日本小児循環器学会雑誌 11巻1号 105頁(1995年)
第3回長野小児循環器談話会
時所人
話
日場世
平成6年6月11日 長野県立こども病院 長沼 邦明第3回長野小児循環器談話会では,東京女子医科大 学名誉教授,日本心臓血圧研究振興会国際分子細胞免 疫研究センター施設長 高尾篤良先生による「診察か
ら分子細胞遺伝学へ」と題する,CATCH22に関する研 究を中心とした特別講演があった.一般演題は3題で
あった.
1.C型肝炎に対するインターフェロン治療中に心 機能低下をきたした1男児例
信州大学小児科 笹野 拓也 司会 諏訪赤十字病院小児科 遠山 麻里 インターフェロンα投与中に著しい心機能低下を
きたした男児例を経験したので報告した.症例は13歳 男児.家族歴に特記すべきことなし.6歳時,非ポジ キンリンパ腫と診断され,化学療法を受けた.アント ラサイクリン系薬剤の使用総量は625mg/m2.7歳時,
輸血によるC型肝炎を発症し,インターフェロンα投 与を開始したが,治療中,気管支肺炎を合併し入院.
このとき,心電図の左側胸部誘導でT波の陰転化,心 エコーでは,著明な駆出率の低下,僧帽弁閉鎖不全を みた.気管支肺炎の治癒後も心機能低下が続いており,
インターフェロンα投与直前の心電図が正常であっ たことより,本剤の副作用としての心機能低下が示唆 された.インターフェロンの投与にあたっては,定期 的な心機能評価が必要と思われた.
2.心室頻拍の1女児例一力テーテル・アブレー ションを含めて一
山梨医科大学小児科 駒井 孝行 司会 市立甲府病院小児科 岩崎 康 症例は12歳,女児,持続性の心室頻拍発作を起こし
入院した.心エコー,心臓カテーテル検査では基礎疾 患を認めなかった.トレッドミル運動負荷試験でPVC ショートランが起こり,PVCの出かたには運動誘発性 が認められた.心臓電気生理学的検査では,刺激伝導 系の伝導時間は正常だったが,イソプロテレノール負 荷時の電気刺激で心室頻拍が誘発され,また,VTの起 源は右室流出路と推測された.VT発作の再発予防に はβ遮断剤が効果的であったが,胸痛,動悸の訴えが 持続するため,カテーテル・アブレーションによる治 療を行った.アブレーション後はVT発作は認められ ず,有効と思われた.
3.こども病院開設1年の診療状況
長野県立こども病院 安河内 聡 司会 飯田市立病院小児科 長沼 邦明 県立こども病院開設1年間の診療状況について報告
した.外来患者総数は350人でこども病院全患者数の 20.9%であった.地域別には中信地区が39%と多く,
次いで南信25%,北信21%,東信16%であった.外科 的手術は104例(開心術74例,非開心術30例)に対し行 われ死亡率は6.1%だった.手術年齢は4日から12歳
(平均23月),体重はO.7kg〜39kg(平均8.9kg)で左心 低形成症候群2例のNorwood手術成功例を含め心室 中隔欠損21例,ファロー四徴症13例,大動脈縮窄・離 断複合8例など新生児乳児例の比率が高く特徴的で あった.また,長野県育成医療申請状況からみた先天 性心疾患の治療状況からみると,こども病院の症例数 は33%で今後さらに各地域との連携を深め成績の向上 に努めるべきと考えられた.
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