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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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氏 名 藤原 斉 授与した学位 博 士 専攻分野の名称 工 学

学位授与番号 博甲第 5753 号 学位授与の日付 平成30年 3月23日

学位授与の要件 環境生命科学研究科 環境科学専攻

(学位規則第4条第1項該当)

学位論文の題目 高炉スラグを用いたコンクリートの塩分浸透抵抗性に関する研究

論文審査委員

准教授 藤井 隆史 教授 綾野 克紀 教授 前野 詩朗 准教授 比江島慎二

学位論文内容の要旨

本研究は,高炉スラグを結合材および細骨材に用いた場合に,モルタルおよびコンクリートの塩分浸透性 に与える影響について検討を行ったものである。

第1章では,本研究の背景と目的および論文の構成について述べた。

第 2 章では,コンクリートの塩分浸透抵抗性およびコンクリート中の鋼材腐食に関する従来の研究結果 について示した。また,コンクリートの骨材の利用状況および高炉スラグの一般的な特性についても述べ た。

第3章では,3年間の塩水浸漬試験から,高炉スラグを微粉末として結合材として用いても,細骨材とし て用いても,コンクリートおよびモルタルの遮塩性は向上すること,高炉スラグを結合材と細骨材の両方に 用いるとより見掛けの拡散係数は小さくなことを示した。

第4章では,薄片供試体を用いた塩化物イオン浸透性試験では,浸漬法と同様に,高炉スラグを微粉末と して結合材として用いても,細骨材として用いても,コンクリートおよびモルタルの遮塩性は向上すること を示した。また,高炉スラグが塩化物イオン浸透性に与える影響について電気泳動法を用いて評価する場 合,浸漬法を用いた場合よりも遮塩性を低く評価する傾向があることを示した。

第5章では,高炉スラグを用いたコンクリートの鋼材腐食試験の結果から,高炉スラグを結合材または細 骨材に用いると,ひび割れのないモルタル中の鋼材の腐食は抑制されること,また,高炉スラグ細骨材を用 いたコンクリートでは,微細なひび割れが生じていても鋼材の腐食を抑制する効果があることを示した。ま た,高炉スラグ細骨材を用いた水結合材比が 65%のコンクリートは,細骨材に砂岩砕砂のみを用いた水結

合材比が 35%のコンクリートと同程度の鋼材腐食抑制効果があることが分かった。さらに,高炉スラグ微

粉末を用いると,配合によっては,鋼材が腐食する傾向があるが,高炉スラグ細骨材は,使用量が増えるほ ど,鋼材の腐食を抑制する効果があることが分かった。

第6章では,本研究で得られた結果を総括し結論とした。

以上の知見は,高炉スラグをモルタルおよびコンクリートの細骨材に用いることで,塩分浸透による鋼材 の腐食抑制効果を高めることが可能であることを示しており,コンクリート構造物の長寿命化に寄与するも のと期待される。

(2)

論文審査結果の要旨

本研究では,製鉄の副産物である高炉水砕スラグがモルタルおよびコンクリートへの塩化物イオン浸透性に 与える影響について,3年間の浸漬試験結果を基に検討を行ったものである。高炉水砕スラグを微粉化した高 炉スラグ微粉末を結合材の一部に用いることで,モルタルおよびコンクリートへの塩化物イオン浸透性が小さ くなることはよく知られているが,高炉水砕スラグを細骨材として用い,結合材はセメントのみの場合でも,

塩化物イオン浸透性が小さくなることを明らかとした。また,高炉水砕スラグを結合材と細骨材の両方に用い ることで,より塩化物イオン浸透性が小さくなること,蒸気養生を用いた場合には,塩化物イオン浸透抵抗性 が低下することも示した。また,本研究では,簡易にコンクリートの塩化物イオン浸透性を評価するための方 法として,薄片を用いる方法,電気泳動法によって求めた拡散係数と浸漬による見かけの拡散係数との関係に ついても検討を行い,概ね相関関係が認められることを示した。さらに,本研究では,塩化物イオン浸透性に よって引き起こされるモルタルおよびコンクリート中の鋼材腐食に高炉水砕スラグが与える影響も調べた。そ の結果,高炉水砕スラグを細骨材に用いることで,ひび割れのない状態はもとより,ひび割れが生じた場合で あっても,コンクリート中の鋼材の腐食が抑制されることを示した。また,分極曲線法によって鋼材腐食抵抗 性の評価を行った。その結果,高炉スラグ微粉末や高炉スラグ細骨材を用いると,アノード腐食電流が流れや すくなる一方,カソード腐食電流は流れにくくなっていることを示した。

本研究の成果は,高炉スラグを用いたコンクリートの鋼材腐食における有益な情報を示すとともに,コンク リート構造物の長寿命化に貢献する成果を挙げている。よって,本論文は,学位論文に値するものと判断する。

参照

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