論文内容要旨
論文題名
Influence of venipuncture point and port chamber site on the risk of catheter fracture in right internal jugular port placements
(皮下埋込型中心静脈ポートシステムの穿孔や断裂を防ぐための右内頚静脈穿刺位置及び ポート留置部位の検討)
掲載雑誌名
The Journal of Vascular Access:Epub ahead of print,2019年
専攻科目 内科系放射線医学(放射線科学分野)専攻 (横浜市北部病院) 松成 一矢
内容要旨(両端揃え) 1200 字以内
目的:皮下埋め込み型中心静脈ポート(以下CVポート)は,患者のQOL を向上させる一 方で,カテーテルの断裂や穿孔などの長期留置による合併症も報告されている.カテーテル の断裂及び穿孔を防ぐための適切な穿刺位置,ポート留置部位について検討したので報告す る.
方法:2012 年 5 月から 2018 年 3月までに右内頸静脈穿刺,右前胸部ポート留置を行った 709例を対象とした.患者の平均年齢は65.6歳,男女比は58:41であった.原疾患として直腸 癌が最も多く124例であった.平均留置期間はG-Ⅰで438.3日,G-Ⅱで平均666.5日であっ た.転帰は存命が239例、死亡が414例,転帰不明が56例であった.留置時の透視画像よりカ テーテルの角度,鎖骨からの距離,カテーテル先端位置,曲率半径について計測した.正常例を
G-Ⅰ,断裂・穿孔例を G-Ⅱと分け,診療録より後ろ向きに検討を行った. 透視画像から計測
した値は実測値と異なるため、ポート本体の大きさを目安に正確な値に修正した.統計解析 はt検定を用い,p<0.05を有意差ありとした.
結果:角度は G-I で中央値 91.6 度,G-II で中央値 58.0 度であった.距離は G-I で中央値 26.0mm,G-IIで中央値 36.6mm であった.先端位置はG-Iで中央値 51.6mm,G-II で中央値
37.5mmであった.曲率半径はG-Iで中央値9.2R,G-IIで中央値7.1Rであった.角度,高さ,曲
率半径の項目で有意差を認めた.
考察:右内頸静脈穿刺にてCVポートを留置する際,穿刺点を低く設定し,カテーテルも緩や かなカーブを描くようにすることでればカテーテルの穿孔や断裂のリスクを減少させるこ とが可能となる.CVポートの長期合併症である穿孔や断裂を防ぐためにも留置時に穿刺位 置やカテーテルのカーブに注意を払う必要がある.