる方法によって解 決した。シングルモードフ ァイバーを数pmまで細く引き伸ばしたフア イ バ ー ( テ ー パ ー フ ァ イ バ ー ) を微 小球 共振 器 への 光カ プラ ー とし て用 いる 方法 で ある 。 本研究では、このテーパー フんイバー結合微小球共振器の、低閲値・無閥値で発振するレーザーや
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非線形デバイス、量子情報デバイスへの応用を念頭に、ファイパ一結合微小球共振器とカップルし た発光体の自然放出過程とその制御に関して研究を行った。
微小球共振器のモードは、波長程度の幅を持ち表面から僅かに内側に存在するため、自然放出の共 振器モードヘの結合比pは発光体を配置する位置に依存する。これまで、フんイバ結合微小球共振 器に関して、結合比声に関する報告はをい。また、微小球共振器単体のpに関する研究では、球全 体をゲイン媒質で構成した液滴微小球や、表面近傍に色素をドープしたポリマー微小球を用いたも のが報告されていた。しかし、微小球内の光モードの空間分布よりもずっと広い範囲に発光体が配 置されてしまうため、結合の最適化や理論との比較が困難であった。
そこでまず、本研究では、モードの空間分布よりも十分薄いゲイン媒質層を有するフんイ′ヾ結合微 小球レーザーの開発に取り組んだ。その結果、通常のエルピウムドープガラスのゲイン層に、さら にりンをドープすることにより、ゲイン物質であるエルピウムの高分散化に成功、知る限り初めて 1ミク ロンを 切る、200ナノメートルのゲイン媒質層によるレーザー発振に成功した。また、レー ザー発振特性からp値を推定することに、フんイバ結合微小球共振器として初めて成功、さらに、
ゲイ ン層の 外側に シリカ ガラス 層をオ ーバー コ―トすることによる、p値の増大の観測にも成功 した。
さらに、近年単一発光体として注目されている量子ドットを微小球共振器表面に付着させ、その自 然放出がどのよう教微小球モードと結合しているのかを研究した。その結果、サンプルからは低次 のモ ードと 結合し た放射 は観測 されず 、むし ろQ値の小さい高次のモードと結合した放射が観測 され た。そ の理由 を知る ために 、微小 球表面 のQDsの自然放出過程を詳細に検討した結果、表面 のド ットの 吸収係 数、お よび、 微小球 表面の ラフネス を用い て現象 を説明することができた。
また、上記の研究をおこをうに際して、作成した枝付き微小球を簡便に評価する必要がある。本 研究では、レーザー光をレンズで集光し微小球に入射し、微小球の散乱光を測定する方法(ファー フィールド観測)による、微小球の簡易評価システムを開発した。
以上を要するに、本研究では、発光体の自然放出を制御するための理想的な共振器のーっとして テー パフん イバ結 合微小球共振器に着目し、自然放出過程とその制御について研究を行った。リ ン・アルミをコドープしたェルビウムガラスという新たを光増幅媒質を開発、光モードの空間拡が りよ りも十 分薄い200pmのゲ イン層を 有する ファイバ結合微小球レーザーを実現し、自然放出結 合係数の推定およびその制御にも成功した。また量子ドットからの発光と微小球モードとの結合に つ い て も詳 細 を 研 究を 行 い 、 ドッ ト の 吸 収係 数 や 表 面ラ フ ネ ス との 関 係 を明ら かにし た。
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学位論文審査の要旨
学 位 論 文 題 名
微小球およびフんイバ結合微小球における 発光体の自然放出と制御
光 閉じ 込 め(Q値) の大 きを 微 小共振 器を用いることにより、低 閲値で発振する効率の良いレ ー ザーを 実現できることが知られて いる。そのようを共振器中では、僅かを領域の中で発光体と光と が長時 間相互作用するため、効率 の良いレーザーを実現できる。また、発光体と結合した微小共振 器は、 このようをレーザーだけで をく、発光体の自然放出の人 工的を制御にも用いることができ る。た とえば、単一光子源や単一 光子レベルでの非線形デバイスの新規デパイスや、また、強結合 状態の 実現による新しい基礎科学 の開拓が期待されている。そのよう極共振器には、Q値に加えて 次のよ うを条件が要求される。発 光体と光場の強い相互作用を実現するための小さいモード体積を もつこ と。発光体を微小共振器ヘ 安定して結合可能を、固体共振器であること。さらに、光通信へ の応用 や、実際の測定の簡易化の ために、シングルモードファイバーに低損失で接続できることが 強く望 まれる。一般によく知られ ている共振器構造として、ファブリペロー型構造やフォトニクス 結晶構 造がある。しかし、それら の構造にはそれぞれいくっか問題があった。一っは、増強された 光場は 一般に固体共振器の内部に 存在し、発光体の導入が困難であること、もうーっは、光フんイ バとの モノシリックを結合が困難 であることである。
本研 究では、それらの問題点を 解決する共振器構造として、微小球共振器に着目した。微小球共 振 器は 、10の9乗 を超 える 高いQ値と 、小さいモード体積を実現 でき、かつ、一度溶融させる こ とで表 面張カにより自然と球形に をるため作製が容易である。また、微小球共振器のモードは球表 面に局 在するため、発光体を安定 して共振器と結合させることが比較的容易である。しかし、以前 は微小 球ヘ光を結合する方法、特 に単一モード光ファイバとの結合方法に問題があった。その問題 は近年 、テーパー状に引き延ばし た単一モードファイバを用いる方法によって解決された。シング ルモー ドファイバーを数pmまで細 く引き伸ぱしたフんイバー( テーパーファイバー)を微小球共 振器へ の光カプラーとして用いる 方法である。
本研 究では、このテーパーファ イバ一結合微小球共振器の、低閾値・無閾値で発振するレーザー や非線 形デバイス、量子情報デバ イスへの応用を念頭に、フんイバー結合微小球共振器とカップル した発 光体の自然放出過程とその 制御に関して研究を行っている。微小球共振器のモードは、波長
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司 夫
明 樹
敬 幾
弘 繁
木 宗
澤 内
笹 末
三 竹
授 授
授 授
教
教
教
教
助
査
査
査
査
主
副
副
副
程度の幅を持ち表 面から僅かに内側に存在す るため、自然放出の共振器モードへの結合比pは発光 体を配置する位置 に依存する。これまで、ファイバ結合微小球共振器に関して、結合比声に関する 報告はをい。また 、微小球共振器単体の声に関する研究では、球全体をゲイン媒質で構成した液滴 微小球や、表面近 傍に色素をドープしたポリマー微小球を用いたものが報告されていた。しかし、
微小球内の光モー ドの空間分布よりもずっと広い範囲に発光体が配置されてしまうため、結合の最 適化や理論との比 較が困難であった。
そこでまず、本 研究では、モードの空間分布よりも十分薄いゲイン媒質層を有するフんイバ結合 微小球レーザーの 開発に取り組んでいる。そ の結果、通常のエルピウムドープガラスのゲイン層 に、さらにりンを ドープすることにより、ゲイン物質であるエルビウムの高分散化に成功、知る限 り初 め て1ミ ク ロン を切る、200ナノメート ルのゲイン媒質層によるレー ザー発振に成功してい る。また、レーザ ー発振特性から声値を推定することに、ファイバ結合微小球共振器として初めて 成功、さらに、ゲ イン層の外側にシリカガラ ス層をオーバーコートすることによる、p値の増大の 観測にも成功して いる。
さらに、近年単 一発光体として注目されている量子ドットを微小球共振器表面に付着させ、その 自然放出がどのよ うを微小球モードと結合しているのかを研究している。その結果、サンプルから は低次のモードと 結合した放射は観測されず 、むしろQ値の小さい高次の モードと結合した放射 が観測されている 。その理由を知るために、微小球表面の量子ドットの自然放出過程を詳細に検討 した結果、表面の ドットの吸収係数、および、微小球表面のラフネスを用いて現象を説明すること ができている。
これを要するに、 著者は、テーパファイバ結合微小球共振器を作製し、発光体の自然放出過程の解 析とその制御につ いて研究を行い、有益を知見を示し、光量子デバイスの分野に貢献するところ大 をるものがある。
よ っ て著 者は 、北 海道 大 学博 士( 情報 科 学) の学 位を 授与 さ れる資格あるものと認める 。
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