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博 士 ( 農 学 ) 朴

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Academic year: 2021

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博 士 ( 農 学 ) 朴    水 守

     学 位 論 文 題 名

二 次 元 切 削 時 の 木 材 の 比 切 削 抵 抗 に 関 す る 実 験 的 研 究

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  木 材 機 械 加 工 は そ の ほ と ん ど が 切 削 加 工 で あ る が 、 切 削 中 に 生 じ る 切削 抵抗 は切 削加 工 機 械 の 所 要 動 力、 製品 の品 質、 工具 寿命 など と直 接関 係が あ り、 最適 切削 条件 の決 定や 切削機構の究明などにも基礎となる。 二次元切削における切削抵抗は、切削面内で切削方向に 作 用 す る 主 分 カ とそ れに 垂直 に作 用す る背 分カ の両 分カ で表 さ れる が、 比切 削抵 抗と は切 屑 の 単 位 切 削 断 面 積 当 た り の 主 分 カ で あ っ て、 切削 抵抗 を取 り扱 う際 の1つ の基 準単 位と して 不可 欠な もの で ある 。し かし 、従 来木 材比 切削 抵抗と切削諸条件との関係などについて は系 統立 った 研究 が ほと んど 行わ れて いな い。 比切 削抵抗はまた、切込量の小さい範囲では 切込量の減少と共に次第に顕著に増大する。このような現象は比切削抵抗の寸法効果と呼ばれるが、

その 原因 につ いて も 詳細 な検 討は 行わ れて いな い。 そこで、木材比切削抵抗に関する系統的 な研究を目的とし、平削りの二次元切削においての実験的検討を行ったが、本論文はその成果をま とめたものである。

  第1章緒 諭で は、 切削 理論 にお ける 比切 削抵 抗 の位 置付 けと 既往 の研 究の 概要および本研 究の必要性と目的を述べた。

  第2章で は、 刃先 角度 が木 材比 切削 抵抗 と切 込 量と の関 係に 及ぼ す影 響を 明らかにし、寸 法効果の原因について考察した。比切 削抵抗脇と切込量fとの間に は、すくい角アと逃げ角aの 大きさに関係なく、繊維の走向に対する基本的な3切削方向のいずれの場合も比切削抵抗の寸法効 果が見られ、´ムとtとの間には次の関係が成り立つ。すなわち、

    K=At・^  (1)

上記の結果から脇の値はAおよびnの値 によって表示するのが合理的あることを明らかにした。

式(1)中 のAの値はすくい角アの増大と共に減少し、nの値は増大する傾向であった。Aとァ、nと ァとの関係に対してはそれぞれ直線回 帰を行い、実験式を求めた。Aおよびnの値は逃げ角ばの 値 に よ っ て は ほ とん ど変 化し なか った ので 、こ の場 合のAおよ びnの 値は 平均 値で 表し た。

  ―方、比切削抵抗の寸法効果は木材切削の場合、主分カよりも背分カの方にやや強く現れ、この よ う な 傾 向 は す く い 角 の 減 少 に 伴 っ て ま す ま す 強 ま っ て ゆ く こ と を 明 ら か に し た 。   木材比切削抵抗の寸法効果の原因としては、工具切れ刃の不可避的丸味による押しならしに対す     ー。219ー

(2)

る 抵抗 、同 じ くその丸味に よるすくい面先端付近でのす くい角の減少、木材の切削 抵抗に比較的高い 比率を占 めている分離抵抗の影響であ ることを明らかにした。

  3章 で は 、 刃 先 丸 味 が 比 切 削 抵 抗 脇 と 切 込 量tと の 関 係 に 及 ぼ す 影響 にお いて 、 刃先 丸味 半 径pが変化 しても´己とfとの間には常 に式(1)と同様な関係が成 り立つことを明らかにした 。式中の Aの 値 は刃 先丸 味半 径pの増 大と 共 に増 加し 、nの値 も横 切削 の 時を 除い て増 加 する 傾向 であった。

そ れら の関 係 に対 して はそ れぞ れ 直線 回帰 を行 い 、実 験式 を求 めた 。 横切 削の 時はpが 変化しても nは ほ と ん ど 変 わ ら な か っ た の で 、 こ の 場 合 のnの 値 は 平 均 値 で 表 し た。 なお 、Kはpの僅 かな 増 大 に対 して 非 常に 鋭敏 に増 加し 、 特に 切込 量の 小 さい 領域 での 増加が著しかった 。これは工具切れ 刃の丸味 が比切削抵抗の寸法効果の主 因であることを裏付ける。

  4章 で は 、 木 材 比 重 が 比 切 削 抵 抗 脇 と 切 込 量tと の 関 係 に 及 ぼ す 影 響 に お い て 、 脇 とfと の 間 には 木材 の 比重r。に関係 なく、常に式(1)と同様な 関係が成り立つことを明ら かにした。式中の Aの 値 は 比 重r。 の 増大 と共 に 増加 した 。Aとr。と の関 係に 対し て は二 次曲 線回 帰を 行 い、 実験 式 を 求 め た 。nの 値 はr。 が 増 大 し て も ほ と ん ど 変 化 し な か っ た の で 、nの 値 は 平 均 値 で 表 し た 。   5章 で は 、 刃 先 丸 味 部 分 に か か る 切 削 抵 抗と 比切 削抵 抗と の 関係 にお いて は主 分 力RHに対 す る 刃先 丸味 部 分に かか る切 削抵 抗 (工 具刃 先丸 味 部分 によ る押 しならしに対する 抵抗)の切削方向 の 分 力R′ の 割 合r(= (凧 ′ /R) ・100)を求 め、rは 刃先 丸味 部 分の 比切 削抵 抗に 対 する 寄与 の 仕 方と 程度 を 示す もの であ るこ と を明 らか にし た 。RH′は 刃先 丸味 半 径pの 増 大と 共に ほぼ直線的 に 増 大 し 、pが 比 較 的 大 き い 場 合 、fが 正 常な 切屑 の出 る 限度 にま で小 さ くな るとrの 値は70% 以 上 にも 達す る こと があ った 。ま た 、rの 値 は一 般にf0.10.2  mm以下の範囲で 急激に増大した。

こ れ は 工 具 切 れ 刃 の 丸 味 が 比 切 削 抵 抗 の 寸 法 効 果 の 主 因 で あ る こ と を 定 量 的 に 示 し て い る 。   第6章で は、 旋削 に おけ る切 削面 の温 度 と比 切削 抵抗 との 関 係を 明ら かに し た。 切削 面温度と切 込 量 と の 間 に は 比 切削 抵抗 の 寸法 効果 と類 似 な関 係が 成り 立ち 、 刃先 の摩 耗量 が大 き いほ ど切 削 面 の 温 度 も 高 く な っ た 。 切 削 面 温 度8と 比 切 削抵 抗脇 およ び背 分 力凧 との 問に はそ れ ぞれ 直線 関 係が成り 立ち、8の値はK,およびR,,の 増大に従って高くなった。

  第7章総 括で は、 主 に木 材比 切削 抵抗 の 汎用 推定 式を 誘導 し 、実 例を 挙げ そ の実 用性 を論じた。

本 研 究 で 得 ら れ た 上 記 の そ れ ぞ れ の 実 験 式に 基づ き、 切 込量 ムす くい 角 ア、 逃げ 角a、刃 先丸 味 半 径p、 木 材 比 重r。お よび 繊 維走 向に 対す る 切削 方向 など の因 子 を同 時に 考慮 した 次 のよ うな 脇 の汎用推 定式を誘導した。すなわち、

    K=At‑^び|び,  (2)

た だし 、A、n.び. 、 びー の値 はそ れぞ れ 繊維 走向 に対 する 切 削方 向に よっ て 異な り、Aおよびnは r。と、び ‐はァと、そしてび″はpと 関係ある定数である。式(2)により、木材切削抵抗と木材加工機 械 の 動 カ の 計 算 が で き 、 送 り 速 度 、 切 込 量 、 刃 先 角 度 な ど 最 適 切 削 条件 の決 定が 可 能で ある 。

‑ 220―

(3)

学位論文審査の要旨 主査    教授    平井卓郎 副査    教授    大谷    諄 副査    教授   寺尾日出男

     学位論文題名

二次元切削時の木材の比切削抵抗に関する実験的研究

  

本論 文は 総頁 数151 頁、 図58 、表

19

からなる和文論文で、他に参考論文11 編が添 えられている。

  

木材 の機械加工はその大半が切削加工であるが、切削加工機械の所要動カや工具 寿命、製品の加工精度や品質は、切削時に生じる切削抵抗と密接に関係する。切削抵 抗は、切削方向に作用する主分カと、それに垂直方向の背分カに分解され、特に主分 カが重要である。切削抵抗の主分カは切込量と幅によって異なるので、まず単位切削 断面積あたりの値、すなわち比切削抵抗を求めておく必要がある。比切削抵抗は一般 に切込量に依存する寸法効果を示し、その減少にともなって加速度的に増大する。し たがって、木材の切削抵抗を定量評価するには、この寸法効果を含んだ形で、比切削 抵抗を把握しておく必要がある。

  

しかし、木材の比切削抵抗と切削諸条件との関係については、本論文以前には系統 だった研究がほとんど行われていない。本論文では主として平削りの二次元切削に対 し 、切 削諸条件を考慮した詳細な実験的検討を加え、適正切削条件設定や所要動力 計 算 の 基 本 と な る 、 比 切 削 抵 抗 の 汎 用 推 定 式 ( 実 験 式 ) を 提 案 し て い る 。

  

第一 章では、切削理論における比切削抵抗の位置付けと既往の研究の概要、本論 文の必要性と具体的な目的を述べている。

  

第2 章では、基本的な3 切削方向 (縦切削、横切削、木口切削)について、すくい角、

逃 げ 角 が 比 切 削 抵 抗 丘 と 切 込 量 地 の 関係 に 及 ばす 影響 につ いて実 験的 検討 を加 え、(1 )式のような実験式を適用することにより、比切削抵抗を寸法効果を含んだ形で表 せることを示している。ただし、

A

、n は実験定数である。

    

凡‑ At'(1)

(1)

式中の実験定数にっいては、A 、n とすくい角との間にそれぞれ直線関係が認めら れ るこ と、A 、n ともに逃げ角にはほとんど影響されないことを明らかにしている。

  

また、木材切削における比切削抵抗の寸法効果の発生機構にっいて考察を加えると

ともに、この寸法効果が主分カよりも背分カに対しやや強く現れること、この傾向がすく

(4)

い角の減少とともに強まってゆくことも明らかにしている。

  

第3 章 では、刃先丸味が比切削抵抗と切込量との関係に及ぼす影響にっいて同様 な実験的検討を加え、刃先丸味半径に関わらず(1) 式が適用出来ることを示している。

ま た、 横切削における定数n と刃先丸味半径との関係を除いて、定数A 、n と刃先丸 味半径との問には直線関係が認められることを示している。

  

第4 章 では、中国産

17

樹種にっいて同様な実験を行い、木材比重が比切削抵抗と 切込量との関係に及ばす影響について検討を加えている。その結果、(1) 式が木材の 広い比重範囲において適用可能なこと、定数A と比重との間には2 次曲線関係が認め られること、定数n は比重に依存しないことを示している。

  

第5 章では、刃先丸味部分による押しならしに起因する、部分的な切削抵抗と比切削 抵抗との関係にっいて詳細な考察を加え、押しならしに起因する切削抵抗の総切削抵 抗に占める比率が切込量f に大きく依存すること、このことが比切削抵抗に寸法効果を 生じさせる主因となっていることを明らかにしている。

  

第6 章では、旋削による切削実験により、比切削抵抗と密接な関係にある切削面温度 変化にっいて実験的検討を加え、切削面温度と切込量との間にも、(1) 式と同様な寸法 効果が認められることを示している。

  

第7 章では、本論文を総括し、第2 、3 、4 章の実験結果に基づいてく2 )式のような比切 削抵抗の汎用推定式を提案し、実際の切削条件を想定した試算例を挙げながら、その 実用的意義を明らかにしている。

    

皿=Ar び.びp   く2 )

ただし、A 、n は木材比重の関数、び。はすくい角の関数、びp は刃先丸味半径の関数 である。

  

以上の研究成果は木材切削機構の基礎的解明に寄与するのみならず、切削加工機 械や工具の開発、木材の加工工程におけるエネルギー消費低減など、木材の機械加 工における実務資料としても極めて有用である。

  

よって審査員一同は、朴永守が博士(農学)の学位を受けるに十分な資格を有するも

のと認めた。

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