日本小児循環器学会雑誌13巻4号601頁(1997年)
第12回長野小児循環器談話会
日 時 場 所 世話人
1997年5月31口(土)
長野県立こども病院2階会議室
里見 元義(長野県立こども病院循環器科)
1.心房中隔欠損の心臓検診からみた臨床的検討 長野県立こども病院循環器科
水上 愛弓,里見 元義 安河内 聰,岩崎 康 長野県立こども病院心臓血管外科
原田 順和,竹内 敬昌 森嶋 克昌,荒井 洋志 当科において心内修復術を施行したASD 61例の発 見のきっかけ,心音・心雑音および心電図所見につい て検討した.心臓検診の際,ASDの発見には不完全右 脚ブロック,isolated negative T,収縮期雑音, II音 の固定性分裂の有無はよい指標となる.しかし,心電 図所見,聴診所見単独では発見できる症例に限界があ る.これらを組み合わせて総合的判断をすることで,
見落とし(偽陰性)を最小限にできる.また,心電図 所見をより正確に評価するためには,12誘導,できれ ば15誘導心電図をとることが望ましい.
2.Departure isointegral mapによるアントラサ イクリン心筋障害の診断一心エコー所見との比較一 信州大学小児科
片桐麻由美,清水 隆,牛久保誠一 依田 達也,松岡 高史,小池 健一 小宮山 淳
対象はアントラサイクリン系抗がん剤を使用した11 例.ST−T Departure isointegral map(Dep I Map)
はEF正常群(7例),低下群(4例)それぞれ,正常 からの隔たりの極大:+2.OSD,+4.3SD(p=0.003),
極小:−2.9SD,−4.8SD(p=0.0004),>2SD領域:
2.9点,15.3点(p=0.002),<−2SD領域:7.9点,22.3 点(p=O.007)であった.EFとST−T Dep I Mapの 極小はr=0.91と強い正の相関を示した.ST−TDepI Mapは薬剤性心筋障害の判定に有用と考えられた.
別刷請求先:(〒399−82)長野県南安曇郡豊科町豊科 3100
長野県立こども病院循環器科
里見 元義
3.肺動脈閉鎖,重症肺動脈弁狭窄に対するカテー テルインターベンションの経験
長野県立こども病院循環器科,同 心臓血管 外科*
岩崎 康,安河内 聰,里見 元義 汲田 喜宏,水上 愛弓,原田 順和*
竹内 敬昌*,森嶋 克昌*,太田 敬三*
荒井 洋志*
純型肺動脈閉鎖3例,重症肺動脈弁狭窄7例,Eb−
stein奇形に合併した肺動脈閉鎖1例の11例に,バルー ン肺動脈弁拡大術を施行した.閉鎖例に対してはガイ
ドワイヤー穿刺,高周波アブレーションを用いて,穿
刺後PTVを行った.2例を除きPTVが可能であり,
右室圧の低下がえられた.適応と方法を適正に選択す れば安全で有効な治療法の一つであり,手術に変わる あるいは手術時期を遅らせうる可能性があると考えら
れた.
特別企画
循環器内科医から循環器小児科医へ
厚生連北信総合病院内科 高元 俊彦 循環器内科領域では最近虚血性心疾患の各種カテー
テルインターベンションに加えてBatista手術や
minimal invasive direct coronary artery bypass surgery(MIDCAB)がトピックとなっている.内科医 は小児科医から学び,grown up congenital heart disease(GUCH)の問題に協同して取り組みたい.
心エコー図による先天性心疾患の区分診断の基礎 長野県立こども病院循環器科 里見 元義 心エコー図による先天性心疾患の区分診断法を解説
した.今回は種々の心エコー図のパターンからあらゆ る種類の心房位の決定の仕方を説明した.引き続き心 室ループ,大血管関係の決め方を解説する.
次回第13回は,安藤正彦先生(東京女子医科大学客 員教授)をお招きして心臓の形態学のお話をして頂く 予定です.
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