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博士(工学)服部聡史 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)服部聡史 学位論文題名

Local Electron Excitation in Semiconductor with        Interferometer of Evanescent Fields

(エバネッセント波の干渉場を用いた半導体局所電子励起に関する研究)

学位論文内容の要旨

近 年 、 様 々 な ス ピ ン デ バ イ ス(GMRヘ ッ ドMRAMハ ー ド デ イ ス ク 用 、SP‑FET)が 開 発 さ れ 、 磁 性 体 表面 電子 スピ ンの 測 定精 度と 分解 能の向上に対する 需要は今後益々高まると予 想される。電子スピ ン 分解 能を 付与した走査型 トンネル顕微鏡(STM)は原子 スケールでのスピン観察装 置であるとともに、

ス ピン 注入 、ス ピン マ ニュ ピレ ーシ ョンヘの応用が可 能な汎用的なスピンデバイ ス開発ツールとなる 可 能性 を秘 めて いる 。STMの ス ピン 検出 機能 はス ピ ン偏 極し た探針を用いること によって実現する。

ス ピン 偏極 探針 材料 に は強 磁性 体探 針と光励起半導体 探針がよく用いられるが、 半導体探針には磁性 体 試料 への 影響 が少 な いと ぃう 利点 がある。さらに半 導体探針に左右円偏光照射 すれば、比較的容易 に ス ピ ン 状 態を 反 転で きる 。本 研 究室 ではGaAs半導 体 探針 を用 いた スピ ン 偏極STMの研 究を すす め ている。

  本研 究で は、 針状GaAsの 先端 部分 の評 価 する 方法 とし て エバ ネッ セン ト波 に 注目 した。工バネッ セント波は通常 の伝搬光と異なり、界面近傍 (波長程度)の物質とのみ強くカップリングする。この特性 を用いた局所的 な光物性を高感度測定する方 法としての応用例(エバネ ッセント螢光分光、反射型近接 場 光学 顕微 鏡、 表面 プ ラズ モン 共鳴 による増強エバネ ッセント波を用いた薄膜の 屈折率測定や膜厚測 定 他) も多 い。 この た めGaA8先 端部 分のみ効率的な励 起へも応用可能だと考えた 。エバネッセント波 は レー ザー 光を 誘電 体 界面 に全 反射 条件で入射によっ て生成する。エバネッセン ト波をスピン状態の 評 価へ 応用 する ため に は、 円偏 光し たエ バ ネッ セン ト波 に よる 針状GaA8のス ピ ン偏 極電子励起を行 う 必要 があ る。 針の ス ピン 状態 は励 起電子の再結合発 光の偏光解析によって分析 できる。しかし単純 に 円偏 光を 全反 射条 件 で誘 電体 界面 に入射しても円偏 光したエバネッセント波の 生成は不可能である こ とは 、マ ック スウ ェ ル方 程式 とそ の境界条件から導 出できる。したがってエバ ネッセント波を円偏 光 励起 、電 子ス ピン 評 価制 御と ぃっ た場 面 で積 極的 に用 い られ るこ とは なか っ た。 しかし2つのS偏 光で生成したエ バネッセント波を誘電体界面 で干渉させれば、エバネッ セント波の左,右円偏光干渉場 の生成が可能に なる。

  本研 究で は、 この 強 度均 一か つ左 右円 偏 光が 波長 周期 で 連続 的に 変化 する 干 渉縞 表面を針状GaA8 で 走査 し、 エバ ネッ セ ント 結合 によ る励 起 電子 の再 結合 発 行の偏光度測定によっ て2次元画像化によ る 偏光 状態 分析 を試 み た。 また 強度 干渉したエバネッ セント波を生成し、針の強 度に対するカップリ ン グ強 度に 依存 した2次 元画 像 化を 試み た。 エバ ネ ッセ ント 偏光干渉場はスピン 偏極走査型トンネル 顕 微鏡 評価 用標 準試 料 にと どま らず 、あらゆる電子ス ピン評価と制御デバイスヘ 応用の可能である。

第 一章 では 研究 の背 景 を述 べた 。ス ピンデバイスの動 向について述べた、エバネ ッセント波の応用例 と、本研究の位 置付けをあきらかにした。

第 二章 では エバ ネッ セ ント 波に よる 円偏光場の生成方 法を述べた。入射角と屈折 率からエバネッセン ト 波 の し み こ み 深 さ を 導 出 し た 。TETM波 を 入 射 し た と き の 透 過 率 を 導 出 し た 。 第 三章 では スピ ン偏 極 電子 励起 につ いて 述 べた 。励 起と 発 光に おけ る回 転対 称 性に ついてのべた。

第 四章 では エバ ネッ セ ント 波の 干渉 系の製作について 述べた。設計のコンセプト について述べた。干 渉 場の 安定 性を マイ ケ ルソ ン干 渉系 の経時変化によっ て測定した。壁開法とエッ チング法による針状 砒 化ガ リウ ムの サン プ ルの 作製 につ いて述べた。偏光 検出系と偏光解析について 述ぺた。ハンドメイ ドの装置をもち いて、エバネッセント波の検 出可能であることを確かめ た。しみこみ深さを測定した。

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螢光を測定した。

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学位論文審査の要旨 主 査

  

教授

  

武笠幸一 副 査

  

教授

  

山本眞史 副査   教授   岡田亜紀良 副査   助教授   末岡和久

    

学位論文題名

Local Electron Excitation in Semiconductor with     Interferometer of Evanescent Fields

(エバネッセント波の干渉場を用いた半導体局所電子励起に関する研究)

  近年、 電子のスピン状態を利用し た3端子素子やセンサなどの 開発を目指したスピントロニ ク スに関する研究が盛んに行わ れている。また、表面に局 在するエバネッセント光を利用した様々 な物性計 測手法に関する研究も進め られている。しかし、これら の2つの研究を融合した分野 は 未 開 拓 で あ り 、 局 所 的 な ス ピ ン 状 態制 御 とい う観 点か らも 今 後の 展開 が期 待 され てい る。

  本論文は、エバネッセント 光学と半導体スピントロニ クスの融合を可能にするために、円偏向 エバネッセント光の発生方法 の提案と、探針状半導体先 端部の局所的スピン励起・スピン依存フ ォトルミネッセンスを利用し て円偏向エバネッセント光 の発生を実験的に検証したものである。

熱ドリフ トの少なぃゼロデュアガラ ス基板上に組み立てた干渉計 を用い、2つの直線偏向した エ バネッセント光をプリズム表 面で干渉させ、円偏向と直 線偏向が繰り返される位相干渉パターン を生成した。プリズム上に生 成した位相干渉パターンを 有するエバネッセント場中に先端を先鋭 化したGaAs探針を近接させ、 エバネッセント場で励起さ れる電子の発光再結合時の発光の円偏向 度測定から、励起された電子 のスピン偏極度、 スピンを励起したエバネッセント波の円偏向度を 見積もり、それにより円偏向 エバネッセント波の生成の 検証した。

  本論文では、ます、本研究 の背景となっているエバネ ッセント光を用いた局所物性測定方法に ついて述べ、円偏向したエバ ネッセント波の発生が、エ バネッセント光を利用した計測方法とス ピンエレクトロニクスとの融 合を可能にする理由を明ら かにした。特に円偏向エバネッセント光 による半導体の局所的なスピ ン励起が、スピンエレクト ロニクスやスピン偏極走査型トンネル頭 微鏡測定技術をどの様にして 変革する可能性があるかに ついて論述した。次に、円偏向エバネッ セント光による半導体のスピ ン励起についてその原理を まとめた。本論文では、二つのエバネッ セン ト波 をプ リズ ム 上で 干渉させる ことによる円偏向エバネッ セント場を生成する方法につ い     ―1127―

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て提案し、探針上GaAsを用いて、この円偏向エバネッセント干渉場の偏向状態を知る方法にっい て議論している。さらに、実際に干渉計を構成した実験系を利用し、エバネッセント場によるGa As探針先端部電子励起の確認実験を行った後、ゼロデュアガラス上に構成した干渉計を用い、円 偏向エバネッセント場の生成を試みた。干渉計上のプリズム端面に探針を近接させ、探針からの 発光の円偏向度を測定し、測定される円偏向度の探針位置依存性の測定を行った。また、探針走 査位置の校正を行うために、強度変調の干渉パターンを作製し探針からの発光強度の探針位置依 存性の測定を行った。干渉計の安定性および探針走査位置の校正などを考慮すると、測定された 円偏向度の探針位置依存性は、プリズム端面上に円偏向と直線偏向を繰り返す円偏向干渉パター ンができたことを示唆している。本論文では最後に、これらの実験結果について総括し、本論文 で実験的に検証をおこなった円偏向エバネッセント光を応用することにより展開されるスピン 計測・制御に関する研究領域について論述を行った。

  これを要するに、著者は、円偏向エバネッセント光の発生と、これによる半導体ナノ構造の局 所スピン励起に関する新しい知見を得たものであり、量子光学、スピンエレクトロニクス、ナノ テクノロジの分野に貢献するところ大なるものがある。よって著者は、北海道大学博士(工学)

の学位を授与される資格あるものと認める。

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参照

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