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時所人  話

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日本小児循環器学会雑誌 9巻4号 605〜607頁(1994年)

第53回東海小児循環器談話会 時所人

日場世

平成5年7月10日

名古屋大学医学部

名古屋大学小児科 辻  明人

 1.L・BT・shuntにバルーン拡大術を施行した無脾 症候群の1成人例

    中津川市民病院小児科     名古屋大学小児科       長嶋 正實,辻       後藤 雅彦,夏目     同 胸部外科  阿部  症例は26歳,女子.4歳時,

動脈狭窄,共通房室弁,

瀧本 洋一 明人,西端 健司  淳,加藤  徹 稔雄,渡辺  孝       両大血管右室起始,肺       腹部内蔵錯位から,right isomerismの診断で,左Blalock・Taussig手術を受け た.今回短絡部の狭窄によるチアノーゼの増強を認め,

バルーン拡大術を施行.術前PaO244mmHgから術後 55mmHgに上昇し,運動能の向上とチアノーゼの軽減 を認め,拡大術は有効であったと考えた.

 2.大動脈縮窄症大動脈弓再建術後再狭窄に対し術 後3カ月にバルーン血管形成術を施行した1例     社会保険中京病院小児循環器科

      生駒 雅信,西川  浩       奥村 直哉,松島 正気     同 心臓血管外科

      井口 智雄,佐井  昇       安田  公,高橋 虎男     市立半田病院        石川 秀樹     名古屋大学小児科      長嶋 正実  症例はCoA,筋性部VSD, PDA.日齢7,鎖骨下 動脈フラップ法による大動脈弓再建術,肺動脈絞拒術,

動脈管結紮術を施行した.その後心不全,上下肢の血 圧の較差が出現し,術後108日に術後狭窄部のバルーン 血管形成術を施行した.狭窄部は3.3mmから7mmに

拡張し狭窄部での圧較差は術前の39mmHgから1

mmHgへと下降した.3ヵ月と術後期間が比較的短い 乳児例にバルーン拡大術を施行し良好な成績を得たの で報告した.

 3.肺動脈バルーン拡大術を施行したファロー四徴

症の1例

    藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院小児科

      辻徹,大須賀明子

    岡崎市民病院小児科     小倉 良介     豊川市民病院小児科     田中  宏     藤田保健衛生大学医学部小児科矢崎 雄彦     東京女子医科大学付属日本心臓血圧研究所      小児科      中西 敏雄  症例は3歳男児.ファロー四徴症,Lt Blalock・

Tassig術後.根治術目的にて心臓カテーテル検査を施 行したが,肺動脈の発育が悪く手術不能と判断し,肺 動脈,末梢肺動脈に対しバルーン拡大術を施行した.

術後約16時間後,突然に肺血流量が増加し,肺水腫と なり挿管管理を要した.ファロー四徴症に対する肺動 脈バルーン拡大術は,肺動脈の発育を促す良い方法で あるが,術後数時間を経て急激に肺血流量が増加する ことがあり,注意を要するとおもわれた.

 4.8年前学校検診で発見された心臓腫瘍と思われ る1例

    名城病院小児循環器科

      牧  貴子,木村  隆

 14歳女児.8年前の小1心臓検診で心電図上WPW

症候群のため,要三次検診となった.超音波検査の結 果左室自由壁及び心室中隔の著明な肥厚と左室の狭小 化を認め,肥厚性心筋症又は心臓腫瘍と診断した.左 室アソギオでも左室の狭小化を確認しているが生検は 行っていない.経過観察の結果徐々に左室自由壁及び

心室中隔が正常化し心電図も2年前からWPW症候

群ではなくなっている.経過と超音波所見から心臓腫 瘍と考えられるがその超音波所見の変化を中心に報告

した.

 5.左上腕動脈に発生した動脈瘤の1例     豊橋市民病院小児科

      白谷 尚之,伊藤  剛,石濱 広美       小久保 稔,永井美勢穂,川北  章       鈴木 賀巳,西村  豊

 症例は在胎34週5日,出生時体重1,834gにて双胎の 第1子として出現した女児.日齢34に左肘部屈側に2×

2.5cmの拍動性の腫瘤を認めドップラーエコー法に て腫瘤内に乱流を確認したため動脈瘤を疑い日齢37左

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梼骨動脈より逆行性動脈造影を施行し左上腕動脈瘤と 診断した.頭部CTとMRIでは動脈瘤は確認されず,

また第2子には腫瘤は発生していない.現在血栓予防 のためペルサンチン内服中である.

 6.右冠動脈走行異常,大動脈閉鎖不全を伴うファ ロー四徴症の1例

    名古屋第二赤十字病院小児科

      矢守 信昭,岩佐 充二  症例は5歳,男児.2歳11ヵ月時初回心カテ施行.

肺動脈の発育は十分であったが,単冠動脈で右冠動脈 が右室流出路を横断するため心外導管による手術を考 慮し就学前に根治術を予定した,4歳時,外来定期検

診のエコーにて右冠尖の変形及び1度のARを認め

た.5歳10ヵ月時,再度心臓カテ施行.選択的冠動脈 造影で右冠動脈は,右冠尖がなんらかの機序で閉鎖し たため左冠動脈より側副血行路を介し造影されること が判明.ARは右冠尖の変形によると考えられた.心内 膜炎の既往はなく,右冠尖が閉鎖した機序は不明であ るが極めてまれな冠動脈走行異常を認めたファP一四 徴症を経験したので報告した.

 7.1歳血管輪の1例

    名古屋市立大学小児科

      水野寛太郎,渡部 珠生       佐野 洋史,松本  博     同 第1外科

      三島  晃,武田 佳秀,鈴木 克昌     同 第2外科  近藤 知史,原 普二夫

 症例は1歳2ヵ月の男児.4ヵ月時にVSD根治術

を施行されている.H4.11月,食事中に突然呼吸困難 に陥り,挿管下に当院へ転送となる.大動脈造影,気 管内視鏡等にて右側大動脈弓と下行大動脈憩室につな がる左動脈管遺残性索状物による血管輪と診断の上,

解除術を行い順調な経過を得た.動脈管が索状物とな り,造影で描出されない場合のこの型の診断には病型 を疑い,大動脈憩室の位置,形態の診断を確実に行う ことが重要であると考えられた.

 8.左室流出路狭窄をきたしたd・TGA(1)の1例     名古屋市立大学小児科

      佐野 洋史,高橋 慎司,渡部 珠生       水野寛太郎,松本  博

 左室流出路狭窄(LVOTO)を伴うd−TGA(1)の 治療方針は,十分には確立されていない.我々は,新 生児期にBASを行い左室圧低下をきたしたため2期

的根治術を予定していたが生後5ヵ月でLVOTOを

日小循誌 9(4),1994 認めたd−TGA(1)の1例を経験した.文献的には,

右室圧上昇によるLVOTOは根治術消失または軽微

となるとの報告がみられる.我々の経験した症例もこ の報告を参考にして2期的根治術(Jatene ope)を考 えている.

 9.心房中隔欠損を伴わない両側部分肺静脈還流異 常症根治術

    名古屋大学胸部外科

      市原 利彦,渡辺  孝,梶山  真       阿部 稔雄,田中  稔,保浦 賢三

  玉木 修治,水野 俊一,高木   宮原  健

中津川市民病院       瀧本 名古屋大学小児科

  長嶋 正實,

  後藤 雅彦,

洋一

      辻明人,西端健司

      夏目  淳,加藤  徹  症例は11歳男児.心房中隔欠損を伴わない両側部分 肺静脈還流異常症(左上肺静脈→無名静脈,右上肺静 脈→上大静脈)と診断.体外循環下に左上肺静脈を左 房に直接端側吻合.Williamsの原法に従って,上大静 脈と右心耳を直接吻合し,また新しく心房中隔欠損を 作製し,右上肺静脈血が左房に還流するように工夫し た.本症は極めて稀で,本術式を用いた心内修復例は 報告が見あたらないので若干の考察を加え報告した.

 10.Tota1 Cavopulmonary Connection手術を施 行した解剖学的修正大血管位置異常症(SDI.)の1例     名古屋第一赤十字病院胸部外科

      小川 邦泰,湯浅  毅,藤田 興一       矢野  洋,早瀬 修平

    同 小児医療センター循環器科

      中村 重雄,羽田野為夫  症例は29歳女性.乳児期から心疾患を指摘されてい たが,手術不能といわれ放置していた.術前RBC 722 万,PO244mmHg, Sat 83%,心臓カテーテル検査に て大動脈が肺動脈の左前方より起始する解剖学的修正 大血管位置異常症(SDL), ASD, VSD,右室低形成,

肺動脈弁および弁下狭窄,左側並列心耳,両側円錐と 診断した.肺静脈模入圧9mmHg, PA index 338mm2/

M2,でTCPC手術を施行した.術後経過はCVP 12

mmHg前後で血行動態は安定し,翌日呼吸器管理から 離脱した.

 11.総動脈幹遺残症の乳児期早期手術例     大垣市民病院小児循環器科

      斎藤  望,安田東始哲

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平成6年2月1日 607−(97)

      馬場 礼三,田内 宣生     同 胸部外科

      村山 弘臣,西澤 孝夫,櫻井  一       寺西 克仁,前田 正信,村瀬 允也     東濃病院小児科 安藤 秀男,長谷川誠一  内科的治療が困難となった総動脈幹遺残症1型の3 ヵ月男児に対し,手作り弁付き心膜ロールを用いた Rastelli手術を行った.

 ブタ心膜を折返したロールに3つの交連部を縫合し て3弁をつくり,その中枢側にウマ心膜ロールを縫合 して内径14mmの弁付き導管を作成した.主肺動脈を 大動脈から切離後,心臓ロールの弁直上の伝導で肺動 脈と端々吻合し,弁直下で右室と連続縫合した.VSD はウマ心膜で閉鎖した.

 術後経過は良好であった.

 12.BWG症候群の1手術治験例

    大垣市民病院胸部外科

      村山 弘臣,村瀬 允也,前田 正信       寺西 克仁,櫻井  一,西澤 孝夫     大垣市民病院小児循環器科

      田内 宣生,馬場 礼三,安田東始哲  症例は7歳男児.心雑音以外特記すべき症状なく放 置されていた.6歳時に学校における心電図検査で異

常を指摘され,心エコー,運動負荷心電図,心筋シン チ,心カテを施行したところBWG症候群との診断を 得た.竹内法による冠血行再建を行ったところ,運動 負荷心電図ではSTの低下を依然認めるものの,心筋 シンチでは明らかな改善を認めた.

 13.肺動脈閉鎖を伴ったTGAに対する二期的根治 手術の1治験例

    三重大学胸部外科

      片山 芳彦,新保 秀人       矢田  公,湯浅  浩  症例は9歳,女児で生後2日目に心雑音を指摘され,

精査にて肺動脈閉鎖,MAPCAを伴ったTGA(SD.

D.)と診断された.主なMAPCAは3本存在した.最 初の手術で右下葉と左全葉を灌流する1t, MAPCAに 他の2本のrt. MAPCAを吻合し, rt. modified BT

shuntを追加してunifocalizationを施行した.

unifocalization施行8ヵ月後に1t. MAPCAの結紮術 を施行し,internal conduitとしてcollagenized woven dacron graftで作製したpatch, external con−

duitとしてvalved pericardial rollを用いた根治手術 を施行した.術後肺動脈圧が59/12mmHgと肺高血圧 症を呈している以外経過は良好であった.

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