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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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氏 名 授 与 し た 学 位 専攻分野の名称 学 位 授 与 番 号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文の題目

論 文 審 査 委 員

杉田 篤彦 博 士 環境学

博甲第5528号 平成29年 3月24日

環境生命科学研究科 環境科学専攻

(学位規則第4条第1項該当)

高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートのプレストレストコンクリート部材への適 用に関する研究

准教授 藤井 隆史 教授 綾野 克紀 准教授 比江島慎二

学位論文内容の要旨

本研究では,高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートで,プレストレストコンクリート部材を製造するこ とに関して,コンクリートの乾燥収縮,クリープ,中性化抵抗性,塩化物イオン浸透性について試験を行い,

配合養生条件を変えた凍結融解抵抗性試験を行った。凍結融解作用と疲労の複合劣化試験を梁供試体で,凍 結融解作用と水中疲労試験を供試体で行い,耐久性について検討した。高炉スラグ細骨材としたコンクリー ト床版の輪荷重走行試験を実施し,耐荷性の検証を行った。

高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの特性は,細骨材に高炉スラグ細骨材を用いた場合には,砂岩砕 砂を用いたものに比べ,乾燥収縮ひずみが小さくなる。クリープ係数は,砂岩砕砂のコンクリートに比べて,

高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートは小さくなる。中性化については,高炉スラグ細骨材を用いること,

砂岩砕砂を用いたものよりも中性化の進行は,同程度か遅くなる。塩化物イオン浸透性について,細骨材に 高炉スラグ細骨材のみを用いることで,結合材に高炉スラグ微粉末を質量比で 60%用いた場合と同程度とな る。コンクリートの凍結融解抵抗性については,細骨材に高炉スラグ細骨材を用いることで,non-AEコンク リートでも十分な凍結融解抵抗性が得られることを塩水による凍結融解試験によって確認した。高炉スラグ 細骨材を用いたコンクリートに早強ポルトランドセメントを用いると,高い耐久性指数を得るためには,普 通ポルトランドセメントを用いる場合よりも長い水中養生期間が必要である。早強ポルトランドセメントは,

高炉スラグ微粉末を併用することで,高い凍結融解抵抗性を得ることができる。高炉スラグ細骨材を用いた コンクリートにおいて,増粘剤を用いれば,7日の若材齢で試験を開始しても,高い耐久性指数を得らえる。

ただし,スケーリングは大きくなる。

梁供試体による複合劣化試験では,高炉スラグ細骨材を用いることで,凍結融解および繰返し載荷による 複合劣化を抑制することが分かった。コンクリートが高い応力度でかつ大きな応力度振幅を受けた状態にお いても,高い耐久性を有する。床版の輪荷重走行疲労試験では,強度の相違はあるが,高炉スラグ細骨材を 使用したコンクリート床版は,普通砕砂の床版に比べ,同一の載荷条件下で載荷回数を上回る疲労耐荷性が あり,たわみも小さい。高炉スラグ細骨材を使用したコンクリート床版の輪荷重走行試験でひび割れが発生 した床版耐力は,初期載荷を受けていない床版の解析による耐力と比較すると,ほぼ同等の耐荷性能がある ことがわかった。凍結融解作用を受ける高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの水中疲労試験では,セメ ントの種類および細骨材の種類によって凍結融解抵抗性および疲労寿命は影響を受け,早強ポルトランドセ メントに比べ,普通ポルトランドセメントや高炉セメントB種で高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートは,

凍結融解抵抗性も高く,疲労寿命も長くなる。上限の載荷応力を25%とした場合,凍結融解作用で圧縮強度が 凍結融解前の 70%になると,繰返し荷重によって破壊に至るまでの回数が 100 万回程度となり,凍結融解作 用によるコンクリートの疲労寿命の低下が,凍結融解作用によって生じる圧縮強度の低下によって説明でき る。

以上の知見から,高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートは,従前のコンクリートより高い耐久性を発揮 できることが明らかになった。このことは,プレストレストコンクリート部材に適用しても同様であり,従 来のコンクリートに比べ耐久性が高められることが分かった。プレストレス力がより効果的に作用するため,

現状の設計ではより安全側となることを付記する。

(2)

論文審査結果の要旨

本論文は,高炉スラグ細骨材をプレストレストコンクリート部材に適用することを目的とするものである。

高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの特性は,砂岩砕砂を用いたものに比べ,乾燥収縮ひずみおよびク リープ係数も小さくなること,中性化の進行は砂岩砕砂を用いたものと同程度か遅くなること,塩化物イオ ン浸透性は,細骨材に高炉スラグ細骨材のみを用いることで,結合材に高炉スラグ微粉末を質量比で60%用 いた場合と同程度まで小さくなることを示した。また,コンクリートの凍結融解抵抗性については,細骨材 に高炉スラグ細骨材を用いることで,AE剤を用いなくても十分な凍結融解抵抗性が得られることを,塩水を 用いた凍結融解試験によって確認した。一方で,高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの凍結融解抵抗性 は,セメントの種類の影響を受け,早期に強度を発現するものほど長い水中養生を行う必要があること,増 粘剤を用いることで7日の若材齢で試験を開始しても,高い耐久性指数を得られることも示した。梁供試体を 用いた塩水と凍結融解と疲労による複合劣化試験では,高炉スラグ細骨材を用いることで,高い耐久性を有 することを確認した。床版の輪荷重走行疲労試験では,強度の相違はあるが,高炉スラグ細骨材を使用した コンクリート床版は,普通砕砂の床版に比べ,同一の載荷条件下で載荷回数を上回る疲労耐荷性があり,た わみは小さいことを確認した。さらに,凍結融解作用を受ける高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの水 中疲労試験では,砕砂を用いたAEコンクリートより凍結融解後も疲労寿命が長くなることを確かめた。

以上の知見から,高炉スラグ細骨材をプレストレストコンクリート部材に適用する際の有益なデータを示 したもので,今後のコンクリート構造物の高耐久化に大きく貢献できる成果であると言える。よって,本論 文は学位論文に値するものと判断した。

参照

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