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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名 表層拡大型早期胃癌の臨床病理学的特徴とその発育進展に関する一 考察

掲載雑誌名 昭和学士会雑誌 第75巻 第5号 頁 2015年

大学院医学研究科内科系内科学(消化器内科学分野)専攻(昭和大学藤が丘病院) 水谷 勝

内容要旨 今回の検討では腫瘍の短径が 5cm 以上であった早期胃癌を表 層拡大型早期胃癌と定義し、腫瘍長径が 2cm 以下であった微小癌を除く 早期胃癌を対照群として、臨床病理学的特徴を比較検討した。

表層拡大型早期胃癌は早期胃癌全体の4.7%を占め、平均年齢は67.0歳 と比較的若年者に多かった。組織型は未分化型〜中分化型、肉眼型は陥凹 型・複合型、占居部位は M 領域、壁在は小弯・後壁、深達度は粘膜下層 癌が多く、組織混在型胃癌が多く、粘液形質では胃型・胃腸混合型が多く、

潰瘍・潰瘍瘢痕の併発率が高かった。手術例では脈管侵襲陽性率に有意差 は無かったものの、リンパ節転移陽性率が有意に高く、早期胃癌と言えど も予後が良好とは言い難いので注意が必要である。

表層拡大型早期胃癌の発生・進展に関して、多中心性に発育したのか、

あるいは一つの癌が水平方向へ進展したのかについては、まだ明らかにな っていない。表層拡大型早期胃癌症例における多発癌の頻度は有意差を認 めなかったものの対照群より高く、多中心性発生を支持する一つの証拠と 考えられた。表層拡大型早期胃癌が多発早期胃癌の集合体を見ているので あれば、表層拡大型胃癌と多発早期胃癌の臨床病理学的特徴は類似するは ずである。両者を比較すると年齢や肉眼型は似ているものの、男女比・未 分化型癌の占める割合、占居部位などに関しては違いがみられ、両者が類 似した特徴を持つとは必ずしも言えない結果となった。また、多発早期胃 癌の発生状況から、表層拡大型早期胃癌に発展しうる病変の頻度をシュミ レーションしてみると、実際の頻度の1/3にとどまっており、多発癌の集 合体として説明できる表層拡大型早期胃癌はむしろ少数であることが示

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唆された。20 病巣以上の多発胃癌症例の報告は未分化型癌がほとんどを 占めており、未分化型の表層拡大型胃癌では、多発癌の集合によって形成 されたと想定される症例が報告されている。他方、分化型癌は一般的にゆ っくりと発育進展することを考えると、分化型の表層拡大型胃癌の場合は 多発癌の集合体と考えるよりも、一つの病巣が時間を掛けてゆっくりと水 平方向へ進展したものが主たる発生様式であると思われた。

参照

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